(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高抵抗性磁性材料は、Fe、Co、Ni、FeCoNi、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、及び酸化マンガンから構成された群から選択された粒状磁性材料である、請求項1に記載のヘッド。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの心臓部は、磁気ハードディスク駆動装置(Hard Disk Drive:HDD)であり、HDDは、通常、回転磁気ディスクと、読取り及び書込みヘッドを有するスライダと、回転ディスクの上方のサスペンションアームと、サスペンションアームを回動させて読取り及び/又は書込みヘッドを回転ディスク上の選択された円形トラックの上方に配置するアクチュエータアームと、を含む。ディスクが回転していない際には、サスペンションアームがスライダをディスクの表面との接触状態に付勢するが、ディスクが回転した際には、スライダのエアベアリング表面(Air Bearing Surface:ABS)との隣接状態にある回転ディスクによって空気が巻き上げられ、その結果、スライダは、回転ディスクの表面からわずかな距離においてエアベアリング上に載置されることになる。スライダがエアベアリング上に載置された際に、書込み及び読取りヘッドを利用することにより、回転ディスクに対して磁気インプレッションを書き込むと共に、回転ディスクから信号磁界を読み取る。読取り及び書込みヘッドは、処理回路に接続されており、処理回路は、コンピュータプログラムに従って動作し、書込み及び読取り機能を実現する。
【0003】
情報時代を迎え、情報の処理量が迅速に増大している。具体的には、HDDは、相対的に多くの情報をその限られた面積及び容積内に保存するべく、望ましいものであった。この需要に対する技術的な1つの方式が、HDDの記録密度を増大させることによって容量を増大させるというものである。相対的に高い記録密度を実現するには、記録ビットの更なる小型化が有効であり、このためには、通常、益々小さなコンポーネントの設計が必要とされる。
【0004】
但し、様々なコンポーネントの更なる小型化及びその性能の改善には、その独自の課題及び障害の組が付随している。
【0005】
1つの方式においては、エネルギーアシスト磁気記録を利用して高磁気記録密度を生成してもよい。従来のマイクロ波アシスト磁気記録の製品及びアプリケーションにおいては、通常の磁気記録は、アシスト磁界と書込み磁界を重畳させるステップに基づいている。MAMR製品の性能を十分に改善するために、アシスト磁界特性及び書込み磁界特性のそれぞれを改善してもよい。
【0006】
大きな電流がMAMRヘッドのスピントルク発振器(Spin Torque Oscillator:STO)に効率的に流れるように、バックギャップ側の電流経路を電気絶縁しなければならない
(なお、特許文献1には、STOに電流が流れる構成が記載されている)。この点に留意し、通常、アルミナ(AL
2O
3)がバックギャップ材料として利用されている。但し、アルミナは、非磁性材料であることから、記録ヘッドの磁気回路がバックギャップの近傍において磁気的に分離されることになる。これにより、バックギャップ内の磁気回路抵抗値が顕著に増大し、その結果、主磁極からの書込み磁界の効率的な生成が不可能になる。従って、従来のMAMR構造は、望ましくない記録電流に対する書込み磁界の低応答性を有している。
【0007】
その他の従来の垂直磁気記録ヘッド構造においては、バックギャップのためにFeCoNi合金を利用してもよい。表1は、バックギャップのためにアルミナを利用した際とバックギャップのためにパーマロイを利用した際の電気的及び磁気的特性の比較を示している。
【0008】
【表1】
【0009】
これらのデータは、Fe
80Ni
20という組成によって規定された従来のパーマロイであるFeCoNi合金を示している。このパーマロイをバックギャップのために利用した際の電気抵抗値は、5×10
−4Ωであり、且つ、その応答性は、2.4×10
5Oe/Aである。STO側の抵抗値は、0.6Ωである。この結果、ほとんどすべての電流がバックギャップ側の電流経路に沿って流れるため、STOは、発振せず、且つ、アシスト磁界も生成されない。特に、Fe
80Ni
20以外の組成を有するFeCoNi合金を利用した際には、等価な抵抗率及び0.1T以上である飽和磁束密度が生成されるため、その特定の組成とは無関係に、パーマロイを含有するMAMRヘッド構造の場合には、この同一の結論が引き出されることになろう。
【0010】
この結果、バックギャップ材料としてパーマロイを利用している通常の構造においては、磁気記録の際に生成されるマイクロ波アシスト効果が、ほとんど又はまったく存在しない。
【0011】
その一方で、バックギャップ材料のためにアルミナを利用している従来のMAMRヘッド構造においては、5×10
17Ωという電気抵抗値と、1.9×10
5Oe/Aという応答性が生成される。上述のバックギャップ内における磁気回路抵抗値の顕著な増大の結果として、バックギャップ材料としてアルミナを利用している従来のMAMRヘッド構造によっては、書込み磁界を効率的に生成することができない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明は、本発明の一般的な原理の例示を目的として提供されるものであり、且つ、本明細書において特許請求されている本発明の概念を限定することを意図したものではない。更には、本明細書に記述されている特定の特徴は、様々な可能な組合せ及び順列のそれぞれにおいて、その他の記述されている特徴との組合せにおいて使用することができる。
