(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、
図1、
図2における図面手前を「前方または表面」とし、
図1、
図2における図面奥側を「後方または裏面」とし、
図1、
図2における左方を「左方」とし、
図1、
図2における右方を「右方」とする。
【0013】
図1に示すように、遊技機1は、外枠2の前面側にガラス枠ユニット5を開閉可能に設け、またガラス枠ユニット5の下側に受け皿ユニット6を開閉可能に設けた構成である。また、外枠2内におけるガラス枠ユニット5の後方には、中央部分に後述の表示装置4が配置された遊技盤3が嵌め込まれている。なお、遊技盤3は、ガラス枠ユニット5の後側に配置されるため、
図1においては図示を省略している。
【0014】
ガラス枠ユニット5のほぼ中央には、ガラス枠ユニット5を閉じた状態で遊技盤3を透視できるように透明部材7(強化ガラス等)が装着され、透明部材7の周りにはスピーカー8a及びランプやLED等で形成される発光装置9が配置されている。
【0015】
受け皿ユニット6には、賞球払出装置(図示略)から払い出される遊技球を貯留する上皿10a、下皿10b、上皿10aに貯留されている遊技球を発射装置(図示略)によって発射する際にその発射する力を調節するハンドル11、スピーカー8b及び鍵部12等が配設されている。
【0016】
(遊技盤3の説明)
図2は、遊技盤3の正面図を示す。遊技盤3には、ガイドレール13によって囲まれるほぼ円形の遊技領域31が形成されている。発射装置から発射される遊技球が、ガイドレール13に誘導されて遊技領域31に打ち込まれ、当該遊技球が遊技領域31を転動しながら落下することによって所定の遊技が行われる。
【0017】
遊技盤3のほぼ中央部には、様々な演出図柄を表示するための表示装置4が設けられている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。本実施形態においては、表示装置4は、背景等の演出画像、複数の演出図柄及びその他の画像を表示可能である。
【0018】
遊技領域31における表示装置4の下方には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が入賞(通過または入球を含む)可能な第1始動口21が設けられている。第1始動口21の下方には、同じく遊技球が入賞可能な第2始動口22が設けられている。第2始動口22は、左右の可動片22a、22bが開閉することによって、入賞開口が拡大する第1状態と入賞開口が縮小する第2状態とに変化可能である。第1状態となる時間は、通常遊技状態では例えば0.5秒、また特別遊技状態では例えば2秒にそれぞれ設定される。通常、左右の可動片22a、22bは、閉じているが、遊技球が遊技領域31の左側の領域に設けた普通図柄作動ゲート24を通過し、後述の主制御部100によって所定の確率に基づいて準特賞状態を生起するか否かが抽選(普通図柄抽選)され、抽選の結果、当たりとなった場合に一旦開放する。
【0019】
次に、通常遊技状態と特定遊技状態について説明する。
通常遊技状態においては、普通図柄抽選の結果が当りとなった場合、左右の可動片22a、22bが0.5秒×1回開放する(第2状態から第1状態となる、と同義)。これに対し特定遊技状態においては、普通図柄抽選の結果が当りとなった場合、左右の可動片22a、22bが2秒×2回開放する。すなわち、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも開放時間及び開放回数が大となるように設定される。なお、開放時間及び開放回数は、これに限定されるものではない。また、特定遊技状態中は、表示装置4や発光装置9、スピーカー8a、8b等で特定の表示態様で遊技者に報知される。
【0020】
表示装置4の表示領域は、例えば
図8に示すように、左の第1図柄表示領域41、真ん中の第2図柄表示領域42、右の第3図柄表示領域43の3つに区分され、各表示領域41、42、43には演出図柄50a、50b、50cが表示される。本実施の形態においては、各演出図柄50a、50b、50cは、1〜9の数字と各数字に対応する女性キャラクタとによってそれぞれ構成される。すなわち、各演出図柄50a〜50cは、それぞれ9種類の図柄で構成され、同一の数字には同一の女性キャラクタが描写されている。
【0021】
遊技領域31に打ち込まれた遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したことを契機に、各表示領域41、42、43の演出図柄50a、50b、50cを変動表示(実施例では上から下方向に縦スクロール変動)させ、所定時間経過後に停止表示させ、その表示結果に基づいて、主制御部100によって実行される当/外抽選の結果を遊技者に報知する。本実施の形態においては、各演出図柄50a、50b、50cの停止図柄が横一列又は斜め一列で同一の場合には大当りとなる。
【0022】
表示装置4の表示領域には、
図8に示すように、第1、2、3図柄表示領域41、42、43の他に、さらに第4図柄表示領域44が設けられる。この第4図柄表示領域44には、カラーバー等からなる第4図柄44aの変動表示及び停止表示が表示される。この第4図柄44aは、各演出図柄50a、50b、50cの停止表示結果とは別に、当/外抽選の結果を報知する。各演出図柄50a、50b、50cが様々な演出をともなって変動表示を行うが、第4図柄44aは、カラーバーが点滅するだけで、演出表示は行わない。この第4図柄44aの役割は、各演出図柄50a、50b、50cが様々な演出を実行している最中に演出の一環として仮停止した場合でも、第4図柄44aが点滅表示しているとき、まだ各演出図柄50a、50b、50cの変動表示が終了していないことを意味し、第4図柄44aが点灯表示(または消灯)に停止した場合は、各演出図柄50a、50b、50cの変動表示が終了したことを意味する。なお、第4図柄表示領域44は、第1、2、3図柄表示領域41、42、43と完全に分離させても良いし、一部または全部が重なるように表示させても良い。
【0023】
さらに、表示装置4の表示領域における左の第1図柄表示領域41の左側の領域には、第1始動口21に遊技球が入賞した保留球数を表示するための星形状の第1始動保留表示部213、及び第2始動口22に遊技球が入賞した保留球数を表示するための円形の第2始動保留表示部223が設けられる。
【0024】
