特許第5778383号(P5778383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778383財務情報システム、方法、およびソフトウェア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778383
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】財務情報システム、方法、およびソフトウェア
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20150827BHJP
【FI】
   G06Q40/06 130
【請求項の数】19
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2009-251527(P2009-251527)
(22)【出願日】2009年10月30日
(62)【分割の表示】特願2006-541602(P2006-541602)の分割
【原出願日】2004年11月19日
(65)【公開番号】特開2010-61680(P2010-61680A)
(43)【公開日】2010年3月18日
【審査請求日】2009年10月30日
【審判番号】不服2014-10792(P2014-10792/J1)
【審判請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】60/524,288
(32)【優先日】2003年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10/768,598
(32)【優先日】2004年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513188860
【氏名又は名称】トムソン ロイターズ (マーケッツ) エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー コンダイ
【合議体】
【審判長】 手島 聖治
【審判官】 金子 幸一
【審判官】 小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−520366(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0178087(US,A1)
【文献】 特表2002−541588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ、通信手段、格納手段を含む情報処理機器によって用いられる方法であって、前記情報処理機器は、財務データをクライアント機器に提供するためのものであり、
前記方法は、
前記通信手段が、前記クライアント機器から、財務データを引き出すための第1の命令セットを受信するステップと、
前記プロセッサが、前記格納手段に格納された少なくとも1つのデータセットから統合された財務データを含む第1の情報を引き出すステップであって、前記少なくとも1つのデータセットは、前記情報処理機器とは独立して、少なくとも1つの財務データプロバイダから前記情報格納機器に提供される、ステップと、
前記プロセッサが、前記引き出された第1の情報を用いて、前記第1の情報に含まれる前記少なくとも1つのデータセットのそれぞれに関連付けられたソース情報を決定するステップと、
前記プロセッサが、前記通信手段を用いて、前記ソース情報に基づいて、独立した通信サーバにクエリすることにより、前記第1の情報に関連付けられた1つ以上のユーザの存在情報を獲得するステップであって、前記存在情報は、前記第1の情報に関連付けられた前記1つ以上のユーザのそれぞれが、前記独立した通信サーバを介して前記クライアント機器と通信するために利用可能であるか否かを示す情報を含む、ステップと、
前記プロセッサが、前記獲得された存在情報および前記引き出された財務データを第2の情報としてコンパイルするステップと、
前記プロセッサが、前記通信手段を介して前記クライアント機器から受信された対話式制御コマンドに応答して、前記プロセッサによって生成された第2の命令セットとともに前記第2の情報を送信するステップであって、前記第2の命令セットは、前記クライアント機器において実行されたときに、前記クライアント機器に、前記クライアント機器の通信ウィンドウにおいて、前記第2の情報の少なくとも一部分を表示させ、前記通信ウィンドウは、前記独立した通信サーバを介する通信のためのものであり、前記通信ウィンドウは、インスタントメッセージングアプリケーションのためのインスタントメッセージングウィンドウであり、前記インスタントメッセージングウィンドウは、前記財務データの一部分と第1のリモートユーザのためのインスタントメッセージング識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記通信ウィンドウは、前記財務データに関連付けられたユーザのためのインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記財務データは、経済商品と将来の取引のエンティティまたはエージェントとを識別するデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記財務データを前記クライアント機器に提供することは、前記少なくとも1つの財務データに関連付けられたエンティティまたはエージェントが、対話式通信のために現在利用可能であるか否かを示す存在インジケータに関連して、前記財務データの少なくとも一部分を表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通信ウィンドウは、前記クライアント機器における表示のために開かれ、前記第2の情報の少なくとも一部分は、アプリケーションプログラムインタフェースに通信され、前記アプリケーションプログラムインタフェースは、前記財務データが、前記クライアント機器内の2つ以上のインスタントメッセージングアプリケーションのうちの少なくとも1つ、または、前記クライアント機器内のEメールアプリケーションおよび音声通信アプリケーションのうちの少なくとも1つに対応する場合に、前記少なくとも一部分を選択的に通信する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記クライアント機器における表示のために通信ウィンドウを開くステップは、2つ以上のインスタントメッセージングウィンドウを開くことを含み、
前記ウィンドウのそれぞれは、個々のインスタントメッセージングシステムに関連付けられたインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の情報は、経済商品と将来の取引のエンティティまたはエージェントとを識別するデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の情報の前記一部分は、前記クライアント機器のブラウザに提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プログラムを格納しているコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラムは、実行されたときに、プロセッサ、通信手段、格納手段を含む情報処理機器に、財務データをクライアント機器に提供させることにより、方法を実行させ、
前記方法は、
前記通信手段が前記クライアント機器から財務データを引き出すための第1の命令セットを受信したことに応答することと、
前記プロセッサが、前記格納手段に格納された少なくとも1つのデータセットから統合された財務データを含む第1の情報を引き出すことであって、前記少なくとも1つのデータセットは、前記情報処理機器とは独立して、少なくとも1つの財務データプロバイダから前記情報格納機器に提供される、ことと、
前記プロセッサが、前記引き出された第1の情報を用いて、前記第1の情報に含まれる前記少なくとも1つのデータセットのそれぞれに関連付けられたソース情報を決定することと、
前記プロセッサが、前記通信手段を用いて、前記ソース情報に基づいて、独立した通信サーバにクエリすることにより、前記第1の情報に関連付けられた1つ以上のユーザの存在情報を獲得することであって、前記存在情報は、前記第1の情報に関連付けられた前記1つ以上のユーザのそれぞれが、前記独立した通信サーバを介して前記クライアント機器と通信するために利用可能であるか否かを示す情報を含む、ことと、
前記プロセッサが、前記獲得された存在情報および前記引き出された財務データを第2の情報としてコンパイルすることと、
