(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778597
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】中和装置およびこれを有する給湯装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/66 20060101AFI20150827BHJP
F24H 9/00 20060101ALI20150827BHJP
F24H 1/14 20060101ALI20150827BHJP
F23L 17/14 20060101ALI20150827BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
C02F1/66 530K
C02F1/66 530B
C02F1/66 521D
C02F1/66 510Q
F24H9/00 B
F24H1/14 B
F23L17/14 P
F23N5/24 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-31742(P2012-31742)
(22)【出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2013-166125(P2013-166125A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】阿部 進
(72)【発明者】
【氏名】小島 輝明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寿英
(72)【発明者】
【氏名】永井 裕明
(72)【発明者】
【氏名】田村 竹年
【審査官】
井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−286394(JP,A)
【文献】
特開2001−259658(JP,A)
【文献】
特開2009−215904(JP,A)
【文献】
特開2002−130830(JP,A)
【文献】
特開2005−087823(JP,A)
【文献】
特開平09−026292(JP,A)
【文献】
特開平10−122666(JP,A)
【文献】
特開2001−336826(JP,A)
【文献】
特開2003−320379(JP,A)
【文献】
米国特許第04227647(US,A)
【文献】
米国特許第04289730(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00〜 1/78
F24H 9/00〜 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガスが露点以下の温度となることにより生成されるドレンを、中和剤が充填された容器内を流通させることで中和するものであって、前記容器の上部にはドレンの導入口を設けると共に、底部には中和後のドレンを排水する排水口を設けた中和装置に於いて、前記容器内には、一点支持で微電流が流されている可動棒の自由端を、ドレン流入口近傍で中和剤の消耗が一番早い中和剤上に載置させて、該中和剤の減少に伴って下動しドレンと接触して導通することで、中和剤の消耗を検知して報知する量検知手段を備えた事を特徴とする中和装置。
【請求項2】
燃焼部と、該燃焼部の燃焼により発生した燃焼ガスと熱交換する熱交換器と、該熱交換器での熱交換によって生成されたドレンを中和する中和装置とを有する給湯装置であって、前記中和装置として、請求項1記載の中和装置を用いたことを特徴とする給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、中和剤の消耗を検知する量検知手段を備えた中和装置およびこの中和装置を有する給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の給湯装置では、燃焼熱量と燃焼時間との積の積算値をもってドレン生成量を予測することで中和剤の消費量を予測し、積算値が所定の基準値に達すると、前記中和剤の交換或いは補充等のメンテナンスの時期が来たことを報知するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3675225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来の給湯装置では、中和剤の交