図2に示すように、表示装置4の下方には、遊技球を左右方向または前後方向に転動させることが可能なステージ14が設けられている。また、表示装置4の左方には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が流入可能なワープ入口15aと、このワープ入口15aに流入した遊技球をステージ14に放出させるワープ出口15bが設けられている。ステージ14は、前面側が開放しており、遊技球を転動させた後、再び遊技領域31に戻す。
【0025】
遊技領域31の右斜め下方には、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、7セグメントLEDまたはドットマトリクスLED等によって構成される第1特別図柄表示部211及び第2特別図柄表示部221が設けられる。第1特別図柄表示部211は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機に、変動表示を開始し、所定時間経過後に停止表示する。また、第2特別図柄表示部221は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機に、変動表示を開始して所定時間経過後に停止表示する。第1、2特別図柄表示部211、221に停止表示される表示パターンによって、主制御部100によって実行される当/外抽選の結果及び確率変動抽選の実際の結果を報知する。なお、第1、2特別図柄表示部211、221は、互いに異なる表示部によって構成する必要はなく、少なくともそれぞれの抽選結果を表示する箇所が異なっていればひとつの表示部であっても良い。
【0026】
普通図柄抽選の結果は、第1、2特別図柄表示部211、221の近傍に設けられた普通図柄表示部241を変動表示させ、その後停止表示させることによって報知される。
【0027】
普通図柄表示部241は、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、7セグメントLEDまたはドットマトリクスLED等によって構成される。本実施例における普通図柄表示装置241は、ドットマトリクスLEDで構成され、普通図柄当り表示領域241aと普通図柄ハズレ表示領域241bが交互に点灯を繰り返す表示を行う。抽選結果の表示態様として、最終的に普通図柄当り表示領域241aが点灯して確定表示された場合には、準特賞状態を生起させ、可動片22a、22bを所定時間開放し、遊技球を第2始動口22に入賞しやすくする。なお、
図2においては、左右の可動片22a、22bが閉じた状態を示す。
【0028】
普通図柄作動ゲート24の下方には、遊技球が常時入賞可能な一般入賞口23が設けられている。一般入賞口23に遊技球が入賞した場合には、当/外抽選は行わないが、予め定められた賞球数は遊技者に払い出される。
【0029】
第1始動口21及び第2始動口22の下方には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が入賞可能な特別入賞装置25が配置されている。特別入賞装置25は、遊技球を遊技盤3の裏側に取り込む大入賞口26と、大入賞口26の前面を開閉可能な扉部材27とを備える。通常遊技状態においては、扉部材27が閉鎖して遊技球の入賞が物理的に不可能であり、大当り遊技状態においては扉部材27が開放状態と閉鎖状態を交互に繰り返すことによって、その開放時に遊技球が入賞可能となる。
【0030】
その他、遊技領域31には、遊技球の落下方向を変化させる遊技釘(図示略)や遊技球の転動方向を変化させる風車16、遊技球を遊技盤3の裏面に排出するアウト口28等が設けられている。
【0031】
(制御の説明)
図3は、パチンコ機の制御系を説明するためのブロック図である。遊技機1における各装置のうち主要なものは、マイクロコンピュータによって制御される。なお、発射装置や賞球払出装置を制御する制御系統等、本発明に直接関係ないものは省略する。
【0032】
主制御部100は、遊技盤3の裏側に取り付けられるとともに、制御プログラム及び各種データを記憶したROM102とワークエリアとして機能するRAM103とともに一体型のワンチップCPU101として構成され、ROM102に記憶された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0033】
主制御部100の入力ポート104には、第1始動口21内に設けられ、遊技球の通過を検出する第1始動口センサ121、第2始動口22内に設けられ、遊技球の通過を検出する第2始動口センサ122、普通図柄作動ゲート24内に設けられ、遊技球の通過を検出する普通図柄作動ゲートセンサ124、特別入賞装置25における大入賞口26内に設けられ、大入賞口26に入賞した遊技球を検出する大入賞口センサ125が電気的に接続されている。
【0034】
主制御部100の出力ポート105には、特別入賞装置25の扉部材27を開放させるための大入賞口ソレノイド126、第2始動口22の左右の可動片22a、22bを開放させるための第2始動口ソレノイド127、第1、2特別図柄表示部211、221、普通図柄表示部241、及び遊技の演出を制御するための演出制御部110が電気的に接続されている。
【0035】
演出制御部110には、演出制御するためのプログラムや、図柄・音声制御部(図示略)に送信するための各種制御コマンドが記憶されている。演出制御部110は、ROMに記憶されたプログラムにしたがって演出処理を実行することにより、主制御部100による当/外抽選の結果に基づいて決定された演出図柄変動パターンに応じて演出パターンを決定する。演出制御部110が図柄・音声制御部に送信するための制御コマンドとしては、主制御部100から取得した演出図柄変動パターンコマンドと、主制御部100による当/外抽選の結果、大当りまたは小当たりの場合に、遊技参加型演出画像(図示略)を表示装置4に予め定められた時間表示させるための演出画像コマンド、遊技者により演出介入操作ボタン(図示略)が操作されたときに表示装置4に表示されている遊技参加型演出画像の表示形態を変化させるための遊技者介入コマンド等がある。
【0036】
演出制御部110は、表示装置4を制御するための表示制御部111と、発光装置9を制御するためのランプ制御部112と、スピーカー8a、8bを制御するための効果音制御部113とを含む。
【0037】
演出制御部110は、主制御部100から受信した制御コマンドにしたがって内部コマンドを生成し、該内部コマンドを内部送信することによって、表示制御部111、ランプ制御部112及び効果音制御部113のそれぞれを制御する。
【0038】
