(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吊り元部がドア開閉駆動用トルクモーターによって正逆回転される基端側ドアパネルと、戸先部が玄関ドア取付用開口枠の上枠部に沿って左右方向へ移動する吊り車ユニットから吊持された先端側ドアパネルとの左右一対を、上下一対の蝶番ユニットを介して屈折自在に枢支連結した吊り折れ戸から成り、その折れ戸自身には開閉操作用の把手や施・解錠操作用のキー穴が無い住宅用玄関ドアの自動開閉システムであって、
自動開閉押ボタンと手動開/閉押ボタンを有し、固有のIDコードに対応する無線信号を送信する携帯型のリモコン送信機並びにそのリモコン送信機からの無線信号を受信する受信機と、
住宅の玄関ドアを除く外側に設置された暗証番号認証機又は/及び電子カードキーから発信する固有のIDコードを認証する電子カードキー認証機と、
住宅の玄関ドアを除く内側に設置された室内自動開閉押ボタンスイッチ、室内手動開/閉押ボタンスイッチ又は/及び室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチと、
ドアの閉鎖状態を感知するリミットスイッチや光電スイッチ、その他の閉鎖感知センサーと、
閉鎖状態のドアを施錠又は解錠するドア施・解錠機構と、
上記リモコン送信機の押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー又は上記室内押ボタンスイッチの操作により入力された解錠信号に基いて、上記ドア開閉駆動用トルクモーターをそのドアが開くように制御するドア開閉制御手段と、
上記閉鎖感知センサーからの感知出力信号に基いて、ドア施・解錠機構をそのドアが施錠されるように制御する施・解錠機構制御手段とを備え、
上記リモコン送信機の自動開閉押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー、室内自動開閉押ボタンスイッチ又は室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチの操作によって、上記ドア開閉制御手段と施・解錠機構制御手段へ解錠信号を入力した時には、
ドアが自動的に開き、予じめ設定された開放時間の経過後、自動的に閉じて、上記ドア施・解錠機構により施錠されることとなるように構成したことを特徴とする住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
吊り元部がドア開閉駆動用トルクモーターによって正逆回転される基端側ドアパネルと、戸先部が玄関ドア取付用開口枠の上枠部に沿って左右方向へ移動する吊り車ユニットから吊持された先端側ドアパネルとの左右一対を、上下一対の蝶番ユニットを介して屈折自在に枢支連結した吊り折れ戸から成り、その折れ戸自身には開閉操作用の把手や施・解錠操作用のキー穴が無い住宅用玄関ドアの自動開閉システムであって、
自動開閉押ボタンと手動開/閉押ボタンを有し、固有のIDコードに対応する無線信号を送信する携帯型のリモコン送信機並びにそのリモコン送信機からの無線信号を受信する受信機と、
住宅の玄関ドアを除く外側に設置された暗証番号認証機又は/及び電子カードキーから発信する固有のIDコードを認証する電子カードキー認証機と、
住宅の玄関ドアを除く内側に設置された室内自動開閉押ボタンスイッチ、室内手動開/閉押ボタンスイッチ又は/及び室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチと、
ドアの閉鎖状態を感知するリミットスイッチや光電スイッチ、その他の閉鎖感知センサーと、
閉鎖状態のドアを施錠又は解錠するドア施・解錠機構と、
上記リモコン送信機の押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー又は上記室内押ボタンスイッチの操作により入力された解錠信号に基いて、上記ドア開閉駆動用トルクモーターをそのドアが開くように制御するドア開閉制御手段と、
上記閉鎖感知センサーからの感知出力信号に基いて、ドア施・解錠機構をそのドアが施錠されるように制御する施・解錠機構制御手段とを備え、
上記リモコン送信機の手動開/閉押ボタン又は室内手動開/閉押ボタンスイッチの操作によって、上記ドア開閉制御手段と施・解錠機構制御手段へ解錠信号を入力した時には、
ドアが自動的に開き、上記トルクモーターの停止後、同じ上記押ボタン又は押ボタンスイッチの入力操作を再度行うことにより、初めてドアが自動的に閉じて、上記ドア施・解錠機構により施錠されることとなるように構成したことを特徴とする住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
トルクモーターによって開閉駆動されるドアの開放速度と閉鎖速度を、予じめ調整セットできるように定めたことを特徴とする請求項1又は2記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
ドア施・解錠機構をアクチュエーターと、これによって水平軸線廻りに円弧運動される回動アームと、その回動アームの張り出し先端部に枢支連結された垂直のロックピンとから形作り、
上記アクチュエーターを駆動すると、その回動アームの円弧運動を介してロックピンが昇降作用し、ドアの上面に対応開口されたロックピン受け入れ孔へ、上方から差し込み係止又は上方へ引き抜かれるように定めたことを特徴とする請求項1又は2記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
アクチュエーターにドアの施錠リミットスイッチと解錠リミットスイッチを内蔵させて、その解錠リミットスイッチがオン状態になると、ドア開閉駆動用トルクモーターがドアを開くように回転し始める一方、
施錠リミットスイッチがオン状態になると、そのドアの施錠状態を室内側LEDランプの点灯によって表示することを特徴とする請求項5記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
ドア施・解錠機構のアクチュエーターにより円弧運動される回動アームをほぼV字形に造形して、そのロックピンと枢支連結された一方の張り出し先端部と一定角度だけ交叉した他方の張り出し先端部に、左右一対の手動操作用索条の基端部を各々締結すると共に、
住宅の外側から専用の特殊キーを使って施・解錠操作される左右一対のシリンダー錠の回動錠杆と、上記索条の先端部とを各々連結することにより、停電時やその他の非常時には上記回動アームを人為的に回動させることができるように定めたことを特徴とする請求項5記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
室内側人感センサーと室外側人感センサーとを架設して、その何れかがドア付近における人の存在を感知した時には、その出力制御信号に基いてドア開閉駆動用トルクモーターを、ドアが開く方向へ回転させるように定めたことを特徴とする請求項1又は2記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
玄関ドア取付用開口枠の水平な上枠部をドア開閉制御系の格納ハウジングとして、その内部へドア開閉駆動用トルクモーターとそのギヤ減速機構並びにドア開閉制御手段のほか、受信機とドア施・解錠機構並びにその施・解錠機構制御手段を集中的に格納設置すると共に、
吊り車ユニットが移動する吊りレールを、上記格納ハウジングの床盤に沿い列設して、その床盤から下向きに取り付けた閉鎖感知センサーにより、ドアの閉鎖時における吊り車ユニットの位置を感知するように定める一方、