換、補充の時期はあくまでも計算上のものであり、実際の使用状況では中和剤の消耗が速かったり逆に遅かったりして、計算上のメンテナンス時期と合わない場合もあり、消耗が速かった時には、強酸性のドレンが中和されることなく、そのまま排水されてしまうと言う極めて危険な状態を招いてしまうものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、燃焼ガスが露点以下の温度となることにより生成されるドレンを、中和剤が充填された容器内を流通させることで中和するものであって、前記容器の上部にはドレンの導入口を設けると共に、底部には中和後のドレンを排水する排水口を設けた中和装置に於いて、前記容器内には、
一点支持で微電流が流されている可動棒の自由端を、ドレン流入口近傍で中和剤の消耗が一番早い中和剤上に載置させて、該中和剤の減少に伴って下動しドレンと接触して導通することで、中和剤の消耗を検知して報知する量検知手段を備えたものである。
【0007】
また、請求項
2では、燃焼部と、該燃焼部の燃焼により発生した燃焼ガスと熱交換する熱交換器と、該熱交換器での熱交換によって生成されたドレンを中和する中和装置とを有する給湯装置であって、前記中和装置として、請求項
1の中和装置を用いるものとした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、中和剤の消耗状態を量検知手段で、直接中和剤に接して機械的に検知するので、中和剤の消耗を確実に検知することができ、誤検知する心配がなく、常に的確に中和剤の消耗を使用者に報知することができるものであり、また、余裕を持たせるために多めに中和剤を充填する必要がないので、中和装置をコンパクトにしたり軽量化することが可能となるものである。
また
、量検知手段は、ドレン流入口近傍の中和剤の消耗を検知するようにしたので、ドレンの流入口近傍で該ドレンの流通が激しく中和剤の消耗が一番速い所で検知することができ、検知の遅れがなく確実に中和剤の消耗を検知して、的確に使用者に知らせることができるものである。
【0010】
また、請求項
2によれば、燃焼部と、該燃焼部の燃焼により発生した燃焼ガスと熱交換する熱交換器と、該熱交換器での熱交換によって生成されたドレンを中和する中和装置とを有する給湯装置であって、前記中和装置として、請求項
1記載の中和装置を用いたことで、上述の効果を奏する中和装置を有した給湯装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の一実施形態の中和装置を有する給湯装置を示す概略構成図。
【
図2】(イ)(ロ)(ハ)は同一実施形態の中和装置の量検知手段の説明図。
【
図3】他の実施形態の中和装置の量検知手段の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次にこの発明の一実施形態の給湯装置を図面に基づき説明する。
1は本実施形態の潜熱回収型の気化式石油給湯装置、2は石油等の燃油を気化する気化器、3は気化器2に備えられ燃油を気化可能な温度まで加熱する気化ヒータ、4は気化器2の温度を検出する気化温度センサ、5は気化器2と連通し気化器2で気化された気化ガスと一次空気とを予混合する混合室、6は混合室5底部に設けられ混合室5を加熱する混合室ヒータ、7は混合室5の温度を検出する混合室温度センサ、8は混合室5と連通し混合室5で予混合された予混合ガスを燃焼させる燃焼部としてのバーナ、9は気化器2の背面でバーナ8上に突出された複数個の吸熱フィンで、燃焼熱を気化器2にフィードバックして、気化ヒータ3および混合室ヒータ6の通電量を極力抑えるものである。
【0013】
10は気化器2に燃油を噴霧するノズル、11はノズル10に送油管12を介して燃油を圧送する電磁ポンプ、13は燃焼ファンで送風路14を介して気化器2の入口及びバーナ8とカバー枠15との間の空気室16とに連通し、吸込口17より吸引した燃焼空気を気化器2には予混合用の一次空気として供給し、空気室16には気化器2側方を通り混合室5の下方からバーナ8で燃焼される二次空気として供給するものである。
【0014】
18は燃焼室19内に収容された熱交換器で、この熱交換器18は、バーナ8の燃焼により発生した燃焼ガスから顕熱を回収し一次受熱管20を流通する水を加熱するフィンチューブ式の一次熱交換器21と、一次熱交換器21を通過した後の燃焼ガスから潜熱を回収し二次受熱管22を流通する水を加熱する二次熱交換器23から構成され、バーナ8の上方に一次熱交換器21が配置され、一次熱交換器21の上方に二次熱交換器22が配置されているものであり、一次熱交換器21、二次熱交換器23の順に通過した燃焼ガスは排気口24より給湯装置1外に排気されるものである。
