(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムは、執務者が現在居るオフィス等の環境制御を行うものであるため、この環境制御に伴って空調負荷や照明負荷が増えることが多かった。例えば、夏季において、執務者が現在居るオフィスの温度が、遠隔地の温度に比べて高い場合には、オフィスの温度を下げることによって遠隔地の環境を再現することになり、空調負荷が増えることになっていた。従って、上記従来のシステムは、近年の省エネルギー化の要請に反するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、執務者が現在居る空間の環境を制御するのではなく、執務者がより好適な他の空間に移動することを喚起することによって、省エネルギー性や知的生産性等を向上させることが可能になる、行動喚起装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の行動喚起装置は、所定の第1空間に居る対象者に対して、前記第1空間とは異なる複数の所定の第2空間の中の少なくとも1つの第2空間への移動を喚起するための行動喚起装置であって、
前記第1空間の環境情報及び前記第2空間の環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境情報取得手段にて取得された
前記第1空間の環境情報に基づいて、前記対象者が前記第1空間
に居る事の妥当性を示す第1の行動喚起指標を算定すると共に、前記環境情報取得手段にて取得された前記第2空間の環境情報に基づいて、前記対象者が前記第2空間に居る事の妥当性を示す第2の行動喚起指標を算定する、行動喚起指標算定手段と、前記行動喚起指標算定手段によって算定された前記第1の行動喚起指標と前記第2の行動喚起指標とを相互に対比した結果に基づいて、前記対象者に対して前記第1空間から前記第2空間への移動を喚起するための出力を当該第1空間において行う出力処理手段
と、を備える。
また、請求項2に記載の行動喚起装置は、請求項1に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記対象者に固有の前記第1の行動喚起指標、又は前記対象者に固有の前記第2の行動喚起指標を算定する。
【0007】
請求項
3に記載の行動喚起装置は、請求項1に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者にとっての快適性の程度を示す快適度指標を算定し、当該算定した快適度指標に基づいて
前記第1の行動喚起指標又は前記第2の行動喚起指標を算定する。
【0008】
請求項
4に記載の行動喚起装置は、請求項
1又は3に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の消費エネルギーの程度を示す省エネ指標を算定し、当該算定した省エネ指標に基づいて
前記第1の行動喚起指標又は前記第2の行動喚起指標を算定する。
【0009】
請求項
5に記載の行動喚起装置は、請求項1から
4のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者の業務効率の程度を示す業務効率指標を算定し、当該算定した業務効率指標に基づいて
前記第1の行動喚起指標又は前記第2の行動喚起指標を算定する。
【0010】
請求項
6に記載の行動喚起装置は、請求項1から
5のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者の嗜好の合致の程度を示す嗜好指標を算定し、当該算定した嗜好指標に基づいて
前記第1の行動喚起指標又は前記第2の行動喚起指標を算定する。
【0011】
請求項
7に記載の行動喚起装置は、請求項1から
6のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、
前記対象者が現在の前記第1空間
に居る事の妥当性を示す第1の行動喚起指標を算定し、又は前記対象者が現在の前記第2空間に居る事の妥当性を示す第2の行動喚起指標を算定する。
【0012】
請求項
8に記載の行動喚起装置は、請求項1から
7のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、
前記対象者が現在より所定時間後
に前記第1空間に居る事の妥当性を示す第1の行動喚起指標を算定し、又は前記対象者が現在より所定時間後に前記第2空間に居る事の妥当性を示す第2の行動喚起指標を算定する。
【0013】
請求項
9に記載の行動喚起装置は、請求項1から
8のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記出力処理手段は、前記対象者に対して前記第2空間への移動を喚起するため、前記第1空間に設けられた環境制御手段に対する所定処理を行う。
【0014】
請求項
10に記載の行動喚起装置は、請求項
9に記載の行動喚起装置において、前記出力処理手段は、
前記第1空間に設けられた複数の前記環境制御手段のうち、前記第2空間に近い位置に配置された前記環境制御手段である程、温度、湿度、又は照度の少なくとも一つ
を、減少又は増大の一方となるように、前記環境制御手段に対する所定処理を行う。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の行動喚起装置によれば、対象者が第1空間から第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定され、この行動喚起指標に基づいて、対象者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起するための出力が第1空間において行われるので、第1空間に比べて好適な第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。このため、例えば、第1空間や第2空間の環境を対象者に合わせて特別に制御することなく、各空間のその時点の環境に応じて対象者の方を移動させることで、環境制御負荷が増大することを防止して従来よりも省エネルギー性を向上させつつ、対象者を好適な空間に移動させることでその知的生産性等を向上させることが可能になる。
【0016】
請求項3に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者にとっての快適性の程度を示す快適度指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて対象者にとって快適な第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0017】
請求項4に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の消費エネルギーの程度を示す省エネ指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて省エネルギー性の高い第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0018】
請求項5に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者の業務効率の程度を示す業務効率指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて業務効率の高い第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0019】
