特許第5778498号(P5778498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アスモ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000002
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000003
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000004
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000005
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000006
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000007
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000008
  • 特許5778498-ステータ及びモータ 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778498
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】ステータ及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/16 20060101AFI20150827BHJP
   H02K 3/04 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   H02K1/16 C
   H02K3/04 E
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-137365(P2011-137365)
(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公開番号】特開2013-5683(P2013-5683A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】金原 良将
(72)【発明者】
【氏名】西尾 昇泰
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴宏
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−041795(JP,A)
【文献】 特開2010−259207(JP,A)
【文献】 特開2006−340409(JP,A)
【文献】 特開2004−159460(JP,A)
【文献】 特開2010−246233(JP,A)
【文献】 特開平03−155358(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第00384539(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/16
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状部と該環状部から径方向に延びる複数のティースとを有する電機子コアと、
前記ティース間のスロットに軸方向に貫通するように設けられる複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線と
を備えたステータであって、
前記ティースは、前記スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部を有するとともに、該ティースの基端部に、径方向と直交する方向の厚さが基端側に向かうほど大きくなる拡幅部を有
前記セグメント導体は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、周方向位置の異なる前記スロットを貫通するとともに前記スロット内において径方向の内側と外側に配置される2本の直線部とそれら直線部を繋ぐ連結部とを有する略U字状に形成されたものであり、
前記スロット内には、前記セグメント導体の直線部が径方向に4つ並んで配置されるものであって、
前記拡幅部は、径方向内側から3つ目と4つ目の前記直線部と対応した位置に形成されるとともに、前記スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向に一定とするように形成されたことを特徴とするステータ。
【請求項2】
請求項1に記載のステータにおいて、
前記セグメント導体は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、周方向位置の異なる前記スロットを貫通するとともに前記スロット内において異なる径方向位置に配置される2本の直線部とそれら直線部を繋ぐ連結部とを有する略U字状に形成されたものであり、
前記直線部は、断面積が前記線材と同一のまま前記幅調整部に沿った形状に成形されたことを特徴とするステータ。
【請求項3】
請求項2に記載のステータにおいて、
前記線材は、円形線材であることを特徴とするステータ。
【請求項4】
請求項2に記載のステータにおいて、
前記線材は、角形線材であることを特徴とするステータ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のステータにおいて、
