(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャリブレイション中に前記同調可能回路に信号を注入して、前記同調可能回路に共振を引き起こすように構成されたエネルギ回路をさらに備える、請求項1記載のレシーバ。
前記バラクタ設定を求めることは、前記ラジオ周波数調整信号を受信したことに応じて、前記所定のパラメータのデータを含む式を用いて前記バラクタ設定を算出することを含む、請求項8記載の方法。
前記制御器に接続されるとともに、前記バラクタのキャパシタンス値に対応する複数の値を格納するようにされているメモリをさらに備える、請求項14記載のデバイス。
前記制御器は、前記ラジオ周波数チャンネル選択を受信したことに応じて、前記複数の値の前記キャパシタンスを参照することによって、前記キャパシタンスを求める、請求項15記載のデバイス。
前記制御器は、2つの異なる周波数において共振するように前記バラクタを設定し、前記2つの異なる周波数における前記同調可能回路の出力を監視して、前記同調可能回路の実質的に固定されたパラメータを求めることによって、同調可能回路をキャリブレイトし、
前記制御器は、前記実質的に固定されたパラメータと前記ラジオ周波数チャンネル選択とに基づいて、前記バラクタの前記キャパシタンスを自動的に算出する、請求項14記載のデバイス。
前記制御器は、異なる動作モードからAM動作モードに前記レシーバ回路をスイッチする制御信号に応じて、前記同調可能回路をキャリブレイトする、請求項20記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、異なる図面で同じ符合を使用しているときは、同一又は類似のものを示している。
【0009】
実施形態の詳細な説明
同調された周波数を示すためのディスプレイが無い従来のアナログ同調ラジオシステムでは、人間の耳が、放送局(station)の同調成功を検出するための唯一のデバイスであるため、ラジオシステムの見かけ上の同調速度は、ユーザ経験に直接的に結合される。
振幅変調(AM)ラジオレシーバを含むラジオは、(しばしば、AMフェライト又はエアループアンテナの形をとる)外部インダクタで自動同調されるAMフロントエンドキャパシタを含むことができる一方で、選択された帯域内のラジオ周波数の範囲のラジオ周波数チャンネルに適切にAMフロントエンドキャパシタを同調するために必要とされる様々な計算を、ラジオのマイクロコントローラが実施するのに時間を要する。
周波数同調コマンド毎にキャパシタを自動同調できる一方で、そのような同調は、ユーザがアナログ同調ダイアルを用いてラジオを同調させる際に一般的にユーザが充てる調整間の時間に比べて、より長い時間を費やす。
特に、アナログダイアルを用いるAM放送局の従来の同調は、人間の耳による可能な放送局の検出を当てにしているが、マイクロプロセッサによって実施される同調計算は、特に同調ホイールが比較的速く回転されるときに、そのようなユーザ検出を蝕むとともに、従来のアナログラジオ同調の感触を駄目にする遅れを引き起こす。
従って、AMラジオの同調は、そのような従来の自動同調が許容するものよりも高速であるべきである。
【0010】
レシーバ回路の実施形態が以下説明される。このレシーバ回路の実施形態は、電源投入時又は(或る帯域から他の帯域に、例えば他の帯域からAM帯域に)帯域をスイッチングするとき時にAMチューナの自動同調を利用して2つの既知の周波数にラジオを自動同調し、AMチューナバラクタ設定(AM tuner varactor settings)を記録し、その後に後続の周波数同調毎にバラクタのキャパシタンスを計算する。
或る事例では、すべての後続の周波数同調について、マイクロプロセッサは、式に従ってバラクタキャパシタンスを計算し、計算された値をキャパシターバンク(capacitor bank)に書き込む。
【0011】
図1は、同調可能回路106を有するレシーバ回路102を含むシステム100の実施形態を示すブロック図である。
レシーバ回路102は、信号源104からのラジオ周波数信号を受信するように構成された入力端子を含んでいる。
レシーバ回路102は、同調可能回路106(tunable circuit)を含んでおり、同調可能回路106は、前記入力端子に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを含んでいる。
レシーバ回路102は、入力端子に接続されたフロントエンド回路108及びエキサイテーション回路112をさらに含んでいる。
レシーバ回路102は、フロントエンド回路108、エキサイテーション回路112、及び同調可能回路106のバラクタ116(varactor)に接続されたマイクロコントロールユニット110(MCU:micro control unit)をさらに含んでいる。
バラクタ116は、入力端子に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを含んでいる。
同調可能回路106は、インダクタ114をさらに含んでおり、インダクタ114は、入力端子に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを含んでいる。
