特許第5778784号(P5778784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グラニート ステート プロダクト デベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000002
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000003
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000004
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000005
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000006
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000007
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000008
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000009
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000010
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000011
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000012
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000013
  • 特許5778784-容器用分配キャップ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778784
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】容器用分配キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20150827BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20150827BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   B65D51/28 A
   B65D51/24 Z
   B65D81/32 Q
【請求項の数】22
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-552604(P2013-552604)
(86)(22)【出願日】2012年2月1日
(65)【公表番号】特表2014-508693(P2014-508693A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】US2012023506
(87)【国際公開番号】WO2012106445
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2013年11月28日
(31)【優先権主張番号】61/438,440
(32)【優先日】2011年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513193749
【氏名又は名称】グラニート ステート プロダクト デベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ポーター
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0000800(US,A1)
【文献】 米国特許第05863126(US,A)
【文献】 特公昭45−036120(JP,B1)
【文献】 国際公開第2009/127039(WO,A1)
【文献】 米国特許第05957335(US,A)
【文献】 実開平03−114776(JP,U)
【文献】 実開平04−050674(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 51/24
B65D 81/32
B65D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の分配キャップであって、前記分配キャップは、
閉じた頂端部および開いた底端部を有する円筒状の本体部を含み、前記閉じた頂端部は隔膜部分を含み、
前記閉じた頂端部から軸方向に前記本体部の開いた底端部の方へ伸びて、添加物を保持するための部屋を規定する、円筒状の内壁を含み、前記部屋は前記本体部の開いた底端に向かう開口部を有し、
前記本体部および前記内壁は、その間に、前記本体部の開いた底端から容器の口を受け、前記容器の口を密封する受け部を規定し、
前記隔膜部から前記部屋の開口に向かって軸方向に延在するプランジャーを含み、前記隔
膜と前記プランジャーは、閉位置と開位置とを有し、
前記プランジャーに取付けられ、前記部屋の開口を密封するための部屋閉鎖部材を含み、前記部屋閉鎖部材は内壁と協力するように形成され、前記隔膜とプランジャーが閉位置にあるときに前記部屋を密封し、
前記本体部、前記閉じた頂端部、前記プランジャー、および、前記内壁は、一体的に形成され
前記部屋閉鎖部材は、その周囲に沿ってシール面を有するディスク状の構造であり、前記内壁は、前記隔膜と前記プランジャーが閉位置にあるとき、前記部屋を密閉するために、部屋閉鎖部材のシール面と協力する、対応するシール面を有し、
前記部屋閉鎖部材は前記本体部の閉じた頂部側に面する頂部側と、前記部屋から離れた側に面する底部側とを有し、さらに、部屋閉鎖部材には、前記頂部側に応力を緩和する凹部が設けられ、それによって、前記隔膜に作動力が作用して前記プランジャーが閉位置から開位置に移動されている場合、応力緩和の凹部によって、前記部屋閉鎖部材は弾性的に破壊し、前記内壁からの前記部屋閉鎖部材の開封を促進する、分配キャップ。
【請求項2】
前記部屋閉鎖部材のシール面は、内部のシール面および外部のシール面を含み、
前記内部のシール面はより高い外部周囲圧力条件に対して密閉するために前記内壁上の対応する表面と協力するように構成され、前記外部のシール面はより高い内部周囲圧力条件に対して密閉するために前記内壁上の対応する表面と協力するように構成される、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項3】
前記部屋閉鎖部材および前記内壁は液密シールを形成する、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項4】
前記内部のシール面は、前記本体部の長手の軸に対して30-32°傾斜している、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項5】
前記外部のシール面は、前記本体部の長手の軸に対して10-12°傾斜している、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項6】
前記応力緩和凹部は、環状の凹部と、複数の放射状の凹部とを含む、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項7】
前記受け部は、前記分配キャップを前記容器の口にねじを用いて接続するためのねじ山を含み、それによって、分配キャップが使用のために前記容器に装着されたとき、前記容器の内容物をそこに密閉する、請求項1に記載の分配キャップ。
【請求項8】
さらに、前記分配キャップの前記容器の口からの故意でないねじの緩みを防ぐためのタンパー輪を含む、請求項に記載の分配キャップ。
【請求項9】
前記受け部は、前記容器の口の上にスナップ取り付けされるように形成され、それによって、分配キャップが使用のために容器に装着されるとき、前記容器の内容物をそこに密閉する、請求項1に記載の分配キャップ。
【請求項10】
ヒンジによって前記本体部に付けられたフリップフロップ式の蓋と、前記隔膜の上で前記フリップフロップ式の蓋をロックするための、前記本体に設けられたロック用の頭部をさらに含み、前記隔膜の偶然の作動を防ぐ、請求項1に記載の分配キャップ。
【請求項11】
前記部屋閉鎖部材および前記プランジャーは、相互に圧入されるように構成され、前記フリップフロップ式の蓋には、前記プランジャーに押されて前記部屋を密閉しているとき、前記分配キャップの組立時に前記隔膜を支持するための隔膜支持台が設けられる、請求項10に記載の分配キャップ。
【請求項12】
容器用の分配キャップであって、前記分配キャップは、
閉じた頂端部および開いた底端部を有する円筒状に形作られた本体部を含み、前記閉じた頂端部は隔膜部分を含み、
前記閉じた頂端部から軸方向に前記本体部の開いた底端部の方へ伸びて、部屋を規定する、円筒状の内壁を含み、前記部屋は前記本体部の開いた底端に向かう開口部を有し、