【0021】
本明細書に特記されていない限り、すべての用語には、本明細書から含意される意味、並びに、当業者によって理解されると共に/又は、辞書や論文などにおいて規定されている意味を含むその可能な最も広範な解釈を付与することを要する。
【0022】
又、本明細書及び添付の請求項において使用されている単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、特記されていない限り、複数形の対象物をも含むことについて留意されなければならない。
【0023】
以下の説明は、ディスクに基づいたストレージシステム及び/又は関係するシステム及び方法、並びに、その動作及び/又はコンポーネント部品のいくつかの好適な実施形態を開示している。
【0024】
一般的な一実施形態においては、高周波数磁界アシスト磁気記録(MAMR)ヘッドは、MAMRヘッドを通じて磁束を促進するように適合されたヨークと、ヨークに磁気的に結合されると共に書込み磁界を生成するように適合された主磁極と、主磁極から離隔したリターン磁極と、主磁極の上方において位置決めされたスピントルク発振器(STO)と、ヨークとリターン磁極の間において位置決めされたバックギャップ層と、を含み、ヨーク、主磁極、リターン磁極、及びバックギャップ層のうちの少なくとも1つは、高抵抗性磁性材料を有する。
【0025】
別の一般的な実施形態においては、高周波数磁界アシスト磁気記録(MAMR)ヘッドは、第1センサ遮蔽体、第2センサ遮蔽体、及び第1センサ遮蔽体と第2センサ遮蔽体の間のセンサを有する再生部分と、再生部分に隣接した状態において位置決めされた記録部分と、を含み、記録部分は、MAMRヘッドを通じて磁束を促進するように適合されたヨークと、ヨークの上方において位置決めされると共に書込み磁界を生成するように適合された主磁極と、主磁極の上方において位置決めされたスピントルク発振器(STO)と、STOの上方において位置決めされたSTO遮蔽体と、STO遮蔽体の上方において位置決めされたリターン磁極と、ヨークとリターン磁極の間において位置決めされたバックギャップ層と、を有し、バックギャップ層は、XFe
2O
4、RFe
5O
12、Fe、Co、Ni、FeCoNi、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、及び酸化マンガンから構成される群から選択された少なくとも1つの高抵抗性材料を有し、Xは、Mn、Co、Ni、Zn、Cu、Feから構成された群から選択された元素であり、且つ、Rは、希土類元素であり、ヨーク、リターン磁極、主磁極、及びSTO遮蔽体のうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの高抵抗性材料を有し、高抵抗性材料は、約1Ωm〜約1×10
4Ωmの範囲の抵抗率、約0.1T以上である飽和磁束密度、及び約10nm以上である厚さを特徴としており、ヘッドの動作の際に、バックギャップ材料を通じて流れる電流は、1×10
−3Ωm以上である抵抗率を特徴とする第1電流経路に沿って流れ、且つ、ヘッドの動作の際に、第2電流経路に沿ってSTOを通じて流れる電流は、約100%効率により、STOに供給される。
【0026】
まず、
図1を参照すれば、本発明の一実施形態によるディスク駆動装置100が示されている。
図1に示されているように、少なくとも1つの回転自在の磁気ディスク112が、スピンドル114上において支持されており、且つ、ディスク駆動モーター118によって回転する。それぞれのディスク上における磁気記録は、通常、ディスク112上における同心データトラックの環状パターン(図示されてはいない)の形態を有する。
【0027】
少なくとも1つのスライダ113がディスク112の近傍において位置決めされており、それぞれのスライダ113は、1つ又は複数の磁気読取り/書込みヘッド121を支持している。ディスクの回転に伴って、スライダ113は、望ましいデータが記録されていると共に/又は書き込まれるディスクの様々なトラックにヘッド121がアクセスすることになるように、ディスク表面122の上方において半径方向を内向きに且つ外向きに運動する。それぞれのスライダ113は、サスペンション115により、アクチュエータアーム119に装着されている。サスペンション115は、スライダ113をディスク表面122に対して付勢するわずかなスプリング力を提供する。それぞれのアクチュエータアーム119は、アクチュエータ127に装着されている。
図1に示されているアクチュエータ127は、ボイスコイルモーター(Voice Coil Motor:VCM)であってもよい。VCMは、固定磁界内において運動自在であるコイルを有し、コイルの運動の方向及び速度は、コントローラ129によって供給されるモーター電流信号によって制御されている。
【0028】
ディスクストレージシステムの動作の際には、ディスク112の回転により、スライダに対して上向きの力又は揚力を作用させるエアベアリングがスライダ113とディスク表面122の間に生成される。従って、エアベアリングは、サスペンション115のわずかなスプリング力を相殺し、且つ、正常動作の際に、小さな実質的に一定の間隔だけ、ディスク表面から離れて、且つ、そのわずかに上方において、スライダ113を支持する。いくつかの実施形態においては、スライダ113は、ディスク表面122に沿って摺動してもよいことに留意されたい。
