【実施例】
【0008】
図1は、一部の実施例によるセルラ通信を示す。エンハンスド又はエボルブド・ノードB(eNodeB)104などの基地局は、セル101内の、UE102などの通信装置に無線通信サービスを提供する。
【0009】
eノードB106などの基地局は、セル103内の通信装置に無線通信サービスを提供する。ハンドオーバは、特定のハンドオーバ基準が満たされた場合にUE102との通信をハンドオーバするためにeノードB104からeノードB106へ行い得る。
【0010】
実施例によれば、オフセット値及びトリガ時間(TTT)などのハンドオーバ・イニシエーション・パラメータは、セル101などのサービング・セルからセル103などのターゲット・セルへのハンドオーバを行うために適応的に選択し得る。前述の実施例では、オフセット値及びTTTは、参照信号などの特定の信号の受信電力レベルに基づいて選択し得る。一部の実施例では、参照信号受信電力(RSRP)を使用し得る。
【0011】
一部の実施例では、オフセット値はA3オフセット値であり得る。前述の実施例の一部では、A3オフセット値は、ターゲット・セル参照信号受信電力(tarRSRP)及びソース又はサービング・セルRSRP(srcRSRP)の1つ又は複数に基づいて選択し得る。TTTは、ターゲット・セルRSRP及びサービング・セルRSRPの1つ又は複数に基づいて選択し得る。前述の実施例の一部では、A3オフセット値をターゲット・セルRSRPに基づいて選択し得、TTTをサービング・セルRSRPに基づいて選択し得る。
【0012】
前述の実施例では、サービング・セル101からターゲット・セル103へのハンドオーバは、選択されたTTTの間に、少なくとも選択されたA3オフセット値だけ、ターゲット・セルRSRPがサービング・セルRSRPを常に超える場合に起動し得る。一部の実施例では、A3オフセット値は、ターゲット・セルRSRPに反比例するよう選択し得、TTTはサービング・セルRSRPに比例するよう選択し得る。前述の実施例は以下に更に詳細に説明する。
【0013】
図2は、一部の実施例によるハンドオーバ・イニシエーション(起動)基準の例を示す。サービング・セル101(
図1)はサービング・セルRSRP201を有し得、ターゲット・セル103(
図1)はターゲット・セルRSRP203を有し得る。この例示的な例証では、サービング・セルRSRP201及びターゲット・セルRSRP203は、例証するように変わり得る。このことは、UE102(
図1)などのUEがターゲット・セル103に対してサービング・セル101内で移動する場合にあてはまり得る。
図2に示すように、ターゲット・セルRSRP203が、TTT207について少なくともA3オフセット値205(すなわち、A3イベント)だけ、サービング・セルRSRP102を常に超える場合、ハンドオーバを起動し得る。一部の実施例では、UE102は、ハンドオーバを起動させるために、サービング・セル101からターゲット・セル103へのハンドオーバのための測定通知209を送信し得る。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるようなA3イベントは、近傍セルのRSRPが、一次セル(Pセル)のRSRP(例えば、サービング・セルRSRP)よりも良好なオフセットの量(A3オフセット値)になる場合の測定通知イベントであり得る。一部の実施例では、A3イベントは、3GPP T.S 36.331(第3世代パートナーシップ・プロジェクト、技術仕様グループ 無線アクセス・ネットワーク、エボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA)、無線リソース制御(RRC)、プロトコル仕様書(リリース11))による「イベントA3」を表し得るが、これは要件ではない。前述の実施例では、イベントA3はハンドオーバ・イベントであり、A3オフセットは、ハンドオーバをトリガするための値である。
【0015】
前述の実施例では、選択されたA3オフセット値205はターゲット・セルRSRP203に反比例し得、選択されたTTT207は、サービング・セルRSRP201に比例し得る。前述の実施例では、A3オフセット値205及びTTT207(すなわち、A3オフセット・TTT対)の適応的選択は、特に、高速移動中のUEを含む、移動中のUEの場合、ハンドオーバ効率を向上させ、無線リンク障害(RLF)を削減し、ハンドオーバ・オーバヘッドを削減し得る。RSRPに基づいたA3オフセット・TTT対の適応的選択は、UEの速度の推定又は使用の必要なしで、特に、高速移動UEの場合に、ハンドオーバ効率を向上させ、無線リンク障害を削減し得る。
