特許第5778571号(P5778571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三甲株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000002
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000003
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000004
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000005
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000006
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000007
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000008
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000009
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000010
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000011
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000012
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000013
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000014
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000015
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000016
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000017
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000018
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000019
  • 特許5778571-中仕切り容器 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778571
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】中仕切り容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/04 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
   B65D25/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-280681(P2011-280681)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-129448(P2013-129448A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】飯田 将理
【審査官】 村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−247347(JP,A)
【文献】 特開2010−241435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、相対する一方の側壁と、相対するもう一方の側壁とを有する容器本体と、
前記もう一方の側壁に沿って、前記容器本体内に並列状態で配設される複数の中仕切り部材と、
前記相対する一方の側壁に隣接して配置される中仕切り固定部材と
を備えた中仕切り容器であって、
前記容器本体は、前記相対する一方の側壁に沿って形成され、前記中仕切り部材を配設するための中仕切り保持部材を具備し、
前記中仕切り保持部材は、前記相対する一方の側壁の内壁面に形成された端部中仕切り保持部材を備え、
前記中仕切り部材の両端縁には、外側に延在する水平載置フランジが設けられ、前記中仕切り部材の配設状態においては、前記水平載置フランジが、前記端部中仕切り保持部材の上面に載置されるように構成されているとともに、その上方の挿入空間に、前記中仕切り固定部材が挿入されるように構成され、
