【文献】
Nokia Corporation, Nokia Siemens Networks,Contention Resolution with MAC-e,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #60, R2-074624,2007年11月
【文献】
Qualcomm Europe,L1/2 aspects for enhanced UL for CELL_FACH,3GPP TSG-RAN WG1 #50-bis, R1-074126,2007年10月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記WTRUは、前記WTRUが前記CELL_FACH状態においてE−DCH送信をサポートするという条件で、前記CELL_PCH状態から前記CELL_FACH状態に移行する、請求項1のWTRU。
前記WTRUは、前記WTRUが前記CELL_FACH状態においてE−DCH送信をサポートするという条件で、前記CELL_PCH状態から前記CELL_FACH状態に移行する、請求項10の方法。
【背景技術】
【0002】
図1に、UMTS(Universal mobile Telecommunications System)内のエンハンスト・アップリンク(UL:enhanced uplink)と共に3GPP(Third Generation Partnership Project)WTRU(wireless transmit/receive unit)のRRC(radio resource control)サービス状態100を示す。WTRUは、ユーザアクティビティに応じて複数の状態で動作することができる。次の状態が、UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access) RRC(radio resource control)接続モードについて定義されている:IDLE 110、CELL_DCH 120、CELL_FACH 130、URA_PCH 140およびCELL_PCH 150。WTRUが遷移できる他の状態は、GPRS(general packet radio service)パケット転送モード160またはGSM(登録商標)(global system for mobile communications)接続モード170を含む。RRC状態遷移は、RNC(radio network controller)パラメータを使用して、ネットワークによって制御される。一般に、WTRUは、単独で状態遷移を実行することを判断しない。
【0003】
UTRA RRC接続モード(すなわち、CELL_DCH状態、CELL_FACH状態、URA_PCH状態、またはCELL_PCH状態)にある間のWTRUモビリティおよびアクティビティに基づいて、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)は、WTRUに、CELL_PCH状態、URA_PCH状態、CELL_FACH状態、およびCELL_DCH状態の間で遷移するように指示することができる。WTRUとUTRANとの間の通信は、ユーザプレーン通信として知られるが、CELL_FACH状態またはCELL_DCH状態である間に限って可能である。
【0004】
CELL_DCH状態では、専用の物理チャネルが、ULおよびダウンリンク(DL)内でWTRUに割り当てられる。これは、WTRUでの連続送信および連続受信に対応し、これらは、ユーザ電力要件に対して過酷な要求をするものになり得る。WTRUは、その現在のアクティブセットに従ってセルレベルで知られる。アクティブセットは、WTRUとUTRANとの間の特定の通信サービスに同時に用いられる無線リンクのセットである。WTRUは、専用(dedicated)トランスポートチャネル、共有(shared)トランスポートチャネル、またはこれらのトランスポートチャネルの組合せを使用することができる。
【0005】
WTRUは、共通チャネル(すなわち、FACH(forward access channel)、RACH(random access channel))を使用するように割り当てられている場合に、CELL_FACH状態にある。CELL_FACH状態では、専用物理チャネルはWTRUには割り当てられず、これは、より低いULおよびDLのスループットを犠牲にして、よりよい電力消費を可能にする。CELL_FACH状態でのダウンリンク通信は、S−CCPCH(shared common control physical channel)にマッピングされた共有トランスポートチャネル(すなわち、FACH)を介して達成することができる。CELL_FACH状態でのダウンリンク通信は、HS−DSCH(high speed downlink shared channel)を介して達成することもできる。WTRUは、DLでS−CCPCHまたはHS−DSCHを介して搬送されるFACHチャネルを継続的に監視する。CELL_FACH状態でのアップリンク通信は、PRACH(RACH physical channel)にマッピングされたデフォルトの共通トランスポートチャネルまたは共有トランスポートチャネル(すなわち、RACH)を介して達成され、このPRACHは、WTRUがそのトランスポートチャネルのアクセス手続きに従っていつでも使用することができる。RACHチャネルは、チャネルを獲得し、送信電力を調整するための電力ランプアップ(ramp-up)手続きを有する競合ベースのチャネルである。WTRUの位置は、WTRUが最後にセル更新を実行したセルに従って、セルレベルでUTRANによって知られる。
【0006】
CELL_FACH状態の特性は、非常に低いアップリンクスループットを必要とするアプリケーションによく適することを含む。CELL_FACH状態のもう1つの特性は、CELL UPDATEメッセージおよびURA UPDATEメッセージの送信などのシグナリングトラフィックによく適することを含む。CELL_FACH状態でのモビリティは、WTRUによって自律的に処理される。WTRUは、独立に測定を行い、キャンプオン(camp on)すべきセルを判定する。ブロードキャストチャネル(BCH)から読み取られるSI(system information)は、CELL_FACH状態で使用すべきアップリンクチャネル(RACH)およびダウンリンクチャネル(FACHおよびHS−DSCH)のセットアップ詳細を含む。
【0007】
CELL_PCH状態では、専用物理チャネルはWTRUに割り当てられない。WTRUは、PCH(paging channel)を選択し、関連するPICH(page indicator channel)を介して選択されたPCHを監視するために不連続受信(discontinuous reception)を使用する。ULアクティビティは可能ではない。WTRUの位置は、WTRUがCELL_FACH状態で最後にセル更新を実行したセルに従って、セルレベルでUTRANによって知られる。
【0008】
URA_PCH状態では、専用チャネルはWTRUに割り当てられない。WTRUは、PCHを選択し、関連するPICHを介して選択されたPCHを監視するために不連続受信を使用する。ULアクティビティは可能ではない。WTRUの位置は、CELL_FACH状態の最後のURA更新中にWTRUに割り当てられたURA(UTRAN registration area)に従って、URAレベルで知られる。
【0009】