【0029】
ディスクストレージシステムの様々なコンポーネントは、動作の際に、アクセス制御信号及び内部クロック信号などの制御ユニット129によって生成される制御信号によって制御される。通常、制御ユニット129は、論理制御回路、ストレージ(例えば、メモリ)、及びマイクロプロセッサを有する。制御ユニット129は、ライン123上の駆動モーター制御信号及びライン128上のヘッド位置及びシーク制御信号などのような様々なシステム動作を制御するための制御信号を生成する。ライン128上の制御信号は、スライダ113をディスク112上の望ましいデータトラックまで最適に運動させると共に位置決めするための望ましい電流プロファイルを提供している。読取り及び書込み信号は、記録チャネル125により、読取り/書込みヘッド121との間において伝達される。
【0030】
通常の磁気ディスクストレージシステムに関する上述の説明と添付の
図1の図は、例示を目的としたものに過ぎない。ディスクストレージシステムが多数のディスク及びアクチュエータを含んでもよく、且つ、それぞれのアクチュエータがいくつかのスライダを支持してもよいことは明らかであろう。
【0031】
又、そのいずれもが当業者には理解されるように、データを送受信するためのディスク駆動装置とホスト間における(内部的又は外部的)通信のために、且つ、ディスク駆動装置の動作を制御すると共にディスク駆動装置の状態をホストに伝達するために、インターフェイスを提供してもよい。
【0032】
通常のヘッドにおいては、誘導型書込みヘッドは、1つ又は複数の絶縁層(絶縁積層体)に埋め込まれたコイル層を含み、絶縁積層体は、第1及び第2磁極片層の間に配置されている。書込みヘッドのエアベアリング表面(ABS)におけるギャップ層により、第1及び第2磁極片層の間に、ギャップが形成される。磁極片層は、バックギャップにおいて接続してもよい。電流がコイル層を通じて伝導され、この結果、磁極片内に磁界が生成される。磁界は、回転磁気ディスク上の円形トラック内などの運動する媒体上のトラック内に磁界情報のビットを書き込むことを目的として、ABSにおけるギャップに跨って延在する。
【0033】
第2磁極片層は、ABSからフレア地点まで延在する磁極先端部分と、フレア地点からバックギャップまで延在するヨーク部分と、を有する。フレア地点とは、第2磁極片が広がって(フレアして)ヨークを形成することを開始する地点である。フレア地点の配置は、記録媒体上に情報を書き込むべく生成される磁界の大きさに直接的な影響を及ぼす。
【0034】
図2Aは、
図1に示されているものなどの磁気ディスク記録システムと共に使用されるものなどの従来の記録媒体を概略的に示している。この媒体は、媒体自体のプレーン内において、或いは、これに対して平行に、磁気インパルスを記録するために利用される。記録媒体、この例においては、記録ディスクは、基本的に、適切な且つ従来型の磁性層からなる上部被覆202と共に、ガラスなどの適切な非磁性材料からなる支持基板200を有する。
【0035】
図2Bは、従来の記録/再生ヘッド204と
図2Aのものなどの従来の記録媒体の間の動作における関係を示しており、記録/再生ヘッド204は、好ましくは、薄膜ヘッドであってもよい。
【0036】
図2Cは、
図1に示されているものなどの磁気ディスク記録システムと共に使用される記録媒体の表面に対して実質的に垂直である磁気インパルスの向きを概略的に示している。このような垂直記録の場合には、媒体は、通常、高透磁性を有する材料からなる下層212を含む。従って、この下層212に、下層212との関係において好ましくは大きな保磁力を有する磁性材料からなる上部被覆214が設けられる。
【0037】
図2Dは、垂直ヘッド218と記録媒体の間の動作における関係を示している。
図2Dに示されている記録媒体は、高透磁性の下層212と上述の
図2Cとの関係において説明した磁性材料からなる上部被覆214の両方を含む。但し、これらの層212及び214は、いずれも、適切な基板216に適用された状態において示されている。又、通常、層212及び214の間には、「交換−遮断(exchange−break)」層又は「中間層(interlayer)」と呼ばれる更なる層(図示されてはいない)も存在している。
【0038】
この構造においては、垂直ヘッド218の磁極の間に延在する磁束線は、記録媒体の高透磁性の下層212を有する記録媒体の上部被覆214の内部に且つこれから外部にループし、これにより、磁束線が、媒体の表面に略垂直の方向において上部被覆214を通過して、媒体の表面に実質的に垂直であるその磁化軸を有する磁気インパルスの形態において、好ましくは下層212との関係において大きな保磁力を有する磁性材料の上部被覆214内において情報を記録する。磁束は、ソフトな下部被覆212により、ヘッド218のリターン層(P1)に戻るように導かれている。
【0039】
図2Eは、基板216がその2つの反対面のそれぞれの上部に層212及び214を担持している類似の構造を示しており、適切な記録ヘッド218が、媒体のそれぞれの面上において磁気被覆214の外側表面に隣接した状態で位置決めされることにより、媒体のそれぞれの面上における記録が実現されている。
【0040】
図3Aは、垂直磁気ヘッドの断面図である。