【0016】
一部の実施例では、1つ又は複数の閾値とともにA3オフセット値及びTTTの組を、無線リソース制御(RRC)接続確立時に(例えば、当初の接続確立時に)UE102にeノードB104によって送出し得る。UE102がA3イベント(すなわち、A3オフセット状態が該当する)に入ると、UE102は、TTT時間まで、選択されたA3オフセット値・TTT対をロックインし得る。A3イベントの満了後、UE102は、UE102がA3イベントを出ると、選択されたA3オフセット値・TTT対をロック解除し得る。前述の実施例では、A3イベント外の場合、UE102は、サービング・セルRSRP201及びターゲット・セルRSRP203を監視し、1つ又は複数のRSRP閾値に基づいてA3オフセット値・TTT対を動的に選択し得る。
【0017】
一部の実施例では、UE102は、A3イベント中のA3オフセット値及びTTT207の選択又は再選択を控え得る。A3イベントは、測定されたターゲット・セルRSRP203が、測定されたサービング・セルRSRP201を、現在選択されているA3オフセット値205だけ、超える時間を含み得る。A3オフセット・TTT対のA3オフセット値205及びTTT207の選択及び再選択はA3イベント外で定期的に行い得、選択されたA3オフセット値205及びTTT207はA3イベント中、維持される(すなわち、再選択されない)。
【0018】
一部の実施例では、A3オフセット値205の選択は、ターゲット・セルRSRP203に基づいて複数のA3オフセット値(すなわち、v1、v2又はv3)の1つの選択を含み得る。TTT207の選択は、サービング・セルRSRP201に基づいた複数のTTT(t1、t2、又はt3)の1つの選択を含み得る。前述の実施例では、より大きいA3オフセット値205を、より低いターゲット・セルRSRP203の場合に選択し得、より小さいA3オフセット値205を、より高いターゲット・セルRSRP203の場合に選択し得る。前述の実施例では、選択されたA3オフセット値205は、ターゲット・セルRSRP203に反比例する。A3オフセット値205の単位はdBであり得るが、実施例の範囲はこの点に限定されるものでない。
【0019】
一部の実施例では、ターゲット・セルRSRP203とサービング・セルRSRP201との間の差(測定されたターゲット・セルRSRP203から減算された測定されたサービング・セルRSRP201)は、測定されたA3オフセットとして表し得る。A3イベントは、測定されたA3オフセットが、選択されたA3オフセット値205を超える場合に生じ得る。
【0020】
一部の実施例では、より大きいTTT207を、より高いサービング・セルRSRP201の場合に選択し得、より小さいTTT207を、より低いサービング・セルRSRP201の場合に選択し得る。前述の実施例では、選択されたTTT207は、サービング・セルRSRP201に比例し得る。TTT207の単位はミリ秒であり得るが、実施例の範囲はこの点に限定されるものでない。
【0021】
一部の実施例では、複数のA3オフセット値及び複数のTTTを、RRC接続確立時にeノードB104から受信し得る。一部の実施例では、複数のA3オフセット値及び複数のTTTはデフォルト又は当初のA3オフセット値及びTTTに基づき得る。一部の実施例では、A3オフセット値及びTTTは、eノードB104とUE102との間のRRC接続確立時にeノードB104によって構成又は判定し得るが、これは要件ではない。
【0022】
一部の実施例では、A3オフセット値及びTTTは所定のものであり得る。A3オフセット値及びTTTは、上述するように後の選択のためにUE102に記憶し得る。
【0023】
別の一部の実施例では、複数のA3オフセット値及び複数のTTTはデフォルト又は当初のA3オフセット値及びTTTに基づいてUE102によって生成し得る。前述の別の実施例では、デフォルト又は当初のA3オフセット値及びTTTはeノードB104によって提供し得るが、これは要件ではない。一部の実施例では、ターゲット・セルRSRP203がRSRP閾値(α)よりも大きい場合にA3オフセット値205に第1のA3オフセット値(v1)を選択し得、ターゲット・セルRSRP203がRSRP閾値(α)よりも大きくない場合にA3オフセット値205に第2のA3オフセット値(v2)を選択し得る。前述の実施例では、サービング・セルRSRP201がRSRP閾値(α)よりも大きい場合にTTT207に第1のTTT値(t1)を選択し得、サービング・セルRSRP201がRSRP閾値(α)よりも大きくない場合にTTT207に第2のTTT値(t2)を選択し得る。第1のA3オフセット値(v1)は第2のA3オフセット値(v2)よりも小さいことがあり得、第1のTTT(t1)は第2のTTT(t2)よりも大きいことがあり得る。前述の実施例の一部では、第1のA3オフセット値(v1)、第2のA3オフセット値(v2)、第1のTTT(t1)、第2のTTT(t2)、及びRSRP閾値(α)は、接続確立時にeノードB104によって提供し得る。
