【実施例1】
【0023】
(実施例1の雷サージ検出器の構成)
図1は本発明の実施例1における雷サージ検出器の構造例を示す概略の斜視図、及び、
図2は
図1の内部構造を示す概略の透視斜視図である。
【0024】
この雷サージ検出器1は、略箱形の
第1ケース2を有している。ケース2の側面には、断面が略U字形の金属板からなる2点接触形状の第1端子部3が取り付けられている。第1端子部3は、対向する2つの突出片3a,3cと、この2つの突出片3a,3c間を連結する連結片3bとにより構成されている。連結片3bはケース2内に固定され、2つの突出片3a,3cがケース2から外方向へ突出している。一方の突出片3aの先端部には、螺子へ挿入するための挿入溝3a1が形成されている。
【0025】
ケース2において、第1端子部3と対向する側面には、接地線挿入用の開口部2aが形成されている。開口部2aの近傍のケース2の上面には、螺子孔2bが形成されている。ケース2内において、開口部2a及び螺子孔2bに対向する箇所には、接地線を挿入して固定するための金属製の第2端子部4が取り付けられている。第2端子部4は、断面が略U字形の支持枠4aと、螺子孔2bから垂直方向に挿入された螺子4bと、断面が略方形の固定枠4cとにより構成されている。支持枠4aは、対向する第1片及び第2片と、この第1片及び第2片間を連結する底片とにより構成され、その底片が、垂直方向に配置され、その第1片及び第2片が、水平方向に配置されて、ケース2内に固定されている。支持枠4aの第1片は、螺子孔2bの真下に位置し、その第1片を、螺子4bが貫通している。固定枠4cは、螺子4bの下端に、上下動可能に取り付けられている。開口部2aから挿入された接地線の端末部は、固定枠4c内に挿入され、螺子4bを締め付けることにより、その固定枠4cが上下に移動して、その接地線の端末部が、第2端子部4に固定されるようになっている。
【0026】
第1端子部3と第2端子部4とは、略水平方向に配置された金属製の導通用連結バー5により連結されている。連結バー5の近傍には、制御手段を構成する電子回路部品等を搭載するための印刷配線板6が固定されている。印刷配線板6には、検出コイル7が接続されている。検出コイル7は、連結バー5の近傍に配置され、その連結バー5を流れる雷サージ電流を検出するために、その雷サージ電流によって誘起される誘導電流を出力するものである。
【0027】
ケース2の上面には、確認ボタン26及び表示部40が設けられている。表示部40は、連結バー5を流れる雷サージ電流の検出結果、検出回数等を外部から視認可能な状態で表示するものであり、発光ダイオード(以下「LED」という。)等の複数の表示素子により構成されている。確認ボタン26は、記憶された雷サージ電流の検出結果、検出回数等を表示部40に表示させるためのスイッチである。
【0028】
印刷配線板6には、図示しないコネクタを介して、2回線の通信線29及び2回線の電源線30が接続されている。
【0029】
図3Aは、
図2中の検出コイル7を示す拡大斜視図である。
検出コイル7は、連結バー5を図示しない絶縁部材を介して包囲するための断面略U字形のコア(core)7aと、その連結バー5に対して対称となるようにコア7aに巻装された一対の第1巻線7b及び第2巻線7cとにより構成されている。
【0030】
断面略U字形のコア7aは、底辺の基部7a1と、両側辺の第1脚部7a2及び第2脚部7a3と、により構成されている。第1脚部7a2及び第2脚部7a3には、一対の第1巻線7b及び第2巻線7cがそれぞれ巻装されている。一対の第1巻線7b及び第2巻線7cは、連結バー5に対して対称となるようにコア7aに巻装されている。
【0031】
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、
図3F、
図3G、
図3H及び
図3Iは、
図3Aの検出コイル7における結線状態を示す概略の回路図である。
【0032】
図3B〜
図3Iに示すように、検出コイル7は、この検出コイル7の第1巻線7b及び第2巻線7cの巻装方向、並びに、検出コイル7の第1巻線7b及び第2巻線7cの結線状態の組み合わせにより、様々なバリエーションが考えられる。しかしながら、課題を解決するためには、検出コイル7は
図3B及び
図3Cや、
図3F及び
図3Gのように構成すべきであり、
図3D及び
図3Eや、
図3H及び
図3Iのように構成すべきではない。この点について詳述すると次の通りである。
【0033】
図3Bに示すように、検出コイル7は、コア7aと第1巻線7b及び第2巻線7cとにより構成され、連結バー5を包囲するように配置されている。コア7aの第1脚部7a2及び第2脚部7a3のうち、第1脚部7a2には第1巻線7bが巻装され、第2脚部7a3には第2巻線7cが巻装されている。この検出コイル7において、外部磁界の印加時には、誘導電流が流れず、連結バー5に雷サージ電流が流れた時には、誘導電流が出力されるように、第1巻線7b及び第2巻線7cが所定の方向に巻装され且つ所定の結線状態にて直列に接続されている。即ち、第1巻線7bの一端部7b1及び他端部7b2と、第2巻線7cの一端部7c1及び他端部7c2とにおいて、第1巻線7bの一端部7b1と第2巻線7cの一端部7c1とが開放されている。第1巻線7bの他端部7b2は、第2巻線7cの他端部7c2に接続されている。
【0034】
検出コイル7は、コア7aによって包囲された領域内に挿通するように配置された連結バー5に、雷サージ電流が流れて
図3B中の破線矢印方向に磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す逆方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す同一方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。そのため、第1巻線7bの一端部7b1と、第2巻線7cの一端部7c1との間に、負荷Rが接続されていると、その負荷Rに合成誘導電流I3(=I1+I2)が流れる。