前記直線部は、周方向両端部が前記幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されたことを特徴とするステータ。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のステータにおいて、
前記直線部は、周方向両端部が前記幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部の少なくとも一方が径方向と直交する方向に対して傾斜した形状に成形されたことを特徴とするステータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のステータにおいて、
前記幅調整部は、前記ティースの径方向と直交する方向の厚さが径方向に一定となるように形成されたことを特徴とするステータ。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のステータと、
コンシクエントポール型のロータと
を備えたことを特徴とするモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント巻線を備えたステータ及びモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータとしては、複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線(セグメントコンダクタ(SC)巻線)を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このステータのティースは、スロットの(径方向と直交する方向の)幅が径方向に一定となるように形成され、該スロットには断面矩形のセグメント導体の直線部が径方向に複数並設されて設けられる。このようなステータでは、スロットにセグメント導体(直線部)が整然と並設され高占積率となることで、高効率のモータを得ることができることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−98788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなステータでは、軸方向から見てティースの径方向と直交する方向の厚さが径方向外側ほど大きくなるため、ティースの径方向における磁気抵抗の差が大きくなってしまうという問題がある。このことは、ティースの径方向内側では磁気抵抗(磁束密度)が過大となることでロータのスムーズな回転が阻害されるといった問題を発生させる原因となる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、セグメント巻線を備えたステータ及びモータにおいて、ティースの径方向における磁気抵抗の差を小さくすることができるステータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、環状部と該環状部から径方向に延びる複数のティースとを有する電機子コアと、前記ティース間のスロットに軸方向に貫通するように設けられる複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線とを備えたステータであって、前記ティースは、前記スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部を有するとともに、該ティースの基端部に、径方向と直交する方向の厚さが基端側に向かうほど大きくなる拡幅部を有、前記セグメント導体は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、周方向位置の異なる前記スロットを貫通するとともに前記スロット内において径方向の内側と外側に配置される2本の直線部とそれら直線部を繋ぐ連結部とを有する略U字状に形成されたものであり、前記スロット内には、前記セグメント導体の直線部が径方向に4つ並んで配置されるものであって、前記拡幅部は、径方向内側から3つ目と4つ目の前記直線部と対応した位置に形成されるとともに、前記スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向に一定とするように形成されたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、ティースは、スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部を有するため、前記幅が径方向に一定のもの(従来)に比べて、ティースの径方向における磁気抵抗の差を小さくすることができる。よって、例えば、従来のようにティースの径方向内側で磁気抵抗(磁束密度)が過大となりロータのスムーズな回転が阻害されることを低減することができる。
又、ティースは、その基端部に、径方向と直交する方向の厚さが基端側に向かうほど大きくなる拡幅部を有するため、例えば、環状部(ヨーク)側への磁気抵抗が小さくなる。又、例えば、ティースの剛性が高くなり、先端側の変形を抑制することができる。
