特許第5778822号(P5778822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778822太陽光発電制御装置、太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5778822
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】太陽光発電制御装置、太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20150827BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   H02J3/38 130
   H02J3/38 180
   H02J13/00 311N
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-88527(P2014-88527)
(22)【出願日】2014年4月22日
【審査請求日】2014年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】514102674
【氏名又は名称】有限会社岡村産業
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】岡村 仁
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−115109(JP,A)
【文献】 特開2005−278297(JP,A)
【文献】 特開2013−243862(JP,A)
【文献】 特開2000−156935(JP,A)
【文献】 特開2005−057943(JP,A)
【文献】 特開平10−336902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−5/00、13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統と、発電した電力を前記電力系統に送電する複数の太陽光発電設備との間に設けられ、
前記電力系統の復電を検出する復電検出部と、
前記太陽光発電設備のユーザが有する外部機器と通信を行い、前記復電検出部が前記復電を検出した場合、前記復電を前記外部機器に通知する通信部と、
前記電力系統が停電から復電し、かつ前記通信部が前記外部機器から連系の指示を受信した場合、前記太陽光発電設備と、前記電力系統との連系を行う連系制御部と、を具備することを特徴とする太陽光発電制御装置。
【請求項2】
前記太陽光発電設備による発電が行われていることを検出する発電検出部を備え、
前記発電検出部が前記発電を検出した場合、前記通信部は前記発電が行われていることを前記外部機器に通知することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電制御装置。
【請求項3】
前記電力系統の停電を検出する停電検出部を備え、
前記停電検出部が前記停電を検出した場合、前記通信部は前記停電を前記外部機器に通知することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光発電制御装置。
【請求項4】
所定の時間より短い時間、前記電力系統の電力が喪失した場合、前記停電検出部は前記電力系統の停電を検出せず、
所定の時間より長い時間、前記電力系統の電力が喪失した場合、前記停電検出部は前記電力系統の停電を検出することを特徴とする請求項3に記載の太陽光発電制御装置。
【請求項5】
発電した電力を電力系統に送電する複数の太陽光発電設備と、前記電力系統と前記複数の太陽光発電設備との間に設けられた制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記電力系統の復電を検出する復電検出部と、
前記太陽光発電設備のユーザが有する外部機器と通信を行い、前記復電検出部が前記復電を検出した場合、前記復電を前記外部機器に通知する通信部と、
電力系統が停電から復電し、かつ前記通信部が前記外部機器から連系の指示を受信した場合、前記太陽光発電設備と、前記電力系統との連系を行う連系制御部と、を具備することを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項6】
電力系統が停電から復電した後、外部機器に復電を通知するステップと、
前記外部機器から、発電した電力を前記電力系統に送電する複数の太陽光発電設備と前記電力系統との連系指示を受信するステップと、
前記指示に応じて、前記電力系統と前記太陽光発電設備とを連系するステップと、を有し、
前記太陽光発電設備のユーザが前記外部機器を有することを特徴とする太陽光発電システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電制御装置、太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光発電部により発電した電力を、電力系統へと逆潮流させる太陽光発電システムが利用されている(例えば特許文献1)。太陽光発電設備から電力系統へと送電するために、太陽光発電設備と電力系統とを連系させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−61364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力系統が停電すると、この連系も遮断される。電力系統の停電からの復帰(復電)後、送電をするためには再び連系をする。再度の連系を行う前、電力会社からの許可が必要な場合がある。例えば50kW以上のような大電力を発電する設備については、連系に許可が必要なことがある。この場合、自動的に連系させるシステムを利用することはできず、ユーザは電力会社から許可の連絡を受けてから、連系させる作業を行う。
