(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778790
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】長円形状のプロファイル付き鎖環からなるチェーン及びこのタイプのチェーンを製造する方法
(51)【国際特許分類】
F16G 15/12 20060101AFI20150827BHJP
F16G 13/12 20060101ALI20150827BHJP
B21L 5/00 20060101ALI20150827BHJP
B21L 3/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
F16G15/12
F16G13/12 Z
B21L5/00
B21L3/00
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-556969(P2013-556969)
(86)(22)【出願日】2011年3月7日
(65)【公表番号】特表2014-509719(P2014-509719A)
(43)【公表日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】EP2011001114
(87)【国際公開番号】WO2012119613
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2014年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】513139507
【氏名又は名称】ペヴァック・オーストリア・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】PEWAG AUSTRIA GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】ペン、アギィド
(72)【発明者】
【氏名】フックス、フランツ
【審査官】
稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭52−110365(JP,A)
【文献】
米国特許第03744239(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 15/12
B21L 3/00
B21L 5/00
F16G 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長円形状のプロファイル付き鎖環からなる横向き環(2a)と前記横向き環(2a)内に引っ掛けられる縦向き環(2b)とを有するチェーン(1)であって、1つの前記縦向き環(2b)の2つの長手方向リム(3,4)を端部側で互いに連結する端部ウェブ(5,6)それぞれが、前記端部ウェブ(5,6)の内側に形成された支持面(8)を用いて、隣り合い且つ引っ掛けられる1つの前記横向き環(2a)の関連する端部ウェブ(5,6)の内側に設けられた受け面(7)に支持される、チェーン(1)において、
互いに関連する前記支持面(8)及び前記受け面(7)は、互いに相補する円筒状の面として形成され、
全ての前記縦向き環(2b)の前記円筒状の支持面(8)は、前記縦向き環(2b)の開口方向に沿った円筒軸を有し、且つ前記縦向き環(2b)の前記端部ウェブ(5,6)の2つの側方境界面(9,10)を越えて前記支持面(8)の前記円筒軸の方向に突出し、
全ての前記横向き環(2a)の前記円筒状の受け面(7)は、前記横向き環(2a)の開口方向に垂直な円筒軸を有し、前記横向き環(2a)それぞれの開口の内方に向かって突出し、且つ前記横向き環(2a)の前記端部ウェブ(5,6)の2つの側方境界面(9,10)を越えて半径方向に突出する、チェーン。
【請求項2】
使用される前記プロファイル付き鎖環(2a,2b)は鍛造によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項3】
使用される前記プロファイル付き鎖環(2a,2b)は鋳造によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項4】