表示制御部111のROMには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部111のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0039】
表示制御部111のCPUは、演出制御部110からの表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、表示制御コマンドに応じた画像データをROMから読み出して、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力指示にしたがって、出力ポートを介して表示装置4に画像データを出力する。
【0040】
主制御部100には、RAM等により形成される第1始動情報記憶部(第1始動情報記憶手段)と、RAM等により形成される第2始動情報記憶部(第2始動情報記憶手段)を有している。
【0041】
第1始動情報記憶部は、遊技球が第1始動口21に入賞した始動情報を予め定められた上限値まで記憶する。第2始動情報記憶部は、遊技球が第2始動口22に入賞した始動情報を予め定められた上限値まで記憶する。本実施形態においては、
図4に示すように、第1始動情報記憶部は、1番目から4番目までの4つの記憶部(A1からA4)を有しており、それぞれの記憶部に第1始動情報(遊技球が第1始動口21に入球した情報)を記憶することによって第1始動情報を4個を限度として記憶する。また、第2始動情報記憶部は、1番目から4番目までの4つの記憶部(B1からB4)を有しており、それぞれの記憶部に第2始動情報(遊技球が第2始動口22に入球した情報)を記憶することによって、第2始動情報を4個を限度として記憶する。
なお、主制御部100は、第1始動情報記憶部及び第2始動情報記憶部のそれぞれに記憶されている各始動情報について、1番目の記憶部に記憶されている始動情報から順に当/外抽選を行って消化する。
【0042】
主制御部100に設けられた普通図柄の始動情報記憶部は、普通図柄作動ゲート24への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が予め定められた上限値(本実施形態では4個)まで記憶される。
【0043】
主制御部100のRAM103は、演出制御部110等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、RAM103の記憶内容を停電直前の状態に復元し、RAM103のコマンド記憶領域に記憶されている制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させることができる。
【0044】
図5は、第1始動口センサ121及び第2始動口センサ122が遊技球の通過を検出した場合に、主制御部100が実行する入賞処理を説明するためのフローチャートである。
主制御部100は、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122からの検出信号を入力すると、ステップS501において入力ポート104から対応する情報を読み込む入力ポート読込処理を実行して、ステップS502に移行する。
ステップS502においては、主制御部100が第1始動口センサ121から検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS503に移行し、また、第1始動口センサ121から検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、ステップS505に移行する。
【0045】
ステップS503においては、主制御部100がRAM103の第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、第1始動情報の記憶数が「4」以上ではない場合(No)は、ステップS504に移行し、また、第1始動情報の記憶数が「4」以上である場合(No)は、ステップS505に移行する。
【0046】
ステップS504においては、主制御部100は、内部に設けた当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、変動パターン決定乱数、リーチ決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第1始動情報)を、RAM103の第1始動情報記憶部に記憶する第1始動情報記憶処理を実行する。この際、取得される第1始動情報は、第1始動情報記憶部において、第1始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。例えば、RAM103の第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報の記憶数が「1」である場合、取得した第1始動情報は、第1始動情報記憶部における2番目の記憶部に記憶される。また、RAM103の第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報の記憶数が「2」である場合には、取得した第1始動情報を第1始動情報記憶部における3番目の記憶部に記憶する。これにより、RAM103の第1始動情報記憶部における第1始動情報の記憶が随時更新される。
【0047】
第1始動情報記憶処理では、RAM103の第1始動情報記憶部における第1始動情報の記憶が更新されることに伴い、第1特別図柄表示部211の近傍に設けた特別図柄始動情報記憶数表示部212に表示されている第1始動情報数に「1」を加算する表示とする。さらに、RAM103の第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報が更新されることに伴い、更新後の第1始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して始動情報記憶数コマンドを演出制御部110に送信する。例えば、RAM103の第1始動情報記憶部に新たな第1始動情報を記憶して、第1始動情報記憶数が「1」となった場合、第1始動情報記憶数が「1」であることを示す始動情報記憶数コマンドを演出制御部110に送信する。また、各演出図柄50a、50b、50cの表示結果が確定されることに伴って始動記憶数が減算される場合も同様にその情報を送信する。
【0048】
