(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、代謝症候群および関連症状を治療および/または予防する、例えば、その必要のある対象の肥満症、異脂肪血症および/または糖尿病症状を治療または予防する、新しい方法および組成物を含む新規の手法に対する必要性がある。これらの手法は、対象の脂肪および/または脂肪細胞を低減すること、およびまた、血流中の血清脂質および/または血清ブドウ糖の望ましくない値を場合によって低減することを含むことができる。
【0019】
本発明は、肥満、異脂肪血症、および/または糖尿病の対象への特定のF−系列プロスタグランジンの全身投与が、対象に有益な効果を有するという新規の発見から一部は生じている。そのようなプロスタグランジンで全身的に治療された対象において観察された効果は、肥満症の低減、体重増加の低減、血清トリグリセリドの低減、血清LDLの低減、血清HDLの増加、および/または血清ブドウ糖の低減、耐糖能の改善を含む。
【0020】
本発明はまた、特定のF−系列プロスタグランジン化合物の肥満した対象への全身投与が、対象の体重を低減するおよび/または、その対象における体重増加を低減するという観察から生じている。
【0021】
本発明はまた、本発明の目的に合わせてF−系列プロスタグランジン類の中からある種の有用な種類を特定したことから生じている。
【0022】
米国特許第7,666,912号は、特定のプロスタグランジン、例えば、ビマトプロスト、ラタノプロスト、およびトラボプロストの非全身的な局所、皮下、筋肉内、および病巣内の投与が、投与の部位で対象の脂肪を局部的に低減することを企図している。例えば、米国特許第7,666,912号の実施例は、0.003%、0.03%、または0.3%の濃度でのビマトプロストの非全身的な経皮的適用が、投与の部位で対象の脂肪を局部的に低減することを企図している。ここで本発明者は、0.3%局所的ビマトプロストが対象の皮下脂肪を局部的に低減するが、ビマトプロストのイソプロピルエステルおよび遊離酸が、皮下脂肪を低減するのに有意により有効であることを発見した。本発明者は、0.3%でのビマトプロストの経皮投与は脂肪の全身的な低減に効果がないが、対応する遊離酸およびイソプロピルエステルが劇的な全身的効果および全身的な脂肪低減を有することをさらに発見した。本発明者は、全身的な効果を経皮的に得るためには、はるかに高用量、例えば、0.7%用量のラタノプロストが望まれ得ることをさらに見出した。さらに、本発明者は、皮下でなく腹腔内*intraaperitonealでもない、ビマトプロストの投与が、脂肪低減に何らかの有意な効果を有することを発見した。本発明者は、経口または皮下投与に対して制御放出式または徐放式などの時間放出製剤が送達される場合、経皮投与の観察される利益が同様に観察され得ると企図している。様々な時間放出製剤のための他の投与経路が企図されている。本発明にとって根拠となっているこれらの発見および観察は、米国特許第7,666,912号がそのような化合物を全身投与することを断念させていることを特に考慮に入れると、実に驚くべきことであり予期されないことである。
【0023】
一態様において、本発明は、その必要性のある対象の代謝症候群を治療または予防するための方法、組成物、キット、およびシステムを提供し、該方法は、以下または本明細書に記載される式(I)または(II)の1種もしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に全身投与することを含む。
【0024】
特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、式(I)
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化2】
の各場合は、独立して、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を表し;
Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個もしくは複数の−O−または−S−基場合によって割込まれており;
Bは、水素、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールまたは場合によって置換されたC
6−10アリール、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり;
Xは、−OR
4、−SR
4、または−N(R
4)
2であり、ここで、R
4の各場合は、独立して水素、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、場合によって置換されたC
2−30アルキニル、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5であり、ここで、R
5は、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり、または、2個のR
4基は、結合して場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリルまたは場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環を形成し;
Zは、=O、=S、または=NR
Zであり、ここで、R
Zは、水素、アミノ保護基、−OH、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表し;
R
1およびR
2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R
6基であり、他方は−OHまたは−O(CO)R
6であり、または、R
1は=Oであり、R
2はHであり、ここで、R
6は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは0または1〜10までの間の整数であり、および、R
7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。]。
【0025】
式(I)の例示の化合物は、以下を含むがこれらに限定されない。
本明細書においてCAY10509とも呼ばれる
【化3】
本明細書においてCAY10509遊離酸とも呼ばれる
【化4】
本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2αエチルアミド、またはビマトプロストとも呼ばれる
【化5】
本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2αイソプロピルエステル、またはビマトプロストイソプロピルエステルとも呼ばれる
【化6】
本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2αまたはビマトプロスト遊離酸とも呼ばれる
【化7】
本明細書においてフルプロステノールイソプロピルエステル、またはトラボプロストとも呼ばれる
【化8】
本明細書においてトラボプロスト遊離酸とも呼ばれる
【化9】
本明細書において17−フェニル−13,14−ジヒドロトリノルプロスタグランジンF2イソプロピルエステル、またはラタノプロストとも呼ばれる
【化10】
本明細書においてラタノプロスト遊離酸とも呼ばれる
【化11】
本明細書においてタフルプロストとも呼ばれる
【化12】
本明細書においてタフルプロスト遊離酸とも呼ばれる
【化13】
AL−16082とも呼ばれる
【化14】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグ。
【0026】
特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、式(II)
【化15】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである
[式中、Lは、式
【化16】
の基であり、
ここで、
【化17】
は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を表し;
Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個もしくは複数の−O−または−S−基場合によって割込まれており;
Bは、水素、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールまたは場合によって置換されたC
6−10アリール、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり;
Xは、−OR
4、−SR
4、または−N(R
4)
2であり、ここで、R
4の各場合は、独立して水素、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、場合によって置換されたC
2−30アルキニル、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5であり、ここで、R
5は、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり、または、2個のR
4基は、結合して場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリルまたは場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環を形成し;
Zは、=O、=S、または=NR
Zであり、ここで、R
Zは、水素、アミノ保護基、−OH、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表し;
R
1は、=O、−OH、または−O(CO)R
6であり、ここで、R
6は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは0または1〜10までの間の整数であり、および、R
7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。]。
【0027】
式(II)の例示の化合物は、以下を含むがこれらに限定されない。
AL−12182とも呼ばれる
【化18】
および
AL−12182遊離酸とも呼ばれる
【化19】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグ
[式中、
【化20】
Y、Xおよびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0028】
特定の実施形態において、式(I)または(II)の化合物は、本明細書に記載される化合物のいずれか1つのプロドラッグである。例示のプロドラッグは、親の遊離酸のエステル、アミド、および/またはチオアミドを含み、アシル基は、五員環ヒドロキシル基上に存在する。
【0029】
本明細書に記載される化合物は、例えば、米国特許第4,599,353号、第5,296,504号、第5,422,368号、第5,688,819号、第6,232,344号、第6,403,649号、および第7,666,912号、Selliah et al (Bioorg Med Chem Lett 2004;14:4525−4528)、およびFeng et al (Bioorg Med Chem 2009;17:576−584)にかつて記載されていた種類の成員であり、これらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれる。プロスタグランジンF2αの類似体である化合物のこの種類は、眼において眼圧を低下させると知られている。
【化21】
プロスタグランジンF2
【0030】
第2の態様において、本発明は、その必要性のある対象の肥満症、異脂肪血症などの代謝症候群に関連した障害またはその診断に使用される障害、および/または、糖尿病症状、および/または、これらの障害に関連した症状を治療または予防するための方法、組成物、キット、およびシステムを提供し、該方法は、式(I)または(II)の1種もしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に投与することを含む。
【0031】
第3の態様において、本発明は、対象における肥満症を治療または予防するための方法、組成物、キット、およびシステムを提供し、該方法は、式(I)または(II)の1種もしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に投与することを含む。幾つかの実施形態において、対象は、肥満症を有するが代謝症候群には罹っていない。
【0032】
特定の実施形態において、肥満症を治療する方法は、脂肪細胞を低減することを含む。特定の実施形態において、対象はまた、脂肪細胞関連疾患に罹るか、または罹る恐れがある。特定の実施形態において、脂肪細胞関連の疾患は、代謝症候群、過剰体脂肪(例えば、太り過ぎ、肥満症であること)、異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、アテローム性動脈硬化症、血管疾患、冠動脈疾患、卒中、脳血管疾患、末梢血管疾患、脂肪肝疾患、肝線維症、膵臓炎、癌(例えば、乳癌、子宮癌、結腸癌、結腸直腸癌、腎癌、食道癌)、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症からなる群から選択される。特定の実施形態において、脂肪細胞関連疾患は、代謝症候群、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、肝疾患、アテローム性動脈硬化症、脂肪肝疾患、肝線維症、乳癌、結腸癌、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症からなる群から選択される。
[0033]第4の態様において、本発明は、異脂肪血症を治療または予防するための方法であって、式(I)または(II)の1種もしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に投与することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態において、対象は、異脂肪血症を有するが代謝症候群には罹っていない。
【0033】
特定の実施形態において、異脂肪血症の治療は、血清トリグリセリドの低減、血清総コレステロールの低減、血清リポタンパク質(例えば、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL))の低減、および/または血清高密度リポタンパク質(HDL)の増加のうちの1つまたは複数を含む。特定の実施形態において、異脂肪血症の治療は、対象の血液中の脂質(例えば、トリグリセリド、コレステロール、リポタンパク質、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)、および/または超低密度リポタンパク質(VLDL))の濃度の低減を含む。特定の実施形態において、対象は、異脂肪血症に関連した疾患、障害、または症状に罹っているか、または、罹る恐れがある。特定の実施形態において、対象は、異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、1つまたは複数の異常な血清脂質値(例えば、家族性高コレステロール血症、家族性高トリグリセリド血症)を少なくとも一部特徴とする遺伝性障害、過剰体脂肪(例えば、太り過ぎ、肥満症)、代謝症候群、血管疾患、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、卒中、脳血管疾患、末梢血管疾患、代謝症候群、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、脂肪肝疾患、肝線維症、膵臓炎、癌(例えば、乳癌、子宮癌、結腸癌、結腸直腸癌、腎癌、食道癌)、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症からなる群から選択される疾患、障害、または症状に罹っているか、または罹る恐れがある。
【0034】
第5の態様において、本発明は、糖尿病症状を治療および/または予防するための方法であって、式(I)または(II)の1種もしくは複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に投与することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態において、対象は、糖尿病症状を有するが代謝症候群には罹っていない。
【0035】
特定の実施形態において、糖尿病症状の治療は、血清ブドウ糖の低減、糖化ヘモグロビン値の低減、血清インスリンの低減、インスリン感受性の増加、耐糖能(例えば、耐糖試験で測定されるグルコース値の低減)の改善、正常な血糖値を維持するための別の投薬(例えば、インスリン)に対する対象の必要性の低減、および/または糖尿病合併症の治療または予防を含む。
【0036】
特定の実施形態において、治療されている糖尿病の対象は、2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病前症、高血糖、インスリン抵抗性、高インスリン血症、糖尿病腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、卒中、心筋虚血、心筋梗塞、糖尿病性心筋小血管病、糖尿病性胃不全麻痺、糖尿病性聴力損失、糖尿病性皮膚疾患、糖尿病関連感染症、糖尿病性口腔疾患(例えば、歯肉炎)、糖尿病性アシドーシス(例えば、糖尿病性ケトアシドーシス)、非ケトン性高浸透圧状態、および糖尿病性足部潰瘍からなる群から選択される疾患、障害または症状に罹っているか、または罹る恐れがある。
【0037】
発明の方法または組成物のいずれかに関して、特定の実施形態において、投与経路は、局所(例えば経皮的)、腸(例えば経口)、および非経口(例えば皮下)投与からなる群から選択される。特定の実施形態において、投与経路は経皮的である。特定の実施形態において、化合物は、親油性賦形剤中で投与される。本発明の前述の態様および実施形態は、以下の定義、図、詳細、実施例、およびクレームへの言及によってより完全に理解することができる。
定義
化学上の定義
【0038】
具体的な官能基および化学用語の定義は、より詳細に以下に記載される。化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75
th Edの内表紙に従って特定され、具体的な官能基は、一般に、そこに記載された通りに定義される。さらに、有機化学、ならびに具体的な官能性部分および反応性の一般原理は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5
th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3
rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
【0039】
本明細書に記載される特定の化合物は、1個または複数の不斉中心を含むことができ、したがって様々な異性体の形態、例えば、鏡像体、および/または、ジアステレオマーで存在することができる。本明細書において提供される化合物は、個々の鏡像体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態をとることができ、または、ラセミ混合物および1つまたは複数の立体異性体に富む混合物を含む、立体異性体の混合物の形態をとることができる。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、鏡像体が高純度の化合物である。特定の他の実施形態において、立体異性体の混合物が提供される。
【0040】
さらに、本明細書に記載される特定の化合物は、特に断らなければ、シスもしくはトランス、またはEもしくはZ異性体のいずれかとして存在することができる1個または複数の二重結合を有することができる。本発明は、他方の異性体を実質的に含まない個別の異性体としての化合物、および代替として、様々な異性体の混合物として、例えば、E/Z異性体のラセミ混合物、または一方のE/Z異性体に富む混合物をさらに包含する。
【0041】
本明細書において交換可能に使用される「鏡像体に富む」、「鏡像体が高純度の」、および「非ラセミの」という用語は、一方の鏡像体の重量パーセントが、ラセミ組成物の対照混合物のその一方の鏡像体の量より大きい組成物(例えば、重量で1:1を超える)を指す。例えば、(S)−鏡像体の鏡像体に富む調製とは、(R)−鏡像体に対して、50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%を超える(S)−鏡像体を有する化合物の調製を意味する。幾つかの実施形態において、濃縮は80重量%をはるかに超え、「実質的に鏡像体に富む」、「実質的に鏡像体が高純度の」または「実質的に非ラセミの」調製を提供することができ、これは、他方の鏡像体に対して少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の一方の鏡像体を有する組成物の調製を指す。好ましい実施形態において、鏡像体に富む組成物は、単位質量当たり治療有用性に関してその組成物のラセミ混合物より高い効力を有する。鏡像体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化を含む、当業界で公知の方法によって混合物から単離することができ、または、好ましい鏡像体は不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen, S.H., et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill, NY, 1962);および Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照のこと。
【0042】
ある範囲の値が挙げられた場合、その範囲内の各値および小領域を包含するように意図される。例えば「C
1−6アルキル」は、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
1−6、C
1−5、C
1−4、C
1−3、C
1−2、C
2−6、C
2−5、C
2−4、C
2−3、C
3−6、C
3−5、C
3−4、C
4−6、C
4−5、およびC
5−6アルキルを包含するように意図される。
【0043】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルキル」は、1から30個の炭素原子を有する、直鎖または分枝の飽和炭化水素基のラジカル(「C
1−30アルキル」)を指す。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から20個の炭素原子を有する(「C
1−20アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から10個の炭素原子を有する(「C
1−10アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する(「C
1−6アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から5個の炭素原子を有する(「C
1−5アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から4個の炭素原子を有する(「C
1−4アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から3個の炭素原子を有する(「C
1−3アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1から2個の炭素原子を有する(「C
1−2アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C
1アルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C
2−6アルキル」)。C
1−6アルキル基の例は、メチル(C
1)、エチル(C
2)、n−プロピル(C
3)、イソプロピル(C
3)、n−ブチル(C
4)、tert−ブチル(C
4)、sec−ブチル(C
4)、iso−ブチル(C
4)、n−ペンチル(C
5)、3−ペンタニル(C
5)、アミル(C
5)、ネオペンチル(C
5)、3−メチル−2−ブタニル(C
5)、第三級アミル(C
5)、およびn−ヘキシル(C
6)を含む。別段の定めがない限り、アルキル基の各場合は、独立して非置換(「非置換アルキル」)、または1個または複数の置換基で置換され置換された(「置換されたアルキル」)アルキルである。特定の実施形態において、アルキル基は非置換C
1−6アルキル(例えば、−CH
3)である。特定の実施形態において、アルキル基は、置換されたC
1−6アルキルである。
【0044】
本明細書において使用される場合、本明細書において定義される「ペルハロアルキル」、または「ハロ置換されたアルキル」は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基を指し、ここで、水素原子はすべて、それぞれ独立して置き換えられたハロゲン(例えば、フルオロ、ブロモ、クロロまたはヨードから選択される)である(「C
1−10ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル部分は、1から6個の炭素原子を有する(「C
1−6ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル部分は、1から5個の炭素原子を有する(「C
1−5ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル部分は、1から4個の炭素原子を有する(「C
1−4ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル部分は、1から3個の炭素原子を有する(「C
1−3ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、アルキル部分は、1から2個の炭素原子を有する(「C
1−2ペルハロアルキル」)。幾つかの実施形態において、水素原子はすべて、それぞれフルオロと置き換えられている。幾つかの実施形態において、水素原子はすべて、それぞれクロロと置き換えられている。ペルハロアルキル基の例は、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CCl
3、−CFCl
2、−CF
2Clなどを含む。
【0045】
本明細書において使用される場合、本明細書において定義される「アルキルオキシ」は、結合点が酸素原子である酸素原子で置換されたアルキル基を指す。特定の実施形態において、該アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する(「C
1−6アルキルオキシ」)。幾つかの実施形態において、該アルキル基は、1から4個の炭素原子を有する(「C
1−4アルキルオキシ」)。C
1−4アルキルオキシ基の例は、メトキシ(C
1)、エトキシ(C
2)、プロポキシ(C
3)、イソプロポキシ(C
3)、ブトキシ(C
4)、tert−ブトキシ(C
5)などを含む。C
1−6アルキルオキシ基の例は、前述のC
1−4アルキルオキシ基、ならびにペンチロキシ(C
5)、イソペンチロキシ(C
5)、ネオペンチロキシ(C
5)、ヘキシロキシ(C
6)などを含む。別段の定めがない限り、アルキルオキシ基のアルキル部分の各場合は、独立して、非置換(「非置換アルキルオキシ」)であるか、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたアルキルオキシ」)。特定の実施形態において、アルキルオキシ基は非置換C
1−6アルキルオキシである。特定の実施形態において、アルキルオキシ基は、置換されたC
1−6アルキルオキシである。
【0046】
本明細書において使用される場合、「アルキルカルボキシ」は、R
aが本明細書において定義されるアルキル基である、式−C(=O)OR
aまたは−OC(=O)R
aの基を指す。特定の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から6個の炭素原子を有する(「C
1−6アルキルカルボキシ」)。幾つかの実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から5個の炭素原子を有する(「C
1−5アルキルカルボキシ」)。幾つかの実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から4個の炭素原子を有する(「C
1−4アルキルカルボキシ」)。幾つかの実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から3個の炭素原子を有する(「C
1−3アルキルカルボキシ」)。幾つかの実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から2個の炭素原子を有する(「C
1−2アルキルカルボキシ」)。別段の定めがない限り、アルキルカルボキシ基のアルキルの各場合は、独立して、非置換(「非置換アルキルカルボキシ」)であるか、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたアルキルカルボキシ」)。特定の実施形態において、アルキルカルボキシ基は非置換C
1−6アルキルカルボキシである。特定の実施形態において、アルキルカルボキシ基は置換されたC
1−6アルキルカルボキシである。
【0047】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルケニル」は、2から30個の炭素原子および1個または複数の炭素炭素二重結合を有する、直鎖または分枝炭化水素基のラジカル(「C
2−30アルケニル」)を指す。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から20個の炭素原子を有する(「C
2−20アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から10個の炭素原子を有する(「C
2−10アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C
2−6アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から5個の炭素原子を有する(「C
2−5アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から4個の炭素原子を有する(「C