前記プロセッサが、前記通信手段を介して前記クライアント機器から受信された対話式制御コマンドに応答して、前記プロセッサによって生成された第2の命令セットとともに前記第2の情報を送信することであって、前記第2の命令セットは、前記クライアント機器において実行されたときに、前記クライアント機器に、前記クライアント機器の通信ウィンドウにおいて、前記第2の情報の少なくとも一部分を表示させ、前記通信ウィンドウは、前記独立した通信サーバを介する通信のためのものであり、前記通信ウィンドウは、インスタントメッセージングアプリケーションのためのインスタントメッセージングウィンドウであり、前記インスタントメッセージングウィンドウは、前記財務データの一部分と第1のリモートユーザのためのインスタントメッセージング識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、ことと
を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
コンピュータは、さらに、グラフィカルユーザインタフェースにおいてレンダリングするために前記第2の情報を前記クライアント機器に提供し、前記コンピュータは、さらに、前記レンダリングされた第2の情報に関連付けられた第2のリモートユーザが対話式通信に現在利用可能であるか否かを示す、請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項11】
複数の通信ウィンドウが、前記クライアント機器における表示のために開かれ、前記ウィンドウのそれぞれは、個々のインスタントメッセージングシステムに関連付けられたインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
存在インジケータは、前記クライアント機器においてインスタントメッセージングサービスのアイコンを表示するための命令を含む、請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
プロセッサ、通信手段、格納手段を含む情報処理機器を含むコンピュータシステムであって、
前記情報処理機器は、財務データをクライアント機器に提供するためのものであり、
前記通信手段は、前記クライアント機器から、財務データを引き出すための第1の命令セットを受信するように構成され、
前記プロセッサは、前記第1の命令セットの受信に応答して、前記格納手段に格納された少なくとも1つのデータセットから統合された財務データを含む第1の情報を引き出すように構成され、前記少なくとも1つのデータセットは、前記情報処理機器とは独立して、少なくとも1つの財務データプロバイダから前記情報格納機器に提供され、
前記プロセッサは、前記引き出された第1の情報を用いて、前記第1の情報に含まれる前記少なくとも1つのデータセットのそれぞれに関連付けられたソース情報を決定するように構成され、
前記プロセッサは、前記通信手段を用いて、前記ソース情報に基づいて、独立した通信サーバにクエリすることにより、前記第1の情報に関連付けられた1つ以上のユーザの存在情報を獲得するように構成され、前記存在情報は、前記第1の情報に関連付けられた前記1つ以上のユーザのそれぞれが、前記独立した通信サーバを介して前記クライアント機器と通信するために利用可能であるか否かを示す情報を含み、
前記プロセッサは、前記獲得された存在情報および前記引き出された財務データを第2の情報にコンパイルするように構成され、
前記プロセッサは、前記通信手段を介して前記クライアント機器から受信された対話式制御コマンドに応答して、前記プロセッサによって生成された第2の命令セットとともに前記第2の情報を送信するように構成され、前記第2の命令セットは、前記クライアント機器において実行されたときに、前記クライアント機器に、前記クライアント機器の通信ウィンドウにおいて、前記第2の情報の少なくとも一部分を表示させ、前記通信ウィンドウは、前記独立した通信サーバを介する通信のためのものであり、前記通信ウィンドウは、インスタントメッセージングアプリケーションのためのインスタントメッセージングウィンドウであり、前記インスタントメッセージングウィンドウは、前記財務データの一部分と第1のリモートユーザのためのインスタントメッセージング識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、コンピュータシステム。
【請求項14】
前記財務データは、統合財務データプロバイダから統合され
前記統合財務データプロバイダは、
1つ以上の経済商品を購入することに関心のある1つ以上の予定の購入のエンティティと、1つ以上の経済商品を売却することに関心のある1つ以上の売却のエンティティとの統合リストを含むデータベースとして構成され、
前記統合財務データプロバイダは、
前記クライアント機器を介してエンティティが前記データベースにアクセスしたことに応答して、1つ以上の経済商品に関連する前取引データを前記クライアント機器に提供する手段であって、各経済商品に対する前記前取引データは、少なくとも1つの予定の購入または売却のエンティティを識別する、手段と、
前記エンティティが前記データベースにアクセスしたことに応答して、通信ネットワーク内または通信ネットワーク上に存在する前記1つの予定の購入または売却のエンティティに関連付けられた第2のクライアント機器の存在の表示を前記クライアント機器に提供する手段と
をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記存在の表示は、前記1つの予定の購入または売却のエンティティに関連付けられたIPアドレスに前記第2のクライアント機器が関連付けられているか否かを示す、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記第2のクライアント機器の存在の表示をクライアント機器に提供する手段は、前記1つの予定の購入または売却のエンティティに関連付けられた少なくとも1つのインスタントメッセージングシステムのためのサーバに結合する手段を含み、前記サーバは、前記購入または売却のエンティティのうちの1つ以上の購入または売却のエンティティ、または、前記1つ以上の購入または売却のエンティティに対する別名を、対応するIPアドレスと関連付けるデータを含む、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記第2のクライアント機器の存在の表示をクライアント機器に提供する手段は、2つ以上のインスタントメッセージングサービスプロバイダから存在データを引き出す手段を含む、請求項16に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記クライアント機器は、テキストメッセージングを介して前記1つの予定の購入または売却のエンティティに対して前記第2のクライアント機器と通信するためのグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、
前記インタフェースは、
財務コンテンツまたは所定のテキストストリングをIMテキストウィンドウの中へドラッグアンドドロップする手段と、
1つ以上の所定のテキストストリングをIMテキストウィンドウに追加するメニュー手段と、
それぞれのIM通信システム内の存在に基づいて前記予定の購入または売却のエンティティのうちの1つ以上の予定の購入または売却のエンティティのソートされた表示を前記データベースから呼び出す手段と
のうちの1つ以上を含む、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
財務データをクライアント機器に提供するためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、実行されたときに、プロセッサ、通信手段、格納手段を含む情報処理機器に、方法を実行させ、
前記方法は、
前記通信手段が前記クライアント機器から財務データを引き出すための第1の命令セットを受信したことに応答することと、
前記プロセッサが、前記格納手段に格納された少なくとも1つのデータセットから統合された財務データを含む第1の情報を引き出すことであって、前記少なくとも1つのデータセットは、前記情報処理機器とは独立して、少なくとも1つの財務データプロバイダから前記情報格納機器に提供される、ことと、
前記プロセッサが、前記引き出された第1の情報を用いて、前記第1の情報に含まれる前記少なくとも1つのデータセットのそれぞれに関連付けられたソース情報を決定することと、
前記プロセッサが、前記通信手段を用いて、前記ソース情報に基づいて、独立した通信サーバにクエリすることにより、前記第1の情報に関連付けられた1つ以上のユーザの存在情報を獲得することであって、前記存在情報は、前記第1の情報に関連付けられた前記1つ以上のユーザのそれぞれが、前記独立した通信サーバを介して前記クライアント機器と通信するために利用可能であるか否かを示す情報を含む、ことと、
前記プロセッサが、前記獲得された存在情報および前記引き出された財務データを第2の情報としてコンパイルすることと、
