特許第5778376号(P5778376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778376コーティングプロセスにおいて材料を噴霧化する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778376
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】コーティングプロセスにおいて材料を噴霧化する方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20150827BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20150827BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20150827BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20150827BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20150827BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20150827BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   C23C16/448
   B01J19/00 K
   B01J19/00 L
   B05D1/02 Z
   H05B33/02
   H05B33/04
   H05B33/10
   H05B33/14 A
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2008-548728(P2008-548728)
(86)(22)【出願日】2006年12月28日
(65)【公表番号】特表2009-526127(P2009-526127A)
(43)【公表日】2009年7月16日
(86)【国際出願番号】US2006049432
(87)【国際公開番号】WO2008030262
(87)【国際公開日】20080313
【審査請求日】2009年12月22日
【審判番号】不服2014-4273(P2014-4273/J1)
【審判請求日】2014年3月5日
(31)【優先権主張番号】60/754,914
(32)【優先日】2005年12月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,エドワード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラモス,ジーザス アール.
【合議体】
【審判長】 大橋 賢一
【審判官】 川端 修
【審判官】 河原 英雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−211183(JP,A)
【文献】 特開2000−355757(JP,A)
【文献】 特開2003−298131(JP,A)
【文献】 特開2005−259723(JP,A)
【文献】 特表昭63−503552(JP,A)
【文献】 特表2003−514994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴霧化する方法であって、
噴霧化面の中央を通る内の一端に放出口を有する液体供給導管であって、前記噴霧化面が前記放出口から広がる円錐ヘッドの形状を有する、液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと、
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管の内を通して液体を前記放出口に流すことと、
前記放出口に振動エネルギーを与えるための前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を前記噴霧化面から噴霧化することと
を含む方法。
【請求項2】
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
噴霧化面の中央を通る内の一端に放出口を有する液体供給導管であって、前記噴霧化面が前記放出口から広がる円錐ヘッドの形状を有する、液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管の内を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記放出口に振動エネルギーを与えるための前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から前記基材上に出ていく前記液体を前記噴霧化面から噴霧化することと
を含む方法。
【請求項3】
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
噴霧化面の中央を通る内の一端に放出口を有する液体供給導管であって、前記噴霧化面が前記放出口から広がる円錐ヘッドの形状を有する、液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管の内を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記放出口に振動エネルギーを与えるための前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を前記噴霧化面から噴霧化し、前記液体を気化して蒸気を生成し、前記基材上へ前記蒸気を凝縮させることと
を含む方法。
【請求項4】
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