2−4アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は、2から3個の炭素原子を有する(「C
2−3アルケニル」)。幾つかの実施形態において、アルケニル基は2個の炭素原子を有する(「C
2アルケニル」)。1個または複数の炭素炭素二重結合は、内部(2−ブテニルなどの)、または末端(1−ブテニルなどの)にあってもよい。C
2−4アルケニル基の例は、エテニル(C
2)、1−プロペニル(C
3)、2−プロペニル(C
3)、1−ブテニル(C
4)、2−ブテニル(C
4)、ブタジエニル(C
4)などを含む。C
2−6アルケニル基の例は、前述のC
2−4アルケニル基、ならびにペンテニル(C
5)、ペンタジエニル(C
5)、ヘキセニル(C
6)などを含む。別段の定めがない限り、アルケニル基の各場合は、独立して、非置換(「非置換アルケニル」)であるか、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたアルケニル」)。特定の実施形態において、アルケニル基は非置換C
2−6アルケニルである。特定の実施形態において、アルケニル基は置換されたC
2−6アルケニルである。
【0048】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルキニル」は、2から30個の炭素原子および1個または複数の炭素炭素三重結合を有する、直鎖または分枝炭化水素基のラジカル(「C
2−30アルキニル」)を指す。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から20個の炭素原子を有する(「C
2−20アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から10個の炭素原子を有する(「C
2−10アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C
2−6アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から5個の炭素原子を有する(「C
2−5アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から4個の炭素原子を有する(「C
2−4アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2から3個の炭素原子を有する(「C
2−3アルキニル」)。幾つかの実施形態において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C
2アルキニル」)。1個または複数の炭素炭素三重結合は、内部(2−ブチニルなどの)、または末端(1−ブチニルなどの)にあってもよい。C
2−4アルキニル基の例は、エチニル(C
2)、1−プロピニル(C
3)、2−プロピニル(C
3)、1−ブチニル(C
4)、2−ブチニル(C
4)などを含むがこれらに限定されない。C
2−6アルケニル基の例は、前述のC
2−4アルキニル基、ならびに、ペンチニル(C
5)、ヘキシニル(C
6)などを含む。別段の定めがない限り、アルキニル基の各場合は、独立して非置換(「非置換アルキニル」)であるか、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたアルキニル」)。特定の実施形態において、アルキニル基は非置換C
2−6アルキニルである。特定の実施形態において、アルキニル基は置換されたC
2−6アルキニルである。
【0049】
本明細書において使用される場合、「飽和または不飽和の非環式炭化水素」は、1から20個の炭素原子および場合によって1個または複数の炭素炭素二重または三重結合を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分枝炭化水素基のラジカルを指す。特定の実施形態において、炭化水素基は飽和している。幾つかの実施形態において、炭化水素基は不飽和であり、1個または複数の炭素炭素の二重または三重結合を含んでいる。幾つかの実施形態において、炭化水素基は1〜10個の炭素原子を含んでいる。特定の実施形態において、炭化水素基は1〜5個の炭素原子を含んでいる。幾つかの実施形態において、炭化水素基は1〜4個の炭素原子を含んでいる。幾つかの実施形態において、炭化水素基は1〜3個の炭素原子を含んでいる。幾つかの実施形態、において、炭化水素基は1〜2個の炭素原子を含んでいる。
【0050】
本明細書において使用される場合、「カルボシクリル」は、非芳香族環系において3から7個の環炭素原子(「C
3−7カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する、非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す。幾つかの実施形態において、カルボシクリル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C
3−6カルボシクリル」)。幾つかの実施形態において、カルボシクリル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C
3−6カルボシクリル」)。例示のC
3−7カルボシクリル基は、シクロプロピル(C
3)、シクロプロペニル(C
3)、シクロブチル(C
4)、シクロブテニル(C
4)、シクロペンチル(C
5)、シクロペンテニル(C
5)、シクロヘキシル(C
6)、シクロヘキセニル(C
6)、シクロヘキサジエニル(C
6)、シクロヘプチル(C
7)、シクロヘプテニル(C
7)、シクロヘプタジエニル(C
7)、シクロヘプタトリエニル(C
7)などを含むがこれらに限定されない。前述の例が説明するように、特定の実施形態において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)、または多環式(例えば、縮合、架橋または二環式系(「二環式カルボシクリル」)などのスピロ環系を含む)のいずれかであり、飽和していてもよく、または1個または複数の炭素炭素の二重または三重結合を含んでいてもよい。「カルボシクリル」はまた、上に定義されるカルボシクリル環が、結合点がカルボシクリル環上にある1個または複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、そのような場合、炭素の数は、続いて炭素環式環系中の炭素の数を指す。別段の定めがない限り、カルボシクリル基の各場合は、独立して非置換である(「非置換カルボシクリル」)か、または本明細書に記載される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されている(「置換されたカルボシクリル」)。特定の実施形態において、カルボシクリル基は非置換C
3−10カルボシクリルである。特定の実施形態において、カルボシクリル基は置換されたC
3−10カルボシクリルである。
【0051】
幾つかの実施形態において、「カルボシクリル」は、3から7個の環炭素原子を有する単環式、飽和カルボシクリル基である(「C
3−7シクロアルキル」)。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C
3−6シクロアルキル」)。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は、5から6個の環炭素原子を有する(「C
5−6シクロアルキル」)。C
5−6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C
5)およびシクロヘキシル(C
5)を含む。C
3−6シクロアルキル基の例は、前述のC
5−6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C
3)およびシクロブチル(C
4)を含む。C
3−7シクロアルキル基の例は、前述のC
3−6シクロアルキル基ならびにシクロヘプチル(C
7)を含む。別段の定めがない限り、シクロアルキル基の各場合は、独立して非置換である(「非置換シクロアルキル」)か、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたシクロアルキル」)。特定の実施形態において、シクロアルキル基は非置換C
3−7シクロアルキルである。特定の実施形態において、シクロアルキル基は置換されたC
3−7シクロアルキルである。
【0052】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「ヘテロシクリル」は、環炭素原子および1から4個の環ヘテロ原子を有する、三〜八員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「三〜八員ヘテロシクリル」)。1個または複数の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、原子価が許す場合、結合点は炭素または窒素原子であってもよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋または二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)などのスピロ環系)であってもよく、飽和していてもよく、または1個または複数の炭素炭素の二重または三重結合を含んでいてもよい。ヘテロシクリル多環式環系は、1個または複数の(one or both)環中に1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。「ヘテロシクリル」はまた、上に定義されるヘテロシクリル*heterocycyl環が、1個または複数のカルボシクリル*carbocycyl基と縮合(結合点はカルボシクリルまたはヘテロシクリル環上のいずれかにある)されている環系を含む。または上に定義されるヘテロシクリル環が、1個または複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合(結合点はヘテロシクリル環上にある)されている環系を含み、そのような場合、環員の数は、続いてヘテロシクリル環系中の環員の数を指す。
【0053】
幾つかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する五〜八員の非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜八員ヘテロシクリル」)。幾つかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する五〜六員の非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜六員ヘテロシクリル」)。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を含む例示の三員ヘテロシクリルは、アジリジニル*azirdinyl、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)を含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の四員ヘテロシクリルは、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルを含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル−2,5−ジオンを含むがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロシクリルは、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルを含むがこれらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロシクリルは、トリアゾリニル(triazolinyl)、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロシクリル基は、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)を含むがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロシクリル基は、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを含むがこれらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロシクリル基は、トリアジナニル(triazinanyl)を含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の七員ヘテロシクリル基は、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルを含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の八員ヘテロシクリル基は、アゾカニル、オキセカニル(oxecanyl)、チオカニルを含むがこれらに限定されない。別段の定めがない限り、ヘテロシクリルの各場合は、独立して非置換である(「非置換ヘテロシクリル」)か、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたヘテロシクリル」)。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は非置換の三〜八員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換された三〜八員ヘテロシクリルである。
【0054】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アリール」は、芳香族環系中に6〜10個の環炭素原子を有しヘテロ原子がない、単環式または多環式(例えば二環式または三環式)の4n+2芳香族環系のラジカル(「C
6−10アリール」)を指す。幾つかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「C
6アリール」;例えば、フェニル)。幾つかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C
10アリール」;例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。「アリール」はまた、上に定義されるアリール環が、1個または複数のシクロアルキルまたはヘテロシクリル基と縮合(結合部のラジカルまたは結合点はアリール環上にある)している環系を含み、そのような場合、炭素原子の数は、続いてアリール環系中の炭素原子の数を指す。別段の定めがない限り、アリール基の各場合は、独立して非置換である(「非置換アリール」)か、または本明細書に記載される1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたアリール」)。特定の実施形態において、アリール基は非置換C
6−10アリールである。特定の実施形態において、アリール基は置換されたC
6−10アリールである。
【0055】
本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に4〜10個の環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する、五〜十四員単環式または多環式(例えば二環式)の4n+2芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜十員ヘテロアリール」)。1個または複数の窒素原子を含むヘテロアリール基において、原子価が許す場合、結合点は炭素または窒素原子であってもよい。ヘテロアリール多環式環系は、1個または複数の環中に1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。「ヘテロアリール」は、上に定義されるヘテロアリール環が1個または複数のカルボシクリル*carbocycylまたはヘテロシクリル*heterocycyl基と縮合(結合点はヘテロアリール環上にある)した環系を含み、そのような場合、環員の数は、続いてヘテロアリール環系中の環員の数を指す。「ヘテロアリール」はまた、上に定義されるヘテロアリール環が1個または複数のアリール基と縮合(結合点はアリールまたはヘテロアリール環上にある)した環系を含み、そのような場合、環員の数は、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を指す。1個の環がヘテロ原子を含まない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)において、結合点は、どちらの環上、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)上、またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5−インドリル)上のいずれにあってもよい。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する五〜十員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜十員ヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する五〜八員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜八員ヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する五〜六員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「五〜六員ヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態において、五〜六員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロアリールは、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルを含むがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロアリールは、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを含むがこれらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルを含むがこれらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示の五員ヘテロアリールは、テトラゾリルを含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロアリールは、ピリジニルを含むがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロアリールは、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルを含むがこれらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示の六員ヘテロアリールは、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルを含むがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示の七員ヘテロアリールは、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニル(thiepinyl)を含むがこれらに限定されない。例示の5,6−二環式ヘテロアリールは、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを含むがこれらに限定されない。例示の6,6−二環式ヘテロアリールは、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルを含むがこれらに限定されない。別段の定めがない限り、ヘテロアリール基の各場合は、独立して非置換である(「非置換ヘテロアリール」)か、または1個または複数の置換基で置換されている(「置換されたヘテロアリール」)。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は非置換の五〜十員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は置換された五〜十員ヘテロアリールである。
【0056】
接尾辞「エン」なしで引用されるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ本明細書において定義されるアルキル、アルケニル、アルキニルのモノラジカル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールを記述し、ここで、一価ラジカルは唯一の単結合によって別の基に結合している。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレンおよびヘテロアリーレン基などの接尾辞「エン」と共に引用される基は、それぞれ本明細書において定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールの二価ラジカルを記述し、ここで、二価ラジカルは2個の単結合によって1または2個の基と結合している。
【0057】
本明細書において定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、場合によって置換されている。(例えば「置換された」もしくは「非置換の」アルキル、「置換された」もしくは「非置換の」アルケニル、「置換された」もしくは「非置換の」アルキニル、「置換された」もしくは「非置換の」カルボシクリル、「置換された」もしくは「非置換の」ヘテロシクリル、「置換された」もしくは「非置換の」アリール、または「置換された」もしくは「非置換の」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換された」は、用語「場合によって」が先行しようとしまいと、基(例えば、炭素または窒素原子など)に存在する少なくとも1個の水素は、許容可能な置換基、例えば、置換して安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応によるなどの転換を自発的に起こさない化合物)を生じる置換基と置き換えられる。特に断らなければ、「置換された」基は、基の1個または複数の置換可能な位置(例えば、1、2、3、4または5位)に置換基を有し、任意の所与の構造において複数の位置が置換されている場合、置換基は、各位置で同一であるか、または異なる。用語「置換された」は、有機化合物のすべての許容可能な置換基、安定な化合物の形成を生じる、本明細書に記載される置換基のいずれかでの置換を含むように企図される。本発明は、安定な化合物に到達するために、そのようなありとあらゆる組み合わせを企図している。本発明の目的に合わせて、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、ヘテロ原子の原子価を満たし、安定な部分の形成を生じる、本明細書に記載される任意の適切な置換基を有する。
【0058】
例示の炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−OR
aa、−ON(R
bb)
2、−N(R
bb)
2、−N(OR
cc)R
bb、−SH、−SR
aa、−SSR
cc、−C(=O)R
aa、−CO
2H、−CHO、−C(OR
cc)
2、−CO
2R
aa、−OC(=O)R
aa、−OCO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−OC(=O)N(R
bb)
2、−NR
bbC(=O)R
aa、−NR
bbCO
2R
aa、−NR
bbC(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−OC(=NR
bb)R
aa、−OC(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−OC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−NR
bbC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−C(=O)NR
bbSO
2R
aa、−NR
bbSO
2R
aa、−SO
2N(R
bb)
2、−SO
2R
aa、−SO
2OR
aa、−OSO
2R
aa、−S(=O)R
aa、−OS(=O)R
aa、−Si(R
aa)
3、−OSi(R
aa)
3−C(=S)N(R
bb)
2、−C(=O)SR
aa、−C(=S)SR
aa、−SC(=S)SR
aa、−SC(=O)SR
aa、−SC(=O)OR
aa、−SC(=O)R
aa、−P(=O)
2R
aa、−OP(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−OP(=O)(R
aa)
2、−OP(=O)(OR
cc)
2、−P(=O)
2N(R
bb)
2、−OP(=O)
2N(R
bb)
2、−P(=O)(NR
bb)
2、−OP(=O)(NR
bb)
2、−NR
bbP(=O)(OR
cc)
2、−NR
bbP(=O)(NR
bb)
2、−P(R
cc)
2、−P(R
cc)
3、−OP(R
cc)
2、−OP(R
cc)
3、−B(R
aa)
2、−B(OR
cc)
2、−BR
aa(OR
cc)、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールを含むがこれらに限定されず、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で独立して置換されており;
または、炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(R
bb)
2、=NNR
bbC(=O)R
aa、=NNR
bbC(=O)OR
aa、=NNR
bbS(=O)
2R
aa、=NR
bb、または=NOR
ccと置き換えられ;
R
aaの各場合は、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、または、2個のR
aa基は、結合して三〜八員ヘテロシクリルまたは五〜十員ヘテロアリール環を形成し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で独立して置換されており;
R
bbの各場合は、水素、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)
2、−CN、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)
2N(R
cc)
2、−P(=O)(NR
cc)
2、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、または、2個のR
bb基は、結合して三〜八員ヘテロシクリルまたは五〜十員ヘテロアリール環を形成し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で独立して置換されており;
R
ccの各場合は、水素、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、
または、2個のR
cc基は、結合して三〜八員ヘテロシクリルまたは五〜十員ヘテロアリール環を形成し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4、または5個のR
dd基で独立して置換されており;
R
ddの各場合は、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−OR
ee、−ON(R
ff)
2、−N(R
ff)
2、−N(OR
ee)R
ff、−SH、−SR
ee、−SSR
ee、−C(=O)R
ee、−CO
2H、−CO
2R
ee、−OC(=O)R
ee、−OCO
2R
ee、−C(=O)N(R
ff)
2、−OC(=O)N(R
ff)
2、−NR
ffC(=O)R
ee、−NR
ffCO
2R
ee、−NR
ffC(=O)N(R
ff)
2、−C(=NR
ff)OR
ee、−OC(=NR
ff)R
ee、−OC(=NR
ff)OR
ee、−C(=NR
ff)N(R
ff)
2、−OC(=NR
ff)N(R
ff)
2、−NR
ffC(=NR
ff)N(R
ff)
2、NR
ffSO
2R
ee、−SO
2N(R
ff)
2、−SO
2R
ee、−SO
2OR
ee、−OSO
2R
ee、−S(=O)R
ee、−Si(R
ee)
3、−OSi(R
ee)
3、−C(=S)N(R
ff)
2、−C(=O)SR
ee、−C(=S)SR
ee、−SC(=S)SR
ee、−P(=O)
2R
ee、−P(=O)(R
ee)
2、−OP(=O)(R
ee)
2、−OP(=O)(OR
ee)
2、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4、または5個のR
gg基で独立して置換されており、または、2個のジェミナルR
dd置換基は、結合して=Oまたは=Sを形成し;
R
eeの各場合は、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4、または5個のR
gg基で独立して置換されており;
R
ffの各場合は、水素、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールから独立して選択され、または、2個のR
ff基は、結合して三〜八員ヘテロシクリルまたは五〜十員ヘテロアリール環を形成し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4、または5個のR
gg基で独立して置換されており;
R
ggの各場合は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−O、C
1−6アルキル、−ON(C
1−6アルキル)
2、−N(C
1−6アルキル)
2、−N(O C
1−6アルキル)(C
1−6アルキル)、−N(OH)(C
1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−S C
1−6アルキル、−SS(C
