(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の制御処理ステップから構成される制御処理手順を繰り返し実行されるように構成し、通常確率状態または該通常確率状態よりも遊技者に有利な確率変動状態に応じた抽選確率にて抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて特別図柄を表示する特別図柄表示装置を制御する主制御手段と、
少なくとも表示装置を制御する副制御手段と、を備え、
前記主制御手段が、前記表示装置を制御するための変動パターンコマンド及びグループ化演出図柄指定コマンドからなるコマンドを前記副制御手段に対して送信可能であって、前記複数の制御処理ステップには、前記特別図柄を表示制御する処理を有する特別遊技管理処理と、前記コマンドを前記副制御手段に送信する処理を有するコマンド出力管理処理と、を含む遊技機において、
前記表示装置は、現在の前記抽選確率について前記通常確率状態であるか、前記確率変動状態であるかを明示しないが、現在の前記抽選確率が、前記通常確率状態であるか、前記確率変動状態であるかを示唆するモード報知を行うように構成され、
前記モード報知は、現在の前記抽選確率が前記通常確率状態である場合と前記確率変動状態である場合とで、前記表示装置に表示される出現率が異なるように設定されることによって、現在の前記抽選確率が、前記通常確率状態であるか、前記確率変動状態であるかを示唆可能となり、
前記副制御手段は、受信した前記コマンドに基づいて、前記モード報知を複数の報知態様の中から1つの報知態様を選択する処理を含み、前記主制御手段は、始動入賞口への入賞に基づいて前記特別図柄を変動表示させる契機が発生した場合には、毎回繰り返し行われる前記制御処理手順の中で、まずは、或る回における前記制御処理手順を実行しているときの前記特別遊技管理処理にて前記特別図柄表示装置に表示駆動信号の送信を開始することによって、前記特別図柄の変動表示制御を開始し、その次に、前記或る回よりも後の回における前記制御処理手順を実行しているときの前記特別遊技管理処理にて前記特別図柄の変動表示制御を継続して実行するとともに、前記或る回よりも後の回における前記制御処理手順を実行しているときの前記コマンド出力管理処理にて前記コマンドを前記副制御手段に送信することによって、
前記副制御手段は、前記コマンドを受信した場合に、前記特別図柄表示装置によって表示される前記特別図柄の変動表示制御開始タイミングよりも遅れて、前記表示装置によって表示される演出図柄の変動表示を開始するとともに、前記モード報知を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同じ機能を有する箇所には同一の符号を付す。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の遊技機100の正面概観の一例を示す。
図1において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤101、特別図柄表示装置102、演出図柄表示装置103、第1の始動入賞口104、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106、普通図柄表示装置107、第2の始動入賞口でもある普通電動役物(チューリップ)108(以下、第2の始動入賞口108という。)、大入賞口を備える可変入賞球装置109、遊技機ハンドル111、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113等を主に備える。
【0017】
特別図柄表示装置102は、例えば液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等があり、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合を特賞とする。尚、本実施形態においては、特別図柄表示装置102は2桁の7セグメントLEDとする。
【0018】
演出図柄表示装置103は、たとえば、液晶ディスプレイまたはCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等があり、複数の数字や図形等の演出図柄を変動表示する。本実施形態は、液晶ディスプレイの可変表示装置とする。演出図柄表示装置103を制御する表示制御部(後述する)は、CPU、プログラムROM(Read Only Memory)、RAM、画像処理用LSI(以下、VDP(Video Display Processor))、キャラクタROM、ビデオRAM等を有する。演出図柄表示装置103は、本実施形態では、背景等の画像及び複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置を有する。本実施形態では、多彩な演出図柄を演出図柄表示装置103に表示可能な遊技機を想定している。
【0019】
第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチのONにより入賞を検知し、特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。特別図柄表示装置102の特別図柄や演出図柄表示装置103の演出図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
【0020】
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチがONになることにより、その通過球を検知し、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。
【0021】
普通図柄表示装置107は、7セグメントLED等で普通図柄を変動表示する。第2の始動入賞口108は、普通図柄表示装置107が特定の普通図柄を停止表示(小当たり)した場合に開放し、第2の始動入賞口108内への入賞を容易にする。尚、第1の始動入賞口104は常時開放している。
【0022】
可変入賞球装置109は、特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち、特賞となったときに、その後の大当たり動作において、可変入賞球装置109の前面に付置された開閉部材114が開放及び閉鎖の動作を行う。
【0023】
特賞中は、開閉部材114はほぼ水平に開き、遊技球の入賞を受け付ける可変入賞球装置109が開放され、多数の遊技球の入賞を受け付ける。可変入賞球装置109に遊技球が入賞すると、可変入賞球装置109の内部の大入賞口スイッチがONになることにより、遊技機は可変入賞球装置109への遊技球数を把握し、その入賞に伴う賞球(出玉、セーフ玉)払い出しの契機が与えられる。可変入賞球装置109の開放は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(大入賞口入賞規定数)の遊技球が可変入賞球装置109に入賞するまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。Vゾーン(特定領域)が存在しないので、Vゾーンの通過に基づく継続条件は無くなるため、一度大当たりが発生すれば、所定時間(約30秒)の経過または所定個数(10個)の入賞により次のラウンドに移行する。
【0024】
尚、従来のように、可変入賞球装置109は、内部にVゾーン(図示せず)を各々有してもよい。Vゾーンが存在する場合、大当たり動作中の可変入賞球装置109の開放中に特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過すると、可変入賞球装置109の内部の特定領域スイッチがONになることにより、遊技機は次のラウンドの権利発生の契機が与えられる。このようにして、ラウンドは1R→2R→・・・と継続し、最大ラウンド(例えば6ラウンドまたは15ラウンド)まで継続する。
【0025】
遊技機ハンドル111は、タッチセンサを表面に有し、ストップボタン(発射停止)116が付置されている。遊技者が遊技機ハンドル111を握ったことをタッチセンサが検知し、この状態で遊技機ハンドル111が右回り117または左回り118に回されたことを遊技機ハンドル111内部の可変抵抗器が検知すると、球発射装置は、遊技球を連続して打ち出す。遊技者は、遊技機ハンドル111を右回り117または左回り118に回して、遊技盤101上へ打ち出される遊技球の打ち出しルートを調整することができる。また、遊技者がストップボタン116を押すと、球発射装置は、遊技球の打ち出しを停止する。
【0026】