【0024】
一部の実施例では、ターゲット・セルRSRP203及びサービング・セルRSRP201は、N−1のRSRP閾値を、NのA3オフセット値及びNのTTTから選択するために使用する複数のレベル(N)に分けることができる。3つのレベルが使用される(N=3)例示的な実施例では、ターゲット・セルRSRP203が第1のRSRP閾値(α)よりも大きい場合にA3オフセット値205に第1のA3オフセット値(v1)を選択し得、ターゲット・セルRSRP203が第2のRSRP閾値(β)よりも大きいが、第1のRSRP閾値(α)よりも大きくない場合にA3オフセット値205に第2のA3オフセット値(v2)を選択し得、ターゲット・セルRSRP203が第2のRSRP閾値(β)よりも大きくない場合にA3オフセット値205に第3のA3オフセット値(v3)を選択し得る。サービング・セルRSRP201がRSRP閾値(α)よりも大きい場合にTTT207に第1のTTT(t1)を選択し得、サービング・セルRSRP201が第2のRSRP閾値(β)よりも大きいが、第1のRSRP閾値(α)よりも大きくない場合にTTT207に第2のTTT値(t2)を選択し得、サービング・セルRSRP201が第2のRSRP閾値(β)よりも大きくない場合にTTT207に第3のTTT(t3)を選択し得る。第1のA3オフセット値(v1)は第2のA3オフセット値(v2)よりも小さいことがあり得、第2のA3オフセット値(v2)は第3のA3オフセット値(v3)よりも小さいことがあり得る(すなわち、v1<v2<v3である)。第1のTTT(t1)は第2のTTT(t2)よりも大きいことがあり得、第2のTTT(t2)は第3のTTT(t3)よりも大きいことがあり得る(すなわち、t1>t2>t3である)。前述の実施例では、第1のA3オフセット値、第2のA3オフセット値、第3のA3オフセット値、第1のTTT、第2のTTT、第3のTTT、及び第1のRSRP閾値、第2のRSRP閾値は接続確立時にeノードB104によって提供し得る。
【0025】
前述の実施例では、第1のRSRP閾値(α)は、最大3dB以上だけ、第2のRSRP閾値(β)よりも大きいことがあり得るが、実施例の範囲はこの点に限定されるものでない。一部の実施例では、Nは2以上5未満であり得るが、Nは5よりも大きいことがあり得るので、実施例の範囲はこの点に限定されるものでない。一部の実施例では、RSRP閾値(α,β)は、無線リンク障害を最小にするか、又は削減し、ハンドオーバ・オーバヘッドを削減するために別々の速度で移動しているUEについて行われるシミュレーションに基づいたシステムによって求め得る。
【0026】
N=2の例示的な実施例では、単一のRSRP閾値、別々の2つのA3オフセット値、及び別々の2つのTTTをeノードB104によって提供し得る。N=3の場合、2つのRSRP閾値、別々の3つのA3オフセット値、及び別々の3つのTTTを提供し得る。N=4の場合、3つのRSRP閾値、別々の4つのA3オフセット値、及び別々の4つのTTTを提供し得る。前述の実施例では、UE102は、ハンドオーバ・イニシエーションのためのRSRP閾値、並びに、測定されたターゲット・セルRSRP及び測定されたサービス・セルRSRPに基づいてA3オフセット・TTT対を選択し得る。
【0027】
一部の実施例では、潜在的なハンドオーバ決定のためのサービング・セル101のeノードB104による使用のために、選択されたTTT207の間、少なくとも選択されたA3オフセット値205だけ、ターゲット・セルRSRP203がサービング・セルRSRP201を常に超えている場合に、UE102は、測定通知209をサービングeノードB104に送出し、又は送信し得る。測定通知209は少なくともターゲット・セル103のセル識別子を含み得る。ハンドオーバは測定通知209に応じて行い得る。
【0028】
