(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マウスピース及び前記ノーズピースと流体連通し、前記マウスピースと前記ノーズピースとの間に流体連通している通路が存在しない閉じた位置と、前記物質供給部を作動させることができる開いた位置との間で操作可能で、前記物質供給部の作動によって前記ノーズピースを介してエアフローを供給するバルブアセンブリをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の経鼻供給装置。
前記ピストン部は、ボディ部に対して移動可能であり、前記ピストン部及び前記ボディ部の一方は、前記それぞれの位置を規定する溝領域を有する溝を備え、前記ピストン部及び前記ボディ部の他方は、前記溝に配置され、前記ピストン部の作動に伴って前記それぞれの位置に移動する従動部を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の経鼻供給装置。
前記物質収容チャンバは、それぞれが別々の物質を収容するとともにこれらの物質の再調合を許容して経鼻供給装置によって供給される再調合された物質を生成する第一及び第二のチャンバを備える、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の経鼻供給装置。
前記物質収容チャンバは、さらに、前記第一及び第二のチャンバを分離し、破られたときに物質の再調合を許容して経鼻供給装置によって供給される再調合された物質を生成する脆性部を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の経鼻供給装置。
前記物質供給部の作動・移動に伴って、前記ノーズピースを介して供給される吐き出されたエアフローの流速、フローの形状、フローの継続時間等のフロー特性を制御するフローレギュレータをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の経鼻供給装置。
前記フローレギュレータは、前記物質供給部の可動部が延伸する開口を備え、前記物質供給部の作動・移動に伴って、前記ノーズピースにつながるフローチャンネルの有効区域が所定の形状を有する、
ことを特徴とする請求項18に記載の経鼻供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1(a)から
図1(c)は、本発明の第1の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示し、この経鼻供給装置は、息を吐き出すことによって操作される。
【0052】
この供給装置は、ハウジング15と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース17と、患者が使用中に息を吐き出すマウスピース19と、手動によって作動して患者の鼻腔へ物質を供給するための物質供給部20とから構成される。
【0053】
ハウジング15は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部21と、
図1(a)に示す閉じた操作不可位置と、
図1(b)に示す開いた操作可能位置との間で操作可能なラッチ機構23とから構成され、開いた位置においては、物質供給部20が作動可能となる。
【0054】
ラッチ機構23は、移動可能にボディ部21に連結、すなわち、本実施の形態では、ヒンジを介してボディ部21に連結されたラッチ部27と、
図1(a)に示す閉じた操作不可位置、すなわち、本実施の形態では、内方向の位置へとラッチ部27を付勢する弾性部材からなる付勢部29と、付勢部29の付勢に反して、患者が息を吐き出すことによって
図1(b)に示す開いた操作可能位置、すなわち、本実施の形態では、外方向の位置へとラッチ部27を移動させる操作部31と、から構成される。ラッチ部27が開いた位置へ移動することにより、物質供給部20を作動させることが可能になる。
【0055】
本実施の形態においては、ラッチ部27は、後方に向かう戻り止め33を備え、この戻り止め33は、ラッチ部27が閉じた位置にあるときに物質供給部20の対応する戻り止め57と係合して物質供給部20の作動を防止するとともに、ラッチ部27が開いた位置にあるときには物質供給部20の対応する戻り止め57との係合を解除して物質供給部20の作動を許容する。
【0056】
本実施の形態においては、操作部31は、フレキシブルな弾性部材である膨張部を備え、この膨張部は、患者がマウスピース19を介して息を吐き出すことによって膨張し、ラッチ部27を開いた位置へと移動させて物質供給部20の作動を許容する。
【0057】
以上の構成において、患者がマウスピース19を介して息を吐き出し続けてラッチ部27が開いた位置にある間は、物質供給部20が作動可能である。
【0058】
本実施の形態においては、操作部31は、ラッチ部27を開いた位置へと移動させるために、マウスピース19において所定の圧力を必要とする。そのため、物質供給部20を作動させる前に、患者に口蓋帆を確実に閉じさせることができる。
【0059】
ノーズピース17は、フラスト(frusto)円錐形の部材からなるボディ部41を備え、このボディ部41は、ノーズピース17を患者の鼻腔内に案内する外部ガイド面43を形成する。また、ノーズピース17は、例えば、マウスピース19を介して患者が息を吐き出すことによってエアフローが患者の気道を介して流れ込むようにマウスピース19と連通した内部供給チャンネル45と、この供給チャンネル45内に配置され、患者の気道内に物質を供給するための排出部47とを備える。
【0060】
本実施の形態では、排出部47は、患者の鼻気道に物質を供給するノズル49を備える。本実施の形態においては、ノズル49は、供給チャンネル45と同軸にこの供給チャンネル45内に配置される。また、本実施の形態においては、ノズル49は、エアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするために、ノズル49は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0061】
好適には、排出部47の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0062】
本実施の形態においては、物質供給部20は、排出部47と流体連通した物質収容チャンバ51と、この物質収容チャンバ51から排出部47へ、さらにはノズル49から、本実施の形態ではエアゾールスプレーの態様で物質を排出するアクチュエータ53とを備える。
【0063】
本実施の形態においては、アクチュエータ53は、物質収容チャンバ51内にスライド移動可能に配置されたピストン部54と、本実施の形態ではボタンの態様を採用した作動部55とを備え、この作動部55は、ピストン部54に連結され、手動で操作、すなわち、本実施の形態では、患者によって典型的には親指等で押されることにより、物質供給部20を作動させる。
【0064】
本実施の形態では、作動部55は、前方に向かう面からなる戻り止め57を備え、この戻り部57は、ラッチ部27が閉じた操作不可位置にあるときにラッチ部27の戻り止め33と係合して物質供給部20の作動を不可にする。作動部55は、また、外方及び後方に広がる面であって、物質供給部20の動作の開始に続いてラッチ部27を開いた位置に維持する係合面59を備える。
【0065】
本実施の形態においては、物質供給部20は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニットである。
【0066】
他の実施形態においては、物質供給部20は、2種類または複数種類の定量ドースの物質を供給するためのデュオドース(duo−dose)またはマルチドースユニットであってもよい。
【0067】
本実施の形態においては、物質供給部20は、その作動によって定量ドースの物質を供給する機械的吐出ポンプ、典型的には、液体ポンプまたは粉体吐出ポンプから構成される。
【0068】
代替的な実施の形態においては、物質供給部20は、その作動によって定量ドースの物質を乾燥状態の粉体として供給するための乾燥粉体供給ユニットから構成されていてもよい。
【0069】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部20は、その作動によって定量ドースの物質をエアゾールスプレーとして供給する噴霧器から構成されていてもよい。
【0070】
あるいは、さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部20は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧容器(キャニスタ)から構成されていてもよい。
【0071】
図2(a)から
図2(d)は、本発明の第2の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0072】
この供給装置は、ハウジング115と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース117と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース119と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部120と、から構成される。
【0073】
ハウジング115は、本実施の形態においては略長尺で管状の断面を有するボディ部121を有し、このボディ部121は、一端に開口123を有し、物質供給部120の作動部がこの開口123を介して突出し、この突出部分が、本実施の形態における物質収容チャンバ151の基部を構成する。