特別図柄作動記憶表示灯112は、特別図柄の変動中に第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108に入賞した各球の情報を、後述する主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(以下、球の保留と呼ぶ)、連続して図柄(特別図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数は、演出図柄表示装置103に表示してもよい。また、球の保留の対象となった第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球を保留球と呼ぶ。
【0027】
普通図柄作動記憶表示灯113は、普通図柄の変動中に普通図柄作動ゲート(左)105または普通図柄作動ゲート(右)106を通過した各球の情報を、主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し、連続して図柄(普通図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数は、演出図柄表示装置103に表示してもよい。
【0028】
遊技盤101に据え付けられた役物、釘等はその上にガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤101との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。
【0029】
尚、遊技機100は、遊技盤101に取り付けられた光学式のタッチセンサである特別図柄変動時間短縮スイッチ(図示せず)を備えてもよい。特別図柄変動時間短縮スイッチが存在する場合、特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103が特別図柄や演出図柄を変動表示中に、遊技者がガラス板を介して特別図柄変動時間短縮スイッチに手をかざすと、それを検知した特別図柄変動時間短縮スイッチがONになり、特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103の変動表示が即止めされ、または短縮されて停止することが可能である。
【0030】
また、遊技機100は、演出切り替えスイッチ120を備える。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、または演出用可動物の動作を制御することができる。
【0031】
(遊技機の制御部の構成)
図3は、遊技機100内の制御部300の一実施形態を示すブロック図である。図に示すように、制御部300は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部から構成される。不正行為防止及び法規上の制約のため、通常、各制御部は機能毎に別々の基板に実装され、通信可能に直接・間接的に接続されている。主制御部310は、第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じてコマンドの送信及び遊技機の全体制御を行う。本実施形態では、特に、主制御部310は、後述するグループ化コマンドを副制御部340に送信する。主制御部310は、特別図柄表示装置102もまた制御する。
【0032】
副制御部340は、主制御部310から送信されるグループ化コマンドを対応する、例えば演出図柄指定コマンドに変換して表示制御部370に送信する。表示制御部370は、副制御部340から送信される演出図柄指定コマンドにしたがって液晶表示装置等の演出図柄表示装置103を制御する。
【0033】
次に、主制御部310、副制御部340及び表示制御部370の各構成・機能を詳細に説明する。
(主制御部の構成・機能)
図4は、主制御部310の内部構成を示す概略ブロック図である。主制御部310は、CPU422、ROM420、RAM424、大入賞口ソレノイド出力ポート428、普通電動役物ソレノイド出力ポート430、特別図柄表示用出力ポート432、普通図柄表示用出力ポート434、特別図柄作動記憶表示灯用ポート436、普通図柄作動記憶表示灯用ポート438、副制御用コマンド出力ポート(変動パターンコマンド、グループ化演出図柄指定コマンド等を送出)440、払出制御用コマンド出力ポート442、外部情報出力ポート444、入力ポート426を備える。演出図柄指定コマンドとは、演出図柄表示装置103に表示される演出図柄の停止図柄を指定するコマンドである。尚、グループ群に含まれるコマンドであるグループ化コマンドの詳細については後述するように、グループ化コマンドとしグループ化演出図柄指定コマンドを使用する。
【0034】
主制御部310は、入力ポート426を介して、各種スイッチ(特別図柄始動スイッチ410、普通図柄作動スイッチ412、大入賞口スイッチ414、その他のスイッチ418及び実装されている場合には特定領域スイッチ416、特別図柄変動時間短縮スイッチ119)からデータを入力し処理する。
【0035】
主制御部310は、出力ポート428〜438、444を介して、特別図柄表示装置102、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄表示装置107、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、大入賞口ソレノイド446、普通電動役物ソレノイド448、外部情報出力部454を直接制御する。一方、主制御部310は、副制御部340に副制御用コマンド(変動パターンコマンド、グループ化演出図柄指定コマンド等)を送信して副制御部340をコマンド送信により制御する。さらに、主制御部310は、払出制御部450にコマンドを送信して賞球の払出制御を行う。本実施形態にしたがった、主制御部310による副制御部340へのコマンド送信の制御の詳細については後述する。
【0036】
次に、主制御部310が入力ポートを介して入力する各種スイッチ、主制御部310の構成要素及び主制御部の制御対象について詳細に説明する。特別図柄始動スイッチ410は、遊技者により打ち出されて第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108に入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、入賞検知して特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。
【0037】
普通図柄作動スイッチ412は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にONとなり、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。大入賞口スイッチ414は、特賞になった時に、その後の大当たり動作において、可変入賞球装置109へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。
【0038】
その他のスイッチ418としては、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、可変入賞球装置109以外のその他の入賞口へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。なお、特定領域スイッチ416が実装されている場合には、スイッチ416は、可変入賞球装置109の開放中に特定領域を通過した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は次のラウンドの権利発生を検知する。特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、スイッチ416は、遊技者が特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103の変動表示を強制的に即止めし、または短縮させて停止させることを可能とする。
【0039】
CPU422は主制御部全体の制御を行う回路である。ROM420は、遊技機を制御するための主制御部310用のプログラムが記憶されている。具体的には、ROM420は、例えば主制御部310のCPUが行う遊技制御処理の内容を規定した
図15、
図19に示すフローチャートの処理を実現する遊技制御プログラムを記憶する。ROM420はさらに、副制御部340に送信するグループ化演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを始めとする、遊技機を制御するコマンドのための各種のパラメータの値を記憶する。本実施形態では、後述するように、主制御部310は、RAM424に記憶する内部確率状態情報にしたがって、副制御部340に送信するグループ化コマンドを決定する。
