特許第5778775号(P5778775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778775
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】櫛
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/00 20060101AFI20150827BHJP
   A45D 24/36 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   A45D24/00 M
   A45D24/36 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-533201(P2013-533201)
(86)(22)【出願日】2011年10月12日
(65)【公表番号】特表2013-539702(P2013-539702A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】EP2011067814
(87)【国際公開番号】WO2012049212
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年5月1日
(31)【優先権主張番号】1017161.9
(32)【優先日】2010年10月12日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507306687
【氏名又は名称】デンマン インターナショナル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Denman International Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】特許業務法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー ウィグモア
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許発明第1233653(FR,A)
【文献】 米国特許第1440015(US,A)
【文献】 実開昭52−20379(JP,U)
【文献】 米国特許第2143808(US,A)
【文献】 特開昭49−28460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 24/00、24/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の背(12)と、背(12)から延びる複数の歯(16,20)とから成る櫛(10)において、髪を切るときに鋏(50)又はバリカン(40)が沿ってスライドするためのガイド手段(30)から更に成り、ガイド手段(30)が背(12)長さの一部に沿って延びること、ガイド手段(30)が背(12)から横方向に延びて背(12)から次第に延びる棚状構造を形成すること、ガイド手段(30)の形状がガイド手段(30)の第1端(32)から第2端(34)の方へと立体的に先細であって、最大幅部(36)がガイド手段(30)の第1端(32)よりもガイド手段(30)の第2端(34)近くに位置することを特徴とする櫛(10)。
【請求項2】
ガイド手段(30)が櫛(10)の背(12)に沿って一体形成される、請求項記載の櫛。
【請求項3】
ガイド手段(30)が櫛(10)の背(12)に沿って着脱可能に取付可能である、請求項に記載の櫛。
【請求項4】
中空芯(38)がガイド手段(30)後方の断面厚み部に設けられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の櫛。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪用の櫛に関する。特に、人の髪を梳かしたりカットしたりするときに一丁の鋏又は一組のバリカン(クリッパー;clipper)と共に用いられる櫛に関する。
【背景技術】
【0002】
櫛と一丁の鋏、又は櫛と一組のバリカン(以下ではそれぞれ単に「鋏」、「バリカン」と称する)は、髪をカットしたり梳かしたりする時に一緒に用いる別々の道具である。熟練した美容師はそれぞれの手に1つずつ持ちながら2つを一緒に用い、人の髪に対し作業する。しかしながら、それぞれは別々の道具なので、美容師の技能や手先の器用さ以外に、2つの道具、即ち櫛と鋏又は櫛とバリカンを相互作用させるシステムや手段はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】フランス特許第1233653号