【0074】
ハウジング115は、さらに、バルブ(弁)アセンブリ125を有し、このバルブアセンブリ125は、ノーズピース117及びマウスピース119に流体連通し、
図2(c)と
図2(d)に示す閉じた位置と開いた位置との間で操作可能で、後述して詳細に説明するように、物質供給部120の作動と同時にエアフローをバースト(burst)状にノーズピース117を介して供給する。
【0075】
バルブアセンブリ125は、メインボディ部127と、
図2(c)及び
図2(d)に示す閉じた位置と開いた位置との間でスライド可能にボディ部127に配置されたバルブ部129とを備える。
【0076】
ボディ部127は、本実施の形態においては管状の断面を有するバルブ区域131を有し、このバルブ区域131においては、バルブ部129がスライド可能に配置されている。ボディ部127は、また、内方広がり前部区域133を備え、この内方広がり前部区域133は、本実施の形態においては、内方向にテーパがかかった部分を含み、このテーパがかかった部分が、バルブ部131の下流側となり、ノーズピース117と流体連通している。
【0077】
ボディ部127のバルブ区域131とバルブ部129とは、それぞれ、バルブ開口137、139を備え、これらの開口は、バルブ部129が
図2(c)に示す閉じた位置にあるときには互いに流体的に分離され、バルブ部129が
図2(d)に示す開いた位置にあるときには互いに流体連通する。
【0078】
ノーズピース117は、ノーズピース117と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面143を形成するボディ部141と、マウスピース119と選択的に流体連通し、患者がマウスピース119を介して息を吐き出すことによってエアフローが選択的に患者の鼻気道に供給されるようにする内部供給チャンネル145と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部147とを備え、この排出部147は、供給チャンネル145内に配置される。
【0079】
本実施の形態においては、排出部147は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル149から構成される。また、本実施の形態においては、ノズル149は、供給チャンネル145と同軸にこの供給チャンネル145内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル149はエアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル149は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0080】
好適には、排出部147の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で、患者の鼻気道に向かって延伸する。
【0081】
本実施の形態においては、物質供給部120は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともにハウジング115内の開口123から延伸して物質供給部120の作動部として機能する物質収容チャンバ151と、物質収容チャンバ151を典型的には患者の親指で押すことによって作動し、物質収容チャンバ151から排出部147へ、さらにはノズル149から定量ドースの物質をエアゾールスプレーとして供給する機械式吐出ポンプ153とを備える。
【0082】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ151は、バルブアセンブリ125のバルブ部129と連結されており、バルブ部129とともに移動して物質供給部120の作動を許容するとともにバルブアセンブリ125を開き、これによって物質がスプレーとして、及びエアフローが本実施の形態ではバースト状に患者の鼻腔に供給される。
【0083】
本実施の形態では、機械式吐出ポンプ153は、定量ドースの物質を供給するための液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、機械式吐出ポンプ153は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0084】
本実施の形態においては、物質供給部120は、連続する供給動作によって複数種類の定量ドースの物質を供給するマルチドースユニットである。
【0085】
代替的な実施の形態においては、物質供給部120は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニット、あるいは、連続する2回の供給動作によって2種類の定量ドースの物質を供給するためのデュオドースユニットであってもよい。
【0086】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部120は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0087】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部120は、その作動によって定量ドースの物質を、エアゾールスプレーとして供給する噴霧器であってもよい。
【0088】
あるいは、さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部120は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0089】
図3(a)から
図3(e)は、本発明の第3の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0090】
この供給装置は、ハウジング215と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース217と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース219と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部220と、負荷力を受けて手動によってこの負荷力を物質供給部220に加えて動作させるように作動させることができる負荷機構221とを備える。
【0091】
ハウジング215は、本実施の形態においては略長尺で管状の断面を有するボディ部223と、ノーズピース217とマウスピース219と流体連通し、
図3(c)と
図3(e)に示されるように閉じた位置と開いた位置との間で操作可能で後述して詳細に説明するように、物質供給部220の作動と同時に、本実施の形態においてはバースト状に、エアフローをノーズピース217を介して供給するバルブアセンブリ225とを備える。
【0092】
ボディ部223は、本実施の形態では戻り止めからなるラッチ部224を備え、このラッチ部224は、後述して詳細に説明するように、負荷位置にあるときに負荷機構221の負荷部259と係止する。
【0093】
バルブアセンブリ225は、メインボディ部227と、
図3(c)と
図3(e)に示す閉じた位置と開いた位置との間でスライド可能にボディ部227に配置されたバルブ部229とを備える。
【0094】
ボディ部227は、本実施の形態においては管状の断面を有するバルブ区域231を有し、このバルブ区域231においては、バルブ部229がスライド可能に配置されている。ボディ部227は、また、内方広がり前部区域233を備え、この内方広がり前部区域233は、内方向にテーパがかかった部分を含み、この部分がバルブ部231の下流側となり、ノーズピース217と流体連通している。
【0095】
ボディ部227のバルブ部231とバルブ部229とは、それぞれ、バルブ開口237、239を備え、これらの開口は、バルブ部229が
図3(c)に示す閉じた位置にあるときには互いに流体的に分離され、バルブ部229が
図3(e)に示す開いた位置にあるときには互いに流体連通する。
【0096】
ノーズピース217は、ノーズピース217と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面243を形成するボディ部241と、マウスピース219と選択的に流体連通し、患者がマウスピース219を介して息を吐き出すことによってエアフローが選択的に患者の鼻気道に供給されるようにする内部供給チャンネル245と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部247とを備え、この排出部247は供給チャンネル245内に配置される。
【0097】
本実施の形態においては、排出部247は、患者の鼻気道に物質を供給するノズル249を備える。また、本実施の形態においては、ノズル249は、供給チャンネル245と同軸にこの供給チャンネル245内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル249は、エアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル249は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0098】
好適には、排出部247の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0099】