前記部屋には多くの添加物が供給され、
前記本体部および前記内壁は、その間に、前記本体部の開いた底端から容器の口を受け、前記容器の口を密封する受け部を規定し、
前記隔膜部から前記部屋の開口に向かって軸方向に延在するプランジャーを含み、前記隔膜と前記プランジャーは閉位置と開位置とを有し、前記隔膜と前記プランジャーは閉位置にあり、
前記プランジャーに取付けられ、前記部屋の開口を密封するための部屋閉鎖部材を含み、
前記本体部、前記閉じた頂端部、前記プランジャー、および、前記内壁は、一体的に形成され
前記部屋閉鎖部材は、その周囲に沿ってシール面を有するディスク状の構造であり、前記内壁は前記隔膜と前記プランジャーとが閉位置にあるときに、前記部屋を密閉するための前記部屋閉鎖部材のシール面と協力する、対応するシール面を有し、
前記部屋閉鎖部材は前記本体部の閉じた頂部側に面する頂部側と、前記部屋から離れた側に面する底部側とを有し、さらに、部屋閉鎖部材には、前記頂部側に応力を緩和する凹部が設けられ、それによって、前記隔膜に作動力が作用して前記プランジャーが閉位置から開位置に移動されている場合、応力緩和の凹部によって、前記部屋閉鎖部材は弾性的に破壊し、前記内壁からの前記部屋閉鎖部材の開封を促進する、分配キャップ。
【請求項13】
前記部屋閉鎖部材のシール面は、内部のシール面および外部のシール面を含み、前記内部のシール面は、より高い外部周囲圧力条件に対して密閉するための、前記内壁の対応する面と協力するように構成され、前記外部のシール面は、より高い内部周囲圧力条件に対して密閉するための、前記内壁の対応する面と協力するように構成される、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項14】
前記部屋閉鎖部材および前記内壁は液密シールを形成する、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項15】
前記内側シール面は前記本体部の長手の軸に対して30-32°傾斜している、請求項13に記載の分配キャップ。
【請求項16】
前記外側シール面は前記本体部の長手の軸に対して10-12°傾斜している、請求項13に記載の分配キャップ。
【請求項17】
前記応力緩和凹部は、環状の凹部と、複数の放射状の凹部とを含む、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項18】
前記受け部は、前記分配キャップを前記容器の口にねじを用いて接続するためのねじ山を含み、それによって、分配キャップが使用のために前記容器に装着されたとき、前記容器の内容物をそこに密閉する、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項19】
さらに、前記分配キャップの前記容器の口からの故意でないねじの緩みを防ぐためのタンパー輪を含む、請求項18に記載の分配キャップ。
【請求項20】
前記受け部は、前記容器の口の上にスナップ取り付けされるように形成され、それによって、分配キャップが使用のために容器に装着されるとき、前記容器の内容物をそこに密閉する、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項21】
ヒンジによって前記本体部に付けられたフリップフロップ式の蓋と、前記隔膜の上で前記フリップフロップ式の蓋をロックするための、前記本体に設けられたロック用の頭部をさらに含み、前記隔膜の偶然の作動を防ぐ、請求項12に記載の分配キャップ。
【請求項22】
前記部屋閉鎖部材および前記プランジャーは、相互に圧入されるように構成され、前記フリップフロップ式の蓋には、前記プランジャーに押されて前記部屋を密閉しているとき、前記分配キャップの組立時に前記隔膜を支持するための隔膜支持台が設けられる、請求項19に記載の分配キャップ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2011年2月1日に出願されたアメリカの仮特許出願番号61/438,440に基づく優先権を主張する。また、この仮特許出願の内容全体を参照によって本願に組み込む。
【技術分野】
【0002】
この開示は、一般に容器の閉鎖用の蓋に関し、特に、添加物を保持、貯蔵、および、分配するための小部屋を有する取り付け可能な容器の蓋に関する。
【背景技術】
【0003】