【特許文献2】特開昭49−28460
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
「シザーズ・オーバー・コーム」(連続ばさみ;scissors-over-comb)や「クリッパー・オーバー・コーム」(clipper-over-comb)等の重要な技術が伝統的なヘアメイク(hairdressing)や理髪で使われている。これらの技術により美容師/理容師は頭部近くでカットすることができ、ヘアラインに従い、バリカンを単独で用いて通常得られる刈上げよりもソフトな見かけとすることができる。これらの技術の利点は、美容師又は理容師が指で髪をつまみ上げることで可能なよりももっと短い到達至難域(difficult to reach areas)をカットできることである。両技術は習得が困難である。
【0005】
「シザーズ・オーバー・コーム」技術では、美容師が鋏の下刃又は固定刃を櫛と平行に保持する必要がある。鋏又は櫛いずれかの不正確な位置決め、不正確な動き、鋏の刃を開閉できないこと、のどれ1つがあっても全くぎざぎざで不揃いなヘアカットとなってしまう。「クリッパー・オーバー・コーム」技術では、美容師又は理容師がバリカンを櫛表面上で上へ動かし、櫛歯の間から飛び出た髪をカットする必要がある。美容師又は理容師がこの技術を用いているときに最も頻繁に生じる問題が滑りであり、バリカンが櫛の底端から滑り落ちることにより髪にへこみができ、仕上げたヘアカットにラインが生じてしまう。バリカン又は櫛の不正確な位置決めや動きも不揃いのヘアカットとなってしまう。
【0006】
フランス特許第1233653号は、巻き上げ(カール)を容易にするために用いられ、起伏のある胴部構造を備えた、櫛用中実取付具を開示している。
【0007】
特開昭49−28460は受け皿付櫛を開示している。
【0008】
本発明の目的は上記の欠点を軽減することである。
【0009】
「成る」(comprise)という用語が様々な管区(jurisdictions)で排他的若しくは包含的意味合いで使われ得ることを認める。本明細書では、成る(comprise)という用語が包含的意味合いを持ち、直接リストアップした構成要素のみならず他の明示していない構成要素も含み得るものとする。従って、「成る」(comprise)という用語は所与の管区内で出来るだけ広い解釈を持つとすべきであり、「成らされた」(comprised)や「成っている」(comprising)という用語の使用でもこの理論的解釈を用いるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、細長の背(spine)と、背から延びる複数の歯と、鋏又はバリカンと共に使うためのガイド手段とから成る、請求項1による櫛を提供する。
【0011】
被術者の髪を梳いたりカットしたりする場合に使用者が両方を使うとき、ガイド手段は鋏又はバリカンが沿ってスライドするガイドとして働く。ガイド手段は、「シザーズ・オーバー・コーム」技術、「クリッパー・オーバー・コーム」技術等の伝統的なヘアメイク技術を行うときに使用者の支えを提供する。
【0012】
好ましくは、ガイド手段は、背長さの少なくとも一部に沿って延びるレールから成り、レールは鋏又はバリカンが沿ってスライドするためのガイドとして働く。これの利点は、使用者が伝統的なヘアメイク技術を行う場合に自信と技能を構築でき、滑り等の問題が生じないことである。
【0013】
ガイド手段又はレールは背から横方向に延び、背から次第に延びる棚状構造を形成する。好都合なことには、棚部があるためにバリカンはガイド手段又はレールの長さ方向に沿って滑らかな動きでスライドできる。
【0014】
本発明の一実施例では、棚状構造は立体的にテーパーしており、棚部が第1端から第2端の方へと背長さの一部に沿って最大幅部へと延びる。本発明の更なる実施例では、最大幅部が、棚部の第1端よりも第2端側に近い。これにより、更に、バリカンが櫛から滑り落ちるのが防がれる。
【0015】
本発明の一実施例では、ガイド手段、レール又は棚部が櫛構造内に一体形成される。
【0016】
若しくは、本発明の更なる実施例では、ガイド手段、レール又は棚部が櫛の背に沿って脱着可能に取付可能であって、櫛構造に一体形成されたガイド手段、レール又は棚部と同じ機能を提供する。