請求項6に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者の嗜好の合致の程度を示す嗜好指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて対象者の嗜好に合致した第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0020】
請求項7に記載の行動喚起装置によれば、対象者が現在の第1空間から現在の第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定されるので、現在の第1空間に比べて好適な現在の第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0021】
請求項8に記載の行動喚起装置によれば、対象者が所定時間後の第1空間から所定時間後の第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定されるので、所定時間後の第1空間に比べて好適な所定時間後の第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
【0022】
請求項9に記載の行動喚起装置によれば、対象者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起するため、第1空間に設けられた環境制御手段に対する所定処理が行われるので、第1空間の環境を通じて、対象者の第2空間への移動を自然に喚起することができる。なお、この場合には、第1空間の環境を制御することになるが、対象者の行動を喚起できる程度の制御を行えばよく、第1空間の環境を対象者に好適な環境とするための制御を行う必要まではないので、この場合であっても、従来に比べて省エネルギー性を向上させることが可能になる。
【0023】
請求項10に記載の行動喚起装置によれば、第2空間に近づくに伴って、温度、湿度、又は照度の少なくとも一つが、減少又は増大の一方となるように、環境制御手段に対する所定処理が行われるので、温度、湿度、又は照度の変化を通じて、対象者の第2空間への移動を自然に喚起することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る行動喚起装置の実施の形態を詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
この行動喚起装置は、所定の「第1空間」に居る対象者に対して、第1空間とは異なる複数の所定の「第2空間」の中の少なくとも1つの第2空間への移動を喚起するための装置である。
【0027】
ここで、「第1空間」と「第2空間」は、同一建屋内の空間であってもよく、あるいは、異なる建屋内の空間であってもよく、室内空間であるか室外空間であるかを問わない。以下では、これら第1空間と第2空間を相互に区別する必要がない場合には、単に「空間」と総称する。以下では代表例な例として、空間が、オフィスビルの空間である場合について説明する。より具体的には、オフィスビルの内部の「執務室」、「会議室」、「共有スペース」、及び「食堂」と、オフィスビルの外部の「テラス」が、「空間」である場合について説明する。これら各空間の中で、対象者が現在居る空間が「第1空間」であり、当該対象者に移動を喚起する先の空間が「第2空間」である。従って、物理的に同一の空間であっても、対象者との関係によって、「第1空間」になる場合や、「第2空間」になる場合がある。
【0028】
「対象者」とは、行動喚起を促す対象となる者であり、その具体的な属性は任意であるが、以下では代表例な例として、対象者がオフィスビルで執務する「執務者」である場合について説明する。
【0029】
この行動喚起装置は、「環境情報」に基づいて「行動喚起指標」を算定する。
「環境情報」とは、環境情報取得手段にて取得される情報であり、第1空間と第2空間の執務者に対する適性を評価する上での要因になる情報である。環境情報としては、例えば、温度、湿度、照度、空気清浄度、風速、風量、騒音、振動、匂いを挙げることができ、さらにこの他にも任意の環境情報を含めることができる。以下では、環境情報が、温度、湿度、あるいは照度である場合について説明する。なお、これら温度、湿度、照度を相互に区別する必要がない場合には、単に「環境」と総称する。
【0030】
「行動喚起指標」は、執務者が第1空間から第2空間へ移動することの妥当性の程度を示す指標である。本実施の形態においては、行動喚起指標として、執務者が第1空間に居ることの妥当性の程度を示す指標と、執務者が第2空間に居ることの妥当性の程度を示す指標とを算定し、後者が前者より大きい場合には、執務者が第1空間から第2空間へ移動することが妥当であると考える。この行動喚起指標の算定方法は任意であるが、本実施の形態では、行動喚起指標が、複数の指標から複合的に算定される。複数の指標とは、「快適度指標」、「省エネ指標」、「業務効率指標」、「嗜好指標」の4つである。「快適度指標」とは、空間における執務者にとっての快適性の程度を示す指標である。「省エネ指標」とは、空間における消費エネルギーの程度を示す指標である。「業務効率指標」とは、空間における執務者の業務効率の程度を示す指標である。「嗜好指標」とは、空間の環境に対する執務者の嗜好の合致の程度を示す指標である。
【0031】
この行動喚起装置は、「現在の行動喚起」と、「所定時間後の行動喚起」を行う。
「現在の行動喚起」とは、行動喚起の処理を実行した時点において執務者が居る第1空間(以下、現在の第1空間)から、当該時点における他の第2空間(以下、現在の第2空間)への移動を促すための処理である。
一方、「所定時間後の行動喚起」とは、行動喚起の処理を実行した時点から所定時間後の時点において執務者が居る予定である第1空間(以下、所定時間後の第1空間)から、当該所定時間後の時点である他の第2空間(以下、所定時間後の第2空間)への移動を促すための処理である。
【0032】
(構成−オフィスビル)
次に、本実施の形態に係る行動喚起システムを適用したオフィスビルの構成について説明する。
図1は、行動喚起システムを適用したオフィスビルを模式的に示す側面図である。この
図1に示すように、オフィスビル1は、2階建の建屋であって、1階と2階の各々には、2つの執務室、1つの会議室、1つのテラスが設けられており、1階には1つの共有スペース、2階には1つの食堂が設けられている。これら各空間のいずれにおいても、執務者が1人又は複数人で執務を行うことが可能であるものとする。また、共有スペースとは、例えば、フリーアドレススペースのように、複数の執務者が共有して執務を行うことが可能なスペースである。以下では、これら各部屋を相互に区別するため、「1階第1執務室」、「1階第2執務室」、「2階第1執務室」、「2階第2執務室」、「1階第1会議室」、「2階第1会議室」、「1階テラス」、「2階テラス」、「1階共有スペース」、「食堂」と称する。
【0033】
(構成−行動喚起システム)
このように構成されたオフィスビル1には、行動喚起システムが設けられている。
図2は、行動喚起システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。この
図2に示すように、行動喚起システム2は、行動喚起装置10、複数の執務端末20、複数の環境センサ30、及び、複数の環境制御機器40を備えて構成されている。行動喚起装置10に対しては、複数の執務端末20の各々、複数の環境センサ30の各々、及び、複数の環境制御機器40の各々が、ネットワーク50にて通信可能に接続されている。なお、これら各装置等については、
図1における図示を省略する。
【0034】
(構成−行動喚起装置)