【0040】
RAM424は、主制御部310に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、また各保留球の情報を記憶する保留メモリを有し、さらに現在の遊技状態(確率状態)を記憶する確率状態記憶領域を有する。
【0041】
特別図柄表示装置102は、複数の数字や図形等の特別図柄を表示する。普通図柄表示装置107は、複数の数字や図形等の普通図柄を表示する。特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112は、連続して特別図柄の変動が可能な回数を報知する。普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113は、連続して普通図柄の変動が可能な回数を報知する。大入賞口ソレノイド446は、可変入賞球装置109の内部の構成部材の一つで、特賞になったとき、その後の大当たり動作において可変入賞球装置109の前面に付置された開閉部材114を主制御部310からの指示に基づいて開放する。
【0042】
普通電動役物ソレノイド448は、普通図柄表示装置107が小当たりの普通図柄を停止表示した場合、普通電動役物108を主制御部310からの指示に基づいて開放する。払出制御部450は、主制御部310から払出制御用コマンドを受け、特別図柄始動スイッチ410、大入賞口スイッチ414、その他のスイッチ418等で入賞検知がされた場合に賞球払出装置452に賞球の払い出しを行うように指示する。
【0043】
外部情報出力部454は、主制御部310のCPU422からの情報を情報表示装置201へ提供するための基板である。情報表示装置201は、遊技機の外部情報出力部454を介して遊技機と電気的に接続されている。主制御部310のCPU422は、外部情報出力部454を介して、図柄変動の停止、大当たり状態等がわかる信号を情報表示装置201へ出力することができる。信号としては、例えば、大当たり信号、入賞数信号、スタート信号、時短信号、扉開放信号がある。
【0044】
(主制御部による遊技制御処理の手順)
次に、主制御部310のCPU422が実行する遊技制御処理の一例を、
図15を用いて説明する。
図15のフローチャートが示す処理手順は、主制御部310のCPU422が、ROM420に記憶されている遊技制御プログラムを読み出して実行することにより行われる遊技制御割り込み処理である。この処理においては、周期(例えば4msecと2msec)毎に起動される2種類の割り込み処理(遊技制御系の第1の所定期間毎の割り込み処理(例えば4msec毎の割り込み処理)と、乱数更新及びスイッチチェック等の第2の所定期間毎の割り込み処理(例えば、2msec毎の割り込み処理))が並行して動いている。なお、必要に応じて第3の所定期間毎の割り込み処理や第4の所定期間毎の割り込み処理等を各割り込み処理の周期が重ならないように行うことも可能である。
図15において、遊技機が電源の投入をされると、主制御部310はRAM424をクリアしてその初期設定を行い(S1510)、次に、副制御部340に初期コマンド(例えば、RAMクリア処理、初期図柄指定、初期状態等)を送信して(S1512)、画像、ランプ、音声及び遊技等に関わる初期設定の指示を行う。また、電源断が発生したときは電源復帰を行う。
【0045】
最初に、遊技制御系の第1の所定期間毎の割り込み処理について説明する。
【0046】
(コマンド出力管理処理(S1514))
主制御部310は、後述する特別遊技管理処理(S1516)で作成されRAM424のコマンド記憶領域上に準備されたグループ化演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを副制御部340へ送信する。まず、送信するコマンドがあるか判断し、送信するコマンドがある場合、副制御部340へコマンドを送信する。出力するコマンドが無い場合、本処理はそのまま終了する。後述するように、コマンド送信が行われる場合、コマンドは、後述の特別遊技管理処理(S1516)における特別図柄の変動開始処理が行われた「第1の所定期間毎の割り込み処理」の次に起動される「第1の所定期間毎の割り込み処理」におけるコマンド出力管理処理(S1514)の中で送信される。したがって、演出図柄の制御に関わるコマンドは、特別図柄の変動が開始させる処理を開始してから所定期間中として1割り込み後(本実施形態では4msec後)のコマンド出力管理処理によって送信されることになる。
【0047】
尚、このコマンド出力管理処理を後述する特別遊技管理処理(S1516)の次の処理に移動させる処理手順を採用した場合、演出図柄の制御に関わるコマンドは、特別図柄を変動させる処理を開始してから所定期間中として同一割り込み内のコマンド出力管理処理によって送信されることになる。
【0048】
グループ化演出図柄指定コマンドと変動パターンコマンドとを受信した副制御部340は、後述する方法によりグループ化演出図柄指定コマンドを演出図柄指定コマンドに変換し、表示制御部370に変動パターンコマンドと液晶表示用コマンドを送信する。変動パターンコマンドと液晶用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103の演出図柄を所定の変動時間だけ変動制御し、次に演出図柄指定コマンドで指定された図柄で停止させる。
【0049】
また、
図15に戻って説明すると、コマンド出力管理処理(S1514)を第1の所定期間毎の割り込み処理の前半部分に置いた理由は、処理の優先度が高い後述の第2の所定期間毎の割り込みが第1の所定期間毎の割り込み処理の後半部分で発生する可能性が高いため、処理時間が通常長いコマンド出力管理処理(S1514)を第1の所定期間毎の割り込み処理の後半部分に置くと、その処理の途中で第2の所定期間毎の割り込みによって割り込まれる可能性が高くなり、コマンド出力管理処理(S1514)が処理の途中で打ち切られるという問題が生じやすくなるからである。したがって、その問題をできるだけ回避するため、コマンド出力管理処理(S1514)を第1の所定期間毎の割り込み処理の前半部分、望ましくは、第1の所定期間毎の割り込み処理の最初の部分に置くことによって、コマンド出力管理処理(S1514)の実行タイミングと第2の所定期間毎の割り込みタイミングとができるだけ重ならないようにしている。
【0050】
(特別遊技管理処理(S1516))
主制御部310は図柄変動、役物制御等遊技に関わる制御を特別遊技管理処理で行う。第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球または保留球の保留消化による特別図柄の変動開始時には、RAM424上のリーチ乱数ループカウンタから読み取られるリーチ乱数(リーチの種類(通常リーチ、ロングリーチ等)を決定するための乱数)、図柄乱数ループカウンタから読み取られる図柄乱数(停止図柄を決定するための乱数)、及び第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球の大当り乱数(特賞か外れかを決定するための乱数)またはその保留球の保留メモリに記憶されている大当り乱数に基づいて、主制御部310は、グループ化演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド及び特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄等をRAM424上の各コマンドや各図柄専用の領域(以下、所定エリアという。)に記憶する。演出図柄指定コマンドの体系に関しては、コマンド出力管理処理(ステップ714)の中で既に説明した。
【0051】
主制御部310は、大当り動作中には、可変入賞球装置109を所定時間だけ開放することを大入賞口作動ソレノイド446に指示するための、大入賞口開放データ及び大入賞口閉鎖データをRAM424上の所定エリアに記憶する。さらに、主制御部310は、特別図柄表示用出力ポート432を介して、特別図柄(左)と特別図柄(右)を所定の変動時間だけ変動制御し、RAM424上の所定エリアに記憶されている特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄で停止させる。各停止図柄は、2桁からなる7セグメントの特別図柄表示装置102に表示される。
【0052】
S1516において、主制御部310は、特別図柄指定コマンドを他の制御部に送信することにより特別図柄を制御するのではなく、特別図柄表示用出力ポート432を介して特別図柄表示装置102側に表示駆動信号を送信し、特別図柄を直接制御する。