【0035】
図3Cには、
図3Bに示す連結バー5に雷サージ電流が流れず、隣接する図示しない雷サージ検出器中の連結バー5Aに雷サージ電流が流れた場合の影響が示されている。
【0036】
連結バー5Aは、例えば、コア7aによって包囲されていない領域であって、且つ、第1巻線7b及び第2巻線7cに対して平行な領域に配置されている。連結バー5Aに雷サージ電流が流れて
図3C中の破線矢印方向に外部磁界H0が発生した場合を考える。そのような外部磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す同一方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す逆方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。2つの誘導電流I1,I2は、逆方向に流れて相殺されるため、負荷Rには誘導電流が流れない。このように、
図3Bの検出コイル7では、
図3Cに示すように、隣接する連結バー5Aから外部磁界H0が印加されても、第1巻線7bの一端部7b1と第2巻線7cの一端部7c1との間には、誘導電流が流れない。従って、本実施例1の検出コイル7では、
図3Bに示すような結線構成を採用している。
【0037】
図3Dには、連結バー5に雷サージ電流が流れても、第1巻線7bの一端部7b1と第2巻線7cの他端部7c2との間には、誘導電流が流れない結線状態が示されている。
【0038】
図3Dに示す検出コイル7では、第1巻線7bの一端部7b1と第2巻線7cの他端部7c2とが開放され、第1巻線7bの他端部7b2と、第2巻線7cの一端部7c1とが接続されている。連結バー5に、雷サージ電流が流れて
図3D中の破線矢印方向に磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す逆方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す逆方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。逆方向に流れる誘導電流I1,I2は、相殺されるため、負荷Rには誘導電流が流れない。
【0039】
図3Eには、
図3Dに示す連結バー5に雷サージ電流が流れず、隣接する図示しない雷サージ検出器中の連結バー5Aに雷サージ電流が流れた場合の影響が示されている。
【0040】
連結バー5Aに雷サージ電流が流れて
図3E中の破線矢印方向に外部磁界H0が発生した場合を考える。そのような外部磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す同一方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す同一方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。2つの誘導電流I1,I2は、合成されるので、負荷Rに合成誘導電流I3(=I1+I2)が流れる。従って、本実施例1の検出コイル7では、
図3Dに示すような結線構成を採用しない。
【0041】
図3Fには、連結バー5に雷サージ電流が流れた場合に、第1巻線7bの他端部7b2と第2巻線7cの一端部7c1との間に、誘導電流が流れる結線状態が示されている。
【0042】
図3Fに示す検出コイル7では、第1巻線7bの他端部7b2と第2巻線7cの一端部7c1とが開放され、第1巻線7bの一端部7b1と、第2巻線7cの他端部7c2とが接続されている。連結バー5に、雷サージ電流が流れて
図3F中の破線矢印方向に磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す逆方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す同一方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。そのため、誘導電流I1,I2が合成され、この合成誘導電流I3(=I1+I2)が負荷Rに流れる。
【0043】
図3Gには、
図3Fに示す連結バー5に雷サージ電流が流れず、隣接する図示しない雷サージ検出器中の連結バー5Aに雷サージ電流が流れた場合の影響が示されている。
【0044】
連結バー5Aに雷サージ電流が流れて
図3G中の破線矢印方向に外部磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す同一方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す逆方向の誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。2つの誘導電流I1,I2は、相殺されるので、負荷Rには誘導電流が流れない。従って、本実施例1の検出コイル7では、
図3Fに示すような結線構成を採用している。
【0045】
図3Hには、連結バー5に雷サージ電流が流れても、第1巻線7bの他端部7b2と第2巻線7cの他端部7c2との間には、誘導電流が流れない結線状態が示されている。
【0046】
図3Hに示す検出コイル7では、第1巻線7bの他端部7b2と第2巻線7cの他端部7c2とが開放され、第1巻線7bの一端部7b1と、第2巻線7cの一端部7c1とが接続されている。連結バー5に、雷サージ電流が流れて