前記プロセッサが、前記通信手段を介して前記クライアント機器から受信された対話式制御コマンドに応答して、前記プロセッサによって生成された第2の命令セットとともに前記第2の情報を送信することであって、前記第2の命令セットは、前記クライアント機器において実行されたときに、前記クライアント機器に、前記クライアント機器の通信ウィンドウにおいて、前記第2の情報の少なくとも一部分を表示させ、前記通信ウィンドウは、前記独立した通信サーバを介する通信のためのものであり、前記通信ウィンドウは、インスタントメッセージングアプリケーションのためのインスタントメッセージングウィンドウであり、前記インスタントメッセージングウィンドウは、前記財務データの一部分と第1のリモートユーザのためのインスタントメッセージング識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、ことと
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(著作権表示および許可)
本特許文献の一部分以上が著作権保護の対象となる題材を含んでいる。Patent and Trademark Officeのファイルまたは記録にもあるように、著作権の所有者は、本特許文献または特許開示の何人による複製についても意義はない。ただし、それ以外の場合においては、いかなる著作権をも全て保有するものとする。以下の表示は、本文献に当てはまる。Copyright(C)2003,Thomson Corporation。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2003年11月21日に提出された米国仮特許出願第60/524,288号、および2004年1月30日に提出された米国特許出願第10/768,598号の優先権を主張する。両出願を、本明細書中に援用する。
【0003】
(技術分野)
本発明は、オンラインデータシステムおよびインスタントメッセージングシステムに関し、特に、財務サービス産業のコンテクストでのシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
1990年代は、家庭・ビジネスへのコンピュータテクノロジーが繁栄した年代であった。この1990年代において、コンピュータは非常に歓迎されたインターネットの成長に活気付けられ、ワードプロセッシングおよび簿記等の仕事を容易にするものから、日常の通信ツールとなり、電話、テレビ等の一般性に素早く近づいている。その結果、仮想的にはパブリックライフ、プライベートライフ、商業ライフのあらゆる分野は何らかの形で今日のコンピュータテクノロジーの力と範囲とによって影響を受けてきた。
【0005】
財務サービス産業は、たとえば、近年では、オンラインでの株、公債、商品の取引を可能にする、インターネットベースの取引プラットフォームの出現のみでなく、リストに挙げられた「関心の表示」に基づいてブローカーが有価証券の売主と買主とを結びつけることを可能にするオンラインリスティングセンターの出現をも見た。このようなオンラインセンターの発展性のある例は、Stanford、ConneticutのThomson CorporationのAutexTM大口取引サービスである。このサービスは、投資信託会社および他の大口取引業者に対して、安全かつ便利な、特定の株またはその他の有価証券商品を有価証券取引業者のグループへ購入または売却することにおける希望または関心を同報通信するための手段を提供する。オンラインリスト中のこれらの指数を見ている取引業者は、投資信託会社における電話、ファックス、またはEメールでの接触により応答して、これらの投資信託会社と交渉を開始し、最終的に取引を完了することができる。
【0006】
さらに最近では、このようなサービスのユーザは、所有者インスタントメッセージング(IM)システムを利用することを開始した。これは、ユーザがIM可能なワークステーション、ラップトップ型コンピュータ、携帯電話、またはポケットベルを装備したその他のユーザとインターネットを介して瞬時にテキストメッセージを交換することを可能にする。利用可能な場合、インスタントメッセージングは、電話、ファックス、Eメールまでも、その他の通信形式に比べ、取引業者に対して有意な時間を節約することができる。
【0007】
しかしながら、本発明者は、オンライン取引またはその他の市場関連の通信を容易にするために用いられるIM機能は、これらの通信を運ぶ財務情報とは独立的に(またはコンテクスト外)アクセスされ、通信を開始および完了するためには多数のステップをユーザに強要するということを認識する。たとえば、AutexTMデータウィンドウ内にある関心の表示等の財務データをモニタ上で見る場合、関連する取引の相手へインスタントメッセージを送信しようとしているユーザは、キーボード、マウス、またはその他のグラフィカルポインタを用いてAutexTMウィンドウ外へ出てIMプログラム(またはアプリケーション)へ切り替え、自分の仲間リストを見る。仲間リストは、インスタントメッセージングを利用する連絡の個人的なアドレス帳であり、リストに挙げられた仲間の中に取引相手が存在するか否か、また存在する場合にはその相手がインスタントメッセージングにオンラインであり利用可能である(すなわち存在する)か否かを、ユーザが見ることを可能にする。
【0008】
取引相手が存在する場合、一般的に、ユーザはその相手と通信するために、マウスを用いてIMアプリケーションがIMウィンドウを開くように要求する。ユーザは、次いでAutexTMウィンドウへ切り替え、表示された関心の表示からテキストを選択しコピーする。そのテキストは次いでIMウィンドウにペーストされる。次いで、承諾またはカウンターオファー等、他の任意の所望のテキストをIMウィンドウにタイピングした後、ユーザはボタンをクリックして、取引相手が使用しているIM可能な機器へメッセージを送信する。
【0009】
不都合にも、ユーザのこの一連の行為は、時間を要するのみでなく、取引の機会を逸する結果にもなり得る。したがって、本発明者は、他の通信形式と同様に、インスタントメッセージングへアクセスしこれを利用するより良い方法の必要性を認識した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
この限定および/またはその他の限定に取り組むために、本発明者は、存在表示等の通信機能を財務データ画面に統合するシステム、方法、インタフェース、およびソフトウェアを想到した。1つの例示的な財務情報システムは、インターネットを介して契約しているユーザへ、株、公債、商品または金融派生商品への関心の表示を提供する。表示のうちの1つ以上は、存在インジケータと論理的に関連づけられている。存在インジケータは、その表示に関連する取引相手が現在インスタントメッセージングを介して通信可能であるか否かをユーザに伝える。
【0011】
一部の実施形態は、その他のタイプのデータへ統合された存在表示という概念を、複数のインスタントメッセージングシステムおよび/または、存在検出を提供するその他のタイプの通信システムへと拡張する。さらに、一部の実施形態は、ユーザが財務データウィンドウのコンテクストからインスタントメッセージングウィンドウを開くことを可能にする。開かれたウィンドウは、財務データウィンドウに基づく所定のインスタントメッセージングアドレスおよびテキストを含む。
【0012】
最後に、これらの実施形態または開示されているその他の実施形態のうちの1つ以上が、財務サービス産業上の財務取引相手および他の相手に対してのみでなく、高速の通信または便利な通信が所望されている任意のプライベートな領域、パブリックな領域、商業の領域の者に対して、オンラインの対話における向上した効率と便利性とを約束する。
(項目1)
財務データをクライアント機器へ提供することであって、該財務データのうちの少なくとも一部分が1つ以上の対話式制御機構に関連する、ことと、
該対話式制御機構のうちの少なくとも1つとのユーザの対話に応答して、通信ウィンドウを開くことであって、該通信ウィンドウは、該財務データのうちの一部分を自動的に含む、ことと
を包含する、方法。
(項目2)
前記ウィンドウが、前記財務データに関連する人物のためのインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記財務データが、経済商品と将来の取引のエンティティまたはエージェントとを識別するデータを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記財務データを提供することが、該財務データのうち、該財務データに関するエンティティまたはエージェントが対話式の通信のために現在利用可能であるか否かを示す存在インジケータに関連する、少なくとも一部分を表示することを包含する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記1つの制御機構とのユーザの対話に応答して通信ウィンドウを開くことが、アプリケーションプログラムインタフェースであって、前記クライアント機器内の2つ以上のインスタントメッセージングアプリケーションのうちの少なくとも1つ、あるいは該クライアント機器内のEメールアプリケーションおよび音声通信アプリケーションのうちの少なくとも1つへ財務データのうちの一部分以上を選択的に通信する、アプリケーションプログラムインタフェースへ、該財務データのうちの一部分以上を通信することを包含する、項目1に記載の方法。