図3Aにおいては、螺旋形コイル310及び312を使用してスティッチ磁極(stitch pole)308内に磁束を生成しており、次いで、スティッチ磁極が、この磁束を主磁極306に供給している。コイル310は、ページから外に延在するコイルを示しており、コイル312は、ページ内に延在するコイルを示している。スティッチ磁極308は、ABS318から凹入していてもよい。絶縁体316がコイルを取り囲んでおり、且つ、要素のうちのいくつかのための支持を提供してもよい。構造の右側における矢印によって示されているように、媒体移動の方向に従って、媒体は、まず、下部リターン磁極314を通過し、次いで、スティッチ磁極308、主磁極306、ラップアラウンド遮蔽体(図示されてはいない)に接続されてもよいトレーリング遮蔽体304を通過し、且つ、最後に上部リターン磁極302を通過するように、移動する。これらのコンポーネントのそれぞれは、ABS318との接触状態にある部分を有してもよい。ABS318は、構造の右側に跨って示されている。
【0041】
垂直書込みは、スティッチ磁極308を通じて、主磁極306内に、且つ、次いで、ABS318に向かって位置決めされたディスクの表面に対して、磁束を強制的に導くことにより、実現される。
【0042】
図3Bは、
図3Aのヘッドに類似した特徴を有するピギーバック磁気ヘッドを示している。2つの遮蔽体304、314がスティッチ磁極308及び主磁極306の両側に位置している。又、センサ遮蔽体322、324も示されている。センサ326は、通常、センサ遮蔽体322、324の間において位置決めされる。
【0043】
図4Aは、磁束をスティッチ磁極408に供給するための、しばしば、パンケーキ構成とも呼ばれる、ループコイル410を使用した一実施形態の概略図である。スティッチ磁極は、この磁束を主磁極406に対して供給する。この向きにおいて、下部リターン磁極は、任意選択である。絶縁体416が、コイル410を取り囲んでおり、且つ、スティッチ磁極408及び主磁極406のための支持を提供してもよい。スティッチ磁極は、ABS418から凹入していてもよい。構造の右側の矢印によって示されている媒体移動の方向に従って、媒体は、スティッチ磁極408、主磁極406、ラップアラウンド遮蔽体(図示されてはいない)に接続されてもよいトレーリング遮蔽体4040を通過し、且つ、最後に上部リターン磁極402を通過するように、移動する(これらは、いずれも、ABS418との接触状態にある部分を有してもよく、或いは、有していなくてもよい)。ABS418は、構造の右側に跨って示されている。トレーリング遮蔽体404は、いくつかの実施形態においては、主磁極406との接触状態にあってもよい。
【0044】
図4Bは、パンケーキコイルを形成するように包み込むループコイル410を含む
図4Aのヘッドに類似した特徴を有する別のタイプのピギーバック磁気ヘッドを示している。又、センサ遮蔽体422、424も示されている。センサ426は、通常、センサ遮蔽体422、424の間において位置決めされる。
【0045】
図3B及び
図4Bにおいては、磁気ヘッドの非ABS側の近傍に、任意選択のヒーターが示されている。ヒーター(ヒーター)は、
図3A及び
図4Aに示されている磁気ヘッドの内部に含まれてもよい。このヒーターの位置は、突出が望ましい場所や包囲層の熱膨張係数などの設計パラメータに基づいて変化してもよい。
【0046】
従来技術
図5は、MAMRヘッドの従来の構造を示している。従来の磁気ヘッドは、記録ヘッド部分511と、再生ヘッド部分512と、から構成されている。記録ヘッド部分511は、主磁極513、スピントルク発振器(STO)514、STO遮蔽体515、リターン磁極516、バックギャップ517、コイル518、ヨーク519、下部電極520、及び上部電極521を有することを特徴としており、再生ヘッド部分512は、従来技術によるCIP−GMRセンサ、CPP−GMRセンサ、又はTMRセンサなどの再生センサ522を有することを特徴としている。更には、
図5からわかるように、従来のMAMRヘッド構造内においては、下部再生遮蔽体523及び上部再生遮蔽体524が再生センサ522の両側に位置するように位置決めされている。
【0047】
図6は、従来技術による、90°だけ右側に回転されると共にエアベアリング表面(ABS)に対して垂直の軸に沿って反転された視点からの、動作の際の
図5に示されている従来の構造を示している。磁気媒体の一部分をターゲットにした書込み動作などの記録動作の際には、電流がMAMRヘッド内の2つの経路を通じて流れる。具体的には、第1電流は、第1電流経路532を通じて、ヨーク519から、バックギャップ517を通じて、且つ、リターン磁極516内に、流れる。更には、第2電流は、従来技術によれば、第2電流経路531を通じて、ヨーク519を通じて、主磁極513、STO514、及びSTO遮蔽体515、そして、リターン磁極516内に、流れる。
【0048】
本発明の実施形態の説明
本明細書において記述されている本発明の実施形態によれば、主磁極、リターン磁極、ヨーク、及びバックギャップを含む磁気回路の少なくとも一部分内に高抵抗性材料が配設されている。本発明による構造は、有利には、大きな電流がSTOまで効率的に流れることを許容しつつ、書込み磁界の応答性を改善する。又、いくつかの方式においては、マイクロ波アシスト記録ヘッドは、STOが主磁極とSTO遮蔽体の間においてラミネートされた構造を含む。
図7〜
図12は、磁気回路内の様々な場所における高抵抗性材料716を示している。
【0049】