図3H中の破線矢印方向に磁界H0が発生すると、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す逆方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す逆方向の誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。逆方向に流れる誘導電流I1,I2は、相殺されるため、負荷Rには誘導電流が流れない。
【0047】
図3Iには、
図3Hに示す連結バー5に雷サージ電流が流れず、隣接する図示しない雷サージ検出器中の連結バー5Aに雷サージ電流が流れた場合の影響が示されている。
【0048】
連結バー5Aに雷サージ電流が流れて
図3I中の破線矢印方向に外部磁界H0が発生した場合、第1巻線7b及び第2巻線7cに、破線矢印で示す同一方向の磁界H1,H2がそれぞれ誘起され、矢印で示す同一方向に誘導電流I1,I2がそれぞれ発生する。そのため、2つの誘導電流I1,I2は、合成されるので、負荷Rに合成誘導電流I3(=I1+I2)が流れる。従って、本実施例1の検出コイル7では、
図3Hに示すような結線構成を採用しない。
【0049】
図4は、
図1、
図2、
図3A、
図3B及び
図3Fの雷サージ検出器1における電気回路を示す概略の構成図である。
【0050】
第1端子部3及び第2端子部4間を連結する連結バー5の近傍には、検出コイル7が配置されている。検出コイル7の一端部7b1又は他端部7b2と、一端部7c1とには、
図2中の印刷配線板6上に搭載された制御手段8が接続されている。制御手段8は、雷サージ検出器1の全体の動作を制御するものであり、例えば、波形処理部10及び演算制御部20を有している。
【0051】
波形処理部10は、検出コイル7から出力される誘導電流I3を電圧に変換して検出電圧を生成し、この検出電圧の電圧波形を時間軸に対して引き延ばし処理を行って変形処理波形S14を出力すると共に、その検出電圧から起動電圧S15を生成して出力する回路であり、この出力側に、演算制御部20が接続されている。演算制御部20は、変形処理波形S14及び起動電圧S15を入力し、その起動電圧S15により起動され、その変形処理波形S14の電圧値から雷サージ電流の電流値を算定して雷サージ電流算定結果等を求める回路であり、この出力側に、表示部40が接続されている。演算制御部20には、確認ボタン26及びコネクタ28も接続されている。
【0052】
雷サージ検出器1は、電源線30及びコネクタ28を介して外部から電源電力の供給をうけて駆動されるが、外部からの電源電力の供給を受けない独立電源の構成にする場合には、内部に電源電力供給用の電池35を設けても良い。
【0053】
図5は、
図4の回路構成例を示す概略の回路図である。
波形処理部10は、過電圧抑制回路11、全波整流回路12、電流/電圧変換回路(以下「I/V変換回路」という。)13、時定数回路14、及び電圧制限回路15等により構成されている。
【0054】
過電圧抑制回路11は、検出コイル7における一端部7b1又は他端部7b2と一端部7c1との間の最高電圧値を一定値以下(例えば、30V以下)に抑制する回路であり、例えば、検出コイル7における一端部7b1又は他端部7b2と一端部7c1との間において、逆方向に直列に接続された2つのツェナーダイオードにより構成されている。この過電圧抑制回路11の出力側には、全波整流回路12が接続されている。全波整流回路12は、検出コイル7に誘起される誘導電流I3を直流に変換する回路であり、例えば、ブリッジ接続された4つの整流ダイオードにより構成されている。この全波整流回路12の出力側には、I/V変換回路13が接続されている。
【0055】
I/V変換回路13は、全波整流回路12の出力電流を電圧に変換して検出電圧S13を生成する回路であり、例えば、全波整流回路12の2つの出力端子間に並列に接続された抵抗により構成されている。このI/V変換回路13の出力側には、時定数回路14と電圧制限回路15とが、並列に接続されている。時定数回路14は、I/V変換回路13で生成された検出電圧S13の電圧波形を時間軸に対して引き延ばし処理を行ってアナログの変形処理波形S14を出力する回路であり、例えば、時定数の大きな抵抗14a及びコンデンサ14bの直列回路により構成されている。電圧制限回路15は、検出電圧S13を降圧する図示しない抵抗を介して、その降圧された検出電圧S13を一定電圧値以下に制限して起動電圧S15を生成する回路であり、LED、ダイオード、及び抵抗等により構成されている。これらの時定数回路14及び電圧制限回路15の出力側には、演算制御部20が接続されている。
【0056】
演算制御部20は、起動電圧S15により起動(ウェイクアップ)され、入力されたアナログの変形処理波形S14をデジタル信号に変換し、このデジタル信号の電圧値から雷サージ電流の電流値を算定して雷サージ電流算定結果を求める演算機能と、制御機能等とを有し、マイクロコントローラ(例えば、Peripheral Interface Controller、以下「PIC」という。)により構成されている。PICは、コンピュータの周辺機器接続の制御用として使用されるものであり、演算機能や制御機能を有する中央処理装置(以下「CPU」という。)21と、このCPU21によりアクセスされるリード・オンリ・メモリ(以下「ROM」という。)、ランダム・アクセス・メモリ(以下「RAM」という。)等のメモリ22と、CPU21により制御される入力ポート23、入出力(以下「I/O」という。)ポート24及び出力ポート25等と、が1チップに収められており、メモリ22に書き込まれたプログラムにより制御されるようになっている。
【0057】