行動喚起装置10は、所定の第1空間に居る対象者に対して、第1空間とは異なる複数の所定の第2空間の中の少なくとも1つの第2空間への移動を喚起するための行動喚起装置10であって、入出力インターフェース(以下、入出力IF)11、制御部12、及び記憶部13を備えて構成されている。具体的には、この行動喚起装置10は、例えば、公知のパーソナルコンピュータやコンピュータサーバとして構成されている。
【0035】
入出力IF11は、行動喚起装置10が実行する各種処理に必要な情報の入力を受け付ける入力手段であると共に、行動喚起装置10が実行する各種処理に必要な情報を出力する出力手段であり、具体的には、ネットワークボードとして構成されている。
【0036】
制御部12は、行動喚起装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。特に、本実施の形態に係る行動喚起プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され、当該記録媒体から行動喚起装置10にインストールされることで、制御部12の各部を実質的に構成する。
【0037】
この制御部12は、機能概念的に、執務者選択処理を行う執務者選択部12a、情報取得処理を行う情報取得部12b、指標算定処理を行う指標算定部12c、第2空間選択処理を行う第2空間選択部12d、及び行動喚起出力処理を行う行動喚起出力部12eを備える。特に、指標算定部12cは、環境センサ30にて取得された環境情報に基づいて、執務者が第1空間から第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標を算定する行動喚起指標算定手段である。また、行動喚起出力部12eは、指標算定部12cにて算定された行動喚起指標に基づいて、執務者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起するための出力を当該第1空間において行う出力処理手段である。これら各部の具体的な機能については、後述する。
【0038】
記憶部13は、行動喚起装置10の処理に必要な各種の情報を記憶する記憶手段であり、例えばハードディスクやその他の公知の記録媒体によって構成されるもので、執務者基本情報データベース(以下、データベースをDBと記載する)13a、空間基本情報DB13b、執務者嗜好情報DB13c、執務者所在予定情報DB13d、機器情報DB13e、環境情報DB13f、エネルギー情報DB13g、及び重み付け情報DB13hを記憶する。以下では、記憶部13の各DBの詳細について説明するが、各DBに格納される情報として以下で説明する情報は、あくまで例示であり、実際には、一部を省略することができ、他の情報を含めることができ、あるいは他の情報で置換することができる。
【0039】
執務者基本情報DB13aは、執務者に関する基本的な情報(以下、執務者基本情報)を格納する執務者基本情報格納手段である。この執務者基本情報は、
図3の構成例に示すように、項目「執務者ID」、項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、及び項目「職種」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「執務者ID」に対応する情報は、執務者を一意に識別するための執務者識別情報である。項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「職種」に対応する情報は、それぞれ、執務者の氏名、執務者の年齢、執務者の性別、執務者の職種である。
【0040】
空間基本情報DB13bは、空間に関する基本的な情報(以下、空間基本情報)を格納する空間基本情報格納手段である。この空間基本情報は、
図4の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「空間名」、及び項目「室内/室外」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、空間を一意に識別するための空間識別情報である。項目「空間名」に対応する情報は、空間の空間名である。項目「室内/室外」に対応する情報は、空間が室内空間であるのか室外空間であるのかを区別するための情報である。
【0041】
執務者嗜好情報DB13cは、執務者の環境の嗜好に関する情報(以下、執務者嗜好情報)を格納する執務者嗜好情報格納手段である。この執務者嗜好情報は、
図5の構成例に示すように、項目「執務者ID」、項目「温度」、項目「相対湿度」、項目「照度」、及び項目「室内/室外」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「執務者ID」に対応する情報と、項目「室内/室外」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「温度」、項目「相対湿度」、項目「照度」に対応する情報は、それぞれ、執務者が好む空間の温度、相対湿度、照度である。
【0042】
執務者所在予定情報DB13dは、執務者が所在する空間の予定に関する情報(以下、執務者所在予定情報)を格納する執務者所在予定情報格納手段である。この執務者所在予定情報は、
図6の構成例に示すように、項目「執務者ID」、項目「デフォルト空間ID」、及び項目「予定情報」を含み、項目「予定情報」は、項目「日時」、項目「空間ID」、及び項目「空間固定フラグ」を含んでおり、執務者所在予定情報は、これら各項目に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「執務者ID」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「デフォルト空間ID」に対応する情報は、項目「予定情報」に予定情報が入っていない場合における、各執務者が居る空間の空間IDである。項目「予定情報」に対応する情報は、執務者の予定情報であり、項目「日時」に対応する情報は、執務者のスケジュールの日時である。項目「空間ID」に対応する情報は、執務者のスケジュールの日時において執務者が居ると予定される空間の空間IDである。項目「空間固定フラグ」に対応する情報は、執務者が所在する空間を固定する(空間の移動を行わない)ことを示すフラグであり、例えば、空間固定フラグが立っていない場合には、執務者が所在する空間を固定しないことを示し、空間固定フラグが立っている場合には、執務者が所在する空間を固定することを示す。
【0043】
機器情報DB13eは、空間に設置された各機器に関する情報(以下、機器情報)を格納する機器情報格納手段である。この機器情報は、
図7の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「環境センサID」、及び項目「環境制御機器ID」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「環境センサID」に対応する情報は、環境センサ30を一意に識別するための環境センサ識別情報である。項目「環境制御機器ID」に対応する情報は、環境制御機器40を一意に識別するための環境制御機器識別情報である。
【0044】
環境情報DB13fは、各空間の環境の履歴に関する情報(以下、環境情報)を格納する環境情報格納手段である。この環境情報は、
図8の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「日時」、項目「温度」、項目「相対湿度」、及び項目「照度」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「日時」に対応する情報は、環境センサ30によって環境情報が取得された日時である。項目「温度」、項目「相対湿度」、及び項目「照度」に対応する情報は、それぞれ、環境センサ30によって取得された温度、相対湿度、照度である。