好ましくは、ヘッドは、主磁極を1つの電極として、且つ、STO遮蔽体をSTO用の別の電極として、使用するステップを伴うプロセスにより、磁気媒体上において情報を記録するように適合されている。動作の際には、主磁極と遮蔽体の間に閉じ込められたSTOに対する電流の流れがマイクロ波磁界を生成する。更には、このマイクロ波磁界及び主磁極からの磁界を重畳させることにより、STOに対する高電流の効率的な流れを許容しつつ、改善された書込み磁界応答性が結果的に得られる。
【0050】
いくつかの実施形態においては、高抵抗性磁性材料は、10
−3Ωm以上の抵抗率を特徴としている。一実施形態においては、抵抗率は、約10
−3Ωm〜1Ωmの範囲であり、好適な一実施形態においては、約10
2Ωm〜10
3Ωmの範囲であり、且つ、特に好適な実施形態においては、約10
3Ωm〜10
4Ωmの範囲である。当然のことながら、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、本発明の範囲を逸脱することなしに、抵抗率のその他の範囲を利用してもよい。
【0051】
更には、この高抵抗性材料の飽和磁束密度は、望ましくは、0.1T以上である。いくつかの実施形態においては、磁束密度は、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、約1Tを上回っていてもよく、その他の実施形態においては、約10
2Tを上回っていてもよく、且つ、更にその他の実施形態においては、約10
4Tを上回っていてもよい。
【0052】
更には、高抵抗性材料がその内部において利用されている1つ又は複数のヘッド部分の厚さは、望ましくは、10nm以上だが、本開示の範囲を逸脱することなしに、その内部の高抵抗性材料と、10nmを上回る又は下回る厚さと、を有するヘッド部分を利用してもよい。
【0053】
特に好ましい実施形態は、高抵抗性材料716としてフェライト(Feの酸化物)を利用している。本明細書において理解されるように、フェライトは、XFe
2O
4という組成によって規定してもよい酸化鉄であり、Xは、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、Mn、Co、Ni、Zn、Cu、Feなどの元素である。或いは、この代わりに、フェライトは、RFe
5O
12という組成によって規定される酸化鉄であってもよく、Rは、希土類元素である。
【0054】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、粒状磁性材料(granular magnetic material)を高抵抗性材料716として使用してもよい。本明細書において理解されるように、粒状磁性材料は、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、好ましくは、Al
2O
3、MgO、SiO
2などの非磁性絶縁体材料及び/又はNi、Co、Mn、又はFeなどを含有する酸化物内に配設されたFe、Co、Ni、FeCoNi合金、フェライトなどの小さな磁化された粒子を有することを特徴としている。
【0055】
更には、いくつかの方式においては、高抵抗性材料716を有する構造は、FeCoNi合金と上述の高抵抗性材料716のいずれかのそれぞれの少なくとも1つの層をラミネートすることにより、形成してもよく、且つ、このラミネート構造体を高抵抗性材料716として利用してもよい。一実施形態によれば、このラミネート構造体の高抵抗性材料716の厚さは、10nm以上である。
【0056】
好適な方式においては、高抵抗性材料716は、バックギャップとして使用されるように配設されている。一実施形態によれば、バックギャップは、その全体を高抵抗性材料716から構成してもよく、或いは、その一部を高抵抗性材料716から構成してもよい。
【0057】
図7は、本発明による例示用の一実施形態の構造を示している。本発明による磁気ヘッドは、記録ヘッド部分700を含み、且つ、再生ヘッド部分(図示されてはいない)を含んでもよい。一選択肢として、本構造体700は、その他の図面を参照して記述されているものなどの本明細書に列挙されている任意のその他の実施形態の特徴との関連において実施してもよい。但し、当然のことながら、このような構造体700及び本明細書において提示されているその他のものは、本明細書に列挙されている例示用の実施形態において具体的に記述されている又は記述されていない様々なアプリケーション及び/又は置き換え(permutation)において使用してもよい。更には、本明細書において提示されている構造体700は、任意の望ましい環境において使用してもよい。
【0058】
記録ヘッド部分700は、主磁極702、スピントルク発振器(STO)704、STO遮蔽体706、リターン磁極708、バックギャップ710、コイル(図示されてはいない)、ヨーク712、下部電極(図示されてはいない)、及び上部電極(図示されてはいない)を有することを特徴としている。STOと主磁極702の間において、且つ、STO704と遮蔽体706の間において、書込みギャップ内において従来から使用されている材料を含む任意の既知のタイプの1つ又は複数の非磁性導電性材料705、707を位置決めしてもよい。STO704に電力供給するための既知のタイプの電流源722をリターン磁極708及びヨーク712などの記録ヘッド部分700の一部分に結合してもよい。電流源722の電圧又は電流レベルなどのパラメータは、当業者が一般に入手可能な知識に従って選択してもよい。
