【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−127813号公報
【特許文献2】特開2001−143812号公報
【0006】
ところで、本出願人は、上記従来の電線カバー付きコネクタと類似のものとして、
図13〜
図19に示すような電線カバー付きコネクタを考えた。
【0007】
図13はこの先行発明の電線カバー付きコネクタの分解斜視図、
図14は同電線カバー付きコネクタの組み立て途中の状態を示す図で、コネクタハウジングの後部に電線カバーを装着しようとしている状態を示す平面図、
図15は同コネクタハウジングのカバー装着部に電線カバーの一方の分割体である本体カバーを仮装着した状態を示す平面図、
図16は
図15のXVI−XVI矢視断面図、
図17は
図15および
図16に状態から蓋体カバーを回動させた際に、本体カバーが正規位置から回転してしまう不具合を説明するための
図16と同様の断面図、
図18は前記本体カバーに蓋体カバーを合体させてロックすることにより、電線カバーがコネクタハウジングに本装着された状態を示す
図16と同様の断面図、
図19は電線カバーに電線をテープ巻きしてワイヤーハーネスを構成した状態を示す平面図である。
【0008】
この先行発明の電線カバー付きコネクタは、
図13に示すように、樹脂成形品よりなるコネクタハウジング10と、円筒状のパッキン材21付きの電線Wの端末に接続された複数の端子20と、コネクタハウジング10の後部に装着される樹脂成形品よりなる電線カバー130とから構成されている。
【0009】
コネクタハウジング10の後部には電線引出部11が設けられ、電線引出部11の後面に複数の端子収容室12の入口が開口している。そして、各入口から端子収容室12の内部に、電線Wの端末に取り付けた端子20を挿入できるようになっている。また、そのように端子20を挿入した際に、予め電線Wの外周に装着してあるパッキン材21が、端子収容室12の内周壁と電線Wとの隙間を封止するようになっている。端子20をコネクタハウジング10の各端子収容室12に挿入すると、端子20に接続された電線Wは、電線引出部11から後方へ向けて引き出される。そして、これらの電線Wを保護しつつ所定の方向へ案内して導き出す目的で、コネクタハウジング10の後部に電線カバー130が装着される。
【0010】
この電線カバー130を装着するために、コネクタハウジング10の後部には、電線引出部11を包囲するように、断面楕円形(円形でもよい)のカバー装着部13が設けられている。このカバー装着部13の端部には、カバー装着部13よりも径大の環状凸部14が設けられている。また、コネクタハウジング10の上面には、相手コネクタのハウジングと嵌合した際にロックするロックアーム17と、ロックアーム保護枠16とが設けられている。
【0011】
一方、電線カバー130は、先にコネクタハウジングの後部に装着される本体カバー131と、後から本体カバー131と合体されることで、電線カバー130をコネクタハウジング10に本装着する蓋体カバー133とに二分割されている。本体カバー131と蓋体カバー133は、一端同士が
図16に示すように、ヒンジ132により回動自在(つまり開閉自在)に連結されている。本体カバー131と蓋体カバー133には、本体カバー131と蓋体カバー133を合体した時に筒状をなしてコネクタハウジング10のカバー装着部13を挟み込み、それにより電線カバー130をコネクタハウジング10に装着する半筒状の取付部131A、133Aがそれぞれ設けられている。また、本体カバー131には、コネクタハウジング10の後部から引き出された電線Wを直角方向に曲げて誘導すると共に電線Wと共にテープT(
図19参照)を巻き付けることのできる電線誘導部134が設けられている。
【0012】
また、本体カバー131のヒンジ132と反対側の端部にはロック突起141が設けられ、蓋体カバー133のヒンジ132と反対側の端部には、ロック突起141の嵌まるロック孔144を有したロックアーム143が設けられている。本体カバー131に蓋体カバー133を合わせると、
図18に示すように、ロック突起141にロックアーム143が係合して、本体カバー131と蓋体カバー133とが合体状態に保持され、本体カバー131の取付部131Aと蓋体カバー133の取付部133Aとの間にコネクタハウジング10のカバー装着部13が挟まれ、それにより、電線カバー130がコネクタハウジング10に本装着される。
【0013】
この電線カバー付きコネクタを組み立てる場合は、まず、コネクタハウジング10の各端子収容室12に後端入口から、電線Wの端末に接続した端子20を挿入する。全部の端子20を挿入してコネクタを組み立てたら、コネクタハウジング10の後部から後方へ引き出された電線Wを電線カバー130によって誘導しようとする方向へ曲げて癖付けしながら、
図14〜
図17に示すように、本体カバー131の取付部131Aをコネクタハウジング10の後部のカバー装着部13に仮装着する。
【0014】
次にその状態で、
図16の矢印Y1で示すように蓋体カバー133を回動させて、
図18に示すように蓋体カバー133を本体カバー131に合体させ、ロック突起141とロックアーム143をロックさせる。そして、最後に本体カバー131に一体に設けた電線誘導部134にテープTを巻き付けることにより、電線Wを屈曲させた状態のままテープTで固定し、こうすることにより電線カバー付きコネクタの組み立てが完了する。
【0015】
ところで、実際の組み立てに際しては、コネクタハウジング10に仮装着した本体カバー131に蓋体カバー133を合体させる時に、コネクタハウジング10のカバー装着部13の断面が楕円形になっている関係から、
図17の矢印Y2で示すように、蓋体カバー133の回動と共に本体カバー131が回転してしまうおそれがある。そのため、本体カバー131が回転しないように一方の手で本体カバー131を押さえながら、他方の手で蓋体カバー133を本体カバー131に合わせなくてはならず、両方の手で作業する必要があるために作業性が悪いことが判った。