(項目6)
少なくとも1つの財務データセットをクライアント機器のウィンドウへ提供することであって、該財務データセットは少なくとも1つのエンティティに関連する、ことと、
該1つの財務データセットに関連する該エンティティが対話式の通信のために現在利用可能であるか否かを示すために、該1つの財務データセットと関連して存在インジケータを表示することと
を包含する、方法。
(項目7)
前記1つの財務データセットを、少なくとも1つ以上の対話式制御機構と関連づけることと、
該対話式制御機構のうちの少なくとも1つとのユーザの対話に応答して通信アプリケーション用の通信ウィンドウを開くことであって、該通信ウィンドウは、該財務データセットのうちの一部分と前記エンティティの識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、ことと
をさらに包含する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記対話式制御機構のうちの少なくとも1つとのユーザの対話に対する応答が、2つ以上のインスタントメッセージングウィンドウを開くことを包含し、該ウィンドウのそれぞれが、個々のインスタントメッセージングシステムに関連するインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記財務データが、経済商品と予定の取引のエンティティまたはエージェントとを識別するデータを含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記1つの財務データセットを提供することが、該財務データセットをブラウザへ提供することを包含する、項目6に記載の方法。
(項目11)
前記1つの対話式制御機構とのユーザの対話に応答して前記通信ウィンドウを開くことが、前記財務データのうちの1つ以上の部分をアプリケーションプログラムインタフェースに通信することを包含し、該アプリケーションプログラムインタフェースが、前記クライアント機器内の2つ以上の通信アプリケーションのうちの少なくとも1つへ、該財務データのうちの1つ以上の部分を選択的に通信する、項目6に記載の方法。
(項目12)
1つ以上の経済商品を購入することに関心のある1つ以上の予定の購入のエンティティと、1つ以上の経済商品を売却することに関心のある1つ以上の予定の売却のエンティティとの統合リストを含むデータベースと、
第1の通信機器を介して該データベースへアクセスするエンティティに応答して、1つ以上の経済商品に関連する前取引データを該第1の通信機器へ提供するための手段であって、各経済商品に対する該前取引データが、予定の少なくとも1つの購入または売却のエンティティを識別する、手段と、
該データベースへアクセスするエンティティに応答して、通信ネットワーク内または通信ネットワーク上に存在する予定の購入または売却のエンティティに関連する第2の通信機器の存在の表示を、該第1の通信機器へ提供するための手段と
を備える、システム。
(項目13)
前記存在の表示は、前記1つの予定の購入または売却のエンティティに関連するIPアドレスに前記第2の通信機器が関連しているか否かを示す、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記第2の通信機器の存在の表示を前記第1の通信機器へ提供するための前記手段が、前記1つの予定の購入または売却のエンティティに関連する少なくとも1つのインスタントメッセージングシステムをサーバへ結合する手段を含み、該サーバが、購入または売却のエンティティあるいは該1つ以上の購入または売却のエンティティに対する別名のうちの1つ以上を、対応するIPアドレスと関連づけるデータを含む、項目12に記載のシステム。
(項目15)
前記第2の通信機器の存在の表示を前記第1の通信機器へ提供するための前記手段が、2つ以上のインスタントメッセージングサービスプロバイダから存在データを引き出すための手段を含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
テキストメッセージングを介して、前記1つの将来の購入または売却のエンティティに関する前記第2の機器と通信するためのグラフィカルユーザインタフェースをさらに備え、該インタフェースは、
財務コンテンツまたは所定のテキストストリングをIMテキストウィンドウの中へドラッグアンドドロップするための手段と、
1つ以上の所定のテキストストリングをIMテキストウィンドウに追加するためのメニュー手段と、
各IM通信システム内の存在に少なくとも部分的に基づく該将来の購入または売却のエンティティの前記データベースからソートされた表示を呼び出すための手段と
のうちの1つ以上を備える、項目12に記載のシステム。
(項目17)
グラフィカルユーザインタフェースのうちの少なくとも一部分を定義する機械可読媒体であって、該媒体は、
財務データを該グラフィカルユーザインタフェースに与えるための命令と、
該1つの財務データセットに関連する存在インジケータを提供するための命令であって、該存在インジケータは、与えられた該財務データに関連するエンティティが対話式の通信のために現在利用可能であるか否かを示す、命令と
を含む、媒体。
(項目18)
前記財務データが、特定の企業に対する経済商品に関する関心の表示を含む、項目17に記載の機械可読媒体。
(項目19)
前記財務データのうちの少なくとも一部分に関連する一つ以上の対話式制御機構をさらに備え、該対話式制御機構はインスタントメッセージングアプリケーション用のインスタントメッセージングウィンドウを開くことを選択でき、該インスタントメッセージングウィンドウは、該財務データのうちの一部分と、前記エンティティのためのインスタントメッセージング識別子とを自動的に含むテキストフィールドを有する、項目17に記載の機械可読媒体。
(項目20)
前記対話式制御機構のうちの1つが、2つ以上のインスタントメッセージングウィンドウを開くことを選択でき、該ウィンドウのそれぞれは、個々のインスタントメッセージングシステムに関連するインスタントメッセージング識別子を自動的に含む、項目19に記載の機械可読媒体。
(項目21)
前記存在インジケータがインスタントメッセージングサービスのためのアイコンを含む、項目17に記載の機械可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の1つ以上の実施形態に対応する例示的な財務情報システム100のブロック図である。
図2図2は、財務情報システムを操作する1つ以上の例示的な方法を示し、本発明の1つ以上の実施形態に対応する、フローチャート200である。
図3図3は、本発明の1つ以上の実施形態に対応する例示的なグラフィカルユーザインタフェース300のファクシミリである。
図4図4は、本発明の1つ以上の実施形態に対応する例示的なグラフィカルユーザインタフェース300’のファクシミリである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図および添付の特許請求の範囲を組み入れる下記説明は、一つ以上の発明の一つ以上の例示的な実施形態を説明および/または示す。本発明を例示および教示するだけであり、限定されない、これらの実施形態は、当業者が本発明を生成および使用するのに十分詳細に示され、説明されている。従って、一つ以上の発明を不明瞭にするのを回避するための適切な箇所において、説明は、当業者にとって周知の特定の情報を省略し得る。
【0015】
(例示的な財務情報システム)
図1は、本発明の一つ以上の教示を組み入れる例示的な財務情報システム100を示す。電子商取引の任意の形に広く適用可能なシステム100は、財務データプロバイダ110、統合財務データベース120、通信サーバ130および140、ならびに一つ以上のアクセス装置150を含む。
【0016】
より詳細には、財務または経済データの様々な形式を一つ以上の通信リンクまたはチャネルを介して加入者に提供する、財務データプロバイダ110は、財務データプロバイダ112、114、および116を含む。例示的な実施形態において、プロバイダ112、114、および116は、共通の財務データプロバイダの付属物または区分である。しかしながら、他の実施形態において、一つ以上のプロバイダは、一つ以上の他のプロバイダから独立している。
【0017】