【0045】
エネルギー情報DB13gは、各空間で環境制御のために消費されているエネルギーに関する情報(以下、エネルギー情報)を格納するエネルギー情報格納手段である。このエネルギー情報は、
図9の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「日時」、項目「空調電力量」、及び項目「照明電力量」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「日時」に対応する情報は、エネルギー情報が取得された日時である。項目「空調電力量」に対応する情報は、空間において空調を行うために消費されている電力量である。項目「照明電力量」に対応する情報は、空間において照明を行うために消費されている電力量である。
【0046】
重み付け情報DB13hは、各指標の重み付けに関する情報(以下、重み付け情報)を格納する重み付け情報格納手段である。この重み付け情報は、
図10の構成例に示すように、項目「指標」及び項目「重み付け係数」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「指標」に対応する情報は、行動喚起装置10で算定される指標の名称である。項目「重み付け係数」に対応する情報は、行動喚起装置10で算定される指標に対する重み付けを行うための係数であり、本実施の形態では、これら係数の合計値が1になるように設定されている。
【0047】
例えば、これら各DBの情報のうち、執務者基本情報、空間基本情報、機器情報、及び重み付け情報は、行動喚起装置10の管理者等によって、任意の端末装置からネットワーク50を介して各DBに格納される。執務者嗜好情報及び執務者所在予定情報は、各執務者によって、執務端末20からネットワーク50を介して各DBに格納される。また、執務端末20で動作する公知のスケジュール管理プログラムに対して執務者がスケジュールを入力した場合に、当該入力データから執務者所在予定情報を抽出してもよい。環境情報は、環境センサ30によって定期的に検出された情報がネットワーク50を介して環境情報DB13fに格納される。エネルギー情報は、環境制御機器40の制御状態に基づいて公知の方法により自動的に算定された情報がネットワーク50を介してエネルギー情報DB13gに格納される。
【0048】
(構成−執務端末)
複数の執務端末20の各々は、各執務者が主として執務に使用する端末であって、執務室に配置された図示しない複数の執務机の各々に配置されている。この執務端末20は、公知のパーソナルコンピュータ、携帯電話、あるいはスマートフォン等によって構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0049】
(構成−環境センサ)
複数の環境センサ30の各々は、各空間の環境データを検知する環境情報取得手段であり、各空間に配置されている。これら複数の環境センサ30は、公知の温度センサ、公知の湿度センサ、あるいは、公知の照度センサによって構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0050】
(構成−環境制御機器)
複数の環境制御機器40の各々は、各空間の環境を制御するための環境制御手段であり、各空間に配置されている。これら複数の環境制御機器40は、公知の空調機器、あるいは、公知の照明機器によって構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0051】
(構成−ネットワーク)
ネットワーク50は、行動喚起装置10に対して、複数の執務端末20の各々、複数の環境センサ30の各々、及び、複数の環境制御機器40の各々を、通信可能に接続する接続手段である。このネットワーク50は、
図2では図示の便宜上、一つのネットワークとして示しているが、実際には異なる複数のネットワークとして構成することができる。例えば、ネットワーク50は、公知のインターネット、LAN、あるいは、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)の如き各種の通信規格に基づいて通信を行う通信線路として構成されている。
【0052】
(処理)
次に、このように構成された行動喚起システム2によって実行される行動喚起処理について説明する。
図11は、行動喚起処理のフローチャートである。以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この行動喚起処理は、行動喚起装置10に対する電源投入後の任意のタイミングで開始される。
【0053】
行動喚起処理が開始されると、制御部12は、執務者の行動喚起を行うための所定タイミングの到来を監視する(SA1)。この所定タイミングとしては、例えば、執務者の知的生産性が低下していることが想定されるタイミング(所定時間連続勤務後や昼食後)や、空間の環境が大きく変動したことが想定されるタイミング(急激な天候の変動時)が設定される。
【0054】
(処理−執務者選択処理)
所定タイミングが到来した場合(SA1、Yes)、制御部12は、執務者選択部12aによる執務者選択処理を起動する(SA2)。
図12は、執務者選択処理のフローチャートである。執務者選択部12aは、行動喚起の候補とする全ての執務者の執務者IDを執務者基本情報DB13aから取得する(SB1)。行動喚起の候補とする執務者は、具体的には、全ての執務者であってもよく、特定の属性の執務者であってもよく、あるいは、行動喚起を執務端末20を介して行動喚起装置10に要求してきた執務者であってもよい。
【0055】
次いで、執務者選択部12aは、行動喚起の候補とする全ての執務者の各々に関して、各執務者の第1空間を特定する(SB2)。具体的には、SB1で取得した各執務者IDに基づいて執務者所在予定情報DB13dを参照することにより、各執務者IDに対応する空間IDの中から、現在の日時に対応する空間IDを取得する。空間IDが存在しない場合には、各執務者IDに対応するデフォルトの空間IDを取得する。
【0056】
その後、執務者選択部12aは、行動喚起の候補とする全ての執務者の各々に関して、各執務者の第1空間が固定されているか否かを判定する(SB3)。具体的には、SB3で取得した空間IDに基づいて執務者所在予定情報DB13dを参照することにより、当該空間IDに対応する空間固定フラグが立っているか否かを判定し、立っていない場合には第1空間が固定されていないものと判定し、立っている場合には第1空間が固定されているものと判定する。
【0057】
そして、執務者選択部12aは、各執務者の第1空間が固定されている場合には(SB3、Yes)、当該執務者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起することはできないとし、当該執務者を、行動喚起の候補とする執務者から除外する(SB4)。これにて執務者選択処理を終了し、
図11の行動喚起処理に戻る。
【0058】
(処理−情報取得処理)
次いで、
図11の行動喚起処理において、制御部12は、執務者選択部12aによって最終的に選択された執務者が1人も残っていない場合には、以降の処理を行うことなく、行動喚起処理を終了する。一方、執務者選択部12aによって最終的に選択された執務者が1人以上存在する場合には、当該執務者を対象として、情報取得部12bによる情報取得処理を起動する(SA3)。
【0059】