演算制御部20において、入力ポート23は、電圧制限回路15から出力される起動電圧S15を入力して、スリープ状態になっているCPU21をウェイクアップさせ、時定数回路14から出力されるアナログの変形処理波形S14を入力してデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換(以下「A/D変換」という。)を行うと共に、確認ボタン26の出力信号等を入力する機能を有している。
【0058】
入力ポート23に接続された確認ボタン26は、その入力ポート23と電源電圧VCC側の電源端子との間に接続されたノーマルオフ型のスイッチである。確認ボタン26における入力ポート23側の電極は、抵抗27を介して、グランドGND側の接地端子に接続されている。I/Oポート24には、コネクタ28を介して2線の通信線29及び2線の電源線30が接続されている。このCPU21及びI/Oポート24は、コネクタ28及び通信線29を介して、外部との間で通信を行う通信機能を有すると共に、コネクタ28及び電源線30を介して、外部から電源電力の受電を行う機能等を有している。出力ポート25は、CPU21から出力されるデジタル信号の雷サージ電流算定結果等をアナログ信号に変換して表示部40へ与えるデジタル/アナログ変換(以下「D/A変換」という。)機能を有している。表示部40は、アナログ信号に変換された雷サージ電流算定結果等を点灯表示する機能を有している。
【0059】
(実施例1のサージ防護デバイスの構成)
図6は、本発明の実施例1におけるサージ防護デバイスの構造例を示す概略の斜視図である。
【0060】
サージ防護デバイス50は、
図1の雷サージ検出器1が外付けされ、電源線又は通信線の線路から被保護機器へ侵入する雷サージ電流を接地線側へ放電してその被保護機器を保護する装置である。このサージ防護デバイス50は、ジャック盤51とプラグ52とで構成され、ジャック盤51側のケース60に対して、プラグ52側のケース70が挿入及び離脱可能に挿着される構造になっている。
【0061】
ジャック盤51側のケース60は、略箱形の基台部61と、この基台部61の両側面から上方向に延設された一対の側壁部62,63とにより構成されている。これらの基台部61及び側壁部62,63により囲まれた領域により、プラグ52を挿入及び離脱可能に収容するためのプラグ収容部64が形成されている。基台部61の底面は、機器取り付け用レール(Mounting rails for devices、例えば、DINレール)80を挟持し、このDINレール80に対してジャック盤51を取り外し可能に固定する構造になっている。
【0062】
DINレール80とは、DIN規格で定められた例えば35mm幅の機器取り付け金具である。DIN規格では、交流1000V以下又は直流1500V以下で使用する開閉器、工業用端子台等の電気機器を取り付ける機器取り付け用レールについて規定されている。
【0063】
一方の側壁部62内には、電源線又は通信線の線路に接続された線路側電線の端末部を挿入して固定するための図示しない線路側端子部が設けられている。側壁部62の外側面には、前記線路側電線の端末部を挿入するための図示しない電線挿入用開口部が形成されている。その側壁部62の上面には、前記線路側端子部を構成する螺子を挿入するための螺子孔62cが形成されている。
【0064】
同様に、他方の側壁部63内には、雷サージ検出器1の第1端子部3を挿入して固定するための図示しない接地側端子部が設けられている。側壁部63の外側面には、雷サージ検出器1の第1端子部3を挿入するための上下2つの端子部挿入用開口部63a、63bが形成されている。上側の端子部挿入用開口部63aは、第1端子部3の突出片3aを挿入するための開口部であり、下側の端子部挿入用開口部63bは、第1端子部3の突出片3cを挿入するための開口部である。側壁部63の上面には、前記接地側端子部を構成する螺子を挿入するための螺子孔63cが形成されている。
【0065】
一方の側壁部62の外側面において、図示しない電線挿入用開口部の下方向の位置には、交換識別用端子65が着脱自在に挿着されている。
【0066】
プラグ52側のケース70は、略直方体形状をなし、この内部に、図示しない避雷回路が設けられている。
【0067】
図7は、
図1の雷サージ検出器1が外付けされたサージ防護デバイス50の構造を示す概略の斜視図である。更に、
図8は、
図7の内部構造を示す概略の透視斜視図である。
【0068】
雷サージ検出器1が外付けされたサージ防護デバイス50は、電源線又は通信線の線路81に接続された被保護機器82を雷サージ電流iから保護する装置である。使用時において、線路81に接続された線路側電線83の端末部は、サージ防護デバイス50の側壁部62側の図示しない電線挿入用開口部に挿入されて固定され、グランドGNDに接続された接地線84の端末部が、雷サージ検出器1の接地線挿入用の開口部2aに挿入されて固定される。
【0069】
サージ防護デバイス50の側壁部62内において、図示しない電線挿入用開口部及び螺子孔62cに対向する箇所には、線路側電線83を挿入して固定するための金属製の線路側端子部66が取り付けられている。線路側端子部66は、断面が略U字形の支持枠66aと、螺子孔62cから垂直方向に挿入された螺子66bと、断面が略方形の固定枠66cとにより構成されている。支持枠66aは、対向する第1片及び第2片と、この第1片及び第2片間を連結する底片とにより構成され、その底片が、垂直方向に配置され、その第1片及び第2片が、水平方向に配置されて、側壁部62内に固定されている。支持枠66aの第1片は、螺子孔62cの真下に位置し、その第1片を、螺子66bが貫通している。固定枠66cは、螺子66bの下端に、上下動可能に取り付けられている。図示しない電線挿入用開口部から挿入された線路側電線83の端末部は、固定枠66c内に挿入され、螺子66bを締め付けることにより、その固定枠66cが上下に移動して、その線路側電線83の端末部が、線路側端子部66に固定されるようになっている。