又、拡幅部は、径方向内側から3つ目と4つ目の直線部と対応した位置に形成されるとともに、スロットの径方向と直交する方向の幅を径方向に一定とするように形成されるため、セグメント導体における径方向内側の直線部のみ、幅調整部に沿った形状に成形すれば、ティースとの隙間を小さくして高占積率とすることができる。よって、上記ティースの基端部に径方向と直交する方向の厚さが基端側に向かうほど大きくなる拡幅部を有することによる効果を得ることができるとともに、高効率化を図りながらセグメント導体を容易に成形することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のステータにおいて、前記セグメント導体は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、周方向位置の異なる前記スロットを貫通するとともに前記スロット内において異なる径方向位置に配置される2本の直線部とそれら直線部を繋ぐ連結部とを有する略U字状に形成されたものであり、前記直線部は、断面積が前記線材と同一のまま前記幅調整部に沿った形状に成形されたことを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、セグメント導体の直線部は、断面積が線材と同一のまま幅調整部に沿った形状に成形されるため、巻線の断面積が異なることによる効率の低下を招くことなく、且つティースとの隙間を小さくして高占積率とすることができ、高効率化を図ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のステータにおいて、前記線材は、円形線材であることを要旨とする。
同構成によれば、前記線材は、円形線材であるため、例えば、角形線材に比べて各方向への変形が容易であり、前記連結部を容易に成形することができる。又、角形線材に比べて安価であるため、材料費を低く抑えることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載のステータにおいて、前記線材は、角形線材であることを要旨とする。
同構成によれば、前記線材は、角形線材であるため、例えば、円形線材に比べて前記スロットに沿った形状に容易に成形することができる。よって、例えば、容易に高占積率化を図ることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記直線部は、周方向両端部が前記幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、直線部は、周方向両端部が幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されることで、断面形状が略台形形状とされるため、例えば、径方向両端部が平行でない形状とした場合等に比べて、容易に成形することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明では、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記直線部は、周方向両端部が前記幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部の少なくとも一方が径方向と直交する方向に対して傾斜した形状に成形されたことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、直線部は、周方向両端部が幅調整部に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部の少なくとも一方が径方向と直交する方向に対して傾斜した形状に成形されるため、傾斜していないものに比べて、径方向と直交する方向の厚さが大きい部分が少なくなる。よって、スロット外部に突出した先端部を径方向と直交する方向に容易に変形させることができ、例えば、スロット外部に突出した前記先端部を変形させて他の先端部等と接続する作業が容易となる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記幅調整部は、前記ティースの径方向と直交する方向の厚さが径方向に一定となるように形成されたことを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、幅調整部は、ティースの径方向と直交する方向の厚さが径方向に一定となるように形成されるため、該部分においてはティースの径方向における磁気抵抗の差をほぼ無くすことができる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記幅調整部は、径方向の全体に形成されたことを要旨とする。
同構成によれば、幅調整部は、径方向の全体に形成されるため、ティースの径方向における磁気抵抗の差を径方向の全域で小さくすることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明では、請求項1に記載のステータにおいて、前記セグメント導体は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、周方向位置の異なる前記スロットを貫通するとともに前記スロット内において異なる径方向位置に配置される2本の直線部とそれら直線部を繋ぐ連結部とを有する略U字状に形成されたものであり、前記セグメント導体における一方の前記直線部のみ、断面積が前記線材と同一のまま前記幅調整部に沿った形状に成形されたことを要旨とする。
【0020】
同構成によれば、セグメント導体における一方の直線部のみ、断面積が線材と同一のまま幅調整部に沿った形状に成形されるため、巻線の断面積が異なることによる効率の低下を招くことなく、一方の直線部側で高占積率とすることができ、更に他方の直線部も成形するものに比べて、容易に成形することができる。