ステップS505においては、第2始動口センサ122の検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS506に移行し、また、第2始動口センサ122の検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了してリターンする。
【0049】
ステップS506においては、RAM103の第2始動情報記憶部に記憶されている第2始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、第2始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合(No)は、ステップS507に移行し、また、第2始動情報の記憶数が「4」以上であると判定した場合(No)は、一連の処理を終了してリターンする。
【0050】
ステップS507においては、ステップS504と同様に、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、変動パターン決定乱数、リーチ決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第2始動情報)を、RAM103の第2始動情報記憶部における所定の記憶部に記憶する第2始動情報記憶処理を実行する。この際、取得した第2始動情報は、第2始動情報記憶部において、第2始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。これにより、RAM103の第2始動情報記憶領域における第2始動情報の記憶が更新される。
【0051】
第2始動情報記憶処理においては、RAM103の第2始動情報記憶部に第2始動情報の記憶が更新されることに伴い、第1特別図柄表示部211の近傍に設けた特別図柄始動情報記憶数表示部222に表示される第2始動情報数を1加算する表示制御を実行する。また、RAM103の第2始動情報記憶部に第2始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の第2始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御部110に送信される。
【0052】
図6は、当たり判定処理を説明するためのフローチャートである。
当たり判定処理は、所定確率で大当たりを生起させるために、所定の数値範囲に1個の当たり値を設定し、取得した当たり決定乱数と当たり値とが一致しているときに大当たりを生起させる処理である。
【0053】
本実施の形態においては、第1始動口21への遊技球の入賞を契機とする第1当/外抽選により大当たりが生起される確率と、第2始動口22への遊技球の入賞を契機とする第2当/外抽選により大当たりが生起される確率とを互いに異ならせている。例えば、第1始動口21への遊技球の入賞を契機とする第1当/外抽選により大当たりが生起される確率は、例えば1/399とし、第2始動口22への遊技球の入賞を契機とする第2当/外抽選により大当たりが生起される確率は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機とする当/外抽選によりも高い1/240に設定されている。
【0054】
当たり判定処理は、
図6に示すように、まず、ステップS601において、表示装置4において演出図柄50a〜50c及び第4図柄44aが変動中か否かを判定し、変動中でないと判定した場合(No)は、ステップS602に移行し、また、変動中であると判定した場合(Yes)は、ステップS610に移行する。
【0055】
ステップS602においては、第2始動情報数が「1」以上であるか否かを判定し、第2始動情報数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS603に移行し、また、第2始動情報数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、ステップS620に移行する。
【0056】
ステップS603においては、第2始動情報に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了してリターンする。また、ステップS620においては、第1始動情報数が「1」以上であるか否かを判定し、第1始動情報数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS621に移行し、また、第1始動情報数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了してリターンする。ステップS621においては、第1始動情報に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了してリターンする。
【0057】
ステップS610においては、演出図柄50a〜50cの変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS611に移行し、また、演出図柄50a〜50cの変動を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了してリターンする。
【0058】
ステップS611においては、図柄停止コマンドをRAM103の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了してリターンする。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して図柄停止コマンドが演出制御部110に送信される。
【0059】
上述のように、当たり判定処理では、第2始動情報に基づく当たり判定処理は、第1始動情報に基づく当たり判定処理よりも優先して実行される。すなわち、主制御部100は、RAM103の第2始動情報記憶部に記憶されている第2始動情報を、第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報よりも優先して消化する。これにより、演出制御部110は、第2始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示及び停止表示を、第1始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示及び停止表示よりも優先して実行する。
【0060】