上記トルクモーターのギヤ減速機構から格納ハウジングの床盤を貫通して吊りレールの内部へ垂下する動力取出軸を、基端側ドアパネルの吊り元部から起立する中空入力軸へ、一体回転し得るように差し込み嵌合したことを特徴とする請求項1又は2記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
基端側ドアパネルと先端側ドアパネルとの左右一対を、何れも垂立状態に並列する複数本のパネルピースと、これらを全体的に挟み付け固定する上下一対のカバープレートとから組立一体化したことを特徴とする請求項1又は2記載の住宅用玄関ドアの自動開閉システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に開示された公知発明の構成では、リモコン(15)によって扉(11)を解錠した場合、その扉(11)が閉じていれば、何の操作も行うことなく、扉(11)は自動的に施錠(所謂オートロック)されるようになっているため、解錠したリモコン(15)を持ち忘れて室外へ出た場合には、室外から解錠することができなくなり、室内へ入れないことが起る。リモコン(15)以外に、室外から施・解錠する入力手段が無いからである。
【0006】
又、操作スイッチ(17)によって室内から解錠した場合、扉(11)が閉じたままでは操作スイッチ(17)を押しても施錠されないため、リモコン(15)を持ち忘れて室外へ出ても、閉め出されてしまうことはないが、扉(11)は施錠されない状態のまま放置される結果となる。
【0007】
更に、電池(18)や操作スイッチ(17)、扉施解錠機構(12)などを含むシステムの物理的な全体として、扉(11)自身の室内側に取り付け一体化されているため、その扉(11)の開閉時に発生する振動や衝撃などを常に受けることとなり、故障しやすく、耐用性に劣る問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では吊り元部がドア開閉駆動用トルクモーターによって正逆回転される基端側ドアパネルと、戸先部が玄関ドア取付用開口枠の上枠部に沿って左右方向へ移動する吊り車ユニットから吊持された先端側ドアパネルとの左右一対を、上下一対の蝶番ユニットを介して屈折自在に枢支連結した吊り折れ戸から成り、その折れ戸自身には開閉操作用の把手や施・解錠操作用のキー穴が無い住宅用玄関ドアの自動開閉システムであって、
【0009】
自動開閉押ボタンと手動開/閉押ボタンを有し、固有のIDコードに対応する無線信号を送信する携帯型のリモコン送信機並びにそのリモコン送信機からの無線信号を受信する受信機と、
【0010】
住宅の玄関ドアを除く外側に設置された暗証番号認証機又は/及び電子カードキーから発信する固有のIDコードを認証する電子カードキー認証機と、
【0011】
住宅の玄関ドアを除く内側に設置された室内自動開閉押ボタンスイッチ、室内手動開/閉押ボタンスイッチ又は/及び室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチと、
【0012】
ドアの閉鎖状態を感知するリミットスイッチや光電スイッチ、その他の閉鎖感知センサーと、
【0013】
閉鎖状態のドアを施錠又は解錠するドア施・解錠機構と、
【0014】
上記リモコン送信機の押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー又は上記室内押ボタンスイッチの操作により入力された解錠信号に基いて、上記ドア開閉駆動用トルクモーターをそのドアが開くように制御するドア開閉制御手段と、
【0015】
上記閉鎖感知センサーからの感知出力信号に基いて、ドア施・解錠機構をそのドアが施錠されるように制御する施・解錠機構制御手段とを備え、
【0016】
上記リモコン送信機の自動開閉押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー、室内自動開閉押ボタンスイッチ又は室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチの操作によって、上記ドア開閉制御手段と施・解錠機構制御手段へ解錠信号を入力した時には、
【0017】
ドアが自動的に開き、予じめ設定された開放時間の経過後、自動的に閉じて、上記ドア施・解錠機構により施錠されることとなるように構成したことを特徴とする。
【0018】
又、請求項2では吊り元部がドア開閉駆動用トルクモーターによって正逆回転される基端側ドアパネルと、戸先部が玄関ドア取付用開口枠の上枠部に沿って左右方向へ移動する吊り車ユニットから吊持された先端側ドアパネルとの左右一対を、上下一対の蝶番ユニットを介して屈折自在に枢支連結した吊り折れ戸から成り、その折れ戸自身には開閉操作用の把手や施・解錠操作用のキー穴が無い住宅用玄関ドアの自動開閉システムであって、
【0019】
自動開閉押ボタンと手動開/閉押ボタンを有し、固有のIDコードに対応する無線信号を送信する携帯型のリモコン送信機並びにそのリモコン送信機からの無線信号を受信する受信機と、
【0020】
住宅の玄関ドアを除く外側に設置された暗証番号認証機又は/及び電子カードキーから発信する固有のIDコードを認証する電子カードキー認証機と、
【0021】
住宅の玄関ドアを除く内側に設置された室内自動開閉押ボタンスイッチ、室内手動開/閉押ボタンスイッチ又は/及び室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチと、
【0022】
ドアの閉鎖状態を感知するリミットスイッチや光電スイッチ、その他の閉鎖感知センサーと、
【0023】
閉鎖状態のドアを施錠又は解錠するドア施・解錠機構と、
【0024】
上記リモコン送信機の押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー又は上記室内押ボタンスイッチの操作により入力された解錠信号に基いて、上記ドア開閉駆動用トルクモーターをそのドアが開くように制御するドア開閉制御手段と、
【0025】
上記閉鎖感知センサーからの感知出力信号に基いて、ドア施・解錠機構をそのドアが施錠されるように制御する施・解錠機構制御手段とを備え、
【0026】
上記リモコン送信機の手動開/閉押ボタン又は室内手動開/閉押ボタンスイッチの操作によって、上記ドア開閉制御手段と施・解錠機構制御手段へ解錠信号を入力した時には、
【0027】
ドアが自動的に開き、上記トルクモーターの停止後、同じ上記押ボタン又は押ボタンスイッチの入力操作を再度行うことにより、初めてドアが自動的に閉じて、上記ドア施・解錠機構により施錠されることとなるように構成したことを特徴とする。
【0028】
請求項3ではドア開閉駆動用のトルクモーターをDCブラシレスモーターとして、ドアをその施・解錠機構により施錠した時、そのモーター
がドア
に閉じる方向への押圧付勢力を与えたことを特徴とする。
【0029】
請求項4ではトルクモーターによって開閉駆動されるドアの開放速度と閉鎖速度を、予じめ調整セットできるように定めたことを特徴とする。
【0030】
請求項5ではドア施・解錠機構をアクチュエーターと、これによって水平軸線廻りに円弧運動される回動アームと、その回動アームの張り出し先端部に枢支連結された垂直のロックピンとから形作り、
【0031】
上記アクチュエーターを駆動すると、その回動アームの円弧運動を介してロックピンが昇降作用し、ドアの上面に対応開口されたロックピン受け入れ孔へ、上方から差し込み係止又は上方へ引き抜かれるように定めたことを特徴とする。
【0032】
請求項6ではアクチュエーターにドアの施錠リミットスイッチと解錠リミットスイッチを内蔵させて、その解錠リミットスイッチがオン状態になると、ドア開閉駆動用トルクモーターがドアを開くように回転し始める一方、
【0033】