1−6アルキル)、−C(=O)(C
1−6アルキル)、−CO
2H、−CO
2(C
1−6アルキル)、−OC(=O)(C
1−6アルキル)、−OCO
2(C
1−6アルキル)、−C(=O)NH
2、−C(=O)N(C
1−6アルキル)
2、−OC(=O)NH(C
1−6アルキル)、−NHC(=O)(C
1−6アルキル)、−N(C
1−6アルキル)C(=O)(C
1−6アルキル)、−NHCO
2(C
1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C
1−6アルキル)
2、−NHC(=O)NH(C
1−6アルキル)、−NHC(=O)NH
2、−C(=NH)O(C
1−6アルキル)、−OC(=NH)(C
1−6アルキル)、−OC(=NH)O C
1−6アルキル、−C(=NH)N(C
1−6アルキル)
2、−C(=NH)NH(C
1−6アルキル)、−C(=NH)NH
2、−OC(=NH)N(C
1−6アルキル)
2、−OC(NH)NH(C
1−6アルキル)、−OC(NH)NH
2、−NHC(NH)N(C
1−6アルキル)
2、−NHC(=NH)NH
2、−NHSO
2(C
1−6アルキル)、−SO
2N(C
1−6アルキル)
2、−SO
2NH(C
1−6アルキル)、−SO
2NH
2、SO
2C
1−6アルキル、−SO
2O C
1−6アルキル、−OSO
2C
1−6アルキル、−SO C
1−6アルキル、−Si(C
1−6アルキル)
3、−OSi(C
1−6アルキル)
3−C(=S)N(C
1−6アルキル)
2、C(=S)NH(C
1−6アルキル)、C(=S)NH
2、−C(=O)S(C
1−6アルキル)、−C(=S)S C
1−6アルキル、−SC(=S)S C
1−6アルキル、−P(=O)
2(C
1−6アルキル)、−P(=O)(C
1−6アルキル)
2、−OP(=O)(C
1−6アルキル)
2、−OP(=O)(O C
1−6アルキル)
2、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールであり;または、2個のジェミナルR
gg置換基は、結合して=Oまたは=Sを形成することができる。
【0059】
本明細書において使用される場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0060】
本明細書において使用される場合、「ニトロ」は基−NO
2を指す。
【0061】
本明細書において使用される場合、「オキソ」は基=Oを指す。
【0062】
本明細書において使用される場合、「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は基−OHを指す。用語「置換されたヒドロキシル」または拡張して「置換されたヒドロキシ」は、酸素原子が、水素以外の、例えば−OR
aa、−ON(R
bb)
2、−OC(=O)R
aa、−OC(=O)SR
aa、−OCO
2R
aa、−OC(=O)N(R
bb)
2、−OC(=NR
bb)R
aa、−OC(=NR
bb)OR
aa、−OC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−OS(=O)R
aa、−OSO
2R
aa、−OSi(R
aa)
3、−OP(R
cc)
2、−OP(R
cc)
3、−OP(=O)
2R
aa、−OP(=O)(R
aa)
2、−OP(=O)(OR
cc)
2、−OP(=O)
2N(R
bb)
2、および−OP(=O)(NR
bb)
2から選択された基で置換されたヒドロキシル基を指し、ここで、R
aa、R
bbおよびR
ccは、本明細書において定義された通りである。
【0063】
本明細書において使用される場合、用語「チオール」または「チオ」は、基−SHを指す。用語「置換されたチオール」または拡張して「置換されたチオ」は、硫黄原子が水素以外の基で置換されたチオール基を指し、−SR
aa、−S=SR
cc、−SC(=S)SR
aa、−SC(=O)SR
aa、−SC(=O)OR
aa、および−SC(=O)R
aaから選択される基を含み、ここで、R
aaおよびR
ccは本明細書において定義された通りである。
【0064】
本明細書において使用される場合、用語「アミノ」は基−NH
2を指す。本明細書において使用される場合、用語「置換されたアミノ」は、本明細書において定義される一置換、二置換、または三置換アミノ基を指す。
【0065】
本明細書において使用される場合、用語「一置換アミノ」は、1個の水素および水素以外の1個の基で置換されたアミノ基を指し、−NH(R
bb)、−NHC(=O)R
aa、−NHCO
2R
aa、−NHC(=O)N(R
bb)
2、−NHC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−NHSO
2R
aa、−NHP(=O)(OR
cc)
2、および−NHP(=O)(NR
bb)
2から選択される基を含み、ここで、R
aa、R
bbおよびR
ccは本明細書において定義される通りであり、ここで、基−NH(R
bb)のR
bbは水素ではない。
【0066】
本明細書において使用される場合、用語「二置換アミノ」は水素以外の2個の基で置換されたアミノ基を指し、−N(R
bb)
2、−NR
bbC(=O)R
aa、−NR
bbCO
2R
aa、−NR
bbC(=O)N(R
bb)
2、−NR
bbC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−NR
bbSO
2R
aa、−NR
bbP(=O)(OR
cc)
2、および−NR
bbP(=O)(NR
bb)
2から選択される基を含み、ここで、R
aa、R
bbおよびR
ccは本明細書において定義される通りである。ただし、親分子に直接結合した窒素原子は、水素で置換されていない。
【0067】
窒素原子は、原子価がを許す場合、置換されていてもまたは非置換であってもよく、第一級、第二級、第三級、および第四級*quarternary窒素原子を含む。例示の窒素原子置換基は、水素、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)、
2、−CN、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)
2N(R
cc)
2、−P(=O)(NR
cc)
2、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7カルボシクリル、三〜八員ヘテロシクリル、C
6−10アリール、および五〜十員ヘテロアリールを含むがこれらに限定されず、または、N原子に結合した2個のR
cc基は、結合して三〜八員ヘテロシクリルまたは五〜十員ヘテロアリール環を形成し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で独立して置換されており、ここで、R
aa、R
bb、R
ccおよびR
ddは上に定義された通りである。
【0068】
特定の実施形態において、窒素原子上に存在する置換基は「アミノ保護基」である。アミノ保護基は、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)
2、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
cc)R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、C
1−10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C
2−10アルケニル、C
2−10アルキニル、C
3−10カルボシクリル、三〜十四員ヘテロシクリル、C
6−14アリール、および五〜十四員ヘテロアリール基を含むがこれらに限定されず、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、0、1、2、3、4、または5個のR
dd基で独立して置換されており、ここで、R
aa、R
bb、R
ccおよびR
ddは本明細書において定義される通りである。アミノ保護基は当業界で周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts,
3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
【0069】
例えば、アミド基(例えば、−C(=O)R
aa)などのアミノ保護基は、ホルムアミド、アセトアミド、クロルアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニル*o−nitophenylアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4つのクロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを含むがこれらに限定されない。
【0070】
カーバマート基(例えば、−C(=O)OR
aa)などのアミノ保護基は、カルバミン酸メチル、カルバミン酸*carbamanteエチル、、9−フルオレニルメチルカーバマート(Fmoc)、(9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカーバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカーバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカーバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカーバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカーバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカーバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカーバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカーバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカーバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカーバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカーバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカーバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカーバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカーバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカーバマート、カルバミン酸t−ブチル(BOC)、カルバミン酸1−アダマンチル(Adoc)、カルバミン酸ビニル(Voc)、カルバミン酸アリル(Alloc)、1−イソプロピルアリルカーバマート(Ipaoc)、カルバミン酸シンナミル(Coc)、カルバミン酸4−ニトロシンナミル(Noc)、カルバミン酸8−キノリル、N−ヒドロキシピペリジニルカーバマート、アルキルジチオカーバマート、カルバミン酸ベンジル(Cbz)、カルバミン酸p−メトキシベンジル(Moz)、カルバミン酸p−ニロトベンジル*p−nitobenzyl、カルバミン酸p−ブロモベンジル、カルバミン酸p−クロロベンジル、カーバミン酸2,4−ジクロロベンジル、4−メチルスルフィニルベンジルカーバマート(Msz)、9−アントリルメチルカーバマート、ジフェニルメチルカーバマート、2−メチルチオエチルカーバマート、2−メチルスルホニルエチルカーバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカーバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカーバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカーバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカーバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカーバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカーバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカーバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカーバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカーバマート、5−ベンズイソオキサゾリルメチルカーバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカーバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカーバマート、3,5−ジメトキシベンジルカーバマート、o−ニトロベンジルカーバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカーバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカーバマート、t−アミルカーバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカーバマート、シクロブチルカーバマート、シクロヘキシルカーバマート、シクロペンチルカーバマート、シクロプロピルメチルカーバマート、p−デシルオキシベンジルカーバマート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカーバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカーバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカーバマート、1,1−ジメチルプロピニルカーバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカーバマート、2−フラニルメチルカーバマート、2−ヨードエチルカーバマート、イソボルニル*isoborynlカーバマート、イソブチルカーバマート、イソニコチニルカーバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカーバマート、1−メチルシクロブチルカーバマート、1−メチルシクロヘキシルカーバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカーバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカーバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカーバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカーバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカーバマート、フェニルカーバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカーバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカーバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカーバマート、および2,4,6−トリメチルベンジルカーバマートを含むがこれらに限定されない。
【0071】
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)
2R
aa)などのアミノ保護基は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(mb)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mt)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを含むがこれらに限定されない。
【0072】
他のアミノ保護基は、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリル(suberyl)アミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリシリデンアミン、N−5−クロロサリシリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステンカルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を含むがこれらに限定されない。
【0073】
特定の実施形態において、酸素原子上に存在する置換基は「酸素保護基」である。酸素保護基は、−R
aa、−N(R
bb)
2、−C(=O)R
aa、−CO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−S(=O)R
aa、−SO
2R
aa、−Si(R
aa)
3、−P(R
cc)
2、−P(R
cc)
3、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)(OR
cc)
2、−P(=O)
2N(R
bb)
2、および−P(=O)(NR
bb)
2を含むがこれらに限定されず、ここで、R
aa、R
bb、およびR
ccは本明細書において定義される通りである。酸素保護基は当業界で周知であり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3
rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
【0074】
例示の酸素保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル(MEM)、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、フォルマート、ベンゾイルフォルマート、アセタート、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセテート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート)、炭酸メチル、9−フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、炭酸エチル、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオエチルカルボナート(Peoc)、炭酸イソブチル、ビニルカルボナート、アリルカーボネート、p−ニトロフェニルカルボナート、ベンジルカルボナート、p−メトキシベンジルカルボナート、3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、o−ニトロベンジルカルボナート、p−ニトロベンジルカルボナート、S−ベンジルチオカルボナート、4−エトキシ−1−ナフチル*napththylカルボナート、メチルジチオカルボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾアート、α−ナフトアート、N,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、N−フェニルカルバマート、ジメチルホスフィノチオイル、2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンフルホナート(メシラート)、ベンジルスルフォナート、およびトシラート(Ts)を含むがこれらに限定されない。1,2−または1,3−ジオールの保護については、保護基は、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリデン*ethylidineオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カルボナート、環状ボロナート、エチルボロナート、およびフェニルボロナートを含む。
【0075】
これらおよび他の例示の置換基は、詳細な説明、実施例およびクレームにさらに詳細に記載されている。本発明は、上記の例示の置換基のリストによって決して限定されるように意図するものではない。
他の定義
【0076】
本明細書において使用される場合、用語「塩」、「許容される塩」、または「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒトおよび下等動物の組織に接触する使用に適切で、妥当な利益/リスク比と釣合っている塩を指す。薬学的に許容される塩は当業界で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1−19に薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、適切な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基に由来するものを含む。薬学的に許容される無毒な酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と、または、イオン交換などの当業界で使用される他の方法の使用によって形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、へプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩塩などを含む。適した塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN
+(C
1−4アルキル)
4塩を含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。さらなる薬学的に許容される塩は、適宜、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成された、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミン陽イオンを含む。
【0077】
本明細書において使用される場合、用語「プロドラッグ」は、生物学的な条件下(インビトロまたはインビボ)で加水分解、酸化、またはそうでなければ反応し薬理学的に活性な化合物を提供することができる化合物の生物学上活性な誘導体を意味する。この場合、「プロドラッグ」は対象に投与される化合物であり、薬理学的に活性な化合物は「その活性代謝物」である。特定の事例において、プロドラッグは、親化合物より改善された物理的および/または送達特性を有する。プロドラッグは、通常、親化合物に関連した特性を基本にして薬学的におよび/または薬物動態学的に増強するように設計されている。プロドラッグの利点は、親化合物と比較して非経口投与用で生理学的pHでの増強された水溶解性などの物理的性質において存在し得るか、または、皮膚からの吸収を増強するか、または、長期貯蔵の薬物安定性を増強し得る。
【0078】
「代謝症候群」は、一緒に起こる場合、心疾患および糖尿病を発症する危険性を増加させる医学的障害の組み合わせである。最近の合同の学述的表明(Alberti、上記)によると、以下の5つの所見のうち少なくとも3つの存在が必要である。大きい腰部周囲(定義は国によって変動する)、高いトリグリセリド(150mg/dL以上)、低いHDL(男性で40mg/dL未満または女性で50mg/dL未満)、高い血圧(収縮期130mm以上および/または心拡張期85mmHg以上)、および高い空腹時ブドウ糖(100mg/dL以上)。代謝症候群の診断に関連する、または診断に使用される主要な障害は、肥満症、異脂肪血症、および糖尿病症状、ならびに高いブドウ糖値および高血圧症などのこれらの障害に関連した症状を含むがこれらに限定されない。
【0079】
本明細書において使用される場合、投与が企図される「個体」または「対象」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児の対象(例えば、子ども、青年)または成人の対象(例えば、若い成人、中年の成人または高齢の成人))、他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ならびに牛、ブタ、馬、ヒツジ、ヤギ、ネコ、および/または、イヌなどの商業上重要な哺乳動物を含むがこれらに限定されない。本発明の任意の態様および/または実施形態において、対象はヒト対象である。
【0080】
本明細書において使用される場合、別段の定めがない限り、「治療有効量」、「十分量」または「十分な量」の化合物は、身体または治療される組織に著しい否定的または有害な副作用をもたらすことなく、代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害を治療または予防するために、または対象の身体の特定のパラメーター(例えば、体重、体脂肪、脂肪細胞、血液中の脂質またはブドウ糖濃度)を治療または予防するために必要な化合物のレベル、量または濃度を意味する。用語「治療有効量」は、全体的な療法を改善し、代謝症候群および/もしくは代謝症候群に関連した障害の症候もしくは原因を低減もしくは回避し、または別の治療上活性な薬剤の治療上の効能を増強する量を包含することができる。
【0081】
本明細書において使用される場合、「治療上有効濃度」は、治療域内の対象の血液中の化合物の濃度(例えば、μg/mL)またはその活性代謝物を指す。「治療域」は、最小有効濃度(すなわち治療効果に必要とされる化合物の必要レベル)を超え、かつ副作用に対する最小有効濃度(すなわち、化合物の中毒レベル)未満の濃度を指す。
【0082】
本明細書において使用される場合、用語は、「低減する」、「低減」、「低減すること」、「引き下げる」、または「引き下げること」は、対象の身体中の物質の体積、大きさ、質量、嵩、密度、量、および/または、分量(例えば、体重、体脂肪、脂肪細胞の大きさ、脂肪細胞数、脂肪組織体積、脂肪組織厚さ、脂質濃度、ブドウ糖濃度)を縮小または減少させることを意味する。
【0083】
本明細書において使用される場合、用語「排出する」は、対象の身体中の物質の何らかの望ましくない、または望まれない体積、大きさ、質量、嵩、密度、量、および/または分量(例えば、過剰な体重、過剰な体脂肪、過剰な脂肪細胞、過剰な脂肪組織、高い脂質濃度、高いブドウ糖濃度)を完全に除去することを意味する。
【0084】
本明細書において使用される場合、「罹る」または「に罹ること」は、代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害を有する対象を指す。本明細書において使用される場合、「罹る恐れがある」は、代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害と医師によって診断されていないが、素因(例えば、遺伝性および/または生理的な素因)を有する、または代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害の徴候または症候を示す対象を指す。
【0085】
本明細書において使用される場合、別段の定めがない限り、用語「治療する」、「治療すること」および「治療」は、対象が代謝症候群および/または代謝症候群と関連した障害に罹っている間に起こり、代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害の重症度を軽減するか、または代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害の進行を緩めるまたは遅らせる作用を企図する。
【0086】
本明細書において使用される場合、別段の定めがない限り、用語は「予防する」、「予
防すること」および「予防」は、対象が代謝症候群および/または代謝症候群と関連した
障害にかかり始める前に起こり、代謝症候群および/または代謝症候群に関連した障害の
重症度を抑制または軽減する作用を企図する。
本発明の好ましい実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
対象の代謝症候群に関連した障害を治療または予防する方法であって、治療有効量の式
(I)
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、
互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に全身投与することを含
む方法[式中、
Aは、場合によって置換されたC1−10アルキレン、場合によって置換されたC2−1
0アルケニレン、または場合によって置換されたC2−10アルキニレンであり、ここで
、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個もしくは複数の−O−また
は−S−基場合によって割込まれており;
Bは、水素、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された
三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールまたは場合
によって置換されたC6−10アリール、場合によって置換されたC1−30アルキル、
場合によって置換されたC2−30アルケニル、または場合によって置換されたC2−3
0アルキニルであり;
Xは、−OR4、−SR4、または−N(R4)2であり、ここで、R4の各場合は、独
立して水素、場合によって置換されたC1−30アルキル、場合によって置換されたC2
−30アルケニル、場合によって置換されたC2−30アルキニル、−C(=O)R5、
または−C(=O)OR5であり、ここで、R5は、場合によって置換されたC1−30
アルキル、場合によって置換されたC2−30アルケニル、または場合によって置換され
たC2−30アルキニルであり、または、2個のR4基は、結合して場合によって置換さ
れた三〜八員ヘテロシクリルまたは場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環
を形成し;
Zは、=O、=S、または=NRZであり、ここで、RZは、水素、アミノ保護基、−O
H、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC1−10アルキル、場合によっ