次に、ステップS603における第2始動情報に基づく当たり判定処理及びステップS621における第1始動情報に基づく当たり判定処理を説明する。なお、ステップS603における第2始動情報に基づく当たり判定処理及びステップS621における第1始動情報に基づく当たり判定処理は、同様の処理であるため、ステップS603における第2始動情報に基づく当たり判定処理について説明し、ステップS621における第1始動情報に基づく当たり判定処理については説明を省略する。
【0061】
図7は、第2始動情報に基づく当たり判定処理を説明するためのフローチャートである。
第2始動情報に基づく当たり判定処理は、ステップS603の処理が実行されると、
図7に示すステップS700に移行する。ステップS700においては、RAM103の第2始動情報記憶部における1番目の記憶部から当たり決定乱数を読み出して、ステップS702に移行する。
【0062】
ステップS702においては、ステップS700で読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS704に移行し、また、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS714に移行する。
【0063】
ステップS704においては、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行する。主制御部100のROM102には、当たり種別決定乱数の値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。当たり種別決定処理においては、RAM103の第2始動情報記憶部における1番目の記憶部から当たり種別決定乱数を読み出し、該当たり種別決定乱数の値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たり等の当たりの種別が決定される。
【0064】
次に、ステップS706に移行して、当たり時に停止表示する演出図柄50a〜50bの組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。ROM102には、各当たり種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルにおいて、停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせを示す停止図柄番号が登録されている。そして、当たり時停止図柄決定処理においては、まず、ステップS704で決定された当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、RAM103の第2始動情報記憶部における1番目の記憶部から停止図柄決定乱数を読み出し、該停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置110に送信される。
【0065】
停止表示する特別図柄は、停止図柄決定乱数の値と停止表示する特別図柄が登録された特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄50a〜50cの場合と同様の処理により決定する。ただし、停止表示する特別図柄は、停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせの決定に先立って決定される。すなわち、停止表示する特別図柄を決定した後に、これに対応させて停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定する。そのため、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせは、ともに同一の停止図柄決定乱数値に基づいて決定される。そして、停止表示する特別図柄を指定するための指令情報をRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して第2特別図柄表示部221に指令情報が直接送信される。
【0066】
次に、ステップS708に移行し、当たり時に変動表示する演出図柄50a〜50cの変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行する。ROM102には、当たり種別、現在の遊技状態等の組み合わせ毎に設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。各変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録されている。そして、当たり時変動パターン決定処理では、まず、ステップS704で決定された当たり種別番号及び現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、RAM103の第2始動情報記憶部における1番目の記憶部から変動パターン決定乱数を読み出し、該変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して変動パターンコマンドが演出制御装置110に送信される。
【0067】
次に、ステップS710に移行して、演出図柄50a〜50cの変動表示時間を設定する変動設定処理を実行する。演出図柄50a〜50cの変動表示時間は、ステップS708、S716で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。また、当たりを生起させる場合、変動設定処理では、大入賞口26の開放回数及び開放時間を設定する。具体的には、当たり種別番号が通常大当たり又は確変1大当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を15回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口26の開放時間を約30秒に設定する。また、当たり種別番号が確変2大当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を2回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口26の開放時間を約0.5秒に設定する。
【0068】
ステップS712においては、第2の始動情報記憶数を「1」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了してリターンする。
【0069】