添加物を溶媒と混合する前に、別々に添加物を保持する様々なデザインの容器が知られている。しかしながら、それらの多数が構成要素の物質を保持可能な数において制限され、また、効率的な生産のための形状になっていなかった。したがって、改善された容器の蓋に対するニーズがあった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この開示の実施の形態によれば、容器のための分配蓋(キャップ)は、一般に、閉じた頂端部と開放された底端部とを有する、一般に円筒状に形成された本体部を含み、閉じた頂端部は本体部とともに一体成型され、隔膜を含む。一般に円筒状に形作られた内壁は、閉じた頂端から本体部の開放された底端部へ軸方向に延在し、添加物を保持するための部屋を定義し、部屋は本体部の開いた底端部へ向かった開口を有する。本体部と内壁とは、その間に、本体部の開いた底端から容器の口を受けるとともに、容器の口をシールする受け部を定義する。プランジャーは、軸方向に部屋の開口に向かって隔膜部分から伸び、隔膜とプランジャーは閉位置と開位置とを有する。部屋の開口を密閉するための部屋閉鎖部材はプランジャーに設けられる。部屋閉鎖部材は内壁と協力するように形成され、隔膜とプランジャーが閉位置にある場合、部屋を密閉する。本体部、閉じた頂端部および内壁は、一体的に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】この開示の実施の形態による分配キャップの斜視図である。
図2図1の分配キャップの断面斜視図である。
図3】他の実施の形態による別の分配キャップの斜視図である。
図4図3の分配キャップの断面図である。
図5】容器に接続され、その部屋内に多くの添加物を収容した、図3の分配キャップの断面図である。
図6】分配キャップおよび図5の容器の別の断面図であり、ここでは、分配キャップの押し上げ式の蓋が開位置にある。
図7】分配キャップおよび図6の容器の断面図である。ここでは、分配キャップの部屋は密封されず、部屋からの添加物が分配されている。
図8図7に示される領域Aの詳細な断面図である。
図9】一実施の形態による部屋閉鎖部材の斜視図である。
図10図9の部屋閉鎖部材の平面図である。
図11図9の部屋閉鎖部材の断面図である。
図12】一実施の形態による、図9および図10に示した部屋閉鎖部材の密封面の詳細な図である。
図13】分配キャップの内壁と協力し、部屋を密閉する図9の部屋閉鎖部材のシール面の詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
これらおよびこの発明の他の特徴および利点は、以下の発明の好ましい実施の形態の詳細な説明に十分記載され、この内容は、同様の部品には同様の番号が付された添付図面と共に考慮される。すべての図面模式的なもので、実際の寸法や、構成間の寸法関係を示すことは意図されていない。
【0007】
この開示は、所望のときに、添加物を容器内に分配できる添加物を保持するように構成された容器のための単一の部屋を有する分配キャップの新しい設計について記述する。図1および図2はそのような分配キャップ10の1つの実施の形態を示す。分配キャップ10は一般に、キャップ構造の外壁、閉じた頂端部19a、および、開放された底端を形成する円筒形の本体11を有する。分配キャップ10は飲料ボトルのような容器の開口に係合し、かつ、それに適合する形状である。本体11は容器の開口に対して、スナップ式またはねじで、係合するように構成されかつ適合する。図2に示すように、本体11および内壁13は分配キャップ10の底部側が開口する容器受け部12を形成する。容器受け部12は、キャップ10が容器(図示せず)の口を受け取ることを可能にする。容器受け部12は、本体11の内部の表面に沿ってねじ山30を有するように構成されている。ネジ山30は、容器の口に設けられた対応するネジ山と協働して、分配キャップ10を容器の上で固定し、容器の内容物、一般に液体であるが、それを密閉する。
【0008】
内壁13は、分配キャップ10の閉じた頂端部から分配キャップ10の開いた底端部へ軸方向に伸び、添加物の保持のための部屋50を規定する。分配キャップ10は、一般に、ボトルのような、液体の飲料(例えば水、ジュースなど)を保持する容器の閉鎖部として使用される。
【0009】
部屋50は部屋閉鎖部材60によって密閉される。部屋50の内部で保持された物質が容器の中で液体の飲料と別に保持されるように、部屋閉鎖部材60は液密のシールを形成する。これによって分配キャップ10があらかじめ所望の物質で満たされ、分配キャップ10の内部に保持された物質と接触、又は、関連することなく、容器内に収容される。
【0010】