本実施の形態においては、物質供給部220は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともにハウジング215のボディ部223内に配置された物質供給チャンバ251と、物質供給チャンバ251から排出部247へ、さらにはノズル249からエアゾールスプレーとして定量ドースの物質を供給する機械式吐出ポンプ253とを備える。
【0100】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ251は、バルブアセンブリ225のバルブ部229と連結されており、バルブ部229とともに移動して物質供給部220の作動を同時に許容するとともにバルブアセンブリ225を開き、これによって物質がスプレーとして、及びエアフローが本実施の形態ではバースト状に患者の鼻腔に供給される。
【0101】
本実施の形態では、機械式吐出ポンプ253は、定量ドースの物質を供給するための液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、機械式吐出ポンプ253は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0102】
本実施の形態においては、物質供給部220は、連続する供給動作によって複数種類の定量ドースの物質を供給するマルチドースユニットである。
【0103】
代替的な実施の形態においては、物質供給部220は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニット、あるいは、連続する2回の供給動作によって2種類の定量ドースを供給するデュオドースユニットであってもよい。
【0104】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部220は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0105】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部220は、その作動によって定量ドースの物質を、エアゾールスプレーとして供給する噴霧器であってもよい。
【0106】
あるいは、さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部220は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0107】
負荷機構221は、供給力(delivery force)が加わっているドライブ部255と、本実施の形態では弾性部材、例えば圧縮ばねからなる付勢部257であって、負荷が加わったときにドライブ部255に供給力を加える付勢部257と、手動操作可能でこの付勢部257に負荷を加えて供給力を生じさせる負荷部259と、手動によって作動させることができるとともに付勢部257による付勢状態からドライブ部255を解放する作動部261とを備える。この作動部261は、いずれかの好適な位置に配置することができ、例えば、患者の指示を受ける位置に配置することができる。例えば、一の実施の形態においては、人さし指を用いてノーズピース217を小鼻に対して固定したり引き抜いたりし、物質の供給をより効率よくすることができる。本実施の形態においては、作動部261は、患者の親指によって作動させることが可能となる位置に配置される。
【0108】
本実施の形態においては、ドライブ部255は、ハウジング215のラッチ部224に対応する戻り止めからなるラッチ部263を備え、これらラッチ部224、263は、通常は、
図3(c)に示す第一の係止位置においてドライブ部255を係止し、手動で作動部261を作動させることにより、
図3(e)に示す第二の作動位置へと解放する。
【0109】
本実施の形態においては、負荷部259は、下端に負荷ボタン267を備え、このボタン267は、付勢部257に負荷を加える際に典型的には患者の指または親指で付勢され、
図3(c)に示す第一のアンローデッド位置から
図3(d)に示す第二のローデッド位置へと移動させられる。
【0110】
本実施の形態においては、負荷部259は、外方向に向かうフランジからなる戻り止め269を備え、この戻り止め269は、ローデッド位置に負荷部259を係止し、これによってドライブ部255に対して付勢部257に負荷が加わった状態を維持する。
【0111】
作動部261は、患者によって手動で、例えば、患者の指または親指で操作可能な作動ボタン271と、本実施の形態ではピンである操作部273とを備え、この操作部273は、作動ボタン271に連結され、ドライブ部255のラッチ部263をハウジング215のラッチ部224と係合した状態から解放し、
図3(d)に示す係合位置から
図3(e)に示す作動位置へと解放し、これによってドライブ部255が物質供給部220を作動させるように駆動され、すなわち、本実施の形態においては、物質収容チャンバ251が移動させられて定量ドースの物質が排出部247まで運ばれてノズル249からエアゾールスプレーとして供給される。
【0112】
図4(a)及び
図4(b)は、本発明の第4の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0113】
この供給装置は、ハウジング315と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース317と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース319と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部320とから構成される。
【0114】
ハウジング315は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部321を備え、このボディ部321は、物質供給部320を受け、一端に開口323を有し、この開口323を介して物質供給部320の作動部が突出し、この突出部分が本実施の形態においては物質供給チャンバ351の基部を構成する。
【0115】
ボディ部321は、さらに、マウスピース319と流体連通する吸入口325と、ノーズピース317と流体連通する排出口327とを備える。
【0116】
ハウジング315は、さらに、本実施の形態においては環状のリップシールからなるシール部329を備え、このシール部329は、ボディ部321の内周部分に配置され、物質収容チャンバ351をシールするようにフィットし、これによって作動開口323を介してエアフローが漏れることを防止する。
【0117】
ノーズピース317は、ノーズピース317と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面343を形成するボディ部341と、マウスピース319と選択的に流体連通し、患者がマウスピース319を介して息を吐き出すことによってエアフローが選択的に患者の鼻気道に供給されるようにする内部供給チャンネル345と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部347とを備え、この排出部347は供給チャンネル345内に配置される。
【0118】
本実施の形態においては、排出部347は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル349を備える。また、本実施の形態においては、ノズル349は、供給チャンネル345と同軸にこの供給チャンネル345内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル349はエアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル349は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0119】
好適には、排出部347の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0120】
本実施の形態においては、物質供給部320は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともに開口323を介してハウジング315内に延伸して物質供給部320の作動部として機能する物質供給チャンバ351と、
図4(a)に示す操作不可位置から
図4(b)に示す操作可能位置へと物質収容チャンバ351を押すことによって作動可能になるとともに物質供給チャンバ351から排出部347へ、さらにはノズル349からエアゾールスプレーとして定量ドースの物質を供給する機械式吐出ポンプ353とを備える。
【0121】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ351は、ヘッド部分を構成するボディ部355を備え、このボディ部355は、物質供給部320が
図4(a)に示す操作不可または退避位置にあるときにボディ部321の吸入口325を閉じて患者のマウスピース319を介した息の吐き出しによってエアフローがノーズピース317を介して供給されるのが防止するとともに物質供給部320が
図4(b)に示す操作可能位置にあるときにボディ部321の吸入口325を開いて物質供給装置320の作動と同時にエアフローを本実施の形態ではバースト状にノーズピース317を介して供給する。
【0122】
本実施の形態においては、機械式吐出ポンプ353は、定量ドースの物質を供給するための液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、機械式吐出ポンプ353は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0123】
本実施の形態においては、物質供給部320は、連続する供給動作によって複数種類の定量ドースの物質を供給するマルチドースユニットである。