始動情報記憶数減算処理においては、RAM103の第2始動情報記憶部における1番目の記憶部に記憶されている第2始動情報を、RAM103における変動中の始動情報を記憶する領域に移すとともに、RAM103の第2始動情報記憶部における2番目以降の記憶部に記憶されている第2始動情報を、それぞれ、1つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。これにより、RAM103の第2始動情報記憶部における第2始動情報の記憶が更新される。
【0070】
また、始動情報記憶数減算処理では、RAM103の第2始動情報記憶部における第2始動情報の記憶が更新されることに伴い、第2特別図柄始動記憶数表示部222において表示する第2始動情報数を「1」減算した表示とする。
【0071】
さらに、始動情報記憶数減算処理では、RAM103の第2始動情報記憶領域における第2始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の第2始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御部110に送信される。例えば、RAM103の第2始動情報記憶部に記憶されている第2始動情報が更新された結果、第2始動情報記憶数が「2」となった場合、第2始動情報記憶数が「2」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御部110に送信される。
【0072】
ステップS714においては、はずれ時に停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行する。はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS706と同様に行われる。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、表示装置4で停止表示する具体的なはずれ演出図柄の組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置110に送信される。そして、演出制御部110は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定し、決定した組み合わせで演出図柄50a〜50cを停止表示する。
【0073】
次に、ステップS716に移行して、はずれ時に変動表示する演出図柄50a〜50cの変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップS710に移行する。はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS708と同様に行われる。ただし、ROM102には、現在の遊技状態、リーチ決定乱数等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、はずれ時変動パターン決定処理では、現在の遊技状態及びリーチ決定乱数に対応する変動パターン決定テーブルを読み出して、変動パターン番号を決定する。
【0074】
(実施例)
次に、遊技機1の動作を説明する。遊技領域31に発射された遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122により検出信号が出力される。
【0075】
主制御部100は、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122からの検出信号を入力すると、当たり決定乱数等の各種乱数を取得する。そして、取得した各種乱数は、始動入賞情報として、RAM103の始動入賞情報記憶部に記憶される。この際、第1始動口センサ121の検出信号を契機として取得された第1始動情報は、RAM103における第1始動情報記憶部に最大4つまで記憶される。また、第2始動口センサ122の検出信号を契機として取得された第2始動情報は、RAM103における第2始動情報記憶部に最大4つまで記憶される。
【0076】
主制御部100は、始動情報記憶部に記憶されている各始動情報について当たり判定を行う。そして、当/外抽選の結果、当たりを生起させる場合には、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせ、及び当たり時の変動パターンが決定される。また、当/外抽選の結果、はずれを生起させる場合には、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄50a〜50cの組み合わせ、及びはずれ時の変動パターンが決定される。
【0077】
主制御部100は、当/外抽選の結果、当たりまたははずれを生起させることを決定すると、演出図柄50a〜50cを変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターンコマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御部110に送信する。そして、演出制御部110における表示制御部111は、主制御部100からの制御コマンドを受信すると、表示装置4に決定された変動パターンで演出図柄50a〜50cと第4図柄44aとを変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせでそれらを停止表示させる。
【0078】
さらに、主制御部100は、第2始動情報記憶部に記憶されている第2始動情報について、第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報に対して優先して当たり判定を行う。これにより、表示装置4に、第2始動情報記憶部に記憶されている第2始動情報に基づく演出表示(図柄変動表示)が、第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報に基づく演出表示よりも優先して実行される。
【0079】
図8〜
図11は表示装置4に表示される演出図柄50a〜50cの模式図である。
表示装置4における表示領域の左側に設けられた第1始動保留表示部213は、4個の星形図柄により形成され、かつ消灯状態であっても4個の星形状の輪郭が常時視認可能に設けられる。また、第2始動保留表示部223は、点灯時(第2始動情報が記憶されているとき)に出現する4個の円形図柄により形成され、かつ消灯時(第2始動情報が記憶されていないとき)の場合には、その存在が視認できないように設けられる。なお、第2始動保留表示部223は、第2始動情報が記憶されていないときは、視認不能であるが、説明の便宜上、
図8〜
図10には点線で示す。なお、
図8、9は、通常遊技状態を示し、