【0070】
同様に、サージ防護デバイス50の側壁部63内において、端子部挿入用開口部63a,63b及び螺子孔63cに対向する箇所には、雷サージ検出器1の第1端子部3を挿入して固定するための金属製の接地側端子部67が取り付けられている。接地側端子部67は、断面が略U字形の支持枠67aと、螺子孔63cから垂直方向に挿入された螺子67bと、断面が略方形の固定枠67cとにより構成されている。支持枠67aは、対向する第1片及び第2片と、この第1片及び第2片間を連結する底片とにより構成され、その底片が、垂直方向に配置され、その第1片及び第2片が、水平方向に配置されて、側壁部63内に固定されている。支持枠67aの第1片は、螺子孔63cの真下に位置し、その第1片を、螺子67bが貫通している。固定枠67cは、螺子67bの下端に、上下動可能に取り付けられている。上下2つの端子部挿入用開口部63a,63bからそれぞれ挿入された雷サージ検出器1側の上下2つの突出片3a,3cの内、上側の突出片3aは、螺子67bの頭部とこの下の前記第1片との間に挿入され、下側の突出片3cは、固定枠67c内に挿入され、螺子67bを締め付けることにより、その上下2つの突出片3a,3cが、2点接触にて接地側端子部67に一体的に固定されるようになっている。
【0071】
サージ防護デバイス50において、側壁部62内の線路側端子部66と、側壁部63内の接地側端子部67とは、
図8中の矢印で示すように、プラグ52内に設けられた避雷回路70を介して、接続されている。避雷回路70は、線路側端子部66から侵入する雷サージ電流を抑制するためのアレスタ、バリスタ、半導体素子等の避雷素子により構成されている。
【0072】
図9A、
図9B及び
図9Cは、
図8中の避雷回路70(=70−1,70−2,70−3)の構成例を示す回路図である。
【0073】
図9Aに示す避雷回路70−1は、バリスタ71及び切り離し機構72を有し、このバリスタ71及び切り離し機構72が、線路側端子部66と接地側端子部67との間に直列に接続されている。接地側端子部67には、
図2及び
図8に示される雷サージ検出器1における第1端子部3を介して連結バー5が接続され、その連結バー5の近傍に、検出コイル7が配置されている。
【0074】
バリスタ71は、雷サージ電圧が印加されると短絡状態になって雷サージ電流を導通させる素子である。バリスタ71は、過大な雷サージ電流により劣化すると、漏れ電流が大きくなったり、あるいは、焼損することもあるので、このバリスタ71を回路から切り離すために、切り離し機構72が設けられている。切り離し機構72は、バリスタ71が規定温度以上に加熱されると溶断する半田部材等により構成されている。切り離し機構72が動作したことを検出するために、センサ73が設けられることもある。センサ73の検出信号は、内部部品劣化によるサージ防護デバイス交換の識別信号として、
図8中の交換識別用端子65から外部へ出力されるようになっている。
【0075】
例えば、線路側端子部66と接地側端子部67との間に、雷サージ電圧が印加された場合、バリスタ71が短絡し、線路側端子部66から流入した雷サージ電流が、切り離し機構72及びバリスタ71を経由して接地側端子部67へ放電される。これにより、線路側端子部66側に接続された
図7の被保護機器82が保護される。
【0076】
図9Bに示す避雷回路70−2は、並列接続された複数のバリスタ71−1〜71−3と、切り離し機構72とを有し、この複数のバリスタ71−1〜71−3と切り離し機構72とが、線路側端子部66と接地側端子部67との間に直列に接続されている。この避雷回路70−2は、
図9Aの避雷回路70−1と同様の機能を有しているが、並列接続された複数のバリスタ71−1〜71−3が設けられているので、
図9Aの避雷回路70−1よりも耐電圧や耐電流が大きくなっている。
【0077】
図9Cに示す避雷回路70−3は、アレスタ74及びバリスタ71を有し、このアレスタ74及びバリスタ71が、線路側端子部66と接地側端子部67との間に直列に接続されている。
【0078】
例えば、線路側端子部66と接地側端子部67との間に、雷サージ電圧が印加され、雷サージ電流が線路側端子部66に入力されると、アレスタ74が放電し、その雷サージ電流が、バリスタ71を経由して接地側端子部67へ放電され、機器側端子部66側に接続された被保護機器82が保護される。
【0079】
なお、避雷回路70−3にアレスタ74のみを使用した場合、インパルス性の雷サージ電流でアレスタ74が放電した後、そのインパルス電流消滅後も交流電流により放電が継続する続流現象が起こり、アレスタ74の寿命が短縮したり、あるいは焼損に至ることもある。このような続流の遮断のために、アレスタ74とバリスタ71とを直列に接続している。
【0080】
図10は、
図4における連結バー5に流れる雷サージ電流と波形処理部10から出力される変形処理波形S14の電圧値との相関値を示す図である。
【0081】
この
図10では、例えば、検出コイル7における第1巻線7b及び第2巻線7cの合計を120ターンとして測定したときの相関値が示されている。この相関値は、予め
図5中の演算制御部20内のメモリ22に記憶される。
【0082】
(実施例1の雷サージ検出器付きサージ防護デバイスの動作)
例えば、
図7及び
図8に示す雷サージ検出器1付きサージ防護デバイス50において、落雷等により、線路側端子部66と接地側端子部67との間に、雷サージ電圧が発生した場合の動作を説明する。
【0083】
図8に示すサージ防護デバイス50の線路側端子部66と接地側端子部67との間に雷サージ電圧が発生すると、