【0012】
動作期間中、MCU110は、バラクタ116及びエキサイテーション回路112を制御して、2つの既知の周波数に共振するように同調可能回路106を設定するとともに、バラクタ設定を記録する。記録されたバラクタ設定から、同調可能回路106の固定された値(fixed value)、及び関連する任意の外部回路(external circuitry)の固定値が容易に求められ得る。
同調可能回路106のインダクタ/キャパシタネットワークが固定されたインダクタンスを有していると想定すると、以下の式に従って、(バラクタ116及び他の固定されたキャパシタンスを含む)同調可能回路106の全体のキャパシタンスを求めることができる。
【0014】
式1において、共振周波数(f
res)は、同調可能回路106のインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)との平方根に反比例している。キャパシタンス(C)は、例えば、バラクタ116、インダクタ114、及び外部PCBトレース等からの固定寄生値(fixed parasitics)、フロントエンド回路108の入力キャパシタンス、及びバラクタ116の変化容量を含んでいる。
【0015】
インダクタンス及び固定されたキャパシタンスが静的であると想定すると、可変キャパシタンスを妥当な精度で算出して、(少なくとも選択された帯域に関して)後続の調整を行わずに所望の周波数に同調できる。
従って、電源投入動作又は帯域スイッチ動作に応答して、MCU110は、同調可能回路106を制御するとともに、同調可能回路106の固定された構成要素の値を求める。当該値は、バラクタ116を設定するための適切なキャパシタンス値の後続の計算に関して、静的な値として扱われ得る。
【0016】
バラクタ116に関する計算精度は、動作期間中の使用に適する。バラクタ116及びインダクタ114により形成された共振ネットワークは、一般に約40のクオリティファクタ(quality factor)(Q)を提供する。
このため、同調周波数が外れることを引き起こす数パーセントだけバラクタ116のキャパシタンスが外れるとしても、レシーバ回路112の性能は顕著に劣化しない。固定されたインダクタンス値及びいずれかの固定されたキャパシタ値に基づいて上記式1からバラクタ116の設定を補間又は計算することにより、更なるキャリブレイションなしに、レシーバ回路102を動的に同調できる。これにより、実質的に瞬間的な反応を同調調整に(例えば無線周波数ダイアルを回転させているユーザに)提供することが可能となる。
【0017】
図2は、
図1の同調可能回路106を含むシステム200の一部及びキャリブレイション回路218を含む振幅変調(AM)フロントエンド回路201の構成要素を示す部分回路図及び部分ブロック図である。
システム200は、AMフロントエンド回路201に接続されデジタル信号プロセッサ202(DSP)を含んでいる。
同調可能回路106は、インダクタ114を含んでおり、インダクタ114は、グラウンドに接続された第1端子と、キャパシタ204の第1電極に接続された第2端子とを含んでいる。キャパシタ204は、AMフロントエンド回路201の入力端子に接続された第2電極を有している。
同調可能回路106は、バラクタ116をさらに含んでおり、バラクタ116は、入力端子に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを含んでいる。
【0018】
AMフロントエンド回路201は、低雑音増幅器206(LNA)を含んでおり、LNA206は、入力端子に接続された入力と、ミキサ208に接続された出力とを含んでいる。
ミキサ208は、同相プログラマブルゲイン増幅器210(I−PGA:in-phase programmable gain amplifier)に同相出力信号を提供する第1出力を含んでいる。ミキサ208は、直交PGA212(Q−PGA: quadrature programmable gain amplifier)に直交出力信号を提供する第2出力をさらに含んでいる。
I−PGA210は、同相アナログ−デジタル変換器214(I−ADC:in-phase analog-to-digital converter)に接続された出力を含んでいる。I−ADC214は、DSP202に接続された出力を有している。
Q−PGA212は、直交ADC216(Q−ADC:quadrature analog-to-digital converter)に接続された出力を含んでいる。Q−ADC216は、DSP202に接続された出力を有している。
AMフロントエンド回路201は、MCU110に接続されたキャリブレイション回路218と、入力端子に接続された端子とをさらに含んでいる。
MCU110は、バラクタ116に接続されている。MCU110は、上述の式1を用いてバラクタ116の設定を算出するとともに、バラクタ116を設定して同調調整入力に実質的に対応する共振周波数を提供するように構成されている。
【0019】