て置換されたC2−10アルケニル、場合によって置換されたC2−10アルキニル、場
合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロ
シクリル、場合によって置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された
五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表し;
R1およびR2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R6基であり、他方は−O
Hまたは−O(CO)R6であり、または、R1は=Oであり、R2はHであり、ここで
、R6は、場合によって置換されたC1−20アルキル、場合によって置換されたC2−
20アルケニル、場合によって置換されたC2−20アルキニル、または−(CH2)m
R7であり、ここで、mは0または1〜10までの間の整数であり、および、R7は、場
合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロ
シクリル、場合によって置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された
五〜十四員ヘテロアリールである。]。
(項目2)
対象の代謝症候群に関連した障害を治療または予防する方法であって、治療有効量の式
(II)
【化2】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、
互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグを対象に全身投与することを含
む方法
[式中、
Lは式
【化3】
の基であり、ここで、
【化4】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表
し;
Aは、場合によって置換されたC1−10アルキレン、場合によって置換されたC2−1
0アルケニレン、または場合によって置換されたC2−10アルキニレンであり、ここで
、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個もしくは複数の−O−また
は−S−基場合によって割込まれており;
Bは、水素、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された
三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールまたは場合
によって置換されたC6−10アリール、場合によって置換されたC1−30アルキル、
場合によって置換されたC2−30アルケニル、または場合によって置換されたC2−3
0アルキニルであり;
Xは、−OR4、−SR4、または−N(R4)2であり、ここで、R4の各場合は、独
立して水素、場合によって置換されたC1−30アルキル、場合によって置換されたC2
−30アルケニル、場合によって置換されたC2−30アルキニル、−C(=O)R5、
または−C(=O)OR5であり、ここで、R5は、場合によって置換されたC1−30
アルキル、場合によって置換されたC2−30アルケニル、または場合によって置換され
たC2−30アルキニルであり、または、2個のR4基は、結合して場合によって置換さ
れた三〜八員ヘテロシクリルまたは場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環
を形成し;
Zは、=O、=S、または=NRZであり、ここで、RZは、水素、アミノ保護基、−O
H、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC1−10アルキル、場合によっ
て置換されたC2−10アルケニル、場合によって置換されたC2−10アルキニル、場
合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロ
シクリル、場合によって置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された
五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表し;
R1は、=O、−OH、または−O(CO)R6であり、ここで、R6は、場合によって
置換されたC1−20アルキル、場合によって置換されたC2−20アルケニル、場合に
よって置換されたC2−20アルキニル、または−(CH2)mR7であり、ここで、m
は0または1〜10までの間の整数であり、および、R7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって
置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリー
ルである。]。
(項目3)
代謝症候群に関連した障害が肥満症である、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
対象の脂肪細胞を低減する、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
代謝症候群に関連した障害が異脂肪血症である、項目1から4のいずれか一項に記載
の方法。
(項目6)
対象におけるトリグリセリドを低減し、LDLを低減し、総コレステロールを低減し、
および/またはHDLを増加させる、項目5に記載の方法。
(項目7)
代謝症候群に関連した障害が糖尿病症状である、項目1から6のいずれか一項に記載
の方法。
(項目8)
糖尿病症状が2型糖尿病である、項目7に記載の方法。
(項目9)
血清ブドウ糖を低減し、糖化ヘモグロビンを低減し、血清インスリンを改善し、耐糖能
を改善し、対象のインスリンに対する必要性を低減し、および/または対象の糖尿病合併
症の発生を低減する、項目8に記載の方法。
(項目10)
対象が、代謝症候群、太り過ぎ、肥満症、異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリ
グリセリド血症、真正糖尿病、血管疾患、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、卒中、
脳血管疾患、末梢血管疾患、脂肪肝、膵臓炎、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆
症からなる群から選択される疾患、障害または症状に罹っている、または罹る恐れがある
、項目1または2に記載の方法。
(項目11)
投与経路が経口、非経口または経皮からなる群から選択される、項目1から10のい
ずれか一項に記載の方法。
(項目12)
化合物が時間放出製剤を使用して送達される、項目1から11のいずれか一項に記載
の方法。
(項目13)
化合物が、24時間に約0.5mgから24時間に約50mgまでの間の用量で皮下ま
たは静脈内投与される、項目1、2または12に記載の方法。
(項目14)
化合物が、24時間に約0.5mgから24時間に約50mgまでの間の用量で経口投
与される、項目1、2または12に記載の方法。
(項目15)
化合物が、24時間に約3mgから24時間に約50mgまでの間の用量で皮膚に投与
される、項目1、2または12に記載の方法。
(項目16)
化合物またはその活性代謝物のピーク血清濃度が約50pg/mlから1000pg/
mlの間にある、項目1、2または12に記載の方法。
(項目17)
化合物が、式(I−a)の化合物
【化5】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、
互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである、項目1に記載の方法
[式中、
【化6】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表
し;R3およびR3′の各場合は、独立して水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロ
キシル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されたC1
−20アルキル、場合によって置換されたC2−20アルケニル、場合によって置換され
たC2−20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは0、または1
から10までの間の整数であり、R9は、場合によって置換されたC3−7カルボシクリ
ル、場合によって置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された五〜十
四員ヘテロアリールであり、または、R3およびR3′は結合して=Oを形成し;
Yは、場合によって置換されたC1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、場合
によって置換されたC2−10アルケニル、場合によって置換されたC2−10アルキニ
ル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換されたチオール、ヒドロキシル、置換された
ヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され;
Gは−O−または−S−であり;
yは0、1または2であり;
xは0または1であり;
nは0または1から5までの整数である。]。
(項目18)
化合物が、以下の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異
性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである項目16
に記載の方法。
【化7】
(項目19)
化合物が、式(II−a)
【化8】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互
変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである、項目2に記載の方法
[式中、
【化9】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表
し;
R3およびR3′の各場合は、独立して水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシ
ル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されたC1−2
0アルキル、場合によって置換されたC2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは0、または1から
10までの間の整数であり、R9は、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、
場合によって置換されたC6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員
ヘテロアリールであり、または、R3およびR3′は結合して=Oを形成し;
Yは、場合によって置換されたC1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、場合
によって置換されたC2−10アルケニル、場合によって置換されたC2−10アルキニ
ル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換されたチオール、ヒドロキシル、置換された
ヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され;
Gは−O−または−S−であり;
yは0、1または2であり;
xは0または1であり;
nは0または1から5までの整数である。]。
(項目20)
化合物が、
【化10】
またその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同
位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである、項目18に記載の方法。
(項目21)
治療有効量の式(I)および/または(II)の化合物、および場合によって1種また
は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、対象の代謝症候群に関連した障害の全身的な
治療のための医薬品組成物。
(項目22)
経皮投与に適合した1種または複数の賦形剤をさらに含む、項目21に記載の組成物。
(項目23)
医薬品組成物が経皮貼布剤として提供される、項目22に記載の組成物。
(項目24)
貼付剤が包括的な時間当たり約0.05mgから約2mgまでの間の用量を対象の血流
に送達するのに適合した、項目23に記載の組成物。
(項目25)
組成物が化合物の時間放出に適合した、項目21から24のいずれか一項に記載の組成物。
(項目26)
組成物が体積当たりの重量で、約0.4%から約10%までの間の濃度の化合物を含む
、項目21から25のいずれか一項に記載の組成物。
(項目27)
項目21に記載の医薬品組成物を含むキット、および使用のための説明書。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本発明は、対象、例えば、ヒトの体脂肪、例えば、脂肪組織および/または脂肪細胞を低減、またはすべて排出するための、特定のプロスタグランジン、すなわち、式(I)もしくは(II)の1種または複数の化合物、または本明細書に記載される、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグの使用を記載する。本発明は、さらに、対象の血液中の脂質の濃度(例えば、トリグリセリド、コレステロール、リポタンパク質(例えば、低密度リポタンパク質および超低密度リポタンパク質))を低減し、および/またはHDLを増加させるための前記化合物の使用に関する。
【0089】
F−系列プロスタグランジン類の以前の成員は、降圧薬として認識されていた。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,688,819号および第6,403,649号を参照のこと。これらの化合物は血管拡張をもたらすことが示され、それによって急性心筋梗塞、血管血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血性心疾患、鬱血性心*heat不全、および狭心症を含む高血圧に関連した様々な疾患の徴候を和らげると予想された。これらの化合物はまた、高い眼圧、例えば、緑内障の治療に有用な有効な眼の降圧薬であることが示された。
【0090】
以前の調査では、緑内障の治療用のビマトプロスト点眼剤の使用が眼圧を低下させるが、また眼のまわりに通常存在する脂肪、すなわち、眼窩脂肪の衰退によるためと最終的に理解された望ましくない副作用を誘発することを示した。局部的な投与によって望ましくない脂肪を低減するビマトプロストの使用は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,666,912号に開示されている。
【0091】
本発明は、肥満、異脂肪血症および/または糖尿病の動物への特定のF−系列プロスタグランジンの投与が、これらの動物の代謝症候群に関連した障害に有益な効果を有するという新規発見から一部は生じている。観察された効果は、肥満症の低減、体重増加の低減、血清トリグリセリドの低減、血清LDLの低減、血清HDLの増加、および/または血清ブドウ糖の低減、耐糖能の改善を含む。
【0092】
本発明はまた、特定のF−系列プロスタグランジンの肥満の動物への全身的な投与が、動物の体重および/または体重増加を低減するという観察から生じている。
【0093】
本発明はまた、本発明の目的に合わせてF−系列プロスタグランジン類の中からある種の好ましい種類を実験的に特定したことから生じている。
【0094】
本検討以前には、全身的ではなく局部的に、局所に、皮下に、筋肉内に、または病巣内に特定の濃度、例えば、0.003%、0.03%、0.3%でビマトプロストを投与すると、投与の部位で対象の脂肪を局部的に低減するであろうと想定された。例えば本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第7,666,912号の実施例を参照のこと。ヒトにおいて、0.3%の軟膏剤を使用する全用量30mg/m
2/d(約57mg)は、毎日約20gの軟膏剤の塗布を伴う。本発明者は、局所の0.3%ビマトプロスト(全用量約30mg/m
2/dで)が、対象の皮下脂肪を局部的に低減するが、ビマトプロストのイソプロピルエステルおよび遊離酸は、皮下脂肪を低減するのに有意により有効であることを発見した。本発明者は、ビマトプロストの局所投与が局部的に脂肪を低減するが、ビマトプロストのイソプロピルエステルおよび遊離酸の局所投与は、脂肪を局部的にのみならず身体の全体にわたって低減し、全身的な効果を示すことをさらに観察した。事実、ビマトプロストの局所投与は全身的な作用を示さないが、0.3%のビマトプロストイソプロピルエステル(全用量約30mg/m
2/dで)の局所投与は、対象の血流中の血清脂質の低減に有意な全身的効果を示す。下記の実施例1を参照のこと。本明細書において開示される所見および観察は、特に米国特許第7,666,912号がそのような化合物の全身投与を断念させることを考えると、実に驚くべきで予期しないことである。
【0095】
さらに、本発明者は、ビマトプロストエステルまたは遊離酸の経皮投与と異なり、ビマトプロストエステルまたは遊離酸の皮下投与、腹腔内投与のいずれも、脂肪低減に有意な効果がなかったことを発見した。何らかの特定の理論によって束縛されることは欲しないが、本発明者は、化合物が血流から急速に排出されても(例えば、ラタノプロストは約17分の血清排出半減期を有する)、経皮投与は蓄積効果を与えることができ、それによって皮膚に施された化合物は、結果的に活性成分の血流中への緩やかな放出をもたらすことができ、それによって血流中にさらなる持続する治療上有効な濃度を生じると推定している。さらに、理論によって束縛されることは欲しないが、同様の効果は、例えば、経口、皮下、腹腔内の投与、または連続的な静脈注射などのための制御した、延長した、または徐放性の製剤などの時間放出製剤を用いて得ることができる。
【0096】
何らかの特定の理論によって束縛されることは欲しないが、本明細書に開示される化合物の投与の関数としての脂肪の減少は、肥満した細胞(脂肪細胞)の数の低減、1個または複数の肥満した細胞(脂肪細胞)の体積の低減、1個または複数の肥満した細胞(脂肪細胞)の成熟度の低減、および/または1個または複数の肥満した細胞(脂肪細胞)の脱分化を含んでもよい。そのような効果は、プロスタグランジンまたはプロスタグランジン様受容体を介して媒介することができ、本発明による化合物は、これらの受容体で作動薬として働くことにより本明細書に開示される作用を及ぼすことができる。脂肪細胞が多様なヒト疾患に特異的に密接に結び付いているので、本発明は、限定されないが、代謝症候群、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、肝臓病、アテローム性動脈硬化症、脂肪肝、肝臓の繊維症、炎症または炎症性の疾患、鬱病、および痴呆症などの、脂肪細胞関連の疾患を治療および/または予防するための手段を示唆する。本発明は、本明細書に記載される1種または複数の化合物、例えば、式(I)、または(II)の1種または複数の化合物を投与することによって脂肪細胞を低減するために使用することができる。
【0097】
したがって、一態様において、本発明は、対象に化合物を、例えば、対象の血流に全身的な効果を生じるのに十分な濃度で全身投与することによって、対象の身体の代謝症候群または代謝症候群に関連した障害を治療および/または予防するための特定のプロスタグランジン、例えば、式(I)または(II)の1種または複数の化合物の使用を対象とする。より具体的には、肥満症、異脂肪血症、および/または、糖尿病症状などの症状は、本明細書に記載される化合物を対象に投与することによって治療および/または予防することができる。さらに、代謝症候群、肥満症、異脂肪血症および/または糖尿病症状に関連した疾患および/または医学的転帰は、本明細書に記載される化合物を対象に投与することによって治療および/または予防することができる。
【0098】
本明細書において開示されるF−系列プロスタグランジンは、プロスタグランジンF2α受容体作動薬の種類の成員であると考えられ、これは、脂肪細胞の分化および生存のインビトロ阻害薬であると知られている。例えば、Serrero et al. (1992) Biochem. Biophys. Res. Commun. 183:438−442;Lepak et al. (1993) Prostaglandins 46:511−517;Serrero et al. (1995) Biochem. Biophys. Res. Commun.212:1125−1132;およびLepak et al. (1995) Endocrinology 136:3222−3229を参照のこと。したがって、何らかの特定の理論によって束縛されることは欲しないが、これらの化合物の脂肪を減少させる特性は、プロスタグランジンまたはプロスタグランジン様受容体、特にプロスタグランジンFP受容体(PTGFR)のアゴニズムに関連し得る。
本発明で使用される化合物
【0099】
本発明は、式(I)もしくは(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグの使用に関する。
【0100】
特定の実施形態において、本発明において有用な化合物は、式(I)もしくは(II)の化合物
【化22】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである [式中、Lは、式
【化23】
の基であり;
ここで、
【化24】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立に表し;
Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個もしくは複数の−O−または−S−基場合によって割込まれており;
Bは、水素、場合によって置換されたC3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールまたは場合によって置換されたC
6−10アリール、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり;
Xは、−OR
4、−SR
4、または−N(R
4)
2であり、ここで、R
4の各場合は、独立して水素、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、場合によって置換されたC
2−30アルキニル、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5であり、ここで、R
5は、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり、または、2個のR
4基は、結合して場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリルまたは場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環を形成し;
Zは、=O、=S、または=NR
Zであり、ここで、R
Zは、水素、アミノ保護基、−OH、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表し;
式(I)の化合物に関して、R
1およびR
2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R
6基であり、他方は−OHまたは−O(CO)R
6であり、または、R
1は=Oであり、R
2はHであり、ここで、R
6は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールであり;
式(II)の化合物に関して、R
1は、=O、−OH、または−O(CO)R
6であり、ここで、R
6は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは0または1〜10までの間の整数であり、および、R
7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。]。
【0101】
例えば、式(I)の環内の点線がそれぞれ単結合を表す特定の実施形態において、以下の立体化学のいずれか1つを有する化合物、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、またはプロドラッグが提供される。
【化25】
[式中、
【化26】
R
1、R
2、B、ZおよびXは本明細書において定義される通りである。]。
【0102】
特定の実施形態において、式(I)または(II)の環外の点線
【化27】
(すなわち五員環の外部に表された)またはその部分集合は、シスまたはトランス配置の二重結合を表す。特定の実施形態において、環外の点線
【化28】
は、シス立体配置の二重結合を表す。
【0103】
特定の実施形態において、
【化29】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表す。
【0104】
上で全体として定義されるように、R
1およびR
2の一方は、=O、−OH、または
−O(CO)R
6基であり、他方は−OHまたは−O(CO)R
6であり、または、R
1は=Oであり、R
2はHであり、ここで、R
6は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
7は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。
【0105】
特定の実施形態において、R
1は=Oであり、R
2はHである。
【0106】
特定の実施形態において、R
1およびR
2の一方は、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
3であり、他方は−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
6である。
【0107】
特定の実施形態において、R
1およびR
2の両方が−OHである。
【0108】
上に全体として定義されるように、Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個または複数の−O−または−S−基によって場合によって割込まれている。本明細書において使用される場合、「によって割込まれた」は、1個の−O−または−S−基が場合によって側面に位置していてもよい、および/または、1個の−O−または−S−基が炭素鎖内に含まれているアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンを指す。
【0109】
特定の実施形態において、Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個の−O−基によって場合によって割込まれている。
【0110】
特定の実施形態において、Aは、場合によって置換されたC
4−6アルキレン、場合によって置換されたC
4−6アルケニレン、または場合によって置換されたC
4−6アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個の−O−基によって場合によって割込まれている。
【0111】
特定の実施形態において、Aは、1個の−O−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルキレンである 。特定の実施形態において、Aは、1個の−O−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルケニレンである。特定の実施形態において、Aは、1個の−O−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルキニレンである。
【0112】
特定の実施形態において、Aは、場合によって置換されたC
1−10アルキレン、場合によって置換されたC
2−10アルケニレン、または場合によって置換されたC
2−10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個の−S−基によって場合によって割込まれている。
【0113】
特定の実施形態において、Aは、場合によって置換されたC
4−6アルキレン、場合によって置換されたC
4−6アルケニレン、または場合によって置換されたC
4−6アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基は、1個の−S−基によって場合によって割込まれている。
【0114】
特定の実施形態において、Aは、1個の−S−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルキレンである。特定の実施形態において、Aは、1個の−S−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルケニレンである。特定の実施形態において、Aは、1個の−S−基によって場合によって割込まれた、場合によって置換されたC
4−6アルキニレンである。
【0115】
特定の実施形態において、Aは、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8からなる群から選択される1個または複数の基で置換されており、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、および場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。
【0116】
特定の実施形態において、Aは=Oで置換されている。
【0117】
特定の実施形態において、Aは−OC(=O)R
8で置換されており、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。
【0118】
特定の実施形態において、Aは、−OHまたは置換されたヒドロキシルで置換されている。
【0119】
特定の実施形態において、Aは、置換されたヒドロキシルで置換されている。
【0120】
特定の実施形態において、Aは−OHで置換されている。
【0121】
特定の*certatin実施形態において、Aは、ハロゲン、例えば、−Fで置換されている。
【0122】
特定の実施形態において、Aは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)の基である
