(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778413
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】粉体の解砕・搬送装置
(51)【国際特許分類】
B02C 13/18 20060101AFI20150827BHJP
B02C 13/286 20060101ALI20150827BHJP
B02C 13/28 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
B02C13/18 Z
B02C13/286
B02C13/28 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-268306(P2010-268306)
(22)【出願日】2010年12月1日
(65)【公開番号】特開2012-115772(P2012-115772A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2013年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】591250008
【氏名又は名称】株式会社粉研パウテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】岩子 眞由美
(72)【発明者】
【氏名】中尾 雅章
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 庄司
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−161213(JP,A)
【文献】
特開2004−003400(JP,A)
【文献】
特公平06−022519(JP,B2)
【文献】
実公平02−013085(JP,Y2)
【文献】
実公平04−043286(JP,Y2)
【文献】
特公平07−106121(JP,B2)
【文献】
実開昭58−171227(JP,U)
【文献】
実公平03−012344(JP,Y2)
【文献】
特公平02−007698(JP,B2)
【文献】
特開平11−229429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/00−13/31
B02C 18/88−18/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部を有すると共に外壁に隣接した底部に排出口を有する有底円筒状の下胴部を備え、
この下胴部内の底部中央から上方へ向かって垂直に設けられたモーター軸に、
粉体をアームによって掻き出す掻出用羽根と、
粉体に生じるダマを破砕するブレードを有するチョッパーと、
回転により風を生じさせて上方から下方へ向かう空気流を生じさせる支持板及び突棒とを備えるロータとが、前記底部側から積層した状態で結合して設けられ、
フィーダから供給される粉体を前記開口部を介して前記下胴部内に導入し、前記掻出用羽根によって前記排出口へ送り出す解砕機と、
前記排出口につながり垂直方向へ延びる筒状の吸引路と、この吸引路の下方において該吸引路に交差する方向に延びるスロートに形成されたスロート流路と前記吸引路とを連絡する部分に形成された細径部を備えるアスピレータと、
前記スロート流路の反対側から前記細径部へ向かう透孔が形成されたカバーブロックの前記透孔に埋設されると共に前記細径部に先端部が位置するノズルであって、前記吸引路から前記細径部に到来する粉体を前記スロート流路側へ搬送するための第1のエアが流されるノズルと、
前記カバーブロックの前記透孔内壁部と前記ノズルの外周部の間隙によって形成され、この間隙を介して第2のエアを前記第1のエアと共に前記細径部へ送り込み、前記吸引口からの吸引力を強化するエア流路と
を備える搬送機と、
を具備する粉体の解砕・搬送装置。
【請求項2】
前記吸引路の内壁との間に間隙を有する状態で設けられた、エアを透過させると共に整流作用を有する筒体と、
外部から第3のエアが送り込まれる孔が前記吸引路の周壁に形成され、前記筒体が設けられた状態で、前記第3のエアが前記筒体の外周部から中空部へ送り込まれることにより、前記細径部側へ前記筒体を介して粉体を送り出す送出部と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の粉体の解砕・搬送装置。
【請求項3】