施錠リミットスイッチがオン状態になると、そのドアの施錠状態を室内側LEDランプの点灯によって表示することを特徴とする。
【0034】
請求項7ではドア施・解錠機構のアクチュエーターにより円弧運動される回動アームをほぼV字形に造形して、そのロックピンと枢支連結された一方の張り出し先端部と一定角度だけ交叉した他方の張り出し先端部に、左右一対の手動操作用索条の基端部を各々締結すると共に、
【0035】
住宅の外側から専用の特殊キーを使って施・解錠操作される左右一対のシリンダー錠の回動錠杆と、上記索条の先端部とを各々連結することにより、停電時やその他の非常時には上記回動アームを人為的に回動させることができるように定めたことを特徴とする。
【0036】
請求項8では室内側人感センサーと室外側人感センサーとを架設して、その何れかがドア付近における人の存在を感知した時には、その出力制御信号に基いてドア開閉駆動用トルクモーターを、ドアが開く方向へ回転させるように定めたことを特徴とする。
【0037】
請求項9では玄関ドア取付用開口枠の水平な上枠部をドア開閉制御系の格納ハウジングとして、その内部へドア開閉駆動用トルクモーターとそのギヤ減速機構並びにドア開閉制御手段のほか、受信機とドア施・解錠機構並びにその施・解錠機構制御手段を集中的に格納設置すると共に、
【0038】
吊り車ユニットが移動する吊りレールを、上記格納ハウジングの床盤に沿い列設して、その床盤から下向きに取り付けた閉鎖感知センサーにより、ドアの閉鎖時における吊り車ユニットの位置を感知するように定める一方、
【0039】
上記トルクモーターのギヤ減速機構から格納ハウジングの床盤を貫通して吊りレールの内部へ垂下する動力取出軸を、基端側ドアパネルの吊り元部から起立する中空入力軸へ、一体回転し得るように差し込み嵌合したことを特徴とする。
【0040】
更に、請求項10では基端側ドアパネルと先端側ドアパネルとの左右一対を、何れも垂立状態に並列する複数本のパネルピースと、これらを全体的に挟み付け固定する上下一対のカバープレートとから組立一体化したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
請求項1や請求項2の上記構成によれば、玄関ドアが吊り折れ戸から成り、その基端側ドアパネルの吊り元部を一方向(正方向)へ回転駆動すると、先端側ドアパネルが蝶番ユニットを介して引き寄せられるように回転作用して、半折り状態(半分の折りたたみ状態)に開放することとなり、同じく吊り元部を他方向(逆方向)へ回転駆動すると、先端側ドアパネルが押し離されるように回転作用して、展開状態に閉鎖することとなるため、そのドアの開閉作用中に戸先部の吊り車ユニットが、玄関の開口枠(玄関ドア取付枠)の水平な上枠部に沿い左右方向へ移動することとも相俟って、玄関ドアを円滑に安定良く開閉させることができ、開放時に小型コンパクトな半折り状態になる結果、階層型マンションやその他の集合住宅における玄関廻りや通路などをいたずらに狭く制限してしまうおそれがない。
【0042】
しかも、冒頭に挙げた公知発明の構成と異なって、上記玄関ドアのそれ自身にはピッキングを受けるおそれがあるキー穴や、被服の袖口を引っ掛けやすい把手(ハンドル)は勿論のこと、ドアの施・解錠機構やその電気制御手段なども付属設置されていないので、上記開閉作用が著しく軽快に行われ、振動や衝撃などに起因する故障のおそれもなく、耐用性や防犯効果に著しく優れる。
【0043】
そして、室内からは住人(家族構成員)が押しボタンスイッチの手動操作により、ドアの開閉とその閉鎖状態の施・解錠を行えるが、室外からはIDコードを登録している無線式のリモコン送信機や電子カードキーを携帯しているか,又は暗証番号(登録番号)を記憶している住人(家族構成員)でなければ、ドアの開閉とその閉鎖状態の施・解錠を行うことができないようになっているため、住宅用玄関ドアの自動開閉システムとして優れた防犯効果を得られるのである。
【0044】
又、冒頭に述べた公知発明の構成と異なり、万一携帯型のリモコン送信機や電子カードキーを持ち忘れて室外へ出ても、暗証番号認証機のテンキーを操作することによって、施・解錠信号を入力することができる一方、暗証番号を失念しても、リモコン送信機の押ボタン操作や電子カードキーの接近操作によって、やはり施・解錠信号を入力することができるため、子供や老人でも安心して便利良く使える効果がある。
【0045】
その場合、請求項1の構成では1回の入力操作を行えば、ドアが自動的に開き、予じめ設定した開放時間が経過すると、ドアが自づと閉じることになるため、その入力操作に上記携帯型リモコン送信機を使えることとも相俟って、例えば自動車の中から玄関ドアの開閉とその閉鎖状態の施・解錠をますます便利良く行える。
【0046】
他方、請求項2の構成では最初(1回目)の入力操作を行えば、ドアが自動的に開き、引き続く2回目の入力操作を行うまでの間、ドアを開いたままの状態に放置されるため、その開放時間を好みや都合に合わせることができ、臨機応変性や自由性を得られる。
【0047】
特に、請求項3の構成を採用するならば、ドア開閉駆動源のトルクモーターがDCブラシレスモーターとして具体化されており、そのモーターがドアに閉じる押圧方向への付勢力を与えるようになっているため、閉鎖状態の施錠効果と安定性がますます向上し、吊り折れ戸から成る玄関ドアに適用して著しく有益である。
【0048】
請求項4の構成を採用するならば、請求項1、2に記載された何れのドア開閉作用についても、そのトルクモーターの回転によるドアの開放速度と閉鎖速度を、使用者の希望に応じて予じめ調整セット(設定)することができるため、利便性や安全性の向上に役立つ。
【0049】
請求項5の構成を採用するならば、アクチュエーターの駆動により回動アームの円弧運動を介して、垂直のロックピンが昇降作用するドア施・解錠機構になっているため、そのロックピンをドアの上面に対応形成されたロックピン受け入れ孔へ、容易に差し込み係止させることができ、それにも拘らずそのロックピン受け入れ孔から上方に向かっては抜け難く、その結果施錠状態の安定性に優れる。
【0050】
請求項6の構成を採用するならば、アクチュエーターの解錠リミットスイッチがオン状態にあることを確認後、初めてドア開閉駆動用トルクモーターがドアを開くようになっているため、故障などのトラブルを起すおそれがなく、又ドアの施錠状態を室内側からLEDランプの点灯によって知得できるため、安心して使える効果もある。
【0051】
請求項7の構成を採用するならば、ドア施・解錠機構のロックピンを昇降作動させるアクチュエーターが、万一停電時やその他の非常時に使えなくなっても、そのアクチュエーターをシリンダー錠の手動操作により、室外から回動して、ドアの施・解錠を行えるため、防犯上の問題を生じない。
【0052】
請求項8の構成を採用するならば、ドアが閉じる過程において、人の挟み込まれるおそれを確実に予防することができ、使用上の利便性と安全性に優れる。
【0053】
請求項9の構成を採用するならば、ドアの開閉と施・解錠の物理的な機構やこれらの電気制御手段が、玄関の開口枠(玄関ドア取付枠)における上枠部の格納ハウジング内へ、一括して集中的に格納設置されているため、ドア自身を軽量に且つ表面に凹凸がないシンプルな化粧状態に作成することができ、そのドアの優れた意匠性を得られることになる。
【0054】
又、ドアが吊り折れ戸として、その基端側ドアパネルの吊り元部をトルクモーター側の動力取出軸とドアパネル側の中空入力軸との嵌合により吊持していると共に、先端側ドアパネルの戸先部を吊りレールに沿って移動する吊り車ユニットにより吊持している関係上、そのドアを言わば2点(左右両端)支持状態での安定良く円滑に開閉作用させることができる。
【0055】