【0053】
主制御部310は、特別図柄を直接制御して変動をさせる処理を開始(例えば、特別遊技管理処理(S1516)に係わる制御として、特別図柄変動タイマを設定することや、特別図柄表示装置102側に表示駆動信号の送信を開始すること等)した後(例えば、4msec後)に、次に発生する割り込み処理のコマンド出力管理処理(S1514)において、副制御部340に対してグループ化演出図柄指定コマンドと、この特別図柄に対応する演出図柄を用いた変動パターンコマンドとを送信する。ここで、変動パターンコマンドで指定される演出図柄変動時間と、特別図柄変動タイマに設定された変動時間とは同一の値に設定されているため、特別図柄と演出図柄の変動開始/変動停止のタイミングは、所定時間(例えば、4msec)、すなわち、遊技制御系の割り込み周期分の時間差で同期がとられている。すなわち、副制御部340の処理速度にもよるが、
図12に示すように、演出図柄が停止状態から変動状態に移るタイミング(変動開始タイミング)は、特別図柄(左特別図柄及び右特別図柄)が停止状態から変動状態に移るタイミングより遅れる(例えば、4msec後)。同様に、演出図柄が変動状態から停止状態に移るタイミング(停止タイミング)は、特別図柄が変動状態から停止状態に移るタイミングより遅れる(例えば、4msec後)。
【0054】
なお、演出図柄は、後述するように最終的に副制御部340で選択されるため、特別図柄の変動開始及び特別図柄の図柄確定した後に変動及び図柄確定するが、このため、主制御部310では、大当りが「特賞」の場合、副制御部340が演出図柄として選択可能な図柄群を指定したグループ化演出図柄指定コマンドを作成する。
【0055】
当該液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、副制御部340から受信した変動パターンコマンドに基づいて外れ図柄(外れ態様の最終停止図柄)を決定し、当該図柄で停止表示させる。
【0056】
(普通遊技管理処理(S1518))
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(または、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の球の通過による普通図柄の変動開始時には、RAM424上の小当り乱数に基づいて、主制御部310は普通図柄の停止図柄データ等を準備する。この処理は、主制御部310が普通遊技管理処理を行う中で、普通図柄変動開始時と判断された場合に行われる。
【0057】
(外部情報処理(S1520))
主制御部310からの遊技状態の情報を、外部情報出力部454を介して遊技機外部に伝えるために、主制御部310は外部情報処理を行うことにより情報を外部に伝える。
【0058】
(ソレノイド制御処理(S1521))
主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶した大入賞口開放データと大入賞口閉鎖データに基づいて、可変入賞球装置109を開放や閉鎖することを、大入賞口ソレノイド446に指示する。また、主制御部310は、第2の始動入賞口108を開放や閉鎖することも普通電動役物ソレノイド448に指示する。
【0059】
(その他乱数更新処理(S1522))
主制御部310は、第1の所定期間の割り込み処理の残余時間中のS1522において、大当たり乱数及び大当たり特別図柄乱数以外の乱数(リーチ乱数、外れ図柄乱数等)を更新する。次に、第2の所定期間毎の割り込み処理について説明する。
【0060】
(当たり抽選乱数更新処理(S1530))
主制御部310は、例えば、周期2msec毎にRAM424上の大当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、特賞用の大当り乱数、大当たり特別図柄乱数を更新する。同時に、主制御部310は、RAM424上の小当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、普通図柄用の小当り乱数を更新する。尚、本実施形態において、ループカウンタとは、0〜所定の最大値までの値をサイクリックに更新するカウンタを意味する。
【0061】
(入力処理(S1532))
主制御部310は、第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球を特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、大当り乱数ループカウンタから大当り乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。また、特別図柄変動中に第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108に球が入賞したことを特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、主制御部310は大当り乱数ループカウンタから大当り乱数、大当たり特別図柄乱数を読み取り、RAM424上の保留球の保留メモリに記憶する(球の保留)。特別図柄変動中にこのステップが繰り返し実行される毎に、RAM424上の保留球の保留メモリ上に連続的に各大当り乱数の値が複数保留球分記憶される。
【0062】
また、主制御部310は、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(または、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の球の通過を検知すると、小当り乱数ループカウンタから小当り乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。さらに、主制御部310は、特別図柄始動スイッチ410による第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞検知、大入賞口スイッチ414による大当り動作時の可変入賞球装置109への入賞検知、その他スイッチ418による第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、可変入賞球装置109以外のその他の入賞口への入賞検知の結果を、RAM424上に記憶する。特に可変入賞球装置109への入賞検知の際には、主制御部310はまた、RAM424上の大入賞カウンタをインクリメント(+1)する。なお、大入賞カウンタは、大当たり中以外(通常状態時等)はカウントされないように制御されている。
【0063】
尚、主制御部310は、特定領域スイッチ416が実装されている場合には、それによる特定領域を通過した遊技球の検知の際に、RAM424上のVフラグを立てる。さらに、主制御部310は、特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、それによるスイッチONを検知すると、特別図柄変動時間短縮スイッチフラグを立てる。
【0064】
(賞球払出管理処理(S1534))
入力処理(S1532)でRAM424上に記憶した、特別図柄始動スイッチ410による第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞検知、大入賞口スイッチ414による大当り動作時の可変入賞球装置109への入賞検知、その他スイッチ418による第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、可変入賞球装置109以外のその他の入賞口への入賞検知の各結果に対して、主制御部310は各々の予め設定された賞球数に対応した賞球の払い出し数をRAM424上に記憶する。主制御部310は、RAM424上に記憶した賞球の払い出し数に基づいて、賞球払出装置452へ賞球の払い出しをコマンド出力により指示する。
【0065】
(特別遊技管理処理と普通遊技管理処理)
図19は、
図15の特別遊技管理処理(S1516)と普通遊技管理処理(S1518)を合わせた一連の処理内容を示すフローチャートである。
S1910において、主制御部310は、大当り中フラグをチェックし、大当り中フラグONの場合には大当り中のため、大当り処理(S1934)を行い、処理をS1940へ進める。大当り中フラグOFFでRAM424上の特別図柄変動タイマが0、即ち大当り中でも特別図柄変動中でもない場合、この時点における処理対象である特別図柄変動に係る大当り乱数(第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球の大当り乱数または保留メモリの入賞球の大当り乱数)が、RAM424上に記憶されているか検査し、第1の始動入賞口104または第2の始動入賞口108への入賞球または保留球の保留消化に伴う特別図柄変動開始と判断した場合、処理をS1912へ進める。