【0059】
存在する場合に、再生ヘッド部分は、一実施形態によれば、CIP−GMRセンサ、CPP−GMRセンサ、又はTMRセンサなどの再生センサ(図示されてはいない)を有することを特徴としている。更には、下部再生遮蔽体(図示されてはいない)及び上部再生遮蔽体(図示されてはいない)が、再生センサ(図示されてはいない)の両側に位置するように位置決めされている。
【0060】
図5において見出されるものなどの
図7及びその他の実施形態には示されていない更なる要素が存在してもよい。このような更なる要素は、様々な実施形態において、
図5に示されているものと実質的に類似した方式によって配列してもよい。
【0061】
一実施形態においては、記録部分は、再生部分に直接的に隣接した状態において位置決めしてもよく、且つ、その他の実施形態においては、記録部分は、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、再生部分から離隔していてもよい。
【0062】
好適な方式においては、本明細書に記述されている高抵抗性材料716をバックギャップ層710のために利用してもよい。特に好適な実施形態においては、高抵抗性材料716は、フェライトである。例示用の一実施形態においては、
図7に示されている視点から観察された際に、バックギャップ層は、約7μmという堆積プレーンにおける高さと、約3μmという堆積プレーンにおける幅と、によって規定された約21μmのエリアを特徴としていてもよい。更には、いくつかの方式においては、(
図7に示されている視点から観察された際のページの内部への)バックギャップの厚さは、約1μm以上である。
【0063】
図13は、合計電流とSTOに流れる電流の比に対して高抵抗性材料の抵抗率が有する影響を示している。後述する実験結果においては、これらの値を利用することにより、抵抗値を算出している。以下の実験に関する説明においては、コンポーネントの一例として、
図7に示されている一般的な実施形態を使用している。実験の際に、第1電流経路718に沿ったバックギャップ710内への同時の流れを伴うことなしに大きな電流が第2電流経路720に沿ってSTO704まで効率的に流れるように、第1電流経路の抵抗値を増大させてもよいことが判明している。
【0064】
実験によって判定されたSTO側の抵抗値は、様々な実施形態において、約0.6Ωであった。従って、大きな電流がSTO側(第2電流経路)に効率的に流れるためには、第1電流経路の抵抗値は、この0.6Ωという値を適切に上回っていることが好ましい。特に好ましい実施形態においては、約10
−3Ωmを下回らない抵抗率を特徴とする高抵抗性材料716をバックギャップ710内において利用することにより、第1電流経路の適切な抵抗値を実現してもよい。このような高抵抗性材料をバックギャップ710内において利用することにより、本発明によるMAMRヘッドの好適な実施形態は、電流をSTO704に供給する際に、優れており、且つ、好ましくは、実質的に完璧な、効率を実現することになろう。換言すれば、約10
−3Ωm以上の抵抗率を特徴とする高抵抗性材料716をバックギャップ710内において利用することにより、
図13に示されている実験結果からわかるように、第2電流経路720に沿って電流をSTO704に供給する際に、100%に近い効率を実現してもよい。いくつかの実施形態においては、電流は、約99%の効率により、好適な実施形態においては、約99.9%の効率により、且つ、特に好適な実施形態においては、約99.99%の効率により、第2電流経路に沿って流れてもよい。
【0065】
更には、バックギャップ710内において約1nmの厚さを有する高抵抗性材料716を使用することにより、一実施形態によれば、トンネル電流が生成される場合があり、この結果、バックギャップ710の抵抗値の望ましくない低下が結果的にもたらされる。従って、バックギャップ内における高抵抗性材料716の厚さは、好ましくは、少なくともトンネル電流の生成が回避される厚さである。いくつかの方式においては、トンネル電流によって生成される抵抗値の望ましくない降下を回避するには、約10nmのレベルの厚さで十分である。
【0066】
第1電流経路718に沿った適切な抵抗値を実現するための1つの特に効果的な方式は、バックギャップ710内において高抵抗性材料716としてフェライトを利用するというものである。フェライトがバックギャップ710内に配設される一実施形態によれば、実験結果は、フェライトの抵抗率が約10
4Ωmであり、且つ、従って、第1電流経路718に沿った抵抗値が約5×10
8Ωであったことを示している。これは、STO704の例示用の0.6Ωの抵抗値よりも数桁だけ大きく、且つ、STO704への略完璧な(即ち、100%の効率の)電流供給を実現するために十分に大きな電気抵抗値である。
【0067】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、いくつかの方式においては、粒状磁性材料をバックギャップ710内において高抵抗性材料716として使用してもよい。本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、粒の形態の磁性材料は、粒状磁性材料の磁気特性を提供する。従って、その透磁性は、真空中よりも大きく、且つ、その結果、磁気回路抵抗値が低減される。更には、非磁性絶縁体が粒状磁性材料に沿って電流伝導経路を中断することから、同時に、抵抗率が、均一な材料中におけるものよりも大きい。従って、いくつかの方式においては、粒状磁性材料が、高抵抗性材料716を形成しており、且つ、フェライトに類似した効果を提供している。