前記中仕切り固定部材には、一方の側面側に突出する係止爪が設けられた係止爪用弾性片が複数設けられているとともに、上方において他方の側面側に突出する押圧爪が設けられた上方押圧用弾性片と、下方において他方の側面側に突出する押圧爪が設けられた下方押圧用弾性片とが設けられており、
前記中仕切り固定部材の配設状態においては、
前記係止爪用弾性片が、前記容器本体の一方の側壁に形成された係止部に係止されるように構成されるとともに、
前記下方押圧用弾性片及び前記上方押圧用弾性片が、配設状態にある前記中仕切り部材を、前記下方押圧用弾性片及び前記上方押圧用弾性片の互いに前記容器本体の内側方向に向かう弾性力により、前記中仕切り部材を挟むように把持するよう構成されることを特徴とする中仕切り容器。
【請求項2】
前記中仕切り部材と平行に、前記相対するもう一方の側壁のうち一方の側壁に隣接して配置されるスペーサーを備え、当該スペーサーは、前記底部に対して略垂直な面一な内側側面を有するとを特徴とする請求項1に記載の中仕切り容器。
【請求項3】
前記中仕切り保持部材は、前記端部中仕切り保持部材の間に、当該端部中仕切り保持部材と平行に、且つ、所定の間隔で形成された複数の中間中仕切り保持部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の中仕切り容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中仕切りにより、種々の形状を有する物品が収容される空間が形成されている中仕切り容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一方の中仕切り部材の側部に形成された嵌合凹部に、隣接されるもう一方の中仕切り部材の側部に形成された突起を嵌合するようにして、順次、中仕切り部材を連結し、その後、多数、連結された中仕切り部材を纏めて、容器に収容するようにした中仕切り容器が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−139033
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
来の中仕切り容器においては連結された中仕切り部材や中仕切り部材と中仕切り容器の容器本体とのガタツキが大きく、中仕切り容器の搬送中に、中仕切り容器の収容スペースに収容された物品が移動し、物品が損傷するという問題があった。
【0006】
更に、従来の中仕切り容器においては中仕切り容器の本体と中仕切り部材との係止が、確実に行われないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と、相対する一方の側壁と、相対するもう一方の側壁とを有する容器本体と、
前記もう一方の側壁に沿って、前記容器本体内に並列状態で配設される複数の中仕切り部材と、
前記相対する一方の側壁に隣接して配置される中仕切り固定部材と
を備えた中仕切り容器であって、
前記容器本体は、前記相対する一方の側壁に沿って形成され、前記中仕切り部材を配設するための中仕切り保持部材を具備し、
前記中仕切り保持部材は、前記相対する一方の側壁の内壁面に形成された端部中仕切り保持部材を備え、
前記中仕切り部材の両端縁には、外側に延在する水平載置フランジが設けられ、前記中仕切り部材の配設状態においては、前記水平載置フランジが、前記端部中仕切り保持部材の上面に載置されるように構成されているとともに、その上方の挿入空間に、前記中仕切り固定部材が挿入されるように構成され、
前記中仕切り固定部材には、一方の側面側に突出する係止爪が設けられた係止爪用弾性片が複数設けられているとともに、上方において他方の側面側に突出する押圧爪が設けられた上方押圧用弾性片と、下方において他方の側面側に突出する押圧爪が設けられた下方押圧用弾性片とが設けられており、
前記中仕切り固定部材の配設状態においては、
前記係止爪用弾性片が、前記容器本体の一方の側壁に形成された係止部に係止されるように構成されるとともに、
前記下方押圧用弾性片及び前記上方押圧用弾性片が、配設状態にある前記中仕切り部材を、前記下方押圧用弾性片及び前記上方押圧用弾性片の互いに前記容器本体の内側方向に向かう弾性力により、前記中仕切り部材を挟むように把持するよう構成されるものである。
また、前記中仕切り部材と平行に、前記相対するもう一方の側壁のうち一方の側壁に隣接して配置されるスペーサーを備え、当該スペーサーは、前記底部に対して略垂直な面一な内側側面を有することとしてもよい。
また、前記中仕切り保持部材は、前記端部中仕切り保持部材の間に、当該端部中仕切り保持部材と平行に、且つ、所定の間隔で形成された複数の中間中仕切り保持部材を備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