使用される前記プロファイル付き鎖環(2a,2b)は焼結によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項5】
前記縦向き環(2b)の場合、前記縦向き環(2b)の前記支持面(8)は、前記端部ウェブ(5,6)の湾曲した経路全体に実質的に沿って与えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のチェーン。
【請求項6】
横向き環として機能する前記鎖環(2a)の場合、前記鎖環(2a)の前記受け面(7)が、前記端部ウェブ(5,6)それぞれの内側で前記端部ウェブ(5,6)を囲むように延在し、前記端部ウェブ(5,6)それぞれの前記側方境界面(9,10)が、前記端部ウェブ(5,6)の外側で前記鎖環(2a)を縁取る周面(15)にまで延在することを特徴とする請求項5に記載のチェーン。
【請求項7】
前記縦向き環(2b)は、溶接によって互いに接合されるプロファイル付き半鎖環(2c)からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のチェーン。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の長円形状のプロファイル付き鎖環からなる横向き環(2a)と前記横向き環(2a)内に引っ掛けられる縦向き環(2b)とを有するチェーン(1)を製造するための方法であって、閉じたプロファイル付き鎖環(2a)が開いたプロファイル付き鎖環(2c)内に引っ掛けられ、次いで前記開いたプロファイル付き鎖環(2c)が溶接によって閉じられ、前記チェーン(1)が完成状態にあるとき、1つの前記縦向き環(2b)の前記2つの長手方向リム(3,4)を端部側で互いに連結する端部ウェブ(5,6)それぞれが、前記端部ウェブ(5,6)の内側に形成された前記支持面(8)を用いて、隣り合い且つ引っ掛けられる1つの前記横向き環(2c)の関連する前記端部ウェブ(5)の内側に付与された前記受け面(7)上に支持される、方法において、開いたプロファイル付き鎖環としてプロファイル付き半鎖環(2c)が用いられ、前記プロファイル付き半鎖環(2c)は、1つの前記鎖環(2b)の前記長手方向リム(3,4)の中央の領域で前記鎖環(2b)の前記側方境界面(9,10)に対して垂直に分離された半分の環(2c)として設計されることと、全ての前記端部ウェブ(5,6)の前記支持面(8)及び前記受け面(7)はいずれのものも前記端部ウェブ(5,6)の前記側方境界面(9,10)を越えて側方に広げられ、互いに関連する前記支持面(8)及び前記受け面(7)はいずれのものも互いに相補する円筒状の面として形成されることとを特徴とする方法。
【請求項9】
1つの前記閉じたプロファイル付き鎖環(2a)の前記端部ウェブ(5,6)の周りで前記閉じたプロファイル付き鎖環(2a)内にそれぞれが引っ掛けられる2つの前記プロファイル付き半鎖環(2c)はいずれのものも、溶接によって前記プロファイル付き半鎖環(2c)の前記長手方向リム(3,4)の端面(11,12)で互いに接合されて、閉じたプロファイル付き鎖環を生成することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
2つの前記プロファイル付き半鎖環(2c)のいずれのものにもおける前記接合は、摩擦溶接により行われて、1つの前記閉じたプロファイル付き鎖環(2b)を生成することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記摩擦溶接に線形摩擦溶接法が用いられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
使用される前記プロファイル付き鎖環(2a,2b)はプラスチックから製造されることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記縦向き環(2b)の半環(2c)が開いたプロファイル付き鎖環として使用されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長円形状のプロファイル付き鎖環からなるチェーンに関し、このチェーンでは、1つの鎖環の2つの長手方向リムを端部側で互いに連結する各端部ウェブが、端部ウェブの内側に形成された支持面を用いて、隣り合い且つ中で引っ掛かるプロファイル付き鎖環における関連する端部ウェブの内側に設けられた受け面上で支持される。本発明はさらに、こうようなチェーンを製造するための方法に関し、この方法では、閉じたプロファイル付き閉鎖環が、開いたプロファイル付き開鎖環の中に引っかけられ、次いでこのプロファイル付き開鎖環が溶接によって閉じられる。そこで、チェーンが完成状態にあるとき、各鎖環の2つの長手方向リムを端部側で互いに連結する各端部ウェブは、端部ウェブの内側に形成された支持面を用いて、隣り合い且つ中で引っ掛かるプロファイル付き鎖環における関連する端部ウェブの内側に設けられた受け面上で支持される。