一部の実施例では、測定通知209は、TTTタイマの満了時に測定されたサービング・セルRSRP201及びターゲット・セルRSRP203を含み得る。測定通知209は更に、他の近傍セルのRSRPを含み得る。一部の実施例では、測定通知209はトリガ測定通知として表し得る。前述の実施例の一部では、最大/最強RSRPを有する近傍セルをターゲット・セル103として識別し得る。測定通知209は、その物理セル識別子(physcellid)により、セルを識別し得、一部の実施例では、セルの閉加入者グループ(CSG)識別情報が含まれ得る。別の一部の実施例では、測定通知209は、ターゲット・セルへのハンドオーバをトリガするために使用し得、必ずしも、RSRP値を含まないことがあり得る。
【0029】
前述の実施例の一部では、サービングeノードB104がUE102をターゲット・セル103のeノードB106にハンドオーバすることにした場合、サービングeノードB104はハンドオーバ要求をターゲットeノードB106に送出し得る。ターゲットeノードB106は、ハンドオーバ要求肯定応答(ACK)によって応答し得る。サービングeノードB104は次いで、モビリティ制御情報(例えば、mobilityControlInfo)を含むRRC再構成メッセージをUE102に通知し得る。サービングeノードB104は、次いで、ステータスをターゲットeノードB106に移し得、UE102は、RRC接続再構成メッセージにより、ターゲットeノードB106に切り替えて、ハンドオーバ・プロセスを完了し得る。
【0030】
一部の実施例では、ターゲット・セルRSRP203が、少なくとも、選択されたA3オフセット値205だけ、サービング・セルRSRP201を超える場合にTTTタイマを設定し得る。TTTタイマは、選択されたTTT207後に満了するよう構成し得る。ターゲット・セルRSRP203が、サービング・セルRSRP201を、少なくとも選択されたA3オフセット値205だけ超える訳でない場合、UE102はTTTタイマを停止させ得る。ターゲット・セルRSRP203が、少なくとも選択されたA3オフセット値205だけ、サービング・セルRSRP201を超える場合、TTTタイマをリセットし、再起動し得る。TTTタイマの満了時に、UE102は、測定通知209をサービングeノードB104に送出し得る。
【0031】
一部の実施例では、UE102は、ターゲット・セル103のRSRP及びサービング・セル101のRSRPを定期的に測定するよう構成し得る。ターゲット・セル103のRSRP(すなわち、ターゲット・セルRSRP203)は、チャネル帯域幅にわたり、ターゲット・セルeノードB106によって送信された下りリンク参照信号の平均に基づき得る。サービング・セル101のRSRP(すなわち、サービング・セルRSRP201)は、チャネル帯域幅にわたり、サービング・セルeノードB104によって送信された下りリンク参照信号の平均に基づき得る。前述の実施例では、RSRPは、チャネル帯域幅にわたる、下りリンク参照信号の線形平均をUE102がとることによって行われる物理レイヤ測定であり得る。値は、レイヤ1(L1)及びレイヤ3(L3)フィルタリング後に生成し得る。一部の実施例では、RSRP測定は、TS36.331を含む、UTRAN−LTE 3GPPの第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)標準を含む、UTRAN LTE標準の1つによって行い得るが、これは要件ではない。
【0032】
一部の実施例では、RSRPは、帯域幅全体にわたり、セル特有の参照信号を搬送する一部又は全部のリソース・エレメントの電力の平均であり得、参照シンボルを収容する直交周波数分割多重(OFDM)シンボル単位で測定される。前述の実施例では、別々のeノードBによって送信される参照信号はそのセル識別子によって区別可能であり得るが、これは要件ではない。
【0033】
図1に示す例では、ターゲット・セル103及びサービング・セル101は同じセル・レイヤを含み得る。前述の実施例では、同じセル・レイヤは、マクロセル・レイヤ又はマイクロセル・レイヤを含み得る。
【0034】
他の一部の実施例では、ターゲット・セル103及びサービング・セル101は別々のセル・レイヤを含み得る。別々のセル・レイヤは、マクロセル・レイヤ及びマイクロセル・レイヤを含み得る。マクロセル・レイヤはマクロ・セルを含み得る。マイクロセル・レイヤは、マイクロセル、ピコセル、及びフェムトセルの1つ又は複数を含み得る。前述の実施例の一部では、マイクロセル・レイヤのセルは、