図9Cに示す避雷回路70−3の線路側端子部66と接地側端子部67との間のアレスタ74が放電し、雷サージ電流iが、その線路側端子部66からアレスタ74及びバリスタ71を経由して接地側端子部67へ放電される。これにより、機器側端子部66側に接続された被保護機器82が保護される。
【0084】
接地側端子部67へ放電された雷サージ電流iは、雷サージ検出器1内の第1端子部3、連結バー5、及び第2端子部4と、接地線84と、を経由して、グランドGNDへ流れる。連結バー5に雷サージ電流iが流れると、
図5に示す雷サージ検出器1において、その連結バー5の近傍に配置された検出コイル7に誘導電流I3が誘起される。検出コイル7に誘起された誘導電流I3は、波形処理部10内の過電圧抑制回路11を介して、全波整流回路12にて全波整流される。
【0085】
全波整流された誘導電流は、I/V変換回路13にて電圧に変換されて検出電圧S13が生成される。生成された検出電圧S13の電圧波形は、時定数回路14において、時間軸に対して引き延ばされて変形処理波形S14が生成され、演算制御部20内の入力ポート23へ送られる。
【0086】
一方、検出電圧S13は、電圧制限回路15にて最高電圧値が一定値以下に制限され、起動電圧S15が生成される。生成された起動電圧S15は、演算制御部20内の入力ポート23へ送られ、スリープ状態になっているCPU21がウェイクアップする。CPU21は、消費電力を減らすために常時スリープ状態になっており、起動電圧S15の入力によりウェイクアップする。
【0087】
図11は、
図5中の演算制御部20のウェイクアップ後の処理を示すフローチャートである。
【0088】
演算制御部20内のCPU21が、スリープ状態からウェイクアップすると、演算制御部20において、以下のようなステップST1〜ST10の処理が行われる。
【0089】
ステップST1において、変形処理波形S14が、演算制御部20内の入力ポート23に入力される。ステップST2において、入力ポート23は、CPU21の制御により、入力された変形処理波形S14をデジタル信号に変換し、CPU21へ送る。ステップST3において、CPU21は、メモリ22に記憶された
図10の相関値を参照し、デジタル信号に変換された変形処理波形S14の電圧値から雷サージ電流の電流値を算定して雷サージ電流算定結果を求め、この雷サージ電流算定結果が一定値(例えば、100A)以上か否かを判定し、一定値よりも小さい場合には(NO)、ステップST10へ進んで、スリープ状態になり、処理を終了する。
【0090】
ステップST3において、一定値以上の場合には(YES)、ステップST4へ進む。ステップST4において、CPU21は、計数値(カウント数)を+1増分(インクリメント)し、メモリ22に記憶してステップST6へ進む。ステップST6において、CPU21は、求めたサージ電流算定結果がこれまでで最大電流か否かを判定し、この判定結果が最大電流でない場合には(NO)、ステップST9へ進み、判定結果が最大電流の場合には(YES)、ステップST7へ進む。
【0091】
ステップST7において、CPU21は、最大電流値のセットを行い、ステップST8へ進み、メモリ22に記憶し、ステップST9へ進む。ステップST9において、CPU21は、メモリ22に記憶されたサージ電流算定結果に基づき、出力ポート25を介して、雷サージ電流の発生回数(カウント数)等を表示部40に短時間表示させた後、ステップST10へ進み、スリープ状態になって処理を終了する。
【0092】
図12A、
図12B及び
図12Cは、
図5中の各部の信号波形を示す図である。
図12Aは、
図4中の連結バー5に雷サージ電流が流れたときの検出電圧S13の例を示す波形図である。
図12Aの横軸は時間T(10μS/1目盛)、縦軸は電圧V(1V/1目盛)である。
【0093】
この検出電圧S13の波形は、例えば、8/20μS波形である。連結バー5にインパルス性の雷サージ電流が流れると、検出電圧S13が急激に立ち上がり、時間8μS後に最高電圧値5Vに達し、その後、降下して行く。検出電圧S13は、立ち上がりから20μS後に、最高電圧値5Vの50%(=2.5V)まで減少する。
【0094】
図12Bは、
図5中の起動電圧S15の例を示す波形図である。
図12Bの横軸は時間T(10μS/1目盛)、縦軸は電圧V(500mV/1目盛)である。
【0095】
この起動電圧S15の波形は、電圧制限回路15により、最高電圧値Vmaxが2.0V以下に制限されている。連結バー5に雷サージ電流が流れると、電圧制限回路15から出力される起動電圧S15が、最高電圧値Vmax(例えば、2.0V以下)まで立ち上がり、スリープ状態のCPU21がウェイクアップする。
【0096】
図12Cは、
図5中の変形処理波形S14の電圧値を示す波形図である。
図12Cの横軸は時間T(10μS/1目盛)、縦軸は電圧V(200mV/1目盛)である。
【0097】
変形処理波形S14は、検出電圧S13の立ち上がりに伴い立ち上がり、時間10μSまでの間に最高電圧値800mVに達する。その後、立ち下がって時間20μS〜30μS頃には最低電圧値300mV以下に低下する。再び上昇して時間47μS頃には電圧値が700mV程度になる。再び低下して時間55μS頃には電圧値が600mVになる。その後、変形処理波形S14は、その電圧値600mVを維持する安定領域に入る。そのため、CPU21は、変形処理波形S14が時間100μS後の安定領域になった時を読み取りポイントPとして、その変形処理波形S14の電圧値600mVを入力ポート23でデジタル信号に変換させて読み取り、メモリ22に記憶された