【0068】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、室温において強力な磁力を有する化合物を高抵抗性材料716として利用してもよい。いくつかの実施形態においては、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、Mn、Co、Ni、Feなどを含む酸化物を高抵抗性材料716として利用してもよい。
【0069】
更には、高抵抗性材料716及びFeCoNi合金などの磁性合金のラミネーションにて構築された材料をバックギャップ710内において高抵抗性材料716として利用してもよい。
【0070】
図7〜
図12は、第1電流経路718に沿って望ましい高抵抗値を、そして、第2電流経路720に沿って応答性を、生成するように、記録部分700の1つ又は複数の要素内に配設された高抵抗性材料716を有する本明細書に記述されている本発明による磁気ヘッドの様々な実施形態を示している。本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、様々な実施形態は、互いに排他的なものではなく、且つ、主磁極702、STO遮蔽体706、リターン磁極708、ヨーク712、及び/又はバックギャップ710の任意の組合せにおいて高抵抗性材料716を含むことにより、これらの実施形態を望ましい任意の方式によって組み合わせてMAMRヘッドの性能を改善してもよい。
【0071】
図8に示されているように、高抵抗性材料716をバックギャップの一部分内においてのみ利用した際に、抵抗値及び応答性における類似した利点が生成される。
図8に示されている一実施形態によれば、バックギャップ710は、高抵抗性材料716と、更なる材料と、を有してもよい。本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、更なる材料は、このような目的のために従来から使用されているものを含むMAMRヘッドのバックギャップ710における使用に適した任意の材料であってもよい。
【0072】
図9に示されているように、その他の実施形態においては、結果的に得られるMAMRヘッドにおける望ましい高抵抗値及び応答性を提供するべく、高抵抗性材料716をヨーク712のすべて又は一部内に配設してもよい。
【0073】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、STO遮蔽体706の一部分内において高抵抗性材料716を利用することによっても、類似の効果が得られる。
【0074】
更には、
図10に示されているように、リターン磁極708の一部分内において高抵抗性材料716を利用することによっても、同一の効果が得られる。
【0075】
更には、
図11に示されているように、バックギャップ710は、高抵抗性材料716とFeCoNi合金などの磁性材料のラミネーションから構成してもよい。
【0076】
更には、
図12に示されているように、磁気回路の主磁極702、STO遮蔽体706、リターン磁極708、ヨーク712、及び/又はバックギャップ710のうちの2つ以上の内部に高抵抗性材料716を配置することによっても、MAMRヘッド性能に対する同様に有効な改善が得られる。
【0077】
特に、主磁極702、STO遮蔽体706、リターン磁極708、ヨーク712、及び/又は、バックギャップ710のうちの1つ又は複数の部分が本明細書に記述されている高抵抗性材料716を利用していない実施形態においては、FeCoNi合金などの更なる材料を利用してもよい。
【0078】
本明細書において記述されている本発明による構成を採用することにより、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、例えば、約10
−3Ω以上の抵抗値などの第1電流経路718の抵抗値の十分に有利な増大が保証される。そして、この大きな抵抗値により、略完璧な効率(即ち、約100%の効率)による第2電流経路720に沿ったSTO704への大量の電流の流れが保証される。更には、この構成によれば、同時に、第1電流経路718に沿った磁気回路抵抗値の低減も可能になる。この結果、究極的に、STOに対する大電流の効率的な流れを維持しつつ、高い書込み磁界応答性を有するマイクロ波アシスト磁気記録ヘッドが得られる。
【0079】
このようにマイクロ波アシスト磁気記録ヘッドのバックギャップ内においてフェライトを利用することにより、バックギャップ部分に対する電流の流れが存在しない状態において、スピントルク発振器に対する大電流の効率的な印加が許容され、且つ、記録ヘッド磁界の電流応答性が改善される。
【0080】
本明細書に記述されているように、いくつかの方式によれば、本発明によるMAMRヘッド構造は、
図16に示されている方法1600などのプロセスを実行することにより、製造してもよい。本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、方法1600は、限定を伴うことなしに、例えば、
図1〜
図12に示されているものを含む任意の環境において実行してもよい。
【0081】