【0025】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載のステータと、コンシクエントポール型のロータとを備えたモータを要旨とする。
同構成によれば、磁極(N極とS極)の磁気的なバランスがアンバランスなコンシクエントポール型のロータを備えることで磁束の流れが乱れて、ロータのスムーズな回転がより阻害されるモータにおいて、ロータのスムーズな回転が阻害されることを低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、セグメント巻線を備えたステータ及びモータにおいて、ティースの径方向における磁気抵抗の差を小さくすることができるステータ及びモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施の形態におけるモータの断面図。
図2】本実施の形態におけるステータとロータの一部断面図。
図3】本実施の形態におけるステータの一部斜視図。
図4】本実施の形態におけるロータの斜視図。
図5】別例におけるステータの一部拡大図。
図6】別例におけるステータの一部拡大図。
図7】別例におけるステータの一部拡大図。
図8】別例におけるステータの一部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1図4に従って説明する。
図1に示すように、モータ1のモータケース2は、有底筒状に形成された筒状ハウジング3と、該筒状ハウジング3のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞するフロントエンドプレート4とを有している。また、筒状ハウジング3のリア側(図1中、右側)の端部には、回路基板等の電源回路を収容した回路収容ボックス5が取着されている。
【0029】
筒状ハウジング3の内周面にはステータ6が固定されている。ステータ6は、図2に示すように、電機子コア7を備えている。電機子コア7は、環状部8と該環状部8から径方向内側に延びる周方向に複数のティース9とを有する。本実施形態では、ティース9は、60個形成されている。従って、ティース9間に形成されるスロットSは60個形成されている。
【0030】
ここで、本実施の形態のティース9は、図2に示すように、スロットSの径方向と直交する方向の幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部11を有している。詳しくは、本実施の形態の幅調整部11は、ティース9の径方向と直交する方向の厚さが径方向に一定となるように形成されている。又、本実施の形態の幅調整部11は、径方向の全体に形成されている。尚、ここで言う径方向の全体とは、先端(径方向内側端)から周方向に僅かに突出して形成されるロータ対向部9aを除く部分である。即ち、本実施の形態では、ロータ対向部9aを除いて、軸方向から見たティース9の厚さが径方向に一定とされることで、ティース9の周方向端面が、スロットSの(径方向と直交する方向の)幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部11とされている。尚、このスロットSの内表面には、図示しないインシュレータが設けられている。
【0031】
図1図3に示すように、電機子コア7には、複数のセグメント導体12同士が電気的に接続されて構成される3相(U相、V相、W相)Y結線のセグメント巻線13が巻装されている。前記セグメント導体12は、同一断面形状の線材から成形してなるものであって、図3に示すように、周方向位置の異なるスロットSを貫通するとともにスロットS内において異なる径方向位置(内側と外側)に配置される2本の直線部12a,12bと、それら直線部12a,12bを繋ぐ連結部12cとを有する略U字状に形成されたものである。
【0032】
詳しくは、本実施の形態の前記線材は、断面円形の導体の外表面に絶縁被覆が施された円形線材であって、前記連結部12cは、特に成形加工がなされていない(円形線材のままの)状態とされている。
【0033】
そして、前記直線部12a,12bは、断面積が前記線材と同一のまま、図2に示すように、(スロットS内に配置された状態で)周方向両端部が前記幅調整部11に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されることで、断面形状が略台形形状とされている。又、本実施の形態のステータ6は、スロットS内に前記直線部12a,12bが径方向に4つ並んで配置されるものである。そして、前記セグメント導体12は、図3に示すように、2つの直線部12a,12bが径方向内側から1つ目と4つ目に配置されるものと、2つの直線部12a,12bが径方向内側から2つ目と3つ目に配置されるものの2種類が用いられている。尚、セグメント巻線13は、主に上記した略U字状の2種類の前記セグメント導体12にて構成されるが、その一部であって例えば巻線端部(電源接続端子や中性点接続端子等)となるものは、特殊な種類の(例えば、直線部が1つだけの)セグメント導体が用いられる。又、各直線部12a,12bは、断面積が前記線材と同一のまま(即ち均一)であって、スロットS(幅調整部11間)が径方向内側ほど狭いことから、径方向内側に配置されるものほど径方向に長い形状とされている。又、各直線部12a,12bは、スロットSを貫通して外部に突出したその先端部が変形されて(折り曲げられて)他の先端部や前記特殊な種類のセグメント導体等と溶接等により電気的に接続されることで、セグメント巻線13が構成されることになる。