【化30】
[式中、
【化31】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表し;
R
3およびR
3′の各場合は、水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、または、R
3およびR
3′は、結合して=Oを形成し;
Gは−O−または−S−であり;
yは0、1または2であり;
xは0または1である。]。
【0123】
特定の実施形態において、Gは−O−である。特定の実施形態において、Gは−S−である。
【0124】
特定の実施形態において、式(i)、(ii)、または(iii)の
【化32】
はシス配置の二重結合を表す。
【0125】
特定の実施形態において、式(i)、(ii)、または(iii)の
【化33】
は、トランス配置の二重結合を表す。
【0126】
特定の実施形態において、式(i)の基は、式
【化34】
である。
【0127】
特定の実施形態において、式(ii)の基は、式
【化35】
である。
【0128】
特定の実施形態において、式(i)、(ii)、または(iii)の
【化36】
は単結合を表す。
【0129】
特定の実施形態において、式(i)の基は、式
【化37】
である。
【0130】
特定の実施形態、において、式(ii)の基は、式
【化38】
である。
【0131】
上に全体として定義されたように、R
3およびR
3′の各場合は、独立して水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールであり;または、R
3およびR
3′は結合して=Oを形成する。
【0132】
特定の実施形態において、R
3は水素である。特定の実施形態において、R
3′は水素である。特定の実施形態において、R
3は水素であり、R
3′は水素基ではない。特定の実施形態において、R
3′は水素であり、R
3は水素基ではない。しかし、特定の実施形態においては、R
3、R
3′のいずれも水素ではない。
【0133】
特定の実施形態において、R
3およびR
3′は結合して=Oを形成する。
【0134】
特定の実施形態において、R
3およびR
3′は同一の基である。
特定の実施形態において、R
3およびR
3′は異なる基である。
【0135】
特定の実施形態において、R
3は、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R
3は−O(CO)R
8である。特定の実施形態において、R
3は−OHまたは置換されたヒドロキシルである。特定の実施形態において、R
3は置換されたヒドロキシルである。特定の実施形態において、R
3は−OHである。
【0136】
特定の実施形態において、R
3′は、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R
3′は−O(CO)R
8である。特定の実施形態において、R
3′は−OHまたは置換されたヒドロキシルである。特定の実施形態において、R
3′は置換されたヒドロキシルである。特定の実施形態において、R
3′は−OHである。
【0137】
特定の実施形態において、R
3は、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードから選択されるハロゲンである。特定の実施形態において、R
3′は、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードから選択されるハロゲンである。特定の実施形態において、R
3はハロゲンであり、R
3′は、例えばそれぞれがフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードから独立して選択されるハロゲンである。特定の実施形態において、R
3およびR
3′は共にフルオロである。
【0138】
特定の実施形態において、yは0であり、xは1である。特定の実施形態において、yは0であり、xは0である。特定の実施形態において、yは1であり、xは1である。
特定の実施形態において、yは1であり、xは0である。特定の実施形態において、yは2であり、xは0である。特定の実施形態において、yは2であり、xは1である。
【0139】
上に全体として定義されたように、Bは、水素、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール、場合によって置換されたC
6−10アリール、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルである。
【0140】
特定の実施形態において、Bは水素である。
【0141】
特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
1−30アルキルである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
2−30アルケニルである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
2−30アルキニルである。
【0142】
特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、例えば、場合によって置換されたシクロヘキシルである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
6−10アリールである。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
6アリール(すなわち、フェニル)である。特定の実施形態において、Bは、場合によって置換されたC
10アリール(すなわち、ナフチル*napthyl)である。
【0143】
例えば、特定の実施形態において、Bは、式(viii)
【化39】
の場合によって置換されたフェニルである[式中、Yは、場合によって置換されたC
1−10アルキル、C
1−10ペルハロアルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換されたチオール、ヒドロキシル、置換されたヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノであり;nは、0または1から5までの整数である。]。
【0144】
特定の実施形態において、nは、0または1から3までの整数である。特定の実施形態において、nは、0または1から2までの整数である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。
【0145】
例えば、nが1である特定の実施形態において、式(viii)の基は、式:
【化40】
である。
【0146】
nが2である特定の実施形態において、式(viii)の基は、式:
【化41】
である。
【0147】
特定の実施形態において、Yは、フルオロ、ヨード、ブロモ、またはクロロから選択されるハロである。特定の実施形態において、Yはクロロである。特定の実施形態において、Yはフルオロである。
【0148】
特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−10アルキルまたはC
1−10ペルハロアルキルである。
【0149】
特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−10アルキルである。特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−6アルキルである。特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−4アルキルである。特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−3アルキルである。特定の実施形態において、Yは、場合によって置換されたC
1−2アルキルである。特定の実施形態において、Yは、−CH
3、−CH
2Fまたは−CHF
2である。
【0150】
特定の実施形態において、YはC
1−10ペルハロアルキルである。特定の実施形態において、YはC
1−6ペルハロアルキルである。特定の実施形態において、YはC
1−4ペルハロアルキルである。特定の実施形態において、YはC
1−3ペルハロアルキルである。特定の実施形態において、YはC
1−2ペルハロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、−CF
3、−CF
2Cl、または−CFCl
2である。
【0151】
上に全体として定義されたように、Zは、=O、=S、または=NR
Zであり、ここで、R
Zは、水素、アミノ保護基、−OH、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールから選択され、または、Zは2個の水素原子を表す。
【0152】
特定の実施形態において、Zは=Oである。
【0153】
特定の実施形態において、Zは=Sである。
【0154】
特定の実施形態において、Zは=NR
Zであり、ここで、R
Zは、水素、アミノ保護基、−OH、置換されたヒドロキシル、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、Zは=NR
Zであり、R
Zは水素である。
【0155】
特定の実施形態において、Zは2個の水素原子を表す。
【0156】
上に全体として定義されるように、Xは、−OR
4、−SR
4、または−N(R
4)
2であり、ここで、R
4の各場合は、独立して、水素、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、場合によって置換されたC
2−30アルキニル、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5であり、ここで、R
5は、場合によって置換されたC
1−30アルキル、場合によって置換されたC
2−30アルケニル、または場合によって置換されたC
2−30アルキニルであり、または、2個のR
4基は、結合して場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環を形成する。
【0157】
特定の実施形態において、Xは−OR
4である。特定の実施形態において、Xは−OR
4であり、R
4は水素である。特定の実施形態において、Xは−OR
4であり、R
4は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0158】
特定の実施形態において、Xは−OR
4であり、ここでR
4は、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5である。
【0159】
特定の実施形態において、Xは−OR
4であり、R
4は−C(=O)R
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって、置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0160】
特定の実施形態において、Xは−OR
4であり、R
4は−C(=O)OR
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0161】
特定の実施形態において、Xは−SR
4である。特定の実施形態において、Xは−SR
4であり、R
4は水素である。特定の実施形態において、Xは−SR
4であり、R
4は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
4は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0162】
特定の実施形態において、Xは−SR
4であり、ここで、R
4は、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5である。
【0163】
特定の実施形態において、Xは−SR
4であり、R
4は−C(=O)R
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0164】
特定の実施形態において、Xは−SR
4であり、R
4は−C(=O)OR
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0165】
特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2である。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4基は水素である。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、2個のR
4基のどちらも水素ではない。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個の R
4は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、またはC
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。しかし、特定の実施形態において、Xは−NH(iPr)ではない。
【0166】
特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5である。
【0167】
特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は−C(=O)R
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0168】
特定の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、少なくとも1個のR
4は−C(=O)OR
5であり、R
5は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、または場合によって置換されたC
2−20アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−10アルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、または場合によって置換されたC
2−10アルキニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
1−6アルキル、例えば、C
1−3アルキル、C
3−4アルキル、C
4−6アルキルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルケニル、例えば、C
2−3アルケニル、C
3−4アルケニル、C
4−6アルケニルである。特定の実施形態において、R
5は、場合によって置換されたC
2−6アルキニル、例えば、C
2−3アルキニル、C
3−4アルキニル、C
4−6アルキニルである。
【0169】
他の実施形態において、Xは−N(R
4)
2であり、2個のR
4基は、結合して、場合によって置換された三〜八員ヘテロシクリル、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリール環を形成する。
【0170】
Xが−OR
4、−SR
4、または−N(R
4)
2である特定の実施形態において、R
4またはR
5のいずれか1つは、場合によって置換されたC
1−30アルキル(例えば、C
1−10アルキル、C
1−6アルキル、C
1−3アルキル、C
7−30アルキル、C
10−30アルキル、C
7−25アルキル、C
10−25アルキル、C
15−25アルキル)である。特定の実施形態において、R
4またはR
5のいずれか1つは、場合によって置換されたC
2−30アルケニル(例えば、C
2−10アルケニル、C
2−6アルケニル、C
1−3アルケニル、C
7−30アルケニル、C
10−30アルケニル、C
7−25アルケニル、C
10−25アルケニル、C
15−25アルケニル)である。特定の実施形態において、R
4またはR
5のいずれか1つは、場合によって置換されたC
2−30アルキニル(例えば、C
2−10アルキニル、C
2−6アルキニル、C
1−3アルキニル、C
7−30アルキニル、C
10−30アルキニル、C
7−25アルキニル、C
10−25アルキニル、C
15−25アルキニル)である。
【0171】
上記実施形態のいずれかにおいて、R
4またはR
5がC
7−30アルキル、またはC
7−30アルケニル基として定義される場合、そのような基はまた「脂質尾部」と呼んでもよい。これらの脂質基に存在する脂質尾部は、脂質尾部が二重結合を含むか否かに応じて、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂質尾部はまた、様々な長さを有することができ、中程度(すなわち7〜12個の間の炭素の尾部を有する、例えば、C
7−12アルキル、C
7−12アルケニル)、長い(すなわち12個の炭素を超え最大22個の炭素の尾部を有する、例えば、C
13−22アルキル、C
13−22アルケニル)、または非常に長い(すなわち22個を超える炭素の尾部を有する、例えば、C
23−30アルキル、C
23−30アルケニル)としてしばしば分類される。
【0172】
例示の不飽和脂質尾部は、以下を含むがこれらに限定されない。
ミリストレイン−(CH
2)
7CH=CH(CH
2)
3CH
3、
パルミトレイン*Palmitoliec−(CH
2)
7CH=CH(CH
2)
5CH
3、
サピエン−(CH
2)
4CH=CH(CH
2)
8CH
3、
オレイン−(CH
2)
7CH=CH(CH
2)
7CH
3、
リノール−(CH
2)
7CH=CHCH
2CH=CH(CH
2)
4CH
3、
α−リノレン−(CH
2)
7CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH
3、
アラキドン*Arachinodonic −(CH
2)
3CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CH(CH
2)
4CH
3、
エイコサペンタエン−(CH
2)
3CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH
3、
エルカ−(CH
2)
11CH=CH(CH
2)
7CH
3、および
ドコサヘキサエン−(CH
2)
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH=CHCH
2CH
3。
【0173】
例示の飽和脂質尾部は、以下を含むがこれらに限定されない。
ラウリン−(CH
2)
10CH
3、
ミリスチン−(CH
2)
12CH
3、
パルミチン−(CH
2)
14CH
3、
ステアリン−(CH
2)
16CH
3、
アラキジン−(CH
2)
18CH
3、
ベヘン−(CH
2)
20CH
3、
リグノセリン−(CH
2)
22CH
3、
およびセロチン−(CH
2)
24CH
3。
【0174】
式(I)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−a)
【化42】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである
[式中、R
1、R
2、ZおよびXは、本明細書において定義される通りであり;
【化43】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表し;
R
3およびR
3′の各場合は、独立して水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって、置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、または、R
3および、R
3′は結合して=Oを形成し;
Yは、場合によって置換されたC
1−10アルキル、C
1−10ペルハロアルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換されたチオール、ヒドロキシル、置換されたヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され;
Gは−O−または−S−であり;
yは0、1、または2であり;
xは0または1であり;
nは0または1から5までの整数である。]。
【0175】
R
3′が水素である式(I−a)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−b)
【化44】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化45】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、G、y、xおよびnは、本明細書において定義される通りである。]
【0176】
R
3が水素である式(I−a)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−c)の化合物、
【化46】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化47】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、G、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0177】
特定の実施形態において、Gは−O−である。特定の実施形態において、Gは−S−である。
【0178】
Gが−O−である式(I−a)の特定の実施形態において、式(I−a1)の化合物、
【化48】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、R
1、R
2、ZおよびXは、本明細書において定義された通りであり;ここで、
【化49】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0179】
Gが−O−である式(I−b)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−b1)の化合物、
【化50】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化51】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0180】
Gが−O−である式(I−c)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−c1)
【化52】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、またはプロドラッグである[式中、
【化53】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0181】
Gが−S−である式(I−a)の特定の実施形態において、式(I−a2)
【化54】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、
【化55】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]
【0182】
Gが−S−である式(I−b)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−b2)
【化56】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化57】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである]。
【0183】
Gが−S−である式(I−c)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−c2)、
【化58】
の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化59】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0184】
特定の実施形態において、式(I−a)の化合物は、式(I−d)
【化60】
の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグとも本明細書において称される以下の立体化学を有する
[式中、
【化61】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、Y、G、X、y、x、およびnは本明細書において定義される通りである。]。
【0185】
R
3′が水素である式(I−d)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−e)、
【化62】
の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化63】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、G、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0186】
R
3が水素である式(I−d)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f)
【化64】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化65】
R
1、R
2、R
3′ Z、X、Y、G、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0187】
特定の実施形態において、Gは−O−である。特定の実施形態において、Gは−S−である。
【0188】
Gが−O−である式(I−d)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−d1)
【化66】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化67】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義される通りである。]。
【0189】
Gが−O−である式(I−e)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−e1)
【化68】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化69】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0190】
Gが−O−である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f1)
【化70】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化71】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0191】
Gが−S−である式(I−d)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−d2)
【化72】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化73】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義される通りである。]。
【0192】
Gが−S−である式(I−e)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−e2)
【化74】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化75】
R
1、R
2、R
3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0193】
Gが−S−である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f2)
【化76】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化77】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0194】
特定の実施形態において、Zは=Oである。
【0195】
特定の実施形態において、各
【化78】
は単結合を表す。
【0196】
特定の実施形態において、R
1およびR
2の各場合は−OHである。
【0197】
Zが=Oであり、各
【化79】
が単結合を表す式(I−d2)の特定の実施形態において、式(I−g)
【化80】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、X、Y、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0198】
特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、また本明細書においてCAY10509とも呼ばれる
【化81】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0199】
特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、また本明細書においてCAY10509遊離酸とも呼ばれる、
【化82】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0200】
特定の実施形態において、少なくとも1個の環外にある
【化83】
はシス二重結合を表す。
【0201】
例えば、R
1およびR
2の各場合が−OHであり、Zが=Oである式(I−d1)の特定の実施形態において、式(I−e)
【化84】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、
【化85】
R
3、R
3′、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義される通りである。]。
【0202】
R
3′が水素である式(I−h)の特定の実施形態において、式(I−i)
【化86】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、
【化87】
R
3、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義される通りである。]。
【0203】
R
3が−OHである式(I−i)の特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、式(I−j)