最近の3GPP提案は、Enhanced RACHまたはE−RACHとも称する、CELL_FACH状態でのE−DCH(enhanced dedicated channel)の使用の可能性を確認した。E−DCHは、アップリンクスループットを高めるために、3GPP規格のリリース6で導入された。エンハンスト・アップリンクは、要求/グラント原理に基づいて動作する。WTRUは、自身が要求する要求容量の表示を送信し、ネットワークは、その要求に対するグラントで応答する。グラント(grant)は、Node−Bスケジューラによって生成される。また、HARQ(hybrid automatic repeat request)が、物理レイヤ送信に使用される。さらに、新しいULチャネルおよびDLチャネルが、E−DCHをサポートするためにリリース6で導入された。新しいUL物理チャネルは、制御情報に使用されるE−DPCCH(E-DCH dedicated physical control channel)およびユーザデータに使用されるE−DPDCH(E-DCH dedicated physical data channel)である。新しいDL物理チャネルは、グラントの送信に使用されるE−AGCH(E-DCH absolute grant channel)およびE−RGCH(E-DCH relative grant channel)と、高速レイヤ1肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)に使用されるE−HICH(E-DCH HARQ acknowledgement indicator channel)である。Node−B220は、絶対グラントと相対グラントとの両方を発行することができる。グラントは、電力比に関してシグナリングされる。各WTRUは、サービンググラント(serving grant)を維持し、このサービンググラントを、各WTRUはペイロードサイズに変換することができる。リリース6について、WTRUモビリティは、ソフトハンドオーバとアクティブセットの概念とを介してネットワークによって処理される。
【0010】
プレ・リリース8のHSPA(high speed packet access)システムでは、WTRUにシグナリングして、異なる状態の間で遷移させることができる。異なる状態の間の遷移は、プレ・リリース8ではE−RACHなしのシステムについて定義されている。しかし、CELL_FACH状態およびIdleモードでのE−DCHの導入に伴って、WTRUが、使用可能なE−DCHリソースの処理、物理チャネル手続き、および異なる状態の間の高速でより滑らかな遷移を可能にすることなど、WTRUが状態の間で遷移しつつある時に発生する問題がある。例えば、現在、WTRUがCELL_DCH状態からCELL_FACH状態に遷移する時には、以前のCELL_FACH状態がE−DCH受信をサポートしなかったので、すべてのリソースが解放される。しかし、この挙動(behavior)は、セルがE−DCH送信をサポートする場合に、WTRUがCELL_DCH状態からCELL_FACH状態に移る時に望ましくない可能性がある。
【0011】
したがって、HSPAシステム内でE−RACHを用いてWTRU状態遷移を実行する方法および装置が望まれる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で言及される場合、用語「WTRU(wireless transmit/receive unit)」は、ユーザ端末(UE:user equipment)、移動局、固定のまたは可動の加入者ユニット、ページャー、セルラー電話機、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、または無線環境内で動作できる任意の他のタイプのユーザデバイスを含むが、これらに限定はされない。また、用語「Node−B」は、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境内で動作できる任意の他のタイプのインターフェース・デバイスを含むが、これらに限定はされない。
【0015】
また、用語「MAC−i」、「MAC−is」、または「MAC−i/is」は、CELL_DCH状態およびCELL_FACH状態についてULでのE−DCH送信をサポートする媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤを指し、それぞれ「MAC−e」、「MAC−es」、または「MAC−e/es」を含むことができるが、これらに限定はされない。
【0016】
用語「E−RACH」および「CELL_FACH状態で(の)E−DCH」は、HSPA+システムでアップリンクの競合ベースのアクセスにWTRUによって使用されるリソースを記述するのに使用される。E−RACHは、スクランブリングコード、チャネライゼーションコード(channelization code)、タイムスロット、アクセスオポチュニティ(access opportunity)、およびシグネチャシーケンスの組合せを示す場合もあり、これらは、将来のシステムアーキテクチャでアップリンクの競合ベースのチャネルに関連する。E−RACHは、CELL_FACH状態、CELL_PCH状態、URA_PCH状態、またはIdleモードでのE−DCHの使用を示す場合もある。
【0017】
図2に、複数のWTRU210、1つのNode−B220、1つのRNC230、およびコアネットワーク240を含む無線通信システム200を示す。
図2に示されているように、WTRU210は、Node−B220と通信し、Node−B220は、RNC230と通信し、RNC230は、コアネットワーク240と通信する。
図2には3つのWTRU210、1つのNode−B220、および1つのRNC230が示されているが、無線デバイスおよび有線デバイスの任意の組合せを無線通信システム200に含めることができることに留意されたい。
【0018】
図3は、
図2の無線通信システム200のWTRU210およびNode−B220の機能ブロック
図300である。
図3に示されているように、WTRU210は、Node−B220と通信し、WTRU210は、WTRU210がCELL_FACH状態でE−DCHをサポートする時に状態遷移の方法を実行するように構成される。
【0019】
通常のWTRU内で見つけることのできるコンポーネントに加えて、WTRU210は、プロセッサ215、受信機216、送信機217、およびアンテナ218を含む。プロセッサ215は、WTRU210がCELL_FACH状態でE−DCHをサポートする時に状態遷移の方法を実行するように構成される。受信機216および送信機217は、プロセッサ215と通信する。アンテナ218は、受信機216と送信機217との両方と通信して、無線データの送信および受信を容易にする。1つのWTRU210のアンテナ218が
図3に示されているが、複数のアンテナをWTRU210に含めることができることに留意されたい。
【0020】
通常のNode−Bで見つけることのできるコンポーネントに加えて、Node−B220は、プロセッサ225、受信機226、送信機227、およびアンテナ228を含む。プロセッサ225は、セルがCELL_FACH状態でE−DCHをサポートする時に状態遷移の方法を実行するように構成される。受信機226および送信機227は、プロセッサ225と通信する。アンテナ228は、受信機226と送信機227との両方と通信して、無線データの送信および受信を容易にする。1つのアンテナ228が
図3に示されているが、複数のアンテナをNode−B220に含めることができることに留意されたい。
【0021】