更に、請求項10の構成を採用するならば、左右一対(2枚)のドアパネルが各々複数本1組のパネルピースから成るため、例えばそのパネルピースの1本毎に異なる着色カラーを、センターポールが言わば境界線(中心線)となる左右対称な装飾状態に塗装することができ、ドアの意匠性がますます向上する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述する。先ず、本発明に係る住宅用玄関ドア(D)の物理的な構成について言えば、その玄関ドア(D)は
図1〜10に示すような吊り折れ戸として、ギヤ式の蝶番ユニット(1G)(2G)を介して屈折(開閉)自在に枢支連結された左右一対(2枚)のドアパネル(PL)(PR)と、その一方(図示の左側)の基端(吊り元)側ドアパネル(PL)における基端位置(吊り元部)の上部に固定一体化された中空入力軸(3)並びに同じく基端位置の下部に付属固定された支持脚(4)と、残る他方(図示の右側)の先端(戸先)側ドアパネル(PR)における先端位置(戸先部)の上部に固定搭載された吊り車ユニット(ランナー)(W)とを備え、玄関の開口枠(玄関ドア取付枠)(5)を閉鎖し得る形態にある。
【0058】
そして、上記基端側ドアパネル(PL)の基端位置にある中空入力軸(3)が後述するドア開閉駆動源(トルクモーター)からの取り出し動力を受けて、その基端側ドアパネル(PL)を一方向(
図7の反時計方向/開く方向)へ回転すると、先端側ドアパネル(PR)が蝶番ユニット(1G)(2G)を介して引き寄せられるように回転し、
図8のような玄関ドア(D)の開放状態(折れ戸としての折りたたみ状態)となり、同じく中空入力軸(3)が基端側ドアパネル(PL)を他方向(
図7の時計方向/閉まる方向)へ回転すると、先端側ドアパネル(PR)が逆に押し離されるように回転して、
図9のような玄関ドア(D)の閉鎖状態(折れ戸としての展開状態)となる。その玄関ドア(D)の開閉作用中、先端側ドアパネル(PR)の先端位置を吊持している吊り車ユニット(W)が、後述するチャンネル溝形の吊りレールに沿って左右方向へ移動することになる。
【0059】
更に言えば、上記左右一対(2枚)のドアパネル(PL)(PR)は何れもアルミ製品であって、垂立状態に並列する3本の第1〜3パネルピース(PL1)(PL2)(PL3)(PR1)(PR2)(PR3)と、これらを全体的に挟み付け固定する上下一対のカバープレート(6L)(6R)(7L)(7R)とから組立一体化されており、その第1〜3パネルピース(PL1)(PL2)(PL3)(PR1)(PR2)(PR3)のうち、中間側パネルピース(PL2)(PR2)の上段位置には複数の採光窓(8L)(8R)が開口形成されているほか、上記蝶番ユニット(1G)(2G)側へ望む先端側パネルピース(PL3)(PR3)からは後述するセンターポールの円弧状化粧カバー片(9L)(9R)と室内の気密用ゴムシール材(10L)(10R)が張り出されている。
【0060】
ギヤ式の蝶番ユニット(1G)(2G)は上記ドアパネル(PL)(PR)同士の境界部に介在する上下一対の噛合ギヤ(11L)(11R)(12L)(12R)から成る。その噛合ギヤ(11L)(11R)(12L)(12R)とは常時噛合状態にある回転可能な左右一対の平ギヤを意味しており、
図10〜12に抽出して示す如く、その一方(
図11の左側)の平ギヤ(11L)(12L)が対応的な左側(基端側)ドアパネル(PL)におけるカバープレート(6L)(7L)との固定支軸(13L)(14L)へ、他方(
図11の右側)の平ギヤ(11R)(12R)が対応的な右側(先端側)ドアパネル(PR)における同じくカバープレート(6R)(7R)との固定支軸(13R)(14R)へ、各々ベアリング(15L)(15R)(16L)(16R)を介して回転自在に嵌合されているのである。
【0061】
(17)(18)は左右一対づつの上記固定支軸(13L)(13R)(14L)(14R)に共通する軸受枠の上下一対であり、平・底面視のほぼ瓢箪形状をなしている。(19)(20)はその軸受枠(17)(18)のチャンネル枠内に設置された水平な連結プレートであって、上記固定支軸(13L)(13R)(14L)(14R)同士の左右相互間へ横断するように差し込まれた上、左右一対のロックナット(21L)(21R)(22L)(22R)を介して締め付け固定されることにより、左右一対の平ギヤ(11L)(11R)(12L)(12R)同士を噛合状態に保っている。
【0062】
(23)は上記蝶番ユニット(1G)(2G)を形作る上下一対の噛合ギヤ(11L)(11R)(12L)(12R)とその固定支軸(13L)(13R)(14L)(14R)の軸受枠(17)(18)へ、これらを包囲する嵌合状態に差し込み垂立された断面ほぼ瓢箪形のセンターポールであって、これもアルミ押出材から成り、ドアパネル(PL)(PR)同士の境界部に介在している。
【0063】
(24L)(24R)はそのセンターポール(23)から一体的に張り出された左右一対の係止片であり、
図12のように上記ドアパネル(PL)(PR)の先端側パネルピース(PL3)(PR3)から張り出すゴムシール材(10L)(10R)と係止することによって、室内を気密状態に保つことができるようになっている。
【0064】
そして、上記基端側ドアパネル(PL)における上側カバープレート(6L)の基端位置(吊り元部)に、中空入力軸(3)を備えた軸受プレート(25)が
図15、16のように、複数の取付ボルト(26)によって固定一体化されており、同じく下側カバープレート(7L)の基端位置に上記支持脚(4)の軸受(27)が溶接されている。しかも、その中空入力軸(3)と支持脚(4)との上下一対は
図1に示す如く、同じ垂直軸線上にあり、その垂直軸線廻りに上記基端側ドアパネル(PL)が安定良く開閉作用し得るようになっている。
【0065】
他方、上記先端側ドアパネル(PR)における上側カバープレート(6R)の基端位置(戸先部)に、
図13、14のような吊り車ユニット(W)の軸受台(28)から垂下する取付軸(29)が、ロックナット(30)によって締め付け固定されており、その吊り車ユニット(W)から先端側ドアパネル(PR)の先端位置(戸先部)が吊持された状態にある。又、その吊り車ユニット(W)の軸受台(28)には複数の水平な遊転ローラー(31)と、複数の垂直な遊転ローラー(32)とが各々軸支されているほか、衝突時のクッションストッパー(33)も取り付けられている。
【0066】
尚、図示の実施形態では左右一対(2枚)のドアパネル(PL)(PR)を、何れも垂立状態に並ぶ3本(3列)の第1〜3パネルピース(PL1)(PL2)(PL3)(PR1)(PR2)(PR3)と、その3本(3列)1組づつを挟み付け固定する上下一対のカバープレート(6L)(6R)(7L)(7R)とから組立一体化しているが、上記玄関の開口枠(玄関ドア取付枠)(5)における開口幅の広さ如何では、その第1〜3パネルピース(PL1)(PL2)(PL3)(PR1)(PR2)(PR3)の3本(3列)1組だけに限らない複数本(2本1組や4本1組など)のパネルピースから組立一体化することもでき、又上記左右一対(2枚)のドアパネル(PL)(PR)を何れも1本物として、その各個に上下方向からカバープレート(6L)(6R)(7L)(7R)を取り付け固定するだけにどとめてもさしつかえない。何れにしても1本物のドアパネル(PL)(PR)やその複数本のパネルピースには、希望する着色カラーや木目調の柄模様を塗装やその他の方法によって施すことができる。
【0067】