【背景技術】
【0002】
長円形状のプロファイル付き鎖環からなる冒頭で述べたタイプのチェーンでは、鎖環の長手方向リムを端部で連結する端部ウェブに特に使用される形鋼の断面が円形断面を有するチェーンが既知である(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
他の既知のチェーン(特許文献3)では、端部ウェブの断面は、円形断面を有していないが、当該鎖環の内側の開口に面する側部で円状に丸められて形成されている。
【0004】
しかしながら、双方のケースにおいて、次のような結果になる。つまり、完成したチェーンが張力を受けた状態にあるとき、互いの中で係合し合う2つの鎖環の端部ウェブのいずれも、端部ウェブに設けられた受け面又は支持面を用いて、その内側で互いと接触係合する。そこで、一方の鎖環の端部ウェブの内側は、他方の鎖環の端部ウェブの内側に接触して支えられ、このとき他方の鎖環は、その長手方向軸を中心に一方の鎖環に対して90度旋回して配置されている。互いの中に引っ掛かる2つの鎖環のいずれのものにもおける互いに対して接触して支えるこのような端部ウェブには、次のような結合箇所が形成される。つまり、これらの結合箇所は、当該丸鋼のチェーンが例えばガイドローラの周りに延在する場合に負荷を受けた状態で方向転換をするとき、又は負荷を受けた状態で他の方向転換がなされる間、動作が活発になる。このことは、負荷を受けた状態の丸鋼チェーンのそのような結合箇所で摩耗を生じさせる結果を生み、この摩耗は結果として、チェーン全体を交換する必要がないとしても、結合箇所である端部ウェブで擦れてやせた鎖環を少なくとも交換する必要性を最終的に生じる可能性がある。
【0005】
そのようなチェーンを製造するために、個別の鎖環に対して、対応する外形セクションすなわち丸鋼セクションを所望の鎖環形状(長円形状、丸くなった形状)に対応する形状に変え、それにより、それらのセクションを互いの中に引っかけて、次いで予め曲げ加工された形鋼セクションの端面を溶接によって互いに接合することが既知である(特許文献2)。この場合、個別の鎖環それぞれは、予め開いた形状に曲げ加工され、次いで溶接によって後で閉じられなければならないため、こうしたチェーンの製造には費用がかかる。
【0006】
鎖環を製造するための冒頭で述べたタイプの方法では、閉鎖環が開鎖環内に引っかけられ、次いで開鎖環が抵抗衝合溶接によって閉じられる方法が、特許文献4から既知である。U字状の下側部品及び棒状の上側部品で構成されるそれらの鎖環が、開鎖環として用いられている。そこでは、開鎖環の下側部品及び上側部品における一緒に溶接されるべき端部には、溶接の前に、溶接位置で頂部が交差する実質的に屋根形状のテーパー部が設けられる。この設計を行う結果として、上側部品と下側部品との間の連結部における導電性が向上し、溶接箇所のエリアでの集中的な加熱が達成される。そこでは、組み立て中の意図しない僅かなずれが溶接箇所の強度に悪影響を及ぼすことがない。この方法では、1つおきの鎖環のみが溶接され、それにより、全ての鎖環が溶接されなければならない既知の方法と比較して、使用される溶接機械の製造効率が2倍になる。しかしながら、U字状の下側部品の端面に加え棒状の上側部品の下側を特別に設計することによって、追加の費用が必要になる。
【0007】
さらに、上記の方法において推奨されているこれら既知の鎖環の端部ウェブに丸くなった素材を使用することもまた、ジョイント部の摩耗に起因したこれら鎖環の寿命に関していかなる向上ももたらさない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0053766号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007061512号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102008034360号明細書