エア流路のオリフィスが、調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体の解砕・搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉体を解砕して適切に粉状態として搬送することが可能な粉体の解砕・搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉体においても、粉体の付着力などによってダマが生じる場合があり、きれいな粉状にして使用する必要がある場合には、ダマの解砕を行って粉状とし、粉状のままで搬送する装置が求められている。
【0003】
ダマを解砕して、所定の粒度範囲に整える装置は知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO2007/069764号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ダマの解砕を行って粉状とし、粉状のままで搬送する装置が求められている現状に鑑みなされたもので、その目的は、ダマを解砕して粉状とし、きれいな粉状の粉体を供給することが可能な粉体の解砕・搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置は、
上方に開口部を有すると共に外壁に隣接した底部に排出口を有する有底円筒状の下胴部を備え、
この下胴部内の底部中央から上方へ向かって垂直に設けられたモーター軸に、粉体をアームによって掻き出す掻出用羽根と、粉体に生じるダマを破砕するブレードを有するチョッパーと、
回転により風を生じさせて上方から下方へ向かう空気流を生じさせる支持板及び突棒とを備えるロータとが、前記底部側から積層した状態で結合して設けられ、
フィーダから供給される粉体を前記開口部を介して前記下胴部内に導入し、前記掻出用羽根によって前記排出口へ送り出す解砕機と、
前記排出口につながり垂直方向へ延びる筒状の吸引路と、この吸引路の下方において該吸引路に交差する方向に延びるスロートに形成されたスロート流路と前記吸引路とを連絡する部分に形成された細径部を備えるアスピレータと、
前記スロート流路の反対側から前記細径部へ向かう透孔が形成されたカバーブロックの前記透孔に埋設されると共に前記細径部に先端部が位置するノズルであって、前記吸引路から前記細径部に到来する粉体を前記スロート流路側へ搬送するための第1のエアが流されるノズルと、
前記カバーブロックの前記透孔内壁部と前記ノズルの外周部の間隙によって形成され、この間隙を介して第2のエアを前記第1のエアと共に前記細径部へ送り込み、
前記吸引口からの吸引力を強化するエア流路と
を備える搬送機と
を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置は、
前記吸引路の内壁との間に間隙を有する状態で設けられた、エアを透過させると
共に整流作用を有する筒体と、
外部から第3のエアが送り込まれる孔が前記吸引路の周壁に形成され、前記筒体が設けられた状態で、前記第3のエアが前記筒体の外周部から中空部へ送り込まれることにより、前記細径部側へ前記筒体を介して粉体を送り出す送出部とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置は、エア流路のオリフィスが、調整可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置によれば、解砕機によりダマの解砕が行われると共にアスピレータにおいて粉体の吸引が行われ、エア流路がアスピレータの外周部を介してエアをアスピレータの細径部へ送り込み、吸引口からの吸引力を強化するように働くので、搬送空気中に均一にダマの無い粉体を浮遊分散させて搬送することができる。更に、解砕機においては掻出用羽根により粉体が確実に搬送機側へ送られ、また、搬送機ではアスピレータ及びエア流路により強力な吸引が行われると共に搬送空気中への浮遊分散がなされるので、粉体の滞留や各壁面への付着がなく、粉体を連続供給して連続運転する場合に好適な装置であり、更に連続定量供給を行うことにより、粉体の輸送状態を一定濃度で連続して実施することが可能である。
【0011】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置によれば、排出口につながる吸引路には、外部からエアが送り込まれる孔が周壁に形成されると共に、前記孔から送り込まれるエアを中空部に透過させる筒体が設けられ、排出口から搬送機側へ前記筒体を介して粉体を送り出す送出部が設けられているので、筒体の周方向よりエアーナイフ効果によって、粉体が気流内へ均一に分散されると共に、粉体の壁面への付着防止を図ることができ、解砕機から搬送機へ効率良く粉体を送出することができる。また、この送出部によって粉体が壁面へ付着することをなくすことができる。従って粉体を連続供給して連続運転する場合に好適であり、更に連続定量供給を行うことにより、粉体の輸送状態を一定濃度で連続して実施することが可能である。