【0017】
本発明の改良櫛は使用者に多くの利点を提供する。改良櫛と共に使う場合、ガイド手段、レール又は棚部がバリカン又は鋏の安定性を高める。特に、使用者が鋏の開閉動作を行うとき、ガイド手段、レール又は棚部が鋏の安定性を保つ。ガイド手段、レール又は棚部が鋏の底部又は固定端を支える一方、鋏の切断用端が自由に動く。髪を通る櫛の動きが髪を通る鋏の動きを引き起こす。髪を通して動かすときに鋏と本発明の改良櫛とが共に動いて相乗効果をもたらし、使用者が流れるような滑らかさでヘアカットすることを可能にする。これにより使用者にはより卓越した、制御、的確さ、スピードが提供される。櫛が髪を通るときのより卓越した的確さにより、ヘアカットでの段々、ライン等の問題がなくなる。バリカン又は鋏の安定性向上には、使用者の疲労等により引起こされ得る手ぶれを打開できるという更なる利点がある。
【0018】
又、ガイド手段、レール又は棚部は、被術者のヘアライン辺りで櫛に沿ってバリカン又は鋏をガイドする役目を果たす。これの利点は、特に髪の底端又はベースライン辺り、首テーパリング、こめかみライン等の困難な領域で、より卓越した正確性を獲得することである。
【0019】
加えて、ガイド手段、レール又は棚部は、使用者が鋏やバリカンを櫛上で正しく位置決めする手段をも提供する。このようにして、鋏後部も正しい位置にガイドされる。これには使用者の疲労軽減という追加の利点がある。鋏及びバリカンの両者を正しく位置決めすることにより、これらの技術を行うときに通常起きる使用者の腕の出入り(in and out arm movements)がなくなる。
【0020】
更に又、本発明は、鋏又はバリカンが櫛上にあって棚部上で垂直に位置決めされている間に逆さの櫛が位置ずれするのを防ぐ助けとなる。又、櫛上のバリカンの傾き過ぎを防ぎ、バリカンが櫛の底部から滑り落ちるのを止める助けともなる。
【0021】
ガイドとして働く棚部の形状からも特定の利点が生じる。使用者の肘をリラックスした位置にすることができるので、使用者の快適さを向上させる。使用者が肘を持ち上げることなく手首を掃くように動かすことが可能になる。鋏の姿勢がリラックスした自然な位置となるよう櫛端の棚部形状が仕上げられている。櫛の方へとテーパもしていて、鋏又はバリカンと共に梳るときの滑らかな相乗作用を助長する。
【0022】
加えて、棚部の第1端及び第2端が、被術者のベースラインや首テーパリング(neck tapering)用にバリカンが振り子アクションの上向き動作でテーパリングするための充分なスペースを与えるよう仕上げられており、被術者のこの域辺りで作業するときに被術者の耳と鋏又はバリカンとの間の保護も与える。棚部は、被術者のヘアライン及びこめかみライン辺りをテーパリングダウンするときに特別なガイドとなると共に被術者の前部ヘアラインを揃える又は刈り込むときのガイドを提供する。
【0023】
本発明の一実施例では、中空芯がガイド手段後方の断面厚み部に設けられる。中空芯の利点は、櫛を耳の保護に使う場合に被術者の快適さを向上させることである。
【0024】
更に又、櫛が、鋏の上下動を止め、鋏又はバリカンの内側へと外側への動きを最小にする。櫛は、シザーズ・オーバー・コーム手順を行っている使用者の拇指アクションを向上させる助けともなる。
【0025】
好ましくは、櫛は当業者に公知の一群の高分子化合物から選択される適宜材料から形成され、それにより本発明の櫛に、剛性、耐熱・耐化学性、適宜の重さ及びコストパフォーマンス等の本発明の機能性に必要な適宜の性能特性が与えられる。適宜な高分子化合物の一例は、ポリオキシメチレン(POM)である。斯かる化合物の更なる例はポリプロピレン(PP)である。本発明の更なる実施例では、高分子化合物を適宜の共重合体と組み合わせることにより、当業者によって決められたように一旦形成された櫛の所要特性を向上させる。理想的には、櫛が高度の滑らかさを持つ表面を持つよう仕上げられ、鋏又はバリカンがガイド手段上をスライドすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1側の上方から見た櫛の斜視図である。
図2】櫛の片側の立面図である。
図3】櫛を上から見た平面図である。
図4】櫛の他側の立面図である。
図5】櫛の端面図である。
図6図2のA−A線に沿った拡大断面図である。
図7】被術者に対しバリカンと共に用いられる櫛の斜視図である。
図8】被術者に対しバリカンと共に用いられる櫛の斜視図である。