【特許文献4】独国特許第3212360号明細書
【発明の概要】
【0009】
上記に基づき、本発明の課題は、冒頭で述べたタイプのチェーンを、ジョイント部での使用可能な摩耗容量が増大しそれ故個別の鎖環の寿命が増加するように、進化させることである。
【0010】
さらに、本発明の目的はまた、単純に実現されることができ且つ製造費用が特に低い、そのようなチェーンを製造するための方法を提案することである。
【0011】
本発明によれば、冒頭に述べたタイプのチェーンの場合で上記のそれぞれの目的を達成するために、次のことが提供される。つまり、全ての端部ウェブにおける支持面及び受け面がいずれのものも当該端部ウェブの2つの側方境界面を越えて側方に広げられ、互いに関連する支持面及び受け面がいずれのものもこれら広げられた面の幅全体にわたって互いに相補する円筒状の面として形成されることである。
【0012】
本発明によるプロファイル付きチェーンを用いる場合、端部ウェブの特有の設計は、すなわち端部ウェブの支持面又は端部ウェブの受け面(これらは、当該端部ウェブの2つの側方境界面を越えて側方に広げられ且ついずれのものもこれら広げられた面の幅全体にわたって互いに相補する円筒状の面として形成される)の特有の設計は、負荷を受ける状態のもとで互いの上に載って支えられ且ついずれのものも2つの連続する鎖環の間に結合箇所を形成するこれらの支持面及び受け面が、純粋な丸棒型の環の場合よりもはるかに大きい面であり且つ(等破断荷重を有する)丸鋼チェーンの場合よりもかなり大きい摩耗容量をジョイント部でもたらすということを、意味する。しかしながら、この本発明によりジョイント部の設計を最適化することによって、広げた表面のおかげで、負荷を受ける状態のもとで作用する表面圧力も低減される。このことは次いで、純粋な丸鋼チェーンの場合よりも好ましい摩耗挙動をもたらす。互いの中に引っ掛けられる2つのプロファイル付き鎖環の間におけるそのような結合箇所では、一方の鎖環の端部ウェブの支持面及び他方の鎖環の端部ウェブの受け面は、側方に広げられるだけでなく、いずれのものもこの広げられた面の幅全体に実質的にわたって互いに相補する円筒状の面として形成され、それにより、一方の鎖環の支持面がこの鎖環の掴み面に平行である平面内でのみ曲率(すなわち円形曲率)を有する一方で、他方の鎖環の受け面にはその掴み面に垂直な平面内でのみ円弧形状の相補的な曲率が与えられる。それ故、組み合う2つの円筒状の面は結合箇所を形成し、互いの上に延在する支持面及び受け面との間におけるチェーンの負荷方向に作用する力は、鎖環同士の間ではいずれでも半径方向に移る。そして、このことは、端部ウェブそれぞれに対して力が好ましく導入される又は放出されることを意味する。互いの上に延在するジョイント受け箇所が円筒状形状を有することによって、これら受け面には非常に一様な応力が生じもし、受け面の幅にわたって見られるように、いずれの場合にも等しい大きさの局所相対速度が2つの受け面の間に生じる。これにより、非常に一様な局所速度がこれら受け面にわたって生まれもし、このことは同じく非常に一様で好ましい摩耗挙動をもたらす。
【0013】
鎖環は、鍛造によっても鋳造によっても焼結によっても製造できることが好ましく、これらの製造方法の結果として、非常に都合がよいことに、鎖環の特有の形状が、(昇降、搬送又は固定のための)チェーンの定められた目的に自由に適合することができる。
【0014】
本発明によるチェーンにおいて、個別の鎖環が縦向き環及び横向き環として使用される場合、縦向き環として機能するプロファイル付き鎖環の場合には、それらの支持面の拡大は、端部ウェブそれぞれの湾曲経路全体に実質的に沿って与えられることが好ましい。
【0015】
横向き環として機能するプロファイル付き鎖環の場合には、それらの受け面は、受け面が端部ウェブそれぞれの内側では端部ウェブを囲むように延在し、端部ウェブそれぞれの外側では端部ウェブの2つの側方境界面が当該鎖環を縁取る周面にまで延在するように、形成されるのが同じく有利である。
【0016】