噴霧化面の中央を通る内の一端に放出口を有する液体供給導管であって、前記噴霧化面が前記放出口から広がる円錐ヘッドの形状を有する、液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管の内を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記放出口に振動エネルギーを与えるための前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を前記噴霧化面から噴霧化し、前記液体を気化して蒸気を生成し、反応性ガスの存在下で前記蒸気を前記基材表面に接触させることと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状材料の噴霧化に関し、特に連続した化学蒸着プロセスのための蒸気の作成に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的蒸着技術またはモノマー蒸着技術は、多くの有用な製品の作成に、好都合に適用されてきた。例えば、効果的な水分及び酸素バリヤーフィルムは、基材に金属酸化物の交替的な層を蒸着技術とスパッターリング技術を適用して作成されている。この種のフィルムの水分及び酸素遮断性及び柔軟性は、食品並びに薬の包装、及び太陽電池、OLED(有機発光ダイオード)装置並びに有機マイクロエレクトロニクス装置のような電子装置の保護膜のような多種多様な応用に有用である。
【0003】
モノマー蒸着によるポリマーフイルム層の製造において、重合可能なモノマーをアトマイザに供給し、次に、噴霧化された液体粒子を蒸発室に通してから気化したモノマーをターゲット表面上へ導くことは公知である。気化したモノマーは、続いて、例えば、紫外線によって重合させられて、有益な特性をもつ重合物質の薄層を形成する。
【0004】
化学蒸着による無機膜層の製造において、有機又は有機金属の前駆体をアトマイザに供給してから、噴霧化された液体粒子を蒸発室に通して気化した前駆体をターゲット表面に導くことは公知である。気化した前駆体はターゲット表面で他のガス状または蒸気材料に、例えば、熱エネルギーまたはプラズマによって、反応されて、有益な特性をもつ無機材料の薄層を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スプレーコーティングによるポリマー又は生理活性薄層の製造において、ポリマーまたは生理活性材料溶液及び(有機又は水性の)溶解剤をアトマイザに供給してから、噴霧化された液体粒子をターゲット表面に導いて、有益な特性をもつ薄いポリマー又は生理活性材料のコーティングを形成することは公知である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、液体の噴霧化と気化のための装置と方法、及びこの噴霧化方法から作られる物品に関する。蒸気コーティングプロセスにおいて使用されるとき、開示される方法は、より小さい液滴直径、液滴直径の均一性の改良、及び、液滴直径の時間に関する安定性の改善を提供する。液滴の均一性と安定性の改良によって、従来の方法と比べて、気化速度、蒸気流速及びコーティング厚さの均一性が導かれる。
【0007】
超音波アトマイザは、さまざまなアプリケーションのための液体粒子の微細なスプレーをもたらせるために使用されてきた。しかし、超音波及び従来型のアトマイザは両方とも液滴サイズの微細化、良好な液滴サイズの均一性、及び液滴サイズの時間に関する安定性を達成できずにいる。
【0008】
1つの実施形態において開示される、液体を噴霧化する方法は、(1)一端に放出口を有する液体供給導管と、この放出口の上流で液体供給導管に開口するガス供給導管を含むアトマイザと、振動エネルギーを放出口に与えるための手段を提供すること、(2)ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、液体供給導管を通して液体を放出口に流すこと、及び(3)放出口から出る液体を噴霧化するために振動エネルギーをアトマイザに与えることを含む。1つの実施形態において、液体及びガス導管は、互いに相対的に同軸に配置される。
【0009】
さらなる実施形態において、開示される基材をコーティングする方法は、(1)基材を提供すること、(2)一端に放出口を有する液体供給導管と、この放出口の上流で液体供給導管に開口するガス供給導管を含むアトマイザと、振動エネルギーを放出口に与えるための手段を提供すること、(3)ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、液体供給導管を通して液体を放出口に流すこと、及び(4)放出口から出ていく液体を噴霧化して、蒸気を形成するために液体を気化させ、基材上へ蒸気を凝結させる手段から、振動エネルギーをアトマイザに与えることを含む。
【0010】
別の実施形態において、(1)基材を提供すること、(2)一端に放出口を有する液体供給導管と、この放出口の上流で液体供給導管に開口するガス供給導管を含むアトマイザと、振動エネルギーを放出口に与えるための手段を提供すること、(3)ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、液体供給導管を通して液体を放出口に流すこと、及び(4)放出口から出ていく液体を噴霧化して、蒸気を形成するために液体を気化させ、基材上へ蒸気を凝結させる手段から、振動エネルギーをアトマイザに与えることを含む、基材をコーティングする方法が開示される。
【0011】