【0012】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置によれば、解砕機においては、垂直に設けられたモータ軸に、掻出用羽根、チョッパー及びローターが設けられて蝶ネジにより固定され、モータの回転により粉体の破砕と掻出しを行うので、解砕機によりダマの解砕が確実に行われる効果がある。
【0013】
本発明に係る粉体の解砕・搬送装置によれば、エア流路のオリフィスが、調整可能に構成されているので、解砕機内部の負圧を最大にすることができ、解砕機から搬送機へ効率良く粉体を送出して、搬送空気中に均一にダマの無い粉体を浮遊分散させて搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る粉体の解砕・搬送装置の実施形態を示す縦断面図。
【
図2】本発明に係る粉体の解砕・搬送装置における解砕機の実施形態を示す組立斜視図。
【
図3】本発明に係る粉体の解砕・搬送装置における搬送機の実施形態を示す縦断面図。
【
図4】本発明に係る粉体の解砕・搬送装置における搬送機の実施形態の要部を示す組立斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る粉体の解砕・搬送装置の実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1には、粉体の解砕・搬送装置の実施形態の縦断面図が示されている。実施形態に係る粉体の解砕・搬送装置は、解砕機10と搬送機50を主な構成要素として構成されている。
【0016】
解砕機10は、
図2の組立斜視図に示す通り、円形底部11の周縁から立ち上がった円筒壁部12を有する下部胴13を具備する。下部胴13の円形底部11の外壁に隣接した位置には、搬送機50へ到る排出口20が穿設されている。下部胴13の下側にはインダクションモータ14が設けられており、そのモータ軸15は上記円形底部11の中央から上方へ向かって突出している。モータ軸15の外周部は、縦方向に一部が切欠された平坦部16を有しており、また中心部には軸方向にネジ穴17が形成されている。
【0017】
下部胴13の円形底部11には、底部及び円筒壁部を有する小型の仕切胴18がネジ止めにより固定されている。仕切胴18の中央部はモータ軸15より大径の円形開口部を有しており、開口部の底辺にリング状のストッパ19がモータ軸15に軸止された状態で設けられている。モータ軸15には、ストッパ19の上部にVリング21及び円筒形で所定の高さを有するカラー22が軸支されている。
【0018】
カラー22の上部には、モータ軸15に対応した中央穴23を有する掻出用羽根24がモータ軸15に軸支されている。掻出用羽根24は、円板状の上板25の裏側に、上板25の径より小径の円筒スリーブ25Aが形成されている。円筒スリーブ25Aの円周上の三等分された位置からは平らな面を側面とした直線アーム26が直径と所定の角度を有した状態で突出して設けられている。直線アーム26の先端は、下部胴13の円筒壁部12に近接する位置まで延びている。円筒スリーブ25Aの円周上において、三本の直線アーム26の中間位置には、三本の掻出アーム27が直径と所定の角度を有した状態で突出して設けられている。掻出アーム27の先端は、下部胴13の円筒壁部12に近接し、掻出アーム27の先端には、円筒壁部12に沿って上方に延在する掻出子28が形成されている。この掻出子28により、下部胴13の円筒壁部12に粉体が付着することなく掻出しが行われる。
【0019】
掻出用羽根24の上部のモータ軸15には、所要高さを有するブッシュ状のチョッパー下カラー29がモータ軸15に軸支されている。チョッパー下カラー29の上部には、モータ軸15の形状に一致した中央穴31を有するチョッパー30がモータ軸15に軸支されている。チョッパー30は、下部胴13の円筒壁部12から所定の距離が離れた位置に円板状の本体部32を備え、この本体部32の側端部から適宜な数のブレード33が設けられている。隣接するブレード33は、一方が上方に適当な角度で折り曲げられ、他方が下方に適当な角度で折り曲げられている。このブレード33により、ダマを確実に破砕することができる。
【0020】