より詳細には、各々のプロバイダ112、114、および114は、一つ以上の財務データセットを格納および分配し、その財務データセットの一般的な代表はFD1、FD2、およびFDNである。データセットFD1、FD2、およびFDNは、接触またはソース識別データC1、C2、およびCNとそれぞれロジカルに関連し、または含む。データC1、C2、およびCNは、それぞれのデータセットFD1、FD2、およびFDNを生成、著作、所有、またはそうでない場合、それらに関連する、一つ以上のソース固体、グループ、エンティティ、または組織を識別する。ソース識別データは、一つ以上の氏名、オンラインエイリアス、エンティティ所属、エンティティアドレス、ネットワークアドレス、電話番号、ページャ番号、およびインスタントメッセージングエイリアスまたはユーザ識別子を含む。
【0018】
例示的な実施形態において、プロバイダ112からのデータセットFD1のような一つ以上の財務データセットは、個々の投資家、個々のブローカ、ブローカ商社(brokerage firm)、リテール銀行、投資銀行、投資信託オペレータ(mutual−fund operator)、ベンチャーキャピタル等のような一つ以上の特定または未特定の経済的取引エンティティまたは団体から、株、債券、商品、オプション、デリバティブ等のような一つ以上の経済または財務手段(instrument)を購入、販売、またはそうでない場合、それらにおいてトランス作動することについての、一つ以上の関心事の表示(IOI)を含む(図3は、表示領域322、324、および326における様々な例示的な関心事の表示を示す)。他の実施形態は、以前のトレード(pre−trade)または商用データの他の形を含む。例えば、一部の実施形態は、消費財またはサービスのような他の形の資産もしくは不動産の購入または販売に関するリストを含み得る。
【0019】
同様に、財務データプロバイダ114の一つ以上のデータセット、例えば、データセットFD2は、マーケットのニュースおよび/または分析、マーケットセクタ、産業、会社、特定の経済手段(economic instrument)等を含む。更に、財務データプロバイダ116の一つ以上のデータセット、例えば、データセットFDNは、特定の経済手段等に関する現在のおよび/または従来のマーケットパフォーマンスデータを含む。
【0020】
一部の実施形態において、一つ以上のデータセットFD1、FD2、およびFDNは、全体的または一部のアクセスもしくは分配制限、時間的制限、アーカイブ命令等のようなデータ扱いにおける選択または制限にロジカルに関連し、または含む。例えば、一実施形態において、財務データプロバイダ(またはそのようなプロバイダにデータを提出するユーザ)は、ソース識別情報の全てまたはその一部のようなデータの一つ以上の部分を暗号化することによって、アクセスを制御または制限できる。この実施形態の変形形態は、誰または何が存在にアクセスできるか、存在はいつアクセスされ得るか、どのような種類の存在がアクセスされ得るか(活動状態、アイドル状態、または非活動状態)、およびどのような種類の装置または装置の属性が任意のアクセス可能な存在情報に含まれているかを制御することによって、関連する存在情報へのアクセスを制限または統制し得る。
【0021】
プロバイダ112〜116は、財務データプロバイダ120を集合(aggregate)させるために、例えば、インターネットプロトコル(IP)ネットワークまたは永久的な、一時的な、専用の、共有のワイヤレスまたはワイヤライン通信リンクの他の形を介して、結合され、または結合可能である。
【0022】
統合財務データプロバイダ120は、統合データベース121およびサーバ122を含む。データベース121は、データを財務データプロバイダ112〜116からルックアップテーブルまたはリレーショナルデータベースのような一つ以上のデータ構造に集合させ、通信サーバ130および140からのそれぞれの存在データP1、P2、およびPNを、それぞれの財務データセットFD1、FD2、およびFDNとロジカルに関連させ、またはそうでない場合、集合させる。一部の実施形態は、ソース識別データC1、C2、およびCNに基づいて、通信サーバ130または140をクエリすることによって、存在データを引き出し、関連させる。本実施形態の一部の変形形態において、ソース識別データの種類または特定の性質に基づいて、プロバイダ120は、通信サーバ130および140のうちの一つのみをクエリする。しかしながら、他の変形形態において、プロバイダ120は、所定のクエリからの一つ以上の通信サーバを除外するための十分な情報を欠乏し得、従って、各々の通信サーバをクエリする。他の実施形態は、クライアントおよび/または一つ以上の通信サーバにおいて存在し得る、クライアントバディリストに基づくクライントレベルにおける存在データを集合させる。
【0023】
その統合データベース121に追加して、統合財務データプロバイダ120は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張可能マークアップ言語(XML)、またはより一般に、対話式の制御機構(またはユーザインターフェース要素)との組み合わせのデータのような活動状態またはダイナミックな形におけるデータを供給するために、サーバ122のようなサーバの一つ以上を含む。サーバ122は、処理ユニット1221およびメモリ1222を含む。
【0024】
一般に、一つ以上のローカル、または分配されたプロセッサ、仮想マシン、もしくは機能的に同様な他のデータ処理またはコンピュータ配列の代表である処理ユニット1221は、メモリ1222に結合される。
【0025】
電子、磁気、または光コンピュータもしくはマシン読み取り可能媒体の形も取り得るメモリ1222は、加入者データベース1222A、一つ以上のサーチエンジン1222B、ならびにブラウザコンパチブルユーザインターフェース要素(UIE)1222Cのような他のモジュールおよびソフトウェアを含む。UIE1222Cは、一つ以上のJava(登録商標)スクリプト、アプレット、サーブレット、CGI(コモンゲートウェイインターフェース)プログラム、スクリプト、ActiveX制御、リモートインボケーションオブジェクト、もしくは所望された対話式ユーザインターフェース特徴、オブジェクト、モジュール、または要素に関連するデータを、様々な「層(thicknesses)」のクライアントに供給するための他の関連するソフトウェアおよびデータ構造を含む。UIE1222Cの一つ以上の部分は、クライアントにおけるブラウザ型ユーザインターフェースの一つ以上の部分を定義するためにクライアントプロセッサ、オペレーティングシステム、または他の関連する構成要素と結合して作用する(一部の実施形態において、サーバ122は、統合データベース121のデータにアクセスおよび相互作用するために、クライアント装置によって使用されるブラウザまたは他のアクセスソフトウェアをホストし、他の実施形態において、サーバは、クライアント側の実行のためにクライアントにアクセスソフトウェアをダウンロードする)。
【0026】
通信サーバ130および140は、二つの独立なインスタントメッセージングシステムまたはネットワークのためにインスタントメッセージング通信サービスを提供する。(一部の実施形態において、一つ以上の通信サーバは、インスタントメッセージング以外の他の形の通信、例えば、音声またはeメール通信を、容易にする。一部の実施形態において、一つ以上のサーバ130および140は、AOLTMインスタントメッセージングサーバ、MicrosoftTMライブ通信サーバ、または他のパブリックまたはプライベートなインスタントメッセージングサーバの形を取る。更に、一部の実施形態において、一つ以上の通信サーバは、統合財務データプロバイダ(またはデータセンタ)120の一部である。
【0027】
一つ以上のプロセッサ、メモリ装置および他の形のハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア(図に別々に示されず)に追加して、サーバ130および140は、ぞれぞれの存在データベース132および142を含み、それぞれのアクセス装置134および144に結合される。例示的な実施形態において、存在データの各セットは、少なくとも一つのインスタントメッセージングシステムのユーザのために識別子またはエイリアスのリストを含み、各々のエイリアスは、IM可能装置のための現在のIPアドレスにロジカルに関連する。一部の実施形態は、誰または何が存在にアクセスできるか、存在はいつアクセスされ得るか、どのような種類の存在がアクセスされ得るか(活動状態、アイドル状態、または非活動状態)、およびどのような種類の装置または装置の属性が任意の存在情報に含まれているかに関して、各々のエイリアスを、バディリストおよびユーザの選択に関連させる。存在データは、アクセス装置134および144のようなアクセス装置によってアクセス可能である。
【0028】
パーソナルコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、または任意の他のネットワーク通信装置の形も取り得るアクセス装置134および144は、インスタントメッセージングソフトウェア1341および1441のそれぞれの種類を含む。このソフトウェアは、アクセス装置が、それらの存在データおよび状態を登録し、それぞれのサーバ130および140(および/または他のアクセス装置)に存在データおよび状態をアップデートすることが可能なだけではなく、インスタントメッセージングまたは他の形のライブまたはリアルタイム、および一部の場合においてリアルタイムではない(例えば、eメール)通信を介してアクセス装置150との通信も可能にする。
【0029】
アクセス装置150は、統合データベース120に通信的に結合されるか、結合可能なだけではなく、一般に、一つ以上のアクセス装置の代表でもある。例示的な実施形態において、アクセス装置150は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、または適したユーザインターフェースおよび通信能力を有す任意の他の装置の形を取る。(一部の実施形態において、アクセス装置134および144は、アクセス装置150と同等または類似の構造を有する。)。
【0030】
一つ以上のプロセッサ(または処理回路)151およびメモリ装置(または回路)152に追加して、アクセス装置150は、ディスプレイ153、キーボード154、グラフィックなポインタまたはセレクタ(マウス)155、グラフィックユーザインターフェース156、一つ以上のアプリケーションプログラムインターフェース157、および通信モジュール158を含む。
【0031】
メモリ152においてコード化された命令およびデータとして存在し、ディスプレイ155において全体または部分的に表示されるかまたは表示可能なグラフィッカルユーザインターフェース156は、代表的な表示領域1561および1562のような一つ以上のデータ表示領域を含む。表示領域1561および1562は、財務データセットFD1およびFD2の一つ以上の部分をテキスト、画像、記号、または他の意味表示形式として表示するたけではなく、存在インジケータ1561Pおよび1562Pならびに対話式制御機構(ユーザインターフェース要素またはウィジェット)1561Wおよび1562Wを表示または提供するためにも、メモリにそれぞれ定義される。例示的な実施形態において、表示領域および制御機構は、サーバ122によって全体的または部分的に定義され、詳細には、クライアントオペレーティングシステムまたはブラウザソフトウェアと協力して作用するサーバ122のUIE1222Cによって定義される。
【0032】
より詳細には、存在インジケータ1561Pおよび1562Pは、財務データセットFD1およびFD2のためのソース識別データに関連するそれぞれのエンティティが、通信サーバ130または通信サーバ140によって供給される通信ネットワークにおいて存在することがみなされるかを示す。例示的な実施形態において、各々の存在インジケータは、アイコンの形を該当するインスタントメッセージングまたは代替の通信システムと仮定する。例えば、財務データセットFD1に関連するエンティティが、AOLまたはMicrosoftインスタントメッセージングシステムに関連する場合、AOLまたはマイクロソフトの認可されたまたは許可されたアイコンは、現在の存在を示すためにフルカラー、ハイライト、および/または点滅の形、もしくは存在しないことを示すためにミュートまたは「グレイアウト」の形において、表示され得る。
【0033】
一部の実施形態は、関連するエンティティが存在しないことを示すためにアイコンの表示を完全に省略する。他の実施形態は、存在または非存在に対するユーザ識別を容易にするために、財務データ自体の色またはフォントを点滅、ハイライト、下線、または別の態様で、区別する。更に、他の実施形態は、ウィンドウの別々の部分にグルーピングまたは表示することによって肯定存在を有すデータセットを示し、もしくは提示されているもののみを示すオプションを呼び出すためにユーザにオプションを提供する。更に、他の実施形態は依然として、ソートされる、またはそうでない場合、存在データに基づいて編成されるために、例えば、関心事の表示のような、財務データを許可する制御機構を提供する。
【0034】
一部の実施形態は、一つのインスタントメッセージングシステム(より一般に、通信システム)がもう一つの前記システムを通じて、優先的な処置を与え得る。例えば、一実施形態は、一つのインスタントメッセージングシステムのための存在インジケータを表示し得、両方のための情報がシステムであり得、ここで、両方のための情報がシステムにおいて利用可能である、もう一つのシステムの存在インジケータを省略する。選択は、ユーザが示す選択またはデータプロバイダとインスタントメッセージングシステムとの間における同意に基づき得る。
【0035】
通信システムの選択は、多くの方法において明らかになる。一つの方法は、一つ以上の好ましいインスタントメッセージングシステムのための特定のアイコンを使用すること、および、全ての他のインスタントメッセージシステムのための一般的なアイコンを使用することである。IM選択を示す他の方法は、異なる相対的なサイズ、または点滅技術を用いて、一つ以上の好ましいIMシステムのアイコンを視覚的にハイライトさせること、あるいは、他のものに関連する一部のIMシステムと通信するIMを呼び出すプロセスを意図的に加速させることを含む。他のものを介した一つ以上のIMシステム(または、より一般的には、通信システム)のための選択を提供することは、その財務データシステムに対する所有者に、通信プロバイダからの収入または経済的価値の権益を得ることを可能にする。
【0036】
対話式制御機構1561Wおよび1562Wは、ユーザコマンドを受信するか、または、それらの個々の財務データセットまたは他のデータの追加的な関連する部分をユーザに提供するために、ディスプレイ領域の一つ以上の部分に関連される。例示的な実施形態において、制御特性1561Wおよび1562Wは、個々の存在インジケータ1561Pおよび1562Pに関連し、ユーザ制御のグラフィックポインタまたは他のインターフェース機器を介して、独立に、または一緒に、選択可能である。それにより、プロセッサ151を、アプリケーションプログラムインターフェース157の一つ以上に対して、対応するディスプレイ領域の一つ以上と関連する、情報またはコマンド信号と通信するように呼び起こすか、通信させる。
【0037】
アプリケーションプログラムインターフェース157は、選択された対話式制御機構の一つ以上と関連する情報を受信し、通信モジュール158内の通信アプリケーションまたはプログラムの一つ以上を用いて、この受信された情報に応答して通信するための、少なくとも一つのインターフェースを含む。(例示的な実施形態において、この通信は、一つ以上の通信モジュール158に、ディスプレイ領域に関連するデータ、および、以下で記載される他の機能に基づいて、インスタントメッセージングまたは他形式の通信ウィンドウを開かせることを必然的に伴う。)。
【0038】
通信モジュール(プログラムまたはアプリケーション)158は、二つ以上のメッセージングまたは外部通信システム(例えば、インスタントメッセージングソフトウェアIM1およびIM2、ならびに、関連する友達(Buddy)リストBL1およびBL2など)のための通信ソフトウェアを含む。(友達リストは、一つ以上の通信サーバ130および140に格納され得る。)例示的な実施形態において、それぞれのインスタントメッセージングソフトウェアは、インスタントメッセージを起動、編集、送信および受信するだけでなく、友達リストおよび関連するユーザ選択を確立、維持、および更新することを容易にする。一部の実施形態は、さもなければ、二つ以上の互換性のないインスタントメッセージングまたは通信サービスと互換性のある、単一のインスタントメッセージングアプリケーションを提供し得る。さらに他の実施形態は、単一のシステム通信モジュールとマルチシステム通信モジュールとの組み合わせを含み得る。
【0039】
(動作の例示的な方法)
図2は、オペレーティングシステム100の一つ以上の例示的な方法のフローチャート200を示す。フローチャート200はブロック210〜270を含み、それらは、例示的な実施形態における連続した実行シーケンスにおいて配置および記載される。しかしながら、他の実施形態は、複数のプロセッサまたはプロセッサのようなデバイス、あるいは二つ以上の仮想マシンまたはサブプロセッサとして構成された単一のプロセッサを用いて、平行して、二つ以上のブロックを実行する。他の実施形態はまた、類似した結果を達成するために、プロセスシーケンスを変更するか、異なる機能区分を提供する。さらに、さらなる他の実施形態は、モジュール間において、およびモジュールを介して通信された、関連する制御およびデータ信号を用いた二つ以上の相互接続されたハードウェアモジュールとして、ブロックをインプリメントする。従って、例示的なプロセスフローは、ソフトウェア、ハードウェア、および、ファームウェアインプリメンテーションに適用する。
【0040】