また、更なる実施態様において、(1)基材を提供すること、(2)一端に放出口を有する液体供給導管と、この放出口の上流で液体供給導管に開口するガス供給導管を含むアトマイザと、振動エネルギーを放出口に与えるための手段を提供すること、(3)ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、液体供給導管を通して液体を放出口に流すこと、及び(4)放出口から出ていく液体を噴霧化して、蒸気を形成するために液体を気化させ、反応性ガス中において蒸気を基材に接触させる手段から、振動エネルギーをアトマイザに与えることを含む、基材をコーティングする方法が開示される。
【0012】
(注:上記ステップは、明確化のために番号をつけており、ステップがなんらかの特定の順番において実行されるべきであることを意味する目的ではない)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、アトマイザ38の横断面図を示す。アトマイザ38は、部分的にアウタハウジング46に含まれるノズル本体55を含み、液体供給ライン36によって液体材料34のソースに一端で接続されている。反対端において、アトマイザノズル本体55は、アトマイザ38に入っていく液体材料34がそこから噴霧化される噴霧化面60を含む。
【0014】
アトマイザ38に液体材料を供給する液体供給ライン36は、液体供給導管50に取り付けられ、アトマイザ38の噴霧化面60の中央に位置する放出口52の一端で終端する。ガス供給導管54は、ガス供給ライン42からアトマイザ38にガスを供給する。ガス供給導管54は、放出口52の上流で、ポート56で液体供給導管50に開口する。1つの実施形態において、ガス供給導管54は、液体供給導管50の内の少なくとも80パーセント程度で、液体供給導管に開口する。他の実施形態では、ガス供給導管54は、内の80パーセント未満程度で、液体供給導管に開口する。当業者によって認識されるように、前記方法は様々な構成を使って実行できる。
【0015】
更なる実施形態において、ガス供給導管54は、液体供給導管50の内の100パーセント程度で、液体供給導管に開口する。この実施形態において、液体供給導管50及びガス供給導管54は、互いに対して同軸に、配置される。ポート56と放出口52との間のアトマイザの領域で一旦組み合されると、液体とガスの流れは放出口52を出てアトマイザ38の噴霧化面60から噴霧化される。
【0016】
アトマイザ38は、更に振動エネルギー58をノズル本体55に与えるための手段を含む。振動エネルギーを与えるための好適な手段に、電気エネルギーを機械的エネルギーまたは振動エネルギーに変換できるトランスデューサが含まれる。1つの実施形態において、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換するために圧電変換器を利用する超音波アトマイザが採用される。トランスデューサは、発電機から電気的入力を受け取って、そのエネルギーを同一周波数の振動運動に変換する。
【0017】
放出口52に隣接した噴霧化面60の円錐ヘッドは散布されるスプレーパターン64を提供して、この種の噴霧化装置が面上に薄く均一な適用範囲を必要とするアプリケーションに好適になるようにする。いくつかの実施形態では、冷媒供給口62から入り、冷媒出口ポート63から出る冷却風が、圧電性の超音波振動子が過熱されないように使用される。典型的な圧電性の超音波アトマイザは、本明細書に参照として組み込まれている、米国特許番号4,337,896(ベルガーら(Berger et al))において開示されている。
【0018】
本明細書において開示される噴霧化処理に好適な材料には、モノマー、オリゴマー、樹脂、ワックス、有機化合物、有機金属化合物、生物学的活性材料及びそれらの組み合わせが含まれる。これらの材料は、室温において液体であるか、または温度上昇されて溶解された固体であってよい。1つの実施形態において、(メ)アクリレートモノマーは、本明細書において記載されている噴霧化法によって蒸着される。適切な(メ)アクリレートモノマーは、本明細書に参照として組み込まれている以下の特許、5,440,446(ショーら(Shaw, et al.))、5,725,909(ショーら(Shaw, et al.))、6,231,939(ショーら(Shaw, et al.))、6,420,003(ショーら(Shaw, et al.))において開示されている。
【0019】
本噴霧化処理に使用される適切な他の材料には、本明細書に参照として組み込まれている以下の米国特許、6,468,595(ミカエルら(Mikhael et al.))、6,660,339(ダッタら(Datta et al.))、6,544,600(アフィニトら(Affinito et al.))、6,811,829(アフィニトら(Affinito et al.))、6,682,782、(ユングら(Jung et al.))6,656,537(アフィニトら(Affinito et al.))、6,475,571(越後ら)、6,284,050(シら(Shi et al.))、6,207,238及び6,207,239(アフィニトら(Affinito et al.))、5,061,509(内藤ら)、6,045,864(ライアンズら(Lyons et al.))、2005/0089673(フレミングら(Fleming et al.))、6,203,898(ケーラーら(Kohler et al.))、6,794,196(フォナシ(Fonash et al.)ら)、6,803,069(パトニアックら(Patniak et al.))、及び、5,869,127(ツォンら(Zhong et al.))に記載されているように、エポキシ類、ビニルエーテル類、フルオロ含有ポリマー類、スチレン含有ポリマー類、アセチレン類、ポリアミド、アクリルアミド類、パリレン類、ワックス類、フルオロポリエーテル類、ポリアミン類、ジアリージフェニルシラン類、金属アルコキシド類、金属アルキル類、シリコーン類、油類、染料類、タンパク質類、ペプチド類、ポリペプチド類、脂質類、炭水化物類、酵素類、核酸類、ポリ核酸類、薬物類、薬代謝産物類、セル類、セル類材料及び微生物類、が挙げられるが、これに限定されない。