上記玄関の開口枠(玄関ドア取付枠)(5)は型鋼材から成り、その水平な上枠部が後述のドア開閉制御系を一括的(集中的)に格納するハウジング(H)として、その床盤(34)に沿い下向き開口するチャンネル溝形の吊りレール(35)が、水平に敷設されており、上記吊り車ユニット(W)の水平な遊転ローラー(31)がその吊りレール(35)の下向き開口縁部(35a)に係合し乍ら、同じく垂直な遊転ローラー(32)がその吊りレール(35)の溝底部(35b)に沿って転動するようになっている。吊り車ユニット(W)が上下方向や左右方向へ振れ動くことなく、安定裡に直進移動するようになっているわけである。
【0068】
上記格納ハウジング(H)はドア開閉制御系とその電気配線も含む保守・点検などのために、その室内側の背面だけ開閉できるようになっており、その床盤(吊りレールとの仕切り壁)(34)に据付け台筺(ギヤケース)(36)を介して、玄関ドア(折れ戸)(D)の開閉駆動源である正逆回転可能なトルクモーター(好ましくはDCブラシレスモーター)(37)とギヤ減速機構(M)が据え付け固定されている。
【0069】
つまり、
図15〜17に抽出して示す如く、そのトルクモーター(37)における出力軸(38)上の径小な出力プーリー(39)と、中間軸(40)上の径大な伝動プーリー(41)との左右相互間には、無端なタイミングベルト(42)が連繋張架されている。(43)は上記モーター出力軸(38)や中間軸(40)と平行に配列された動力出力軸であり、その据付け台筺(36)から上記格納ハウジング(H)の床盤(34)を貫通して、吊りレール(35)の内部へ垂下している。そして、その動力取出軸(43)の下端部が上記基端側ドアパネル(PL)の基端位置(吊り元部)から起立した状態にある中空入力軸(3)へ、キー(44)やスプラインなどを介して一体回転し得るように差し込み嵌合されているのである。
【0070】
尚、上記ドア開閉駆動用トルクモーター(37)のギヤ減速機構(M)は上記中間軸(40)と動力取出軸(43)との左右相互間に介在する伝動用の噛合ギヤ群(図示符号省略)によって、その動力取出軸(43)の必要な減速比を得られるようになっていることは、言うまでもない。
【0071】
更に、上記格納ハウジング(H)内のほぼ中間位置にはL字形の固定スタンド(45)を介して、玄関ドア(D)における閉鎖状態(折れ戸としての展開状態)の自動的な施・解錠(所謂オートロック)機構(K)が架設されている。
【0072】
その玄関ドア(D)の施・解錠機構(K)は
図18、19のような固定スタンド(45)の垂直面に取り付けられたアクチュエーター(好ましくは横型の電気モーター)(46)と、これによって水平軸線廻りに一定の角度(α)(例えば約90度)だけ円弧運動される回動アーム(47)と、格納ハウジング(H)の床盤(34)から吊りレール(35)を貫通し、上記ドアパネル(PL)(PR)における就中基端側ドアパネル(PL1)(PL2)(PL3)の上側カバープレート(6L)に向かって、一定ストローク(S)だけ進退(昇降)する垂直のロックピン(48)とから成る。
【0073】
しかも、そのロックピン(48)の上端部から一体的に張り出す連結片(49)と上記回動アーム(47)の張り出し先端部(47a)とが、水平な枢支ピン(50)とその受け入れ長孔(51)を介して連動連結されており、上記アクチュエーター(46)を駆動すると、回動アーム(47)の円弧運動を介してロックピン(48)が昇降作用し、上記基端側ドアパネル(PL1)(PL2)(PL3)の上側カバープレート(6L)に開口しているロックピン受け入れ孔(52)へ、上方から差し込み係止された
図19や
図20(ハ)のような施錠状態と、逆にその上側カバープレート(6L)のロックピン受け入れ孔(52)から上方へ引き抜かれた
図18や
図20(ロ)のような解錠状態とを得られるようになっている。(53)はロックピン(48)を正しく円滑に昇降案内するための軸受筒であり、上記固定スタンド(45)の水平面に取り付けられている。
【0074】
その場合、図示の実施形態では上記回動アーム(47)が2個の張り出し先端部(47a)(47b)を有するほぼV字形に作成されており、その上記ロックピン(48)側と枢支連結された一方の張り出し先端部(47a)と一定角度(α)(先に例示した約90度)だけ交叉する他方の張り出し先端部(47b)が、非常時に役立つ手動操作用として、ここには
図18〜20のような紐やロープなどの索条(54L)(54R)を締結する2個の係止孔(55L)(55R)が開口分布されている。
【0075】
又、格納ハウジング(H)内の両端位置付近には室外から回動操作できる左右一対のシリンダー錠(56L)(56R)が軸架されており、その左右何れか一方(
図20の左側)におけるシリンダー錠(56L)の回動錠杆(57L)と上記回動アーム(47)に開口分布する何れか一方の係止孔(55L)とが、一定長さの索条(54L)を介して連結されていると共に、残る他方(
図20の右側)におけるシリンダー錠(56R)の回動錠杆(57R)と同じく回動アーム(47)に開口する他方の係止孔(55R)とが、別個な一定長さの索条(54R)を介して連結されている。(58L)(58R)はその左右一対の索条(54L)(54R)を各々挟むために、上記ドア施・解錠機構(K)の固定スタンド(45)やシリンダー錠(56R)の特別な支持壁(59)などに軸架された複数づつの遊転ガイドローラーである。
【0076】
そして、停電時やその他の上記アクチュエーター(46)が駆動不能となった非常時には、室外から上記格納ハウジング(H)の正面に開口分布している左右一対の非常操作孔(60L)(60R)を通じて、上記シリンダー錠(56L)(56R)へ専用の特殊キー(図示省略)を差し込んで、これを人為的に回動操作する。
【0077】
つまり、
図21(イ)のように左右何れか一方(同図の左側)のシリンダー錠(56L)を回動操作して、その一方の索条(54L)を左方向へ引っ張ることにより、上記ロックピン(48)をそのロックピン受け入れ孔(52)から上方へ引き抜き解錠することができ、
図21(ロ)のように残る他方(同図の右側)のシリンダー錠(56R)を回動操作して、その他方の索条(54R)を右方向へ引っ張ることにより、同じくロックピン(48)をそのロックピン受け入れ孔(52)へ上方から差し込み施錠することができるようになっている。
【0078】
その場合、
図20は上記アクチュエーター(46)の駆動による自動的な解錠状態と施錠状態を示しており、その解錠時には左右一対の索条(54L)(54R)が
図20(ロ)のように弛緩している一方、施錠時には何れか一方(同図の右側)の索条(54R)だけが
図20(ハ)のように弛緩しているが、その停電時などの非常時において、室内からはアクチュエーター(電気モーター)(46)の回動出力軸(61)へ、マイナスドライバーやスパナなどの工具(図示省略)を係止させて、回動操作することにより、やはり手動的に
解錠状態と施錠状態を得られるようになっている。
【0079】
図示の実施形態では上記ドア施・解錠機構(K)のロックピン(48)を進退(昇降)させるアクチュエーター(46)として、電気モーターを用いているが、その電気モーターに代るソレノイドを用いたものや、油圧シリンダー又はエヤーシリンダーなどを用いたものであっても良い。
【0080】
尚、上記停電時やその他の非常時、室外からも格納ハウジング(H)の正面に開口する1個の非常操作孔(図示省略)を通じて、アクチュエーター(電気モーター)(46)の回動出力軸(61)へ専用の特殊キーを差し込むか、又は専用の特殊工具を係止させて回動操作することにより、解錠状態と施錠状態を得られるように定めて、図示実施形態のような左右一対づつのシリンダー錠(56L)(56R)や索条(54L)(54R)、その索条(54L)(54R)の係止孔(55L)(55R)などの設置を省略してもさしつかえない。
【0081】