特に本発明によるチェーンの場合、縦向き環は、溶接(特に摩擦溶接)によって互いに接合されるプロファイル付き半鎖環から構成される。
【0017】
本発明によるチェーンは、互いの中に引っ掛けられる2つの鎖環の間の結合箇所において、チェーンが負荷を受けている状態にあるときに互いの上に延在する2つの端部ウェブの間で互いの上に延在する受け面の有利な形態を有する。これにより、特に好ましい摩耗挙動、丸くなった輪郭を有するプロファイル付き環の場合よりも低い特定の負荷、そしてまた、それ故結合箇所のはるかに長くなった寿命が、達成される。
【0018】
本発明による方法は、冒頭で述べたタイプの鎖環を製造するための方法の場合では、次のようなプロファイル付き半鎖環を提供する。つまり、このプロファイル付き半鎖環は、開いた開鎖環として使用されるように、鎖環の掴み面に垂直に鎖環の長手方向リムの中央の領域で分離された半分の環として設計される。そこでは、全ての端部ウェブの支持面及び受け面は、いずれのものも当該端部ウェブの側部側面を越えて側方に広げられ、互いに関連する支持面及び受け面は、いずれのものもこれら広げられた面の幅全体にわたって互いに相補する円筒状の面として形成される。
【0019】
本発明による製造方法ではまた、1つおきの鎖環のみが溶接によって閉じられ、それにより、全ての鎖環が溶接によって閉じられる必要がある製造方法と比較して、対応する溶接機械の製造効率が2倍になる。
【0020】
しかしながら、冒頭で記載した製造方法の場合のように、開鎖環に様々な個々の部分的な環を用い且つこれらを共に溶接することが、必要ではない。それよりむしろ、本発明による製造方法では、半環の形態において1つの部分的な環の形態しか開鎖環の形成に使用される必要がないという大きな利点が達成される。このことは、製造だけでなく保管に関しても好ましく、それは、様々に異なって形作られた部分的な環を供給し使用することが必要ないためである。互いに面する2つの半環のいずれのものにおける共に溶接されるべき端面はまた、鎖環の対称面の内部に延在しもしており、このことは溶接プロセスを実施するのに好ましい。
【0021】
任意の好適な溶接法が半環同士を接合するのに用いられることができる。
【0022】
しかしながら、1つの閉じたプロファイル付き閉鎖環を生成するために2つのプロファイル付き半鎖環のいずれものをも接合するのには、摩擦溶接が、特に非常に有利であり、実施するのに迅速であり且つ好ましいことが証明されており、ここでは、線形摩擦溶接が使用されることがさらに非常に特に好ましい。
【0023】
摩擦溶接によって作業が行われれば、プロファイル付き鎖環に関して、プラスチックで作製されたプロファイル付き鎖環も容易に使用できるという大きな利点を達成することができる。
【0024】
本発明は、例を目的として図面の補助を用いて以下でさらにより詳細に原理的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明によるプロファイル付きチェーンの一部分の斜視図であり、4つの連続する鎖環からなる一部分の図である。
【
図2】本発明によるチェーンの鎖環(横向き環)の(拡大)斜視図である。
【
図3】
図2によるプロファイル付き鎖環の上面図である。
【
図4】
図3の切断レイヤE−Eによる断面図である。
【
図5】
図3の切断レイヤD−Dによる断面図である。
【
図6】本発明によるチェーンの鎖環(縦向き環)の拡大斜視図である。
【
図7】
図6による鎖環の側部リムの中央領域を通って切断した半分のプロファイル付き鎖環の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面の以下の説明において、種々の図面における同様の機能を有する部分には、同じ参照符号が常に付されてもいる。
【0027】
まず、
図1において、チェーン1の一部分が斜視図で示されており、このチェーン1の一部分は、2つの横向きのプロファイル付き鎖環2a及び2つの縦向きのプロファイル付き鎖環2bを交互の順序で備え、1つの縦向き環2bはいずれのものも2つの横向き環2aを連結し、1つの縦向き環2bがいずれのものも2つの横向き環2aの中に引っ掛けられている。
【0028】
横向き環2a及び縦向き環2bは、断面が円形ではない素材から作製される細長く長円形状のプロファイル付き鎖環であり、これらについては以下で詳細に説明する。