図4に、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_FACH状態で動作するように構成することができる(401)。WTRU210は、CELL_DCH状態へのWTRU210の再構成を示す再構成メッセージを受信する(402)。この再構成メッセージは、物理チャネルパラメータの再構成をも示すことができる。この再構成メッセージを、例えば、セル更新確認メッセージを介してまたはRRC再構成メッセージの受信を介してシグナリングすることができる。WTRU210は、CELL_FACH状態で進行中のE−DCH手続きを有するかどうかを判定する(403)。WTRU210が、CELL_FACH状態で進行中のE−DCH手続きを有する場合には、E−DCHリソースは、既にWTRU210に割り当てられている。WTRU210が、進行中のE−DCH手続きを有する場合には、再構成メッセージに基づいて物理チャネルパラメータを再構成する(407)。WTRU210は、CELL_DCH状態に遷移する(408)。E−DCH手続きが進行中である場合には、WTRU210を、状態遷移の時にインシンク(すなわち、CELL_FACH状態でのE−DCH手続き中に確立されるDL物理チャネルと同期している)と考えることができる。というのは、WTRU210が、状態遷移の時にNode−B220と共にRLを既に確立済みであるからである。したがって、CELL_DCH状態への状態遷移時の同期に関連するさらなる遅延を回避するために、WTRU210は、同期手続きA(synchronization procedure A)を実行せずに即座にCELL_DCH状態に遷移することができる。3GPP TS25.214で定義される同期手続きAは、状態遷移の前に以前のRLが存在しなかった時に実行できる同期手続きである。CELL_DCH状態に遷移する時に、WTRU210は、E−DCHを介してULデータを送信する(409)。WTRU210は、UL制御情報をCELL_DCH状態でE−DCHを介して送信することもできる。オプションで、WTRU210は、ネットワーク240によってシグナリングされるアクティベーション時刻までUL送信を再開するのを待つことができ、あるいは、UL E−DCHフレーム境界を待ち、そこで送信することができる。WTRU210は、3GPP TS25.331で定義されている、CELL_DCH状態で要求される無線リンク同期判断基準を監視することができる。より具体的には、WTRU210は、同期手続きAのフェーズ2に即座に移ることができ、このフェーズ2で、WTRU210は、インシンクパラメータとアウトオブシンクパラメータとの両方を報告することができる(410)。WTRU210は、これらのパラメータを、上位レイヤ無線リンク監視機能に報告することができる。同期判断基準を、状態遷移の直後に監視することができ、あるいは、これを、DL物理チャネルが確立された後に実行することができる。
【0022】
CELL_FACH状態で進行中のE−DCH送信がない場合には、物理チャネルパラメータを再構成し(404)、CELL_DCH状態に遷移し(405)、同期手続きAを実行し(406)、ULデータを送信する(409)。WTRU210は、E−RNTI(enhanced radio network temporary identifier)割当てをネットワーク240から受信し、その割当てに基づいてE_RNTI変数をセットすることができ、このE_RNTI変数は、ULデータ送信に関連する遅延を減らすのに使用される。WTRU210を、CELL_FACH状態で使用される変数E_RNTIを保存するように構成することができる。オプションで、新しいE−RNTI割当てが受信される場合に、WTRU210は、変数E_RNTIを割り当てられたE−RNTI値に再構成することができる。WTRU210は、媒体アクセス制御(MAC)−i/isエンティティをリセットすることができる。このリセットは、状態遷移時に自律的に実行することができる。オプションで、このリセットを、MAC−i/isリセットインジケータを介してRRC再構成メッセージによって明示的に指し示すことができる。
【0023】
CELL_DCH状態への遷移の時に、WTRU210を、CELL_DCH状態での送信の初期UL送信電力レベルをセットするように構成することができる。WTRU210は、初期UL送信電力を、CELL_DCH状態への遷移の前にWTRU210によって使用されたものと同一のUL送信電力にセットすることができる。代替案では、WTRU210は、ネットワーク240によって構成される電力オフセットΔdBから初期UL送信電力を得ることができる。WTRU210は、この電力オフセットを、CELL_DCH状態への遷移の前にCELL_FACH状態でWTRU210によって使用された電力に適用することができる。
【0024】
代替案では、CELL_DCH状態に遷移する時に、WTRU210を、同期手続きB(synchronization procedure B)のみを実行するように構成することができる。3GPP TS25.214で定義された同期手続きBは、1つまたは複数のRLがアクティブセットに追加され、状態遷移の前に存在したRLのうちの少なくとも1つが、状態遷移の後にも存在する時に実行できる同期手続きである。CELL_DCH状態に遷移する時に、WTRU210を、CELL_DCH状態での送信の初期UL送信電力をセットするように構成することができる。WTRU210は、初期UL送信電力を、CELL_DCH状態に遷移する前にWTRU210によって使用されたものと同一のUL送信電力にセットすることができる。代替案では、WTRU210は、ネットワーク240によって構成される電力オフセットΔdBから初期UL送信電力を得ることができる。WTRU210は、この電力オフセットを、CELL_DCH状態への遷移の前にCELL_FACH状態でWTRU210によって使用された電力に適用することができる。
【0025】
代替案では、WTRU210を、同期手続きAのみを実行するように構成することができ、初期UL送信電力を、CELL_DCH状態に遷移する前にCELL_FACH状態でWTRU210によって使用されたものと同一のUL送信電力になるように構成することができる。代替案では、WTRU210は、ネットワーク240によって構成される電力オフセットΔdBから初期UL送信電力を得ることができる。WTRU210は、この電力オフセットを、CELL_DCH状態への遷移の前にCELL_FACH状態でWTRU210によって使用された電力に適用することができる。
【0026】
WTRU210を、サービンググラントを使用するように構成することができ、このサービンググラントを、同期手続きが実行される場合に、同期手続き中にある値未満になるように構成することができる。代替案では、同期手続きは実行されないが、WTRU210のサービンググラントは、物理再構成の後の所定の時間期間の間にある値未満になるように構成される。いずれにしても、サービンググラントの最大値を、上位レイヤによってシグナリングすることができ、例えば、SIB(system information block)を介してRRCによってシグナリングするか、再構成メッセージ内でシグナリングすることができる。代替案では、Node−B220は、上位レイヤによってシグナリングできる所定の時間期間中に最大値を超えるサービンググラントを発行するのをやめることができる。
【0027】
WTRU210は、状態遷移メッセージを受信する時に、CELL_FACH状態の4つのUL送信モードのうちの1つである可能性がある。UL送信モードは、a)WTRU210がE−DCH送信を送信していない、b)WTRU210がPRACHプリアンブルを送信している、c)WTRU210が衝突解決を実行している、およびd)WTRU210が衝突解決に続いてE−DCHを送信している、と定義することができる。WTRU210の挙動を、これらのモードのそれぞれについて指定することができる。さらに、ネットワーク240が、即座の遷移を要求する(すなわち、アクティベーション時刻=「now(現在)」である)場合、またはオプションでネットワーク240が将来のアクティベーション時刻の遷移を要求する場合に、WTRU210の挙動を指定することができる。
【0028】
WTRU210が、E−DCH送信を送信していないモードであり、状態遷移メッセージが受信される時に、WTRU210を、3GPPのリリース7およびそれ以前のリリースで定義されたアクションを実行するように構成することができる。将来のアクティベーション時刻が指定される場合には、WTRU210は、オプションで、その将来のアクティベーション時刻まで、すべてのRACHまたはE−RACHのアクセスの試みを防ぐことができる。
【0029】