図13は、情報取得処理のフローチャートである。この処理では、概略的に、執務者選択部12aによって最終的に選択された全ての執務者の各々に関して、第1空間の環境情報と第2空間の環境情報を取得する。第2空間としては、各執務者に関して、当該各執務者の第1空間以外の全ての空間を第2空間とする。また、環境情報としては、現在の環境情報と、現在から所定時間後の環境情報とを取得する。所定時間としては、例えば、1時間後が設定される(以下の各処理における所定時間も同様)。
【0060】
すなわち、情報取得部12bは、各執務者の現在の第1空間の環境情報を取得する(SC1)。具体的には、
図12の執務者選択処理のSB2で各執務者に関して取得された空間IDに基づいて空間基本情報DB13bを参照することにより、当該空間IDに対応する環境センサIDを取得し、当該取得した環境センサIDによって特定される環境センサ30からの出力を取得する。
【0061】
次いで、情報取得部12bは、各執務者の現在の第2空間の環境情報を取得する(SC2)。具体的には、
図12の執務者選択処理のSB2で各執務者に関して取得された空間ID以外の全ての空間IDに基づいて空間基本情報DB13bを参照することにより、当該空間IDに対応する環境センサIDを取得し、当該取得した環境センサIDによって特定される環境センサ30からの出力を取得する。
【0062】
次いで、情報取得部12bは、各執務者の所定時間経過後の第1空間の環境情報を取得する(SC3)。例えば、各空間の環境センサ30からの出力を所定間隔で定期的に環境情報DB13fに蓄積しておき、当該蓄積された出力から各空間の環境変化傾向を公知の方法で特定し、当該特定した環境変化傾向と、SC1で取得した第1空間の環境情報とに基づいて、所定時間経過後の環境情報を特定する。あるいは、テラスの如き屋外の空間に関しては、天気予報情報を公知の方法で取得し、当該天気予報情報に基づいて、所定時間経過後の環境情報を特定してもよい。
【0063】
次いで、各執務者の所定時間経過後の第2空間の環境情報を取得する(SC4)。例えば、各空間の環境センサ30からの出力を所定間隔で定期的に環境情報DB13fに蓄積しておき、当該蓄積された出力から各空間の環境変化傾向を公知の方法で特定し、当該特定した環境変化傾向と、SC2で取得した第2空間の環境情報とに基づいて、所定時間経過後の環境情報を特定する。あるいは、テラスの如き屋外の空間に関しては、天気予報情報を公知の方法で取得し、当該天気予報情報に基づいて、所定時間経過後の環境情報を特定してもよい。これにて情報取得処理を終了し、
図11の行動喚起処理に戻る。
【0064】
(処理−指標算定処理)
次いで、
図11の行動喚起処理において、制御部12は、指標算定部12cによる指標算定処理を起動する(SA4)。
図14は、指標算定処理のフローチャートである。この処理では、概略的には、快適度指標(SD1、SD2)、省エネ指標(SD3、SD4)、業務効率指標(SD5、SD6)、及び嗜好指標(SD7、SD8)をそれぞれ算定した後、これら各指標と所定の重み付け係数とに基づいて行動喚起指標を算定する(SD9、SD10)。各指標の算定は、執務者選択部12aによって最終的に選択された全ての執務者の各々に関して行う。また、各指標の算定は、現在の第1空間と、現在の第2空間と、所定時間後の第1空間と、所定時間後の第2空間に関して行う。第1空間は、
図12の執務者選択処理のSB2で各執務者に関して取得された空間IDに基づいて特定する。第2空間は、各執務者の第1空間以外の全ての空間の各々とし、
図12の執務者選択処理のSB2で各執務者に関して取得された空間ID以外の全ての空間IDに基づいて特定する。各指標は、相互に共通の所定の数値範囲(本実施の形態では、0から10までの整数値であり、数値が大きい程、指標の程度が良いことを示すものとする)で算定するものとする。
【0065】
まず、指標算定部12cは、現在の第1空間の快適度指標を算定する(SD1)。具体的には、指標算定部12cは、快適度指標として、現在の第1空間のPMV(Predicted Mean Vote)を算定する。PMVの算定式は、PMV=(0.303e−0.036M+0.028)×(M−W−Ed−Es−Ere−Cre−R−C)であり、M:代謝量(W/m
2)、Ere:呼吸による潜熱損失量(W/m
2)、W:機械的仕事量(W/m
2)、Cre:呼吸による顕熱損失量(W/m
2)、Ed:不感蒸泄量(w/m
2)、R:放射熱損失量(W/m
2)、Es:皮膚面よりの蒸発熱損失量(w/m
2)、C:対流熱損失量(W/m
2)である。これら各パラメータを正確に測定するためには多数の環境センサ30が必要になるため、本実施の形態では、記憶部13に、温度及び相対湿度と各パラメータとの関係データを予め記憶させておく。また、記憶部13に、温度及び相対湿度に直接的に起因しないパラメータについては固定値を記憶させておく。そして、環境センサ30により測定した第1空間の温度と相対湿度と、記憶部13に記憶させたこれらの関係データ及び固定値とに基づいて、PMVを算定する。なお、PMVは、通常は−3から+3までの値として算定されるが、本実施の形態では上述のように0から10までの整数値として指標を算定することとしているので、−3から+3までの値を、0から10までの整数値に変換する。例えば、PMVの中立値0を指標=10とした上で、PMVの−3と+3を指標=0、PMVの−2と+2を指標=3、PMVの−1と+1を指標=6とする等、PMVが中立値に近い程、快適度指標が大きくなるように変換する。また、指標算定部12cは、同様に、現在の各第2空間の快適度指標を算定する(SD1)。
【0066】
また、指標算定部12cは、所定時間後の第1空間の快適度指標を算定する(SD2)。具体的には、指標算定部12cは、快適度指標として、所定時間後の第1空間のPMVを算定する。このため、記憶部13には、日時と天気予報との組み合わせに対する温度及び相対湿度の変化傾向データを予め記憶させておく。そして、指標算定部12cは、環境センサ30により測定した現在の第1空間の温度と相対湿度と、記憶部13に記憶させた変化傾向データと、公知の方法によりネットワーク50経由で取得した現在の日時及び天気予報データとに基づいて、所定時間後の温度と相対湿度を予測値として算定する。そして、これら所定時間後の温度と相対湿度に基づいて、SD1と同様に、PMVを算定する。また、指標算定部12cは、同様に、所定時間後の各第2空間の快適度指標を算定する(SD2)。
【0067】
次いで、指標算定部12cは、現在の第1空間の省エネ指標を算定する(SD3)。具体的には、指標算定部12cは、省エネ指標として、現在の第1空間の執務者1人当たりの消費電力量を算定する。このため、指標算定部12cは、執務者所在予定情報DB13dを参照し、現在の第1空間に居る執務者の合計数を算定する。また、指標算定部12cは、エネルギー情報DB13gを参照し、現在の第1空間の空調電力量と照明電力量の合計を算定する。そして、空調電力量と照明電力量の合計を執務者の合計数で除算することにより、現在の第1空間の執務者1人当たりの消費電力量を算定する。なお、本実施の形態では上述のように0から10までの整数値として指標を算定することとしているので、執務者1人当たりの消費電力量を、0から10までの整数値に変換する。例えば、執務者1人当たりの消費電力量が0.1kwh未満である場合には指標=10とし、執務者1人当たりの消費電力量が0.1kwh以上〜0.2kwh未満である場合には指標=9とする等、執務者1人当たりの消費電力量が少ない程、省エネ指標が大きくなるように、所定の基準に基づいて変換する。また、指標算定部12cは、同様に、現在の各第2空間の省エネ指標を算定する(SD3)。
【0068】