チョッパー30の上部のモータ軸15には、二層構造のローター40が軸支されている。ローター40の下層部は、円板状の平板41の中央にモータ軸15に対応した形状の軸穴42が穿設された構成を有している。ローター40の上層部には、平板41と同径のリング状の基部43が備えられている。基部43は適宜な幅を有し、基部の外周縁における等距離の三か所には、下部胴13の円筒壁部12に近接するように突出した突片44が設けられている。下層部の平板41と上層部の基部43と間は、等距離にある六ヶ所の支持板45により結合されている。一つおきに設けられている三か所の支持板45における基部43の内周縁からは上方に突き出るように突棒47が形成されている。ローター40は、モータ軸15の回転により回転し、突片44、支持板45及び突棒47が風を切ることにより上方から下方へ空気流が生じるように構成されており、空気を下部胴13の円形底部11側へ引き込む吸引作用を有している。
【0021】
ローター40から突出したモータ軸15には、中央に穴が穿設された蓋の機能を有するエンドプレート48が被せられる。エンドプレート48の穴を介して、モータ軸15に形成されたネジ穴17には、蝶ボルト49が螺合され、ローター40から下に設けられた部品が軸方向に固定される。
【0022】
下部胴13の開口部は、中央部に上方に突出した筒部36を有する下部胴カバー37により閉じられる。上記筒部36は開口しており、この筒部36には、円錐台形状のフィーダ38が嵌装される。フィーダ38からは粉体が供給される。
【0023】
上記解砕機においては、ローター40の突棒47と突片44の回転により、下部胴カバー37の下面及び、筒部36の内壁に粉体が付着することなく、チョッパー30のブレード33の部分へ粉体を適切に送り込むことができる。
【0024】
搬送機50は、アスピレータ51と送出部70を主な構成要素としている。送出部70は、下部胴13に設けられた排出口20の下部に結合される結合ブロック71を備えている。結合ブロック71は、例えば立方体形状の金属ブロックであって、下部側においてアスピレータ51のカバーブロック52と結合される。結合ブロック71の内部には、円柱状に穿設された吸引路72が形成されており、排出口20と吸引路72の吸引口が連絡している。
【0025】
吸引路72はカバーブロック52内まで延びており、カバーブロック52内には、段部53が形成されている。この段部53には、筒状の筒体73が設けられる。筒体73は、エアを透過させるもので、筒体73の外壁と吸引路72の内壁との間には、狭い間隙が設けられている。
【0026】
結合ブロック71の外側から吸引路72の内壁まで貫通する孔74が形成されており、孔74に対応する結合ブロック71の外側には、エアチューブ76を結合するフィッティング75が設けられている。エアチューブ76には所定圧力のドライエアが供給され、上記孔74を介して筒体73の外壁と吸引路72の内壁との間隙に到る。筒体73がエアを透過するため、筒体73の中空部へエアが透過することになり、筒体73の周方向よりエアーナイフ効果を伴って、粉体が気流内に均一に分散されると共に、壁面に対する粉体の付着防止を図ることができる。
【0027】
カバーブロック52内には、その一端側から先端が細いノズル54が埋設されており、ノズル54の先端部54aは吸引路72における中央部の直下部分に位置付けられている。カバーブロック52の他端側には、内部に流路55aを有するスロート55が結合されている。ノズル54の先端部54aが位置する流路からスロート55の流路55aまでの流路は、アスピレータ51の細径部となっている。
【0028】
ノズル54の外側端部にはフィッティング56が結合され、フィッティング56はエアチューブ77に接続されている。エアチューブ77には所定圧力のドライエアが供給されるので、チューブ77内の中空部をドライエアが流れてアスピレータ51の細径部へ到る。この結果、結合ブロック71の吸引路72がアスピレータ51における吸引ルートとなり、解砕機10側から解砕されて粉末となった粉体を吸引するように機能する。
【0029】
ノズル54は、その中央部に近い位置から先端部54aの基部54aaまでの間は、基部54aaへ向かうほど細くされたテーパ部57となっている。テーパ部57とテーパ部57に対向するカバーブロック52の壁部の間は、エアが流れるエア流路60となっている。ノズル54の移動(
図3の左右への移動)により、エア流路60のオリフィスが広げられ或いは狭められ、オリフィスの調整が可能である。ノズル54の移動は、フィッティング56に近いノズル54の外周部に形成されたネジと、このネジに螺合している六角ボルト78の締め付けにより可能に構成されている。
図3における符号91は、Oリングを示している。
【0030】