図10の相関値(起動電圧2.0V、変形処理波形S14の電圧値650mV、雷サージ電流400A)を参照し、比例式を用いて、変形処理波形S14の電圧値が600mVの時の雷サージ電流の電流値(=600mV×400A/650mV≒369.23)を算定して雷サージ電流算定結果を求める。
【0098】
このように、演算制御部20内のCPU21は、消費電力を少なくするために、通常、スリープ状態にしておく。一方、インパルス性の雷サージ電流波形の発生時間は、極めて短い。そこで、雷サージ電流波形に対する検出電圧S13波形の波尾を、波形処理部10にて引き延ばして変形処理波形S14を生成する。これにより、CPU21は、ウェイクアップした後にゆっくり変形処理波形S14を読み取ったとしても、雷サージ電流の大きさを的確に算定できる。
【0099】
表示部40は、CPU21の制御により、メモリ22に記憶された必要且つ最低限の雷サージ情報等を短時間で表示する。短時間で表示する理由は、低消費電力化を図るためである。表示部40は、例えば、雷サージ電流の動作履歴として、雷サージ電流の発生回数を数字で表示したり、あるいは、雷サージ電流算定結果、サージ防護デバイス50の交換目安、及び、雷サージ検出器1内に電池35が設けられている場合には電池交換目安等を、LEDの点滅により表示する。
【0100】
雷サージ情報等を確認する場合は、
図5中の確認ボタン26を押す。確認ボタン26が押されると、CPU21は、メモリ22に記憶された雷サージ情報等を表示部40に表示させる。これにより、任意の時間に雷サージ情報等を外部から確認できる。
【0101】
又、メモリ22に記憶された雷サージ情報等は、図示しないモニタユニットからの要求に応じて、CPU21により読み出され、I/Oポート24、コネクタ28、及び通信線29を介して前記モニタユニットへ送信される。
【0102】
(実施例1の効果)
本実施例1の雷サージ検出器1及びサージ防護デバイス50によれば、次の(a)〜(e)のような効果がある。
【0103】
(a) 雷サージ検出器1において、対接地間の雷サージ電流を検出するために、断面が略U字状の検出コイル7を、絶縁部材を介して連結バー5に挟持する構造になっているので、その雷サージ電流検出箇所を小型化できる。特に、検出コイル7は、
図3B又は
図3Fに示すような結線構成になっているので、外部磁界の影響を受けることなく、雷サージ電流を精度良く検出することができる。しかも、雷サージ検出器1を構成する部品点数が少ないので、構造が簡単であり、雷サージ検出器1の全体の形状の小型化が容易である。
【0104】
(b) 雷サージ検出器1において、連結バー5の近傍に配置した検出コイル7により、その連結バー5に流れる雷サージ電流を検出し、波形処理部10により、その検出電圧S13の電圧波形を時間軸に対して引き延ばし、その後、演算制御部20内のCPU21により、雷サージ電流の電流値を算定しているので、インパルス性の小さな雷サージ電流も精度良く検出できる。
【0105】
(c) 雷サージ検出器1の第1端子部3を、サージ防護デバイス50の接地側端子部67へ挿入し、螺子67bで固定することにより、その雷サージ検出器1をサージ防護デバイス50に一体的に結合できるので、雷サージ検出器1付きサージ防護デバイス50を小型に形成することができる。しかも、第1端子部3及び接地側端子部67の結合箇所を2点接触形状にしたので、雷サージ検出器1をサージ防護デバイス50に対して一体的に強固に結合することができる。
【0106】
(d) 雷サージ検出器1付きサージ防護デバイス50によれば、このサージ防護デバイス50に流れた雷サージ電流等の簡易情報(例えば、雷サージ電流の検出回数や大きさ、サージ防護デバイス50の交換目安、電池35が雷サージ検出器1に内蔵されている場合にはその電池交換目安等)が表示部40に表示されるので、その簡易情報を目視で確認できる。
【0107】
(e) 雷サージ検出器1付きサージ防護デバイス50において、雷サージ電流等の前記簡易情報を、雷サージ検出器1内のコネクタ28を介して通信線29へ送信可能な構成になっているので、この雷サージ検出器1付きサージ防護デバイス50の動作及び劣化状態を、外部のモニタユニット等で管理することが可能になる。このサージ防護デバイスの管理システムの構成については、後記の実施例2で説明する。
【実施例2】
【0108】
(実施例2のサージ防護デバイスの管理システムの構成)
図13は、本発明の実施例2におけるローカル型サージ防護デバイスの管理システムの概略を示す構成図である。
【0109】
ローカル型サージ防護デバイスの管理システムは、雷サージ監視箇所に設置され、3線で構成される電源線のそれぞれの線路81−1,81−2,81−3に接続された被保護機器82を、雷サージ電流iから保護するシステムである。この管理システムでは、
図1に示す雷サージ検出器1の複数個(例えば、3個1−1,1−2,1−3)と、
図6に示すサージ防護デバイス50の複数個(例えば、3個50−1,50−2,50−3)と、1個のモニタユニット90と、が間隔を開けずに密接するように併設されて構成されている。
【0110】
3個の雷サージ検出器1−1〜1−3は、3個のサージ防護デバイス50−1〜50−3にそれぞれ外付けされている。3個のサージ防護デバイス50−1〜50−3と1個のモニタユニット90とは、隣接してDINレール80に取り付けられている。3個のサージ防護デバイス50−1〜50−3は、線路側電線83−1,83−2,83−3を介して線路81−1〜81−3にそれぞれ接続されている。3個の雷サージ検出器1−1〜1−3にそれぞれ接続された接地線84−1,84−2,84−3は、束ねられて1本の集合接地線85に接続され、その集合接地線85がモニタユニット90に接続されている。
【0111】
モニタユニット90は、略箱形の