また、指標算定部12cは、所定時間後の第1空間の省エネ指標を算定する(SD4)。具体的には、指標算定部12cは、省エネ指標として、所定時間後の第1空間の執務者1人当たりの消費電力量を算定する。このため、指標算定部12cは、執務者所在予定情報DB13dを参照し、所定時間後の第1空間に居る執務者の合計数を算定する。また、記憶部13には、日時と天気予報との組み合わせに対する各空間の空調電力量と照明電力量の変化傾向を、執務者の合計数毎に予め記憶させておく。そして、指標算定部12cは、算定した所定時間後の第1空間に居る執務者の合計数と、記憶部13に記憶させた変化傾向データと、公知の方法によりネットワーク50経由で取得した現在の日時及び天気予報データとに基づいて、所定時間後の第1空間の空調電力量と照明電力量を予測値として算定する。そして、これら所定時間後の空調電力量と照明電力量と、算定した所定時間後の第1空間に居る執務者の合計数とに基づいて、所定時間後の第1空間の執務者1人当たりの消費電力量を算定する。また、指標算定部12cは、同様に、所定時間後の各第2空間の省エネ指標を算定する(SD4)。
【0069】
次いで、指標算定部12cは、現在の第1空間の業務効率指標を算定する(SD5)。具体的には、記憶部13には、執務者の年齢、性別、及び職種と、温度及び相対湿度とに対応させて、業務効率指標を予め記憶させておく。そして、指標算定部12cは、執務者基本情報DB13aから取得した年齢、性別、及び職種と、環境センサ30で測定された現在の第1空間の温度及び相対湿度とに基づいて、これらに対応する業務効率指標を取得する。ここでは、業務効率が高い程、業務効率指標が大きくなるように変換する。また、指標算定部12cは、同様に、現在の各第2空間の業務効率指標を算定する(SD5)。
【0070】
また、指標算定部12cは、所定時間後の第1空間の業務効率指標を算定する(SD6)。具体的には、記憶部13には、執務者の年齢、性別、及び職種と、温度及び相対湿度とに基づく、業務効率指標の変化傾向のデータを予め記憶させておく。そして、指標算定部12cは、執務者基本情報DB13aから取得した年齢、性別、及び職種と、環境センサ30で測定された現在の第1空間の温度及び相対湿度と、記憶部13に記憶された変化傾向のデータと、公知の方法によりネットワーク50経由で取得した現在の日時及び天気予報データとに基づいて、所定時間後の第1空間の業務効率指標を特定する。また、指標算定部12cは、同様に、所定時間後の各第2空間の業務効率指標を算定する(SD6)。
【0071】
次いで、指標算定部12cは、現在の第1空間の嗜好指標を算定する(SD7)。具体的には、指標算定部12cは、執務者嗜好情報DB13cを参照して、各執務者が好む温度、相対湿度、照度、及び室内と室外の区別を取得すると共に、空間基本情報DB13bを参照して、第1空間の室内と室外の区別を取得する。また、指標算定部12cは、環境センサ30で測定された現在の第1空間の温度、相対湿度、及び照度を取得する。そして、指標算定部12cは、各執務者が好む温度、相対湿度、照度、及び室内と室外の区別と、上記取得した第1空間の温度、相対湿度、照度、及び室内と室外の区別との一致度を算定し、この一致度に基づいて嗜好指標を算定する。例えば、温度、相対湿度、又は照度に関しては、各執務者の好みと環境センサ30で測定された値が完全に一致している場合には一致度=10とし、相互の差異が各執務者の好みに対して5%以内である場合には一致度=9とし、以降、差異が大きくなるに伴って一致度が小さくなるように算定する。また、室内と室外の区別に関しては、各執務者の好みと第1空間の属性が一致している場合には一致度=10とし、一致していない場合には=5とする。このように、第1空間の環境が執務者の嗜好に一致している程、嗜好指標が大きくなるように変換する。そして、これら温度、相対湿度、照度、及び室内と室外の区別の一致度の平均値を算定し、当該平均値を最終的な嗜好指標とする。また、指標算定部12cは、同様に、現在の各第2空間の嗜好指標を算定する(SD7)。
【0072】
また、指標算定部12cは、所定時間後の第1空間の嗜好指標を算定する(SD8)。具体的には、記憶部13には、日時と天気予報との組み合わせに対する各空間の温度、相対湿度、及び照度の変化傾向を予め記憶させておく。そして、指標算定部12cは、環境センサ30で測定された現在の第1空間の温度、相対湿度、及び照度と、記憶部13に記憶させた変化傾向データと、公知の方法によりネットワーク50経由で取得した現在の日時及び天気予報データとに基づいて、所定時間後の第1空間の温度、相対湿度、及び照度を予測値として算定する。そして、これら所定時間後の第1空間の温度、相対湿度、及び照度と、執務者嗜好情報DB13cから取得した各執務者が好む温度、相対湿度、照度、及び室内と室外の区別と、空間基本情報DB13bから取得した第1空間の室内と室外の区別とに基づいて、SD7と同様に、現在の第1空間の嗜好指標を算定する。また、指標算定部12cは、同様に、所定時間後の各第2空間の嗜好指標を算定する(SD8)。
【0073】
次いで、指標算定部12cは、現在の第1空間に関して、これまでに算定した快適度指標、省エネ指標、業務効率指標、及び嗜好指標と、所定の重み付け係数とに基づいて、現在の第1空間の行動喚起指標を算定する(SD9)。具体的には、指標算定部12cは、重み付け係数情報DBから重み付け係数情報を取得し、現在の各指標に対して、当該現在の各指標対応する重み付け係数を乗算し、この乗算結果を合計することで、行動喚起指標を算定する。例えば、
図9の例の場合において、現在の第1空間に関して、快適度指標=5、省エネ指標=9、業務効率指標=6、嗜好指標=7である場合、現在の第1空間の行動喚起指標=5×0.2+9×0.5+6×0.4+7×0.1=8.6となる。また、指標算定部12cは、同様に、所定時間後の第1空間に関して、これまでに算定した快適度指標、省エネ指標、業務効率指標、及び嗜好指標と、所定の重み付け係数とに基づいて、所定時間後の第1空間の行動喚起指標を算定する(SD9)。同様に、指標算定部12cは、各第2空間に関しても、現在の第2空間の行動喚起指標と、所定時間後の第2空間の行動喚起指標を算定する(SD10)。これにて指標算定処理を終了し、
図11の行動喚起処理に戻る。
【0074】
(処理−第2空間選択処理)
次いで、
図11の行動喚起処理において、制御部12は、指標算定処理によって算定された行動喚起指標に基づいて、第2空間選択部12dによる第2空間選択処理を起動する(SA5)。この処理では、概略的には、指標算定処理によって算定された行動喚起指標に基づいて、執務者に対して移動することを喚起する第2空間を選択する。第2空間の選択は、執務者選択部12aによって最終的に選択された全ての執務者の各々に関して行う。また、第2空間としては、現在の第2空間と所定時間後の第2空間とを選択する。
【0075】
図15は、第2空間選択処理のフローチャートである。第2空間選択部12dは、指標算定処理によって算定された現在の第2空間の行動喚起指標から現在の第1空間の行動喚起指標を減算し(SE1)、減算結果がマイナスになった第2空間がある場合には、当該第2空間に執務者が移動することは行動喚起指標の観点から却ってマイナスになるものとして、当該第2空間を選択対象候補から除外する(SE2)。次いで、減算結果がプラスになった第2空間を、減算結果の多い順にソートし、ソート後の上位から所定数(本実施の形態では2つ)の第2空間を、最終的に執務者に行動喚起する現在の第2空間として決定する(SE3)。なお、減算結果がプラスになった第2空間が一つもない場合には、執務者に行動喚起できる第2空間が存在しないものとして、第2空間選択処理及び行動喚起処理を終了する。また、減算結果がプラスになった第2空間が所定数に満たない場合には、減算結果がプラスになった第2空間の全てを、最終的に執務者に行動喚起する第2空間として決定する。