【0124】
代替的な実施の形態においては、物質供給部320は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニット、あるいは、連続する2回の供給動作によって2種類の定量ドースの物質を供給するためのデュオドースユニットであってもよい。
【0125】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部320は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0126】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部320は、その作動によって定量ドースの物質をエアゾールスプレーとして供給する噴霧器であってもよい。
【0127】
さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部320は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0128】
図5(a)及び
図5(b)は、本発明の第5の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0129】
この供給装置は、ハウジング415と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース417と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース419と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部420とから構成される。
【0130】
ハウジング415は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部421を有し、このボディ部421は、一端に開口423を有し、物質供給部420の作動部がこの開口423を介して突出し、この突出部分が本実施の形態においては作動部451を構成する。
【0131】
ハウジング415は、さらに、バルブアセンブリ425を有し、このバルブアセンブリ425は、ノーズピース417及びマウスピース419に流体連通し、
図5(a)と
図5(b)に示す閉じた状態と開いた状態との間で操作可能で、後述して詳細に説明するように、物質供給部220の作動と同時にエアフローをバースト状にノーズピース417を介して供給する。
【0132】
バルブアセンブリ425は、本実施の形態においては管状の断面を有するメインボディ部427と、
図5(a)及び
図5(b)に示す閉じた位置と開いた位置との間でスライド可能にボディ部427に配置されたバルブ部429とを備え、本実施の形態においては、バルブ429は、管状の断面を有する。
【0133】
ボディ部427とバルブ部429とは、それぞれ、バルブ開口437、439を備え、これらの開口は、バルブ部429が
図5(a)に示す閉じた位置にあるときには互いに流体的に分離され、バルブ部429が
図5(b)に示す開いた位置にあるときには互いに流体連通する。
【0134】
ハウジング415は、さらに、本実施の形態においては環状のリップシールであるシール部449を備え、このシール部449は、ボディ部421の内周部分に配置され、バルブアセンブリ425のバルブ部429をシールするようにフィットし、これによって作動開口423を介して吐き出したエアフローが漏れることを防止する。
【0135】
ノーズピース417は、ノーズピース417と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面453を形成するボディ部451と、マウスピース419と選択的に流体連通し、患者がマウスピース419を介して息を吐き出すことによってエアフローが選択的に患者の鼻気道に供給されるようにする内部供給チャンネル455と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部457とを備え、この排出部457は供給チャンネル455内に配置される。
【0136】
本実施の形態においては、排出部457は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル459から構成される。また、本実施の形態においては、ノズル459は、供給チャンネル455と同軸にこの供給チャンネル455内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル459はエアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル459は、粉体の柱又は粉煙の噴出として供給できるように構成されていてもよい。
【0137】
好適には、排出部457の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0138】
本実施の形態においては、物質供給部420は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともに排出部457と流体連通した物質収容チャンバ461と、この物質収容チャンバ461を介してエアフローを供給可能に作動し、物質収容チャンバ461から排出部457へと物質を送り込み、さらにはノズル459からエアゾールスプレーの態様で送りだす機械式吐出ポンプ463とを備える。
【0139】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ461は、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)からなる管状の断面を有し、物質収容チャンバ461は、機械式吐出ポンプ463と流体連通した吸入口と、排出部457と流体連通した排出口とを備え、これら吸入口と排出口とは、それぞれ、吸入口及び排出口に対してヒートシールされたアルミニウム‐プラスチック積層ホイル等のホイルからなる脆性部465、467を含み、これらは物質収容チャンバ461内の物質を収容し、機械式吐出ポンプ463の作動によって破裂する。
【0140】
本実施の形態においては、機械式吐出ポンプ463は、物質収容チャンバ461の吸入口と流体連通したエアチャンバ471と、このエアチャンバ471内において
図5(a)に示す退避位置と
図5(b)に示す作動位置との間を移動可能に配置され、エアチャンバ471内で駆動されるピストン部473とを備え、ピストン部473が駆動されることにより、エアチャンバ471内の空気が圧縮されて排出される。
【0141】
本実施の形態においては、ピストン部473は、ボタンからなる作動部475を有し、この作動部475は、ハウジング415の作動開口423から延伸し、患者の指や親指で操作可能である。
【0142】
本実施の形態においては、ピストン部473は、バルブアセンブリ425のバルブ部429と連結されており、バルブ部429とともに移動する。かかる構成において、ピストン部473が
図5(a)に示す操作不可または退避位置にあるとき、バルブ部429は閉じた位置に配置され、患者が息を吐き出すことによるエアフローがノーズピース417を介して供給されることを防止し、ピストン部473が
図5(b)に示す作動位置にあるときには、バルブ部429は開いた位置に配置され、物質供給部420の動作と同時にエアフローをバースト状にノーズピース417を介して供給する。
【0143】
本実施の形態においては、物質供給部420は、単一の定量ドースの物質を、供給動作を介して供給するシングルドースユニットである。一の実施の形態においては、物質収容チャンバ461は、交換可能で、これによって供給装置の再利用が可能となる。
【0144】
一の実施の形態においては、ピストン部473は、その先端に穿刺部を備えることができ、ピストン部473を押込むことにより、この穿刺部が一または両方の脆性部465、467を突き刺す。
【0145】
一の実施の形態においては、物質収容チャンバ461は、径が小さい、典型的には、約3ミリメートル未満の径、好ましくは、約2ミリメートルから約3ミリメートルの間の径のチューブから構成される。
【0146】
他の実施の形態においては、物質収容チャンバ461は、カプセル、例えばゼラチンまたはハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルから構成される。カプセルのサイズは、000、00、0、1、2、3、4、または5のうちのいずれでもよい。
【0147】
一の実施の形態においては、物質供給部420は、複数の物質収容チャンバ461、典型的には2個から6個の物質収容チャンバ461を備え、これらはマガジンに収容される。このマガジンは、連続する物質収容チャンバ461の一つをそれぞれの物質供給部420の作動によって出現可能に移動する。一の実施の形態においては、このマガジンは、回転式マガジンである。他の実施の形態においては、このマガジンは、フレキシブルまたは剛体の構成を有し、機械式吐出ポンプ463及び排出部457と連通してそれぞれの物質収容チャンバ461を横方向に引っ張り出す。一の実施の形態においては、このマガジンは、単一の部品として、あるいは、ノーズピース417とともに交換可能である。
【0148】
一の実施の形態においては、供給装置は、交換後の物質収容チャンバ461の排出口を破裂させる破裂部を備える。一の実施の形態においては、この破裂部は、ノーズピース417と連結され、ノーズピース417を取り付けることによって物質収容チャンバ461の排出口を破裂させるように構成される。他の実施の形態においては、物質収容チャンバ461がマガジン内に配置された状態で、破裂部はこのマガジンと動作可能なように連結され、マガジンの移動によって物質収容チャンバ461の排出口を破裂させる。