【化88】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]
【0204】
特定の実施形態において、
【化89】
がトランス二重結合であり、Xは−NHCH
2CH
3であり、yが1であり、xが0であり、nが0である式(I−j)の化合物は、本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2αエチルアミド、またはビマトプロストとも呼ばれる化合物
【化90】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0205】
特定の実施形態において、
【化91】
がトランス二重結合であり、Xが−OCH(CH
3)
2であり、yが1であり、xが0であり、nが0である式(I−j)の化合物は、また本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2αイソプロピルエステル、またはビマトプロストイソプロピルエステルとも呼ばれる化合物、
【化92】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0206】
特定の実施形態において、
【化93】
がトランス二重結合であり、Xが−OHであり、yが1であり、xが0であり、nが0である式(I−j)の化合物は、また本明細書において17−フェニルトリノルプロスタグランジンF2α
またはビマトプロスト遊離酸とも呼ばれる化合物、
【化94】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0207】
特定の実施形態において、
【化95】
がトランス二重結合であり、、Xが−OCH(CH
3)
2であり、yが0であり、xが1であり、nが1である式(I−j)の化合物は、本明細書においてフルプロステノールイソプロピルエステル、またはトラボプロストとも呼ばれる化合物、
【化96】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0208】
特定の実施形態において、
【化97】
がトランス二重結合であり、Xが−OHであり、yが0であり、xが1であり、nが1である式(I−j)の化合物は、本明細書においてトラボプロスト遊離酸とも呼ばれる化合物、
【化98】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0209】
特定の実施形態において、
【化99】
が単結合であり、Xが−OCH(CH
3)
2であり、yが1であり、xが0であり、nが0である式(I−j)の化合物は、本明細書において17−フェニル−13,14−ジヒドロトリノルプロスタグランジンF2αイソプロピルエステル、またはラタノプロストとも呼ばれる化合物、
【化100】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0210】
特定の実施形態、において、
【化101】
が単結合であり、Xが−OHであり、yが1であり、xが0であり、nが0である式(I−j)の化合物は、本明細書においてラタノプロスト遊離酸とも呼ばれる化合物、
【化102】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0211】
R
3がFであり、R
3′がFである式(I−h)の特定の実施形態において、本発明で使用される化合物は、式(I−k)
【化103】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化104】
Y、X、y、x、およびnは、本明細書において定義される通りである。]。
【0212】
特定の実施形態において、
【化105】
がトランス二重結合であり、Xが−OCH(CH
3)
2であり、yが1であり、xが1であり、nが0である式(I−k)の化合物は、本明細書においてタフルプロストとも呼ばれる化合物、
【化106】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0213】
特定の実施形態において、
【化107】
がトランス二重結合であり、Xが−OHであり、yが1であり、xが1であり、nが0である式(I−k)の化合物は、本明細書においてタフルプロスト遊離酸とも呼ばれる化合物、
【化108】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0214】
式(I)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−l)の化合物、
【化109】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、R
1、R
2、Z、およびXは本明細書において定義された通りであり;
【化110】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表し;
R
3およびR
3′の各場合は、独立して水素、ハロゲン、−OH、置換されたヒドロキシル、または−O(CO)R
8であり、ここで、R
8は、場合によって置換されたC
1−20アルキル、場合によって置換されたC
2−20アルケニル、場合によって置換されたC
2−20アルキニル、または−(CH
2)
mR
9であり、ここで、mは、0または1から10までの間の整数であり、R
9は、場合によって置換されたC
3−7カルボシクリル、場合によって置換されたC
6−10アリール、または場合によって置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、または、R
3およびR
3′は、結合して=Oを形成し;
Yは、場合によって置換されたC
1−10アルキル、C
1−10ペルハロアルキル、場合によって置換されたC
2−10アルケニル、場合によって置換されたC
2−10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換されたチオール、ヒドロキシル、置換されたヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され;
Gは−O−または−S−であり;
yは0、1、または2であり;
xは0または1であり;
nは0または1から5までの整数である。]。
【0215】
Zが=Oであり、R
1およびR
2がそれぞれ−OHである式(I−l)の特定の実施形態において、式(I−m)
【化111】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、R
1、R
2、Z、およびXは、本明細書において定義された通りである。]。
【0216】
R
3′が水素であり、yが2であり、xが0である式(I−m)の特定の実施形態において、式(I−n)
【化112】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、R
1、R
2、Z、およびXは、本明細書において定義された通りである。]。
【0217】
特定の実施形態において、R
3が−OHであり、Xが−OHである式(I−n)の化合物は、
AL−16082とも呼ばれる化合物、
【化113】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、R
1、R
2、Z、およびXは、本明細書において定義された通りである。]。例えば、参照によって本明細書において組み込まれる、上記Fengらを参照のこと。
【0218】
特定の実施形態において、本発明において有用な化合物は、式(I)の化合物、
【化114】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化115】
の各場合は、シスまたはトランス配置であってもよい単結合または二重結合を独立して表し;
Aは、2から6個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレンであり、ここで、アルキレンまたはアルケニレン基は、1個または複数の−O−基によって場合によって割込まれ、1個または複数のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシまたはアルキルカルボキシ基で場合によって置換されており、ここで、アルキルの各場合は、単独でまたは別の基の一部として、独立して1から6個の炭素原子を含み;
Bは、3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル、6から10個の炭素原子を有するアリール、または4から10個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;
Xは−OR
4または−N(R
4)
2であり、ここで、R
4は、水素、1から6個の炭素原子を有するアルキル、−C(=O)R
5、または−C(=O)OR
5からなる群から選択され、ここで、R
5は1から6個の炭素原子を有するアルキルであり;
Zは=Oであるか、または2個の水素原子を表し;
R
1およびR
2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R
6基であり、他方は−OHまたは−O(CO)R
6であり、または、R
1は=Oであり、R
2はHであり、ここで、R
6は、1から約20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の非環式炭化水素基、または−(CH
2)
mR
7であり、ここで、mは0から10であり、R
7は、3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル、6から10個の炭素原子を有するアリール、または4から10個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロアリールである。]。
【0219】
上に全体として定義されたように、特定の実施形態において、本発明において有用な化合物は、式(II)
【化116】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、A、B、X、Z、L、およびR
1は本明細書において定義される。]。
【0220】
特定の実施形態において、Lは、
【化117】
が単結合を表す、式
【化118】
の基である。
【0221】
特定の実施形態において、Lは式
【化119】
の基であり、ここで
【化120】
はシスまたはトランス配置であってもよい二重結合を表す。特定の実施形態*embodimetnsにおいて、二重結合はシス配置である。特定の実施形態*embodimetnsにおいて、二重結合はトランス配置である。
【0222】
特定の実施形態において、Lは、
【化121】
が単結合を表す式
【化122】
の基である。
【0223】
特定の実施形態において、Lは式
【化123】
の基であり、ここで
【化124】
はシスまたはトランス配置であってもよい二重結合を表す。特定の実施形態*embodimetnsにおいて、二重結合はシス配置である。特定の実施形態*embodimetnsにおいて、二重結合はトランス配置である。
【0224】
式(II)の特定の実施形態において、化合物は、式(II−a)
【化125】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、R
1、Z、およびXは本明細書において定義された通りであり;ここで、
【化126】
R
1、Z、X、Y、G、R
3、R
3′、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0225】
R
3′が水素である式(II−a)の特定の実施形態において、化合物は、式(II−b)
【化127】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化128】
R
1、R
3、Z、X、Y、G、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0226】
R
3が水素である式(II−a)の特定の実施形態において、化合物は、式(IIc)
【化129】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化130】
R
1、R
2、R
3′、Z、X、Y、G、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0227】
特定の実施形態において、Gは−O−である。特定の実施形態において、Gは−S−である。
【0228】
Gは−O−である式(II−a)の特定の実施形態において、式(II−a1)
【化131】
の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、R
1、R
2、Z、およびXは本明細書において定義された通りであり;ここで、
【化132】
R
1、R
2、R
3、R
3′、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書において定義された通りである。]。
【0229】
特定の実施形態において、Zは=Oである。
【0230】
特定の実施形態において、少なくとも1個の環外にある
【化133】
はシス二重結合を表す。
【0231】
例えば、Zが=Oである式(II−a1)の特定の実施形態において、式(II−d)
【化134】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される
[式中、
【化135】
R
1、R
3、R
3′、Y、X、y、x、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0232】
R
1がOHであり、R
3′が水素であり、R
3が−OHであり、yが0であり、xが1である式(II−d)の特定の実施形態において、式(II−e)
【化136】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグが提供される[式中、
【化137】
Y、Xおよびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0233】
Xが−OCH(CH
3)
2である式(II−e)の特定の実施形態において、化合物は、AL−12182とも呼ばれる化合物、
【化138】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、もしくはプロドラッグである[式中、
【化139】
Y、X、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0234】
Xが−OHである式(II−e)の特定の実施形態において、化合物は、AL−12182遊離酸とも呼ばれる化合物、
【化140】
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体に富む誘導体、またはプロドラッグである[式中、
【化141】
Y、X、およびnは本明細書において定義された通りである。]。
【0235】
本発明で使用される式(II)の他の化合物は本明細書において企図され、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる上記Selliahらを参照のこと。
【0236】
特定の実施形態において、式(I)または(II)の化合物は、本明細書において記載される化合物のいずれか1つのプロドラッグである。例示のプロドラッグは、親の遊離酸および五員環ヒドロキシル基上に存在するアシル基のエステル、アミド、および/またはチオアミドを含む。何ら特定の理論によって束縛されることはないが、本明細書に記載される化合物の遊離酸(例えば、限定されないが、ビマトプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、ラタノプロスト遊離酸、タフルプロスト遊離酸、またはその塩などの、Zが=Oであり、Xが−OHである)は、本発明の目的に合わせて主要な薬理学的に活性化合物(「活性代謝物」)を表すことを本発明は構想している。また、本発明の特定の化合物は、身体の加水分解酵素(例えば、エステラーゼ、リパーゼ、アミダーゼなどの)の基質として役立ち、これはインビトロまたはインビボで対応する遊離酸を次に生じることが想定されている。
医薬品組成物および製剤
【0237】
特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される1種もしくは複数の式(I)または(II)の化合物(「活性成分」)、および薬学的に許容される賦形剤を含む、本明細書に記載される本発明の方法のいずれかに使用される医薬品組成物および製剤を提供する。
【0238】
薬学的に許容される賦形剤は、所望される特定の剤形に適した、ありとあらゆる溶媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤などを含む。製剤および/または医薬品調合剤の製造における一般的考慮事項は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980), およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21
st Edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2005)において見出すことができる。
【0239】
本明細書に記載される医薬品組成物は、薬理学の業界で公知の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製の方法は、活性成分を担体および/または1種または複数の他の副成分と合わせるステップ、および次いで、必要および/または所望の場合、望まれる単一用量または多重用量単位へ生成物を成形および/または包装するステップを含む。
【0240】
特定の実施形態において、医薬品組成物は、時間放出*relase製剤として製剤化され、例えば、徐放性(SR)、持続作用(SA)、延長放出(ER、XRまたはXL)、時間放出(TR)、制御放出(CR)、修飾放出(MR)、および連続放出(CR)の製剤は、最小の副作用で、血流中の活性成分またはその活性代謝物を特定の時間一定値に維持することによって所定速度で活性成分を放出するのに有用な剤形を指す。時間放出製剤は、不溶性粒子のマトリックス中への活性成分の埋込み、マイクロカプセル化、リポソームの使用、および/またはゲル(例えば、ヒドロゲル)の使用を含んでもよい。
【0241】
医薬品組成物は、バルクで、単一単位用量としておよび/または複数の単一単位用量として調製、包装および/または販売することができる。本明細書において使用される場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む離散的な量の医薬品組成物である。活性成分の量は、対象に投与される活性成分の投薬量と概略等しく、および/またはそのような投薬量の都合のよい分数、例えば、そのような投薬量の半分、または3分の1などである。
【0242】
本発明の医薬品組成物中の活性成分、薬学的に許容される担体、および/または、任意の追加の成分の相対量は、治療された対象の身元、大きさ、および/または症状に依存して、また組成物が投与されるべき経路にさらに依存して変動する。
【0243】
提供された医薬品組成物の製造において使用される薬学的に許容される賦形剤は、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤、および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、平滑剤および/または油剤を含む。カカオ脂および坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味料、調味料、および芳香剤などの賦形剤もまた組成物中に存在してもよい。
【0244】
例示の希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ラクトースナトリウム、蔗糖、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖など、およびその組み合わせを含む。
【0245】
例示の造粒剤および/または分散剤は、バレイショデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーゴム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木製品、天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、α化デンプン(デンプン1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミウニムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物など、およびその組み合わせを含む。
【0246】
例示の界面活性剤、および/または乳化剤は、脂質/天然乳化剤(例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、ベントナイト(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミウニムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミタート[Span 40]、ソルビタンモノステアラート[Span 60]、ソルビタントリステアラート[Span 65]、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート[Span 80]、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアラート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol)、蔗糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばCremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF 68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、および/または、その組み合わせを含む。
【0247】
例示の結合剤は、デンプン(例えばコーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、蔗糖、ブドウ糖、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アイルランドゴケの抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガティガム、イサポール殻(isapol husks)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミウニムマグネシウム(Veegum)、およびカラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan))、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機のカルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコールなど、および/または、その組み合わせを含む。
【0248】
例示の防腐剤は、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性防腐剤、殺菌性防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、および他の防腐剤を含む。
【0249】
例示の抗酸化剤はアルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビル*acorbylパルミタート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを含む。
【0250】
例示のキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)と、塩およびその水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸とその塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸とその塩および水和物、リンゴ酸とその塩および水和物、リン酸とその塩および水和物、ならびに酒石酸とその塩および水和物を含む。例示の抗菌性防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを含む。
【0251】
例示の殺菌性防腐剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を含む。
【0252】
例示のアルコール防腐剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを含む。
【0253】
例示の酸性防腐剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を含む。
【0254】
他の防腐剤は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテルオキシム(deteroxime)メシラート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール*anisol(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン*hydroxytoluened(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、KathonおよびEuxylを含む。特定の実施形態において、防腐剤は抗酸化剤である。他の実施形態において、防腐剤はキレート剤である。
【0255】
例示の緩衝剤はクエン酸緩衝液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、リン酸水素カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化カルシウムリン酸塩、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物(potassium mixtures)、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質を含まない水、等張性塩水、リンゲル液、エチルアルコールなど、およびその組み合わせを含む。
【0256】
例示の平滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、グリセリルベヘナート*behanate、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびその組み合わせを含む。
【0257】
例示の油剤は、アーモンド、杏仁、アボカド、ババスー、ベルガモット、ブラックカラント種子、ルリヂサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェー、カルナウバ、トウゴマ、シナモン、カカオ脂、ココナッツ、たら肝油、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、オオマツヨイグサ、魚類、亜麻仁、ゲラニオール、ヒョウタン、ブドウ種子、ハシバミナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、クークーエーナッツ、ラバンディン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカダミア(macademia)ナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ニクズク、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、ヤシ、ヤシ核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、パンプキンシード、菜種、米糠、ローズマリー、紅花、ビャクダン、サスクアナ(sasquana)、セイボリー、シーバックソーン、ごま、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、チャノキ、アザミ、ツバキ、ベチベルソウ、クルミ、および麦芽油を含む。例示の油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびその組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0258】
医薬品製剤は、脂肪組織中で、またはより具体的には脂肪細胞中もしくはその近くに医薬品活性成分が輸送され、行き来し、蓄積し、濃縮し、および/または保持されるようにする賦形剤を含んでもよい。例えば、「親油性賦形剤」(例えば、上記および本明細書において定義される、リポソーム、油剤、界面活性剤、乳化剤、またはその混合物からなる群から選択される)は、経腸(例えば経口)製剤に使用されてもよく、それによって活性成分は親油性賦形剤と共に投与され、一緒に小腸の腸細胞に吸収されて、キロミクロンに形成され、次には優先的に脂肪組織に血流によって輸送される。代替の例として、リポソームは、親油性賦形剤として腸、非経口、または局所用の製剤のために使用されてもよい。
【0259】
経口および非経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒(例えば、炭酸エチル、酢酸エチル、安息香酸ベンジル、ジメチルホルムアミド)、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポリソルベート、可溶化剤、アルコール(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリンおよびグリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール))、油剤(例えば、綿実、落花生、トウモロコシ、胚、オリーブ、トウゴマ、およびゴマ油)、Cremophor、シクロデキストリン、ポリマーおよびその混合物などの一般に当業界で使用される不活性希釈剤を含んでもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、調味料、芳香剤などのアジュバントを含むことができる。非経口投与のための特定の実施形態において、活性成分は、Cremophor、アルコール、油剤、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびその組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