【0076】
また、同様に、第2空間選択部12dは、指標算定処理によって算定された所定時間後の第2空間の行動喚起指標から所定時間後の第1空間の行動喚起指標を減算し(SE4)、この減算結果に基づいて、減算結果がマイナスになった第2空間を選択対象候補から除外する(SE5)。次いで、減算結果がプラスになった第2空間を、減算結果の多い順にソートし、ソート後の上位から所定数(本実施の形態では2つ)の第2空間を、最終的に執務者に行動喚起する所定時間後の第2空間として決定する(SE6)。これにて第2空間選択処理を終了し、
図11の行動喚起処理に戻る。
【0077】
(処理−行動喚起出力処理)
次いで、
図11の行動喚起処理において、制御部12は、第2空間選択処理によって選択された現在の第2空間と所定時間後の第2空間とに基づいて、行動喚起出力部12eによる行動喚起出力処理を起動する(SA6)。この処理では、概略的には、第2空間選択処理によって選択された現在の第2空間と所定時間後の第2空間とに対して、移動することを執務者に喚起する。この喚起は、執務者選択部12aによって最終的に選択された全ての執務者の各々に関して行う。
【0078】
図16は、行動喚起出力処理のフローチャートである。行動喚起出力部12eは、現在の第1空間及び所定時間後の第1空間と、第2空間選択処理によって選択された現在の第2空間及び所定時間後の第2空間に関して、その空間名を空間基本情報DB13bから取得し(SF1)、この空間名を含んだ所定フォーマットの行動喚起画面のデータを生成し、当該生成した行動喚起画面のデータを各執務者の執務端末20にネットワーク50を介して送信する(SF2)。この結果、執務端末20のモニタには、行動喚起画面が表示される。
図17には、行動喚起画面21の表示例を示す。この行動喚起画面21には、現在の行動喚起に関する情報表示領域21aに、現在の第1空間の空間名、現在の第1空間の行動喚起指標、所定数の現在の第2空間の空間名、及び所定数の現在の第2空間の行動喚起指標が表示されている。また、この行動喚起画面には、所定時間後の行動喚起に関する情報表示領域21bに、所定時間後の第1空間の空間名、所定時間後の第1空間の行動喚起指標、所定数の所定時間後の第2空間の空間名、及び所定数の所定時間後の第2空間の行動喚起指標が表示されている。従って、これらの情報を参照することで、各執務者は、現在移動すべき第2空間や、所定時間後に移動すべき第2空間を容易かつ正確に把握した上で、これら第2空間に自ら移動することができる。
【0079】
また、行動喚起出力部12eは、
図16に示すように、現在の第1空間から現在の第2空間への移動を執務者に促すように、当該現在の第1空間における環境制御機器40を制御する(SF3)。具体的には、行動喚起出力部12eは、現在の第1空間の空間IDに対応する環境制御機器IDを空間基本情報DB13bから取得し、当該取得した環境制御機器IDと各環境制御機器40に対する制御内容を示す制御情報とを含む制御信号を生成し、当該生成した制御信号をネットワーク50を介して環境制御機器40に送信する。各環境制御機器40は、ネットワーク50を介して制御信号を受信すると、当該制御信号に含まれる環境制御機器IDが自己に予め登録されている環境制御機器IDに合致するか否かを判定し、合致する場合には、当該制御信号に含まれる制御情報に基づいて動作する。
【0080】
この環境制御を行う際、行動喚起出力部12eは、現在の第1空間から現在の第2空間に執務者を自然に向かわせるように制御を行う。具体的には、現在の第1空間の温度、相対湿度、及び照度の少なくとも一つを、現在の第2空間に近づくに伴って執務者の嗜好に合致した値になるように制御する。このため、行動喚起出力部12eは、執務者嗜好情報DB13cから執務者の好みの温度、相対湿度、及び照度を取得し、現在の第1空間に配置されている環境制御機器40の中で、現在の第2空間に最も近い位置に配置されている環境制御機器40を、当該取得した温度、相対湿度、及び照度となるように制御する。また、現在の第1空間に配置されている環境制御機器40の中で、現在の第2空間に最も近い位置から2番目の位置に配置されている環境制御機器40を、当該取得した温度、相対湿度、及び照度に対して、所定数値だけ離れた温度、相対湿度、及び照度となるように制御する。以降同様に、現在の第1空間に配置されている環境制御機器40の中で、現在の第2空間に最も近い位置から離れた位置に配置される程、執務者の好みの温度、相対湿度、及び照度から離れた環境になるように制御する。つまり、第2空間に近づくに伴って、温度、湿度、又は照度の少なくとも一つが、減少又は増大の一方となるように制御する。さらに、風向きについては、現在の第1空間から現在の第2空間に向かう向きになるように、環境制御機器40を制御する。この結果、
図17の行動喚起画面に表示された情報を見ていない場合であっても、執務者が自然に現在の第2空間に向かうように、執務者の行動を喚起することが可能になる。これにて行動喚起出力処理を終了し、
図11の行動喚起処理を終了する。
【0081】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0082】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0083】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、行動喚起装置10の機能の一部を執務端末20に持たせたり、行動喚起装置10を複数のサーバにより分散して構成したりしてもよい。
【0084】
(現在と所定時間後について)
現在の第2空間と所定時間後の第2空間への行動喚起を行うものとして説明したが、いずれか一方を省略してもよく、あるいは、所定時間後の第2空間としては、1時間後の第2空間と2時間後の第2空間というように、複数の異なる所定時間後の第2空間への行動喚起を行うようにしてもよい。
【0085】
(行動喚起指標について)
行動喚起指標は、快適度指標、省エネ指標、業務効率指標、嗜好指標の4つの指標から複合的に算定されるものとして説明したが、いずれかの指標を省略したり、他の指標を含めて算定したりしてもよい。また、行動喚起指標は、これら4つの指標と重み付け係数とに基づいて算定されるものとして説明したが、4つの指標の最大値や最小値を行動喚起指標としたり、重み付け係数をその都度の対象者の目的等に応じて対象者等が任意の設定できるようにしたりしてもよい。
【0086】
(快適度指標について)
快適度指標は、PMVを用いて算定するものとして説明したが、PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)等のその他の任意の指標を用いてもよい。また、PMVを用いる場合であっても、多数の環境センサ30を設置することができる場合には、多数の環境センサ30により測定した値に基づいてPMVを直接的に算定してもよい。あるいは、PMVの公知の代替式に基づいて算定を行ってもよい。
【0087】
(省エネ指標について)
省エネ指標は、空間の空調電力量と照明電力量を用いて算定するものとして説明したが、環境センサ30により計測した各空間の温度や照度等に基づいて、当該各空間における消費エネルギー量を推定し、当該推定した消費エネルギー量を用いて算定してもよい。
【0088】
(業務効率指標について)
業務効率指標は、執務者の年齢等を用いて算定するものとして説明したが、各空間に居る執務者に現在の業務効率を数値入力させることで、各空間の業務効率指標を算定してもよい。
【0089】
(嗜好指標について)