【0149】
一の実施の形態においては、吐出ポンプ463は、先に供給された物質を含有する可能性のあるエアをノーズピース417またはマウスピース419以外から取り出すバルブ機構を備える。一の実施の形態においては、ピストン部473は、前方のピストン面からアクチュエータ475まで延伸するフローチャンネルを含み、ピストン部473がエアチャンバ471から退避されたときに、このフローチャンネルのみを介してエアを引き出し、患者の指または親指によってアクチュエータ475が押されたときに、この指または親指によってフローチャンネルが閉じられ、これによってエアチャンバ471内のエアが圧縮される。
【0150】
図6(a)ないし
図6(f)は、本発明の第6の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0151】
この供給装置は、ハウジング515と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース517と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース519と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部520とから構成される。
【0152】
ハウジング515は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部521を備え、このボディ部521は、物質供給部520を受け、一端に開口523を有し、この開口523を介して物質供給部520の作動部が突出し、この突出部分が本実施の形態においてはアクチュエータ555を構成する。
【0153】
ボディ部521は、さらに、マウスピース519と流体連通する吸入口525と、ノーズピース517と流体連通する排出口527とを備える。
【0154】
ハウジング515は、さらに、本実施の形態においては環状のリップシールからなるシール部529を備え、このシール部529は、ボディ部521の内周部分に配置され、アクチュエータ555をシールするようにフィットし、これによって作動開口523を介してエアフローが漏れることを防止する。
【0155】
ハウジング515は、さらに、本実施の形態においては内方向に突出する突起からなる位置決め部531を備え、この位置決め部531は、後述して詳細に説明するように、アクチュエータ555の溝(track)577内に係留して配置される。
【0156】
ノーズピース517は、ノーズピース517と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面553を形成するボディ部541と、マウスピース519と選択的に流体連通し、患者がマウスピース519を介して息を吐き出すことによってエアフローを選択的に患者の鼻気道へと供給するようにする内部供給チャンネル545と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部547とを備え、この排出部547は供給チャンネル545内に配置される。
【0157】
本実施の形態においては、排出部547は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル549から構成される。また、本実施の形態においては、ノズル549は、供給チャンネル545と同軸にこの供給チャンネル545内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル549はエアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル549は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0158】
好適には、排出部547の遠端は、少なくとも2約センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0159】
本実施の形態においては、物質供給部520は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、定量ドースの物質を排出部547に供給する機械式吐出ポンプ553と、患者が指または親指で押すことによってポンプ553を作動させるアクチュエータ555とを備える。
【0160】
本実施の形態においては、ポンプ553は、所定量の物質を収容し、排出部547と流体連通した物質収容チャンバ561と、物質収容チャンバ561内において複数の位置の間で移動可能なピストン部573とを備え、このピストン部573のそれぞれの位置へのそれぞれの移動により、定量ドースの物質が供給される。本実施の形態においては、ポンプ553は、また、2種類の定量ドースの物質を収容するデュオドースポンプであり、その動作の際に、後述して詳細に説明するように、ピストン部573が連続する供給動作において2箇所の位置に移動する。
【0161】
アクチュエータ555は、本実施の形態においては円筒形の形状を有するとともにハウジング515のボディ部521内にスライド可能に配置されたボディ部575を備え、このボディ部575は、ボディ部521の内周部分においてシール部529と密閉状態で係合し、エアフローが作動開口523から漏れるのを防止する。
【0162】
ボディ部575は、外周面に溝577を有し、この溝577がハウジング515上で位置決め部531を受ける。
【0163】
溝577は、複数のストップ(stop)、本実施の形態においては、2つの長手方向に離間して配置されたストップ579a、579bを形成し、これらのストップが、アクチュエータ555のボディ部521に対するそれぞれの位置を定めている。
【0164】
本実施の形態においては、溝577は、アクチュエータ555の長手方向に延伸する第一及び第二の溝区域581a、581bを備え、これらの溝区域581a、581bの外縁がストップ579a、579bを形成し、さらに、溝577は、第一の溝区域581aと第二の溝区域581bとを連結し、周方向に延伸する第三の溝区域583を有する。本実施の形態においては、位置決め部531は、ハウジング515内のアクチュエータ555を回転させることにより、第一の溝区域581aと第二の溝区域581bとの間を移動する。
【0165】
アクチュエータ555は、さらに、複数のバルブ開口、本実施の形態においては、第一及び第二のバルブ開口589、591を長手方向に離間した位置に有するバルブ部587を備え、第一のバルブ開口589は、アクチュエータ555が、
図6(d)に示す第一の作動位置にあるときにハウジング515の吸入口525と流体連通し、第二のバルブ開口591は、アクチュエータ555が、
図6(f)に示す第二の作動位置にあるときにハウジング515の吸入口525と流体連通する。
【0166】
以上の構成において、定量ドースの物質を患者の鼻腔に供給するように作動させる物質供給部520の作動と同時に、エアフローが、バースト状にノーズピース517を介して供給される。
【0167】
本実施の形態においては、ポンプ553は、定量ドースの物質を供給する液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、ポンプ553は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0168】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部520は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0169】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部520は、その作動によって定量ドースの物質をエアゾールスプレーの態様で供給する噴霧器であってもよい。
【0170】
さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部520は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0171】
図7(a)及び
図7(b)は、本発明の第7の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0172】
この供給装置は、ハウジング615と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース617と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース619と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部620とから構成される。
【0173】
ハウジング615は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部621を備え、このボディ部621は、物質供給部620を受け、一端に開口623を有し、この開口623を介して物質供給部620の作動部が突出し、この突出部分が本実施の形態においては物質収容チャンバ651の基部を構成する。
【0174】
ボディ部621は、さらに、マウスピース619と流体連通する吸入口625と、ノーズピース617と流体連通する排出口627とを備える。
【0175】