【0029】
図1が同じく示すように、横向き環2aは1つのピースの閉じた閉鎖環として設計され、その一方で縦向き環2bはいずれのものも、2つのプロファイル付き半鎖環2cから構成され、これらプロファイル付き半鎖環2cは、互いに面するそれらの端面11,12(
図7参照)上の溶接箇所13,14に沿って一緒に溶接されて閉じた縦向き閉環2bを形成する。
【0030】
半環2cは、それぞれが1つの縦向き環2bにおける半体の一つを呈するように形成され、その結果、1つの閉じた縦向き閉環2bを形成するように2つの半環2cの溶接を行った後では、そのときに形をなす側部リム3及び4上の溶接箇所13,14は、いずれのものも中央に配置されており、
図6に対応する中央平面内で互いに対して一列に整列している。
【0031】
チェーン1は次のように製造される。つまり、プロファイル付き半鎖環2cはいずれのものも、閉鎖環(横向き環2a)の中央の開口を通りこの横向き閉環2aの2つの端部ウェブ5,6(
図2参照)上で横向き閉環2a内に引っ掛けられるように、製造される、すなわち、中に引っ掛けられる2つのプロファイル付き半鎖環2cのフリーなリムが互いに対して反対向きに延在ようにして、製造される。
【0032】
次いで、
図1から見られるように、2つの連続する横向き環2aに引っ掛けられたプロファイル付き半鎖環2c同士は、リム3及び4の端部においてこれらの端面11及び12が互いに向き合う状態で、好適な方法で共に溶接され、その結果、2つの横向き環2aを連結する閉じた縦向き閉環2bが形をなす。
【0033】
任意の好適な溶接法が、2つのプロファイル付き半鎖環2cを共に溶接するのに用いられることができる。
【0034】
しかしながら、溶接箇所13及び14における溶接が摩擦溶接法(ここでは、特に非常に好ましいのは線形摩擦溶接法)を用いて行われた場合、特に非常に有利であることが照明されている。横向き環2bそれぞれのリム3及び4上の溶接箇所13及び14が中央に配置され、互いに対して位置が合わせされ且つ分断面としての中央の平面でくっつけられるため、2つの溶接箇所13及び14の同時の線形摩擦溶接が、1つのプロセスで迅速に且つ都合よく行われることができる。
【0035】
上記のことは、摩擦溶接すなわち線形摩擦溶接がプラスチック部品に対しても難なく実施されることができることから、プロファイル付き半鎖環2cが金属ではなく例えばプラスチックから構成される場合でさえ可能である。
【0036】
横向き環2aの(拡大)斜視図が
図2に示されており、縦向き環2bの(拡大)斜視図が
図6に示されている。
【0037】
図3は、
図2による横向き環2aを斜視図で描写したものの上面図を示しており、
図4は、
図3の切断面E−Eに沿った断面図を示しており、
図5が同じく
図3の切断面D−Dに沿った断面図を示している。
【0038】
側部リム3及び4は、一方の側部の側方境界面9(
図2)及び他方の側部の側方境界面10(
図4及び
図5)によって、両側部上で縁取られている。
【0039】
図5の描写からよく見られるように、端部ウェブ5及び6もまた、これらの側方境界面9及び10を有しており、すなわち、側部ウェブ3及び4が端部ウェブ5又は6それぞれに移行する領域に側方境界面9及び10を有している。
【0040】
横向き環2aの各側部では、これらの側方境界面9及び10はいずれのものも1つの平面内に位置する。
【0041】
図5の描写から見られるように、鎖環2aの内側開口に面する側では、受け面7が、端部リム5及び6のいずれのものの上に形成されている。受け面7は、円弧形状の断面を有している。そして、受け面7は、端部ウェブ5又は6それぞれの内側では、端部ウェブ5又は6を囲んで延在し、端部ウェブ5又は6それぞれの2つの外側ではいずれでも、鎖環2a全体を外側で囲んで延在する周面15と接合するまで延在する。
【0042】
図5から特によく見られるように、双方の端部ウェブ5,6上の円筒状の受け面7は、端部ウェブ5及び6の側方境界面9及び10(長手方向リム3及び4のものでもある)の双方からbの突出量だけ側方に突出する延在部を有する。結果として、受け面7は、側部リム5及び6のそれぞれに形成され、受け面7上では、引っ掛けられる縦向き環2b(
図6及び