嗜好指標は、各執務者が好む温度等を用いて算定するものとして説明したが、各執務者がこれまでに各空間を使用した履歴を記憶部13に記憶させておき、この履歴情報に基づいて、各執務者の各空間に対する嗜好度合を算定し、この嗜好度合に基づいて嗜好指標を算定してもよい。
【0090】
(環境制御機器について)
環境制御機器としては、上述した機器以外にも、様々な機器を用いることができ、例えば、ブラインド、換気扇、匂い放出器等を使用することができる。
(付記)
付記1の行動喚起装置は、所定の第1空間に居る対象者に対して、前記第1空間とは異なる複数の所定の第2空間の中の少なくとも1つの第2空間への移動を喚起するための行動喚起装置であって、前記第2空間の環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境情報取得手段にて取得された環境情報に基づいて、前記対象者が前記第1空間から前記第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標を算定する行動喚起指標算定手段と、前記行動喚起指標算定手段にて算定された行動喚起指標に基づいて、前記対象者に対して前記第1空間から前記第2空間への移動を喚起するための出力を当該第1空間において行う出力処理手段を備える。
付記2の行動喚起装置は、付記1に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者にとっての快適性の程度を示す快適度指標を算定し、当該算定した快適度指標に基づいて前記行動喚起指標を算定する。
付記3の行動喚起装置は、付記1又は2に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の消費エネルギーの程度を示す省エネ指標を算定し、当該算定した省エネ指標に基づいて前記行動喚起指標を算定する。
付記4の行動喚起装置は、付記1から3のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者の業務効率の程度を示す業務効率指標を算定し、当該算定した業務効率指標に基づいて前記行動喚起指標を算定する。
付記5の行動喚起装置は、付記1から4のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、前記第1空間と比較した前記第2空間の対象者の嗜好の合致の程度を示す嗜好指標を算定し、当該算定した嗜好指標に基づいて前記行動喚起指標を算定する。
付記6の行動喚起装置は、付記1から5のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、対象者が現在の前記第1空間から現在の前記第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標を算定する。
付記7の行動喚起装置は、付記1から6のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記行動喚起指標算定手段は、対象者が現在より所定時間後の前記第1空間から当該所定時間後の前記第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標を算定する。
付記8の行動喚起装置は、付記1から7のいずれか一項に記載の行動喚起装置において、前記出力処理手段は、前記対象者に対して前記第2空間への移動を喚起するため、前記第1空間に設けられた環境制御手段に対する所定処理を行う。
付記9の行動喚起装置は、付記8に記載の行動喚起装置において、前記出力処理手段は、前記第2空間に近づくに伴って、温度、湿度、又は照度の少なくとも一つが、減少又は増大の一方となるように、前記環境制御手段に対する所定処理を行う。
(付記の効果)
付記1に記載の行動喚起装置によれば、対象者が第1空間から第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定され、この行動喚起指標に基づいて、対象者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起するための出力が第1空間において行われるので、第1空間に比べて好適な第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。このため、例えば、第1空間や第2空間の環境を対象者に合わせて特別に制御することなく、各空間のその時点の環境に応じて対象者の方を移動させることで、環境制御負荷が増大することを防止して従来よりも省エネルギー性を向上させつつ、対象者を好適な空間に移動させることでその知的生産性等を向上させることが可能になる。
付記2に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者にとっての快適性の程度を示す快適度指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて対象者にとって快適な第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記3に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の消費エネルギーの程度を示す省エネ指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて省エネルギー性の高い第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記4に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者の業務効率の程度を示す業務効率指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて業務効率の高い第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記5に記載の行動喚起装置によれば、第1空間と比較した第2空間の対象者の嗜好の合致の程度を示す嗜好指標に基づいて行動喚起指標が算定されるので、第1空間に比べて対象者の嗜好に合致した第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記6に記載の行動喚起装置によれば、対象者が現在の第1空間から現在の第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定されるので、現在の第1空間に比べて好適な現在の第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記7に記載の行動喚起装置によれば、対象者が所定時間後の第1空間から所定時間後の第2空間へ移動することの適否を示す行動喚起指標が算定されるので、所定時間後の第1空間に比べて好適な所定時間後の第2空間に移動することを対象者に喚起することができる。
付記8に記載の行動喚起装置によれば、対象者に対して第1空間から第2空間への移動を喚起するため、第1空間に設けられた環境制御手段に対する所定処理が行われるので、第1空間の環境を通じて、対象者の第2空間への移動を自然に喚起することができる。なお、この場合には、第1空間の環境を制御することになるが、対象者の行動を喚起できる程度の制御を行えばよく、第1空間の環境を対象者に好適な環境とするための制御を行う必要まではないので、この場合であっても、従来に比べて省エネルギー性を向上させることが可能になる。
付記9に記載の行動喚起装置によれば、第2空間に近づくに伴って、温度、湿度、又は照度の少なくとも一つが、減少又は増大の一方となるように、環境制御手段に対する所定処理が行われるので、温度、湿度、又は照度の変化を通じて、対象者の第2空間への移動を自然に喚起することができる。