図3に示すように、マクロ・レイヤのセル内に配置し得る。
【0035】
図3は、一部の実施例による別々のセル・レイヤ内のセルラ通信を示す。前述の例示的な実施例では、eノードB304はマクロeノードBであり得、マクロセル・レイヤのマクロ・セル301との通信サービスを提供し得る。eノードB306は、マイクロセルeノードBであり得、マイクロセル・レイヤのマイクロセル303内の通信サービスを提供し得る。マイクロセル303はマクロ・セル301内に配置し得る。前述の実施例では、UEは、動的に、サービング・セルRSRP及びターゲット・セルRSRPに基づいてA3オフセット・TTT対を選択し、上述したようにA3オフセット・TTT対に基づいてハンドオーバを起動させ得る。前述の実施例は、別々のサイズ/レイヤのセル間のハンドオーバを含む異種ネットワーク(ヘトネット。すなわち、別々のセル・レイヤを有する)において特に有益であり得る。
【0036】
図4は、一部の実施例によるユーザ装置(UE)400のブロック図である。UE400はUE102(
図1)としての使用に好適であり得るが、他の構成も好適であり得る。UE400は、1つ又は複数のアンテナを介してeノードBと通信するための物理レイヤ(PHY)レイヤ回路402を含み得る。UE400は更に、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ回路404、並びに、処理回路406及びメモリ408を含み得る。
【0037】
一部の実施例によれば、処理回路406は、上述したようにA3オフセット値205(
図2)を選択し、TTT207(
図2)を選択するよう構成し得る。物理レイヤ回路402は、ターゲット・セル103(
図1)のRSRPを含む1つ又は複数の近傍セルのRSRP、及びサービング・セルRSRP201を測定するよう構成し得る。メモリ408は、eノードB104(
図1)から受信されていたことがあり得るA3オフセット値、TTT、及び1つ又は複数のRSRP閾値を記憶するよう構成し得る。物理レイヤ回路402は更に、選択されたTTTの間に、少なくとも選択されたA3オフセット値だけ、ターゲット・セルRSRP203がサービング・セルRSRPを超える場合に、サービング・セル101からターゲット・セル103へのハンドオーバを行い得る。
【0038】
一部の実施例では、UE400は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリ・ポート、複数のアンテナ、グラフィクス・プロセッサ、アプリケーション・プロセッサ、スピーカ、及び他のモバイル装置エレメントの1つ又は複数を含み得る。ディスプレイは、タッチ画面を含むLCD画面であり得る。UE400によって利用される1つ又は複数のアンテナは、例えば、ダイポール・アンテナ、モノポール・アンテナ、パッチ・アンテナ、ループ・アンテナ、マイクロストリップ・アンテナ、又はRF信号の伝送に適した他のタイプのアンテナを含み得る。一部の実施例では、2つ以上のアンテナの代わりに、複数のアパーチャを備えた単一のアンテナを使用し得る。前述の実施例では、各アパーチャは別個のアンテナとみなし得る。一部の複数入力複数出力(MIMO)の実施例では、アンテナは、送信局のアンテナと、アンテナそれぞれとの間に生じ得る異なるチャネル特性、及び空間ダイバーシチを利用するよう効果的に離間させ得る。一部のMIMO実施例では、アンテナは最大1/10波長以上だけ、離間させ得る。
【0039】
UE400は、別個のいくつかの機能エレメントを有しているものとして例証しているが、機能エレメントの1つ又は複数は、組み合わせ得、ディジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理エレメントなどのソフトウェア構成エレメント、及び/他のハードウェア・エレメントの組み合わせによって実現し得る。例えば、一部のエレメントは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、及び少なくとも本明細書及び特許請求の範囲に記載した機能を行うための種々のハードウェア及び論理回路の組み合わせを備え得る。一部の実施例では、機能エレメントは、1つ又は複数の処理エレメントを処理する1つ又は複数の処理を表し得る。
【0040】