ボディ部621は、物質供給部620の作動・移動とともに、ボディ部621の吸入口625と排出口627との間を流れるエアフローの特性、すなわち、流速、フローの形状(flow profile)、及びフローの継続時間を調節するフローレギュレータ629を備える。本発明者らは、吐き出されるエアフローのフロー特性を調節することにより、供給される物質の堆積パターンが大きく変わることに鑑みて、簡単な構成で、供給される物質の堆積特性を制御する機構を提供することとした。
【0176】
本実施の形態においては、フローレギュレータ629は、環状部材からなり、開口631内を物質供給部620の可動部が延伸し、物質供給部620が作動・移動できる。吸入口625と排出口627との間に形成されるフローチャンネルの有効区域は、物質供給部620の作動・移動の間で、所定の形状を有する。
【0177】
本実施の形態においては、フローレギュレータ629は、物質供給部620の作動・移動(ストローク動作)の終了時(at the end of)において、吸入口625と排出口627との間に形成されたフローチャンネルを実質的に閉じる。
【0178】
代替的な実施の形態においては、フローレギュレータ629は、物質供給部620の作動・移動(ストローク動作)の終了時において、吸入口625と排出口627との間に形成されたフローチャンネルを部分的に閉じ、例えば、フローチャンネルの有効面積を50%まで減少させる。
【0179】
本実施の形態においては、ハウジング615は、管状区域635を有し、この管状区域635が物質収容チャンバ651をシールするようにフィットし、これによって作動開口623を介してエアフローが漏れることを防止する。
【0180】
図8はこの供給装置によって得られるフローの分析結果を示し、(I)はフローレギュレータ629が物質供給部620の作動・移動の終了時においてフローチャンネルを略完全に閉じた場合、(II)はフローレギュレータ629が物質供給部620の作動・移動の終了時においてフローチャンネルの有効面積を50%に減少させた場合、(III)はフローレギュレータがない場合であり、それぞれの場合において、2秒間隔でエアフローを吹き込んだ。
【0181】
ノーズピース617は、ノーズピース617と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面653を形成するボディ部641と、マウスピース619と選択的に流体連通し、患者がマウスピース619を介して息を吐き出すことによってエアフローを選択的に患者の鼻気道へと供給するようにする内部供給チャンネル645と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部647とを備え、この排出部647は供給チャンネル645内に配置される。
【0182】
本実施の形態においては、排出部647は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル649を備える。また、本実施の形態においては、ノズル649は、供給チャンネル645と同軸に、この供給チャンネル645内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル649はエアゾールスプレーを供給する。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル649は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0183】
好適には、排出部647の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で患者の鼻腔に向かって延伸する。
【0184】
本実施の形態においては、物質供給部620は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともに開口623を介してハウジング615内へ延伸して物質供給部620の作動部として機能する物質収容チャンバ651と、物質収容チャンバ651を、
図7(a)に示す操作不可位置から
図7(b)に示す作動位置へと押し込むことによって作動可能となり、物質収容チャンバ651から排出部647へ、さらにはノズル649から定量ドースの物質をエアゾールスプレーとして供給する機械式吐出ポンプ653とを備える。
【0185】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ651は、ヘッド部分を構成するボディ部655を備え、このボディ部655は、物質供給部620が
図7(a)に示す操作不可または退避位置にあるときにはボディ部621の吸入口625を閉じて患者がマウスピース619を介して息を吐き出すことによるノーズピース617を介したエアフローの供給を実質的に妨げ、物質供給部620が
図7(b)に示す作動位置にあるときにはボディ部621の吸入口625を開き、物質供給部620の作動と同時にノーズピース617を介してバースト状にエアフローを供給する。上述したとおり、ボディ部655は、吐き出されたエアフローのフロー特性を変更する、すなわち、本実施の形態においては、物質供給部620を作動位置に移動させることによってフローチャンネルを実質的に閉じるフローレギュレータ629としても機能する。
【0186】
本実施の形態では、機械式吐出ポンプ653は、定量ドースの物質を供給するための液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、機械式吐出ポンプ653は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0187】
本実施の形態においては、物質供給部620は、連続する供給動作によって複数種類の定量ドースの物質を供給するマルチドースユニットである。
【0188】
代替的な実施の形態においては、物質供給部620は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニット、あるいは、連続する2回の供給動作によって2種類の定量ドースの物質を供給するためのデュオドースユニットであってもよい。
【0189】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部620は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0190】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部620は、その作動によって定量ドースの物質を、エアゾールスプレーとして供給する噴霧器であってもよい。
【0191】
あるいは、さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部620は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0192】
図9(a)及び
図9(b)は、本発明の第8の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0193】
本実施の形態は、上述した第4の実施の形態と非常に類似しており、そのため、同様の構成要素については同様の参照符号を付し、その詳細な説明については省略し、異なる部分のみについて説明する。
【0194】
本実施の形態は、ノーズピース317及びマウスピース319の構成が原理上異なっており、物質供給ユニット320として、特にpMDIに使用されるものであり、pMDIのバルブステムを下方向に向けて使用される。
【0195】
本実施の形態においては、pMDIは、キャニスタの基部を手動で下方向に押すことにより作動する。代替的な実施の形態においては、供給装置は、この物質の供給の軸方向に対して横方向の作動力を加えることにより、pMDIを作動させる側方アクチュエータ機構を備える。この機構は、横方向に押されることにより、キャニスタを下方向に付勢する一または複数の回転(pivoted)部材の態様を採用することができる。一の実施の形態においては、この回転部材は、ノーズピース317及び/またはマウスピース319を閉じるとともに、物質供給部320の作動を許容する操作位置に移動可能なキャップを備える。
【0196】
図10(a)から
図10(d)は、本発明の第9の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0197】
この供給装置は、本実施の形態においては2つの部材915a、915bからなるハウジング915と、患者の鼻腔にフィットするノーズピース917と、患者が使用中に息を吐き出してエアフローが患者の鼻気道に流れるようにするマウスピース919と、手動によって操作可能で患者の鼻腔内に物質を供給するための物質供給部920と、から構成される。
【0198】
ハウジング915は、本実施の形態においては長尺で管状の断面を有するボディ部921を備え、このボディ部921は、物質供給部920を受け、一端に開口923を有し、この開口923を介して物質供給部920の作動部が突出し、この突出部分が本実施の形態においては物質収容チャンバ951の基部を構成する。
【0199】
ボディ部921は、さらに、マウスピース919と流体連通する吸入口925と、ノーズピース917と流体連通する排出口927とを備える。
【0200】
本実施の形態においては、ボディ部921は、さらに、少なくとも一つ、この実施の形態においては第一及び第二のガイド溝929、929をその内周面上に有し、このガイド溝929は、物質供給部920が操作不可位置にあるときに、物質供給部920のボディ部955と係合することにより、物質供給部920の位置を固定し、この操作不可位置にあるときに物質供給部920によって吸入口925が確実に閉じられるようにする。
【0201】
ボディ部921は、管状部分935を有し、この管状部分935は、物質収容チャンバ951を実質的にシールするようにフィットし、これによって作動開口923を介してエアフローが漏れることを防止する。
