【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に明白になるこれらの目的および他は、求核性原子が有利には窒素である求核性試薬を、以下の、
−スルホニルの、有利には塩化スルホニルの重いハロゲン化物(すなわち、原子番号が少なくとも塩素のそれに等しいハロゲン化物)および
−その中の少なくとも1個がVB欄からの原子である2原子を連結するπ結合との共鳴を持つメタロイド原子を含む有機塩基、有利には、この原子の非共有電子対が少なくとも1個がV欄からの原子である2原子を連結するπ結合に直接または間接に共役している、VB欄(メンデレーエフ表の窒素欄)からの三価の原子を含む有機塩基、および
−事実により、前記スルホニルの有機部分が、硫黄により担われた炭素上で、パーハロゲン化(少なくとも1個、好ましくは2個のフッ素により)、有利にはパーフルオロ化されること、
を、連続的または同時の添加に対して、含む試薬に、接触して置く段階を含むスルホニル化法によって達成される。
【0009】
本発明は、以下の態様[1]〜[33]を含むことができる。
【0010】
[1] 求核性原子が有利には窒素である求核性試薬を、
−スルホニルの、有利には塩化スルホニルの重いハロゲン化物(すなわち、原子番号が少なくとも塩素のそれに等しいハロゲン化物)および
−その中の少なくとも1個が欄VBからの原子である2原子を連結するπ結合との共鳴を有する飽和メタロイド原子を含む有機塩基、を、連続的または同時の添加に対して、含む試薬に接触して置く段階を含むこと、および前記スルホニルの有機部分が、硫黄により担われた炭素上で、パーハロゲン化、有利にはパーフルオロ化されることを特徴とするスルホニル化法。
【0011】
[2] 前記求核性試薬の共役酸が、約7以下、有利には6以下、好ましくは5以下のpKaを有することを特徴とする、[1]に記載の方法。
【0012】
[3] 前記求核性試薬の前記窒素が電子吸引性基に連結されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法。
【0013】
[4] 前記電子吸引性基がアリール、有利には電子不足(depleted)アリール、およびスルホニルから選択されることを特徴とする、[3]に記載の方法。
【0014】
[5] 前記メタロイド原子が、非共有電子対を、直接または間接に2個の原子を連結する前記π結合に共役させる、欄VBからの三価原子、有利には三置換原子であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
【0015】
[6] 欄VBからの前記三価原子が三置換窒素であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
【0016】
[7] 2個の原子を連結する前記π結合がイミン結合であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
【0017】
[8] 非共有電子対が直接または間接にπ結合に共役された、欄VB(窒素欄)からの三価の原子を含む前記有機塩基が、n=0または限定された範囲(すなわち、限定を含んで)の1〜4、有利には1〜3、好ましくは1〜2内で選択された整数を持つ、式>N−[C=C]
n−C=N−の配列を含むことを特徴とする[5]〜[7]のいずれかに記載の方法。
【0018】
[9] 非共有電子対が直接または間接にπ結合に共役された、欄VB(窒素欄)からの三価の原子を含む前記有機塩基が、以下の式中、R
1、R
2およびR
3は同じか、または異なることが可能であり、炭化水素系誘導体、有利には4個以下の炭素原子および水素を含有するアルキル誘導体から選択され、n=0または限定された範囲(すなわち、限定を含んで)の1〜4、有利には1〜3、好ましくは1〜2内で選択された整数を持つ、式>N−[C(R
1)=C(R
2)]
n−C(R
3)=N−の配列を含むことを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
【0019】
[10] 欄VBからの前記三価原子が第3である(第3塩基を形成する)ことを特徴とする、[5]〜[9]のいずれかに記載の方法。
【0020】
[11] 欄VBからの前記三価原子が第3アミンである(第3アミンを形成する)ことを特徴とする、[5]〜[10]のいずれかに記載の方法。
【0021】
[12] 非共有電子対が直接または間接にπ結合に共役された、欄VB(窒素欄)からの三価原子を含む前記有機塩基が、以下の式中、R
1、R
2およびR
6は同じか、または異なることが可能であり、炭化水素系の基、有利には4個以下の炭素原子および水素を含有するアルキル基から選択され、また式中、R
4およびR
5は同じか、または異なることが可能であり、炭化水素系の基、有利には4個以下の炭素原子、1個以上の環を形成するために残っている他の置換基(複数を含む)に連結されることが可能である置換基R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の一つまたは二つを含有するアルキル基から選択され、n=0または限定された範囲(すなわち、限定を含む)の1〜4、有利には1〜3、好ましくは1〜2内で選択された整数を持つ、式(R
5)(R
4)N−[C(R
1)=C(R
2)]
n−C=N−R
6の配列を含むことを特徴とする、[5]〜[11]のいずれかに記載の方法。
【0022】
[13] 2個の原子を連結する前記π結合が、環内であることを特徴とする、[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
