特許第5778753号(P5778753)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778753海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778753
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプ
(51)【国際特許分類】
   F16L 9/12 20060101AFI20150827BHJP
   F16L 1/12 20060101ALI20150827BHJP
   F16L 9/14 20060101ALI20150827BHJP
   F03G 7/05 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   F16L9/12
   F16L1/12 Z
   F16L9/14
   F03G7/05 511
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-501899(P2013-501899)
(86)(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公表番号】特表2013-525694(P2013-525694A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】FR2011050624
(87)【国際公開番号】WO2011124807
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月3日
(31)【優先権主張番号】1052311
(32)【優先日】2010年3月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511093144
【氏名又は名称】デ・セ・エヌ・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】ビルジニー ルラルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル バサニー
(72)【発明者】
【氏名】レイモン ベゴック
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−069689(JP,U)
【文献】 特開2002−206676(JP,A)
【文献】 実開平02−046187(JP,U)
【文献】 実公昭47−016623(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 9/12
F03G 7/05
F16L 1/12
F16L 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
沖合いの海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプであって、前記パイプがガラス繊維強化材と熱硬化性樹脂とからなる複合材料で製造されていて、且つ前記パイプが下端から上端に向って密度が減少する数個の区画を有していることを特徴とする、前記パイプ。
【請求項2】
前記樹脂が、ポリエステル又はイソフタル酸ビニルエステルであることを特徴とする請求項1に記載の吸引パイプ。
【請求項3】
ハニカム材料の少なくとも1つの層がパイプの壁に組み込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引パイプ。
【請求項4】
前記ハニカム材料が三次元の織布で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の吸引パイプ。
【請求項5】
前記織布がガラス繊維で作られていることを特徴とする請求項4に記載の吸引パイプ。
【請求項6】
前記吸引パイプが、パイプの浮力がゼロであるように海水の密度に合せて前記パイプの密度を適合させるために前記パイプの下端から上端に向って密度が低下する数個の区画を有する請求項1に記載の吸引パイプ。
【請求項7】
前記吸引パイプが、前記パイプの下端が600〜1200m間の深さに、前記パイプの上端が数m〜数十mの深さに、2つの海水の水位間に沈められていることを特徴とする請求項1に記載の吸引パイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋温度差エネルギープラントは、一般的に表面水と深層水とでの温度差から発電するための装置が設置されている浮き桟橋を備えていて、また前記桟橋は海底からの冷水汲み上げ用のパイプを形成する装置を伴っている。
【0003】
そのようなOTE(海洋温度差エネルギー)設備の作動原理は、海洋の表面水と深層水との間で必然的に存在する温度差を用いることから成る。
熱力学の原理により、満足できる効率を得るためには、そのようなOTE設備の実施は例えば20℃より大きい温度差を基にのみ正当化される。
【0004】
典型的には、海水は例えば表面水で25℃の温度でそして1000mの深さで5℃の温度であり得る。
我々は、このことでそのような設備の使用が、例えば熱帯地域のような特定の地域に限定されることを理解し得る。
【0005】
また、冷水は浮桟橋を伴う吸引パイプラインを形成する装置を通って相当の深さのところからポンプで汲み上げられねばならず、一方温水は表面水からポンプで汲み上げられる。
【0006】
既に、OTEに基づくエネルギー生産設備を開発するための様々な試みがなされてきた。