図11は、確率変動遊技状態を示す。
【0080】
表示装置4は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、主制御部100のRAM103に記憶されている各始動情報数の更新に伴って、始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数を表示する。第1始動情報については、第1始動保留表示部213を保留数に応じて点灯(黒塗りの部分)させることによって、遊技者は現在の保留数が3個であることを容易に認識することができる。また、第2始動情報については、第2始動情報記憶数コマンドが送信されてきた時点ではじめて第2始動保留表示部223が点灯出現することによって現在の保留数を認識することができる。したがって、遊技者は、第2始動保留表示部223が点灯出現することによって、現在の保留数を初めて認識することができる。なお、
図8は、演出図柄50a〜50cがまだ変動を開始していない停止表示の状態で、第1始動情報の記憶数が3個で、第2始動情報の記憶数が0である状態を示す。
【0081】
例えば、
図9に示すように、演出図柄50a〜50cの変動表示中に、第2始動口22に遊技球の入賞があった場合は、主制御部100のRAM103の第2始動情報記憶部に第2始動情報が新たに1つ加算され、第2始動保留表示部223が1つ点灯(黒塗り部分)した状態となる。
【0082】
そして、現在の変動表示が終了すると、次の変動表示は、第2始動情報に基づく変動表示が第1始動情報に基づく変動表示よりも優先して実行されるため、第1始動保留表示部213における第1始動情報記憶数は2つのままで、第2始動保留表示部223は全て消灯状態となる。また、第2始動情報記憶部の1番目の記憶部に記憶されていた第2始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示が開始された場合には、第2始動情報記憶部の第2始動情報記憶数が0に更新され、第2始動保留表示部223には動画データなどの背景画像を除いて何も表示されていない状態となっている。
【0083】
上述のように、第1始動情報に関しては、RAM103に記憶されていない(保留なし)場合でも、第1始動保留表示部213に星形状の輪郭が表示されて、第1始動情報の保留上限値が認識できるようになっている。しかし、第2始動情報に関しては、RAM103に記憶されていない場合には、第2始動保留表示部223には何も表示されないため、第2始動情報の保留上限値を認識することは困難である。
【0084】
図9は、通常遊技状態において表示装置4に表示される演出図柄50a〜50cの変動表示の一例を示す図である。表示装置4において第1始動情報または第2始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示を行う場合、第1〜3図柄表示領域41〜43のそれぞれにおいて、数字及び図柄からなる演出図柄50a〜50cが変動表示(上下方向に縦スクロール変動)を行うとともに、第4図柄表示領域44においてカラーバーからなる演出図柄44aが変動表示(点滅)し、所定時間経過後に停止表示される。また、このとき、大当たり終了後に再び大当たりになる確率が向上した確率変動遊技状態であれば、表示装置4の左側上部に設けた領域部230に確率変動遊技状態である旨「確変中」が表示される。
【0085】
図10に示すように、第1〜第3図柄表示領域41〜43のそれぞれにおいて演出図柄50a〜50cが停止表示されるとともに、第4図柄表示領域44において第4図柄44aが停止表示(点灯)されることにより抽選結果が確定される。そして、各演出図柄50a、50b、50cが横一列に同一の数字で停止表示された場合には、抽選結果が大当りとなる。
【0086】
また、演出図柄制御部110は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新し、該始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数を、表示装置4に表示させる。
【0087】
図11は、表示装置4における確率変動中の表示態様について示している。表示装置4は、第1始動情報記憶部に記憶されている第1始動情報記憶数を表示する第1始動保留表示部213が表示されるとともに、第2始動情報記憶領域に記憶されている第2始動情報記憶数を表示する第2始動保留表示部223も表示される。第1始動保留表示部213及び第2始動保留表示部223は、それぞれの始動情報数記憶部に記憶されている始動情報数に対応している。
図11においては、第1始動保留表示部213が3つ点灯し、また第2始動保留表示部223が2つ点灯することによって、第1始動情報記憶部に第1始動情報が3つ、また第2始動情報記憶に第2始動情報が2つであることを確認することができる。
【0088】
演出制御部110は、予告演出を実行することを決定した場合、実行する予告演出の予告演出パターンを決定する。ここでいう「予告演出」とは、第1始動情報または第2始動情報に基づき演出図柄50a〜50cが変動してから停止するまでの間に、当該変動の結果が大当りとなる可能性を示唆する演出のことである。予告演出は、複数設定されており、中にはその予告演出が実行された時点で大当りとなることが確定するものもある。演出制御部110は、抽選結果に応じて予告演出パターンを決定する。
【0089】
演出制御部110は、決定した予告演出パターンに応じて、表示装置4に変動表示中の演出図柄50a〜50cの背景に動画データを表示させたり、発光装置9を点滅表示させたり、スピーカー8a、8bから出力される音を通常よりも大とする制御を実行する。
【0090】
図11を用いて表示装置4に表示される予告演出について説明する。演出制御部110は、表示装置4に主制御部100のRAM103の第1動情報記憶部に記憶されている3つの第1始動情報のうち1番目の記憶部に記憶されている第1始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示を行う。予告演出を実行する場合には、演出制御部111は、動画をROMから読み出し、演出図柄50a〜50cの変動表示の背景画像として、動画を表示する。例えば、動画データの1コマ目として、人物Aが登場する動画データを表示する。続いて2コマ目として、さらに、人物Bが登場する動画データを表示する。次に、3コマ目として、人物A及び人物Bが両手を挙げて挨拶をする動画データを表示する。そして、最後の4コマ目として、人物A及び人物Bが握手をする動画データを表示する。
