特許第5778542号(P5778542)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778542
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】既設管の穿孔方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/06 20060101AFI20150827BHJP
   B23B 41/08 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   F16L41/06
   B23B41/08
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-221194(P2011-221194)
(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公開番号】特開2013-79708(P2013-79708A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2013年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】396020361
【氏名又は名称】株式会社水道技術開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100128901
【弁理士】
【氏名又は名称】東 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100144761
【弁理士】
【氏名又は名称】中条 均
(72)【発明者】
【氏名】堀川 剛
(72)【発明者】
【氏名】山本 大介
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−106659(JP,A)
【文献】 特開2011−080546(JP,A)
【文献】 特開2002−327877(JP,A)
【文献】 特開2003−207064(JP,A)
【文献】 特開2011−089593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/06
B23B 41/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設管の管壁に穿孔装置で分岐用の貫通孔を形成する既設管の穿孔方法であって、
前記既設管に装着された分割構造のT字継手の分岐口部に、当該分岐口部に対する接続口部と分岐管が接続される受口部との間に仕切弁を装備しある仕切弁装置を水密状態で連結する弁装置連結工程と、
前記受口部に形成されている第1連結フランジに対して分岐軸芯方向から連結可能な第2連結フランジと、パッキンを外側に延出させた状態で収容する環状溝部が端面に形成され、前記受口部のテーパ状内周面に前記分岐軸芯方向から入り込み可能な筒状部とを有する合フランジを介して、前記穿孔装置を前記受口部に水密状態で連結する穿孔装置連結工程と、
前記切弁を開弁操作して前記穿孔装置で前記既設管の管壁に貫通孔を形成する穿孔工程と、
前記切弁を閉弁操作した状態で前記合フランジと前記穿孔装置とを撤去する穿孔装置撤去工程と
前記穿孔装置撤去工程後に、操作部が外部に位置する状態で前記受口部の開口から挿入されたロック解除操作具で前記受口部の内周面のリング装着溝に装着されているロックリングを拡径したロック解除状態に持するロック解除工程とを備えている既設管の穿孔方法。
【請求項2】
記ロック解除工程後に、前記受口部に分岐管を接続する分岐管接続工程備えている請求項1に記載の既設管の穿孔方法。
【請求項3】
前記ロックリングとして、無負荷状態では前記分岐管の外周面の先端側部位に形成される環状係止突起に前記分岐軸芯方向から係合可能な内径で、且つ、前記穿孔装置の回転切削具が通過可能な内径に設定されたものを使用する求項1又は2記載の既設管の穿孔方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布設された水道管等の既設管の管壁に穿孔装置で分岐用の貫通孔を形成する既設管の穿孔方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の既設管の穿孔方法では、