何れにしても、上記格納ハウジング(H)の正面に開口する1個又は左右一対の非常操作孔(60L)(60R)は、その存在を家族構成員以外の不特定な第三者に知られないよう、着脱又は開閉自在の化粧キャップ(図示省略)によって施蓋された状態に保たれる。上記した特殊キーや特殊工具も住人(家族構成員)だけがその存在を知り、使用できるものであることは言うまでもない。
【0082】
更に、上記格納ハウジング(H)内のほぼ中間位置にあるドア施・解錠機構(K)を言わば境界として、その玄関ドア(D)の開閉駆動源であるトルクモーター(37)並びにギヤ減速機構(M)と反対側(
図3、4の右側)の偏心位置には、上記床盤(34)へ
図22、23のような複数のボルト(62)により固定された据立て台(63)を介して、後述するリモコン送信機からの無線信号を受信する受信機(64)と、玄関ドア(D)の開閉制御基板(65)並びに電源基板(66)を内蔵したコントロールボックス(C)と、そのコントロールボックス(C)に付属する施・解錠機構制御基板(67)とが格納設置されている。
【0083】
そして、
図25の電気制御回路を示すブロック図に基いて、上記玄関ドア用自動開閉システムの全体構成を説明すると、そのドア開閉駆動源(トルクモーター)の制御手段となるドア開閉制御基板(65)は図外のROMやRAM、その他の周辺機能を搭載したMCU(マイクロプロセッサー)(68)と、モータードライバー回路(69)と入力インターフェース(70)並びに入出力インターフェース(71)を有しており、その入力インターフェース(70)には上記ドア施・解錠機構(K)の制御手段となる施・解錠機構制御基板(67)の後述する出力インターフェースが接続されているほか、上記MCU(マイクロプロセッサー)(68)には玄関ドア(D)の開放速度調整ボリューム(72)と同じく閉鎖速度調整ボリューム(73)並びに開放時間設定ボリューム(タイマー)(74)などが接続されている。他方、入出力インターフェース(71)には玄関ドアー(D)の開閉駆動源をなす上記トルクモーター(DCブラシレスモーター)(37)が接続されており、そのモーター(37)から回転信号や位置信号などの必要な情報を上記ドア開閉制御基板(65)のMCU(68)やドライバー回路(69)へフィードバック(入力)するようになっている。
【0084】
上記開放時間設定ボリューム(タイマー)(74)は後述する1回の入力操作によって、玄関ドア(D)を自動的に開き、自動的に閉じる場合に、その開放時間を予じめ設定(調整)するためのものであり、
図22、24から明白なように、開放速度調整ボリューム(72)並びに閉鎖速度調整ボリューム(73)と同じく上記コントロールボックス(C)の表面に並列設置されている。
【0085】
そのため、自動開閉システムの新設やリフォームを行う当初には施工業者が、又その後には使用者(住人/家族構成員)が何れも上記格納ハウジング(H)の背面(室内側)から必要な工具を用いて、これらの各種ボリューム(72)(73)(74)を回動操作することにより、その玄関ドア(D)の自動的な開放速度と閉鎖速度並びに開放時間(例えば0秒から30秒までの設定範囲)を希望通り調整セットすることができる。
【0086】
又、上記ドア施・解錠機構(K)の制御手段である施・解錠機構制御基板(67)はやはりMCU(マイクロプロセッサー)(75)と入力インターフェース(76)、出力インターフェース(77)並びに電源部インターフェース(78)を有し、その電源部インターフェース(78)に外部の1次電源(100V)(79)と上記コントロールボックス(C)内の電源基板(66)とが接続されている。(80)は玄関ドア(D)の自動開閉システムに専用の電源オンオフスイッチであって、上記施・解錠機構制御基板(67)の電源部インターフェース(78)と外部の1次電源(79)又はブレーカーとの間に介在している。
【0087】
そして、その施・解錠機構制御基板(67)の出力インターフェース(77)には上記ドア施・解錠機構(K)を駆動するアクチュエーター(電気モーター)(46)と、施・解錠状態を表示する室内側のLEDランプ(81)並びに室外側のLEDランプ(82)とが接続されている。
【0088】
その室内側LEDランプ(81)と室外側LEDランプ(82)は
図1、2や
図13、14に示す如く、上記格納ハウジング(H)における閉鎖した先端側(同図の右側)ドアパネル(PR)の先端付近と対応位置するように、その正背一対として取り付けられている。
【0089】
同じく施・解錠機構制御基板(67)の入力インターフェース(76)には上記受信機(64)と、暗証番号又は/及び電子カードキー(スマートキー)の認証機(83)とが接続されている。その受信機(64)に向かって無線信号を送信するリモコン送信機(84)は、
図26のような自動開閉押ボタン(A)と手動開/閉押ボタン(B)とを有する携帯型であって、これに予じめ割り付けられた固有のIDコードに対応する無線信号を、玄関ドア(D)から一定距離(例えば約5m)だけ離れた位置からでも送信することができるものである。
【0090】
リモコン送信機(84)の自動開閉押ボタン(A)は、これを1回押せば、玄関ドア(D)が自動的に開いて閉じるようになっており、これに対して手動開/閉押ボタン(B)はこれを1回押すと、玄関ドア(D)が開き、もう1回(合計2回)押すと閉じるようになっているため、その手動開/閉押ボタン(B)の操作によって玄関ドア(D)を開放した状態のままに保つ(放置する)こともできる。
【0091】
上記リモコン送信機(84)に対応する受信機(64)は、その図面に基く詳細な説明を省略するが、リモコン送信機(84)毎に割り付けられている固有のIDコードを記憶し、正確に判別できるMCU(マイクロプロセッサー)などのコンピューター機能を具備している。
【0092】
又、暗証番号又は/及び電子カードキーの認証機(83)は、
図2のように住宅の外壁における玄関ドア(D)の横隣り位置へ(住宅の玄関ドアを除く外側に)取り付けられており、使用者が
図27のようなテンキー(83a)から入力した暗証番号に基いて、その使用者本人を認証するか、又は使用者が電子カードキー(図示省略)をその認証機(83)へ一定距離(例えば約3cm以内)まで近づける(かざす)ことにより、その電子カードキーに固有のIDコードに基いて、使用者本人を認証するようになっている。(83b)はそのテンキー(83a)を外部から見え難く囲むカバーである。
【0093】
つまり、本発明の自動開閉システムでは室外から玄関ドア(D)のキー穴へ施・解錠操作用のキーを差し込むなどの手動によって、ドア施・解錠機構(K)を解錠できる入力手段は無く、IDコードが登録(記憶)されたリモコン送信機(84)や電子カードキーを所持しているか、又は暗証番号(登録番号)を記憶している使用者(家族構成員)でなければ、室外から上記ドア施・解錠機構(K)の解錠信号を入力することができないようになっている。
【0094】
更に、上記施・解錠機構制御基板(67)の入力インターフェース(76)には
図25のような室内から手動操作する室内自動開閉押ボタンスイッチ(85)と、室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチ(86)並びに室内手動開/閉押ボタンスイッチ(87)が接続されているほか、玄関ドア(D)の閉鎖リミットスイッチ(88)と解錠リミットスイッチ(89)、施錠リミットスイッチ(90)、室内側の人感センサー(赤外線センサー)(91)並びに室外側の人感センサー(赤外線センサー)(92)などの各種センサー類も接続されている。
【0095】
このような室内から手動操作する各種押ボタンスイッチ(85)(86)(87)やドア(D)の閉鎖リミットスイッチ(88)、人感センサー(91)(92)は、すべて玄関ドア(D)自身に取り付けられておらず、そのドア(D)を除く住宅の内側に設置されている。玄関ドア(D)自身には上記した施・解錠操作用のキー穴のみならず、開閉操作用の把手(ハンドル)も設置されていない。