【0066】
S1912において主制御部310は、RAM424に記憶されている特別図柄変動に係る大当り乱数に基づいて、開始する特別図柄変動の特賞の判定を行う。大当り乱数が特賞の値と一致しないと判定された場合にはRAM424上の特賞フラグをOFFにし、特賞の値と一致すると判定された場合には特賞フラグをONにする。ここで、確変フラグがONの場合(確率変動時)は、特賞の判定を行う特賞の値の個数を増やし、特賞確率を上げる。例えば、通常時(通常遊技状態)においては特賞の値として「7」が設定されていたものが、確変変動時においては特賞の値として「3」、「7」、「11」、「15」、「82」が設定される。時短中フラグがONの場合は、RAM424上の時短変動カウンタをデクリメント(−1)し、その結果時短変動カウンタが0であれば時短中フラグをOFFにする。
【0067】
S1914において、主制御部310は、S1912における判定結果が特賞の場合、大当たり乱数と同様にRAM424に記憶されている大当たり特別図柄乱数ループカウンタ(0〜99の100通りの値。)から、特別図柄表示装置102及び演出図柄表示装置103に停止表示される複数の図柄を決定する。一方、外れの場合、外れ特別図柄乱数ループカウンタから読み取られる外れ図柄乱数(0〜20の21通りの値)から、特別図柄表示装置102に停止表示させる複数の図柄を決定する。S1916において、主制御部310は、特賞の判定、リーチ乱数、図柄乱数に基づいて、演出図柄変動の変動パターンを決定し、RAM424上の所定エリアに記憶する。S1918おいて、主制御部310は、特別図柄変動を指示する特別図柄変動指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する。
【0068】
(変動パターン選択処理)
主制御部310における変動パターン選択処理について説明する。
図8は、本実施形態の主制御部310の変動パターン選択処理を示すフローチャートである。本実施形態では、上述の特別図柄決定時に、特賞または外れ、内部確率状態、演出図柄および演出パターンのグループが決定され、それを受けて副制御部340が最終的に演出図柄および変動パターンを決定する。
【0069】
図8を参照すると、主制御部310では、上述の処理により特賞であるか否かを判定し(S802)、特賞である場合、先ず特別図柄の選択を行う(S803)。次に、大当り時の変動パターンの選択を行って(S804)、内部確率状態、すなわち高確率状態または低確率状態に応じた変動パターンテーブルの選択をする(S805)。最後に変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(S806)。
【0070】
一方、「外れ」の場合、外れの特別図柄から停止する特別図柄を選択し(S807)、外れ時の変動パターンの選択を行って(S808)、内部確率状態、すなわち高確率状態または低確率状態に応じた変動パターンテーブルの選択をする(S809)。最後に、特別図柄作動記憶個数に応じた変動パターンテーブルを選択して(S810)、変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(S806)。
【0071】
以上により必要な情報が選択され、または決定されると、以下のように、その情報に基づいてコマンドが作成され、副制御部340に送信される。
【0072】
すなわち、図柄変動に要する情報の記憶が済むと、S1920において、主制御部310は、通常の演出時間(秒)をグループ化演出図柄指定コマンドのコマンドIDから一意に決められる演出図柄変動に見合った所定の値とした上で、特別図柄の変動を監視するための特別図柄変動タイマを、通常の演出時間(秒)に設定する。尚、通常の演出時間(秒)はグループ化演出図柄指定コマンドのコマンドID毎に固有なものであり、グループ化演出図柄指定コマンドのEVENT毎に秒数が異なる。さらに、特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、スイッチ119のON・OFFを監視する特別図柄変動時間短縮スイッチタイマを設定する。
【0073】
同様に、S1940において、主制御部310は、普通図柄変動に係る小当り乱数が、処理対象としてRAM424に記憶されているかを検査し、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105または、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106の球の通過に伴う普通図柄変動開始と判断した場合、処理をS1942へ進める。
【0074】
S1942において、主制御部310は、RAM424に記憶されている普通図柄変動に係る小当り乱数に基づいて、開始する普通図柄変動の小当りの判定を行う。小当り乱数が小当りの値と一致しないと判定された場合にはRAM424上の小当りフラグをOFFにし、小当りの値と一致すると判定された場合には小当りフラグをONにする。ここで、確変フラグON、または時短中フラグがONの場合は、小当りの判定を行う小当りの値の個数を増やし、小当り確率を上げる。
【0075】
S1944において、主制御部310は、小当り判定結果から、普通図柄表示装置107に停止表示される普通図柄を決定する。例えば、小当り判定は“小当りフラグON”、小当り判定結果から一意に決められる普通図柄の停止図柄データが「7」Hであるとする。そして、主制御部310は普通図柄の停止図柄データをRAM424上の所定エリアに記憶する。S1946において、主制御部308は、普通図柄変動を指示する普通図柄変動指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する。上記普通図柄変動に要する情報の記憶が済むと、S1948において、主制御部310は普通図柄変動を監視するための普通図柄変動タイマを所定の値に設定する。
【0076】
図15に戻って説明すると、主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶された特別図柄変動に要する情報に基づいて、特別遊技管理処理(S1516)を実行して特別図柄の変動を開始する(
図19のS1918)。同様に、主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶された普通図柄変動に要する情報に基づいて、普通遊技管理処理(S1518)を実行して普通図柄の変動を開始する(
図19のS1946)。尚、その後に(例えば、4msec以上後に)、コマンド出力管理処理(S1514)を実行しグループ化演出図柄指定コマンド、変動パターコマンド等を副制御部340へ送信する。引き続いて、グループ化演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等を受けた副制御部340は、変動パターンコマンド、液晶表示用コマンド等を表示制御部370に送信する。
【0077】
割り込み処理により
図15の処理から再び
図19の処理が呼び出され、S1910及びS1922において、主制御部310は、大当たり中フラグOFFで図柄変動タイマが0でない、即ち、大当たり中でなく特別図柄変動中であると判断した場合には、S1924に移行する。S1924においては、主制御部310は、特別図柄変動タイマを割り込み周期T(例えば4msec)分だけ減算する。S1910及びS1922において、大当たり中、特別図柄変動開始、特別図柄変動中のいずれでもない場合、主制御部310は処理をS1930に進める。
【0078】
S1926において特別図柄変動タイマが0であるかが判定され、特別図柄変動タイマが0である場合には、S1928において、S1914でRAM424上の所定エリアに記憶された停止図柄で特別図柄を停止する。主制御部310は、図柄変動タイマが0、即ち、図柄変動中でない場合、特賞フラグを検査し(S1930)、特賞フラグONの場合、S1932において、主制御部310は、大当たり中フラグをONにして、大当たり開始コマンド(コマンドIDは「90」H)の情報をRAM424上の所定エリアに記憶する。本コマンドは、
図15のコマンド出力管理処理(S1514)の中で副制御部340を介して表示制御部370に送信される。尚、本コマンドは、演出図柄表示装置103に大当たり開始画面を表示するためのコマンドである。
【0079】