既設管に装着された分割構造のT字継手の分岐口部に、当該分岐口部に対する接続口部と分岐管が接続される受口部との間に仕切弁を装備し、かつ、受口部の内周面のリング装着溝にロックリングが装着されている仕切弁装置を、既設管に装着されたT字継手の分岐口部に水密状態で連結する弁装置連結工程と、
仕切弁装置の受口部に形成されている連結フランジに、合フランジを介して穿孔装置を水密状態で連結する穿孔装置連結工程と、
仕切弁装置の仕切弁を開弁操作して穿孔装置で既設管の管壁に貫通孔を形成する穿孔工程と、
仕切弁装置の仕切弁を閉弁操作した状態で合フランジと穿孔装置を撤去する穿孔装置撤去工程とからなり、前記穿孔装置撤去後に、仕切弁装置の受口部に分岐管を接続する分岐管接続工事に備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
尚、既設管の穿孔工事の完了後において、前記仕切弁装置の受口部に、リング装着溝に装着されているロックリングに対して分岐軸芯方向から係合可能な環状係止突起を先端側部位に備えた分岐管を挿入し、当該分岐管の環状係止突起の前端に形成されている環状傾斜面でロックリングを拡径変形させながら通過させて接続する分岐管接続工事が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−106659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既設管の管壁に流体の流れを維持したまま貫通孔を形成して分岐管を新設する工法においては、既設管に対するT字継手及び仕切弁装置の組付け作業と、仕切弁装置の受口部に合フランジを介して穿孔装置を連結して、既設管の管壁に貫通孔を形成する穿孔作業との分岐基礎工事を担当する事業者と、仕切弁装置の受口部に分岐管を接続する管接続事業者とに別れる形態が採られることがある。
【0006】
分岐基礎工事を担当する事業者においては、仕切弁装置の受口部のリング装着溝に装着されているロックリングが穿孔作業の邪魔になることはないが、管接続事業者においては、仕切弁装置の受口部に分岐管を接続する際、受口部のリング装着溝に装着されているロックリングを、受口部に挿入される分岐管の環状係止突起の環状傾斜面で拡径変形させながら通過させなければならず、しかも、これに分岐管の重量が加わるため、分岐管の接続作業に多大の労力と手間を要していた。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、弁装置連結工程から穿孔装置撤去工程までの穿孔作業の確実化を維持しながら、その穿孔作業終了時点で、ロックリングの存在にかかわらず分岐管の接続作業を能率良く容易に行い得る作業環境を構築することのできる既設管の穿孔方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による第1の特徴構成は、既設管の管壁に穿孔装置で分岐用の貫通孔を形成する既設管の穿孔方法であって、
前記既設管に装着された分割構造のT字継手の分岐口部に、当該分岐口部に対する接続口部と分岐管が接続される受口部との間に仕切弁を装備しある仕切弁装置を水密状態で連結する弁装置連結工程と、
前記受口部に形成されている第1連結フランジに対して分岐軸芯方向から連結可能な第2連結フランジと、パッキンを外側に延出させた状態で収容する環状溝部が端面に形成され、前記受口部のテーパ状内周面に前記分岐軸芯方向から入り込み可能な筒状部とを有する合フランジを介して、前記穿孔装置を前記受口部に水密状態で連結する穿孔装置連結工程と、
前記切弁を開弁操作して前記穿孔装置で前記既設管の管壁に貫通孔を形成する穿孔工程と、
前記切弁を閉弁操作した状態で前記合フランジと前記穿孔装置とを撤去する穿孔装置撤去工程と
前記穿孔装置撤去工程後に、操作部が外部に位置する状態で前記受口部の開口から挿入されたロック解除操作具で前記受口部の内周面のリング装着溝に装着されているロックリングを拡径したロック解除状態に持するロック解除工程とを備えている点にある。
【0009】
上記構成によれば、T字継手の分岐口部に対する接続口部と分岐管が接続される受口部との間に仕切弁を装備し、かつ、受口部の内周面のリング装着溝にロックリングが装着されている仕切弁装置として、リング装着溝に装着されているロックリングをロック解除状態に保持するロック解除操作具をそれの操作部が受口部の外部に位置する状態で設けてある仕切弁装置を採用したことにより、穿孔作業後において分岐管を仕切弁装置の受口部に挿入接続するとき、ロックリングを拡径変形させる必要がない分だけ挿入抵抗を大幅に軽減することができる。