【0096】
室内自動開閉押ボタンスイッチ(85)は上記リモコン送信機(84)の自動開閉押ボタン(A)と同じく、これを1回押せば、玄関ドア(D)が自動的に開き、自動的に閉まるものであり、このような入力操作を玄関ドア(D)から遠く離れた居間や台所、階段付近、階上の書斎、その他の住宅内における希望の場所から行うものが、室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチ(86)である。
【0097】
これに比して、室内手動開/閉押ボタンスイッチ(87)は上記リモコン送信機(84)の手動開/閉押ボタン(B)と同じく、これを1回押しても、玄関ドア(D)は開くだけであり、更にもう1回(合計2回)押すことにより初めて、その玄関ドア(D)が閉まるものを意味する。何れにしても、これらの手動操作を加えることにより、上記ドア施・解錠機構(K)の解錠信号を入力する手段と上記自動開閉システムに専用の電源オンオフスイッチ(80)は、
図1のように玄関ドア(D)付近の内壁やその他の室内に設置されているのである。
【0098】
又、上記室内側人感センサー(91)と室外側人感センサー(92)は玄関ドア(折れ戸)(D)の開閉時、そのドア付近に人が居るか否か感知して、その先端側ドアパネル(PR)と開口枠(5)との相互間に人体が挟み込まれる事故を予防するためのものであり、そのため
図4や
図9から明白なように、室内側人感センサー(91)は上記格納ハウジング(H)の室内から見て、左右何れか一方(同図の左側)へ偏倚した端部(ドアパネルの吊り元部)付近に架設されており、室外側人感センサー(92)は同じく格納ハウジング(H)の室外から見て、同じ一方(左側)へ偏倚した端部(ドアパネルの戸先部)付近に架設されている。
【0099】
その図示実施形態の室内側人感センサー(91)並びに室外側人感センサー(92)は
図28の鎖線で示唆するように、例えば約2mの地上高さから上記先端側ドアパネル(PR)と開口枠(5)との相互間に対応位置する約240〜260mmの円形エリヤ(Z)へ赤外線を投光し、その反射光を受けることによって、人の存否を感知する。但し、その感知方向は使用者の希望に応じて、適当に変更・調整することができる。
【0100】
更に、上記閉鎖リミットスイッチ(88)は玄関ドア(D)の閉鎖状態を感知するために、先端側(
図3の右側)ドアパネル(PR)における先端位置(戸先部)の吊り車ユニット(W)を被感知物として、上記格納ハウジング(H)の床盤(34)から
図13、14のような下向きに固定設置されており、その吊り車ユニット(W)の位置により玄関ドア(D)の閉鎖状態を感知した出力制御信号に基いて、上記ドア施・解錠機構(K)のアクチュエーター(46)をそのロックピン(48)が
図19の下降(進出)する方向へ回動させ、玄関ドア(D)を施錠するようになっている。
【0101】
その場合、上記吊り車ユニット(W)の位置により玄関ドア(D)の閉鎖状態を感知した出力信号に基いて、上記ドア施・解錠機構(K)におけるロックピン(48)の駆動用アクチュエーター(46)を、その玄関ドア(D)が施錠されるように回動制御できるならば、図示実施形態の上記(閉鎖)リミットスイッチ(88)に代る光電スイッチや近接スイッチ、その他の物体感知センサーを採用しても良い。
【0102】
上記解錠リミットスイッチ(89)と施錠リミットスイッチ(90)はアクチュエーター(46)に内蔵設置されており、その施錠リミットスイッチ(90)からの出力信号によって、室内側LEDランプ(81)が点灯(好ましくは緑色)すると共に、室外側LEDランプ(82)が一定時間(例えば約10秒間)だけ点灯(好ましくは緑色)する一方、解錠リミットスイッチ(89)からの出力信号によって、室内側LEDランプ(81)が消灯するようになっている。
【0103】
尚、室外側LEDランプ(82)は通常消灯している。室内側LEDランプ(81)は上記閉鎖リミットスイッチ(88)、解錠リミットスイッチ(89)又は施錠リミットスイッチ(90)に異常(例えば玄関ドアの半開き状態)を生じた時、点滅して知らせるようになっている。
【0104】
次に、
図29は玄関ドア(D)を1回の入力操作によって自動的に開き、予じめ設定されている一定時間の経過後、自動的に閉じる作用のフローチャートである。
【0105】
これに基いて開閉作用を説明すると、玄関ドア(D)の解錠信号を入力する操作法としては、室外から携帯型リモコン送信機(84)の自動開閉押ボタン(A)を押す方法と、暗証番号認証機(83)のテンキー(83a)を押す方法と、電子カードキーの認証機(83)に電子カードキー(図示省略)を近づける(かざす)方法との3種があり、又室内から玄関ドア(D)の近辺にある室内自動開閉押ボタンスイッチ(85)を押す方法と、その玄関ドア(D)から遠く離れた台所やリビングルーム、階上の書斎などにある室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチ(86)を押す方法との2種が用意されている。
【0106】
そこで、上記操作法の何れであっても、これによる最先の解錠信号が入力された時には、その時に解錠リミットスイッチ(89)のオン状態(ドアの完全な解錠状
態)にあるか否かを、施・解錠機構制御基板(67)のMCU(マイクロプロセッサー)(75)が判断(確認)して、そのNO(解錠リミットスイッチのオフ状
態)であれば、ドア施・解錠機構(K)の駆動用アクチュエーター(46)をその内蔵している解錠リミットスイッチ(89)がオン状態(ドアの完全な解錠状態)になるまで、解錠するように作動させる(
図18の反時計方向へ回動させて、ロックピン(48)を上方へ引き抜く)。
【0107】
他方、上記MCU(75)の判断(確認)がYES(解錠リミットスイッチのオン状
態)であれば、その解錠リミットスイッチ(89)から出力する制御信号に基いて、玄関ドア(D)の開閉駆動用トルクモーター(37)をそのドア(D)が開く方向(
図7のような折れ戸として折りたたむ反時計方向)へ回転駆動し、玄関ドア(D)を開く。この判断(確認)がYESである場合としては、例えばドア(D)が開から閉になるまでの途中で、上記解錠信号の入力を受けた場合を挙げることができ、その場合ドア(D)は開く方向に作動されるため、閉じるまで入力操作を待つ必要がなく、大変便利である。
【0108】
上記ドア(D)の開放時間は予じめ設定ボリューム(タイマー)(74)によって、使用者の希望通りに設定(調整セット)されているため、その設定時間だけ開放することになり、その経過後ドア(D)は自動的に閉じる。
【0109】
そのドア(D)の自動的に閉じる過程において、万一室内側人感センサー(91)又は室外側人感センサー(92)が人の存在を感知し、その人体を挟み込む危険がある場合には、その人感センサー(91)(92)から出力する制御信号に基き、上記トルクモーター(37)をドア(D)が再度開く方向へ回転駆動する(反転させる)ことにより、その人体の挟み込み事故を予防して、やはりその予じめ設定された開放時間の経過後、ドア(D)を自動的に閉じるのである。
【0110】
又、同じくドア(D)が自動的に閉じる過程において、万一人体やその他の物体がドア(D)に当接した場合には、これを上記トルクモーター(37)からの言わば異常なエラー信号として、ドア開閉制御基板(65)のMCU(68)へフィードバック(入力)し、そのMCU(68)から出力する制御信号に基いて、トルクモーター(37)を一瞬に停止後ドア(D)が開く方向へ反転させることにより、上記物体の挟み込み事故やドア(D)の損傷事故を防止するようになっている。