【0020】
様々な反応性及び非反応性のガス類は、本明細書において記載されている噴霧化法に適切であろう。本プロセスに使用するのに好適な不活性ガスには、窒素、アルゴン、ヘリウム及びネオンが含まれる。1つの実施形態において、窒素が、用いられる。窒素はまた、CVDまたはプラズマCVDのための反応性ガスとして用いることもできる。酸素、オゾン、亜酸化窒素、水素、硫化水素、四フッ化炭素、メタン及びアンモニアのような他の反応性ガスもまた、本明細書において開示されるプロセスで用いられてよい。
【0021】
噴霧化を容易にするために、噴霧化処理において使用する液体及びガス材は、加熱または冷却されてもよい。液体及びガス流は、独立して、室温より下から液体材料の劣化温度以下及びアトマイザの温度限界以下の範囲で、任意の温度に加熱または冷却されてよい。若干の超音波アトマイザは、約150℃の温度上限を有する。1つの実施形態において、液体流は、約50℃まで加熱される。1つの実施形態において、ガス流体は、約100℃まで加熱される。
【0022】
開示されるプロセスは、通常、比較的低いガス流速、例えば毎分0.5リットル未満(毎分500標準立方センチメートル(SCCM))を用いて実行される。1つの実施形態において、ガス流速は、20SCCM未満である。本明細書において開示される噴霧化処理の適切な液体流速は1分につき約0.01〜約30ミリリットルの範囲である。1つの実施形態において、液体流速は、1分につき約0.1〜約5ミリリットルである。
【0023】
図2は、多層コーティングを生じるロールツーロール処理10を示しており、上記のアトマイザ38を使用することができる。プロセス10において、基材12は、第1のロール14から展開されて、アイドラ18によってプロセスドラム16の周囲に導かれて、アイドラ22によって第2のロール20へと導かれる。このプロセスは、金属酸化物または他の適切な材料の蒸着のための多様な工具を備える真空チャンバ(または大気圧もしくはより高い圧力の制御雰囲気チャンバ)24において実行されてよく、金属酸化物のような金属層の蒸着のための基材表面の処理用のプラズマ処理ステーション26及び金属スパッタステーション28と30を含むことができる。また、チャンバ24内には、上記の液体モノマーのような液体材料の蒸着のための道具がある。蒸気発生器32は、液体供給ライン36によってアトマイザ38に接続されている液体モノマー34のディスペンサー、及びガス・ディスペンサー40からアトマイザ38にガスが供給されるガス供給ライン42を含む。
【0024】
噴霧化処理において、アトマイザ38によって形成される液滴のスプレーは、モノマーを完全に蒸気に変えるために、気化器43に導かれる。蒸気は、ノズル44から基材12上に送出されて、そこで凝縮する。基材が「D」方向に回転しているプロセスドラム16と接触して進むにつれて、液体モノマーの重合を開始できる硬化ソース21へ進むことになる。好適なソース21は、紫外線、熱、プラズマ及び電子線照射を含む。
【0025】
1つの実施形態において、プロセスドラムは、基材12上の液体蒸気の凝結をより良好に促進する冷却のため、冷却剤の循環を備えている。
【0026】
本明細書において記載されている噴霧化及びコーティングプロセスは、秒速約0.05〜約760センチメートル(毎分0.1〜約1500フィート)のラインスピードで実行されてよい。1つの実施形態において、プロセスは、約0.5cm/秒(1フィート/分)〜約200cm/秒(400フィート/分)のラインスピードで実行される。
【0027】
プロセスは、真空条件、大気圧またはより高い圧力の下で実行されてよい。1つの実施形態において、プロセスは、約1.3mPa(10−5Torr)〜約107kPa(800Torr)の圧力の下で実行される。さらなる実施形態において、プロセスは約13mPa(10−4Torr)〜約0.3kPa(2Torr)の圧力で実行される。
【0028】
本明細書において開示されるプロセスに用いられる好適な基材には、紙、重合材料及びそれらの組み合わせのようなロールツーロール処理ができる可撓性材料が含まれる。特に有用なポリマー基材には、例えばポリプロピレン(PP)のような、さまざまなポリオレフィン類、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)のようなさまざまなポリエステル類、フルオレンポリエステル(FPE))、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエチレンナフタレート(PEN)のような他のポリマー類、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエステルカルボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリーレート(PAR)ポリイミド(PI))が含まれる。更に役立つ材料には、商品名アートン(ARTON)(日本合成ゴム(株)、東京、日本)及びアバトレル(AVATREL)(オハイオ州ブレックスビル、B.F.グッドリッチ社(B.F. Goodrich, Brecksville, Ohio))で販売されているような多環式オレフィンが含まれる。
【0029】
場合によっては、基材は、フィルムの連続ロールよりむしろ個別部材である。個別部材は蒸気供給源を通って移動することができるか、または、個別部材はコーティングプロセスの間、静止していてよい。好適な基材には、シリコンウエハ、電子又は光学的装置、ガラス、金属及びプラスチック部材が含まれる。
【0030】