【0015】
25は燃焼ガス中の水蒸気が二次熱交換器23の二次受熱管22を流通する水と熱交換して露点以下の温度となることにより生成されるドレンを回収するドレン受けで、このドレン受け25は、一次熱交換器21の上方且つ二次熱交換器23の下方に配置されているものであり、ここでは、二次熱交換器23を構成する耐食性を有する筐体(図示せず)の底板がドレン受け25となっているものである。また、26はドレン受け25で回収されたドレンを中和装置27に導くドレン配管である。
【0016】
28は給水源から供給される水を熱交換器18に流通させる給水管、29は熱交換器18で加熱された湯を流通させ、所定箇所に設けられた給湯栓(図示せず)に湯を供給する給湯管、30は給水管28から分岐した給水バイパス管であり、一次受熱管20と二次受熱管22と給水管28と給湯管29と給水バイパス管30とで水が流通する給湯回路を構成するものである。
【0017】
31は給湯管29と給水バイパス管30との接続部に設けられ、給湯管29からの湯と給水バイパス管30からの水とを混合し、その混合比を可変できる混合弁、32は給水管28に設けられ給水温度を検出する給水温度センサ、33は給水管28に設けられ流量を検出する流量センサ、34は給湯管29に設けられ熱交換器18で加熱された湯の温度を検出する熱交出口温度センサ、35は給湯管29に設けられ混合弁31で混合された湯の温度を検出する給湯温度センサである。
【0018】
36は潜熱回収型気化式石油給湯装置1内に内蔵され、マイクロコンピュータを主体としてこの潜熱回収型気化式石油給湯装置1の各センサの信号を受け、気化器ヒータ3や混合室ヒータ6や燃焼ファン13等の各アクチュエータの駆動を制御する制御手段である。
【0019】
37は前記制御手段36と通信可能に接続され、潜熱回収型気化式石油給湯装置1の遠隔操作を行うリモコンで、このリモコン37は潜熱回収型気化式石油給湯装置1の運転のオンオフを指示する運転スイッチ38や、給湯温度を設定するための給湯温度設定スイッチなどからなる操作部39を備えているものである。
【0020】
次に前記中和装置27について説明すれば、40は箱形の容器で、合成樹脂製のブロー成型品で構成されおり、容器40内部は、複数の小穴からなるドレン流入口41を形成した連通壁42を中央に備え、この連通壁42より上流側の水封部43と、連通壁42より下流側の中和部44との2つに大別され、縦長の水封部43側の上部にはドレン配管26からのドレンを中和装置27内に導入する導入口45が設けられ、横長の中和部44側の底部にはドレンを中和装置27外に排出する排出口46が設けられているものである。
【0021】
前記水封部43は、水封部43の天面から底面に向かって垂下壁47が垂直に垂下しており、この垂下壁47によって、水封部43が垂下壁47より上流側で導入口45側の第1水封室48と、垂下壁47より下流側で一対の水封電極49が垂下した第2水封室50とに仕切られるものであり、垂下壁47の下端側には第1水封室48と第2水封室50とを連通させる水封連通部51が形成されるものである。
【0022】
前記中和部44には、強酸性のドレンを中和するための炭酸カルシウム等の粒体からなる中和剤52が充填されており、又この中和剤52の消耗度合いを検知する量検知手段53が備えられ、この量検知手段53は、一点支持の微電流が流されている可動棒54で、その自由端を中和剤52上に載置されて消耗によって下動してドレンと接触することで、水封電極49のマイナス側と導通して、中和剤52がなくなったことをリモコン37に備えた警報ランプ55を点灯させて警報するものであり、更に量検知手段53はドレン流入口41近傍でその消耗度が一番激しい中和剤52の消耗量を検知するようにしたものである。
【0023】
次にこの一実施形態の潜熱回収型気化式石油給湯装置1の動作について説明する。
前記リモコン37の運転スイッチ38がオンされると、前記制御手段36は、気化温度センサ4の検出する温度に基づき気化器ヒータ3を制御すると共に、混合室温度センサ7の検出する温度に基づき混合室ヒータ6を制御し、気化器2および混合室5の予熱を行い、気化器2が燃油を気化可能な温度、例えば気化器2の温度が220℃〜225℃に維持され、混合室5の温度が125℃〜130℃に維持されるスタンバイ状態となる。このスタンバイ状態では、燃焼要求が発生した場合には素早くバーナ8を着火でき、必要最低限の温度を維持することでスタンバイ時の消費電力を低減することができるものである。