部屋閉鎖部材60はプランジャー22に接続される。プランジャー22は2つのうちの1つの位置、開位置(図1)およびシールされている位置(図2)のうちの1つにあるように構成される。分配キャップ10が容器(図示無)の口にねじ止めされると、分配キャップ10の頂部からプランジャー22へ押圧力がかかり、プランジャー20が部屋閉鎖部材60をさらに容器内に下に押し、部屋50を開封する。これによって、部屋50の内容物が容器内に落下し、ボトルの液体量と混合することを可能にする。
【0011】
プランジャー22は、分配キャップの柔軟な隔膜21を人が下方へ押すことによってその開位置に押し込まれる。柔軟な隔膜21は、押し下げられた時、即開位置になり、人が隔膜21を下へ押すのをやめても、開位置を維持するように好ましくは構成される。
【0012】
一実施の形態によれば、本体11、閉じた頂端部19a、プランジャー22および内壁13は、一体構造になるよう形成される。
【0013】
別の実施の形態では、分配キャップ10は、押し上げ(フリップフロップ)式の蓋17で形成される。押し上げ蓋式の蓋17は、プランジャー22の偶然の作動を防ぎうる。これは、容器の内容を摂取する時に分配キャップ10の内容が開放されることを可能にする。
【0014】
さらに押し上げ蓋式の蓋17は、本体11、閉じた頂端部19aおよび内壁13と一体的に形成される。
【0015】
図3-13を参照して、この開示の実施の形態による容器のための分配キャップ100が記述される。分配キャップ100は、閉じた頂端部119aおよび開いた底端部119bを有し、一般に円筒状に形作られた本体部111を含む。閉じた頂端部119aは、本体部111と一体的に構成され、隔膜部121を含む。隔膜部121は、分配キャップ100を作動させ、そのキャップの内容物を分配するために、下方(つまり示されるように、開いた底端部119bへの方向)へ押される。分配キャップ100は、適切なプラスチックか高分子材料から成型されるのが好ましい。また、本体部111、閉じた頂端部119a、プランジャー122および内壁113は、一つのものとして一体的に形成される。これにより、より単純なプロダクト・デザインおよびよりコスト的に効率的な生産が可能になる。というのは、たった2個の部品、部屋閉鎖部材160および構造の残りの部分だけ組み立てればよいためである。
【0016】
図4に示されるように、一般に円筒状に形成された内壁113は、軸方向に本体部111の閉じた頂端部119aから本体部111の開いた底端部119bへ延在し、添加物の保持のために部屋150を規定する。ここに使用されるように、軸方向に伸びることは、分配キャップ100の長手の軸Lに平行な方向に伸びることを意味する。
【0017】
本体部111、閉じた頂端部119aおよび内壁113が一体的に成型された構造のために、隔膜121は、閉じた部屋の頂部を形成し、部屋150は本体部111の開いた底端部への密封可能な開口部を有する。
【0018】
本体部111および内壁113は、その間で容器受け部112を規定し、容器受け部112は本体部の開いた底端部119bから容器の口を受け取り、容器の口を密閉する。部屋150の内部には、部屋150の開口部へ隔膜部分121から軸方向に伸びるプランジャー122が設けられる。そこでは隔膜121およびプランジャー122が閉位置と開位置とを有する。図4は、閉位置の隔膜121およびプランジャー122を示す。以下で説明する図7は、開位置にあるときの隔膜121およびプランジャー122を示す。
【0019】
図4に示される閉位置では、部屋の開口を密閉するための部屋閉鎖部材160はプランジャー122に取付けられている。部屋閉鎖部材160は内壁113と協力するように形成され、また隔膜121およびプランジャー122が閉位置にある場合、部屋150を密閉する。
【0020】
図9図13を参照して、部屋閉鎖部材160は、部屋150を密閉するために内壁113と協力するためにその周囲に沿ってシール面167を有するディスク状の構造である。内壁113は、部屋150の密閉のために部屋閉鎖部材160のシール面167と協力する、対応するシール面を有する。
【0021】
部屋閉鎖部材160のシール面167は、内部のシール面167aおよび外部のシール面167bを含む。内部のシール面167aは内壁113上の対応する内部のシール面113aと協力するように構成される。また、外部のシール面167bは内壁113上の対応する外部のシール面113bと協力するように構成される。これらのシール面は、部屋150の内部へのそれぞれの近さによって、「内部の」、「外部の」と呼ばれる。シール面167aおよび113aは、シール面167bおよび113bより部屋150の内部の近くにある。
【0022】