容器本体に収容された中仕切り部材の容器本体からの抜け出し防止を簡単に、且つ、迅速に行なうことができる。
【0011】
仕切り容器内に収容される物品を、移動や傾動しないように、安定的に収容することができる。
【0012】
スペーサーが収容される容器本体の側壁と相対する側壁に連接された端部中仕切り保持部材及び中間中仕切り保持部材の最終リブに、垂直面を形成したので、容器本体に収容された中仕切り部材が傾動するようなことがなく、従って、中仕切り容器内に収容される物品を、移動や傾動しないように、安定的に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の中仕切り容器の斜視図である。
図2図2は、本発明の中仕切り容器を構成する容器本体の斜視図である。
図3図3は、本発明の中仕切り容器の裏面斜視図である。
図4図4は、本発明の中仕切り容器を構成する容器本体の部分拡大斜視図である。
図5図5は、同じく、本発明の中仕切り容器を構成する容器本体の部分拡大斜視図である。
図6図6は、同じく、本発明の中仕切り容器を構成する容器本体の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図7図7は、本発明の中仕切り容器を構成するスペーサーの斜視図である。
図8図8は、同じく、本発明の中仕切り容器を構成するスペーサーの斜視図である。
図9図9は、本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り部材の斜視図である。
図10図10は、同じく、本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り部材の斜視図である。
図11図11は、本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り部材の部分拡大斜視図である。
図12図12は、本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り固定部材の斜視図である。
図13図13は、本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り固定部材の部分拡大斜視図である。
図14図14は、図12と同様の本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り固定部材の斜視図である。
図15図15は、図13と同様の本発明の中仕切り容器を構成する中仕切り固定部材の部分拡大斜視図である。
図16図16は、本発明の中仕切り容器の容器本体へのスペーサーの収容状態を示す部分拡大斜視図である。
図17図17は、本発明の中仕切り容器の容器本体への中仕切り部材の収容状態を示す部分拡大斜視図である。
図18図18は、本発明の中仕切り容器の容器本体への中仕切り固定部材の収容状態を示す部分拡大斜視図である。
図19図19は、本発明の中仕切り容器の容器本体の部分拡大斜視図である。
【実施例】
【0014】
本発明の中仕切り容器Cは、図1図3に示されているように、底部1aと、相対する一方の側壁1bと、相対するもう一方の側壁1cと、中仕切り部材Pを配設するための相対する一方の側壁1bに沿って形成された中仕切り保持部材1dとからなる容器本体C1と、容器本体C1のもう一方の側壁1cに沿って、容器本体C1内に配設される中仕切り部材Pと、中仕切り部材Pと平行に、相対するもう一方の側壁1cの一方の側壁1cに隣接して配置されたスペーサーSと、相対する一方の側壁1bに隣接して配置された中仕切り固定部材Eとから構成されている。
【0015】
次に、図2図6を用いて、一体に成形された容器本体C1について説明する。
【0016】
容器本体C1に成形された中仕切り保持部材1dは、相対する一方の側壁1bの内壁面1b1に形成された端部中仕切り保持部材1d1と、端部中仕切り保持部材1d1の間に、端部中仕切り保持部材1d1と平行に、且つ、所定の間隔で形成された複数の中間中仕切り保持部材1d2とから構成されている。
【0017】
端部中仕切り保持部材1d1の一方の端部には、後述するスペーサーSが装着されるスペーサー収容部1eが形成されている。スペーサー収容部1eは、中仕切り保持部材1dに垂直な側壁1cの内壁面1c1から、所定の間隔を置いて、端部中仕切り保持部材1d1に形成された隣接する一対の縦リブ1e1を有しており、一対の縦リブ1e1間には、後述するスペーサーSの板状本体s1の両端部の垂直辺部が挿入される幅狭の板状本体挿入縦長溝1e2が形成されており、また、一対の縦リブ1e1のうち、もう一方の側壁1c側に位置する縦リブ1e1と、中仕切り保持部材1dに垂直なもう一方の側壁1cとの間には、スペーサーSが挿入される幅広のスペーサー挿入縦長凹部1e3が形成されている。