一実施形態においては、方法1600は、ヨーク712などのヨークを形成するステップ1602を含む。ヨークは、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、限定を伴うことなしに、スパッタリング、化学気相蒸着、イオンビーム堆積などを含む任意の適切な方法によって形成してもよい。更には、ヨークは、いくつかの方式においては、高抵抗性材料716を含んでもよいが、このような組成を有することは、本発明によるMAMRヘッドを実現するために必須ではない。
【0082】
ステップ1604において、主磁極702などの主磁極をヨークの上方において形成してもよい。主磁極は、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、限定を伴うことなしに、スパッタリング、化学気相蒸着、イオンビーム堆積などを含む任意の適切な方法によって形成してもよい。更には、主磁極は、いくつかの方式においては、高抵抗性材料716を含んでもよいが、このような組成を有することは、本発明によるMAMRヘッドを実現するために必須ではない。
【0083】
ステップ1606において、STO704などのスピントルク発振器(STO)を主磁極の上方において形成してもよい。STOは、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、限定を伴うことなしに、スパッタリング、化学気相蒸着、イオンビーム堆積などを含む任意の適切な方法によって形成してもよい。
【0084】
一方式においては、STOの上方においてリターン磁極708などのリターン磁極を形成することにより、ステップ1608を実行してもよい。リターン磁極は、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、限定を伴うことなしに、スパッタリング、化学気相蒸着、イオンビーム堆積などを含む任意の適切な方法によって形成してよい。更には、リターン磁極は、いくつかの方式においては、高抵抗性材料716を含んでもよいが、このような組成を有することは、本発明によるMAMRヘッドを実現するために必須ではない。
【0085】
いくつかの方式においては、ステップ1610において、バックギャップ710などのバックギャップをヨークとリターン磁極の間に形成してもよい。バックギャップは、本明細書を参照した際に当業者には理解されるように、限定を伴うことなしに、スパッタリング、化学気相蒸着、イオンビーム堆積などを含む任意の適切な方法によって形成してもよい。更には、バックギャップは、いくつかの方式においては、高抵抗性材料716を含んでもよいが、このような組成を有することは、本発明によるMAMRヘッドを実現するために必須ではない。
【0086】
実験結果
次に、本明細書に記述されている本発明によるMAMRヘッドの動作及び機能を参照すれば、
図13は、一実施形態によるSTO電流比をバックギャップ材料の抵抗率の関数として示している。当業者は、本開示と、特に、
図13に示されているデータと、を参照することにより、第1電流経路718に沿って約10
4Ωmの抵抗値を有するMAMRヘッドの場合には(例えば、
図7に示されているもの)、(例えば、
図7に示されているように)実質的に電流の100%が第2電流経路720に沿ってSTOに流れることを理解するであろう。本明細書に開示されているフェライトは、上述の本発明による実施形態に従ってMAMRヘッドの1つ又は複数の要素内に配置された際に、この閾値を十分に上回る抵抗率を有しているため、従来のMAMRヘッド構造の電流の流れの効率性との比較において、STOに対する優れた高効率の電流の流れという利点を提供するために十分な電気絶縁特性が第1電流経路内において維持されることになる。
【0087】
図14は、有限要素磁界法を使用することによって計算されたバックギャップ内の飽和磁束密度を示している。アルミナを使用した磁束密度は、約0.03Tのレベルとなることが判明しており、パーマロイの磁束密度は、約0.14Tのレベルとなることが判明している。この磁束密度の差は、パーマロイの磁化に起因しており、且つ、これは、バックギャップの磁性材料の飽和磁束密度が約0.1T以上であることが望ましいことを示している。フェライトの場合に算出された飽和磁束密度は、約0.2Tであり、これは、0.1Tと比較して格段に大きい数値であった。バックギャップのためにフェライトを利用した際には、バックギャップの磁束密度が約0.14Tとなることが判明している。
【0088】
図15は、記録ヘッド電流(Iw)との関係における有限要素磁界計算を使用して算出された記録ヘッド磁界(Heff)の依存性を示している。実験結果からわかるように、フェライトをその内部において利用しているバックギャップは、アルミナをバックギャップ内において利用しているヘッドよりも、記録電流との関係において大きな記録ヘッド磁界を生成している。本発明者らは、この差は、バックギャップの磁気結合と、バックギャップ部分内における磁気回路抵抗値の低減と、に起因すると考えているが、なんらかの特定の理論に拘束されることを所望するものではない。一実施形態においては、このようにバックギャップ材料をAl
2O
3からフェライトに変更することにより、電流応答性(ΔHeff/ΔIw)を約20%だけ改善してもよい。
【0089】
以上、様々な実施形態について説明したが、これらの実施形態は、限定ではなく、例示を目的として提示されたものに過ぎないことを理解されたい。従って、本発明の実施形態の幅及び範囲は、上述の例示用の実施形態のいずれによっても限定されるものではなく、添付の請求項及びその均等物によってのみ、規定されるものである。