【0010】
しかも、分岐管を所定接続位置に挿入した時点で、受口部の外部に位置するロック解除操作具の操作部を把持して引抜き操作することにより、ロックリングがロック状態に縮径するから、ロックリングによる分岐管の高い離脱阻止機能を確実に発揮させることができる。
【0011】
それでいて、仕切弁装置の受口部の連結フランジに穿孔装置の合フランジを連結するときには、ロック解除操作具が予め引抜き操作されているから、ロック解除操作具の操作部が邪魔になることがなく、受口部の連結フランジと穿孔装置の合フランジとを水密状態で確実に連結することができる。また、穿孔装置連結工程において、仕切弁装置の受口部に形成されている連結フランジに、合フランジの第2連結フランジを分岐軸芯方向から当接させたとき、当該合フランジの筒状部が受口部のテーパ状内周面の形成領域に管軸芯方向から入り込み、合フランジの筒状部に設けられたパッキンがテーパ状内周面の管軸芯方向から当接して密封するとともに、パッキンの圧縮に伴う仕切弁装置の受口部と合フランジとの調芯作用により穿孔精度の向上を図ることができる。
【0012】
穿孔装置撤去工程後の予定工程として、ロック解除操作具でリング装着溝に装着されているロックリングを拡径したロック解除状態に持するロック解除工程を組み込んであるから、仕切弁装置の受口部に分岐管部を挿入接続する工程(工事)に移行するときには、ロックリングによる高い離脱阻止機能を確実に発揮させつつ分岐管の接続作業を能率良く容易に行うことのできる作業環境を、ロック解除操作具の差し込み操作といった簡単な追加工程で容易に現出することができる。
【0013】
したがって、弁装置連結工程から穿孔装置撤去工程までの穿孔作業の確実化を維持しながら、その穿孔作業終了時点で、高い離脱阻止機能を発揮するロックリングの存在にかかわらず分岐管の接続作業を能率良く容易に行い得る作業環境を簡単な追加工程で容易に現出することができる。
【0014】
本発明による他の特徴構成は、記ロック解除工程後に、前記受口部に分岐管を接続する分岐管接続工程備えている点にある。
【0015】
上記構成によれば、T字継手の分岐口部に対する接続口部と分岐管が接続される受口部との間に仕切弁を装備し、かつ、受口部の内周面のリング装着溝にロックリングが装着されている仕切弁装置として、リング装着溝に装着されているロックリングをロック解除状態に保持するロック解除操作具をそれの操作部が受口部の外部に位置する状態で設けてある仕切弁装置を採用したことにより、穿孔作業後において分岐管を仕切弁装置の受口部に挿入接続するとき、ロックリングを拡径変形させる必要がない分だけ挿入抵抗を大幅に軽減することができる。
【0016】
しかも、分岐管を所定接続位置に挿入した時点で、受口部の外部に位置するロック解除操作具の操作部を把持して引抜き操作することにより、ロックリングがロック状態に縮径するから、ロックリングによる分岐管の高い離脱阻止機能を確実に発揮させることができる。
【0017】
それでいて、仕切弁装置の受口部の連結フランジに穿孔装置の合フランジを連結するときには、ロック解除操作具が予め引抜き操作してあるから、ロック解除操作具の操作部が邪魔になることがなく、受口部の連結フランジと穿孔装置の合フランジとを水密状態で確実に連結することができる。
【0018】
しかも、穿孔装置撤去工程後には、仕切弁装置の受口部の開口から挿入したロック解除操作具でリング装着溝内のロックリングを拡径したロック解除状態に持するロック解除工程を実行するから、仕切弁装置の受口部に分岐管部を挿入接続する工程(工事)に移行するときには、ロックリングによる高い離脱阻止機能を確実に発揮させつつ分岐管の接続作業を能率良く容易に行い得る作業環境を構築することができる。
【0019】
したがって、弁装置連結工程からロック解除工程までの穿孔作業の確実化を維持しながら、そのロック解除工程終了時点で、高い離脱阻止機能を発揮するロックリングの存在にかかわらず分岐管の接続作業を能率良く容易に行うことのできる作業環境を構築することができる。
【0020】
本発明による他の特徴構成は、前記ロックリングとして、無負荷状態では前記分岐管の外周面の先端側部位に形成される環状係止突起に前記分岐軸芯方向から係合可能な内径で、且つ、前記穿孔装置の回転切削具が通過可能な内径に設定されたものを使用する点にある。
【0021】