【0018】
スペーサー収容部1eに隣接して、端部中仕切り保持部材1d1には、後述する中仕切り部材Pが装着される、スペーサー収容部1eと同一構成を有する複数の中仕切り収容部1fが形成されている。中仕切り収容部1fは、端部中仕切り保持部材1d1に形成された隣接する一対の縦リブ1f1を有しており、一対の縦リブ1f1間には、後述する中仕切り部材Pの板状本体p1の両端部の垂直辺部p1cが挿入される幅狭の板状本体挿入縦長溝1f2が形成されており、また、縦リブ1f1のスペーサー収容部1e側に位置する縦リブ1f1と、相対するスペーサー収容部1eの縦リブ1e1との間には、中仕切り部材Pが挿入される幅広の中仕切り挿入縦長凹部1f3が形成されている。
【0019】
上述した、間に、幅狭の板状本体挿入縦長溝1f2が形成されている一対の縦リブ1f1と、該一対の縦リブ1f1に隣接して形成された幅広の中仕切り挿入縦長凹部1f3とから構成されている中仕切り収容部1fは、相対するもう一方の側壁1cのもう一方の側壁1cまで延在している。もう一方の側壁1cまで延在している最後の中仕切り収容部(以下、最終中仕切り収容部と称する。)1fを形成する、もう一方の側壁1c側の縦リブ1f1を、以下、最終縦リブ1f1と称する。
【0020】
容器本体C1を、射出成形等により一体成形した場合には、容器本体C1の側壁1b、1cは、金型の抜き勾配のために、底部1aから上方に向かって、外側に傾斜している。従って、最終中仕切り収容部1fを構成する最終縦リブ1f1と該最終縦リブ1f1と対向する縦リブ1f1と間に形成された幅狭の板状本体挿入縦長溝1f2に挿入される中仕切り部材Pの板状本体p1の両端部の垂直辺部p1cは、もう一方の側壁1c側に傾斜して、中仕切り部材Pの垂直維持が保てないということになる。この課題を解決するために、金型の抜き勾配により外側に傾斜したもう一方の側壁1cの内壁面1c1の傾斜を修正し、図5に示されているように、最終縦リブ1f1の対向する縦リブ1f1側の面1f1’が垂直面を形成するように、最終縦リブ1f1が、底部1aから上方に向かって、徐々に、その厚みを増すように構成されている。
【0021】
中仕切り保持部材1dを構成する中間中仕切り保持部材1d2は、相対するもう一方の側壁1cを架橋するように、容器本体C1に成形されている。上述したように、端部中仕切り保持部材1d1には、容器本体C1の内側の面に、スペーサー収容部1e及び中仕切り収容部1fが形成されているが、中間中仕切り保持部材1d2の場合には、図4及び図5に示されているように、中間中仕切り保持部材1d2の板状本体1d2’の両面に、スペーサー収容部1e及び中仕切り収容部1fが形成されている点で相違するだけで、スペーサー収容部1e及び中仕切り収容部1fの構成は同一であるので、中間中仕切り保持部材1d2の詳細な説明は省略する。
【0022】
上述した中仕切り保持部材1dを構成する端部中仕切り保持部材1d1と中間中仕切り保持部材1d2の上面は、共に、同じ高さに形成されており、且つ、容器本体C1の側壁1b、1cの上面より低く形成されている。
【0023】
次に、図7及び図8を用いて、上述した容器本体C1に形成されたスペーサー収容部1eに収容されるスペーサーSについて説明する。
【0024】
スペーサーSは、横長の板状本体s1を有しており、板状本体s1の一方の側面(スペーサーSが、容器本体C1のスペーサー収容部1eに収容された際に、容器本体C1の内側に位置し、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1に対して、反対側に位置する側面(以下、内側側面と称する。))s1a’は、面一な垂直平面に形成されている。また、板状本体s1の上端には、板状本体s1に対して垂直で、且つ、水平方向に延在する上端水平フランジs1bが形成されている。更に、板状本体s1の相対する垂直端s1cと上端水平フランジs1bとにより形成される上端角部には、上端水平フランジs1bの両端から、上端水平フランジs1bに対して垂直で、且つ、板状本体s1の垂直端s1cの上部に形成された上部垂直フランジs1dが垂下されている。なお更に、上部垂直フランジs1dの下端には、上部垂直フランジs1dに対して垂直で、且つ、外側に延在する水平載置フランジs1eが形成されている。
【0025】