【0260】
注射可能な調製品、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用する公知の技術に従って製剤化することができる。無菌の注射可能な調製品は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、無毒な非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、無菌の注射可能な溶液、懸濁液または乳剤であってもよい。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張食塩水がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来通りに用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射可能な調製品に使用される。
【0261】
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通して濾過することによって、または使用前に滅菌水もしくは他の無菌の注射可能な媒体に溶解もしくは分散することができる、無菌の固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことによって殺菌することができる。
【0262】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含む。そのような固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性の、薬学的に許容される賦形剤または担体、および/または、a)デンプン、ラクトース、蔗糖、ブドウ糖、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、蔗糖、およびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセリンなどの湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g) 例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびに、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形が緩衝剤を含んでもよい。
【0263】
同様の種類の固体組成物は、例えばラクトースすなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として用いることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、医薬品製剤分野において周知の腸溶コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは、乳白剤を場合によって含んでよく、活性成分のみ、または優先的に腸管の特定の部分に、場合によって遅延方式で放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋する組成物の例は、ポリマー材料およびワックスを含む。同様の種類の固体組成物は、例えばラクトースすなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として用いることができる。
【0264】
活性成分は、上記に示される1種または複数の賦形剤を用いてマイクロカプセル化形態で提供することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、医薬品製剤分野において周知の腸溶コーティング、放出制御コーティング、および他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。そのような固体剤形において、活性成分は、蔗糖、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。そのような剤形は、通常の実施のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースのような滑沢剤および他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形が緩衝剤を含んでもよい。これらは乳白剤を場合によって含んでよく、活性成分のみ、または優先的に腸管の特定の部分に、場合によって遅延方式で放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋する組成物の例は、ポリマー材料およびワックスを含む。
【0265】
直腸または膣の投与用組成物は、通常、常温で固体であるが体温で液体になり、そのため、直腸または膣腔で溶融し活性成分を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの適切な刺激のない賦形剤または担体と活性成分を混合することにより調製することができる坐剤である。
【0266】
特定の実施形態において、医薬品組成物は、経皮投与のために適合した1種または複数の賦形剤をさらに含む。活性成分の局所および/または経皮投与のための剤形は、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、溶液、スプレー剤、吸入剤、および/または、貼付剤を含んでもよい。一般に、活性成分は、滅菌状態で、薬学的に許容される担体、および/または、任意の必要とされる防腐剤、および/または、必要な場合の緩衝剤と混合される。さらに本発明は、身体への活性成分の制御された送達の提供という付加的利点をしばしば有する経皮貼付剤の使用を企図している。そのような剤形は、例えば、適当な媒体に活性成分を溶解および/または調剤することにより調製することができる。代替としてまたはその上に、速度は、速度制御膜を準備する、および/または、ポリマーマトリクスおよび/またはゲル中に活性成分を分散させるかのどちらかによって、制御することができる。経皮投与用の例示の担体は、ジメチルスルホキシド、HRT(ホルモン補充療法)基剤、プルロニック(商標)レシチンオルガノゲル、Lipoderm(登録商標)、Vanpen(登録商標)、Aladerm(登録商標)、および無水ゲルを含む。
【0267】
本明細書に記載される医薬品組成物の皮内送達で使用される適切な装置は、米国特許第4,886,499号、第5,190,521号、第5,328,483号、第5,527,288号、第4,270,537号、第5,015,235号、第5,141,496号、および第5,417,662号に記載されているものなどの短い針の装置を含む。皮内の組成物は、国際出願国際公開第99/34850号およびその機能的な均等物において記載されていたものなどの、皮膚中への針の有効な貫通長さを限定する装置によって投与することができる。液体ジェット注射器を介しておよび/または角質層を貫通する針を介して真皮に液体ワクチン剤を送達し、真皮に到達するジェットを生じるジェット注射装置が適切である。ジェット注射装置は、例えば、米国特許第5,480,381号、第5,599,302号、第5,334,144号、第5,993,412号、第5,649,912号、第5,569,189号、第5,704,911号、第5,383,851号、第5,893,397号、第5,466,220号、第5,339,163号、第5,312,335号、第5,503,627号、第5,064,413号、第5,520,639号、第4,596,556号、第4,790,824号、第4,941,880号、第4,940,460号、ならびに国際出願国際公開第97/37705号、および国際公開第97/13537号に記載されている。圧縮ガスを使用して粉末形態のワクチンを皮膚の外層に通して真皮まで加速する衝撃的散剤/粒子送達装置は、適している。代替としてまたはその上に、従来の注射器は、皮内投与の古典的マントー法で使用することができる。
【0268】
局所投与に適切な製剤は、リニメント剤、ローション剤などの液体および/または半液体の調製品、クリーム剤、軟膏剤、および/またはパスタ剤などの水中油型および/または油中水型乳剤、および/または溶液、および/または懸濁液を含むがこれらに限定されない。局所投与可能な製剤は、例えば、約0.3%から約10%(w/w)または(w/v)の活性成分を含むことができるが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度と同じ程度であってもよい。局所投与のための製剤は、本明細書に記載される1種または複数の追加の成分をさらに含むことができる。
【0269】
医薬品組成物は、口腔を介する経肺投与に適切な製剤に調製および/または包装、販売することができる。そのような製剤は、活性成分を含み、約0.5から約7ナノメートル、または約1から約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含んでもよい。そのような組成物は、好都合には、噴射剤の流れを導き粉末を分散させる乾燥粉末貯蔵器を備える装置を使用する、および/または密封容器中の低沸点噴射剤に溶解および/または懸濁した活性成分を含む装置などの自己噴射性溶媒/粉末分注容器を使用する投与のための乾燥散剤の形態をしている。そのような粉末は、その少なくとも98重量%が0.5ナノメートルを超える直径を有し、個数で少なくともその95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。代替として、粒子の少なくとも95重量%は、1ナノメートルを超える直径を有し、個数で粒子の少なくともその90%は、6ナノメートル未満の直径を有している。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉希釈剤を含んでもよく、好都合には単位用量形態で提供される。
【0270】
低沸点噴射剤は、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般に、噴射剤は、組成物の50から99.9%(w/w)で構成されてもよく、活性成分は、組成物の0.1から20%(w/w)で構成されてもよい。噴射剤は、液体非イオン性、および/または、固体陰イオン界面活性剤、および/または、固体希釈剤(これは活性成分を含む粒子と同程度の粒子の大きさを有していてもよい)などの追加の成分をさらに含むことができる。
【0271】
肺送達のために製剤化される医薬品組成物は、溶液および/または懸濁液の小滴の形態で活性成分を提供することができる。そのような製剤は、活性成分を含み、場合によって無菌の、水性および/または希薄なアルコール系溶液および/または懸濁液として調製、包装、および/または販売することができ、好都合には、任意の噴霧化および/または微粒化装置を使用して投与することができる。そのような製剤は、サッカリンナトリウムなどの調味料、揮発性油剤、緩衝剤、界面活性剤、および/または、オキシ安息香酸メチルなどの防腐剤を含むがこれらに限定されない1種または複数の追加の成分をさらに含む。この投与経路によって得られる小滴は、約0.1から約200ナノメートルの範囲の平均直径を有し得る。
【0272】
肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、本発明の医薬品組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適切な別の製剤は、活性成分を含み、約0.2から500マイクロメートルの平均粒子を有する粗い粉末である。鼻近くに保持された粉末の容器から鼻通路に通す高速の吸入によって投与される鼻の投与に適切なそのような製剤は、例えば、わずか約0.1%(w/w)から100%(w/w)もの活性成分を含むことができ、本明細書に記載される1種または複数の追加の成分を含んでもよい。本発明の医薬品組成物は、口腔内投与に適切な製剤で調製、包装および/または販売することができる。そのような製剤は、例えば、従来法を使用して製造される錠剤および/またはロゼンジの形態をしていてもよく、例えば、0.1から20%(w/w)の活性成分を含み、残部は、経口的に溶解可能なおよび/または分解性の組成物、ならびに、場合によって、本明細書に記載される1種または複数の追加の成分を含んでいてよい。あるいは、口腔内投与に適切な製剤は、活性成分を含む粉末、および/または、アエロゾル化および/または微粒子化溶液、および/または懸濁液を含んでもよい。そのような粉末化、アエロゾル化、および/またはアエロゾル化した製剤は、分散した場合、約0.1から約200ナノメートルの範囲の粒子および/または小滴の平均サイズを有することができ、本明細書に記載される1種または複数の追加の成分をさらに含むことができる。
【0273】
本発明の医薬品組成物は、眼の投与に適切な製剤で調製、包装および/または販売することができる。例えば、そのような製剤は、例えば、水性または油性液体担体中の0.1/1.0%(w/w)の活性成分の溶液および/または懸濁液を含む目薬の形態をしていてもよい。そのような液滴は、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載される1種または複数の追加の他の成分をさらに含むことができる。有用な他の眼に投与可能な製剤は、微晶質形態および/またはリポソーム調製品中に活性成分を含むものを含む。点耳液、および/または目薬は、本発明の範囲内として企図される。
【0274】
本明細書において提供される医薬品組成物の記載は、主にヒトに対する投与に適切な医薬品組成物を対象としているが、そのような組成物がすべての種類の動物に対する投与に一般に適切であることは当業者によって理解されている。組成物を様々な動物への投与に対して適切なものにするためにヒトへの投与に適切な医薬品組成物を修正することはよく理解されており、獣医学的薬理学の当業者は、通常の実験を用いてそのような修正を設計および/または実施することができる。医薬品組成物の製剤および/または製造において考慮すべき点は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005に見出すことができる。
【0275】
本明細書に記載される化合物および使用の説明書を含むキットが、本発明によってなおさらに包含される。提供されるキットは、提供される組成物および容器(例えば、バイアル、アンプル、瓶、注射器、および/または、ディスペンサー包装、または他の適切な容器)を含んでもよい。幾つかの実施形態において、提供されるキットは、対象に投与する調製品のために提供される組成物の希釈または懸濁に適切な水性担体を含む第2の容器を場合によってさらに含む。幾つかの実施形態において、提供される製剤容器および溶媒容器の内容物は、混ぜ合せて少なくとも1つの単位剤形を形成する。
【0276】
活性成分は、治療に有効な任意の量、および任意の投与経路を使用して投与することができる。必要とされる正確な量は、種、年齢、および対象の全体的な症状、感染症の重症度、特定の組成物、投与の様式、活性の様式などに応じて対象毎に変動する。
【0277】
活性成分は、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために単位剤形で通常製剤化される。しかし、本発明の組成物の毎日の合計使用量が正しい医学判断の範囲内で主治医によって決定されることは理解されている。特定の対象の具体的な治療上有効な用量レベルは、治療されている症状および症状の重症度;用いられる特定の活性成分の活性;用いられる特定組成;対象の年齢、体重、健康状態、性別および食事制限;投与の時間、投与経路、および用いられる特定の活性成分の排泄の速度;治療の継続時間;用いられる特定の活性成分と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;ならびに医学分野において周知の同様な因子を含む様々な因子に依存する。
【0278】
活性成分は、経腸(例えば経口、直腸)、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、鞘内、皮下、脳室内、皮内)、および局所投与(例えば、経皮、経粘膜)を含む任意の経路によって投与することができる。
【0279】
特定の実施形態において、活性成分は全身投与される。本明細書において使用される場合、「全身投与」または「全身投与すること」、または「全身的な作用」は、経腸、非経口、または局所(例えば経皮)投与による対象への投与を意味し、それによってその活性成分または活性代謝物は、血流中で治療上有効な濃度に到達し、ある時間の間維持する。全身的な作用は、例えば実施例1で示されるような様々な方法で、局所作用から識別可能であり、全身的な作用は、対象の身体の処置された領域、未処置の領域のいずれにおいても脂肪の低減を示す。
【0280】
特定の実施形態において、「全身投与」または「全身投与すること」、または「全身的な作用」は、対象に対する活性成分の投与を指し、それによって活性成分またはその活性代謝物は、血流中で治療上有効な濃度に到達し、少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも15時間、少なくとも24時間、4時間から24時間の間、8時間から24時間の間、10時間から24時間の間、または15時間から24時間の間、維持する。特定の実施形態において、投与は経皮投与である。何らかの特定の理論によって束縛されることは欲しないが、活性成分が血流から急速に排出されても(例えば、ラタノプロストは約17分の血清排出半減期を有する)、経皮投与は蓄積効果を与えることができ、それによって皮膚への単回の適用は、結果的に活性成分の血流中への緩やかな放出をもたらすことができ、それによって血流中にさらなる持続治療上で有効な濃度を生じる。時間放出製剤または連続的な静脈注入(IV)などの他の製剤または技法は、活性成分のこの所望の緩やかな放出を他の投与経路によって可能にすることができる。
【0281】
特定の実施形態において、活性成分は、毎日2回、毎日1回、3日毎に1回、または少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月に1回、1週間から6か月の間、2週間から6か月の間、1か月から6か月の間、2か月から6か月の間、3か月から6か月の間、4か月から6か月の間、または5か月から6か月の間で1回、対象に投与される。特定の実施形態において、投与は経皮投与である。特定の実施形態において、活性成分は毎日1回経皮投与される。
【0282】
治療有効量を達成するのに必要とする正確な量の活性成分は、例えば、対象の種、年齢、および全体的な症状、特定の化合物(複数可)の副作用または障害の重症度、同一性、投与の様式などに応じて対象毎に変動する。所望の投薬量は、1日3回、
1日2回、1日1回、1日おき、3日毎、1週間毎、2週間毎、3週間毎、または4週間毎に送達することができる。特定の実施形態において、所望の投薬量は、多重投与を使用して送達することができる。(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回以上の投与)。添付の実施例において示されるように、対象に対する毎日の投与は、所望の効果を達成するのに十分である場合がある(しかし、必ずしも好ましくない)。日々の投与計画表は、ヒトの使用に都合がよいと考えられる。対象は、繰り返し特殊な装置または訓練なしで活性成分を彼自身または彼女自身に投与することができるが、医学専門家もまた対象に活性成分を投与することもできる。
【0283】
本明細書に記載される用量範囲が、提供される医薬品組成物の成人に対する投与のための手引を提供することは理解されるであろう。例えば、子どもまたは青年に投与される量は、医師または当業者が求めることができ、成人に投与される量より低いか、または同じであってもよい。
【0284】
特定の実施形態において、化合物の治療上有効な濃度は、約50 pg/mlから1000pg/mlまで、例えば50pg/mlを超える、60pg/mlを超える、70pg/mlを超える、80pg/mlを超える、90pg/mlを超える、100pg/mlを超える、150pg/mlを超える、200pg/mlを超える、250pg/mlを超える、300pg/mlを超える、350pg/mlを超える、400pg/mlを超える、450pg/mlを超える、500pg/mlを超える、550pg/mlを超える、600pg/mlを超える、650pg/mlを超える、700pg/mlを超える、750pg/mlを超える、800pg/mlを超える、850pg/mlを超える、900pg/mlを超える、950pg/mlを超える範囲である。本発明はかなりの量の化合物またはその活性代謝物、例えば遊離酸が、全身に、すなわち血液中に現われることを企図している。しかし、その濃度は、投与間隔の全体にわたってこの範囲に必ずしも維持されず、投与間隔の間変動し得る。
【0285】
特定の実施形態において、化合物は、例えば、経口的に、皮下に、または静脈内に、24時間に約0.5mgから24時間に約50mgまでの間の、例えば、24時間に、約0.5mgから約40mgまでの間の、約0.5mgから約30mgまでの間の、約0.5mgから約20mgまでの間の、約0.5mgから約10mgまでの間の、約0.5mgから約5mgまでの間の、約1mgから約50mgまでの間の、約10mgから約50mgまでの間の、約15mgから約50mgまでの間の、約20mgから約50mgまでの間の、約30mgから約50mgまでの間の、約40mgから約50mgまでの間の用量で、投与される。
【0286】
特定の実施形態において、化合物は、24時間に約3mgから24時間に約50mgまでの間で、例えば、24時間に、約3mgから約40mgまでの間の、約3mgから約30mgまでの間の、約3mgから約20mgまでの間の、約3mgから約10mgまでの間の、約3mgから約5mgまでの間の、約5mgから約50mgまでの間の、約10mgから約50mgまでの間の、約20mgから約50mgまでの間の、約30mgから約50mgまでの間の、または約40mgから約50mgまでの間の用量で例えば、皮膚に投与される。
【0287】
特定の実施形態において、化合物は、例えば、皮膚に投与され、1時間当たり約0.05mgから約2mgまでの間の、例えば、1時間当たり、約0.1mgから約2mgまでの間の、約0.5mgから約2mgまでの間の、約1mgから約2mgまでの間の用量が、対象の血流に送達される。
【0288】
特定の実施形態において、化合物は、経皮貼布またはゲルによって皮膚に投与される。
【0289】
特定の実施形態において、組成物は、全身的な作用を達成するために約0.3%(w/v)以上の活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、または10.0%(w/v)を超える活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で約0.4%から約10%までの間を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で約0.4%から約2%までの間を含む。
【0290】
特定の実施形態において、皮膚への適用のための組成物は、全身的な作用を達成するために約0.3%(w/v)以上の活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、または10.0%(w/v)を超える活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で約0.4%から約10%までの間を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で約0.4%から約2%までの間を含む。
【0291】
特定の実施形態において、皮下注射用の組成物は、全身的な作用を達成するために0.05%(w/v)以上の活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、0.1%、0.3%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、または10.0%(w/v)を超える活性成分を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で0.4%から約10%までの間を含む。特定の実施形態において、組成物は、体積当たり重量で約0.4%から約2%の間を含む。
【0292】
特定の実施形態において、化合物は、24時間に、約0.5mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の、例えば約0.5mg/m
2/dから約40mg/m
2/dまでの間の、約0.5mg/m
2/dから約30mg/m
2/dまでの間の、約0.5mg/m
2/dから約20mg/m
2/dまでの間の、約0.5mg/m
2/dから約10mg/m
2/dまでの間の、約0.5mg/m
2/dから約5mg/m
2/dまでの間の、約0.5mg/m
2/dから約4mg/m
2/dまでの間の、約1mg/m
2/dから約5mg/m
2/dまでの間の、約2mg/m
2/dから約5mg/m
2/dまでの間の、約3mg/m
2/dから約5mg/m
2/dまでの間の、約3mg/m
2/dから約4mg/m
2/dまでの間の、約5mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の、約10mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の、約20mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の、約30mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の、または約40mg/m
2/dから約50mg/m
2/dまでの間の用量で投与される。
【0293】
より強力な化合物がそれほど強力でない化合物より低い投薬量で投与されてもよいことは理解される。例えば、実施例3において示されるように、約3.7mg/m
2/dのラタノプロストの用量は全身療法として許容することができるが、より強力な化合物については、全身的な用量はより低くてもよい。
【0294】
また、活性成分が1種または複数の追加の治療上活性な薬剤(「薬剤」または「活性な薬剤」)と組み合わせて投与することができることは理解される。化合物または組成物は、1種または複数の追加の薬剤と同時に、以前に、または、後に続いて投与することができる。一般に、活性成分および各追加の活性な薬剤は、その成分および薬剤のために決定される用量および/または時間計画表で投与される。さらに、この組み合わせで使用される活性成分および活性な薬剤は、単一組成で一緒に投与するか、または、異なる組成物で別々に投与することができることが理解される。レジメンに用いる特定の組み合わせは、活性な薬剤との活性成分の適合性、および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れる。一般に、組み合わせて使用される追加の活性な薬剤は、個々に使用されるレベルを超えないレベルで使用されることが期待される。幾つかの実施形態において、組み合わせて使用されるレベルは、個々に使用されたレベルより低くなる。
【0295】
活性成分は、その生物学的利用能を改善する、その代謝を低減および/または変更する、その排泄を抑制する、および/または、身体内のその分布を変更する活性な薬剤と組み合わせて投与することができる。また、用いられる療法は、同一の障害に対して所望の作用を達成することができ(例えば、活性成分は抗炎症剤および/または抗鬱剤などと組み合わせて投与することができる)、および/または、異なる作用(例えば有害な副作用の抑制)を達成することができることが理解される。
【0296】
例示の活性な薬剤は、抗肥満剤、ステロイド剤、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、ホルモン、プロスタグランジン、プロゲステロン製剤、抗緑内障剤、眼科の薬剤、利尿薬、心臓血管の活性な薬剤、血管作用薬、血管拡張剤、抗昇圧薬、脈管形成剤、または細胞細胞外マトリックス相互作用のモジュレーター(例えば細胞成長抑制剤および抗接着分子)を含むがこれらに限定されない。活性な薬剤は、薬物化合物などの有機小分子(例えば連邦施行規則集(CFR)で提供される食品医薬品局によって承認された化合物)、
ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖、多糖類、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンおよび細胞を含む。
代謝症候群に関連した障害を治療する方法
【0297】
一態様において、本発明は、式(I)または(II)の化合物を対象に投与することを含む、それを必要とする*nedd対象の代謝症候群または代謝症候群に関連した障害を治療および/または予防する方法を提供する。
【0298】
本方法は、何らかの企図された全身的な経路によって、対象の代謝症候群または代謝症候群に関連した障害を治療および/または予防するのに十分な量で1種もしくは複数の式(I)または(II)の化合物を対象に投与することを包含する。特定の実施形態において、化合物は、対象に経皮的に全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に経口で全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に非経口的に全身投与される。
【0299】
幾つかの実施形態において、代謝症候群に関連した障害は、本明細書に記載される肥満症、異脂肪血症、および糖尿病症状からなる群から選択される。
肥満症を治療する方法
【0300】
この態様において、本発明は、1種もしくは複数の式(I)または(II)の化合物をその必要性のある対象に投与することを含む、対象の肥満症を治療および/または予防する方法を提供する。
【0301】
本方法は、何らかの企図された全身的な経路によって1種もしくは複数の式(I)または(II)の化合物を対象の肥満症を治療および/または予防するのに十分な量で、対象に投与することを包含する。特定の実施形態において、化合物は、対象に経皮的に全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に経口で全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に非経口的に全身投与される。
【0302】