上記のプロセスは、例えば金属または金属酸化物の付加的な層と結合されると、酸素及び水蒸気のようなガスの透過を制限する、架橋重合体層を有するポリマー基材の形成に有用である。このようなバリヤーフィルム及びバリヤーフィルムの作成プロセスは、本明細書に参照として組込まれている以下の米国特許及び公告、5,440,446(ショー、ら(Shaw, et al.))、5,725,909(ショーら(Shaw, et al.))、6,231,939(ショーら(Shaw, et al.))、6,420,003(ショーら(Shaw, et al.))、4,647,818(ハム(Ham))、4,696,719(ビショーフ(Bischoff))、4,842,893(イアリジスら(Yializiset al.))、4,954,371(イアリジスら(Yializiset al.))、5,032,461(ショーら(Shaw et al.))、2002/0022156(ブライト(Bright))、2004/0195967(パディアスら(Padiyath et al.))、2004/0202708(ローリグら(Roehrig et al.))2005/0037218(ロッテら(Lottes et al.))に記載されている。
【0031】
本明細書において開示される噴霧化プロセスは、化学蒸着(CVD)プロセス及びプラズマ加速化学蒸着(PECVD)プロセスで更に利用できる。これらのプロセスにおいて、噴霧化された前駆体材料は、上記に準じた方法による蒸気発生器において気化される。蒸気発生器は、真空または制御雰囲気チャンバ内に取付けられる。噴霧化のためのガスは、不活性又は反応性ガスであってよい。噴霧化ガスが不活性のとき、それが基材表面に接触するにつれて、別の反応性ガスが前駆体ガスと混合されて反応することができる。気化された前駆体と反応性ガスとの間の反応は、熱い基材(CVD)、または、プラズマエネルギー(PECVD)からの熱エネルギーによって駆動される。上記のように、前駆体材料は、一般に、有機金属化合物である。結果として生じるコーティングは、一般に無機薄膜である。多くの場合、基材は、連続ロールのフィルムではなく、個別部材である。好適な基材には、シリコンウエハ、電子又は光学的装置、ガラス、金属及びプラスチック成形品が含まれる。
【0032】
上記のプロセスは、CVD及びPECVD技術において周知であるように、良好な電気的、光学的、またはバリア特性をもつ無機物層を有する基材の形成に有用である。付加的な層は、電子又は光学的装置を形成するために蒸着されることができる。
【0033】
本明細書において開示される噴霧化プロセスは、噴霧化液体が噴霧化されて、液滴が、コーティングを表面に形成する基材の方向へ導かれるスプレーコーティングプロセスで更に利用できる。噴霧化ガスは、一般に、空気または不活性ガスである。スプレーコーティング技術では既知のように、噴霧化された霧の流れは、付加的なキャリヤーガスまたは静電学を用いて方向づけ及び形づけをすることができる。好適なコーティング材料には、モノマー類、ポリマー類、粒子類、生理活性分子類、溶媒類、水及びこれらの混合物が含まれる。溶媒または水が他のコーティング構成要素と混合して使用されるとき、溶媒または水はコーティングの前に液滴から気化されるか、またはコーティングから気化されることができる。基材は、プラスチック及び金属性フィルムを含む材料の連続ウェブ、不織布、ファブリック及び他の織物、または、基材はシリコンウエハ、ガラス、プラスチック部材、金属部材及びセラミック部材を含む個別の物品であることができる。
【0034】
上記のプロセスは、良好な電気又は光学特性を有する構造の形成に有用である。多孔性基材に適用されるとき、コーティングは、濾過、しみのブロック、汚れの放出、色付け、難燃剤、接着剤、取外し、研磨剤及び機械的強度特性を可能にすることができる。
【0035】
上記のプロセスは、生物学的活性を有する構造の形成にも有用である。タンパク質、ペプチド、核酸、ポリ核酸、酵素、薬剤、及び生体分子の結合材料を含む層は、特定の生物学的機能を有する診断装置、マイクロ反応器、薬剤供給装置及び生体材料を作成するために形成できる。
【0036】
上述のとおり、本明細書において開示される噴霧化プロセスは、例えば、食品、薬品、及び、環境感受性が高い電子装置を保護する包装のような多くの製品の製造に有用な、水分及び酸素に対する耐性が高いバリヤーフィルムの生産に役立つ。環境湿度及び酸素にさらされると劣化する電子装置は、しばしば、装置をガラスに入れることによって、露出から保護されている。本明細書において開示されるプロセスによって作られるバリヤーフィルムの特に有用なアプリケーションには、液晶ディスプレイ(LCD)発光ダイオード(LED)有機発光ダイオード(OLED)発光ポリマー(LEP)エレクトロクロミック、電気泳動インク、無機エレクトロルミネッセント装置、リン光性装置などの電子表示装置及び標識装置の保護が含まれる。
【0037】
他の有用なバリヤーフィルム用のアプリケーションには、太陽電池、光起電装置、マイクロ電子装置、有機マイクロエレクトロニクス装置(OMED)、ナノ装置及びナノ構造の保護が含まれる。バリヤーフィルムの更に他の有用なアプリケーションには、生物活性材料の分析測定に使われるような生物活性装置、分析又は分離に使われる生物活性マイクロエレクトロニクス装置が含まれる。環境湿度及び酸素に対するバリアを提供することに加えて、本明細書において開示されるプロセスによって作られるバリヤーフィルムは可撓性で、可撓性ディスプレイ、電気装置及び生物活性装置の製造を可能にする。
【0038】