上記構成によれば、分岐管の環状係止突起の外径と穿孔装置の回転切削具の外径寸法に基づくロックリングの合理的な改造により、高い離脱阻止機能を確実に発揮しながら回転切削具との接触回避対策をコスト面で有利に構成することができる。
【0022】
【0023】
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態を示す水道管に割T字継手及び仕切弁装置を連結したときの断面図
図2】仕切弁装置の受口部の拡大断面図
図3図2におけるIII−III線矢視図
図4図2におけるIV−IV線断面図
図5】ロック解除操作具を引抜き操作したときの拡大断面図
図6図5におけるVI−VI線矢視図
図7】穿孔装置連結工程を示す部分断面の側面図
図8】仕切弁装置の受口部と合フランジの第2連結フランジとの連結前の拡大断面(a)と連結後の拡大断面(b)
図9】穿孔工程を示す部分断面の側面図
図10】穿孔装置撤去工程を示す部分断面の側面図
図11】ロック解除操作具によるロック解除工程を示す部分断面の側面図
図12】分岐管接続工程を示す断面図
図13】ロック解除操作具を引抜き操作したときの拡大断面図
図14】押輪装着工程を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
図1図11は、既設管の一例である鋳鉄管製の水道管1の管壁1Aに、当該水道管1での上水(流体)の流れを維持した不断水状態のまま分岐用の貫通孔2を形成する既設水道管の穿孔方法を示す。
【0026】
[1] 図1図4は、水道管1の貫通孔形成部位を含む設定分岐装着領域に、分割構造のT字継手の一例である割T字管Aを水密状態で装着するとともに、この割T字管Aの分岐口部6に、当該分岐口部6に対する接続口部10と分岐管20が接続される受口部16との間に仕切弁(仕切弁体)15を装備し、かつ、前記受口部16の内周面16aのリング装着溝16bに装着されているロックリング18を拡径したロック解除状態に保持するロック解除操作具21をそれの操作部21cが受口部16の外部に位置する状態で装着してある仕切弁装置Bを水密状態で連結する弁装置連結工程を示す。
【0027】
この弁装置連結工程で使用される割T字管Aは、水道管1に対して管径方向から外装自在な管周方向で三分割された部分円筒状の分割継手体3から構成されているとともに、各分割継手体3の管周方向両端部には、水道管1に外装された分割継手体3の隣接端部同士を締結手段4の一例である複数本のボルト4A・ナット4Bを介して脱着自在に固定連結するための連結フランジ部3aが一体形成されている。
【0028】
また、各分割継手体3の内面に形成されたシール保持溝3bには、水道管1の外周面との間を水密状態に密封する合成ゴム製のシール材5が装着されているとともに、一つの分割継手体3の中央部には、貫通孔2の直径よりも大なる内径を備えた円筒状の分岐口部6が、分岐軸芯X方向に沿って突出する状態で一体形成されている。
【0029】
この分岐口部6の先端部には、仕切弁装置Bの接続口部10が分岐軸芯X方向から内嵌接続される嵌合受け部6Aが形成され、この嵌合受け部6Aの外周面の端部には、仕切弁装置Bの弁ケース部11に設けられた連結片12と第2締結手段13の一例である複数本のボルト13A・ナット13Bを介して脱着自在に固定連結される連結フランジ7が一体形成されている。
【0030】
前記仕切弁装置Bの弁ケース部11内には、弁操作軸14の回転操作によって開閉作動される仕切弁15が設けられているとともに、この弁ケース部11の上流側部位及び下流側部位には、円筒状の接続口部10と円筒状の受口部16とが分岐軸芯X上において同芯状態で一体形成されている。
【0031】
前記仕切弁装置Bの受口部16の外周面の端部には、穿孔装置Cの合フランジ30(図7参照)と穿孔作業後に装着される押輪40(図14参照)と択一的に固定連結可能な連結フランジ17が一体形成されているとともに、受口部16の内周面16aには、周方向の一箇所が切断されている縮径側及び拡径側に弾性変形可能な略Cの字状のロックリング18が装着されるリング装着溝16bが形成されている。
【0032】
前記ロックリング18は、自然状態において、受口部16の内周面16aの内径よりも大なる外径に設定されているとともに、受口部16の内周面16aにおけるリング装着溝16bの上流側部位の内径よりも小径な内径に設定され、更に、分岐管20の外周面の先端側部位に突出形成されている環状係止突起20Aと分岐軸芯X方向から係合して、仕切弁装置Bの受口部16と分岐管20との相対離脱移動を阻止可能な内径に設定されている。