【0034】
図1に示すように、ロータ21は、回転軸22に固定されている。回転軸22は、本実施形態では非磁性体の金属シャフトであって、筒状ハウジング3の底部3a及びフロントエンドプレート4に支持された軸受24,25により回転可能に支持され、ロータ21は、前記ステータ6(ロータ対向部9a)の内側に配置されている。
【0035】
回転軸22に固着されたロータ21は、コンシクエントポール型のロータである。
ロータ21は、図4に示すように、鋼板よりなるコアシート26aが複数積層されて形成されたロータコア26を有し、該ロータコア26が回転軸22(図1参照)に外嵌されて固着されている。
【0036】
ロータコア26は、図2及び図4に示すように、円筒状に形成され回転軸22に外嵌される軸固定筒部31と、その軸固定筒部31の外周面を一定の間隔を開けて内包する磁石固定筒部32と、軸固定筒部31と磁石固定筒部32とを一定の間隔に連結保持する橋絡部33を有している。
【0037】
磁石固定筒部32の外周面には、周方向に5個の扇状の凹部32aが等角度に、軸方向全体に凹設されている。そして、扇状の凹部32aを形成することで、磁石固定筒部32の外周面における凹部32aの間に5個の突極34が形成される。
【0038】
周方向に形成された5個の凹部32aには、マグネット35が固着配置されている。5個のマグネット35は、ロータコア26に対して、径方向において内側の面がN極に、径方向においてステータ6側(外側)の面がS極となるように配置される。その結果、マグネット35に対し周方向に隣り合う突極34の外側面(ステータ6側の面)はマグネット35の外側面と異なる磁極であるN極となる。
【0039】
尚、本実施形態のロータ21に対するステータ6におけるティース9の個数「Z」は、以下のように設定している。
即ち、ロータ21のマグネット35の個数(=極数対)を「p」(但し、pは2以上の整数)とし、セグメント巻線13の相数を「m」とすると、
ティース9の個数「Z」は、「Z=2×p×m×n(個)」(但し、「n」は自然数)となるように構成されている。
【0040】
そして、本実施形態では、この数式に基づいて、ティース9の個数「Z」は、
Z=2×5(マグネット35の個数)×3(相数)×2=60個とされている。
又、軸固定筒部31と磁石固定筒部32とを連結保持する橋絡部33は、5個設けられ、各橋絡部33は軸固定筒部31の外周面から延出形成され、磁石固定筒部32の内周面と連結されている。又、各橋絡部33は磁石固定筒部32の内周面と、マグネット35を固着した凹部32aと対応した位置で連結されている。しかも、各橋絡部33は、その周方向の中心位置(角度)がマグネット35の周方向の中心位置(角度)と径方向に並ぶ(角度が一致する)ように設けられている。従って、軸固定筒部31の外側面と磁石固定筒部32の内側面との間に形成された空間は、周方向に5個配置された橋絡部33にて5個に分割され、5個の軸方向に貫通した空隙36が形成される。この空隙36は、積層鋼板によりなるロータコア材より比重及び磁性が小さいことから、ロータコア26は、この空隙36が形成されることによって軽量となり、モータ1全体の重量を軽量化することができる。
【0041】
次に、上記のように構成された本実施の形態の作用について説明する。
上記モータ1では、回路収容ボックス5内の電源回路からセグメント巻線13に駆動電流が供給されると、ステータ6でロータ21を回転させるための磁界が発生され、ティース9とロータ21間で磁束が授受されつつロータ21が回転駆動される。
【0042】
この際、スロットSの(径方向と直交する方向の)幅が径方向に一定のもの(従来)に比べて、ティース9の径方向内側で磁気抵抗(磁束密度)が過大となることが抑えられる。
【0043】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)ティース9は、スロットSの径方向と直交する方向の幅を径方向内側ほど狭くする幅調整部11を有するため、前記幅が径方向に一定のもの(従来)に比べて、ティース9の径方向における磁気抵抗の差を小さくすることができる。よって、例えば、従来のようにティースの径方向内側で磁気抵抗(磁束密度)が過大となりロータ21のスムーズな回転が阻害されることを低減することができる。
【0044】
(2)セグメント導体12の直線部12a,12bは、断面積が線材と同一のまま幅調整部11に沿った形状に成形されるため、巻線の断面積が異なることによる効率の低下を招くことなく、且つティース9との隙間を小さくして高占積率とすることができ、高効率化を図ることができる。
【0045】
(3)成形されてセグメント導体12となる線材は、円形線材であるため、例えば、角形線材に比べて各方向への変形が容易であり、直線部12a,12bを繋ぐ(図3に示すように捩るようにして曲げられる)連結部12cを容易に成形することができる。又、角形線材に比べて安価であるため、材料費を低く抑えることができる。
【0046】
(4)直線部12a,12bは、周方向両端部が幅調整部11に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されることで、断面形状が略台形形状とされるため、例えば、径方向両端部が平行でない形状とした場合等に比べて、容易に成形することができる。
【0047】
(5)幅調整部11は、ティース9の径方向と直交する方向の厚さが径方向に一定となるように形成されるため、該部分においてはティース9の径方向における磁気抵抗の差をほぼ無くすことができる。