本明細書において開示される方法は、光学的薄膜(反射器、反射防止、吸収装置、色付、光可変、光学フィルタ、光学干渉フィルタ、赤外反射器)、EMI(電磁干渉)フィルタ、剥離コーティング、透明導電膜、センサ及び表示フィルムのようなアプリケーションのための1層または多層フィルムを生産するために用いることもできる。このようなフィルムは本明細書に参照として組込まれている、以下の米国特許及び公告、5,877,895(ショーら(Shaw et al.))、6,172,810(フレミングら(Fleming et al.))、6,815,043(フレミングら(Fleming et al.))、6,818,291(ファンケンブッシュら(Funkenbusch et al.))、6,929,864(フレミングら(Fleming et al.))、6,357,880(イプシュタインら(Epstein et al.))、2005/0037218(ロッテら(Lottes et al.))、2004/184948(ラコーら(Rakow et al.))、及び、2003/0124392(ブライト(Bright))に記載されている。
【0039】
(実施例1)
図2に図示するような、ロールツーロール・モノマー蒸着プロセス一般に制御を与えるための装置を作成した。この装置は、モノマー蒸着を介して基材にコーティングを行ってから硬化させるために用いられた。使用する基材は、イリノイ州ショウンバーグのマクデーミド・オートタイプ社(MacDermid Autotype Inc., Schaumburg, IL.)からST504、ST506及びST725として市販されている、商標デュポンテイジン(DupontTeijin)の熱安定化PETフィルム、厚さ0.13mm(0.005インチ)及び幅50.8cm(20インチ)である。このフィルムは、コーティング・ノズルを8.2cm/秒(16.2フィート/分)の通過速度で、移動された。コーティングの間、真空チャンバは、16mPa(1.2×10−4torr)の真空に保たれた。コーティングされたウェブは、続いて、蒸着されるモノマーの重合を開始するために、電子ビーム発生器の下に導かれた。スペルマン電子ビーム発生器(e-beam Spellman generator)によって、この目的のために7.5キロボルト及び12.5ミリアンペアをコーティング済材料に印加した。
【0040】
アトマイザは、液体供給導管の直径が1mm(0.040インチ)になるように作成された。ガス供給導管はあったが、この制御の実施例では、ガスは導管に流されなかった。ガス供給導管は、放出口の0.95cm(0.375インチ)上流のポートから液体供給導管に開口していた。このポートはそれが液体供給導管の実質的に全円周に開口するように作成された。
【0041】
放出口に振動エネルギーを与える手段として、アトマイザは、更に、圧電変換器を有している。トランスデューサは、周波数60kHzで作動するように調整されて、5.0〜12.5ワットのエネルギーで作動された。
【0042】
実験的試行の間、ジョージア州スマーナのサイテック産業社(CYTEC Industries Inc. of Smyrna, GA)からIRR214として市販のアクリレートポリオールジアクリレート形式の液状モノマーが、48℃(120度F)に加熱された2つの区間を有する液体供給ラインを通ってディスペンサーから流入された。第一は、長さ183cm(72インチ)、直径0.76mm(0.030インチ)のステンレス鋼のラインである。第二は長さ61cm(24インチ)直径0.58mm(0.023インチ)のテフロン(登録商標)である。モノマーは、速度1.75mL/分で、アトマイザに流入された。この流れは、ライン速度8.23cm/s(16.2fpm)で725ナノメートル、及び、ライン速度11.4cm/s(22.5fpm)で500ナノメートルの名目コーティング厚さを与えるように算定された。
【0043】
(実施例2)
第2の、実験的な試行は、温度100℃の乾燥窒素が毎分18標準立方センチメートルの速度でガス供給導管内に流入されること以外は、一般に実施例1で記載されたように行われた。
【0044】
(実施例3)
制御の実施例1及び創意的な実施例2のコーティングプロセスの操作パラメータが、プロセスの可変性を低減することによってこの創意によるモノマー蒸着の改善能力を評価するために、3つの方法で測定された。まず、アトマイザの下流で気化器の圧力が測定された。これは、マサチューセッツ州メシュエンのMKSインスツルメント社(MKS Instruments Inc. Methuen, MA)から市販されている高温検圧器モデル631Aを用いて実施され、データは1秒ごとに採取された。
【0045】
次に、蒸着されたコーティングの厚さの変動性が、スペクトル反射法によって、ウェブの幅を横断する方向で5mmごとに、ウエブの断面方向に測定された。このプロセスは、各回ごとに前の試料から2.5cmウェブの下流方向から試料を採取して、10回繰り返された。
【0046】
第3に、データは、蒸着されたコーティングの、ウェブの下流方向の平均厚さの変動性に注目して再分析された。これらの測定の結果は、表1に示される。
【0047】
【表1】
【0048】
これらの結果は、本発明の方法が噴霧化を必要とするプロセスにおいてプロセスの変動性の低減に効果的であることを示す。
【0049】
(実施例4)
プロセスチャンバーがおよそ大気圧で、アトマイザは図1に示されるような一般的な構造において、図2に図示するように、一般的なロールツゥロール・モノマー蒸着プロセスのための装置で更なる実施例が作成された。装置は、モノマー蒸着を介して基材にコーティングを適用し、続いて硬化させるために用いられた。コーティングプロセスの間、プロセスチャンバーは、0.68kPa(2.7インチ水柱)の陽圧を維持するために、窒素でパージされた。基材はイリノイ州フランクリンパークのトランシルラップ社(Transilwrap Company, Franklin Park, IL)から市販されているデュポン453タイプのPETフィルム、厚さ0.05mm(0.002インチ)及び幅30.5cm(12インチ)を使用した。このフィルムは、移動速度1.7cm/秒(3.3フィート/分)で、コーティングノズルを通過する。コーティングされた基材は次に、(ニューヨーク州ホーページのアトランティックウルトラバイオレット社(Atlantic Ultraviolet of Hauppauge, NY)のG18T6LとG18T6VHのランプ)で波長254ナノメートルと185ナノメートルの紫外線を照射する6つのランプの下に導かれて、蒸着されるモノマーの重合を開始した。