一つの実施例では、電源投入動作又は帯域スイッチング動作に応じて、MCU110は、バラクタ116を制御して、選択された帯域内の2つの既知の周波数に同調可能回路106を同調させる。
幾つかの場合では、MCU110は、キャリブレイション回路218を制御して、エキサイテーション電圧(又はトーン)を同調可能回路106に注入し、同調可能回路106に共振周波数で発振させる。このとき、MCU110は、発振に基づいて、同調可能回路106の1つ以上のパラメータを測定する。
上述の2つの周波数におけるバラクタ116の既知の値に基づいて、前記1つ以上のパラメータは、同調可能回路106の固定されたキャパシタンス値及び固定されたインダクタンス値を求めるのに使用され得る。これらは、上述の式1を設定するのに使用され得る。
続いて、周波数調整に応じて、MCU110は、上述の式1と求められたパラメータとを用いてバラクタ116の値を算出して、この算出された値でバラクタ116を設定する。
【0020】
図3は、
図1の同調可能回路106の実施形態を含むとともにキャリブレイション回路218の実施形態を含むシステム300の実施形態を示す部分回路図及び部分ブロック図である。
図示されている例では、インダクタ114は、インダクタ302(AMアンテナ)、及び結合された電圧源304によって表されている。電圧源304は、アンテナによる受信電圧信号を表している。電圧源304は、グラウンドに接続された第1端子と、インダクタ302の第1端子に接続された第2端子とを含んでいる。インダクタ302は、ACカップリングキャパシタ204の第1電極に接続された第2端子を有している。ACカップリングキャパシタ204は、LNA206の入力に接続された第2電極を有している。
同調可能回路106は、バラクタ116をさらに含んでおり、バラクタ116は、グラウンドに接続された第1端子と、LNA206の入力に接続された第2端子とを含んでいる。LNA206の入力における入力電圧は、バラクタ116の両端にわたる出力電圧(V
O)である。
【0021】
システム300は、キャリブレイション回路218をさらに含んでおり、キャリブレイション回路218は、電圧源304に接続された第1端子と、LNA206の入力に接続された第2端子とを含んでいる。システム300は、キャリブレイション回路218とバラクタ116とに接続されたMCU110をさらに含んでいる。MCU110は、メモリ310にも接続されており、メモリ310は、1つ以上のバラクタ設定312を含んでいる。
【0022】
キャリブレイション回路218は、LNA206の入力における発振の共振周波数を検出するように構成された周波数検出回路306を含んでいる。キャリブレイション回路218は、エネルギ回路308をさらに含んでおり、エネルギ回路308は、MCU110に反応して、AMフロントエンド201(同調ネットワーク)に電圧又はパルスを加える。
【0023】
前述したように、MCU110は、キャリブレイション回路218及びバラクタ116を制御して、2つの異なる周波数に同調回路106を同調し、共振周波数応答を監視し、式1を設定するのに適したパラメータを求める。従って、MCU110は、パラメータを利用して式1を設定できる。これにより、同調可能回路106の再キャリブレイトなしに、その後にバラクタ116の設定を算出して、選択された周波数に同調することが可能となっている。
【0024】
特定の例では、キャリブレイション回路218は、エネルギ回路308を用いて同調可能回路106にエネルギを与え、共振を実現する。キャリブレイション回路218は、周波数検出回路306を用いて共振周波数を検出し、MCU110はその周波数検出情報を用いてバラクタ116の値を求める。この値は、バラクタ設定312としてメモリ310に格納される。MCU110が式1を用いて新たなバラクタ設定を求める度に、MCU110はそのバラクタ116の設定をメモリ310に格納できる。
【0025】
上述の例では電源投入時及びバンド間スイッチング時の同調を説明しているが、バラクタ116の設定は製造中において求められてもよい。例えば、製品検査プロセス中に、ホストコントローラは、MCU110を制御して、(インダクタ304のような)固定外部インダクタで2つの異なる周波数に共振するようにバラクタ116の値を調整することができる。
キャリブレイション回路218は、異なる同調周波数の通常動作におけるバラクタ116の設定を算出するのに使用され得るデータを提供できる。この製品検査中にバラクタ116の設定を正確に求めるために、通常動作中に存在するはずである寄生キャパシタンス、及びアンテナインダクタンス値又は外部インダクタンス値についての知識の有していることが望ましい。
【0026】
代替的な実施形態では、バラクタ116は、製品検査中に、既知のインダクタンスが適用されるとともに、結果として生じる回路に共振を起こさせることによりキャリブレイトされ得るバラクタバンク(バラクタ群)として実装されることができる。バラクタバンクが一度キャリブレイトされると、ユーザによって提供されるインダクタンス値に基づいて、製品設計段階でバラクタ設定を求めることができる。
【0027】