さらにS1932において、主制御部310は、RAM424上のラウンドカウンタ(大当たり動作中のラウンド数を計数するカウンタ)、開放タイマ(1ラウンド中の大入賞口の開放時間を計測するタイマ)を所定の値に設定し、インターバルタイマ(ラウンド間の大入賞口の閉鎖時間を計測するタイマ)を所定の値(数秒)に設定し、大入賞口カウンタ(1ラウンド中に大入賞口に入賞した遊技球数を計数するカウンタ)を0にする。詳細には、ラウンドカウンタを15ラウンド、開放タイマを30秒に設定して、処理をS1940に進める。尚、特定領域スイッチ416が実装されている場合は、Vフラグ(遊技球が特定領域を通過した際にONとなるフラグ)をOFFにする。
【0080】
ステップ1126において図柄変動タイマが0でないと判定されると、主制御部310は、処理をS1940に進める。また主制御部310は、特賞フラグを検査し(ステップ1130)、特賞フラグOFFの場合、処理をS1940へ進める。主制御部310は、普通図柄変動タイマが0でない、即ち普通図柄変動中と判断した場合(S1940→S1950)、普通図柄変動タイマを割り込み周期T(例えば4mec)分だけ減算する(S1952)。
【0081】
また、普通図柄変動タイマが0になると、主制御部310は、普通図柄変動停止を指示する普通図柄停止指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する(S1954→S1956)。主制御部310は、普通図柄変動タイマが0、即ち普通図柄変動中でない場合、小当たりフラグを検査し(S1958)、小当たりフラグONの場合、主制御部310は、普通電動役物108を所定時間だけ開放することを、普通電動役物作動ソレノイド448に指示する小当たり処理指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する(S1960)。確変フラグがONの場合は、普通電動役物108の開状態時間を通常時間より長く設定する。これにより確変中には第2の始動入賞口104に球が入りやすくなる。
【0082】
以上が特別遊技管理処理(S1516)と普通遊技管理処理(S1518)を合わせた一連の処理内容である。次に、副制御部340の構成および動作を以下に説明する。
【0083】
(副制御部の構成・機能)
図5は、副制御部340の内部構成を示す概略ブロック図である。
副制御部340は、主制御部310と同様に、CPU514、RAM512、ROM510、各種入力ポート516、各種出力ポート518を備える。ROM510は、副制御部340用のプログラムを記憶する。本実施形態においては、ROM510は、
図10に示すフローチャートなどの処理を実現するプログラムを記憶する。
【0084】
副制御部340は、主制御部310が送信する副制御用コマンド(変動パターンコマンド、グループ化演出図柄指定コマンド等)を受信し、ROM510に記憶したプログラムにしたがって、グループ化演出図柄指定コマンドを演出図柄指定コマンドに変換し(換言すると、グループ化演出図柄指定コマンドにしたがって演出図柄指定コマンドを選択し)、演出図柄指定コマンドを表示制御部370に送信する。これに先立ち、副制御部340は、変動パターンコマンドにしたがって、液晶表示用コマンドを作成し、表示制御部370に送信しておき最終的な演出図柄が表示されるまで所定の変動パターンを表示する。また、副制御部340は、ランプ表示装置520の点滅制御、効果音発生装置522が出力する効果音の発生制御、演出用可動物524の制御等を行う。このように副制御部340は、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成、演出用可動物の制御等の演出に関わる制御を専門的に行うことにより、主制御部310の負荷を軽減する。
【0085】
ランプ表示装置520は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部340の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置522は、遊技に関連する音響を発生する。演出用可動物524は、モータ等により回転制御される遊技領域等に設けられている演出用のキャラクタフィギャア等である。
【0086】
副制御部340は、演出切り替えスイッチ120からの入力を受け付ける。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、または演出用可動物524の動作を制御することができる。このように、遊技者は演出切り替えスイッチ120を操作することにより、遊技機の演出面に参加することができる。
【0087】
次に、
図9を参照して副制御部340の全体の処理について説明する。
図9は、本実施形態の副制御部の全体の処理を示す図である。副制御部340は、主制御部310から送信された変動パターンコマンドおよびグループ化演出図柄指定コマンドを受信する(S902)。S903において、受信したグループ化演出図柄指定コマンドに基づき抽選を行って所定の比率に基づいて演出図柄を選択する。最終的に演出図柄が決定すると、変動パターンコマンドの指定に基づいて演出パターンを選択し(S904)、表示制御部370用のコマンドを作成して送信する(S905)。以上の処理のうち演出パターンの選択処理の詳細は、
図11を参照して後述する。
【0088】
(グループ化演出図柄指定コマンドから演出図柄指定コマンドへの変換処理)
図7は、主制御部310が送信するグループ化演出図柄指定コマンドのテーブルの一例である。図からわかるように、グループ化演出図柄指定コマンドは番号0〜6の7グループに分類されており、各番号に対して1バイトのコマンドIDと1バイトのEVENTが割り当てられている。グループ化演出図柄指定コマンドのコマンドIDは全て同一の「B1」Hであり、一方、EVENTは番号毎に異なる(「00」H〜「06」H。Hは16進記号)。主制御部310が実行する大当たり判定処理、リーチ判定処理、確変判定処理の結果に基づいて、主制御部310は、大当りが「外れ」の場合には、番号0のグループ化演出図柄指定コマンドを選択し、「特賞」で非特定図柄の場合には、番号1、5、6の中から一つのグループ化演出図柄指定コマンドを選択し、「特賞」で特定図柄の場合には、番号2〜4の中から一つのグループ化演出図柄指定コマンドを選択する。すなわち、特賞となった場合のグループ化演出図柄指定コマンド(変動パターン演出の後最終的に停止する演出図柄を指定する指令)は、大役演出終了後の内部確率変動状態により、大きく2種類に分類されており、高確率変動状態では特定図柄を演出図柄として使用し、低確率変動状態では非特定図柄を演出図柄として使用する。
【0089】
さらに、
図7を参照すると、グループ化演出図柄指定コマンド(主制御→副制御)と演出図柄指定コマンド(副制御→表示制御)との対応関係を読み取ることができる。以下、
図7を参照して、副制御部340が実行するグループ化演出図柄指定コマンドから演出図柄指定コマンドへの変換処理の一例について説明する。主制御部310が実行する特賞判定結果が「外れ」であるとする。この場合、主制御部310は、グループ化演出図柄指定コマンド(コマンドID:「B1」H、EVENT:「00」H)を副制御部340に送信する。「外れ」のグループ化演出図柄指定コマンドを受信した副制御部340は、外れの演出図柄を表示するため表示制御部370に演出図柄指定コマンド(コマンドID:「B1」H、EVENT:「00」H)を送信する。
【0090】
主制御部310が実行する特賞判定結果が「特賞」である場合を説明する。この場合、主制御部310は、グループ化演出図柄指定コマンド(コマンドID:「B1」H、EVENT:「01」〜「06」H)を副制御部340に送信する。「特賞」のグループ化演出図柄指定コマンドを受信した副制御部340は、各演出図柄(「111」や「222」)を演出図柄指定コマンドに対して予め設定されている選択比率に基づいて、その中から一つの演出図柄を選択する。特賞の演出図柄を表示するため表示制御部370に演出図柄指定コマンド(コマンドID:「B1」H、EVENT:「01」〜「0A」H)を送信する。さらに詳しく説明すると、副制御部340は主制御部310からのグループ化演出図柄指定コマンドを受信したタイミングで、副制御部340に設けられた演出図柄選択乱数から乱数を抽出し、その乱数値をもとに設定された選択比率で、1つの演出図柄を選択する。この際、選択された演出図柄は内部確率状態に左右されないから、いずれの演出図柄が選択されても高確率状態のときはそれを示す演出パターンを表示することができる。なお、表示制御部370に送信されるコマンドのEVENT値は、