スペーサーSを、容器本体C1のスペーサー収容部1eに収容する際に、容器本体C1に形成された中間中仕切り保持部材1d2が、スペーサーSの板状本体s1が当接しないように、板状本体s1には、板状本体s1の下端s1fから垂直に上方に延在する中間中仕切り保持部材1d2が挿入される、中間中仕切り保持部材1d2に対応してスリットs1gが形成されている。本実施例においては、容器本体C1内には、7枚の中間中仕切り保持部材1d2が形成されているので、スペーサーSの板状本体s1には、7つのスリットs1gが形成されている。なお、スリットs1gの縦方向の縁部には、スリットs1gの両側に位置する板状本体s1の強度や剛性を高めるために、スペーサーSを、容器本体C1のスペーサー収容部1eに収容した際に、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1に当接しないような周縁リブs1g’を形成することが好ましい。更に、周縁リブs1g’を形成することにより、縦リブ1e1間の嵌合調整リブとしての機能を有する。
【0026】
また、板状本体s1の内側側面s1a’の反対側に位置する側面(以下、側壁側側面という。)s1a”には、上端水平フランジs1bの裏面から、スリットs1gに対応して、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1に当接する逆T字状の容器本体側壁当接リブs1hが形成されており、容器本体側壁当接リブs1hは、垂直リブ部s1h’と、垂直リブ部s1h’の下端から水平に延在する水平リブ部s1h”とから構成されており、水平リブ部s1h”は、スリットs1gの略上端まで達している。スペーサーSを、容器本体C1のスペーサー収容部1eに収容した際には、逆T字状の容器本体側壁当接リブs1hが、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1に当接し、スペーサーSのもう一方の側壁1cの内壁面1c1方向への移動や傾動を抑制することができる。なお、s1iは、側壁側側面s1a”の適当個所に形成された補強用縦リブであり、必要に応じて、補強用水平リブ等を追加することができる。これら補強用縦リブs1iや補強用水平リブ等の側壁側側面s1a”に高さは、容器本体側壁当接リブs1hより、低く形成されている。
【0027】
中仕切り容器Cに収容された物品を取り出す際には、容器本体C1の底部1aに穿設された透孔1a1に挿入された突き上げ杆が使用されることになるが、この突き上げ杆の物品を取り出し作業の邪魔にならないように、スペーサーSの板状本体s1には、板状本体s1の下端s1fから垂直に上方に延在する突き上げ杆挿入用スリットs1jが形成されている。スペーサーSの板状本体s1の相対する垂直端s1c付近に、突き上げ杆挿入用スリットs1jが形成されており、隣り合う突き上げ杆挿入用スリットs1j間に、それぞれ、スリットs1gが形成されており、突き上げ杆挿入用スリットs1jとスリットs1gとの間隔は、同じに形成されている。なお、s1kは、突き上げ杆挿入用スリットs1jの両側に位置するスペーサーSの板状本体s1の側壁側側面s1a”に形成された突き上げ杆挿入用スリットs1jを架橋する架橋片であり、架橋片s1kを形成することにより、突き上げ杆挿入用スリットs1jの両側に位置するスペーサーSの板状本体s1の強度や剛性を高めることができる。
【0028】
スペーサーSが、容器本体C1のスペーサー収容部1eに収容された際には、スペーサーSの板状本体s1の面一な内側側面s1a’が、容器本体C1の底部1aに対して略垂直になるように構成されており、このように構成することにより、容器本体C1に配設された後述する中仕切り部材Pが、傾動しないように構成されており、従って、中仕切り容器C内に収容される物品を、移動や傾動しないように、安定的に収容することができる。
【0029】
次に、図9図11を用いて、中仕切り部材Pについて説明する。
【0030】
中仕切り部材Pは、上述したスペーサーSと同様の横長の板状本体p1を有しており、板状本体p1には、板状本体p1の一方の面一な垂直平面(以下、単に、垂直面一平面という。)p1aが形成されており、また、垂直面一平面p1aと反対側に位置する側面(以下、単に、垂直背面という。)p1bが形成されている。
【0031】
板状本体p1の相対する垂直端p1cと板状本体p1の上端とにより形成される上端角部には、板状本体p1に垂直で、且つ、垂直背面p1b方向に延在する上部垂直リブp1dが垂下されているとともに、上部垂直リブp1dの下端には、上部垂直リブp1dに対して垂直で、且つ、外側に延在する、上述したスペーサーSに形成された水平載置フランジs1eと同様の水平載置フランジp1eが形成されている。
【0032】
中仕切り部材Pの板状本体p1には、上述したスペーサーSの板状本体s1と同様の中間中仕切り保持部材1d2に対応して、スリットp1gが形成されている。本実施例においては、容器本体C1内には、7枚の中間中仕切り保持部材1d2が形成されているので、中仕切り部材Pの板状本体p1には、7つのスリットp1gが形成されている。なお、スリットp1gの縦方向の縁部には、スリットp1gの両側に位置する板状本体p1の強度や剛性を高めるために、周縁リブp1g’を形成することができるし、この周縁リブp1g’は、縦リブ1f1間の嵌合調整リブとしての機能を有する。