例示的な方法は、ブロック210において、ユーザが、統合データベース120へのアクセス機器(例えば、アクセス機器150)の伝達結合を開始することで、始まる。この例示的な実施形態では、これは、ユーザが、統合データベース120に対するウェブサーバに対する機器150上のブラウザまたは別のアクセスソフトウェアを指示し、次いで、適切なユーザ名、パスワードおよび/または別の認証手法を用いて統合データベース120にログインすることを伴う。実行はブロック220において継続される。
【0041】
ブロック220において、ユーザインターフェース156と対話しつつ、ユーザは、特定の経済手段または経済エンティティに関連するデータを見るという希望を指示する。例示的な実施形態において、これは、ユーザが、マウス、キーボード、または他のインターフェース機器を使用して、メニューからストックチッカ・シンボルを選択することによって、あるいは、特定の会社名に関連するシンボルのキーを押すか、特定のアイコンを選択することによって、クエリを送信することを必然的に伴う。一部の実施形態において、ユーザは、特定の会社または経済手段の監視リストを維持し、それらのエンティティまたは手段に関連する、統合としてのデータは、ログイン後、統合としてのデータベースからアクセス機器に、自動的に、または選択的に、通信される。次いでユーザは、監視リストの特定の部分に焦点を当てるために、インターフェース選択を有する。このように、データベース120からのコンテンツは、クエリに従って、アクセス機器150に「プル(pull)」され、ログインまたは他のイベントに従って、「プッシュ(push)」される。実行はブロック230において継続される。
【0042】
ブロック230は、要求されたデータを、統合された存在指示および/または対話式通信制御機構に提供する。例示的な実施形態において、これは、ユーザクエリに基づいて、アクセス機器150に一つ以上の財務データセットを通信する、統合としてのデータベース120を必然的に伴う。一つ以上の対応する存在データセットP1、P2、PNと共に、二つ以上のデータセットFD1、FD2、FDNの統合を含むデータは、次いで、ディスプレイ153およびグラフィカルユーザインターフェース156を介して、ユーザに提示される。
【0043】
一部の実施形態において、統合のデータベースは、存在データを含まないことがあり得るか、陳腐化した存在データを含み得る。そのような実施形態において、関連するソフトウェアモジュール、例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API)157の一つ以上は、ソース識別情報に基づいて、統合としてのデータベース120から財務データセットの一つ以上に関連する存在情報を得るために、通信モジュール158と直接に、または通信モジュールを介して、通信サーバ130および140の一つ以上をクエリし得る。
【0044】
他の実施形態はまた、アクセス機器内、または、関連する通信サーバなどの外部データベース内にて、関連する存在情報のためのソース識別情報に基づいて、BL1またはBL2などのような、既存の個人的な友達リストをクエリし得る。さらなる他の実施形態は、通信サーバの一つ以上における一般的な(マルチユーザまたは集合)の友達リストをクエリし得、表示された財務データセットの一つ以上に関連する存在情報を決定する。(一部の実施形態において、ユーザは、存在インジケータを提供し易いように、友達リストにおけるそれらのコンタクトの一つ以上を、財務データプロバイダの一つ以上に関連付けることができる。)実行はブロック240において継続される。
【0045】
ブロック240は、表示される財務データセットの一つ以上に関連されるエンティティを用いて、通信セッションを開始する。例示的な実施形態において、これは、制御特性1561Wまたは1562Wなどのような、対話式制御機構またはユーザインターフェース要素をユーザが選択または作動させることに応答して生じ、制御特性は、表示されたデータの一部に関連付けられる。応答において、グラフィカルユーザインターフェースは、アプリケーションプログラム・インターフェース157の一つ以上を介して、通信モジュール158などの、適切な通信モジュールと通信する。(一部の実施形態は、一つ以上の他のアプリケーションプログラム・インターフェースのどれが、作動された制御特性にさらに応答するかを決定するAPIのルート設定を含み得る。)実行は次いで、ブロック250において継続される。
【0046】
ブロック250において、通信モジュールの一つ以上(または、モジュールの一つ以上の制御の下でのプロセッサ動作)は、一つ以上の通信ダイアログウィンドウを自動的に開く。例示的な実施形態において、ダイアログウィンドウを開くことは、財務データセットの一つ以上の所定の部分を用いて、ウィンドウの一つ以上の領域を自動的に置くことを含む。例えば、選択されたコマンド特性が、特定の株、社債、取引き商品、または他の経済手段のための関心の指示に関連される実施形態においては、通信ウィンドウは、関心の指示のテキスト、および、その指示に関連するエンティティのためのインスタントメッセージングアドレスをも含む。
【0047】
一部の実施形態は、ユーザがグラフィカルユーザインターフェース156内のデータセットの二つ以上を選択することによって、二つ以上の通信ウィンドウを自動的に開くことおよび設置することを可能にし得る。この特性は、例えば、オンラインオークション、またはマルチパーティの収益報告のためのプライベートチャットルームを確立するために有用であり得る。また、一部の実施形態においては、通信ウィンドウは、eメールアプリケーション、ネットワークビデオ、または音声会議に関連する。この特性は、一部の実施形態において、別個の通信モジュール(例えば、二つの異なるインスタントメッセージングアプリケーションまたは音声通信アプリケーション)のために通信ウィンドウを開くことを容易にし得る。実行はブロック260に進む。
【0048】
ブロック260において、ユーザはメッセージを完成する。例示的な実施形態において、メッセージの完成は、カットアンドペーストまたは他のテキスト入力方法を使用して、追加的なテキストまたはデータをメッセージウィンドウに編集および/または追加することを必然的に伴う。しかしながら、他の実施形態は、ファンクションキー、ホットキー、マクロ、ポインタなどの助けを用いた構成のもとで、メッセージに追加され得る、特定のユーザまたは管理者規定のテキストメニューまたはアイコンのセットを提供する。
【0049】
例えば、一部の実施形態は、「エモティコン」に類似する一つ以上のアイコンのセットを提供し、それは、特定の情報を搬送し、グラフィカルポインタを用いた選択によって追加され得る。他の実施形態は、特定の文字またはテキスト列に関連する所定の文字列を認識し、通信ウィンドウにおけるそれらの入力を検出する場合に、ユーザのキー打ちを節約するために、ウィンドウ内において文字またはテキスト列を完全にする、特定の自動編集性能を提供する。さらに別の実施形態では、ユーザが、グラフィカルポインタを用いてメッセージウィンドウにアイコンをドラッグアンドドロップすることを可能にし、そのアイコンは、通信ウィンドウ内の対応の管理者規定またはユーザ規定のテキストにデコードされる。
【0050】
ブロック270において、通信モジュールの一つ以上は、メッセージを一人以上の受け取り人に送信する。例示的な実施形態において、これは、ユーザが通信ウィンドウ上の送信ボタンを選択することに応答して生じる。一部の実施形態において、しかしながら、メッセージは、所定の終わりのテキストまたは署名アイコンの挿入に応答して送信され、自動送信トリガとともに、ユーザまたは管理者規定の終わりの署名を含む。このように、このアイコンを挿入することにより、結果として、メッセージの自動送信が得られる。一部の実施形態は、スクリーニングまたはフィルタリング機能を含み、ユーザが所望されない、または不適切なメッセージを送信するリスクを低減する。これらのフィルタは、取り下げ(retract)が難しい、または、送信者または他のリスクに関連する閾値の、一部の取引きの量または値の限界を超過するタイプの通信の提供または許可に対してトリガされ得る。
【0051】
一部の実施形態は、グラフィックユーザインターフェース156上の一つ以上の対話式制御機構(またはユーザインターフェース要素)を提供し、それは、選択または実施において、所定のテキストに基づいて、ブロック240、250、260、および270の自動的な実行を生じる。例えば、一つの制御機構は、コンタクトに対する通信モジュールを介して、「これは確約提供ですか」などの、ルーチンな質問を自動的に送信し得る。別の制御機構は、標準の注文実行の言葉を自動的に送信し得る。これらの実施形態の一部の変形は、誤った、または認証されていない通信のリスクを軽減するためのフィルタを含み得る。
【0052】
また、一部の実施形態において、ブロック250は、インスタントメッセージングウィンドウに付け加えて、または代替的に、eメールアプリケーション、あるいは音声会議または音声映像会議のための通信ウィンドウを開くことを必然的に伴い、そのウィンドウは、インスタントメッセージングアドレスよりも、関連するeメール、電話番号、またはVoIPアドレスに置かれる。