WTRU210が、PRACHプリアンブルを送信するモードであり、状態遷移メッセージが受信される時に、WTRU210を、そのE−DCH送信の試みを打ち切るように構成することができる。将来のアクティベーション時刻が指定される場合に、WTRU210は、オプションで、論理チャネル、送信すべきデータの量、および状態遷移が実施されるまでの時間のうちのいずれかの組合せに基づいて、E−RACHアクセスを継続すべきか否かを判断することができる。代替案では、WTRU210は、最後のプリアンブルを送信した後、再構成メッセージを受信する前に、AICH(acquisition indicator channel)上で肯定の肯定応答をまたはE−AICH(E-DCH AICH)上でリソース割当てを受信する場合に、E−DCH送信を継続することができる。WTRU210は、E−RACHアクセスを打ち切ると判断する前に、ある時間期間(TP−a)だけ待つことができる。3GPP TS25.214で定義されるTP−aは、プリアンブルの送信からWTRU210がAICH応答を受信すると期待する時までの時間期間である。WTRU210が、リソース割当ても肯定応答も受信しない場合には、WTRU210は、E−RACHアクセスを継続しないものとすることができる。
【0030】
WTRU210が衝突解決を実行するモードであり、状態遷移メッセージが受信される時には、WTRU210を、そのE−RACHアクセスの試みを打ち切るように構成することができる。状態遷移の時に、WTRU210は、HARQバッファをフラッシュすることができ、あるいは、オプションで、MAC−i/isリセットを実行することができる。将来のアクティベーション時刻が指定される場合には、WTRU210は、オプションで、論理チャネル、送信すべきデータの量、および状態遷移が実施されるまでの時間のうちのいずれかの組合せに基づいて、E−DCH送信を継続するか否かを判断することができる。
【0031】
WTRU210が、衝突解決の後にE−DCH送信を送信するモードであり、状態遷移メッセージが受信される時に、WTRU210を、指定されたアクティベーション時刻に基づいて構成することができる。
【0032】
アクティベーション時刻が「now」にセットされている時に、WTRU210は、進行中のHARQプロセスを実行している場合がある。WTRU210を、進行中のHARQプロセスに関する再送信を完了するように構成することができる。WTRU210は、すべての再送信が完了するまで、ULスクランブリングコードを含むE−DCHリソースを保持することができる。WTRU210は、E−DCHリソースでのすべての新しいHARQプロセスの開始をすべてやめることができ、新しいデータの送信をすべてやめることができる。CELL_DCH状態への遷移は、最後のPDU(protocol data unit)が成功裏に送信された後またはすべての再送信を試みた後のいずれかに行うことができる。WTRU210は、新しいE−DCHリソースに遷移できることをネットワーク240にシグナリングすることができる。この信号は、レイヤ1メッセージまたはレイヤ2メッセージによって送信することができる。状態遷移を命令する前に、ネットワーク240は、この信号を受信するのを待つか、例えば明示的シグナリングを介してまたはタイマの満了に基づいて、E−DCHリソースがネットワーク240から解放されるまで待つ。オプションで、WTRU210は、新しい状態に遷移できることをネットワーク240に知らせるのではなく、HARQ送信を完了するや否や遷移する。
【0033】
将来のアクティベーション時刻が指定される時には、WTRU210を、そのアクティベーション時刻に達するまでE−DCHリソースを使用し続けるように構成することができる。WTRU210は、アクティベーション時刻まですべての新しい送信を防ぐことができ、あるいは、オプションで、アクティベーション時刻の前のウィンドウを、新しい送信の開始に使用不能としてマークすることができる。このウィンドウのサイズを、指定し、ネットワーク240によって構成し、または最大再送信を含む新しいPDUの送信に要する最大時間の関数としてWTRU210によって判定することができる。例えば、新しいPDUの送信を完了するための最大時間が、アクティベーション時刻の満了の前に残っている時間より長い場合には、WTRU210は、新しい送信を可能にすることができない。WTRU210は、新しい送信を開始すべきか否かの判断を、論理チャネル、送信すべきデータの量、および状態遷移が実施されるまでの時間の任意の組合せに基づくものとすることもできる。
【0034】
状態遷移の時に、WTRU210を、進行中のHARQプロセスに用いられないPDU用のすべてのHARQバッファをフラッシュするように構成することができるが、このWTRU210は、アクティブHARQプロセス送信を継続することができる。アクティブHARQプロセスを、当座のE−DCH構成を使用して送信することができ、アクティブHARQプロセスは、アクティブHARQプロセスが終了するまですべての新しい送信を防ぐことができる。代替案では、HARQプロセス構成パラメータが、E−DCH HARQプロセスに関するものと同一である場合に、WTRU210は、MAC−i/isリセットを実行する必要もHARQバッファをフラッシュする必要もなしに、CELL_DCH状態でシームレスにHARQプロセスの送信を継続することができる。
【0035】
DLについて、WTRU210は、状態遷移メッセージで指定されたとおりに新しいDLチャネルを構成することができる。ULについて、WTRU210は、スクランブリングコードを変更することだけができる。WTRU210は、E−RACHリソースに関連する他のすべてのE−DCH構成パラメータを使用し続けることができる。最後のPDUが、肯定応答されたか最大回数だけ再送信されたかのいずれかになった時に、WTRU210は、新しいUL構成に遷移することができる。WTRU210は、新しいUL E−DCHリソースに遷移したことをネットワーク240にシグナリングする必要がある場合がある。この信号は、レイヤ1メッセージまたはレイヤ2メッセージによって送信することができる。
【0036】
代替案では、WTRU210を、所与のアクティベーション時刻に状態遷移を実行するように構成することができる。所与のアクティベーション時刻は、「now」またはネットワーク240によって決定された任意の値にセットすることができる。
【0037】
遷移の時に、WTRU210は、HARQバッファをフラッシュする、HARQ構成(すなわち、HARQプロセスの個数、HARQメモリ割当て、またはTTI(transmission time interval)値)が変化する場合に限ってHARQバッファをフラッシュする、MAC−i/isエンティティをリセットしまたはその代わりにMAC−i/isエンティティをリセットするのをやめる、のうちの1つまたは組合せを実行することができる。S−RNC(serving RNC)内のMAC−i/isエンティティが変更されないままである限り、TSN(transmission sequence number)を維持することができる。オプションで、MAC−i/isエンティティのリセットを、明示的なMAC−i/isリセットインジケータがRRC再構成メッセージ内にある場合に限って実行することができる。
【0038】
図5に、CELL_FACH状態からCELL_PCH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_FACH状態で動作するように構成することができる(501)。WTRU210は、進行中のE−DCH手続きがあるかどうかを判定する(502)。E−DCH手続きは、E−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きのうちの1つあるいは両方の手続きを含むことができる。E−DCH送信手続きは、E−DPDCH送信、DPCCH送信、またはE−DPCCH送信を含むことができる。E−DCH受信は、E−AGCH受信、E−HICH受信、またはE−RGCH受信を含むことができる。進行中のE−DCH手続きがある場合には、行われつつあるすべてのE−DCH送信手続きおよびE−DCH受信手続きを打ち切る(503)。WTRU210は、HARQリソースを解放し(504)、MAC−i/isエンティティをリセットし(505)、CELL_PCH状態に遷移する(506)。進行中のE−DCH手続きがない場合には、WTRU210は、HARQリソースを解放し(504)、MAC−i/isエンティティをリセットし(505)、CELL_PCH状態に遷移する(506)。
【0039】