【0048】
(6)幅調整部11は、径方向の(ロータ対向部9aを除く)全体に形成されるため、ティース9の径方向における磁気抵抗の差を径方向の全域で小さくすることができる。
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
【0049】
・上記実施の形態では、直線部12a,12bは、周方向両端部が幅調整部11に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部が径方向と直交する方向に沿った形状に成形されるとしたが、これに限定されず、他の形状に変更してもよい。
【0050】
例えば、図5に示すように、変更してもよい。この例(図5参照)では、直線部41は、周方向両端部が幅調整部11に沿った形状に成形されるとともに、径方向両端部の少なくとも一方が径方向と直交する方向に対して傾斜した形状に成形されている。
【0051】
このようにすると、傾斜していないもの(上記実施の形態)に比べて、直線部41において径方向と直交する方向の厚さが大きい部分が少なくなる。よって、スロットS外部に突出した直線部41の先端部を径方向と直交する方向に容易に変形させることができ、例えば、スロットS外部に突出した前記先端部を変形させて他の先端部等と接続する作業が容易となる。
【0052】
・上記実施の形態では、成形されてセグメント導体12となる線材は、円形線材であるとしたが、これに限定されず、例えば、角形線材としてもよい。このようにすると、例えば、スロットSに沿った形状に近いことから、円形線材に比べてスロットSに沿った形状に容易に成形することができる。よって、例えば、容易に高占積率化を図ることができる。
【0053】
・上記実施の形態では、全ての直線部12a,12bが、その周方向両端部が幅調整部11に沿った形状に成形されるとしたが、図6に示すように、セグメント導体42,43における一方の(径方向内側の)直線部42a,43aのみ、断面積が線材と同一のまま幅調整部11に沿った形状に成形されたものとしてもよい。尚、この例では、線材として前記角形線材を用いている。即ち、この例では、セグメント導体42,43における他方の(径方向外側の)直線部42b,43bは、特に成形加工がなされていない(角形線材のままの)状態とされている。
【0054】
このようにすると、巻線の断面積が異なることによる効率の低下を招くことなく、一方(径方向内側)の直線部42a,43a側で高占積率とすることができ、更に他方(径方向外側)の直線部も成形するものに比べて、容易に成形することができる。
【0055】
・上記実施の形態では、幅調整部11は、径方向の(ロータ対向部9aを除く)全体に形成されるとしたが、これに限定されず、径方向の少なくとも一部に形成されていれば、変更してもよい。
【0056】
例えば、図7に示すように、ティース51の基端部に、径方向と直交する方向の厚さが基端側に向かうほど大きくなる拡幅部52を形成してもよい。これにより、この例では、拡幅部52を除く部分が幅調整部53とされている。又、この例では、径方向内側から4つ目の直線部12bの径方向の長さの1/3ほどの位置まで拡幅部52が形成されている。そして、この例では、幅調整部53と対応した位置の直線部12a,12bは、周方向両端部が幅調整部53に沿った形状に成形され、拡幅部52と対応した位置の直線部12b(その径方向外側)は、周方向両端部が拡幅部52に沿った形状に成形されている。
【0057】
このようにすると、例えば、環状部8(ヨーク)側への磁気抵抗が小さくなる。又、例えば、ティース51の剛性が高くなり、ティース51の先端側の変形(倒れ)を抑制することができる。
【0058】
又、上記別例(図7参照)は、例えば、図8に示すように、変更してもよい。この例(図8参照)のティース61の拡幅部62は、径方向内側から3つ目と4つ目の直線部42b,43bと対応した位置に形成されるとともに、スロットSの(径方向と直交する方向の)幅を径方向に一定とするように形成されている。このようにすると、前記セグメント導体42,43における径方向内側の直線部42a,43aのみ、幅調整部63に沿った形状に成形すれば、ティース61との隙間を小さくして高占積率とすることができる。よって、上記別例(図7参照)の効果を得ることができるとともに、高効率化を図りながらセグメント導体42,43を容易に成形することができる。
【0059】
・上記実施の形態では、幅調整部11は、ティース9の(径方向と直交する方向の)厚さが径方向に一定となるように形成されるとしたが、スロットの(径方向と直交する方向の)幅を径方向内側ほど狭くすることができれば、ティース9の厚さが径方向に一定とならない幅調整部に変更してもよい。例えば、ティース9の厚さが径方向外側に向かうほど僅かに大きくなるように幅調整部を形成してもよい。
【0060】
・上記実施の形態では、ロータ21は、コンシクエントポール型のロータであるとしたが、これに限定されず、例えば、磁極毎にマグネットが埋設された磁石埋め込み型のロータ等に変更してもよい。
【符号の説明】
【0061】
6…ステータ、7…電機子コア、8…環状部、9,51,61…ティース、11,53,63…幅調整部、12,42,43…セグメント導体、12a,12b,41,42a,42b,43a,43b…直線部、12c…連結部、13…セグメント巻線、21…ロータ、52,62…拡幅部、S…スロット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8