図11はこの4コマ目の動画データが表示されている状態を表わしている。以上、説明したケースでは、予告演出パターンとして、「1〜4コマ目までをすべて表示する」というパターンが選択されているが、この他にも1〜4のいずれかのコマ目だけを表示する、または、1コマ目、2コマ目、4コマ目を表示するといったパターン等でもよい。
【0091】
なお、
図11に示す状態の変動が終了した場合、次は第2始動情報記憶部の1番目の記憶部に記憶されている第2始動情報に基づく演出図柄50a〜50cの変動表示が開始されることとなり、第2始動情報記憶部に記憶される第2始動情報記憶数が1つに更新され、第2始動情報数表示図柄223が1つ点灯した状態となる。
【0092】
また、同じく
図11に示す変動表示が行われている最中に、新たに第2始動口22に遊技球の入賞があった場合は、主制御部100のRAM103の第2始動情報記憶部に第2始動情報が新たに記憶される。すなわち、第1始動情報の記憶数は変わらず3つのままで、第2始動情報記憶部には新たに1つ加算されるため合計3つとなり、第2始動保留表示部223が3つ点灯した状態となる。
【0093】
また、第2始動保留表示部223の表示パターンとして、第2始動情報の保留があるか否かに関係なく、常に表示させないようにしても良い。さらには、第2始動保留表示部223の表示形態を、第1始動保留表示部213に比して色彩を薄くしたり、表示面積を小さくしたり、背景画像と同系色としたり、第1始動保留表示部213に重なるようにしても良い。要は、第2始動保留表示部223が第1始動保留表示部213よりも視認し難くなる表示形態であれば、どのような表示形態であっても良い。
【0094】
上述のように、本実施形態によると、第2始動保留表示部223を第1始動保留表示部213よりも視認し難くすることにより、全体の始動保留数の把握を困難にすることができ、遊技に対する興趣を増大できる。また、確率変動遊技状態のときと通常遊技状態のときとで、表示装置4に表示される第2始動保留表示部223の表示形態が変化することにより、より遊技に対する興味を増大できる。
【0095】
(第2実施例)
図12は、本発明における第2実施例を示す。この実施例においては、通常遊技状態、確率変動遊技状態、第2始動情報記憶部に第2始動情報が記憶されているか否かに関係なく、第2始動保留表示部223が表示装置4に表示されない。この場合、第2始動口22に遊技球が入賞しても、表示装置4には入賞したことを一切表示されない。ただし、表示装置4以外の場所、すなわち第2始動情報表示部222では第2始動情報が記憶された旨を報知する。
【0096】
(第3実施例)
図13は、本発明における第3実施例を示す。この実施例においては、第2始動保留表示部223が第1始動保留表示部213と重なるように表示される。星形状の第1始動保留表示部213は、第1始動情報がひとつもない状態でも中抜きの状態で常に表示されており、ひとつ記憶されるごとに上から順番に中が塗られた状態で表示される。一方、第2始動保留表示部223は、第2始動情報がひとつもない状態では何も表示されず、ひとつ記憶されるごとに第1始動保留表示部213の上から順番にその後に重なるようにして表示される。したがって注目して見ない限り視認し難い表示態様となっている。
【0097】
(第4実施例)
図14は、本発明における第4実施例を示す。この実施例においては、第2始動保留表示部223が第2図柄表示領域42内で、かつ演出図柄50bの停止表示と一部が重なるような位置に設けた例を示す。したがって、第1始動保留表示部213に比べて第2始動保留表示部223は視認し難くなっている。また、背景画像として常に町並みや草木等を表示させて、第2始動保留表示部223をその背景画像と重なる位置に配置すればより視認し難くすることが可能となる。
【0098】
(第5実施例)
図15は、本発明における第5実施例を示す。この実施例においては、第2始動保留表示部223は表示装置4における様々な位置に散乱されて表示される。すなわち、第2始動情報がひとつ記憶されると表示装置4の左上の第2始動保留表示部223aが表示され、さらにもうひとつ記憶されると表示装置4の右上の第2始動保留表示部223bが表示され、続いて第2始動保留表示部223c、223dの順に表示されるようになっている。したがって、一箇所に集まって表示されている第1始動保留表示部213と比べて分散表示されている第2始動保留表示部223は視認し難くなっている。
【0099】
他にも、図示しないが第1始動保留表示部213と比較して第2始動保留表示部223の表示領域を小さくしてもよい。この場合、始動記憶1つ分の領域の大きさを小さくしても良いし、始動記憶全体(始動記憶4つ分)の領域の大きさを小さくしても良い。
【0100】
また、同じく図示しないが第1始動保留表示部213と比較して第2始動保留表示部223の透過率を高くしても良い。換言すると、第2始動保留表示部223の方をより薄く表示させるようにしても良い。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、通常遊技状態時における第2始動情報の抽選結果の報知態様として、表示装置4に第4図柄44a以外の演出図柄50a〜50cの変動表示を行わない。この際、予告演出等も行わないことが望ましい。さらに、第4図柄44aが変動している時間も短時間(例えば0.5秒〜2秒程度)であることが望ましい。これにより、通常遊技状態時に認識し難いまたは認識できない第2始動情報について、その変動表示すらも認識し難くなるので、通常遊技状態時における遊技者の意識はほぼ第1始動情報のみに集中し、第1始動情報のみが報知されているように感じさせることができる。すなわち、通常遊技状態時は保留の上限数が第1始動情報の保留上限値である4個であるように感じられ、確率変動遊技状態時には始動情報の保留上限値が8個であるように感じさせることができる。このように通常遊技状態と確率変動遊技状態とをより明確に区分けでき、興趣に富んだ遊技機とすることができる。
【0102】
また、第1始動口21及び第2始動口22の両方をいわゆるヘソタイプにしたり、又は、両方を電動チューリップとしても良い。さらに、上記実施形態においては、第1始動口21と第2始動口22がひとつの入賞装置として一体的に形成されているが、それぞれ個別の入賞装置で離れた位置に配置されていても良い。
【0103】
さらに、上記各実施形態においては、遊技機1としてパチンコ機としたが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。