図7に示すように「02」H、「04」H「06」H、「08」Hの場合、それぞれ演出図柄は「222」、「444」、「666」、「888」であり、「01」H、「03」H「05」H、「07」Hの場合、それぞれ演出図柄は「111」、「333」、「555」、「777」となる。さらに、ダブル当たり、すなわちEVENT値が「09」Hおよび「0A」Hの場合、それぞれ演出図柄は「111」と「222」の組み合わせ、および「777」と「888」の組み合わせとなる。本実施形態では、内部確率状態と演出図柄は無関係なものとしたが、これにかかわらず、一定の演出図柄を高確率状態を示すために使用する(例えば、奇数の場合は高確率状態を示す)こともできる。
【0091】
(副制御部における演出パターン選択処理)
以上の処理を
図10および
図11を参照して説明する。
図10は、本実施形態の遊技機の内部確率状態を判定するためのフラグの値を示す図である。主制御部310から副制御部340に送信されるとそのEVENT値により内部確率状態が判定されるが、
図10に示すような対応付けによる(フラグが「0」のとき、低確率状態、フラグが「1」のとき高確率状態を示す)。すなわち、副制御部340は主制御部310から受信したコマンドのEVENT値から
図10の対応関係を用いて内部確率状態を判定し、演出図柄を決定するが、この処理を以下に
図11を参照して説明する。また、本実施形態では、副制御部340で使用する内部確率状態を示すフラグとして、内部確率状態判定フラグおよび内部確率状態判定準備フラグの2種類のフラグを使用する。
【0092】
図11は、本実施形態の副制御部340の処理を示すフローチャートである。S1101では、2つのフラグを用意するが、これらの2つのフラグは後述するように、内部確率状態を判定するとそれに応じたフラグの値は、一旦内部確率状態判定準備フラグに格納される。ここで、変動パターンコマンドを受信すると既に説明したように、受信したコマンドに応じて変動パターンを用意する(S1102)。
【0093】
次にグループ化演出図柄指定コマンドを受信すると(S1103)、
図10の表を参照して、受信したコマンドのEVENT値から内部確率状態を判定して内部確率状態判定準備フラグに判定した内容を格納する(S1104)。すなわち、EVENT値が「02」H、「03」H、「04」Hの場合はフラグの値として「1」を設定し、EVENT値が「01」H、「05」H、「06」Hの場合は「0」をフラグの値として設定する。
【0094】
次に、S1105において、今度は内部確率状態判定フラグを参照して、フラグの値が「0」か「1」かにより、それぞれ低確率状態の演出パターンおよび高確率状態の演出パターンを選択して(S1106、S1107)演出図柄を決定する。これにより、この段階で演出図柄が決定し、変動パターンも最終的に決定するため、表示装置に表示する変動パターンも含め決定し、表示制御部370に送信するコマンドのIDとEVENT値をメモリの所定の領域に設定する。
【0095】
S1108において、設定されたコマンドが送信され、表示部には所定の変動パターンが表示され演出図柄が出力される。その後、上述の種々のタイマ値等により大役演出が終了したか否かを判定し(S1109)、終了した場合は、内部確率状態判定準備フラグの値を内部確率状態判定フラグに設定する(S1110)。これにより、受信したコマンドによって判定した内部確率状態が次の演出のパターンを決定する際に用いられることになる。これは、本実施形態の遊技機の処理方法によると、コマンドを受信した段階で判定した結果をすぐに演出パターンに反映させないようにしないと、演出が終了した後に正しく内部確率状態を反映した演出とならないからである。このため、本実施形態では2種類のフラグを用いるのである。
【0096】
ここで、演出図柄が最終的に決定すると、所定のタイミングで副制御部340に設けられた変動パターン選択乱数から乱数を抽出し、その乱数値をもとに設定された選択比率で1の変動パターンコマンドを選択、決定する(当たり判定変動パターン選択処理)。
【0097】
次に、副制御部340による変動パターンコマンドの処理を説明する。
図13は、変動パターンコマンド選択処理の流れを示すフローチャートである。
図13を参照すると、S1301で、副制御部340は、主制御部310からグループ化演出図柄指定コマンドを受信する(コマンド受信処理)。次に、S1302で副制御部340は、変動パターンコマンドに対応する変動パターンコマンド(群)を参照する。次に、S1303で副制御部340は、選択比率に基づいて変動パターンコマンドを選択する(変動パターン選択処理)。次に、S1304で副制御部340は、「特賞」なのか「外れ」なのかを判断し(抽選結果図柄判定処理)、「特賞」の場合にはS1305で、停止図柄を参照して変動パターンコマンドを再選択し(演出図柄対応変動パターン判定選択処理)、S1310で、選択した変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する(変動パターンコマンド送信処理)。これに対して、「外れ」の場合にはS1306で、S1303で選択された変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。
【0098】
(内部確率状態にしたがった変動パターンコマンドの選択処理(副制御部340))
例えば、グループ化演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等を主制御部310から受信した副制御部340は、どのステージの演出が進行中であるかを、副制御部340のRAM512上に設けられた演出ステージ識別情報記憶領域に記憶された演出ステージ情報に基づいて判断し、演出パターンを決定する。
【0099】
演出パターンの一例としては、以下のようなものがある。まず、予告演出において内部確率状態を示唆するような予告演出を複数用意しておき、内部確率状態により予め定められた出現確率により各予告演出を出現させることによって予告演出の出現状況から遊技者に期待感をもたせるようにすることができる。
【0100】
具体的には、
図18(a)に示すように、例えば予告演出として予告A、予告Bおよび予告Cの3種類を備えた場合、各予告演出の出現率を内部確率状態により変化させることにより、予告Cが出現すれば遊技者に高確率状態にあると期待させることができ、逆に予告Aが表示されると確変にならなかったと感じさせるのである。なお、この出現率を種々変更することにより、遊技機にさらに変化をもたせることもできる。
【0101】
次に、演出中のキャラクタの動作または背景の変化するパターンにより遊技者に期待感を与える実施例について説明する。このような実施例によると、高確率を示すキャラクタや背景が表示されており、変化しないとき、または低確率を示すキャラクタや背景からすぐに異なるキャラクタや背景に移行するときは、高確率状態にあると遊技者に期待させることとなる。
【0102】
図18(b)〜(d)を参照すると、内部確率状態が低確率のときはモード1が選択されやすくなっており、モード1に滞在しているとき内部確率状態が高確率のときのほうがモード2に移行しやすい。同様に
図18(c)を参照すると、モード2に滞在している場合、内部確率状態が低確率のときはモード1に移行しやすく、
図18(d)を参照すると、内部確率状態が高確率のときはモード3に移行しやすくなる。モード1のときとは逆に、モード3に滞在しているとき内部確率状態が低確率のときのほうがモード2に移行しやすい。本実施例のような処理を行うことによって、モード1で表示されていると低確率状態にあり、モード3で演出が行われていると高確率状態にあると遊技者に期待させることができる。
【0103】
尚、本実施形態においては、演出図柄表示装置103にて表示される演出ステージから確率変動状態(高確率状態)を示唆するように制御しているため、副制御部340は、演出ステージ識別情報記憶領域に演出ステージ情報を記憶しており、確率状態情報を特に記憶していない。
【0104】
(表示制御部の構成・機能)
図6は、表示制御部370の内部構成を示す概略ブロック図である。
表示制御部370は、特に、副制御部340が送信する変動パターンコマンド及び液晶表示用コマンドを受信して、当該変動パターンコマンド及び当該液晶表示用コマンドにしたがって演出図柄表示装置103の演出図柄を変動、停止させ、または、予告指定コマンドを受信して予告表示する機能を有する。
【0105】
図6において、本実施形態の表示制御部370の制御回路構成は、変動パターンコマンド及び液晶表示用コマンドを受信する入力ポート618、CPU620、プログラムROM610、RAM612、画像処理用LSI(VDP)622、キャラクタROM616、ビデオRAM614、出力ポート624を有する。入力ポート618は、副制御部340から変動パターンコマンド及び液晶表示用コマンドを受信し、CPU620へ渡す。