【0005】
しかしながら、複数の太陽光発電設備が設置されている場合、設備ごとに連系作業を行うのは大きな労力を要する。例えば広大な敷地に複数の太陽光発電設備が設けられている場合、ユーザは個々の設備まで移動して作業を行わなければならない。特に太陽光発電設備が敷地内に分散して配置されていることもある。この場合、移動がさらに大変になる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、連系を容易に行うことが可能な太陽光発電制御装置、太陽光発電システム、および太陽光発電システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電力系統と、発電した電力を前記電力系統に送電する複数の太陽光発電設備との間に設けられ、前記電力系統の復電を検出する復電検出部と、前記太陽光発電設備のユーザが有する外部機器と通信を行い、前記復電検出部が前記復電を検出した場合、前記復電を前記外部機器に通知する通信部と、前記電力系統が停電から復電し、かつ前記通信部が前記外部機器から連系の指示を受信した場合、前記太陽光発電設備と、前記電力系統との連系を行う連系制御部と、を具備する太陽光発電制御装置である。
【0008】
上記構成において、前記太陽光発電設備による発電が行われていることを検出する発電検出部を備え、前記発電検出部が前記発電を検出した場合、前記通信部は前記発電が行われていることを前記外部機器に通知する構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記電力系統の停電を検出する停電検出部を備え、前記停電検出部が前記停電を検出した場合、前記通信部は前記停電を前記外部機器に通知する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、所定の時間より短い時間、前記電力系統の電力が喪失した場合、前記停電検出部は前記電力系統の停電を検出せず、所定の時間より長い時間、前記電力系統の電力が喪失した場合、前記停電検出部は前記電力系統の停電を検出する構成とすることができる。
【0012】
本発明は、発電した電力を電力系統に送電する複数の太陽光発電設備と、前記電力系統と前記複数の太陽光発電設備との間に設けられた制御装置とを備え、前記制御装置は、前記電力系統の復電を検出する復電検出部と、前記太陽光発電設備のユーザが有する外部機器と通信を行い、前記復電検出部が前記復電を検出した場合、前記復電を前記外部機器に通知する通信部と、電力系統が停電から復電し、かつ前記通信部が前記外部機器から連系の指示を受信した場合、前記太陽光発電設備と、前記電力系統との連系を行う連系制御部と、を具備する太陽光発電システムである。
【0013】
本発明は、電力系統が停電から復電した後、外部機器に復電を通知するステップと、前記外部機器から、発電した電力を前記電力系統に送電する複数の太陽光発電設備と前記電力系統との連系指示を受信するステップと、前記指示に応じて、前記電力系統と前記太陽光発電設備とを連系するステップと、を有し、前記太陽光発電設備のユーザが前記外部機器を有する太陽光発電システムの制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、連系を容易に行うことが可能な太陽光発電制御装置、太陽光発電システム、および太陽光発電システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は一実施形態に係る太陽光発電システムを示した模式図である。
図2図2は制御装置を示す正面図である。
図3図3は制御装置の一部を示す図である。
図4図4は制御装置のシーケンス図である。
図5図5は制御装置の構成を示す図である。
図6図6は制御部の構成を例示する機能ブロック図である。
図7図7(a)は発電時における制御装置の処理を示すフローチャートである。図7(b)は発電を停止する場合における制御装置の処理を示すフローチャートである。
図8図8(a)は図7(a)および図7(b)に対応するタイムチャートである。図8(b)は瞬停におけるタイムチャートである。
図9図9は復電時における制御装置の処理を示すフローチャートである。
図10図10(a)および図10(b)は図9に対応するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
図1は一実施形態に係る太陽光発電システム100を示した模式図である。太陽光発電システム100は、商用電力系統1(単に電力系統1と記載することがある)と、5つの太陽光発電設備7と、制御装置10とを備える。1つの太陽光発電設備7の出力電力は例えば10kWであり、図1に示す太陽光発電システム100全体の出力は例えば50kWである。
【0018】