【0033】
また、前記ロックリング18は、それの両端部18a,18bの間隔を図外の周知構造の拡縮径操作治具で広げることにより、分岐管20の環状係止突起20Aの通過を許容する内径、つまり、環状係止突起20Aの外径よりも大きな内径となるロック解除状態にまで拡径操作可能に構成されている。
【0034】
さらに、前記ロックリング18の両端部18a,18bの間隔を拡縮径操作治具で狭めることにより、リング装着溝16bの下流側(受口部16の開口側)を区画形成する状態で受口部16の内周面16aに突出形成されている環状区画壁部16cの内径よりも小さな外径となるリング脱着操作状態にまで縮径操作可能に構成されている。
【0035】
前記ロックリング18の内周面の下流側角部には、分岐管20の環状係止突起20Aの上流側角部に形成されている拡径操作用の外側カム面20aと分岐軸芯X方向から当接する拡径案内用の内側カム面18cが形成されている。
【0036】
そして、図2図4に示すように、前記ロックリング18が拡縮径操作治具でロック解除状態に拡径操作されている状態において、受口部16の開口から環状区画壁部16cに形成された脱着操作用切欠部16dを通してロックリング18の両端部18a,18b間に挿入することにより、当該ロックリング18をロック解除状態に保持するロック解除操作具21が、受口部16の外部に引き抜き操作可能な状態で装着されている。
【0037】
このロック解除操作具21は、リング装着溝16b内のロックリング18の両端部18a,18b間に該ロックリング18の弾性復元力による縮径力で挾持される拡径保持部21aと、この拡径保持部21aから受口部16の内周面16aに沿って外部に延出される板状の繋ぎ部21b、及び、当該繋ぎ部21bの端部から受口部16の連結フランジ17の連結面17aに沿って径方向外方に延出される板状の操作部21cとから構成されているとともに、操作部21cには、当該操作部21cを把持操作するための指挿入用長孔21dが形成されている。
【0038】
[2] 図5図8は、ロック解除操作具21を仕切弁装置Bの受口部16から引抜き操作したのち、仕切弁装置Bの受口部16の連結フランジ17に、合フランジ30を介して穿孔装置Cを水密状態で連結する穿孔装置連結工程を示す。
【0039】
この穿孔装置連結工程の前半工程であるロック解除操作具21の引抜き工程においては、図5図6に示すように、ロックリング18の両端部18a,18b間に挾持保持されているロック解除操作具21の操作部21cを、ロックリング18の弾性復元力による縮径力に抗して引っ張り操作すると、ロックリング18自体は受口部16のリング装着溝16b内に嵌合保持されているため、ロック解除操作具21の拡径保持部21aが、ロックリング18の両端部18a,18b間から環状区画壁部16cの脱着操作用切欠部16dを通して受口部16の外部に引き抜かれる。
【0040】
そのため、ロックリング18は、弾性復元力で縮径して分岐管20の環状係止突起20Aと分岐軸芯X方向から係合可能なロック状態に切り替わる。
【0041】
また、穿孔装置連結工程の後半工程である合フランジ30の連結工程では、図7図9に示すように、受口部16の連結フランジ17と、これに対して分岐軸芯X方向から当接状態で連結可能な合フランジ30の第2連結フランジ30Aとが、第3締結手段31の一例である複数本のボルト31A・ナット31Bを介して脱着可能に水密状態で固定連結されている。
【0042】
前記受口部16の連結フランジ17には円形のボルト挿通孔17bが形成されているとともに、合フランジ30の第2連結フランジ30Aには径方向に沿う長円状のボルト挿通孔30dが形成されている。
【0043】
前記合フランジ30は、受口部16の連結フランジ17の連結位置と穿孔装置Cのケーシング35に形成されている第4連結フランジ36の連結位置とが異なる場合の調整機能を有するものであって、第2連結フランジ30Aを一体形成してある大径筒部30Bと、ケーシング35の第4連結フランジ36に対して分岐軸芯X方向から当接状態で連結可能な第3連結フランジ30Cを形成してある小径筒部30Dとを連設してなる。
【0044】
前記合フランジ30の第3連結フランジ30Cと穿孔装置Cのケーシング35の第4連結フランジ36とは、第4締結手段34の一例である複数本のボルト34A・ナット34Bを介して脱着可能に水密状態で固定連結されている。