【0111】
このようなトルクモーター(37)における一瞬停止後の反転作用は、ドア(D)が開く過程で上記物体の当接現象を生じた場合にも、全く同様に行われる。要するに、ドア(D)の閉じる過程では上記人体感知センサー(91)(92)による挟み込み事故の予防効果とも相俟って、二重の安全性が確保されるようになっているのである。
【0112】
何れにしても、ドア(D)が
図9のように完全に閉じて、閉鎖リミットスイッチ(88)がオン状態になると、その閉鎖リミットスイッチ(88)からの出力制御信号に基いて、上記ドア施・解錠機構(K)のアクチュエーター(46)をその内蔵している施錠リミットスイッチ(90)がオン状態(ドアの完全な施錠状態)になるまで、施錠するように作動させる(
図19の時計方向へ回動させて、ロックピン(48)を下方へ差し込み係止する)。
【0113】
そして、上記ドア(D)が閉鎖した施錠時には、その回転駆動源であるトルクモーター(37)から入力(フィードバック)されるローター位置信号などの情報に基いて、そのドア開閉制御基板(65)のMCU(68)が上記トルクモーター(37)をドア(D)の閉じる(折れ戸として展開する)押圧方向へ回転付勢するように制御する。
【0114】
又、ドア(D)が完全に施錠されて、その施錠リミットスイッチ(90)のオン状態になると、これから出力する制御信号によって、室外側LEDランプ(82)を一定時間(先に例示した約10秒間)だけ点灯させると共に、室内側LEDランプ(81)を点灯して、そのドア(D)の施錠状態にあることを表示する。
【0115】
尚、
図29に示す玄関ドアの自動的な開閉作用は、携帯型リモコン送信機(84)の自動開閉押ボタン(A)や室内自動開閉押ボタンスイッチ(85)、室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチ(86)を押す方法だけでなく、暗証番号認証機(83)のテンキー(83a)を押す方法や電子カードキーの認証機(83)へ電子カードキー(スマートキー)を近づける(かざす)方法で入力操作しても、全く同様に得られるのである。
【0116】
更に、
図30は玄関ドア(D)を1回目の入力操作によって開き、2回目の入力操作によって閉じる言わば手動的な開閉作用のフローチャートである。
【0117】
この手動的な開閉作用の場合、解錠信号を入力する操作法としては、室外から上記携帯型リモコン送信機(84)の別個な手動開/閉押ボタン(B)を押す方法と、室内から玄関ドア(D)の付近に設置されている室内手動開/閉押ボタンスイッチ(87)を押す方法との2種がある。
【0118】
この手動的な開閉作用を説明すると、先ず最初(1回目)に上記リモコン送信機(84)の手動開/閉押ボタン(B)又は室内手動開/閉押ボタンスイッチ(87)を押すと、その操作での解錠信号が入力された時に、解錠リミットスイッチ(89)のオン状態(ドアの完全な解錠状
態)にあるか否かを、やはり施・解錠機構制御基板(67)のMCU(75)が判断(確認)して、そのNO(解錠リミットスイッチのオフ状
態)であれば、ドア施・解錠機構(K)のアクチュエーター(46)をその解錠リミットスイッチ(89)がオン状態になるまで、解錠するように作動させる。
【0119】
他方、上記MCU(75)の判断(確認)がYES(解錠リミットスイッチのオン状
態)であれば、その解錠リミットスイッチ(89)からの出力制御信号に基いて、玄関ドア(D)の開閉駆動源であるトルクモーター(37)をそのドア(D)が開く方向(折れ戸としての折りたたみ方向)へ回転駆動し、玄関ドア(D)を開く。そのドア(D)が完全に開放(全開)すると、上記トルクモーター(37)はフリー状態(停止状態)に保たれることとなる。
【0120】
そこで、最初に使用した上記リモコン送信機(84)の手動開/閉押ボタン(B)又は室内手動開/閉押ボタンスイッチ(87)を再度(2回目)押すと、上記トルクモーター(37)がドア(D)を閉じる方向(折れ戸としての展開方向)へ回転して、そのドア(D)を閉じることになる。その2回目の入力操作を行うまでの間が、使用者の希望するドア(D)の開放時間になるのである。
【0121】
やがてドア(D)が完全に閉じ、閉鎖リミットスイッチ(88)がオン状態になると、やはりその閉鎖リミットスイッチ(88)からの出力制御信号に基いて、上記ドア施・解錠機構(K)のアクチュエーター(46)をその施錠リミットスイッチ(90)がオン状態(ドアの完全な施錠状態)になるまで、施錠するように作動させる。
【0122】
そして、上記ドア(D)が閉鎖した施錠時には、その回転駆動源であるトルクモーター(37)からドア開閉制御基板(65)のMCU(68)へ入力(フィードバック)される位置情報に基いて、そのドア開閉制御基板(65)のMCU(68)が上記トルクモーター(37)をドア(D)の閉じる(折れ戸として展開する)押圧方向へ回転付勢するように制御する。
【0123】
又、ドア(D)が完全に施錠されて、その施錠リミットスイッチ(90)のオン状態になると、これから出力する制御信号によって、室外側LEDランプ(82)を一定時間(先に例示した約10秒間)だけ点灯させると共に、室内側LEDランプ(81)を点灯して、そのドア(D)の施錠状態にあることを表示する。
【0124】
図29、30に示した何れの開閉作用でも、玄関ドア(D)の完全に閉鎖した施錠時には、その開閉駆動用トルクモーター(37)がドア(D)を閉じる方向(折れ戸としての展開方向)へ押圧付勢する状態に保たれるため、そのドア(D)が不慮に開く方向(折れ戸としての折りたたみ方向)へ戻ったり、強風を受けて振れ動く騒音が発生したりするおそれはなく、特に図示実施形態のような吊り折れ戸から成る玄関ドア(D)用として著しく有益である。
【0125】
又、図示実施形態の玄関ドア(D)は吊り折れ戸であり、吊り車ユニット(W)を介してチャンネル溝形の吊りレール(35)に沿い直進的に移動するようになっているため、その開閉作用が円滑に安定良く営なまれることとなるほか、開放状態が言わば半折り状態に折りたたまれる結果、その開放時に風圧を受けても、急激に閉じて(展開して)しまう危険がなく、例えば階層型の賃貸マンションや社員寮、その他の集合住宅の玄関廻りや通路をいたずらに狭く制限してしまうおそれもない。
【0126】
更に、玄関ドア(D)には施・解錠操作用のキー穴や開閉操作用の把手(ハンドル)が無く、そのドア(D)の開閉駆動源である上記トルクモーター(37)やギヤ減速機構(M)は勿論のこと、ドア施・解錠機構(K)とその電気制御回路を構成する基板(65)(66)(67)類やコントロールボックス(C)、受信機(64)などが、玄関における開口枠(玄関ドア取付枠)(5)の格納ハウジング(H)(水平な上枠部)へ、一括的(集中的)に内蔵設置されており、玄関ドア(D)のそれ自身に付属設置されていないため、その意味でも軽快・円滑な開閉作用を営なませることができるほか、開閉時の振動や衝撃などを受けないので、故障し難く、耐用性や信頼性にも著しく優れるのである。
【課題】IDコードが登録された無線式のリモコン送信機や電子カードキーを所持しているか、又は暗証番号を記憶している使用者でなければ、室外からはドア施・解錠機構の解錠信号を入力できないようにした住宅用玄関ドアの自動開閉システムを提供する。
【解決手段】リモコン送信機の自動開閉押ボタン、暗証番号認証機のテンキー、電子カードキー認証機の電子カードキー、室内自動開閉押ボタンスイッチ又は室内遠隔自動開閉押ボタンスイッチの操作によって、ドアの開閉制御手段と施・解錠機構制御手段へ解錠信号を入力した時には、ドアが自動的に開き、予じめ設定された開放時間の経過後、自動的に閉じて、ドア施・解錠機構により施錠されることとなるように構成した。