図6に、CELL_FACH状態からURA_PCH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_FACH状態で動作するように構成することができる(601)。WTRU210は、進行中のE−DCH手続きがあるかどうかを判定する(602)。E−DCH手続きは、E−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きのうちの1つあるいは両方の手続きを含むことができる。E−DCH送信手続きは、E−DPDCH送信、DPCCH送信、またはE−DPCCH送信を含むことができる。E−DCH受信手続きは、E−AGCH受信、E−HICH受信、またはE−RGCH受信を含むことができる。進行中のE−DCH手続きがある場合には、行われつつあるすべてのE−DCH送信手続きおよびE−DCH受信手続きを打ち切る(603)。WTRU210は、HARQリソースを解放する(604)。代替案では、WTRU210を、HARQリソースを維持するように構成することができる。WTRU210は、MAC−i/isエンティティをリセットする(605)。オプションで、WTRU210を、MAC−i/isエンティティを維持するように構成することができる。WTRU210は、URA_PCH状態に遷移し(606)、E_RNTI変数をクリアする(607)。代替案では、WTRU210は、E_RNTI変数を維持することができる。代替案では、WTRU210は、プライマリーE−RNTI値およびセカンダリーE−RNTI値をNode−B220から受信することができ、セカンダリーE−RNTI値をクリアしながら、プライマリーE−RNTI値のみを維持することができる。進行中のE−DCH手続きがない場合には、WTRU210は、HARQリソースを解放し(604)、MAC−i/isエンティティをリセットし(605)、URA_PCH状態に遷移し(606)、E_RNTI変数をクリアする(607)。
【0040】
図7に、CELL_DCH状態からURA_PCH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_DCH状態で動作するように構成することができる(701)。WTRU210は、進行中のE−DCH手続きがあるかどうかを判定する(702)。E−DCH手続きは、E−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きのうちの1つあるいは両方の手続きを含むことができる。E−DCH送信手続きは、E−DPDCH送信、DPCCH送信、またはE−DPCCH送信を含むことができる。E−DCH受信手続きは、E−AGCH受信、E−HICH受信、またはE−RGCH受信を含むことができる。進行中のE−DCH手続きがある場合には、行われつつあるすべてのE−DCH送信手続きおよびE−DCH受信手続きを打ち切る(703)。WTRU210は、HARQリソースを解放する(704)。代替案では、WTRU210を、HARQリソースを維持するように構成することができる。WTRU210は、MAC−i/isエンティティをリセットする(705)。オプションで、WTRU210を、MAC−i/isエンティティを維持するように構成することができる。WTRU210は、URA_PCH状態に遷移し(706)、E_RNTI変数をクリアする(707)。代替案では、WTRU210を、変数E_RNTIを維持するように構成することができる。代替案では、WTRU210は、プライマリーE−RNTI値およびセカンダリーE−RNTI値をNode−B220から受信することができ、セカンダリーE−RNTI値をクリアしながら、プライマリーE−RNTI値のみを維持することができる。進行中のE−DCH手続きがない場合には、WTRU210は、HARQリソースを解放し(704)、MAC−i/isエンティティをリセットし(705)、URA_PCH状態に遷移し(706)、E_RNTI変数をクリアする(707)。
【0041】
CELL_PCH状態である間にE_RNTI変数、MAC−i/isエンティティ、およびHARQリソースを維持することを可能にすることによって、WTRU210がCCCH(common control channel)以外のメッセージのUL送信の場合にCELL_FACH状態へのより高速の遷移を実行することを可能にすることができる。
【0042】
図8に、CELL_PCH状態からCELL_FACH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_PCH状態で動作するように構成することができる(801)。WTRU210は、送信すべきULデータがあるかどうかを判定する(802)。送信すべきULデータがない場合には、WTRU210は、ネットワーク240によって別な形で知らされない限り、CELL_PCH状態に留まる。送信すべきULデータがある場合には、WTRU210がCELL_FACH状態でE−DCH送信をサポートするかどうかを判定する(803)。WTRU210がCELL_FACH状態でE−DCH送信をサポートしない場合には、WTRU210は、3GPP TS25.331、プレ・リリース8で定義されるレガシーRACHを介してセル更新を実行する(804)。WTRU210がCELL_FACH状態でE−DCH送信をサポートする場合には、WTRU210は、E_RNTI変数がセットされているかどうかを判定する(805)。WTRU210は、ネットワーク240からE−RNTI割当てを受信し、その割当てに基づいてE_RNTI変数をセットすることができ、このE_RNTI変数は、ULデータ送信に関連する遅延を減らすのに使用される。E_RNTI変数がセットされている場合には、CELL_FACH状態に遷移する(806)。WTRU210は、UL送信のためにCELL_FACH状態での共有E−DCHリソースを獲得し(807)、E−DCHを介してULデータを送信する(808)。UL送信に関連する遅延が減らされるのは、WTRU210が、CELL_FACH状態に遷移し、セル更新手続きを開始する必要なしに即座にULデータ送信を開始できるからである。オプションで、WTRU210がCELL_FACH状態であった間に変数E_RNTIがクリアされ、WTRU210がC−RNTI(cell RNTI)およびH−RNTI(HS-DSCH RNTI)を有する場合には、WTRU210を、共通のまたはランダムに選択されるE−RNTI値を使用してUL送信を開始するのにE−RACHを使用するように構成することができる。WTRU210がセットされたE_RNTI変数を有しない場合には、CELL_FACH状態に遷移し(809)、ULデータを送信する(808)前に、E−DCHを介してセル更新を実行する(810)。
【0043】
WTRU210を、AICHを介してNode−B220からプリアンブルインジケータおよびアクイジションインジケータを受信するように構成することができる。WTRU210を、HS−DPCCHをセットアップし、CQI(channel quality indicator)フィードバックをNode−B220に送信するように構成することができる。WTRU210を、CQIフィードバックをより頻繁に、例えば連続するTTIの際に、送信の始めに、またはSIB(system information block)で指定される構成された頻度で、あるいはWTRU210内で事前に決定されるサイクルで送信するように構成することができる。WTRU210を、SI(scheduling information)フィールドをそのE−DCH送信に、およびオプションで後続E−DCH送信に含めるように構成することができる。
【0044】
WTRU210を、無線リンク(RL)障害に起因してCELL_DCH状態からCELL_FACH状態に遷移するように構成することができ、ここで、WTRU210は、セル更新手続きを実行することができる。WTRU210を、RRC再構成メッセージに起因してCELL_DCH状態からCELL_FACH状態に遷移するように構成することもできる。
【0045】