例えば、1930年代にジョージクロードによる取り組みがなされた。
勿論、それ以後、他の技術者らも試みてきた。
【0007】
しかしながら、これらの試みの多くは、様々な問題、そして特に遭遇する環境条件が原因で失敗してきた。それは設備の特定要素の機械的強度の問題に起因している。
【0008】
これらの設備を設置できる地理的領域において、設備の特定部分の劣化あるいは破損さえも引き起こす比較的強い海流、嵐などの特有の気象条件に遭遇し得ることは知られている。
特に、冷水吸引パイプは変形あるいは破損の問題さえも引き起こしてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、これらの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的のために、本発明は、沖合いの海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプであって、前記パイプがガラス繊維強化材と熱硬化性樹脂とからなる複合材料で製造されていて、且つ前記パイプが下端から上端に向って密度が減少する数個の区画を有していることを特徴とする、前記パイプに関する。
【0011】
本発明の他の態様によれば、本発明の吸引パイプは1つ以上の以下の特徴:
前記樹脂が、ポリエステル又はイソフタル酸ビニルエステルである、
ハニカム材料の少なくとも1つの層がパイプの壁に組み込まれている、
前記ハニカム材料が三次元の織布で形成されている、
前記織布がガラス繊維で作られている、
前記吸引パイプが、パイプの浮力がゼロであるように海水の密度に合せて前記パイプの密度を適合させるために前記パイプの下端から上端に向って密度が低下する数個の区画を有する、叉は
前記吸引パイプが、前記パイプの下端が600〜1200m間の深さに、前記パイプの上端が数m〜数十mの深さに、2つの海水の水位間に沈められている
から構成される。
【0012】
本発明は、単に例として提供されそして添付の図面を参照してなされる以下の記述を用いてより理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、OTE設備の全体構造を示す概略図を示している。
図2図2は、そのような設備の構成に含まれる冷水を汲み上げるためのパイプの壁部の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般的に、そのような設備は、表面水と深層水との間の温度差を用いて発電するための複数の装置が設置されて、図1における浮き桟橋1を含む。
これらの装置は、本発明の要素ではなく、以下では詳細に説明されない。
【0015】
前述したように、そのような設備は、表面からあるいはその近傍の温水をそして例えば600〜1200mの深さのような相当な深層から冷水をポンプで汲み上げることを必要とする。
【0016】
次いで、この温水と冷水は、その水域における温度差から発電装置を運転することを可能とする。
その目的のために、浮桟橋1は深層から水を汲み上げるためのパイプを形成する複数の装置を伴っている。
【0017】
これらの装置は、図1において、2によって表され、そして例えば、各々3および4によって表される2つの部分を含む。
これらの部分のうち、3によって表される1つの部分は、5によって表される硬質管で構成されていて、図1に示すように、下端が例えば600〜1200mの深層のような相当な深さに、そして上端が例えば数mあるいは数十mのわずかな深さに、2つの水位間に沈められている。
【0018】
次いで、前記硬質管のこの上端は、硬質管が正しい位置に保つことを可能とする図面で一般参照6によって表されるブイあるいは支持浮きを形成する装置、および吸引パイプ装置からなる第2の部分を用いて硬質管5の上端を浮き桟橋1に接続可能とする一般参照7によって表される収集装置を伴っていて、前記第2の部分は硬質管の前記上端を浮き桟橋1に接続するための柔軟なパイプによって形成されている。
これらの柔軟なパイプの1つが図1における一般参照8によって表されている。
【0019】
本発明の主題は、実際、相当な深さから冷たい海水を汲み上げることを可能とする硬質吸引パイプ部分である。
実際、後者の硬質吸引パイプ部分はガラス繊維強化材と熱硬化性樹脂とで構成される複合材料でできている。
この熱硬化性樹脂はポリエステル又はイソフタル酸ビニルエステルでできている。
【0020】
ハニカム材料の1つ以上の層が本発明のパイプの壁に組み込まれ得ることが指摘される。
このハニカム材料は、例えば登録商標PARABEAMと呼ばれ同名の会社で製造される織布などの三次元織布で構成され得る。
【0021】
実際、この織布はガラス繊維でも構成され得る。
また、そのようなパイプは、対応する製造設備によって対応するマンドレルの周りでの巻きおよび架橋によりその場で製造され得る。
【0022】
また、本発明のパイプは、例えば海水の密度に合わせてパイプの密度を適合させるために下端から上端に向って密度を低減させ、パイプが実際に浮力0(ゼロ)で終わるような異なる密度の数個の区画を有し得ることが指摘される。
【0023】
そのような構造は、検討された用途に適合する機械的特性を有しながらパイプのその場製造に適合した製造時間を有する検討された用途に特に適切である。
【0024】
図2は、一般参照10によって指定される多層の繊維強化材と、一般参照11によって指定される三次元織布のようなハニカム材料の複数の層とを有するパイプの例示的な実施形態を示している。
他の実施形態も勿論考慮され得る。
図1
図2