【0050】
アトマイザとガス供給導管は、この例に関しては、流速15cc/分の窒素がガス供給導管から導入されること以外は、実施例1に記載されているように作成された。
【0051】
実験的な試行の間、フィラデルフィア州エクストンのサートマー社(Sartomer Company Exton, PA)からSR351LVとして市販されているトリメチロールプロパントリアクリレート形式の液体モノマーが、ディスペンサーから液体供給ラインを通してアトマイザの先端に流された。モノマーは、流速0.1mL/分で、アトマイザに流された。この流れの結果、ラインスピード1.0m/m(3.3fpm)で、151ナノメートルの名目コーティング厚さが得られた。
【0052】
本発明について、それらの様々な実施形態に関連して示し説明してきたが、当業者であれば、形状及び細部における様々な他の変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その分野においてなされ得ることが理解されよう。本発明の実施態様の一部を以下の項目1−77に列記する。
[1]
液体を噴霧化する方法であって、
一端に放出口を有する液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと、
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管を通して液体を前記放出口に流すことと、
前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を噴霧化することと
を含む方法。
[2]
前記液体供給導管及び前記ガス供給導管が、互いに関して同軸に配置される、項目1に記載の方法。
[3]
前記液体が内側の導管に供給され、前記ガスが外側の導管に供給される、項目2に記載の方法。
[4]
前記ガスが前記液体に関して不活性である、項目1に記載の方法。
[5]
前記ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウム及びネオンからなる群から選択される、項目4に記載の方法。
[6]
前記ガスが反応性である、項目1に記載の方法。
[7]
前記ガスが酸素、オゾン、亜酸化窒素、水素、硫化水素、四フッ化炭素、メタン、及びアンモニアからなる群から選択される、項目6に記載の方法。
[8]
前記液体がモノマーである、項目1に記載の方法。
[9]
前記液体が(メタ)アクリレートモノマーである、項目8に記載の方法。
[10]
前記方法が真空において実施される、項目1に記載の方法。
[11]
前記方法が、約13mPa(10−4Torr)〜約267Pa(2Torr)で実施される、項目10に記載の方法。
[12]
前記ガス供給導管を通って流れる前記ガスが、90℃より高温に加熱される、項目1に記載の方法。
[13]
前記液体供給導管を通って流れる前記液体が、30℃より高温に加熱される、項目1に記載の方法。
[14]
前記ガス供給導管が、前記液体供給導管の内径の少なくとも約80パーセントの周りで、前記液体供給導管に開口している、項目1に記載の方法。
[15]
前記ガス供給導管が、前記液体供給導管の内径の少なくとも約80パーセントの周りで、前記液体供給導管に開口している、項目2に記載の方法。
[16]
前記ガスが、流量500SCCM未満で前記ガス供給導管に供給される、項目1に記載の方法。
[17]
前記ガスが、流量20SCCM未満で前記ガス供給導管に供給される、項目16に記載の方法。
[18]
前記液体が、流量10mL/分未満で前記液体供給導管に供給される、項目1に記載の方法。
[19]
前記液体が、流量5mL/分未満で液体供給導管に供給される、項目18に記載の方法。
[20]
振動エネルギーを与えるための前記手段が圧電変換器である、項目1に記載の方法。
[21]
前記方法が化学蒸着プロセスで用いられる、項目1に記載の方法。
[22]
前記方法がモノマー蒸着プロセスで用いられる、項目1に記載の方法。
[23]
前記方法がスプレーコーティングプロセスで用いられる、項目1に記載の方法。
[24]
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
一端に放出口を有する液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から前記基材上に出ていく前記液体を噴霧化することと
を含む方法。
[25]
前記液体供給導管及び前記ガス供給導管が、互いに関して同軸に配置される、項目24に記載の方法。
[26]
前記液体が内側の導管に供給され、前記ガスが外側の導管に供給される、項目25に記載の方法。
[27]
前記基材がポリマーである、項目24に記載の方法。
[28]
前記基材が、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フルオレンポリエステル(FPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエステルカルボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリーレート(PAR)、ポリイミド(PI)及び多環式オレフィンからなる群から選択される材料から作られる、項目27に記載の方法。
[29]
前記基材が電子装置を含む、項目24に記載の方法。
[30]
前記液体がモノマーである、項目24に記載の方法。
[31]
前記液体が(メタ)アクリレートモノマーである、項目30に記載の方法。
[32]
前記(メタ)アクリレートモノマーが、硬化源に曝されることにより重合される、項目31に記載の方法。