【0202】
ノーズピース917は、ノーズピース917と患者の鼻腔との間をシールするようにフィットする外シール面943を形成するボディ部941と、マウスピース919と選択的に流体連通し、患者がマウスピース919を介して息を吐き出すことによってエアフローが選択的に患者の鼻気道に供給されるようにする内部供給チャンネル945と、物質を患者の鼻気道内に供給するための排出部947とを備え、この排出部947は、供給チャンネル945内に配置される。
【0203】
本実施の形態においては、排出部947は、患者の鼻気道に物質を供給するためのノズル949を備える。また、本実施の形態においては、ノズル949は、供給チャンネル945と同軸にこの供給チャンネル945内に配置される。さらに、本実施の形態においては、ノズル949はエアゾールスプレーを供給できるように構成されている。代替的な実施の形態においては、液体を供給できるようにするため、ノズル949は、液体の柱として液体ジェットを供給できるように構成されていてもよい。
【0204】
好適には、排出部947の遠端は、少なくとも約2センチメートル、好ましくは少なくとも約3センチメートル、さらに好ましくは約2センチメートルから約3センチメートルの間で、患者の鼻気道に向かって延伸する。
【0205】
本実施の形態においては、物質供給部920は、ポンプユニットから構成され、このポンプユニットは、物質を収容するとともに開口923を介してハウジング915内へ延伸して物質供給部920の作動部として機能する物質収容チャンバ951と、物質収容チャンバ951を、
図10(c)に示す操作不可位置から
図10(d)に示す作動位置へと押し込むことによって作動可能となり、物質収容チャンバ951から排出部947へ、さらにはノズル949から定量ドースの物質をエアゾールスプレーとして供給する機械式吐出ポンプ953とを備える。
【0206】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ951は、典型的にはフェルールであるヘッド部分であるボディ部955を備え、このボディ部955は、物質供給部920が操作不可または退避位置にあって
図10(c)に示すようにボディ部955がガイド溝929、929の位置にあるときにはボディ部921の吸入口925を閉じて患者がマウスピース919を介して息を吐き出すことによるノーズピース917を介したエアフローの供給を妨げ、物質供給部920が
図10(d)に示す作動位置にあるときにはボディ部921の吸入口925を開き、物質供給部920の作動と同時にノーズピース917を介してバースト状にエアフローを供給する。
【0207】
本実施の形態では、機械式吐出ポンプ953は、定量ドースの物質を供給するための液体吐出ポンプから構成されるが、代替的な実施の形態においては、機械式吐出ポンプ953は、その作動によって定量ドースの粉体状物質を供給する粉体吐出ポンプであってもよい。
【0208】
本実施の形態においては、物質供給部920は、連続する供給動作によって複数種類の定量ドースの物質を供給するマルチドースユニットである。
【0209】
代替的な実施の形態においては、物質供給部920は、単一の定量ドースの物質を供給するためのシングルドースユニット、あるいは、連続する2回の供給動作によって2種類の定量ドースの物質を供給するためのデュオドースユニットであってもよい。
【0210】
他の代替的な実施の形態においては、物質供給部120は、その作動によって乾燥粉体である定量ドースの物質を供給するための乾燥粉体供給ユニットであってもよい。
【0211】
さらに他の代替的な実施の形態においては、物質供給部920は、その作動によって定量ドースの物質を、エアゾールスプレーとして供給する噴霧器であってもよい。
【0212】
あるいは、さらなる他の代替的な実施の形態においては、物質供給部920は、物質を含有した定量ドースの推進剤、好ましくは、ハイドロフルオロアルカン(HFA)推進剤等を懸濁液または溶液として供給する噴霧キャニスタであってもよい。
【0213】
図11(a)及び
図11(b)は、本発明の第10の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0214】
本実施の形態は、上述した第9の実施の形態と非常に類似しており、そのため、同様の構成要素については同様の参照符号を付し、その詳細な説明については省略し、異なる部分のみについて説明する。
【0215】
本実施の形態は、
図11(a)に示す、装置を操作することができない閉じた操作不可位置と、
図11(b)に示す、物質供給部920を作動させることが可能な開いた操作可能位置との間で操作可能なラッチ機構963をさらに備えている点が異なる。
【0216】
このラッチ機構963は、移動可能に、本実施の形態においては、スライド移動可能にボディ部921に連結されたラッチ部967と、本実施の形態においては弾性部材からなり、ラッチ部967を、
図11(a)に示す閉じた操作不可位置、すなわち、本実施の形態においては、内方向の位置に付勢する付勢部969とを備え、このラッチ機構963は、患者が息を吐き出すことによって操作され、吐き出した息により、ラッチ部967が、付勢部969の付勢に反して
図11(b)に示す開いた操作可能位置、すなわち、本実施の形態においては、外方向の位置に移動させられ、これによって物質供給部920を作動させることが可能となる。
【0217】
本実施の形態においては、ラッチ部967は、マウスピース919と流体連通したピストン穴973内をスライド可能なように配置されたピストン部971を有し、吐き出された息によって圧力がピストン部971に加わり、これによってラッチ部967が付勢部969の付勢に反して操作可能位置に移動させられる。また、ラッチ部967は、戻り止め975を備え、この戻り止め975は、物質供給部920の対応する戻り止め977と係合し、ラッチ部967が閉じた位置にあるときには物質供給部920の作動を防止し、ラッチ部967が操作可能位置にあるときには物質供給部920の対応する戻り止め977との係合を解除して物質供給部920を作動させることができるようにする。
【0218】
以上の構成において、患者が、マウスピース919を介して、ラッチ部967を開いた位置に移動させるのに十分な息を吐き出している間、物質供給部920を作動させることが可能である。
【0219】
本実施の形態においては、ラッチ機構963は、ラッチ部967を操作可能位置へと移動させるためにマウスピース919において所定の圧力を発生させることを必要とする。そのため、不注意による操作を防止することができ、物質供給部920を作動させる前に、患者に軟口蓋を確実に閉じさせることができる。
【0220】
図12(a)及び
図12(b)は、本発明の第11の実施の形態にかかる手動によって作動する経鼻供給装置を示す。
【0221】
本実施の形態は、上述した第9の実施の形態と非常に類似しており、そのため、同様の構成要素については同様の参照符号を付し、その詳細な説明については省略し、異なる部分のみについて説明する。
【0222】
本実施の形態は、
図12(a)に示す、装置を操作することができない閉じた操作不可位置と、
図12(b)に示す、物質供給部920を作動させることが可能な開いた操作可能位置との間で操作可能なラッチ機構983をさらに備えている点が異なる。
【0223】
このラッチ機構983は、移動可能に連結、本実施の形態においては、柔軟にボディ部921に連結されたラッチ部987を備え、このラッチ部987は、ラッチ部988と、本実施の形態においては弾性部材からなる隔膜(ダイアフラム)の態様のフレキシブル部989とから構成され、このフレキシブル部989は、ラッチ部988を支持するとともにマウスピース919と流体連通し、ラッチ部988を、
図12(a)に示す閉じた操作不可位置、すなわち、本実施の形態においては、内側の位置に付勢する。このラッチ機構983は、患者が息を吐き出すことによって操作され、吐き出した息により、ラッチ部988が、フレキシブル部989の付勢に反して
図12(b)に示す開いた操作可能位置、すなわち、本実施の形態においては、外方向の位置に移動させられ、これによって物質供給部920を作動させることが可能となる。
【0224】
本実施の形態においては、ラッチ部988は、戻り止め991を備え、この戻り止め991は、物質供給部920の対応する戻り止め993と係合し、ラッチ部987が閉じた位置にあるときには物質供給部920の作動を防止し、ラッチ部987が操作可能位置にあるときには物質供給部920の対応する戻り止め993との係合を解除して物質供給部920を作動させることができるようにする。
【0225】
以上の構成においては、患者が、マウスピース919を介して、ラッチ部987を開いた位置に移動させるのに十分な息を吐き出している間、物質供給部920を作動させることが可能である。
【0226】
本実施の形態においては、ラッチ機構983は、ラッチ部987を操作可能位置へと移動させるためにマウスピース919において所定の圧力を発生させることを必要とする。そのため、不注意による操作を防止することができ、物質供給部920を作動させる前に、患者に軟口蓋を確実に閉じさせることができる。
【0227】
本発明の経鼻供給装置は、鼻腔の前方に位置する領域であって、血液から脳へのバリア(BBB)を回避することができるとともに脳脊髄液(CSF)と脳とに連通可能な唯一の領域である嗅覚領域に物質を供給することができる。
【0228】