【0024】
前記スタンバイ状態に於いて、給湯栓が開栓され、流量センサ33が最低作動流量以上の流量を検出して燃焼要求が発生したと前記制御手段36が判断すると、気化器ヒータ3および混合室ヒータ6を強制的にオンして着火性を良くし、電磁ポンプ11および燃焼ファン13を駆動させて、気化器2で気化された気化ガスと一次空気とを混合室5で予混合し、予混合ガスをバーナ8より噴出して燃焼を開始させるものである。
【0025】
前記バーナ8の燃焼により発生した燃焼ガスは、一次熱交換器21を流通し、一次熱交換器21を通過した後、二次熱交換器23を流通し、二次熱交換器23を通過した後、排気口24から潜熱回収型気化式石油給湯装置1外へ排出されるものである。また、給水源から供給された水は、給水管28から二次受熱管22に導びかれ、二次受熱管22から一次受熱管20へ順に流通して、ここで燃焼ガスとの熱交換により加熱され、そして、一次受熱管20から給湯管29へ導かれ、混合弁31の開度調整によって給湯設定温度に温調された湯が最終的に給湯栓から給湯されるものである。
【0026】
この時、二次熱交換器23に於いて、二次受熱管22を流通する水と燃焼ガスとが熱交換され、燃焼ガス中の水蒸気が露点以下となることにより生成されたドレンは、ドレン受け25で回収され、ドレン配管26を介して導入口45から中和装置27内に流れ込むものである。
【0027】
そして、前記導入口45から中和装置27内に流れ込んだドレンは、水封部43の第1水封室48から水封連通部51を通り第2水封室50に流入し、ここで水封電極49がドレンに没すれば、水封状態であり燃焼ガスが中和装置27を介して室内に放出される危険がないことを確認できるものであり、更に水封状態の水面よりやや下方から始まる連通壁42のドレン流入口41よりドレンが、中和剤52が充填されている中和部44に流入し、強酸性のドレンが中和されて通常のドレンとしてドレン流出口41とは反対側の排出口46から排出されるものである。
【0028】
一方このドレンの中和により中和剤52が消耗して減って行くので、これを直接量検知手段53で検知し、なくなる前にはプラス極の可動棒54がの先端の自由端がドレンと接することで、水封電極49のマイナス極との間で導通し、この信号を制御手段36が検知してリモコン37の警報ランプ55を点灯させることで、使用者に中和剤52がなくなり中和剤52の補充および中和装置27自体の取り替えの報知を行うものであり、又中和剤52がなくドレンの中和ができないので、燃焼もできないなよにロックをかけて安全性を向上させるものである。
【0029】
このように中和剤52の消耗状態を量検知手段53で、直接中和剤52に接して機械的に検知するので、中和剤52の消耗を確実に検知することができ、誤検知する心配がなく、常に的確に中和剤52の消耗を使用者に報知することができるものであり、また、余裕を持たせるために多めに中和剤52を充填する必要がないので、中和装置27をコンパクトにしたり軽量化することが可能となるものである。
【0030】
又量検知手段53は、ドレン流入口41近傍の中和剤52の消耗を検知するようにしたので、ドレンの流入口41近傍で該ドレンの流通が激しく中和剤52の消耗が一番速い所で検知することができ、検知の遅れがなく確実に中和剤52の消耗を検知して、的確に使用者に知らせることができるものであり、しかもドレン流入口41の反対側の排水口46には少量の中和剤52が残り安全性を確保されるものである。
【0031】
次に中和装置27に備えられる量検知手段53の他の実施形態を
図3で説明すれば、量検知手段53を上下の横長棒56、57を中央の垂直棒58で連結し、上の横長棒56には制御手段36からの接続線が結線され、下の横長棒57は中和部44内のドレン流入口41近傍の中和剤52上に載置させ、中和剤52の消耗でこの構造体全体が下動して、ドレンに接することで水封電極49と導通し中和剤52がなくなったことを検知するものである。これによれば、場所を取らず又中和剤52に引っかかることもなく、確実に中和剤52の消耗を検知することができるものである。
【符号の説明】
【0032】
27 中和装置
40 容器
41 ドレン流入口
43 水封部
44 中和部
45 導入口
46 排水口
47 垂下壁
48 第1水封室
50 第2水封室
51 水封連通部
52 中和剤
53 量検知手段
55 警報ランプ