実施例は、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの1つ又は組み合わせで実現し得る。実施例は更に、本明細書及び特許請求の範囲記載の動作を行うために少なくとも1つのプロセッサによって読み取り、実行し得るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶された命令として実現し得る。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を記憶するための何れかの一時的でない機構を含み得る。例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、リードオンリ・メモリ(ROM)、ランダムアクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置、並びに、他の記憶装置及び媒体を含み得る。前述の実施例では、UE400の1つ又は複数のプロセッサは、本明細書及び特許請求の範囲記載の動作を行う旨の命令で構成し得る。
【0041】
一部の実施例では、処理回路406は1つ又は複数のプロセッサを含み得、物理レイヤ回路402は無線周波数(RF)回路及びベースバンド回路を含み得る。RF回路は受信器回路及び送信器回路を含み得る。受信器回路は、受信RF信号をベースバンド信号に変換し得、ベースバンド回路はベースバンド信号を1つ又は複数のビット・ストリームに変換し得る。送信器回路は1つ又は複数のビット・ストリームをベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号を、送信するためにRF信号に変換し得る。
【0042】
一部の実施例では、UE400は、OFDMA通信手法により、マルチキャリア通信チャネルを介してOFDM通信信号を受信するよう構成し得る。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを含み得る。一部のブロードバンド・マルチキャリアの実施例では、eノードBは、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)ロングタームエボリューション(LTE)又はロングタームエボリューション(LTE)通信ネットワークなどの広帯域無線アクセス(BWA)ネットワーク通信ネットワークの一部であり得るが、実施例の範囲はこの点に限定されるものでない。前述の広帯域マルチキャリアの実施例では、UE400及びeノードBは、3GPP−LTEの直交周波数分割多元接続(OFDMA)によって通信するよう構成し得る。
【0043】
一部のLTEの実施例では、無線リソースの基本単位は、物理リソース・ブロック(PRB)である。PRBは、周波数領域における12のサブキャリア × 時間領域における0.5msを含み得る。PRBは、(時間領域において)対で割り当て得る。前述の実施例では、PRBは複数のリソース・エレメント(RE)を含み得る。REは、一サブキャリア × 一シンボルを含み得る。
【0044】
復調参照信号(DM−RS)、チャネル状態情報参照信号(CIS−RS)及び/又は共通参照信号(CRS)を含む2つのタイプの参照信号をeNBによって送信し得る。DM−RSは、データ変調のためにUEによって使用し得る。参照信号は所定のPRB内で送信し得る。
【0045】
一部の実施例では、OFDMA手法は、別々の上りリンク及び下りリンクのスペクトルを使用する周波数領域複信(FDD)手法、又は上りリンク及び下りリンクに同じスペクトルを使用する時間領域複信(TDD)手法であり得る。
【0046】
一部の実施例では、UE400は、携帯情報端末(PDA)などのポータブル無線通信装置、無線通信機能を有するラップトップ型又はポータブル型コンピュータ、ウェブ・タブレット、無線電話機、無線ハンドセット、ページャ、インスタント・メッセージング装置、ディジタル・カメラ、アクセス・ポイント、テレビ受像機、医療装置(例えば、心拍計、血圧計等)、又は、無線で情報を受信し、かつ/又は送信し得る他の装置を含み得る。
【0047】
一部のLTEの実施例では、UE400は、閉ループ空間多重伝送モードのチャネル適応を行うために使用し得る別々のいくつかのフィードバック値を算出し得る。前述のフィードバック値は、チャネル品質インディケータ(CQI)、ランク・インディケータ(RI)、及びプレコーディング・マトリクス・インディケータ(PMI)を含み得る。CQIにより、送信器は、いくつかの変調アルファベット及びコード・レートの組み合わせの1つを選択する。RIは、現在のMIMOチャネルに有用な伝送レイヤの数について送信器に通知し、PMIは、送信器において適用される(送信アンテナの数に応じた)プリコーディング・マトリクスのコードブック・マトリクスを示す。eNBによって使用されるコード・レートはCQIに基づき得る。PMIは、UE400によって算出され、eNBに通知されるベクトルであり得る。一部の実施例では、UE400は、CQI/PMI又はRIを含む形式2、2a又は2bの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)を送信し得る。