[33]
前記基材が、金属酸化物の層で更にコーティングされている、項目32に記載の方法。
[34]
項目24に記載の方法によって作られるバリヤーフィルム。
[35]
項目24に記載の方法によって作られる光学フィルム。
[36]
項目24に記載の方法によって作られる生理活性フィルム。
[37]
項目24に記載の方法によって作られる繊維コーティング。
[38]
項目24に記載の方法を使用して作られる電子装置。
[39]
前記装置が有機電子装置である、項目38に記載の装置。
[40]
前記装置がOLEDである、項目39に記載の装置。
[41]
項目24に記載の方法によって作られるバリヤーフィルムを含むディスプレイ装置。
[42]
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
一端に放出口を有する液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を噴霧化し、前記液体を気化して蒸気を生成し、前記基材上へ前記蒸気を凝縮することと
を含む方法。
[43]
前記液体供給導管及び前記ガス供給導管が、互いに関して同軸に配置される、項目42に記載の方法。
[44]
前記液体が内側の導管に供給され、前記ガスが外側の導管に供給される、項目43に記載の方法。
[45]
前記基材がポリマーである、項目42に記載の方法。
[46]
前記基材が、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フルオレンポリエステル(FPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエステルカルボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリーレート(PAR)、ポリイミド(PI)及び多環式オレフィンからなる群から選択される材料から作られる、項目45に記載の方法。
[47]
前記基材が電子装置を含む、項目42に記載の方法。
[48]
前記液体がモノマーである、項目42に記載の方法。
[49]
前記液体が(メタ)アクリレートモノマーである、項目48に記載の方法。
[50]
前記(メタ)アクリレートモノマーが、硬化源に曝されることにより重合される、項目49に記載の方法。
[51]
前記基材が、金属酸化物の層で更にコーティングされている、項目50に記載の方法。
[52]
項目42に記載の方法によって作られるバリヤーフィルム。
[53]
項目42に記載の方法によって作られる光学フィルム。
[54]
項目42に記載の方法によって作られる生理活性フィルム。
[55]
項目42に記載の方法によって作られる繊維コーティング。
[56]
項目42に記載の方法を使用して作られる電子装置。
[57]
前記装置が有機電子装置である、項目56に記載の装置。
[58]
前記装置がOLEDである、項目57に記載の装置。
[59]
項目42に記載の方法によって作られるバリヤーフィルムを含むディスプレイ装置。
[60]
基材をコーティングする方法であって、
基材を提供することと;
一端に放出口を有する液体供給導管、
前記放出口の上流で前記液体供給導管に開口するガス供給導管、及び
前記放出口に振動エネルギーを与えるための手段
を備えるアトマイザを提供することと;
前記ガス供給導管を通してガスを流すのと同時に、前記液体供給導管を通して液体を前記放出口に流すことと;
前記手段から振動エネルギーを前記アトマイザに与えて、前記放出口から出る前記液体を噴霧化し、前記液体を気化して蒸気を生成し、反応性ガスの存在下で前記蒸気を前記基材表面に接触させることと
を含む方法。
[61]
前記液体供給導管及び前記ガス供給導管が、互いに関して同軸に配置される、項目60に記載の方法。
[62]
前記液体が内側の導管に供給され、前記ガスが外側の導管に供給される、項目61に記載の方法。
[63]
前記基材がポリマーである、項目60に記載の方法。
[64]
前記基材が、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フルオレンポリエステル(FPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエステルカルボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリーレート(PAR)、ポリイミド(PI)及び多環式オレフィンからなる群から選択される材料から作られる、項目63に記載の方法。
[65]
前記基材が電子装置を含む、項目60に記載の方法。
[66]
前記液体がモノマーである、項目60に記載の方法。
[67]
前記液体が(メタ)アクリレートモノマーである、項目66に記載の方法。
[68]
前記(メタ)アクリレートモノマーが、硬化源に曝されることにより重合される、項目67に記載の方法。
[69]
前記基材が、金属酸化物の層で更にコーティングされている、項目68に記載の方法。
[70]
項目60に記載の方法によって作られるバリヤーフィルム。
[71]
項目60に記載の方法によって作られる光学フィルム。
[72]
項目60に記載の方法によって作られる生理活性フィルム。
[73]
項目60に記載の方法によって作られる繊維コーティング。
[74]
項目60に記載の方法を使用して作られる電子装置。
[75]
前記装置が有機電子装置である、項目74に記載の装置。
[76]
前記装置がOLEDである、項目75に記載の装置。
[77]
項目60に記載の方法によって作られるバリヤーフィルムを含むディスプレイ装置。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】アトマイザの横断面図。
図2図1のアトマイザを利用したロールツーロールプロセスの略図。
図1
図2