【0023】
[14] 2個の原子を連結する前記π結合が、芳香族環の環内であることを特徴とする、[1]〜[13]のいずれかに記載の方法。
【0024】
[15] 前記環がピリジン環であることを特徴とする[14]に記載の方法。
【0025】
[16] 前記塩基がパラ−またはオルト−ジアルキルアミノピリジンおよびDBUから選択されることを特徴とする、[1]〜[15]のいずれかに記載の方法。
【0026】
[17] 前記求核性試薬が窒素を求核性原子として有することを特徴とする、[1]〜[16]のいずれかに記載の方法。
【0027】
[18] 前記求核性試薬がアンモニアおよび/またはスルホンイミドから選択されることを特徴とする、[1]〜[16]のいずれかに記載の方法。
【0028】
[19] 前記求核性試薬がアンモニアであること、およびそれが、二度、パーフルオロスルホン化されることを特徴とする、[1]〜[16]のいずれかに記載の方法。
【0029】
[20] 前記求核性試薬が、求核性官能基を除く求核性原子を担う環の置換基の、それらのハメット定数σ
pの和が少なくとも0.14、有利には0.2に等しくなるようなアリールアミンであることを特徴とする、[1]〜[20]のいずれかに記載の方法。
【0030】
[21] 前記試薬が、非アルキル化有機塩基をも、連続または同時の添加に対して、含むことを特徴とする、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
【0031】
[22] 前記非アルキル化有機塩基が、嵩張ったジアルキルホスフィン、トリアルキルホスフィン、ホスホニウム水酸化物、嵩張ったジアルキルアミン、トリアルキルアミン、およびアンモニウム水酸化物から選択されることを特徴とする、[21]に記載の方法。
【0032】
[23] 前記非アルキル化塩基が、脂肪可溶性であること、およびベンゼン中への少なくとも、有意である(「化学および物理ハンドブック」(Handbook of Chemistry and Physics)中で記号「s」)と共に、有利には高い(「化学および物理ハンドブック」中で記号「v」)、一つの溶解度を有することを特徴とする、[1]〜[22]のいずれかに記載の方法。
【0033】
[24] 前述の接触しての配置が、有利には比較的非極性であり、好ましくは比較的水とは不混和性である(質量で10%以下、有利には5%以下、好ましくは質量で2%以下)有機溶媒中で行われることを特徴とする、[1]〜[23]のいずれかに記載の方法。
【0034】
[25] 反応の間に用いられる非アルキル化脂肪可溶性塩基の量は、少なくとも、生成するハロゲン化水素酸を中和するために必要な量に等しいことを特徴とする、[1]〜[24]のいずれかに記載の方法。
【0035】
[26] 前記塩化スルホニルの有機部分が、硫黄により担われる炭素上でパーフルオロ化されることを特徴とする、[1]〜[25]のいずれかに記載の方法。
【0036】
[27] 前記塩化スルホニルの有機部分が、式(Rf):EWG−(CX
2)
p−の基から選択されることを特徴とする、[1]〜[26]のいずれかに記載の方法。(式中、同じか異なることがありえる基Xは、塩素、フッ素、または少なくとも基Xのひとつがフッ素であるという条件で、nが5以下、好ましくは2以下の整数である式C
nF
2n+1の基を示し、式中、pは2以下の整数を示し、式中、EWGは可能な官能基が反応条件下不活性であり、有利にはフッ素またはnが8以下、有利には5以下の整数である式C
nF
2n+1のパーフルオロ残基である電子吸引性基を示し、Rfにおける炭素の全体数が有利には1と15、好ましくは1と10の間である。)
【0037】
[28] それが、
・ スルホニル、有利には塩化スルホニルの重いハロゲン化物(すなわち、原子番号が少なくとも塩素のそれに等しいハロゲン化物)および
・ 少なくともその中の1個が欄VBからの原子、有利には窒素原子である2個の原子を連結するπ結合との共鳴を有する原子を含む有機塩基、を、連続的または同時の添加に対して、含むこと、および前記スルホニルの有機部分が、硫黄により担われた炭素上にパーハロゲン化、有利にはパーフルオロ化されることを特徴とする、[1]〜[27]のいずれかに記載の方法を実行するために有用である試薬。
【0038】
[29] それが、溶媒を、相対的に非極性であると共に、水への低溶解度を有し、有利には塩素化脂肪鎖を含有しないものから選択される溶媒混合物を含む前記溶媒を、連続または同時の添加に対して、含むことを特徴とする、[28]に記載の試薬。
【0039】
[30] 前述の比較的に非極性の溶媒が、極性値(kcal/モルで表されるE
ft)として40以下(有利には二つの有効数字)であるものから選択されることを特徴とする、[29]に記載の試薬。
【0040】
[31] 前述の比較的に非極性の溶媒が、酸化有機化合物(特に、エーテル、エステルまたはさらにケトン)、炭化水素(石油留分を含む)および環上でハロゲン化された芳香族炭化水素から選択されることを特徴とする、[29]または[30]に記載の試薬。
【0041】
[32] 前述の比較的に非極性の溶媒が、環上でハロゲン化された置換ベンゼンおよび炭化水素から選択されることを特徴とする、[29]〜[31]のいずれかに記載の試薬。
【0042】
[33] 前記飽和メタロイド原子が、非共有電子対を直接または間接に2個の原子を連結するπ結合に共役させる、欄VB(窒素欄)からの三価金属であることを特徴とする、[29]〜[32]のいずれかに記載の試薬。