【0053】
(例示的なグラフィカルユーザインターフェース)
図3は、上記のシステムおよび方法の一部の実施形態を用いて使用される例示的なグラフィカルユーザインターフェース300を示す。特に、インターフェース300は、対話式制御領域310、対話式財務データ領域320、通信ウィンドウ領域330、対話式財務データ領域340、および対話式財務データ領域350を含む。
【0054】
対話式制御領域310は、シンボル入力領域312、データタイプ入力領域314、およびコマンド送信機構316を含む。シンボル入力領域312は、例えばGE、General Electric Companyのチッカーシンボルなど、株または他の金融証書(financial instrument)識別システムを受け入れる。一部の実施形態において、領域312は、プルダウンメニュー形式であり、全ての利用可能なチッカーシンボル、またはシンボルの所定のサブセット、例えば、最も最近使用されたもの、および/またはユーザ規定の監視リストからのものをリストアップする。データタイプ入力領域314は、Consolidated Recapなどのような、データタイプの記述子または名前を受け入れ、それは、ユーザが所望するデータのタイプおよび形式を示す。例示的な実施形態において、この領域は、プルダウンメニュー形式における多数の可能な選択を提供する。しかしながら、他の実施形態は、そのような選択を提示するために、他のユーザインターフェース特性を使用し得る。
【0055】
コマンド送信機構316は、例えば、「go」ボタンであるが、データプロバイダ120(または、より正確にはサーバ122)を統合するために、入力領域312および314からのデータの送信を呼び出すことが選択可能である。応答において、プロバイダは、入力領域314および316のコンテンツに関連する、対応するデータセットを用いて、対話式の財務データ領域320、330、および340を投入し、その内容の一つ以上は、上述の一つ以上の実施形態に記載しているように、統合された存在データおよび/または通信機能を提供する。
【0056】
特に、対話式財務データ領域320は、一般の購入関心(buy−interest)部分322、一般の売却関心(sell−interest)部分324、詳細関心(detailed interest)部分326を含み、それぞれが、関心および対応する存在インジケータの一つ以上の指示をリストアップする。例えば、詳細関心部分326は、指示リスト3261を含み、そのリストは関心データ3261D、存在インジケータ3261P、および対話式制御機構3261Cを含む。関心データ3261Dは、時間スタンプ(1:40PM)、購入または売却側インジケータあるいはテキストフィールド(BまたはS)、サイズまた量インジケータあるいはテキストフィールド(1,000,000)、価格インジケータまたはテキストフィールド(29.16)、送信者識別子またはテキストフィールド(MOR STAN)、コメントインジケータまたはテキストフィールド、および、質インジケータまたはテキストフィールドを含む。
【0057】
存在インジケータ3261Pは、例えば、送信者テキストフィールド(MOR STAN、Morgan Stanleyの略)に関連したユーザの、管理者の、または送信者規定の取引相手などの指示リストに関連したコンタクトが、インスタントメッセージングまたは通信の他の形式に対して、現在利用可能であるかどうかを示す。存在インジケータ3261Pは、インターフェース156の記載において示されるように、任意の数の形式を取り得る。
【0058】
対話式制御機構3261Cは、送信者テキストフィールドなどの、指示リスト326の任意の部分に関連し得るが、ウィンドウ330などの、インスタントメッセージング(または、通信ウィンドウの他の形式)を開くことが選択可能である。対話式制御機構3261Cは、存在インジケータ3261Pまたは指示リストの別の部分に関連するリンクまたはプルダウン通信メニューなどの、任意の数の形式を取り得る。プルダウンメニューは、一つ以上の存在するコンタクトをリストアップし得、ユーザが、インスタントメッセージング、または、音声または映像会議などの、代替的な通信形式のための一つ以上のもの(party)を選択することができる。
【0059】
ウィンドウ330は、開くと、指示リストからデータを自動的に置き、その指示に関連するコンタクトに向けられる。示された例において、ウィンドウは、指示リストデータ3261Dに基づいた指示送信者Morgan Stanleyおよび指示テキスト334を用いて、ユーザ、管理者、送信者、または他のエンティティによって関連付けられた友達リストコンタクトに基づいて、アドレス332(Cassandra.chew@tfn.com)を含む。
【0060】
付け加えて、ウィンドウ330は、自動メッセージングアイコン336および338を含み、それらは、図2に関連して上述されたように、入力領域などのウィンドウ330の規定された部分の一部に作動またはドロップされ得、所定のテキストの自動挿入をさせるか、または、ウィンドウに作動またはドロップされ得、メッセージの自動挿入または自動送信の両方をさせる。一部の実施形態は、カーソルの「ロールオーバー」を感知した場合に、これらのアイコンの使用のためのメッセージおよび命令に関連されたメッセージのテキストを表示する。
【0061】
対話式財務データ領域340は、入力領域314のコンテンツに関連された一つ以上のニュースまたはアナリストレポートをリストアップする。例えば、領域340は、レポートリスト342を含み、それは、存在インジケータ342P、関連の対話式制御機構342C、レポート記載342D、対話式制御機構342CCを含む。存在インジケータ342Pは、著者、アナリスト、または、レポート記載に関連する他の者(party)が、対話式通信のために存在するかどうかを示す。制御特性3261Cに類似して、制御特性342Cは自動的に通信ウィンドウを開くように選択可能であり、その通信ウィンドウは、レポートリストまたは他の関連データの少なくとも一部が置かれる。一部の実施形態において、リストアップされたレポートへのハイパーリンクは、通信ウィンドウにおいて自動的に含まれる。レポート記載342Dは、タイトルなどの、関連するレポートの短い記載を提供する。そして、制御特性342CCは、一部の実施形態においてはハイパーリンクの形式であるが、関連するレポートを含むドキュメントへのアクセスを可能にするように機能する。制御機構342Cおよび342CCは、カーソルがディスプレイ上にて関連する要素を「ロールオーバー」するまで、一部の実施形態においては、不可視であり得る。
【0062】
対話式財務データ領域350は、入力領域314のコンテンツに関連するマーケット実行データを含む。例示的な実施形態において、領域350は、マーケットの価格などの、時間経過のマーケット実行パラメータのグラフ352を含む。
【0063】
図4は、300’で示されるインターフェース300の変形を示し、ウィンドウ330は、インスタントメッセージングアプリケーションよりもむしろ、MicrosoftTMOfficeTMアプリケーションなどの、eメールアプリケーションに関連する。この例において、ウィンドウは、ウィンドウを開始するために使用される対話式制御機構に関連するデータに基づいたeメールアドレスおよびテキストが自動的に置かれる。一部の実施形態において、ウィンドウ330のeメールバージョンは、ユーザ選択に応答して表示され、対話式通信のために存在しない関連のコンタクトを有する財務データに関連する通信を開始する。
【0064】
(結論)
技術の促進において、本発明の発明者は、インスタントメッセージングおよび他の形式のオンライン対話式通信が、多くの場合、不便であることを認識している。というのは、それらを起動するために使用されるインスタントメッセージングまたは他の通信プログラムは、例えば、それらに影響を与える財務データなどのデータから隔離されているからである。従って、その発明者は、例えば、データ表示への、存在および通信の起動などの、通信機能の一体化を、統合または容易にする、様々な例示的なシステム、方法、インターフェース、およびソフトウェアを工夫した。最終的に、これらまたは他の実施形態の一つ以上は、金融サービス業界における経済的な取引相手または他の者にとってだけでなく、迅速または便利なオンライン通信が所望される、任意のプライベート、パブリック、および商業領域におけるそれらにとっても、改良された効率およびオンライン対話の便利性を約束する。
【0065】
上記の実施形態は、幅または範囲を限定するのではなく、本発明を作製および使用する一つ以上の方法を例示および教示するためのみが意図されている。本発明の実際の範囲は、本発明の教示を実施またはインプリメントする全ての方法を包含するが、一つ以上の問題となる請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ規定される。
図1
図2
図3
図4