特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される1種または複数の化合物をその必要性のある対象に全身投与することを含む、対象の脂肪細胞を低減する方法を提供する。対象における脂肪細胞の低減は、体積、大きさ、質量、嵩、密度、量、および/または、分量のうちの少なくとも1つで測定される、脂肪細胞量(例えば、脂肪細胞の数など)の低減、脂肪細胞体積の低減、脂肪細胞形成の低減、脂肪細胞成熟度の低減、脂肪細胞の脱分化、および/または脂肪細胞の死の誘発(例えば細胞死によるなどの)を含むがこれらに限定されない。特定の実施形態において、脂肪細胞を低減する方法は、75%以上、70%以上、60%以上、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、または5%以上の、対象における脂肪細胞量の低減、脂肪細胞体積の低減、脂肪細胞形成の低減、脂肪細胞成熟度の低減を含む。肥満症の治療は、体重の低減または肥満度指数(BMI)の低減を含んでもよい。本発明は、75%以上、70%以上、60%以上、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、または5%以上、体重を低減すると予想される。
【0303】
肥満症の治療は、体積、大きさ、質量、嵩、密度、量、および/または、分量のうちの少なくとも1つで測定される、体脂肪を低減することを含むことができる。体脂肪は、皮脂厚計、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)、コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、または当業界で公知の他の適切な方法によって測定することができる。その測定は、総体脂肪、または身体の特定の部分の体脂肪のみであってもよい。脂肪低減はまた、脂肪細胞量(例えば、脂肪細胞の数)の低減、脂肪細胞体積の低減、脂肪細胞成熟度の低減および/または脂肪細胞の脱分化を含むことができる。これらの現象は、例えば、体脂肪の組織学的検査によって見え、測定することができる。
【0304】
本発明は、75%以上、70%以上、60%以上、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、または5%以上、脂肪を低減すると予想される。
【0305】
特定の実施形態において、対象は太り過ぎである。「太り過ぎ」は、医学症状であり、対象のBMIによって定義される。25以上のBMIを有する対象は、太り過ぎであると考えられる。太り過ぎの対象は、前肥満の対象(例えば、25から30のBMIを有する)および肥満の対象(例えば、30以上のBMIを有する)を包含する。本発明の幾つかの実施形態において、「肥満症」を治療または予防するために使用される方法または組成物は、「太り過ぎ」または「前肥満症」を治療または予防するのと同様に使用することができる。
【0306】
特定の実施形態において、太り過ぎの対象は肥満であり、肥満症に罹っている。
35から40までの間のBMIを有する対象は、「非常に肥満である」と考えられ、「重篤な肥満症」に罹っている。40から45までの間のBMIを有する対象は、「病的に肥満である」と考えられ、「病的肥満」に罹っている。45以上のBMIを有する対象は、「過度に肥満である」と考えられ、「過度の肥満症」に罹っている。
【0307】
特定の実施形態において、対象は、投薬(例えば、コルチゾールおよび類似体、他のコルチコステロイド、メゲース、スルホニル尿素、抗レトロウイルス剤、抗鬱薬、モノアミン酸化酵素阻害薬、選択的セロトニン再吸収阻害薬、経口避妊薬、インスリンまたはインスリンの形態、リスペリドン、クロザピン、および チアゾリジンジオン)の副作用として肥満症を有している。
【0308】
特定の実施形態において、対象は、ホルモン状態(例えば、妊娠または閉経などの生理的な変化の結果として)の変化による肥満症を有している。
【0309】
特定の実施形態において、肥満症を有する対象は禁煙を経験したか、または最近経験している。
【0310】
特定の実施形態において、肥満症を有する対象はまた、下記に罹っているか、またはおそらく罹る。糖尿病、高血圧症、高脂血症、冠動脈疾患、卒中、睡眠無呼吸、胆嚢疾患、胃食道*gastroesophageal逆流疾患、脂肪肝疾患、痛風、血栓塞栓症、高い血圧、高い血糖、高い血清コレステロール、高い血清尿酸、癌(例えば、特に多重脂肪腫瘍がある場合、乳癌、結腸癌、脂肪腫、脂肪腫瘍)、または少なくとも一部過剰体脂肪を特徴とした遺伝病または病状(例えば、クッシング症候群、偽クッシング症候群、薬剤性肥満症、HIV関連リポジストロフィ、部分的*particalリポジストロフィ、良性の対称性脂肪腫症、マーデルング病、甲状腺機能低下症、偽性上皮小体機能低下症、視床下部性肥満症、多嚢胞卵巣、鬱病、過食症、プラーダー・ヴィリ症候群、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、ダウン症候群、ターナー症候群、成長ホルモン欠乏症、成長ホルモン抵抗性、およびレプチン欠如または、抵抗性)。本発明は、記載の本発明の方法のいずれかを使用するそのような任意の疾患、障害、または症状を治療することを企図している。
【0311】
特定の実施形態において、対象は太り過ぎではない。例えば、対象の肥満症を治療するのに有用であるのみでなく、太り過ぎでないが、なお除脂肪体重と総*toal体重との比率を増加させることを望む対象を治療するのにも有用である、対象の体脂肪を低減する方法が企図されている。
【0312】
特定の実施形態において、対象は代謝症候群に罹っていない。
【0313】
特定の実施形態において、本発明の方法は、脂肪細胞関連の疾患を治療または予防するのに有用である。本明細書において使用される場合、「脂肪細胞関連疾患」は以下の疾患を意味する:(i)脂肪細胞の低減が、対象が罹っている疾患、障害、または症状を治療する疾患;または(ii)脂肪細胞および/またはその分子産生物、例えば、分泌されるタンパク質、例えば、アディポネクチン、レジスチン、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、インターロイキン6(IL−6)、C−反応性タンパク質(CRP)、フィブリノーゲン、プラスミノゲン活性化因子インヒビター−1(PAI−1)、および/または、C末端結合タンパク質(CtBP)を含むメカニズムの疾患。例示の脂肪細胞関連の疾患は、代謝症候群、過剰体脂肪(例えば、太り過ぎ、肥満症であること)、異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、アテローム性動脈硬化症、血管疾患、冠動脈疾患、卒中、脳血管疾患、末梢血管疾患、脂肪肝、膵臓炎、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症を含むがこれらに限定されない。特定の実施形態において、脂肪細胞関連疾患は、代謝症候群、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、肝疾患、アテローム性動脈硬化症、脂肪肝疾患、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症からなる群から選択される。特定の実施形態において、脂肪細胞関連の疾患の治療は、肉眼で見えるより微視的な、または局所的ではなく拡散した脂肪細胞の低減によって達成することができる。
異脂肪血症を治療する方法
【0314】
別の態様において、1種または複数の式(I)または(II)の化合物を対象に投与することを含む、その必要性のある対象の異脂肪血症を治療および/または予防する方法が提供される。
【0315】
本方法は、1種もしくは複数の化合物式(I)または(II)を対象の異脂肪血症を治療および/または予防するのに十分な量で、企図された*contempated任意の経路によって対象に投与することを包含する。特定の実施形態において、化合物は、対象に経皮的に全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に経口で全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に非経口的に全身投与される。
【0316】
血液中の脂質またはリポタンパク質の濃度が異常に高い(例えば、高い血清トリグリセリド、高いLDL)特定の実施形態において、本方法は、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、および/または5%以上、その濃度を低減する。
【0317】
血液中の脂質またはリポタンパク質の濃度が異常に低い(例えば、低いHDL)特定の実施形態において、本方法は、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、および/または5%以上、その濃度を増加させる。
【0318】
特定の実施形態において、異脂肪血症の治療は、次の1つまたは複数を含む:血清トリグリセリドの低減、血清総コレステロールの低減、血清LDLの低減、および/または血清HDLの増加。特定の実施形態において、対象は、異脂肪血症に関連した疾患、障害、または症状に罹っているか、または罹る恐れがある。特定の実施形態において、対象は、異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、1つまたは複数の異常な血清脂質値(例えば、家族性高コレステロール血症、家族性高トリグリセリド血症)を少なくとも一部特徴とした遺伝性障害、過剰体脂肪(例えば、太り過ぎ、肥満症)、代謝症候群、血管疾患、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、卒中、脳血管疾患、末梢血管疾患、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、脂肪肝疾患、肝線維症、膵臓炎、炎症または炎症性疾患、鬱病、および痴呆症からなる群から選択される疾患、障害または症状に罹っているか、または罹る恐れがある。
【0319】
特定の実施形態において、対象は代謝症候群に罹っていない。
糖尿病症状を治療する方法
【0320】
別の態様において、1種または複数の式(I)または(II)の化合物を対象に投与することを含む、その必要性のある対象の糖尿病症状を治療および/または予防する方法が提供される。
【0321】
本方法は、企図された任意の全身的な経路によって対象の糖尿病症状を治療および/または予防するのに十分な量で1種または複数の式(I)または(II)の化合物を対象に投与することを包含する。特定の実施形態において、化合物は、対象に経皮的に全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に経口で全身投与される。特定の実施形態において、化合物は、対象に非経口的に全身投与される。
【0322】
特定の実施形態において、糖尿病症状の治療は、次の1つまたは複数を含む:血清ブドウ糖の低減、糖化ヘモグロビン値の低減、血清インスリンの低減、インスリン感受性の増加、耐糖能(例えば耐糖試験中に測定されるブドウ糖値の低減)の改善、別の投薬(例えば、インスリン)が正常な血糖値を維持する対象の必要性の低減、および/または糖尿病合併症の治療または予防。
【0323】
特定の実施形態において、本方法は、血清ブドウ糖濃度、糖化ヘモグロビン濃度、血清インスリン濃度、投薬必要条件(例えば、インスリン必要条件)、および/または、糖尿病合併症の発生または重症度を、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、15%以上、10%以上、および/または5%以上、低減する。
【0324】
特定の実施形態において、対象は、2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病前症、高血糖、インスリン抵抗性、高インスリン血症、糖尿病腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、卒中、心筋虚血、心筋梗塞、糖尿病性心筋小血管病、糖尿病性胃不全麻痺、糖尿病性聴力損失、糖尿病性皮膚疾患、糖尿病関連感染症、糖尿病性口腔疾患(例えば、歯肉炎)、糖尿病性アシドーシス(例えば、糖尿病性ケトアシドーシス)、非ケトン性高浸透圧*hypersosmolar状態、昏睡、および糖尿病性足部潰瘍からなる群から選択される疾患、障害または症状に罹っているか、または罹る恐れがある。
【0325】
特定の実施形態において、対象は代謝症候群に罹っていない。
組成物および化合物の他の使用
【0326】
脂肪、脂肪細胞および脂質の濃度を低減する本明細書において開示される化合物の能力、ならびに、これらの種類の代謝経路および疾患(例えば代謝症候群の一部として)との関係を仮定するならば、本明細書に記載される化合物、組成物、および方法は、身体中の以下の1つまたは複数の臨床的なパラメーターを低減するのに使用することができることがさらに想定される。血清ブドウ糖濃度、糖化ヘモグロビン濃度(すなわち、ヘモグロビンA1C、「HbA1c」)、循環インスリン濃度、血清尿酸塩濃度、肝臓血清バイオマーカー、例えばトランスアミナーゼの濃度(複数可)、および膵臓関連の血清バイオマーカー、例えばアミラーゼ、リパーゼの濃度。本明細書において使用される場合、用語「血清ブドウ糖濃度」は、血液中のブドウ糖の濃度の適切な任意の尺度を包含するように意図される。
【0327】
本明細書に記載される化合物、組成物、および方法は、インスリン(すなわち、インスリン抵抗性の治療)、またはレプチン(すなわち、レプチン欠如の治療)に対する個体の応答を改善するために使用することができることがさらに想定される。
実施例
【0328】
例えば、ブドウ糖または脂質の濃度の実験室的アッセイが特定のマトリックス、例えば血清を指す記載の全体にわたって、そのようなアッセイは、分析種に応じて、他のマトリックスまたは試料の種類(例えば、血漿)で、または比較可能な測定を与える他の技術(例えば、非侵襲的方法)を用いて行うことができることが理解されるべきである。
【0329】
組成物が特定要素を有する、含有するまたは含むと説明される、または、ここで、方法が特定成分を有する、含有するまたは含むと説明される記載の全体にわたって、本発明の組成物はまた、記述された要素から本質的になっていても、または、なっていてもよいこと、および、本発明の方法はまた、記述される加工ステップから本質的になっていても、または、なっていてもよいことが企図されている。さらに、本発明が実施可能である限り、ステップの順序または特定の行為を実施する順序が重要でないことは理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップまたは作用が同時に行われてもよい。
【0330】
前述の記載に照らして、以下に提示される具体的な非限定的実施例は、説明の目的のためであり、決して本発明の範囲を限定するようには意図されない。
実施例1
【0331】
無作為化、制御した、繰り返し用量の4週間の治験をレプチン受容体が不完全であるdb/dbマウス(Jackson Laboratories)で行った。これらのマウスは、遺伝子的に肥満で、異脂肪血症、および糖尿病である。
【0332】
方法:
マウスはJackson Laboratoriesから入手し、施設に順応させた。約5週齢で先を見越してマウスを群に無作為化し、
図1に示される処置条件に割当てた。局所処置を閉鎖包帯を用いずに薄いフィルムで右横腹皮膚に適用した。皮下注射も右横腹に施した。マウスは症状を観察し、毎日秤量した。これらは、群によって11のケージ中の同室に収容し、間断なく給餌した。皮膚組織を試料採取し、血清脂質は28日目に試験した。組織をホルマリン中に固定し、ヘマトキシリン−エオジンで染色した。
【0333】
結果:
動物は餌を食べ、調査の全体にわたって普通に振舞った。皮膚の症状は通常のままであった。群毎の0から28日の間の平均体重増加を
図2に示す。ビヒクルのみで処置した動物(群1および2)は、この系統として予想される量の体重増加を示した(Jackson Laboratoriesによる標準データ)。経皮のビマトプロストイソプロピルエステル(BIE)およびビマトプロスト遊離酸(BFA)は有意に用量に依存して体重増加を低減したが、局所のビマトプロストは低減しなかった。皮下のBIE、皮下のBFA、および腹腔内のBFAは、体重増加に対する有意な作用はなかった。
【0334】
図3は、ビヒクルのみ(群1)、局所のビマトプロスト0.3%(群4)、および局所のBIE0.3%(群11)に割当てた動物の未処置(左)、および処置した(右)横腹からの皮膚および皮下脂肪の代表的な組織学的断面図を示す。断面図はすべて、同一の倍率で示される(右上のスケールバー=640ミクロン)。皮膚の表面は各パネルの左上に向いている。各断面図中の矢印は、より深い下部皮下脂肪から皮下脂肪の第1層を分離する解剖学的層である皮幹筋を示す。(分離の人為的な跡が共通して組織層に深く見られ、これはインビボプロセスではない)。
【0335】
ビヒクルのみで処置した動物(群1)において、皮膚と組織層の間の脂肪層は、およそ10の擬似層の膨らんた脂肪細胞を含み厚かった。
【0336】
局所のビマトプロスト0.3%で処置した動物において、より小さい脂肪細胞およびより薄い脂肪層が右(処置した)の横腹で見られたが、左(未処置)の横腹では見えなかった。未処置の横腹は、厚い脂肪層および膨らんた脂肪細胞を有するビヒクルで処置した動物のそれと類似していた。この観察は、0.3%までの濃度の局所のビマトプロストから、局部作用と矛盾しないが、全身的な作用ではない。
【0337】
局所のBIE0.3%で処置した動物において、より小さい脂肪細胞およびより薄い脂肪細胞層が処置、および未処置両方の横腹で見られた。作用は対称的であり、全身的な作用であることを示している。ビヒクルまたはビマトプロスト0.3%で処置した動物とは対照的に、BIE0.3%で処置した動物はまた、脈管構造により近い組織層(各パネルの下方)まで深く、脂肪細胞の著しい収縮を示した。これもまた、全身的な作用を示している。
【0338】
図4は、対照(群1)に対して低減パーセントとして表現した各群(28日目)の平均摂食時血清脂質濃度を示す。
図5は、局所的処置条件に対するトリグリセリドおよび総コレステロール(mg/dl)の結果を以下のように示す。群1=C、3=D、4=E、5=F、6=G、10=H、11=I。
【0339】
トリグリセリドは、経皮のBFA(0.1%または0.3%)で処置した動物において有意に低減し、経皮のBIE(0.1%または0.3%)で処置したものはさらに低減した。総コレステロールは、経皮のBIE0.1%で処置した動物において有意により低かった。局所のビマトプロストは、血清脂質に有意な作用がなかった。皮下のBIE、皮下のBFA、および腹腔内のBFAは、血清脂質に有意な作用がなかった。
【0340】
したがって肥満症および異脂肪血症のマウスモデルにおいて、前述の結果は、BIEおよびBFA(ビマトプロストを除き)の経皮投与の後、体重増加および血清脂質の低減を示す。組織構造は、試験濃度でのBIEの全身的な作用を示したが、同一濃度のビマトプロストでは見られなかった。したがって、脂肪組織は局部的な積極的処置(例えば、局所のビマトプロスト0.3%による)によって低減したが、血清脂質および全体の体重における有意な低減は、全身での積極的処置(例えば、局所のBIE0.3%)でのみ起こるように思われた。
【0341】
上記の各作用について、経皮のBIEは経皮のBFAより強力であった。いずれの化合物の皮下投与も腹腔内投与のいずれも、化合物がシステムから速やかに代謝され追い出されるために有意な効果がなかった。経皮投与は、より長い時間にわたって(例えば、投与間隔にわたって)化合物のより緩やかな曝露を可能にするように思われる。これらの化合物の皮下および腹腔内投与のための時間放出性製剤は、経皮投与と同様の全身的な作用を付与するものとして企図される。
実施例2
【0342】
レプチン受容体が不完全で、肥満、高脂血症、および糖尿病であるZucker Diabetic Fatty (ZDF)ラット(ZDFLepr
fa/Crl)において、制御した、繰り返し用量の、4週間の、ラタノプロストの経皮用クリーム剤の用量範囲の調査を行った。
【0343】
方法:およそ8週齢のオスのZDFラットをJackson Laboratoriesから入手し、施設に順応させた。これらは、先を見越して
図6に示される処置条件に割当てた。処置群当たり3匹の動物があった。被験物質は、28日間0.3mlで薄いフィルムに閉鎖包帯なしで右の横腹に毎日適用した。ラットは間断なく給餌し、群によって4つのケージの同屋に収容した。これらは症状を観察し、毎日秤量した。食料消費は餌の残量によって測定した。動物は、29日目前の終夜、絶食させ、29日目に経口ブドウ糖負荷試験(kg体重当たり1gのブドウ糖)を行った。皮膚組織および血清化学試料を29日目に採取した。
【0344】
結果:毎日の観察および皮膚の症状には特徴がなかった。処置条件間で摂食量の差異はなかった。
図7は0から29日目の間の群毎の平均体重増加を示す。ビヒクルと比較して、局所のラタノプロスト0.5%、0.05%、0.005%は、0.5%および0.05%の濃度で統計的に有意である体重増加において用量依存性の低減を引き起こした。
【0345】
図8は、ビヒクルのみ(群1)、ラタノプロスト0.005%(群2)、およびラタノプロスト0.5%(群4)に割当てた、未処置(左)、および処置した(右)動物の横腹からの皮膚および皮下脂肪の代表的な組織学断面図を示す。断面図はすべて同一の倍率で示される(右上のスケールバー=500ミクロン)。皮膚の表面は各パネルの上に向いている。
【0346】
ビヒクルのみで処置した動物(群1)において、皮下脂肪組織は、幾つかの擬似層の膨らんた脂肪細胞からなり、これは真皮網状層へ延び、皮筋と共に散在しているのが時折見られた。真皮は厚かった。
【0347】
ラタノプロスト0.005%で処置した動物において、右の(処置した)横腹ではより少数でより小さい脂肪細胞、およびより薄い脂肪層が見られた。脂肪細胞は真皮と共には散在せず、真皮はビヒクルのみの動物においてよりも薄かった。未処置の(左)横腹は、厚い脂肪層および充満した脂肪細胞を有するビヒクル処置した動物と類似していた。この観察は、0.005%の濃度の局所のラタノプロストから、局所作用と一致するが、全身的な作用ではない。
【0348】
局所のラタノプロスト0.5%で処置した動物において、より少数でより小さい脂肪細胞、およびより薄い脂肪層および真皮が、処置、未処理の横腹両方で見られた。作用は対称的であり、全身的な作用を示している。
【0349】
図9は、29日目に測定した群毎の血清脂質値のまとめである。ビヒクル処置した対照動物と比較して、ラタノプロストは、トリグリセリドおよびLDLの用量依存性の低減、ならびにHDLおよびHDL:LDL比の用量依存性の上昇に関連している。これらの利益は、0.5%および0.05%の濃度で見られ、0.005%の濃度では存在しなかった。試料の規模が小さいため、これらの差異は、ラタノプロスト0.5%対ビヒクルのHDL:LDL比(片側p<.05)を除いて統計的有意性に達しなかった。
【0350】
図10は、29日目の経口耐糖能試験の結果を示す。ラタノプロストは、0.5%および0.05%の濃度で見られた経口耐糖能において用量依存性の改善を引き起こした。(0.005%の濃度についての結果[示さず]は対照と同様であった。)。
図11に要約したように、ブドウ糖負荷後15から120分の血清ブドウ糖曲線下面積(AUC
15120)は、ラタノプロスト0.05%および0.5%で処置した動物において、ビヒクル処置した動物と比較して、それぞれ12%および26%低かった。ラタノプロスト0.005%では経口耐糖能への作用はなかった。
【0351】
したがって、肥満症、異脂肪血症、および糖尿病のラットモデルにおいて、前述の結果は、0.5%および0.05%(0.005%を除き)の濃度でのラタノプロストの経皮投与後の、体重増加の低減、血清脂質の改善、および耐糖能の改善を示す。これらの作用は用量依存性であり、これらの作用の最小有効量は0.05%の濃度であると見なされた。
【0352】
組織構造は、ラタノプロスト0.5%の全身的な作用を示したが、ラタノプロスト0.005%では見られなかった。したがって、脂肪組織は局部的な積極的処置(例えば、局所のラタノプロスト0.005%による)によって低減したが、血清脂質および全体の体重の有意な低減は、全身での積極的処置(例えば、局所のラタノプロスト0.05%または0.5%)でのみ起こるように思われた。
実施例3
【0353】
図12は、マウス、ラットおよびヒトにおいてラタノプロストの様々な局所的な用量を、見積もった全身的な用量に関して、比較している。計算はすべて、毎日1回投薬および100%の血清生物学的利用能を仮定している。各用量の由来は、動物体重、薬物濃度、および薬物体積に基づいて述べている。結局、ほとんどの低分子量分子に適合するように、用量は、体表面積(mg/m
2/d)に比例しない尺度である。
【0354】
ラットにおいて、脂質、糖尿病および肥満症の低減に対する局所のラタノプロストの最小有効量は、0.5mg/ml(実施例2)と同等の、0.05%であるが、全身的な用量3.6mg/m
2/dに対応する。このことはマウス(実施例1)で確証され、血清脂質および肥満症は、ラタノプロストの近い類似体であるBIEに10mg/m
2/dの全身的な用量で応答した。BIEの最小有効量をマウスでは求めなかった。
【0355】
それにもかかわらず、ヒトにおいて、ヒトの眼の辺りの脂肪組織を局部的に低減するのに十分なラタノプロスト点眼薬(キサラタン(登録商標))の投与は、両眼が治療される場合、0.008mg/m
2/日、または0.016mg/m
2/日の非常に低い全身的な用量を必要としている。したがって、両眼が治療される場合、推奨されるヒトの眼の用量は、ラットにおける脂質および肥満低減のための最小有効量の450分の1である。
【0356】
理論によって束縛されることは決して欲しないが、ラットでのラタノプロストの最小有効量との比較によって、したがって、1日当たり約7mgのラタノプロストのヒトの経皮用量が、血清脂質、糖尿病症状、および/または、肥満症について全身的な利益を達成するのに十分であると予想される。これは、例えば、濃度0.7%(w/v)すなわち7mg/mlのラタノプロストを含む1mlの経皮ゲルの一日量として送達することができる。
実施例4
【0357】
以下の記載は、ヒトに対する経皮投与のためのラタノプロストゲルの医薬品組成物の調製品を例示する。
【0358】
適正製造基準(Good Manufacturing Practice)の下で製造された700mgの高純度ラタノプロスト粉末を、レシチン(約10ml)、およびパルミチン酸イソプロピル(約10ml)からなる20mlの有機相に完全に溶解する。この有機相に、あらかじめ摂氏*centrigrade4度に冷却しておいた、ポロキサマー407(約16〜24ml)および水(十分な量)からなる80mlの水相を徐々に混合する。適切な防腐剤(例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)が製剤に含まれている。この混合物は、ゲルを形成するまで室温で混合し、次いで混合物を軟膏ミルに通して加工する。約100mlのラタノプロストの経皮ゲルが、7mg/ml、すなわち0.7%の濃度で得られる。
実施例5
【0359】
以下の記載は、ヒトに対する経皮投与のためのラタノプロストクリーム剤の医薬品組成物の調製品を例示する。
【0360】
適正製造基準の下で製造した500mgの高純度ラタノプロスト粉末を5mlのエトキシジグリコールと乳鉢で混合し、パスタ剤を形成する。100mlのLipoderm base(登録商標)(PCCA、Houston、TX)を乳鉢に幾何級数的に添加する。ソルビン酸カリウムなどの適切な防腐剤を添加する。この混合物は電動乳鉢および乳棒に移動し、2rpmで2分間混合する。場合によっては、次に、軟膏ミルに通して、#2、次いで#1に設定して混合物を処理する。約100mlのラタノプロストの経皮クリーム剤が、5mg/mlすなわち0.5%の濃度で得られる。
実施例6
【0361】
以下の記載は、ヒトに対する経皮投与のためのラタノプロスト無水液体の医薬品組成物の調製品を例示する。
【0362】
適正製造基準の下で製造した630mgの高純度ラタノプロスト粉末を、ベンジルアルコール8.4ml、アセトン33.6ml、およびイソプロピルアルコールの十分な量と混合して84mlにする。液体は完全に混合する。約84mlのラタノプロストの経皮用液体が、7.5mg/mlすなわち0.75%の濃度で得られる。
実施例7
【0363】
以下の記載は、代謝症候群を有する人の肥満症、異脂肪血症、および2型糖尿病を治療するための本発明の臨床応用を例示する。
【0364】
52歳の人が肥満症、異脂肪血症、および2型糖尿病に罹っている。医学評価は、彼の身長が5フィート8インチ、および36.5(医学的に肥満)の肥満度指数(BMI)に相当する240ポンドの体重であることを示す。彼の腰部周囲は42インチである。彼の非侵入性の血圧は184/98である。彼の空腹時血清ブドウ糖は137g/dLであり、糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1C)は8.1である。空腹時血清脂質は以下の通りである。トリグリセリド220mg/dL、総コレステロール310mg/dL、LDL240mg/dL、HDL35mg/dL。彼の健康診断では著しい中央部(腹部)肥満症が顕著である。医薬療法に加えて、この人の主治医は、食事制限および運動のレジメンを推奨している。6か月後、この人の体重、ヘモグロビンA1C、血清ブドウ糖、および血清脂質は改善されていない。主治医は、例えば、用量計量式ディスペンサー0.7%の経皮ゲルラタノプロストを用いる全身的な療法を、肩の皮膚に毎日1回2mlの用量を計量して塗布する説明書と合わせて処方している。例えば1から6か月の時間の後、この人の体重は低減する。血清ブドウ糖、ヘモグロビンA1C、空腹時血清LDL、および空腹時血清トリグリセリドも縮小する。空腹時血清HDLは上昇する。
実施例8
【0365】
以下の記載は、冠動脈疾患および心筋梗塞の病歴を有する異脂肪血症の患者の脂質濃度を低減する本発明の臨床応用を例示する。
【0366】
肥満症、高脂血症、冠動脈疾患、および心筋梗塞の病歴のある67歳の女性は、スタチンの使用にもかかわらず血清トリグリセリド、総コレステロール、および低密度リポタンパク質が高いことがわかる。女性の主治医は、タフルプロストの経口の延長放出の製剤、例えば、5mgのタフルプロストを含む延長放出の錠剤を1個のカプセルを毎日経口でとる説明書と合わせて処方している。例えば1から6か月の時間の後、この女性の血清トリグリセリド、総コレステロール、および低密度リポタンパク質濃度は低減する。
体重も改善が見られる。
他の実施形態
【0367】
本明細書において引用された特許、特許出願、および参考文献はすべて、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0368】
前述のものは本発明のある非限定的な実施形態の記載である。この記載に対する、様々な変更および修正が、以下のクレームにおいて定義される本発明の趣旨または範囲から離れることなく行うことができることを当業者は理解している。