テーパ部57に近接するカバーブロック52の内部には、ノズル54の外壁を一周するように空気室58が形成され、空気室58の内壁の二か所からカバーブロック52の側壁に向かってエア孔59が形成されている。二つのエア孔59の外側には、それぞれフィッティング61が設けられ、二つのフィッティング61はチューブ62により結合器63に接続される。結合器63には図示しないチューブを介して所定圧力のドライエアが供給されている。
【0031】
ドライエアは、エア孔59が空気室58へ供給され、テーパ部57とカバーブロック52の壁部間のエア流路60を介して、アスピレータ51の細径部へ送り込まれ、吸引路72の吸引口からの吸引力を強化するように働く。吸引路72から吸引された粉体はスロート55の流路55aに向けて気流内に均一に分散された状態で噴射されて搬送される。
【0032】
スロート55には外側に向かって中空部が口広に形成されたディフューザ64が結合され、更にディフューザ64にはホース65がバンド66によって接続されている。ホース65には、例えば外側に向かって中空部が口広に形成されたアダプタ67がバンド66により結合されており、粉体は供給目的先へアダプタ67から気流内に均一に分散された状態で噴射されて供給される。
【0033】
以上の通りに構成された粉体の解砕・搬送装置は、次の通りに動作する。電源が投入されると、モータ軸15に固定された掻出用羽根24とチョッパー30とローター40を含む解砕機構成部品は、上方から見て反時計方向に回転させられる。下部胴カバー37の中心部に設置されたフィーダ38の投入口から供給された粉体は落下して、エンドプレート48を固定する蝶ボルト49である展開コーンの解砕作用を受けながら、ローター40の回転に伴う吸引作用によって、解砕機内部外周へ運ばれる。粉体は、更にチョッパー30のブレード33の高速回転によって、強力な剪断力を受けながら解砕され、下流の掻出用羽根24へ流下する。
【0034】
流下した粉体は、掻出用羽根24によって解砕機10の底面の排出口20に運ばれて下流のエゼクターとしての吸引路72で発生する吸引作用によりアスピレータ51に引込まれる。吸引路72には筒状の焼結金属エレメントで構成される筒体73が設けられており、この筒体73はエアを透過し、整流作用を有する。ここでは、エアチューブ76より供給されるドライエアによって、筒体73の周方向よりエアーナイフ効果を伴うことから、粉体は気流内へ均一に分散されると共に、壁面への粉体の附着防止が図られる。
【0035】
解砕及び分散されアスピレータ51へ吸引された粉体は、ノズル54、スロート55及びディフューザ64によって構成されるエゼクターの効果により生じる伴流によってホース65内を通って浮遊、分散しながら輸送される。
【0036】
結合器63及びチューブ62から二つのフィッティング61を介して供給されるドライエアは、テーパ部57とテーパ部57に対向するカバーブロック52の壁部の間に構成されるリング状のオリフィス(エア流路)から噴流となってエゼクター構成部であるアスピレータ51の細径部へ送り込まれ、周辺の壁面に対する粉体の附着防止が図られる。
【0037】
本実施形態に係る解砕・搬送装置においては、粉体を落下して供給するフィーダ38(
図1)を用いたが、これに代えて、単位時間当たりに定量の粉体を連続供給するオートフィーダを用いることができる。このオートフィーダとしては、本願出願人が既に特許出願して特許を取得した特許第3755104号明細書に記載のものを用いることができる。
【0038】
上記オートフィーダは、粉粒体を貯留する上部貯留室と粉粒体を定量に保持する下部定量室とを同心的に配置し、上部貯留室と下部定量室とを適宜開孔を設けた調圧板を介して連通すると共に、この調圧板を貫通する中心軸上において前記上部貯留室側には攪拌翼を回転自在に配設し、前記下部定量室には攪拌体を回転自在に配設し、前記下部定量室の底部に所定密度の粉粒体を供給して排出ゲートより連続的に排出するように構成した定量供給手段を備える。
【0039】
上記オートフィーダによって、粉体が連続的に定量かつ均等に分散されて供給され、これを受けた本実施形態に係る粉体の搬送装置は、粉体の輸送状態を一定濃度で連続して適切に搬送することができるものである。
【符号の説明】
【0040】
10 解砕機
13 下部胴
14 インダクションモータ
20 排出口
24 掻出用羽根
30 チョッパー
38 フィーダ
40 ローター
49 蝶ボルト
50 搬送機
51 アスピレータ
52 カバーブロック
54 ノズル
55 スロート
57 テーパ部
58 空気室
59 エア孔
60 エア流路
64 ディフューザ
70 送出部
71 結合ブロック
72 吸引路
73 筒体