さらに他の実施形態では、製品設計段階中に、アンテナ設計が基本的に確定されると、設計者はインダクタンスを予測するのに十分な情報を知る又は有することができる。この場合、同調可能回路106を2つ以上の周波数に手動で同調することができるとともに、バラクタ度数を記録して、その情報に基づいて以降バラクタ116の設定を算出するのにバラクタ度数を使用することができる。
【0028】
さらに他の例では、MCU110は、帯域間スイッチング時及び/又は電源投入期間中に既知の2つの周波数に同調されることにより集められたデータを利用して、その周波数帯域にわたる複数の周波数に関してバラクタ設定312を算出できる。これにより、MCU110は、メモリ310のバラクタ設定312を参照することによりバラクタ116の設定を後に更新するとともに、それらをバラクタ116に適用して所望の共振周波数を提供することができる。
【0029】
上記の説明では、固定されたインダクタンスと変動可能なキャパシタンスを想定しているが、アンテナ、回路板、及びフロントエンド回路は、複数の分離した回路要素として設計されることもできると理解されるべきである。アンテナ、プリント回路板(PCB:printed circuit board)、及びAMフロントエンド回路406の回路モデルの例が、
図4に関連して以下記載される。
【0030】
図4は、アンテナ402、プリント回路板404(PCB)、及び
図1〜
図3の同調可能回路106の一部分及び
図2におけるLNA206等のAMフロントエンド回路406を含むシステム400の一部分の例を示す回路図である。
アンテナ402は、受信されたRF信号を表す電圧源410として模式的に表されている。電圧源410は、グラウンドに接続された第1端子と、抵抗器412の第1端子に接続された第2端子とを含んでいる。抵抗器412は、アンテナ402による損失を表しており、インダクタ414の第1端子に接続された第2端子を有している。
インダクタ414は、節点408に接続されるとともに、アンテナ402による寄生キャパシタ416の第1電極に接続された第2端子を有している。寄生キャパシタ416は、グラウンドに接続された第2電極を有している。
PCB404は、キャパシタ416と並列に接続されたキャパシタ418として模式的に表されている。PCB寄生キャパシタ418は、節点408に接続された第1電極と、グラウンドに接続された第2電極とを含んでいる。
【0031】
AMフロントエンド回路406は、可変抵抗器420を含んでおり、可変抵抗器420は、接点408に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを有している。
AMフロントエンド回路406は、バラクタ116とLNA206とをさらに含んでいる。
バラクタ116は、可変キャパシタ422として模式的に表されており、可変キャパシタ422は、節点408に接続された第1電極と、可変抵抗器424の第1端子に接続された第2電極とを含んでいる。可変抵抗器424は、可変キャパシタ422による損失を表している。可変抵抗器424は、グラウンドに接続された第2端子を有している。この場合、バラクタ116はキャパシタのバンク(群)として実装されるとともに、キャパシタ(capacitors)がイン又はアウトに切替えられるときに浮遊抵抗値も変化される。
LNA206は、抵抗器426を含んでおり、抵抗器426は、節点408に接続された第1端子と、グラウンドに接続された第2端子とを有している。LNA206は、キャパシタ428をさらに含んでおり、キャパシタ428は、節点408に接続された第1電極と、グラウンドに接続された第2電極とを含んでいる。
【0032】
図示された例では、AMフロントエンド回路406は、インダクタ/キャパシタ同調回路である。インダクタ/キャパシタ同調回路は、いずれかの同調されたAM放送局からのRF信号に電圧ゲインを適用する。
同調回路は、アンテナからのインダクタ414と、バラクタ116からの可変キャパシタンスとを含んでいる。
可変キャパシタンス422は、デバイスが同調されるAM放送局の周波数と共振周波数が同じになるように、フロントエンドを共振させる。特定の放送局に同調するため、AMフロントエンド406が共振を実現するように、可変キャパシタ422のキャパシタンスが調整される。
バラクタ116は、可変抵抗器424によって表された浮遊抵抗値を含んでいる。浮遊抵抗値は、同調キャパシタのQファクタに影響する。可変抵抗器420は、AMフロントエンド406に対してゲイン調整を提供する。抵抗器426及びキャパシタ428は、LNA206のインピーダンス及びキャパシタンスである。
【0033】
このより複雑な回路モデルでさえ、システム400が共振であるときに、Qファクタは全体としての並列抵抗値に比例するが、共振周波数は、依然として式1に関して上述したものと等しいままである。
図1における同調可能回路106と同様に、システム400は、可変抵抗値(variable resistances)と同じ約40のクオリティファクタ(Q)を提供する。このため、仮に、同調周波数が外れることを引き起こす数パーセントだけバラクタ116のキャパシタンスが外れるとしても、システム400の性能は顕著には劣化しない。