図9に、CELL_DCH状態からCELL_FACH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、CELL_DCH状態で動作するように構成することができる(901)。WTRU210は、RL障害が発生するかどうかを判定する(902)。RL障害が発生しない場合には、WTRU210は、RRCメッセージによって別な形で構成されない限り、CELL_DCH状態に留まる。RL障害が発生する場合には、WTRU210は、発生しているE−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きがあるかどうかを判定する(903)。E−DCH送信は、E−DPDCH送信、DPCCH送信、またはE−DPCCH送信を含むことができる。E−DCH受信は、E−AGCH受信、E−HICH受信、またはE−RGCH受信を含むことができる。進行中のE−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きがある場合には、これらの手続きを打ち切る(904)。WTRU210は、変数E_RNTIをクリアする(905)。ULデュアルセル動作またはULマルチセル動作が構成されている場合には、WTRU210は、1つまたは複数の副セルに関連するE−RNTI値をクリアすることができ、その1つまたは複数の副セルに関連するE−DCH送信手続きおよびE−DCH受信手続きを打ち切ることもできる。オプションで、WTRU210を、RL障害の後にWTRU210が再選択しようとしているセルがRL障害の時にE−DCHにサービスしていたセルとは異なる場合に限って変数E_RNTIをクリアするように構成することができる。WTRU210は、MAC−i/isエンティティをリセットし(906)、CELL_FACH状態に遷移し(908)、セル更新メッセージを送信する(909)。進行中のE−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きがない場合には、変数E_RNTIをクリアし(907)、CELL_FACH状態に遷移する(908)。
【0046】
WTRU210を、セル更新メッセージを送信するために、CELL_FACH状態でE−RACHアクセス手続きを実行するように構成することができる。E−RACHアクセス手続きの一部として、WTRU210は、E−DCH RACHアクセス手続きの一部としてのE−DPDCH、E−DPCCH、E−AGCH、E−HICH、またはE−RGCHのうちの1つまたは複数の新しい構成を選択することができる。オプションで、WTRU210は、E−RACHアクセス手続きの一部として選択された新しい構成に従ってE−DPDCHおよびE−DPCCHを再構成することができる。オプションで、WTRU210は、E−RACHアクセス手続きの一部として選択された新しい構成に従ってE−AGCH、E−HICHおよびE−RGCHを再構成することもできる。
【0047】
WTRU210を、TTI(transmission time interval)と呼ばれるインターバル内でデータブロックを送信するように構成することができる。RL障害に起因するセル更新手続きを開始するためにCELL_FACH状態でE−DCHを介する送信を開始する時に、WTRU210がRL障害の前に2ms TTIを使用してE−DCHを介して送信していた場合に、WTRU210を、10ms TTIを使用するように構成することができる。代替案では、WTRU210は、3GPPプレ・リリース6で指定されるようにRACHを介して送信することができる。
【0048】
図10Aおよび10Bに、CELL_DCH状態からCELL_FACH状態への遷移に関する流れ図を示す。WTRU210を、E−DCHリソースを用いて構成されたCELL_DCH状態で動作するように構成することができる(1001)。WTRU210は、RRC再構成メッセージを受信して、CELL_FACH状態に変更し(1002)、発生しつつあるE−DCH送信手続きがあるかどうかを判定する(1003)。E−DCH送信は、E−DPDCH送信またはE−DPCCH送信を含むことができる。発生しつつあるE−DCH送信手続きがある場合には、送信手続きを打ち切る(1004)。WTRU210は、発生しつつあるE−DCH受信手続きがあるかどうかを判定する(1005)。E−DCH受信は、E−AGCH受信、E−HICH受信、またはE−RGCH受信を含むことができる。発生しつつあるE−DCH受信手続きがある場合には、受信手続きを打ち切る(1006)。WTRU210は、セルがCELL_FACH状態でE−DCHをサポートするかどうかを判定する(1007)。セルがCELL_FACH状態でE−DCHをサポートしない場合には、CELL_FACH状態でE−DCHなしで動作する(1009)。セルがCELL_FACH状態でE−DCHをサポートする場合には、WTRU210は、MAC−i/isエンティティをリセットする(1008)。このリセットは、状態遷移が発生するたびに実行することができる。代替案では、このリセットを、RRCメッセージからのMAC−i/isリセットインジケータを介する明示的なシグナリングを介して実行することができる。WTRU210は、新しいE−RNTI割当てが受信されるかどうかを判定する(1010)。新しいE−RNTI割当てがNode−B220から受信される場合には、新しいE−RNTI値を割り当てられてCELL_FACH状態で動作する(1012)。新しいE−RNTI割当てが受信されない場合には、現在のE−RNTI値を使用する。WTRU210は、CELL_FACH状態に遷移する(1013)。オプションで、WTRU210を、HARQバッファをフラッシュするように構成することができる。
【0049】
UL RRC再構成完了メッセージをネットワーク240に送信し、状態遷移が成功であったことを確認するために、WTRU210は、E−RACHを介する競合なしアクセスを提供することができる。
【0050】
図11に、RRCメッセージを送信するための競合なしアクセスの方法を示す。WTRU210を、CELL_FACH状態、CELL_PCH状態、またはURA_PCH状態などの新しい状態に変更するためにRRC再構成メッセージを受信するように構成することができ、このメッセージは、競合なしE−DCHリソースを含む(1101)。WTRU210は、新しい状態に遷移し(1102)、競合なしE−DCHリソースを使用して、ネットワーク240にRRC再構成完了メッセージを送信する(1103)。送信されるメッセージは、RRC再構成失敗メッセージとすることもできる。オプションで、WTRU210を、競合なしアクセス送信に使用されるブロードキャストされたリソースのプールからUL物理チャネルリソースを受信するように構成することができる。WTRU210は、RRC再構成メッセージで与えられるプリアンブルシグネチャシーケンスを使用して、事前に決定された送信電力を確立するためのプリアンブル電力ランピングサイクルを開始することができる。WTRU210は、AICHメッセージを受信するのを待ち、その後、競合解決フェーズを実行する必要なしに即座にRRC再構成完了メッセージを直ちに送信することができる。
【0051】
代替案では、WTRU210を、AICHメッセージを待たずに、事前に決定された電力が確立されるや否やRRC再構成完了メッセージを送信するように構成することができる。WTRU210によって使用される電力レベルは、CELL_FACH状態に遷移する前にWTRU210が使用していたものと同一の電力とすることができる。代替案では、WTRU210を、初期電力レベル、または最後の送信の電力に対して相対的な、送信時に使用を開始するための電力オフセットをネットワーク240から受信するように構成することができる。代替案では、初期電力レベルを、事前に構成された電力レベルとすることができる。
【0052】
WTRU210を、ブロードキャストされたリソースのセットへのインデックスの形または既存のもしくは新しいRRCメッセージの一部として明示的なパラメータを伴う専用リソース割当てのいずれかの明示的なE−DCHリソースを含む信号をネットワーク240から受信するように構成することができる。WTRU210を、その後、同期手続きを開始するように構成することができる。