図9】鋏と共に用いられる櫛の斜視図である。
図10】鋏と共に用いられる櫛の斜視図である。
図11】鋏と共に用いられる櫛の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を添付図面に関しより詳細に記述し、本発明による櫛の一実施例を単に例示として示す。
【0028】
最初に図面の図1図6に関して、背12と、第1組の歯16と第2組の歯20から成る本発明の櫛10を示す。
【0029】
背12から第1組の歯16の上方へと延びているのが横棚部30の形をしたガイド手段であり、第1端32から第2端34の方へと立体的にテーパーしており、最大幅部36は第1端32よりも第2端34側に近い。ガイド手段又は横棚部30は、図7図11に示すように被術者の髪を梳いたりカットしたりする場合に使用者が両者を共に使う際に鋏又はバリカンが沿ってスライドするガイドとして働く。使用者が「シザーズ・オーバー・コーム」や「クリッパー・オーバー・コーム」等の伝統的なヘアメイク技術を行うとき、鋏やバリカンはガイド手段又は横棚部30により支えられる。特定の利点は棚部30の形状からも得られる。使用者の肘をリラックスした位置とすることができて、使用者の快適さが向上する。使用者の肘を挙げることなく使用者の手首を掃くように動作させることができる。棚部の形状は櫛の第2端34で終わっているので、鋏の姿勢がリラックスし自然な位置となる。櫛へとテーパもしているので、鋏又はバリカンと共にくしけずるときに滑らかな相互作用を助長する。
【0030】
横棚部30は櫛10構造内に一体形成され、横棚部30が背12内に形成される。図6に示すように、中空芯38が棚部30後方の断面厚み部に設けられる。中空芯38の利点は、櫛10を耳の保護に使う場合に被術者の快適性を向上させることである。
【0031】
図面には示されていない代替の構成では、棚部30が標準的な櫛に脱着可能に取付可能であって、棚部を一体形成した櫛と同じ機能を提供する。棚部30が櫛へと挟み留められ、若しくは他の同様な仕方で脱着可能に取付けられ、櫛との積極的な係合を提供する。
【0032】
本発明の櫛10は当業者に公知の一群の高分子化合物から選択される適宜材料から形成され、そのことにより本発明の櫛に、剛性、耐熱・耐化学性、適宜の重さ及びコストパフォーマンス等の本発明の機能性に必要な適宜の性能特性が与えられる。適宜の高分子化合物の例はポリオキシメチレン(POM)又はポリプロピレン(PP)である。本発明の更なる実施例では、高分子化合物を適宜の共重合体と組み合わせることにより、当業者によって決められたように一旦形成された櫛10の所要特性を向上させる。櫛は高度に滑らかな表面に仕上げられ、鋏又はバリカンが棚部30上をスライドするのを可能にする。
【0033】
櫛を用いることにより本明細書の最初の方で概括した利点を提供できる。
【0034】
図7に関し、櫛10と共に使われるバリカン40は水平方向に動かされるときに棚部30に支えられ、動作に滑らかさが加えられる。図8に示した図は使用者が被術者のヘアラインを先細にしているときに櫛10が提供する保護のレベルを示し、それは被術者の耳、こめかみライン及びもみあげ辺りを整髪するときにも使用者を助ける。ガイド手段又は棚部30により、櫛10と共に使われるバリカン40の安定性が向上する。棚部30の第1端32及び第2端34は、被術者のベースラインや首テーパリング用にバリカン40を用いた振り子状アクションで上向き動作する際にテーパリングする充分なスペースを与えるように終わっている。
【0035】
図9図10及び図11に関し、鋏50と共に使われる本発明の櫛10の様々な図が示されている。櫛10の棚部30は使用者の最初の3指で保持された鋏50の底部又は固定刃52を支えるのに用いられ、他方、拇指は鋏50を開閉できるので、ハンドアクションの動きを最小限にした、より安定・より正確なカットとなる。使用者が髪を通すにつれて鋏50と本発明の櫛10が相乗効果で協働するので、使用者は流れるような滑らかさで髪をカットすることができる。図10及び図11は「シザーズ・オーバー・コーム」支持を行う行為を示しており、櫛を反転させることへの強い抵抗も示している。
【0036】
本発明がここに記述され、単に例示として与えられた具体的な詳細に限定されないこと、及び添付の請求項に記載された如き本発明の範囲を逸脱することなく種々の修飾・改変が可能であることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11