【0033】
p1hは、上述したスペーサーSの板状本体s1に形成された突き上げ杆挿入用スリットs1jと同様の中仕切り部材Pの板状本体p1に形成された突き上げ杆挿入用スリットであり、また、p1iは、上述したスペーサーSの板状本体s1に形成された突き上げ杆挿入用スリットs1jを架橋する架橋片s1kと同様の中仕切り部材Pの板状本体p1に形成された突き上げ杆挿入用スリットp1hを架橋する架橋片である。
【0034】
中仕切り部材Pの板状本体p1に形成された突き上げ杆挿入用スリットp1hとスリットp1gとの配置関係は、スペーサーSの板状本体s1に形成された突き上げ杆挿入用スリットs1jとスリットs1gの配置関係と同様に構成されている。即ち、中仕切り部材Pの板状本体p1の相対する垂直端p1c付近に、突き上げ杆挿入用スリットp1hが形成されており、隣り合う突き上げ杆挿入用スリットp1h間に、それぞれ、スリットp1gが形成されており、突き上げ杆挿入用スリットp1hとスリットp1gの間隔は、同じに形成されている。
【0035】
中仕切り部材Pの板状本体p1の相対する垂直端p1cと板状本体p1の上端とにより形成される上端角部に形成された上部垂直リブp1dと水平載置フランジp1e付近には、端部区画部材p2が形成されている。端部区画部材p2は、上部垂直リブp1dの上端から、板状本体p1の内側方向に延在する上端水平部p2aと、水平部p2aの先端から、板状本体p1の内側方向で、且つ、下方に延在する傾斜部p2bと、傾斜部p2bの先端から、板状本体p1の下端付近まで略垂直に延在する垂直部p2cと、水平載置フランジp1eを、垂直部p2cまで延在することにより形成された上部水平部p2dとから構成されている。
【0036】
中仕切り部材Pの板状本体p1に形成された端部区画部材p2間には、中間区画部材p3が形成されている。中間区画部材p3は、端部区画部材p2の上端水平部p2a同様の上端水平部p3aと、水平部p3aの両先端から下方に延在する、端部区画部材p2の傾斜部p2bと同様な相対する傾斜部p3bと、傾斜部p3bの先端から、板状本体p1の下端付近まで略垂直に延在する、端部区画部材p2の垂直部p2cと同様な相対する垂直部p3cと、相対する垂直部p3cを架橋する、端部区画部材p2の上部水平部p2dと同様の上部水平部p3dと、水平部p3aと上部水平部p3dとを架橋する垂直部p3eとから構成されている。中間区画部材p3は、スリットp1gが、中間区画部材p3の相対する垂直部p3cの中央に位置するように、中仕切り部材Pの板状本体p1の垂直背面p1bに形成されている。
【0037】
端部区画部材p2と該端部区画部材p2と相対する中間区画部材p3との間、及び、相対する中間区画部材p3との間には、相対する突き上げ杆挿入用スリットp1h間を挟んで、物品位置決め部材p4が形成されている。物品位置決め部材p4は、上述した端部区画部材p2の垂直部p2c及び中間区画部材p3の垂直部p3cに略平行で、且つ、上端が下方に傾斜した傾斜部p4a’に形成された相対する垂直部p4aを有しているとともに、相対する垂直部p4aの上部を架橋する水平架橋リブp4bを有している。また、物品位置決め部材p4の板状本体p1の垂直背面p1bからの高さは、端部区画部材p2の板状本体p1の垂直背面p1bからの高さ及び中間区画部材p3の板状本体p1の垂直背面p1bからの高さより低く形成されているとともに、物品位置決め部材p4の上端は、端部区画部材p2の板状本体p1の上端及び中間区画部材p3の上端より低く形成されている。また、物品位置決め部材p4の下端は、端部区画部材p2の板状本体p1の下端及び中間区画部材p3の下端と略同じに形成されている。
【0038】
次に、図12図15を用いて、容器本体C1内に形成された中仕切り保持部材1d、即ち、端部中仕切り保持部材1d1及び中間中仕切り保持部材1d2と平行な相対する一方の側壁1bに隣接して配置される中仕切り固定部材Eについて説明する。
【0039】
中仕切り固定部材Eは、細長い横長の板状本体e1を有している。また、板状本体e1の相対する側面のうちの一方の側面(中仕切り固定部材Eが、容器本体C1内に収容された際に、容器本体C1の側壁1bに隣接する側面であり、以下に、外側側面という。)e1aの両端部には、外側側面e1aから突設する係止爪e2aが下方に形成された係止爪用弾性片(以下、端部側係止爪用弾性片という。)e2’が形成されている。また、端部側係止爪用弾性片e2’間には、端部側係止爪用弾性片e2’と同様の適当数(本実施例においては、2個)の係止爪用弾性片e2”が形成されている。以下、端部側係止爪用弾性片e2’間に形成された係止爪用弾性片e2”を、中央側係止爪用弾性片e2”という。
【0040】