本発明の経鼻供給装置による物質の供給は、(1)アンジオテンシン拮抗薬、(2)アンジオテンシン受容体遮断薬として知られるアンジオテンシン(AT)II受容体拮抗薬、AT1受容体拮抗薬及び(Merck&Co社によってCozaar(RTM)として販売されている)ロサルタンを含むサルタン、(3)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、(4)グリシン受容体拮抗薬、(5)抗ヒスタミン剤、特に、例えばジクロライド塩として供給されているジメボン(2,3,4,5−テトラハイドロ−2,8−ジメチル−5−[2−(6−メチル3−ピリジニル)エチル]−1H−ピリド[4,3−b]インドールなどの非選択性の抗ヒスタミン剤、(6)モルヒネ、(7)米国特許第7300943A号及び第7300944A号に開示された置換ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−オン(これらの文献の内容を、参照として本明細書に取り込む)、米国特許第7202245A号に開示された置換4−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン(この文献の内容を参照として本明細書に取り込む)、ピリミジン及び米国特許第6417185A号、第6489344A号、第7037918A号、第7045519A号、及び米国特許出願第2006/0089369号に開示されたピリジン誘導体(これらの文献の内容を、参照として本明細書に取り込む)及びリチウムを含むグリコーゲンシンターゼ3(GSK3)阻害剤、(8)(Wyeth社によってENBRELとして販売されている)エタネルセプト、(Centocor社によってREMICADE(RTM)として販売されている)インフリキシマブ、及び(Abbott Laboratories社によってHUMIRA(RTM)として販売されているアダリムマブを含む腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤、(9)オキシトシンの供給を含む。
【0229】
これらの物質の供給は、神経系の疾病や症状の治療のためにおこなわれ、これら疾病及び症状は、神経変性の疾病や症状を含み、この神経変性は、アルツハイマー、ハンティントン病、パーキンソン病、認知症や発作、双極性障害、糖尿病、統合失調症、うつ病、不安神経症、脱毛症、ガン、肥満症、アセロサイエロティック(atherosclerotic)心臓疾患、本能性高血圧症、多嚢胞性卵巣症候群、X症候群、虚血疾患、特に、脳虚血、外傷性脳損傷、免疫不全、自閉症、性機能障害、母性行動の制限、女性の性的行動の制限、男性の性的行動の制限、男性的及び女性的攻撃性の制限を含む社会的行動の制限を含み、社会認識及び夫婦間の絆を含む社会的記憶を促進し、学習意欲の向上を促進し、記憶を促進し、発熱を抑制し、例えばガン患者における抑えきれない痛みの治療などの鎮痛のために行われる。
【0230】
本発明は、好適な実施の形態として説明され、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で、様々に変形、応用が可能である。
【0231】
一の代替的な実施の形態においては、上述した装置のマウスピースは、例えば、フレキシブルまたはヒンジ接続の構成により、移動式であってもよく、これによってマウスピースとノーズピースとの位置関係、例えば角度、回転位置及び長さを患者の生体に応じて調整することができるようになる。
【0232】
他の代替的な実施の形態においては、上述した装置を、折りたたみ式に構成してもよく、このような実施の形態においては、折りたたんだ状態では装置がロックされるようにし、これにより、突発的または不慮の作動を防止することができるようになる。このような実施の形態を、さらに、折りたたんだ状態ではマウスピースが閉じるようにしてもよく、これによって装置に異物が混入するのを防止することができるようになる。
【0233】
好適には、供給装置は、物質を、患者の一の小鼻を介して、圧力によって鼻中隔の後縁の周囲を流れて患者の他の小鼻から出るようにし、これにより、特許文献1に開示されている鼻腔を介した双方向の供給が可能となる。代替的な実施の形態においては、供給装置は、鼻腔を介した双方向の供給には不十分な低減した圧力で物質を供給する。このような実施の形態も、軟口蓋を閉じることを可能にする点で公知の供給装置と比べて有用であり、特に、鼻腔の特定の領域が詰まっている場合にも特定の目的の物質供給を可能とする。
【0234】
他の実施の形態においては、本発明は、供給される物質の再調合、例えば、ポイントオブケア(point of care)設定による物質の再調合を許容する。物質の成分は、液体/液体であってもよいし、粉体/液体または粉体/粉体であってもよい。かかる典型的な用途は、凍結乾燥した物質製品の再調合である。
【0235】
図13(a)及び
図13(b)に、第2の実施の形態の変形例を示す。この変形例においては、物質収容チャンバ151は、それぞれが物質S1、S2を収容する第一及び第二のチャンバ1001、1003と、薄膜から構成されるとともに
図13(a)に示すように第一及び第二のチャンバ1001、1003を分離する脆性部1005とを備え、この脆性部1005が破られると、物質S1、S2が再調合され、
図13(b)に示すように、再調合物質Sが生成され、供給装置による供給が可能になる。
【0236】
本実施の形態においては、物質収容チャンバ151に急激な衝撃を加えることにより、脆性部1005を破ることができるように構成されている。代替的な実施の形態においては、第一及び第二のチャンバ1001、1003のいずれかが、物質収容チャンバ151を振ることによって脆性部1005を破裂させる解放部を備えていてもよい。
【0237】
図14(a)及び
図14(b)は、上述した第2の実施の形態の別の変形例を示す。この変形例においては、物質収容チャンバ151は、それぞれが物質S1、S2を収容する第一及び第二のチャンバ1011、1013と、薄膜から構成されるとともに
図14(a)に示すように第一及び第二のチャンバ1011、1013を分離する脆性部1015とを備え、この脆性部1015が破られると、物質S1、S2が再調合され、
図14(b)に示すように、再調合物質Sが生成され、供給装置による供給が可能になる。
【0238】
本実施の形態においては、ハウジング115は、物質収容チャンバ151をハウジング115に取り付けることによって脆性部1015を破裂させる破裂部1021を備える。代替的な実施の形態においては、この破裂部1021は、物質収容チャンバ151が取り付けられる吐出ポンプ153の一部として設けられていてもよく、例えば、一の実施の形態においては、吐出ポンプ153の浸漬管(dip tube)として設けられる。
【0239】
代替的な実施の形態においては、破裂部1021は、例えば、脆性部1015を破裂させるために手動で操作されるボタン等の手動操作可能な部材として設けられていてもよい。一の実施の形態においては、この手動操作可能な部材は、物質収容チャンバ151を取り付ける前に操作される。他の実施の形態においては、この手動操作可能な部材は、物質収容部151をハウジング115に取り付けたときに操作される。
【0240】
供給すべき物質を再調合するこれらの実施の形態は、上述した第2の実施の形態の変形例として説明したが、他の実施の形態にも同様に適用可能である。
【0241】
他の変形例においては、供給装置は、例えば笛やポップアップ式のバルーンのような、音、感触、あるいは、視覚インジケータを備え、マウスピース19、119、219、319、419、519、619、919において装置の作動に先立って適切な圧力が得られている。
【0242】
さらに他の変形例においては、供給装置は、例えば笛やポップアップ式のバルーンのように、音、感触、あるいは、視覚により、この供給装置の作動に伴ってその旨を知らせるインジケータを備える。
【0243】
さらなる他の変形例においては、供給装置は、息を吐き出すことによって作動するフローレギュレータを備える。
【0244】
上述した実施の形態においては、ノーズピース17、117、217、317、417、517、617、917は一方にテーパがかかった左右非対称の構成を有していた。しかしながら、例えば、長円形や円形のように左右対称な構成を有していてもよい。
【0245】
左右対称な構成による典型的な利点は、マウスピース19、119、219、319、419、519、619、919を露出させ、ウイルスやバクテリアフィルター付きの部材、典型的には、チューブをこのマウスピース19、119、219、319、419、519、619、919に取り付け、他の人物によってこのチューブを介してエアフローを発生させる構成を供給装置が採用できる点である。かかる機能は、意識のない、または、治療に協力することができない患者、例えば、外傷を伴う患者、すなわち、事故に巻き込まれた患者やてんかんを起こしている患者への使用を可能にする。
【0246】
左右対称な構成の他の利点は、ノーズピース17、117、217、317、417、517、617、917を回転させて長さを調節したり、装置を異なるサイズの鼻に適用できるように変化させることができる点である。
【0247】
さらに、上述した実施の形態においては、ノズル47、147、247、347、447、547、647、947の清掃を容易にするため、ノズル47、147、247、347、447、547、647、947の先端は、ノーズピース17、117、217、317、417、517、617、947と同一または略同一平面に配置されていた(flush with)。物質によっては、ノズル47、147、247、347、447、547、647、947に堆積して残るからである。一例としては、結晶の堆積物を残すステロイド懸濁液が挙げられる。
【0248】
さらなる他の変形例においては、供給装置は、マウスピース19、119、219、319、419、519、619、919がフレキシブルなチューブ状の部材からなる構成を採用するように変更、応用される。