【0045】
前記合フランジ30の大径筒部30Bの端部には、受口部16の内周面16aの開口側部位に形成されているパッキン装着用のテーパ状内周面16eの形成領域に分岐軸芯X方向から入り込み可能な筒状部30Eが一体形成され、この筒状部30Eには、受口部16のテーパ状内周面16eに分岐軸芯X方向から当接して密封するパッキン32が設けられている。
【0046】
図8に示すように、前記合フランジ30の筒状部30Eの端面30bには、パッキン32の径方向内方側端部32aが嵌合装着される環状溝の嵌合装着部30cが形成されているとともに、パッキン32の径方向外方側端部32bが、筒状部30Eの外周面30eと第2連結フランジ30Aの連結面30aとの境界箇所又はそれの近傍箇所に延出されている。
【0047】
前記合フランジ30の筒状部30Eの外周面30eが、受口部16のテーパ状内周面16eの勾配に沿う又は略沿う環状傾斜面に形成されているとともに、パッキン32のうち、受口部16のテーパ状内周面16eに当接するシール部32cが、第2連結フランジ30Aの連結面30a側(径方向外方側)ほど薄肉に構成されている。
【0048】
前記合フランジ30の筒状部30Eの分岐軸芯X方向での突出長さが、受口部16のテーパ状内周面16eの分岐軸芯X方向での長さ、つまり、テーパ状内周面16eの少なくともパッキン32と接触する部位の分岐軸芯X方向での長さよりも小に構成されている。
【0049】
前記穿孔装置Cとしては従来から種々の構造のものが開発されているが、当該実施形態では、ケーシング35から合フランジ30内に突出する駆動回転軸37の先端部に、回転切削具の構成部材の一例で、切削チップを備えた円筒状のホールソー38と、当該ホールソー38内の回転中心位置から前方に突出するセンタードリル39とを取付けて構成されている。
【0050】
前記センタードリル39の先端側部位には、水道管1の管壁1Aから切断分離された切片1aに係止する縮径側に弾性変形可能な切片落下防止リング39Aと、この切片落下防止リング39Aをセンタードリル39の外径と同じ外径に縮径させた状態に保持するドリル軸方向に摺動可能な樹脂製の縮径保持リング39Bとが設けられている。
【0051】
[3] 図9は、前記仕切弁装置Bの仕切弁15を開弁操作したのち、穿孔装置Cのホールソー38とセンタードリル39とを、仕切弁装置Bの受口部16及び接続口部10を通して割T字管Aの分岐口部6内に送り込み、水道管1の管壁1Aに貫通孔2を形成する穿孔工程を示す。
【0052】
この穿孔で発生した切片1aは、切片落下防止リング39Aに外装されている縮径保持リング39Bを押し込みながらホールソー38内に入り込み、且つ、弾性復元力で拡径側に変形する切片落下防止リング39Aで抜止め支持され、戻り移動するホールソー38及びセンタードリル39と一緒に取り出される。
【0053】
[4] 図10は、仕切弁装置Bの仕切弁15を閉弁操作したのち、受口部16の連結フランジ17と合フランジ30の第2連結フランジ30Aとを連結しているボルト31A・ナット31Bを分解し、仕切弁装置Bの受口部16から合フランジ30及び穿孔装置Cを撤去する穿孔装置撤去工程を示す。
【0054】
[5] 図11は、前記仕切弁装置Bの受口部16の開口から挿入した前記ロック解除操作具21でリング装着溝16b内のロックリング18を拡径したロック解除状態に再保持するロック解除工程を示す。
【0055】
具体的には、ロックリング18の両端部18a,18bを拡縮径操作治具でロック解除状態に拡径操作し、このロック解除状態を維持したまま、受口部16の開口から環状区画壁部16cの脱着操作用切欠部16dを通してロックリング18の両端部18a,18b間にロック解除操作具21の拡径保持部21aを挿入し、拡縮径操作治具による拡径操作力を解除する。
【0056】
これによってロックリング18が縮径し、ロックリング18の両端部18a,18b間に該ロックリング18の弾性復元力による縮径力でロック解除操作具21の拡径保持部21aが挾持される。
【0057】
[6] そして、上述の弁装置連結工程からロック解除工程までは分岐基礎工事を担当する事業者が行い、ロック解除工程後に、仕切弁装置Bの受口部16に分岐管20を接続する分岐管接続工程に備えることになる。
【0058】
[7] 図12図14は、仕切弁装置Bの受口部16に分岐管20を接続する管接続事業者による分岐管接続工程を示す。
【0059】