内部のシール面167aおよび113aは、外部周囲圧力が部屋150の内部の内部周囲圧力より高い状態に対するシールを形成する。外部のシール面167bおよび113bは、部屋150の内部周囲圧力が外部周囲圧力より高い条件に対するシールを形成する。これは、シール面167a、167b、113aおよび113bの特別の形状および配置によって達成される。これについては後述する。
【0023】
部屋閉鎖部材160および内壁113上のこれらの協力するシール面は締りばめによって互いに対するシールを形成するように構成される。これは、そのシール面167に沿った部屋閉鎖部材160の直径が、予め定められた量だけ、内壁113上でシール面によって形成された開口部の内径より大きいことを意味する。したがって、部屋閉鎖部材160が内壁113によって形成された部屋開口部に挿入される場合、部屋閉鎖部材160のシール面167は内壁113を対応するシール面に対して外側に押し、締まりばめを形成する。図13は、部屋閉鎖部材160シール面167a、167bが、内壁113の対応するシール面113a、113bとオーバーラップするということを示すことにより、これを説明している。1つの実施の形態では、部屋閉鎖部材160および内壁113は液密のシールを形成する。
【0024】
図12に示されるように、1つの実施の形態によれば、対を構成する内部のシール面167aおよび113aは、約30〜32度、本体部111の縦軸Lに対して傾斜する。この傾斜角度は図12の中でδと表示される。対となる外部のシール面167bと113bは縦軸Lに関して、約10〜12度傾斜する。この傾斜角度は図12の中でβと表示される。好ましい実施の形態では、縦軸Lに関して傾斜角度δは31°である。また、傾斜角度βは11°である。
【0025】
図7-11を参照して、部屋閉鎖部材160には、本体部の閉じた頂部側に面する頂部側と、部屋から離れた側に面する底部側がある。プランジャーは、部屋閉鎖部材160の中心の近くの部屋閉鎖部材160に取付けられている。一つの実施の形態では、プランジャーおよび部屋閉鎖部材は、図7および図8に詳細を示すように、相互に圧入されている。例として、部屋閉鎖部材160には、図9および11に示されるように、プランジャーの受け穴165が設けられ、プランジャー122には、穴165に圧入される環状のリブ122bを有する。
【0026】
図7に示される領域Aには、プランジャー122と部屋閉鎖部材160とが取付けられた状態を示しているが、この詳細を図8に示す。
【0027】
一実施の形態によれば、部屋閉鎖部材160には、頂部側に応力緩和用の凹部162および163が設けられる。作動力が隔膜にかけられ、プランジャー122が閉位置から開位置まで移る間に、部屋閉鎖部材160を押し下げる。このとき、応力緩和用の凹部162および163は、部屋閉鎖部材を弾性的に破壊し、部屋閉鎖部材160の内壁113からの開封を促進する。弾性的に崩壊するとは、少しではあるが、傘のように折りたたまれ、部屋閉鎖部材160を内壁113からの開封を促進することをいう。プランジャー122によって、部屋閉鎖部材が閉位置から押されるにつれて、外部のシール面167b、113bの傾斜によって、部屋閉鎖部材160の開封が可能になり、部屋閉鎖部材160の弾性的な破壊によってさらに、開封が促進される。
【0028】
図9および図10に示されるように、応力緩和凹部162および163は環状の凹部162と複数の径方向の凹部163を含むことができる。1つの実施の形態では、径方向の凹部163は、相互に約45°に配置され、部屋閉鎖部材160の中心から径方向外側に向いている。これは、部屋閉鎖部材の破壊の影響を最適化するためである。
【0029】
図4を参照して、分配キャップ100は、容器の口を受け取るための本体部111と内壁113の間に設けられた容器受け部112を規定する。図5の例で示されるように、容器受け部112は容器200の口に設けられた対応するねじ溝230に係合し、分配キャップ100を容器200の口に接続するためのねじ溝130を含みうる。このように、容器200の口は受け部112の遠方端112aでシールを形成し、それによって、分配キャップ100が使用のために容器200に装着されたとき、内容物400を容器200の中に密封する。図5では、分配キャップ100は完全に組み立てられ、部屋150は添加物300を保持している。添加物は液体状であってもよいし、パウダー状であってもよい。
【0030】