【0053】
図12に同期手続きの流れ図を示す。WTRU210を、所定の初期電力レベルでDPCCH上で送信するように構成することができる(1201)。電力レベルは、絶対値または以前の送信の電力に対するオフセットとして、ネットワーク240から受信することができる。WTRU210は、TPC(transmit power control)コマンドに関してF−DPCH(fractional dedicated physical channel)を監視する(1202)。WTRU210は、電力レベルを高めなければならないことを示すTPCコマンド(すなわち、「up」コマンド)が受信されるかどうかを判定する(1203)。このup TPCコマンドが受信される場合には、WTRU210は、事前に決定された量だけDPCCH上の電力を増やす(1204)。このup TPCコマンドが受信されない場合には、WTRU210は、TPCコマンドに関してF−DPCHを監視し続ける。WTRU210は、適切な(proper)電力レベルを示すTPCコマンド(すなわち、「down」コマンド)がF−DPCH上で受信されるかどうかを判定する(1205)。down TPCコマンドが受信される場合には、WTRU210は、メッセージを送信する(1206)。down TPCコマンドが受信されない場合には、WTRU210は、固定された量だけDPCCH上の電力を増やし(1204)、down TPCコマンドが受信されるかどうかを判定する(1205)。
【0054】
オプションで、より長い同期期間を使用して、電力制御ループが安定するのを助けることができる。同期期間の持続時間は、事前に構成され、ネットワーク240によってRRC専用シグナリングを使用してシグナリングされ、またはブロードキャストされるものとすることができる。オプションで、同期手続きAを使用することもできる。
【0055】
CELL_FACH状態またはIdleモードでのE−DCHは、WTRU210がCELL_FACH状態でUL送信を用いて応答しなければならないことをネットワーク240が知っている場合にも使用することができる。
【0056】
図13にスクランブリングコード割当ての流れ図を示す。WTRU210を、CCCHを介してRRCメッセージを送信するように構成することができる(1301)。WTRU210は、ネットワーク240からスクランブリングコード割当てを受信する(1302)。スクランブリングコード割当ては、例えば、RRC確認メッセージまたはRRCセットアップメッセージを介して受信することができる。WTRU210は、UL送信に関してスクランブリングコードを用いて物理レイヤを構成し(1303)、スクランブリングコード再構成を示すメッセージがネットワーク240から受信されるかどうかを判定する(1304)。新しいスクランブリングコード構成を示すメッセージが受信される場合には、WTRU210は、UL送信に関して新しいスクランブリングコードを用いて物理レイヤを構成する(1305)。スクランブリングコード再構成メッセージが受信されない場合には、WTRU210は、スクランブリングコード再構成メッセージが受信されるまで、現在構成されているスクランブリングコードを用いて継続する。
【0057】
実施形態
1.WTRU内で実施される、状態遷移の方法であって、
CELL_FACH状態で動作している間に、E−DCH(enhanced dedicated channel)を介してアップリンクデータを送信すること、を含む方法。
【0058】
2.アップリンク送信用の一時E−DCHリソースを割り当てられている間にRRC(radio resource control)信号を受信することをさらに含む、実施形態1の方法。
【0059】
3.RRC信号は、再構成メッセージを含む、実施形態2による方法。
【0060】
4.RRC信号に含まれる再構成メッセージに従って物理チャネルパラメータを再構成することをさらに含む、実施形態3による方法。
【0061】
5.CELL_DCH状態に遷移することをさらに含む、実施形態1〜4のいずれか1つによる方法。
【0062】
6.CELL_DCH状態への遷移は、RRC信号に応答するものである、実施形態5による方法。
【0063】
7.E−DCHを介して、CELL_DCH状態でアップリンクデータを送信することをさらに含む、実施形態1〜6のいずれか1つによる方法。
【0064】
8.インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータを報告することをさらに含む、実施形態1〜7のいずれか1つによる方法。
【0065】
9.インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータは、物理チャネルパラメータの再構成の際に報告される、実施形態8による方法。
【0066】
10.CELL_DCH状態でのアップリンクデータの送信は、CELL_DCH状態への遷移時に開始される、実施形態5〜9のいずれか1つによる方法。
【0067】
11.CELL_DCH状態でE−DCHを介してアップリンク制御情報を送信することをさらに含む、実施形態5〜10のいずれか1つによる方法。
【0068】
12.インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータは、上位レイヤ無線リンク監視機能に報告される、実施形態8〜11のいずれか1つによる方法。
【0069】
13.CELL_DCH状態でアップリンク送信電力レベルをセットすることをさらに含む、実施形態5〜12のいずれか1つによる方法。
【0070】
14.アップリンク送信電力レベルは、CELL_DCH状態への遷移の前に使用された送信電力に基づく、実施形態13による方法。
【0071】
15.アップリンクスクランブリングコード割当てを受信することをさらに含む、実施形態1〜14のいずれか1つによる方法。
【0072】
16.受信されたアップリンクスクランブリングコード割当てを使用してアップリンクデータを送信することをさらに含む、実施形態15による方法。
【0073】
17.TPCコマンドについてF−DPCH(fractional dedicated physical channel)を監視することをさらに含む、実施形態1〜16のいずれか1つによる方法。
【0074】
18.WTRUであって、
CELL_FACH状態で動作している間に、E−DCH(enhanced dedicated channel)を介してアップリンクデータを送信するように構成された送信機、を含むWTRU。
【0075】
19.再構成メッセージを含むRRC(radio resource control)信号を受信するように構成された受信機であって、WTRUは、アップリンク送信用の一時E−DCHリソースを割り当てられる、受信機をさらに含む、実施形態18のWTRU。
【0076】
20.物理チャネルパラメータを再構成するように構成されたプロセッサをさらに含む、実施形態18〜19のいずれか1つによるWTRU。
【0077】
21.物理チャネルパラメータは、RRC信号に含まれる再構成メッセージに従って再構成される、実施形態19〜20のいずれか1つによるWTRU。
【0078】
22.プロセッサは、CELL_DCH状態に遷移するように構成される、実施形態18〜21のいずれか1つによるWTRU。
【0079】
23.CELL_DCH状態への遷移は、RRC信号に応答するものである、実施形態22によるWTRU。
【0080】
24.送信機は、E−DCHを介して、CELL_DCH状態でアップリンクデータを送信するようにさらに構成される、実施形態18〜23のいずれか1つによるWTRU。
【0081】
25.送信機は、インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータを報告するように構成される、実施形態18〜24のいずれか1つによるWTRU。
【0082】
26.インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータは、物理チャネルパラメータの再構成の際に報告される、実施形態25によるWTRU。