また、板状本体e1の相対する側面のうちのもう一方の側面(中仕切り固定部材Eが、容器本体C1内に収容された際に、容器本体C1の中央部側に位置する側面で、以下に、内側側面という。)e1bには、内側側面e1bから突設する押圧爪e3aが下方に形成された押圧用弾性片e3’が形成されている。以下、押圧爪e3aが下方に形成された押圧用弾性片e3’を、下方押圧用弾性片e3’という。更に、板状本体e1の内側側面e1bには、内側側面e1bから突設する押圧爪e3aが上方に形成された押圧用弾性片e3”が形成されている。以下、押圧爪e3aが上方に形成された押圧用弾性片e3”を、上方押圧用弾性片e3”という。本実施例においては、下方押圧用弾性片e3’は、それぞれ、端部側係止爪用弾性片e2’付近と板状本体e1の中央部付近にそれぞれ、2個、合計4個形成されており、また、上方押圧用弾性片e3”は、下方押圧用弾性片e3’間に1個ずつ、即ち、合計3個が形成されている例が示されているが、下方押圧用弾性片e3’と上方押圧用弾性片e3”の個数は、その個数が、大きく偏らないように形成されている。
【0041】
上述した端部側係止爪用弾性片e2’及び中央側係止爪用弾性片e2”は、板状本体e1の内側側面e1b側に方形状の凹部e4を形成することにより、この部分の板状本体e1を薄肉とし、この薄肉とした部分に、U字状のスリットe2bを形成することにより形成されている。
【0042】
下方押圧用弾性片e3’は、板状本体e1の外側側面e1a側に方形状の凹部e5を形成することにより、この部分の板状本体e1を薄肉とし、この薄肉とした部分に、U字状のスリットe3b’を形成することにより形成されており、また、上方押圧用弾性片e3”は、同様に、板状本体e1の外側側面e1a側に方形状の凹部e5を形成することにより、この部分の板状本体e1を薄肉とし、この薄肉とした部分に、逆U字状のスリットe3b”を形成することにより形成されている。
【0043】
次に、図16図19を用いて、容器本体C1への中仕切り部材P、スペーサーS及び中仕切り固定部材Eの収容について説明する。
【0044】
先ず最初に、スペーサーSの側壁側側面s1a”が、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1側に位置するように、スペーサーSを、容器本体C1の上方に配置する。その後、スペーサーSを下降させることにより、スペーサーSの板状本体s1の相対する垂直端s1cを、容器本体C1の端部中仕切り保持部材1d1の一対の縦リブ1e1間に形成された板状本体挿入縦長溝1e2に挿入するとともに、容器本体C1の中間中仕切り保持部材1d2の板状本体1d2’を、スペーサーSの板状本体s1に形成されたスリットs1gに挿入する。このようにして、容器本体C1に、スペーサーSが収容されることになるが、スペーサーSが、容器本体C1に収容された際には、スペーサーSに形成された水平載置フランジs1eが、端部中仕切り保持部材1d1の上面に載置されるように構成されている。更に、スペーサーSが、容器本体C1に収容された際には、スペーサーSに形成された容器本体側壁当接リブs1hが、容器本体C1のもう一方の側壁1cの内壁面1c1に当接し、スペーサーSのもう一方の側壁1cの内壁面1c1方向への移動や傾動を抑制して、スペーサーSの板状本体s1の内側側面s1a’が、略垂直になるように構成されているので、スペーサーSに次いで、容器本体C1に収容される中仕切り部材Pを、略略垂直に、容器本体C1に収容することができる。
【0045】
上述したようにして、容器本体C1に収容されたスペーサーSに次いで、中仕切り部材Pが、容器本体C1に収容されることになるが、中仕切り部材Pを、容器本体C1に収容する際には、中仕切り部材Pの板状本体p1の中間区画部材p3等が形成されている垂直背面p1bが、スペーサーSの板状本体s1の面一な内側側面s1a’側に位置するように、中仕切り部材Pを、容器本体C1の上方に配置する。その後、中仕切り部材Pを下降させることにより、上述したスペーサーSと同様に、中仕切り部材Pを構成する板状本体p1の垂直端p1c及び板状本体p1が、容器本体C1に形成された中仕切り収容部1fの板状本体挿入縦長溝1f2に挿入されるとともに、中仕切り部材Pの端部区画部材p2及び中間区画部材p3が、中仕切り挿入縦長凹部1f3に挿入されることになる。また、中仕切り部材Pが、容器本体C1に収容された際には、中仕切り部材Pの水平載置フランジp1eが、端部中仕切り保持部材1d1の上面に載置されるように構成されている。このようにして、順次、中仕切り部材Pが、容器本体C1に収容されるように構成されている。
【0046】