図7は、分配キャップが開いた状態を示し、そこでは、添加物300が容器200内に分配されており、容器200の内容物400と混合されている。内容物400は液体の飲料あるいは薬剤でありうる。示されるように、隔膜121およびプランジャー122は下方、それらの開位置へ押されている。プランジャー122は部屋閉鎖部材160を下方に押して、内壁113のシール面からの部屋閉鎖部材160を開封する。
【0031】
図4-図7に示されるように、別の実施の形態によれば、分配キャップ100は、容器200の口からの分配キャップ100の故意でないねじの開放を防ぐためにさらにタンパー輪135を含みうる。タンパー輪135は各種飲料保持容器にみられる多くのタンパー輪に似た構造を有する。タンパー輪135は、1つが提供される場合、本体部111の底端部に移動できるように付けられており、複数のフラップ137を有する。分配キャップ100が容器200の口に装着されると、フラップ137は図5および6に示すように内部及び上へ折り重ねられ、フラップ137は容器200の口の環状の突出部と干渉し、分配キャップ100の意図的でない開放を防ぐ。容器200から分配キャップ100を外すために、分配キャップ100が作動され、部屋150の内容物が容器200に入れられた後、ユーザは、強制的に容器から分配キャップ100のネジを開けることができ、これによって、タンパー輪135および本体部111間の脆弱な接続部を破壊する。
【0032】
別の実施の形態では、受け部112は容器200の口の上にスナップ式に取り付け可能に形成され、それによって、分配キャップが使用のために容器に装着されるとき、容器の内容物をそこに密閉する。
【0033】
別の実施の形態では、分配キャップ100は、ヒンジ118によって本体部111に付けられた、フリップフロップ式の蓋117をさらに含むことができる。ロック用の頭部115は、フリップフロップ式の蓋117をロックするために、隔膜121を閉じるように本体部111上に設けられ、隔膜121の偶然の作動を防ぐ。
【0034】
部屋閉鎖部材160およびプランジャー122は互いに圧入されるように構成され、フリップフロップ式の蓋117には、部屋閉鎖部材がプランジャーに押しつけられ部屋を密閉しているとき、分配キャップの組立時において隔膜121を支持するために隔膜支持台117aが設けられている。
【0035】
既存のボトルの設計は修正なしで使用することができる。また、ボトルは容易にリサイクルすることができ、ボトルに汚染物質が混じることはなく、環境にも優しい。ここに示された容器蓋は、ポリマー、合成物および柔軟な合金を含み、これらに限定されないいくつかの材料から製造することができる。
【0036】
別の実施の形態によれば、分配キャップがたくさんの添加物で満たされる場合の、容器と共に使用される分配キャップについて記載した。分配キャップは、閉じた頂端部および開いた底端部を有する、一般に円筒状に形作られた本体部を含む。閉じた頂端部が本体部と一体的に形成され、隔膜部分を含む。一般に円筒状に形作られた内壁は、本体部の開いた底端部の方へ閉じた頂端部から軸方向に延在し、部屋を規定する。部屋には部屋閉鎖部材によって移動可能に密閉される本体部の開いた底端部へ向かった開口部がある。たくさんの添加物は部屋によって提供される。本体部および内壁は、その間に、本体部の開いた底端部から容器の口を受け、容器の口を密閉する受け部を規定する。隔膜部分から部屋の開口へ軸方向に伸びるプランジャーが、部屋に設けられる。隔膜とプランジャーは閉位置と開位置を有し、部屋で添加物を保持しているとき、ユーザが添加物を分配するために隔膜とプランジャーを作動するまで、隔膜およびプランジャーは閉位置にある。
【0037】
この開示の分配キャップの構造は液体容器のいくつかの異なるサイズには適応可能である。単一の部屋の容積(ボリューム)の設計によって、添加物の分配が可能になる。ここで、添加物は、調味料、ビタミン、エネルギー増強製剤、薬物治療、浄化および安静用飲料、あるいはこれらの成分の任意のコンビネーションを含む。
【0038】
ここに記載した分配キャップの、寸法、材料、形、形式、作動の機能および方法、組立および使用を含む、部品間の最適寸法の関係は当業者にとって容易に理解され、自明である。また、図面によって例示され、明細書に記載された内容と等価な全てのものが、この発明によって包含されるように意図される。
【0039】
少数の実施の形態を使用して、発明が記載されたが、ここに記載された発明の範囲は、添付のクレームによってのみ定義され制限され、発明の均等物の範囲から外れることなく、当業者によって考慮される、発明の他の変形および実施の形態を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13