【0083】
27.CELL_DCH状態でのアップリンクデータの送信は、CELL_DCH状態への遷移時に開始される、実施形態22〜26のいずれか1つによるWTRU。
【0084】
28.送信機は、CELL_DCH状態でE−DCHを介してアップリンク制御情報を送信するようにさらに構成される、実施形態22〜27のいずれか1つによるWTRU。
【0085】
29.インシンクパラメータおよびアウトオブシンクパラメータは、上位レイヤエンティティ無線リンク監視機能に報告される、実施形態25〜28のいずれか1つによるWTRU。
【0086】
30.プロセッサは、CELL_DCH状態でアップリンク送信電力レベルをセットするようにさらに構成される、実施形態22〜29のいずれか1つによるWTRU。
【0087】
31.アップリンク送信電力レベルは、CELL_DCH状態への遷移の前に使用された送信電力に基づく、実施形態30によるWTRU。
【0088】
32.受信機は、アップリンクスクランブリングコード割当てを受信するようにさらに構成される、実施形態18〜31のいずれか1つによるWTRU。
【0089】
33.送信機は、受信されたスクランブリングコード割当てを使用して送信するようにさらに構成される、実施形態32によるWTRU。
【0090】
34.プロセッサは、TPCコマンドについてF−DPCH(fractional dedicated physical channel)を監視するようにさらに構成される、実施形態18〜33のいずれか1つによるWTRU。
【0091】
35.WTRU内で実施される、状態遷移の方法であって、
進行中のE−DCH(enhanced dedicated channel)手続きを用いてCELL_FACH状態で動作すること、を含む方法。
【0092】
36.進行中のE−DCH手続きは、E−DCH送信手続きまたはE−DCH受信手続きのうちの少なくとも1つを含む、実施形態35の方法。
【0093】
37.RRC(radio resource control)信号を受信することをさらに含む、実施形態35〜36のいずれか1つによる方法。
【0094】
38.RRC信号は、状態遷移メッセージを含む、実施形態37による方法。
【0095】
39.進行中のE−DCH手続きを打ち切ることをさらに含む、実施形態35〜38のいずれか1つによる方法。
【0096】
40.HARQ(hybrid automatic repeat request)リソースを解放することをさらに含む、実施形態35〜39のいずれか1つによる方法。
【0097】
41.媒体アクセス制御(MAC)−i/isエンティティをリセットすることをさらに含む、実施形態35〜40のいずれか1つによる方法。
【0098】
42.異なるRRC状態に遷移することをさらに含む、実施形態35〜41のいずれか1つによる方法。
【0099】
43.異なるRRC状態への遷移は、RRC信号に応答するものである、実施形態42による方法。
【0100】
44.E−DCH送信手続きは、E−DPCCH(E-DCH dedicated physical control channel)送信、DPCCH(dedicated physical control channel)送信、またはE−DPDCH(E-DCH dedicated physical data channel)送信のうちの少なくとも1つを含む、実施形態36〜43のいずれか1つによる方法。
【0101】
45.E−DCH受信手続きは、E−AGCH(E-DCH absolute grant channel)受信、E−RGCH(E-DCH relative grant channel)受信、またはE−HICH(E-DCH HARQ(hybrid automatic repeat request)acknowledgement indicator channel)受信のうちの少なくとも1つを含む、実施形態36〜44のいずれか1つによる方法。
【0102】
46.異なるRRC状態は、URA_PCH状態である、実施形態42〜45のいずれか1つによる方法。
【0103】
47.E−RNTI(E-DCH radio network temporary identifier)変数をクリアすることをさらに含む、実施形態35〜46のいずれか1つによる方法。
【0104】
48.異なるRRC状態は、CELL_PCH状態である、実施形態43〜45のいずれか1つによる方法。
【0105】
49.WTRU内で実施される、状態遷移の方法であって、WTRUは、CELL_FACH状態でのE−DCH(enhanced dedicated channel)送信をサポートし、方法は、
CELL_PCH状態で動作している間に上位レイヤからデータを受け取ることであって、該データはアップリンク送信を予定されている、受け取ること、を含む方法。
【0106】
50.E−RNTI(E-DCH radio network temporary identifier)値が割り当てられているかどうかを判定することをさらに含む、実施形態49の方法。
【0107】
51.肯定の判定に応答して、アップリンクデータを送信するためにCELL_FACH状態に遷移することをさらに含む、実施形態49〜50のいずれか1つによる方法。
【0108】
52.アップリンク送信のためにCELL_FACH状態でE−DCHリソースを獲得することをさらに含む、実施形態51による方法。
【0109】
53.獲得されたE−DCHリソースを使用してCELL_FACH状態でアップリンクデータを送信することをさらに含む、実施形態51〜52のいずれか1つによる方法。
【0110】
54.該判定が否定の場合に、CELL_FACH状態に遷移すること、をさらに含む、実施形態49〜53のいずれか1つによる方法。
【0111】
55.セル更新メッセージを送信することをさらに含む、実施形態54による方法。
【0112】
56.セル更新確認メッセージを受信することをさらに含む、実施形態54〜55のいずれか1つによる方法。
【0113】
57.セル更新確認メッセージは、E−RNTI値を含む、実施形態54〜56のいずれか1つによる方法。
【0114】
58.アップリンクデータを送信することをさらに含む、実施形態54〜57のいずれか1つによる方法。
【0115】
特徴および要素を、上記で特定の組合せで説明したが、各特徴または要素を、他の特徴または要素を伴わずに単独で、または他の特徴または要素を伴うもしくは伴わないさまざまな組合せで使用することができる。本明細書で提供される方法または流れ図を、汎用コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびディジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含む。
【0116】
適切なプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、従来のプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、および/または状態機械を含む。
【0117】
ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータ内で使用されるラジオ周波数トランシーバを実施することができる。WTRUを、カメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオ電話機、スピーカホン、振動デバイス、スピーカ、マイクロホン、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、液晶ディスプレイ(LCD)ユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、ディジタル音楽プレイヤ、メディアプレイヤ、ビデオゲームプレイヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュールもしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されるモジュールと共に使用することができる。