上述したようにして、容器本体C1に、スペーサーS及び複数の中仕切り部材Pが収容されることになるが、容器本体C1のもう一方の側壁1cに隣接した最終の中仕切り部材Pが、容器本体C1に収容された際には、最終の中仕切り部材Pの板状本体p1の面一な垂直平面p1aが、容器本体C1の底部1aから上方に向かって、徐々に、その厚みを増すように構成された最終縦リブ1f1の面1f1’に当接或いは近接して位置するように構成されている。このように構成することにより、最終の中仕切り部材P及び該最終の中仕切り部材PとスペーサーS間に配置された中仕切り部材Pを、容器本体C1に、略垂直に収容することができる。
【0047】
上述したようにして、容器本体C1に、スペーサーS及び中仕切り部材Pを収容した際には、スペーサーSの水平載置フランジs1e及び中仕切り部材Pの水平載置フランジp1eが、容器本体C1の端部中仕切り保持部材1d1上面に載置されることになるが、スペーサーSの水平載置フランジs1e及び中仕切り部材Pの水平載置フランジp1eが、容器本体C1の端部中仕切り保持部材1d1に載置された際には、スペーサーS、中仕切り部材P及び容器本体C1の相対する一方の側壁1bの内壁面1b1との間には、上述した中仕切り固定部材Eが挿入される中仕切り固定部材挿入空間A1が形成されるように構成されている。
【0048】
上述した中仕切り固定部材挿入空間A1の上方に、端部側係止爪用弾性片e2’及び中央側係止爪用弾性片e2”の係止爪e2aが、容器本体C1の一方の側壁1bの内壁面1b1側に位置するように、中仕切り固定部材Eを配置し、その後、中仕切り固定部材Eを下降させることにより、中仕切り固定部材Eを、中仕切り固定部材挿入空間A1に挿入する。中仕切り固定部材Eが、中仕切り固定部材挿入空間A1に挿入された際には、中仕切り固定部材Eに形成された端部側係止爪用弾性片e2’及び中央側係止爪用弾性片e2”の係止爪e2aが、容器本体C1の一方の側壁1bの上端部に形成された透孔1gに嵌合し、中仕切り固定部材Eが、容器本体C1に係止されるように構成されている。
【0049】
上述したように、容器本体C1に、スペーサーS及び中仕切り部材Pを収容し、その後、スペーサーSと中仕切り部材Pと容器本体C1との間に形成された中仕切り固定部材挿入空間A1に中仕切り固定部材Eを挿入することにより、中仕切り容器Cが組み立てられているので、中仕切り固定部材Eの中仕切り固定部材挿入空間A1への挿入だけで、容器本体C1に収容されたスペーサーSと中仕切り部材Pの容器本体C1からの抜け出しを防止することができる。このように、容器本体C1に収容されたスペーサーSと中仕切り部材Pの容器本体C1からの抜け出し防止を、中仕切り固定部材Eの中仕切り固定部材挿入空間A1への挿入だけで、簡単に、且つ、迅速に行なうことができる。
【0050】
また、容器本体C1に、スペーサーS及び中仕切り部材Pを収容し、その後、スペーサーSと中仕切り部材Pと容器本体C1との間に形成された中仕切り固定部材挿入空間A1に中仕切り固定部材Eを挿入することにより、中仕切り容器Cが組み立てられているので、予め、中仕切り部材を連結させた後に、容器本体に、連結された中仕切り部材を、まとめて収容するようにした従来の従来の中仕切り容器に較べて、中仕切り容器Cの組み立て作業の作業性が向上する。
【0051】
また、スペーサーSと中仕切り部材Pと容器本体C1の相対する一方の側壁1bの内壁面1b1との間に形成された中仕切り固定部材挿入空間A1に挿入された中仕切り固定部材Eに形成された下方押圧用弾性片e3’及び上方押圧用弾性片e3”が、容器本体C1に収容された中仕切り部材Pを、下方押圧用弾性片e3’及び上方押圧用弾性片e3”の互いに容器本体C1の内側方向に向かう弾性力により、中仕切り部材Pを挟むように把持するように構成したので、容器本体C1に収容された中仕切り部材Pの移動を抑制することができるとともに、下方押圧用弾性片e3’及び上方押圧用弾性片e3”により、中仕切り部材Pの上下方向の移動を抑制することができる。
【0052】
図19に示されているように、スペーサーSの面一な垂直平面に形成された内側側面s1a’と、該内側側面s1a’と相対する中仕切り部材Pの端部区画部材p2及び中間区画部材p3とにより、物品Vが挿入される中仕切り容器Cの端部物品収容空間A2が形成されており、また、互いに対向する中仕切り部材P間には、物品Vが挿入される中仕切り容器Cの中間物品収容空間A3が形成されている。
【符号の説明】
【0053】
C・・・・・・・・・・・・・中仕切り容器
C1・・・・・・・・・・・・容器本体
1c・・・・・・・・・・・・側壁
1d・・・・・・・・・・・・中仕切り保持部材
1e・・・・・・・・・・・・スペーサー収容部
1f・・・・・・・・・・・・中仕切り収容部
S・・・・・・・・・・・・・スペーサー
P・・・・・・・・・・・・・中仕切り部材
E・・・・・・・・・・・・・中仕切り固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19