図7参照)の対応する支持面8(同様の円筒状で相補的な形状を有する)が、側方に広がった全幅cにわたって摺動するかたちで支持されることができる。
【0043】
横向き環2aの側部リム5及び6上の受け面7は、
図5の紙面上においてのみ曲線を成して延在するが紙面と垂直には曲率を有さない円筒状の面である。それ故、このことは、これら円筒状の受け面7の全幅cに対して、以下の式(1)のサイズを有する効果的な受け部幅が使用できることを意味する。
c=a+2b・・・・・・・式(1)
そこで、式(1)中、aは横向き環2aの側方境界面9及び10の間の距離を示し、bは各側部で受け面7が端部ウェブ5及び6(ひいては側部ウェブ9及び10も)の側方境界面9及び10をそれぞれ越えて突出する側方突出余分を示し、cは横向き環2aの掴み面に垂直である効果的な受け部幅全体を示す。
【0044】
次に縦向き環2bが拡大図で示されている
図6〜
図9を参照する。
【0045】
この縦向き環もまた、半円状に湾曲した端部ウェブ5又は6を介していずれも端部で互いに連結される2つの側部リム3,4を含む。
【0046】
端部ウェブ5及び6は、縦向き環2bの内側開口に面する内側に、
図6が非常によく示しているように同じく円筒状に形成された支持面8を有している。この支持面8は、
図6、
図8及び
図9から見られるように、外向きの隆起部16を用いて、端部ウェブ5,6の側方境界面9,10を越えて突出量f(
図8及び
図9参照)だけ拡幅されており、この端部ウェブ5,6の側方境界面9,10は同様に、鎖環2bの各側部の長手方向リム3及び4の側方境界面と共通の平面にある。ここにおいても同じく、それ故、支持面8の効果的な受け部幅dの有意な拡大が、円筒形状の中心軸の方向で以下の式(2)ように達成される。
d=e+2f・・・・・・・式(2)
そこで、式(2)中、eは縦向き環2bの側方境界面9及び10の間の距離を示す(
図5参照)。
【0047】
しかしながら、縦向き環2bは、閉じた状態ではなく開いた状態で横向き環2aと組み付きけられる、すなわち、縦向き環の2つの半体2cはいずれのものもこれらの2つの端部ウェブ5及び6で横向き閉環2aの中に引っ掛けられるように組み付けられる。
【0048】
図7はこうしたプロファイル付き半鎖環2cの上面図を示しており、そこでは、
図8及び
図9が、切断線F−F(
図8)及び切断線G−G(
図9)に対応するこの半環の断面図を示している。
【0049】
それ故、各プロファイル付き半鎖環2cは、組み付けのために(
図2〜
図5に対応する)(閉じた)横向き環2a内に引っ掛けられ、すなわち、掴み面が上記横向き環に対してその長手方向中心軸回りで90度回転されて引っ掛けられ、その結果、縦向き環2bの受け面8が横向き環2aの当該端部リム5又は6の受け面7に対して摺動するように接触して支えられる。受け面7の半径rは、半径Rを相補するように選択され、その結果、双方の半径r,Rは、スイベルジョイントのように回転可能に互いに対して支持される良好な受け部を実現することができる。
【0050】
縦向き環2bにおいて、縦向き環2bの支持面8の場合での側方突出量f及び支持面8の全幅d、そして側方境界面9及び10の間の距離eは、縦向き環2b及び横向き環2aの支障のないかみ合いが達成されるように選択される。
【0051】
図6が示すように、支持面8を側方に広げ且つ側方境界面9及び10を越えて突出する隆起部16は、端部ウェブ5及び6の湾曲した延在経路全体に実質的に沿って形成される。
【0052】
それ故、端部ウェブ5,6の側方境界面9,10を越える受け面7及び支持面8からの側方突出量b及びfは、純粋な丸鋼環の場合と比較して有意に拡大した効果的な受け面をもたらす。そこで、横向き環2a及び縦向き環2bの場合のこれら受け面7及び8の設計(互いの上で摺動し且つ互いに対して接触して支持される円筒状の面7及び8の形態にある)は、丸鋼の鎖環の場合よりもはるかに大きい摩耗容量を生むだけでなく、さらには円筒状の摩擦面の場合に摩擦面の幅にわたって完全に一様である局所速度分布をもたらす摩擦比を生み、この結果、特に好ましい摩擦状態をもたらす。純粋な円形断面を有する鎖環と比較して拡大した効果的な受け面はまた、特定の引張荷重が加わるとき、純粋な丸鋼チェーンの場合と比較してこのジョイント受け部の内側の表面圧力の低減をもたらす。このことは、こうして形成されたジョイント部の摩耗特性の観点でも同じく好ましい。