【0106】
CPU620は、プログラムROM610に記憶されたプログラムにしたがって、画像処理及び画像表示制御を行う。プログラムROM610は、CPU620が実行する画像処理のためのプログラムを記憶しており、具体的には、CPU620が行う画像表示制御の内容を規定した画像表示制御プログラムを記憶している。さらにプログラムROM620は、VDP622のデータ・レジスタにマッピングして書き込むVDP622の制御用データ、画像表示を制御するための各種のパラメータの値等も記憶している。RAM612は、CPU620に対する入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶し、ワーク・エリアやバッファ・メモリとして機能する。VDP622は、CPU620からの図柄更新の指示に従って演出図柄表示装置103に表示するためのスプライト/スクロール等の画像データをビデオRAM614に展開し、CPU620からの出力指示に従って出力ポート624を介して演出図柄表示装置103の表示領域内に画像データを出力・表示する。演出図柄表示装置103は、LCD、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等であり、VDP622が出力する画像のビデオ信号を可視表示する。
【0107】
また表示用の制御には、特定の複数の色データを配列して設定したカラーパレット(以下、パレットと呼ぶ)がよく使用される。本実施形態VDP622は、256色を定義するパレットを4つ内蔵しており、4レイヤを処理し、各レイヤに1パレットを関連付けて画像処理を行う。VDP622はCPU620からの出力指示に従って、4つのレイヤ毎に設定した画像データを合成し、その合成画像データを演出図柄表示装置103に出力、表示する。VDP622は、具体的には、ビデオRAM614上の画像データにより指示されるパレットの色データに基づいてその画像データを色データに変換し、その色データをアナログRGBのビデオ信号として演出図柄表示装置103へ出力し、表示する。ここでの画像データはパレットに対するインデックス(配列番号)を含む。
【0108】
本実施形態のVDP622は、1ピクセル当たりR、G、B及びI(intensity;彩度)の各々を3ビットの8階調で制御する仕様とし、4096色(=8×8×8×8)を処理する能力を有する。VDP622は、256色を設定可能なパレットを4つの各レイヤに1パレットずつ関連付けて画像処理を行うため、256色×4レイヤ=1024より4096色中の最大1024色を演出図柄表示装置103へ表示可能である。キャラクタROM616は、CPU620からの指示を受けたVDP622がビデオRAM614に展開する、スプライト/スクロール等の画像データを記憶している。また、VDP622は内蔵の4つのパレットに設定されるべき4つのパレットデータを記憶している。また、画像データは、ランレングス符号化、予測符号化、ハフマン符号化及びその他周知の圧縮技術によって圧縮され、キャラクタROM616に記憶されている。
【0109】
ビデオRAM614は、VDP622により、演出図柄表示装置103の表示領域内に出力する画像データが展開され、一時記憶される。本場合では、4つのレイヤ毎に設定した画像データがビデオRAM614に一時記憶され、ビデオRAM614上で4レイヤの画像データがスクリーンバッファで合成され合成画像データが生成される。
【0110】
以上、本発明によれば、主制御部310が副制御部340に対して内部確率状態を通知することにより、副制御部340は、その内部確率状態にしたがった変動パターンコマンド、すなわち、演出パターンを選択することができる。本発明は、遊技者に対して確率変動状態かつ通常変動状態であるかを明示的には報知しないが、演出パターンを通じて確率変動状態の可能性を遊技者に示唆することができる。
【0111】
(第2実施形態)
本実施形態は、上述の第1実施形態と基本的には同様の構成であるが、副制御部340の処理が異なる。すなわち、第1実施形態では、内部確率状態を主制御部310から副制御部340に示唆するために、グループ化演出図柄指定コマンドを用いたが、本実施形態ではこれに代えて大当り開始コマンド、または大当り終了コマンドを用いる。例えば、大当り開始コマンドを用いる場合、
図14に示すように、主制御部310は非確変大当り開始コマンド(コマンドID:「90」H、EVENT値:「00」H)を副制御部340に送信することにより、内部確率状態が低確率状態にあることを示唆する。同様に、確変大当り開始コマンド(コマンドID:「90」H、EVENT値:「01」H)を副制御部340に送信することにより、内部確率状態が高確率状態にあることを示唆する。したがって、副制御部340の一部の処理、構成を除き本実施形態では第1実施形態と同様の構成、処理が行われる。
【0112】
(副制御部における演出パターン選択処理)
図16および
図17を参照して、副制御部340における本実施形態の演出パターン選択処理を説明する。
図17は、本実施形態の遊技機の内部確率状態を判定するためのフラグの値を示す図である。主制御部310から副制御部340に送信されるとそのEVENT値により内部確率状態が判定されるが、
図17に示すような対応付けによる(フラグが「0」のとき、低確率状態、フラグが「1」のとき高確率状態を示す)。すなわち、副制御部340は主制御部310から受信したコマンドのEVENT値から
図17の対応関係を用いて内部確率状態を判定し、演出図柄を決定するが、この処理を以下に
図16を参照して説明する。また、本実施形態では、副制御部340で使用する内部確率状態を示すフラグとして、内部確率状態判定フラグ1つを使用する。
【0113】
図16は、本実施形態の副制御部340の処理を示すフローチャートである。S1601では、一旦内部確率状態判定フラグを初期化し、変動パターンコマンドを受信すると既に説明したように、受信したコマンドに応じて変動パターンを用意する(S1602)。次に演出図柄指定コマンドを受信すると、第1実施形態と同様な方法で演出図柄を決定する(S1603)。
【0114】
次に、S1604において、今度は内部確率状態判定フラグを参照して、フラグの値が「0」か「1」かにより、それぞれ低確率状態の演出パターンおよび高確率状態の演出パターンを選択して(S1605、S1606)演出図柄を決定する。これにより、この段階で演出図柄が決定し、変動パターンも最終的に決定するため、表示装置に表示する変動パターンも含め決定し、表示制御部370に送信するコマンドのIDとEVENT値をメモリの所定の領域に設定する。
【0115】
S1607において、設定されたコマンドが送信され、表示部には所定の変動パターンが表示され演出図柄が出力される。その後、上述の種々のタイマ値等により大役演出が終了したか否かを判定し(S1608)、終了した場合は、
図17の表を参照して、受信したコマンドのEVENT値から内部確率状態を判定して内部確率状態判定フラグに判定した内容を格納する(S1609)。すなわち、EVENT値が「00」Hの場合はフラグの値として「0」を設定し、EVENT値が「01」Hの場合は「1」をフラグの値として設定する。これにより、受信したコマンドによって判定した内部確率状態が次の演出のパターンを決定する際に用いられることになる。これは、本実施形態の遊技機の処理方法によると、大当り開始コマンド(ID:「90」H)または大当り終了コマンド(ID:「92」H)は実際に演出パターンが決定した後に主制御部310から副制御部340に送信されるため、これらのコマンドにおいて内部確率状態を示唆するようにすれば、第1実施形態のように2種類のフラグを用いなくても、タイミングよく確変時の演出を行うことができるのである。
【0116】
本実施形態によれば、主制御部310と副制御部340との関係で、特別図柄と演出用制御対象に係わる制御系統を分担することができ、さらには、主制御部310が実行する制御処理手順の構成を明瞭化できるとともに、制御処理の確実性や安定性を向上することに繋がる。すなわち、特別図柄が「主」図柄であり、演出用制御として例えば演出図柄は「従」図柄(特別図柄に従属する演出用の図柄)であるということを明確にすることができる。その理由は、遊技機の制御の中心である主制御部310によって直接制御される対象が特別図柄である一方、画像表示される演出図柄、演出音や表示灯による演出報知は主制御部310の指令で動作する副制御部340によって制御されるものであり、従属的な立場にあるからである。これにより、何らかの異常発生によって、「主」の立場にある特別図柄が表示されないにもかかわらず、「従」の立場にある演出的な補助動作を開始してしまうことを回避でき、遊技上の混乱を生じさせない。