第2ケース91を有している。ケース91の側面には、第1端子部92及び第2端子部93が設けられ、更に、そのケース91の上面に、表示部98が設けられている。第1端子部92には、集合接地線85が接続され、更に、第2端子部93が、接地線86を介してグランドGNDに接続されている。表示部98は、各雷サージ検出器1−1〜1−3に流れた雷サージ電流等の情報(例えば、各サージ防護デバイス50−1〜50−3の動作回数、動作時間等)を表示するものであり、液晶表示器及びLED等で構成されている。
【0112】
図14は、
図13中のモニタユニット90を示す透視図である。
第1端子部92は、
図8中のサージ防護デバイス50の線路側端子部66又は接地側端子部67と同様に、断面が略U字形の支持枠92aと、螺子92bと、断面が略方形の固定枠92cとにより構成されている。支持枠92aは、対向する第1片及び第2片と、この第1片及び第2片間を連結する底片とにより構成され、その底片が、垂直方向に配置され、その第1片及び第2片が、水平方向に配置されて、ケース91の側面内に固定されている。支持枠92aの第1片には、螺子92bが垂直方向に貫通している。固定枠92cは、螺子92bの下端に、上下動可能に取り付けられている。図示しない電線挿入用開口部から挿入された集合接地線85の端末部は、固定枠92c内に挿入され、螺子92bを締め付けることにより、その固定枠92cが上下に移動して、その集合接地線85の端末部が、第1端子部92に固定されるようになっている。
【0113】
第2端子部93は、第1端子部92と同様に、断面が略U字形の支持枠93aと、螺子93bと、断面が略方形の固定枠93cとにより構成されている。図示しない電線挿入用開口部から挿入された接地線86の端末部は、固定枠93c内に挿入され、螺子93を締め付けることにより、その固定枠93cが上下に移動して、その接地線86の端末部が、第2端子部93に固定されるようになっている。
【0114】
第1端子部92及び第2端子部93は、導通用連結バー94により連結されている。連結バー94の外周には、所定間隔隔ててリング状の計器用変流器(Current Transformer、以下「CT」という。)95が装着されている。CT95は、連結バー94を流れる雷サージ電流を検出するものであり、この出力側に、図示しない制御部等が接続されている。
【0115】
図15は、
図14のモニタユニット90の概略の回路構成を示すブロック図である。
CT95の出力側には、制御部96が接続されている。制御部96は、モニタユニット90全体をプログラム制御するものであり、CPU、メモリ、及びI/Oポート等により構成されている。制御部96には、表示部98内あるいは表示部98の近傍に配置された表示ボタン等の入力部97と、表示部98と、コネクタ99等とが接続されている。コネクタ99には、2線で構成される通信線29と、2線で構成される電源線30とが接続されている。制御部96は、電源線30より電源電力を受電すると共に、通信線29を介して外部の雷サージ検出器1−1〜1−3等と通信を行う機能を有している。
【0116】
(実施例2のサージ防護デバイスの管理システムの動作)
図13のサージ防護デバイスの管理システムにおいて、
図14及び
図15のモニタユニット90は、次の(a)、(b)のような動作を行う。
【0117】
(a)
図13中の矢印で示すように、集合接地線85に雷サージ電流iが流れた場合、この雷サージ電流iをCT95で検出し、制御部96により電流値の算定を行って内部のメモリにその電流値を保存し、時刻設定(タイムスタンプ)も行う。
【0118】
更に、制御部96は、コネクタ99に接続された通信線29を経由して、各サージ防護デバイス50(=50−1〜50−3)にそれぞれ取り付けられた各雷サージ検出器1(=1−1〜1−3)に対して、雷サージ電流の有無の照会を行う。その後、制御部96は、各雷サージ検出器1からの回答内容(例えば、雷サージ電流の有無や電流値等)を内部のメモリに保存する。
【0119】
(b) 入力部97の表示ボタンを押す等して、制御部96から表示部98に対して表示命令が出力された場合、制御部96は、内部のメモリに保存された各雷サージ検出器1の諸情報(例えば、動作履歴である日時、電流値等)を表示部98に表示させる。
【0120】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、次の(1)〜(3)のような効果がある。
【0121】
(1) 複数個の雷サージ検出器付きサージ防護デバイス50−1〜50−3と、これに隣接した1個のモニタユニット90と、を間隔を開けずに密接するように併設して、サージ防護デバイスの管理システムを構成したので、サージ防護デバイスの管理システムを小型に形成することができる。又、モニタユニット90に設けたCT95により、集合接地線85に流れた雷サージ電流についての詳細情報も把握することができる。
【0122】
(2) 管理システムの小型化を図るために、複数個の雷サージ検出器1−1〜1−3は、間隔を開けずに密接するように併設され、各雷サージ検出器1中の検出コイル7が、
図3B又は
図3Fに示すような結線構成になっている。そのため、
図3C又は
図3Gに示すように、例えば、雷サージ検出器1−1において、隣接する雷サージ検出器1−2中の連結バー5Aに雷サージ電流が流れた際に、当該雷サージ検出器1−1中の連結バー5に雷サージ電流が流れたと誤認することが無くなる。従って、各雷サージ検出器1は、隣接する連結バー5Aからの外部磁界H0の影響を受けることなく、雷サージ電流を精度良く検出することができる。
【0123】
(3) 各雷サージ検出器付きサージ防護デバイス50−1〜50−3の詳細情報(例えば、雷サージの回数、雷サージ電流の大きさ、雷サージが生じた時刻、交換目安等)を、モニタユニット90でローカル的に確認及び管理することができる。