【0048】
前述の実施例では、CQIは、UE400が遭遇する下りリンク移動無線チャネル品質の表示であり得る。CQIは、結果として生じる伝送ブロック・エラー・レートが10%などの特定値を超えないように、特定の無線リンク品質に用いるための最適な変調手法及び符号化レートをUE400がeNBに提案することを可能にする。一部の実施例では、UE400は、システム帯域幅のチャネル品質を表す広帯域CQI値を通知し得る。UE400は更に、より高いレイヤによって構成し得る特定数のリソース・ブロックのサブバンド毎のサブバンドCQI値を通知し得る。サブバンド・セット全体がシステム帯域幅を包含し得る。空間多重の場合、符号語毎のCQIを通知し得る。
【0049】
一部の実施例では、PMIは、特定の無線状態についてeNBによって使用される対象の最適なプレコーディング・マトリクスを示し得る。PMI値はコードブック・テーブルを表す。ネットワークは、PMI通知によって表されるリソース・ブロックの数を構成する。一部の実施例では、システム帯域幅を包含するために、複数のPMI通知を提供し得る。PMI通知は、閉ループ空間多重、マルチユーザMIMO、及び閉ループ・ランク1・プレコーディングMIMOモードについても提供し得る。
【0050】
一部の協調マルチポイント(CoMP)の実施例では、ネットワークは、遠隔無線ヘッド(RRH)などの2つ以上の協調/連携点が共同で送信するUEへのジョイント送信のために構成し得る。前述の実施例では、ジョイント送信はMIMO送信であり得、協調点は、ジョイントビーム形成を行うよう構成される。
【0051】
図5は、一部の実施例による、ハンドオーバ・イニシエーション・パラメータの適応的選択の手順である。手順500は、ハンドオーバ・イニシエーション・パラメータの適応的選択のために、UE102(
図1)などのUEによって行い得る。
【0052】
動作502では、UEはサービング・セルRSRPを測定し得る。
【0053】
動作504では、UEはターゲット・セルRSRPを測定し得る。動作504は、ハンドオーバの候補及び潜在的なターゲット・セルとして1つ又は複数の近傍セルのRSRPを測定する工程を含み得る。最大のRSRPを有する近傍セルがターゲット・セルであり得る。
【0054】
動作506では、UEは、ターゲット・セルRSRPに基づいてA3オフセット値を選択し得る。A3オフセット値は、ターゲット・セルRSRPに反比例するものとして選択し得る。
【0055】
動作508では、UEはサービング・セルRSRPに基づいてTTIを選択し得る。TTTは、サービング・セルRSRPに比例するよう選択し得る。A3オフセット値及びTTTの選択は、上述したように、1つ又はRSRP閾値とのターゲット・セルRSRPの比較、及び1つ又は複数のRSRP閾値とのサービング・セルRSRPの比較に基づき得る。
【0056】
動作510では、UEはハンドオーバを要求し得る。一部の実施例では、UEは、ターゲット・セルRSRPが、TTTの間に少なくともA3オフセット値だけ、サービング・セルRSRPを超える場合にサービング・セルからターゲット・セルへのハンドオーバのために測定通知をeノードBに送信し得る。一部の実施例では、UEは、ハンドオーバ要求をサービングeノードBに送信し得る。
【0057】
一部の実施例では、UEは、接続確立時にeノードB104(
図1)から複数のA3オフセット値、複数のTTT、及び1つ又は複数のRSRP閾値を受信し得る。A3オフセット値及びTTTの選択は、複数のA3オフセット値及びTTTから行い得、1つ又は複数のRSRP閾値に基づき得る。
【0058】
要約は、技術的開示の性質及び趣旨を読者が確かめることを可能にすることを要求している37CFRセクション1.72(b)に準拠するよう記載している。本出願の特許請求の範囲に記載された請求項の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されないと理解されるものとする。特許請求の範囲に記載の内容は、上記詳細な説明に組み入れ、各請求項はそれ自体が別個の実施例として成立している。