図12では、ロックリング18がロック解除状態に維持されているため、分岐基礎工事を担当する事業者において分岐管20を仕切弁装置Bの受口部16に挿入接続するとき、ロックリング18を拡径変形させる必要がない分だけ挿入抵抗を大幅に軽減することができる。
【0060】
図13は、ロック解除操作具21を仕切弁装置Bの受口部16から引抜き操作する工程を示す。
この引抜き操作工程では、ロックリング18の両端部18a,18b間に挾持保持されているロック解除操作具21の操作部21cを、ロックリング18の弾性復元力による縮径力に抗して引っ張り操作すると、ロックリング18自体は受口部16のリング装着溝16b内に嵌合保持されているため、ロック解除操作具21の拡径保持部21aが、ロックリング18の両端部18a,18b間から環状区画壁部16cの脱着操作用切欠部16dを通して受口部16の外部に引き抜かれる。
【0061】
そのため、ロックリング18は、弾性復元力で縮径して分岐管20の環状係止突起20Aと分岐軸芯X方向から係合可能なロック状態に切り替わるため、ロックリング18による分岐管20の高い離脱阻止機能を確実に発揮させることができる。
【0062】
図14は、分岐管20の外周面と受口部16のテーパ状内周面16eとの対向面間に、これら両者間を水密状態に密封可能な合成ゴム製の弾性シール材41を装着するとともに、この弾性シール材41を分岐軸芯X方向から圧縮可能な鋳鉄製の押輪40を分岐管20に外装し、この押輪40と受口部16の連結フランジ17とを、第5締結手段42の一例である複数本のボルト42A・ナット42Bを介して固定連結する。
【0063】
このボルト42A・ナット42Bの締付け操作に伴う押輪40の受口部16側への近接移動により、押輪40の先端側の押圧部で弾性シール材41を圧縮変形させ、分岐管20の外周面と受口部16のテーパ状内周面16eとの間を密封する。
【0064】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、弁装置連結工程からロック解除工程までの工事を一挙に行う方法について説明したが、仕切弁装置Bの仕切弁15を閉弁操作した状態で合フランジ30と穿孔装置Cとを撤去する穿孔装置撤去工程まで行い、管接続事業者が分岐管接続工事を実施する前に、仕切弁装置Bの受口部16の開口から挿入したロック解除操作具21でリング装着溝16b内のロックリング18を拡径したロック解除状態に再保持するロック解除工程を実行してもよい。
また、仕切弁装置Bの仕切弁15を閉弁操作した状態で合フランジ30と穿孔装置Cとを撤去する穿孔装置撤去工程まで行い、分岐管接続工事を実施する管接続事業者において、仕切弁装置Bの受口部16の開口から挿入したロック解除操作具21でリング装着溝16b内のロックリング18を拡径したロック解除状態に再保持するロック解除工程を実行してもよい。
【0065】
(2)上述の第1実施形態では、既設管として水道管を例に挙げて説明したが、下水管等の他の流体管であってもよい。
【0066】
(3)割T字管Aの分岐口部6と仕切弁装置Bの接続口部10との接続構造、及び、仕切弁装置Bの受口部16と穿孔装置Cの合フランジ30との接続構造は、上述の第1実施形態で説明した構造のものに限定されるものではない。
【0067】
(4)また、合フランジ30及びロック解除操作具21も、上述の第1実施形態で説明した構造以外の構造に変更することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、弁装置連結工程から穿孔装置撤去工程までの穿孔作業の確実化を維持しながら、その穿孔作業終了時点で、ロックリングの存在にかかわらず分岐管の接続作業を能率良く容易に行い得る作業環境を構築することのできる既設管の穿孔方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
A T字継手(割T字管)
B 仕切弁装置
C 穿孔装置
X 分岐軸芯
1 既設管(水道管)
1A 管壁
2 貫通孔
6 分岐口部
10 接続口部
15 仕切弁
16 受口部
16b リング装着溝
16e テーパ状内周面
17 連結フランジ
18 ロックリング
20 分岐管
20A 環状係止突起
21 ロック解除操作具
21c 操作部
30 合フランジ
30A 第2連結フランジ
30E 筒状部
32 パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14