【0034】
図5は、レシーバ回路のバラクタ設定を求めるための式を設定する方法500の実施形態を示す流れ図である。
502において、MCU110は、同調可能インダクタ/キャパシタ(LC)ネットワークのバラクタを、所定の第1周波数に対応する第1バラクタ設定に設定する。
504に進み、MCU110は、キャリブレイション回路218を制御して、同調可能LCネットワークに第1トーンを注入する。
506に移行して、MCU110は、キャリブレイション回路218を用いて同調可能LC回路の出力における発振を監視するとともに、該発振を前記所定の第1周波数と比較して、同調可能LCネットワークに関連付けられた第1インダクタンスと第1キャパシタンスとを求める。
【0035】
508に移行して、MCUは、所定の第2周波数に対応する第2バラクタ設定にバラクタを設定する。
510に続き、MCU110は、キャリブレイション回路218を制御して、同調可能LCネットワークに第2トーンを注入する。
512に進み、MCU110は、調節回路218を用いて同調可能LC回路の出力における発振を監視するとともに、該発振を前記所定の第2周波数と比較して、第2インダクタンスと第2キャパシタンスとを求める。
514に移行して、MCU110は、実質的に固定されたキャパシタンスと実質的に固定されたインダクタンスとを、第1及び第2キャパシタンスと第1及び第2インダクタンスとに基づいて算出する。
516に続き、MCU110は、前記実質的に固定されたキャパシタンスと前記実質的に固定されたインダクタンスとを使用して、バラクタ設定を求めるための式を設定する。ここで、式は、所望の周波数に基づいてバラクタ設定を算出するために設定される。
【0036】
特定の例では、MCU110は、2つの異なる既知の周波数において取得された測定値からインダクタンスを求める。その後、式1が一度設定されると、MCU110は、同調可能回路106の再調整を行うことなしに、式1を動的に使用してバラクタ設定を算出する。
幾つかの場合では、MCU110は、更なる計算が行われることなしにバラクタ設定がメモリ310からリトリーブされ得るように、後の再利用のためにバラクタ設定を格納できる。
特定の場合では、製造中又はその後(調整中)に、バラクタ設定の参照テーブル(ルックアップテーブル)がMCU110によって充填されてもよい。
【0037】
上述したように、各周波数変化で同調可能回路106を調整するよりもむしろ、バラクタ116は、電源投入時及び2つの既知の周波数を用いて帯域間をスイッチするときに設定される。式1のパラメータが2つの既知の周波数における共振から一度求められると、周波数調整に応じて、バラクタ116の設定を実質的に動的に求めることができる。バラクタ設定を求める方法の例が、
図6に関連して以下記載される。
【0038】
図6は、選択された同調周波数に対応する信号を提供する方法600の実施形態を示す流れ図である。
602において、MCU110は、周波数調整信号を受信する。
604に進み、レシーバ回路のMCU110は、周波数調整信号を受信したことに応じて、選択された同調周波数に同調するために、バラクタ116のバラクタ設定を動的に計算する。
606に移行して、MCU110は、バラクタ設定を同調可能回路106のバラクタ110に適用して、選択された同調周波数に対応する共振周波数を提供する。
【0039】
608に続き、レシーバ回路は、同調可能回路106のRF入力におけるラジオ周波数(RF)信号を受信する。
610に進み、同調可能回路106は、RF信号に基づく選択された同調周波数に対応する出力信号を、同調可能回路106の出力端子に提供する。
【0040】
上記の例は振幅変調(AM)ラジオ周波数信号を参照したが、2つの周波数の同調技術は、例えば周波数変調(FM)ラジオ信号などの他のラジオ周波数信号の受入に対しても適用され得ると理解されるべきである。
デジタルレシーバを用いて特定のFMラジオ放送局に同調するとき、多くのリスナによって遅れは許容され得るが、上述したように、依然として許容することができる受入を提供しながら、ラジオ放送局間をスイッチするときのキャリブレイション遅れを基本的に除去できる。
【0041】
図1〜
図6に関して上述したシステム、回路、及び方法と併せて、レシーバ回路は、MCUによって設定されることができ所望の共振周波数を提供する可変キャパシタンスを有する同調可能回路を含む。
MCU110は、2つの異なる周波数に同調可能回路106を同調するとともに共振応答を監視して、式のパラメータを求める。その式からは、バラクタ116のキャパシタンスを容易に算出することができる。
パラメータが一旦求められると、MCUは、後続のキャリブレイションなしに、式を用いて、バラクタ116の設定を動的に算出できる。従って、レシーバ回路は、再キャリブレイションのための遅れなしに、ユーザによる速い同調調整に応じて、素早く出力信号を生成できる。
【0042】
本発明は好適な実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。