電力系統1は200Vの交流電力系統である。電力系統1と、太陽光発電設備7のパワーコンディショナ7bとは、電力線4および4aにより接続されている。三相式の電力線4は電力系統1に接続され、集電盤6内において複数の電力線4aに分岐する。それぞれの電力線4aがパワーコンディショナ7bに接続されている。太陽光発電設備7の発電する電力が電力線4aを通じて集電盤6に集められ、電力線4を通じて電力系統1に送電される。こうして発電した電力は電力会社に購入される。
【0019】
電力線4には、電力系統1側から、電力計2および3、開閉器5、制御装置10および集電盤6が設けられている。電力計2は電力系統1から太陽光発電設備7へと供給される電力を計測する。この電力は太陽光発電設備7の施主が電力会社から購入する。電力計3は太陽光発電設備7から電力系統1へと供給される電力を計測する。この電力は、電力会社が施主から購入する。
【0020】
開閉器5が閉じることにより、電力系統1と太陽光発電設備7とは電力線4により接続される。開閉器5が開くと、電力系統1と太陽光発電設備7との間は遮断される。集電盤6は開閉器6aと、複数の開閉器6bとを備える。開閉器6aは電力線4に設けられ、開閉器6bは複数の電力線4aのそれぞれに設けられている。
【0021】
太陽光発電設備7は、太陽光発電パネル7aとパワーコンディショナ7bとを備える。太陽光発電パネル7aは太陽光を受けて発電する。パワーコンディショナ7bは発電された直流の電力を交流の電力に変換する。なお、電力系統1が停電するとパワーコンディショナ7bの電源はオフになるが、電力系統1の復電とともに自動的にオンになるように設定することができる。
【0022】
制御装置10は、開閉器5と集電盤6との間に設けられている。以下、制御装置10について説明する。図2は制御装置10を示す正面図である。
【0023】
図2には、制御装置10が備える構成のうち、箱11、電磁接触器12、リレー15、22〜34および39、CTU(コンデンサトリップ装置)13、SPD(Surge Protective Device:SPD、サージ保護装置)14、ELB(漏電遮断器)16および17、カレントコンバータ18、トランス19、AC/DCコンバータ20、CP(Circuit Protector)21、ならびに遠隔操作部40が図示されている。遠隔操作部40は、箱11から取り外し可能な電子機器とすることができる。なお、図示していないカバーを箱11に取り付けることで、上記の構成を保護することができる。
【0024】
図3は制御装置10の一部を示す図である。図3の上側は電力系統1側(一次側)であり、下側は太陽光発電設備7側(二次側)である。
【0025】
図3に示すように、電力線4には、電力系統1側から順に、電磁接触器12の主接点12aおよびカレントコンバータ18が設けられている。主接点12aが閉じることで電力系統1と太陽光発電設備7とは連系され、太陽光発電設備7から電力系統1に電力が送電される。
【0026】
主接点12aよりも電力系統1側には、SPD35、ELB16および17が接続されている。ELB16にはリレー15が接続されている。ELB17にはSPD14が接続され、電力系統1の交流電圧はELB17を介し、制御電源RおよびSとして制御装置10に印加される。リレー15はカレントコンバータ18に接続されており、カレントコンバータ18から流れる電流によりリレー15の接点の開閉が行われる。
【0027】
図4は制御装置10のシーケンス図である。図5は制御装置10の構成を示す図である。
【0028】
図4および図5に示す制御電源SおよびRの間には、200Vの交流電圧が印加される。図4に示すように、スイッチ37は例えば手動で切換可能なスイッチであり、接点37aおよび接点37bを備える。接点37aがオンであれば接点37bはオフであり、この場合、リレー28を用いて、連系の制御をすることができる。接点37aがオフであれば接点37bはオンであり、この場合は遠隔操作部40により連系の制御をすることができる。
【0029】
リレー22は、接点22a、22bおよび22d、ならびにコイル22cを備える。リレー23は、接点23a、23bおよび23d、ならびにコイル23cを備える。図4にはリレー24のコイル24cが図示されている。
【0030】
リレー25は接点25aおよびコイル25cを備え、リレー26は接点26aおよびコイル26cを備える。なお、リレー25および26は、それぞれパルス動作モードである。リレー28は、図4に示す接点28aおよび28b、ならびにコイル28cを備え、さらに図5に示す接点28dを備える。
【0031】
リレー29は、図4に示す接点29aおよび29b、図5に示す接点29d、ならびにコイル29cを備える。図5に示すように、リレー30は接点30aおよびコイル30cを備える。リレー31は2つの接点31b1および31b2、ならびにコイル31cを備える。リレー32は、接点32a、2つの接点32b1および32b2、ならびにコイル32cを備える。リレー33は、接点33aおよびコイル33cを備える。リレー34は、接点34bおよびコイル34cを備える。
【0032】
電磁接触器12は、図3に示した主接点12a、図4に示す補助接点である接点12bおよび12c、コイル12dおよび12e、端子12f〜12iを備える。
【0033】
図4に示すように、コイル27cおよび28cは、それぞれ制御電源SおよびRの間に接続されている。コイル22cの一端は接点37aを介して制御電源Rに接続され、他端は制御電源Sに接続されている。コイル23cの一端は接点37bを介して制御電源Rに接続され、他端は制御電源Sに接続されている。接点22bおよび23b、ならびにコイル24cは制御電源RおよびSの間に接続されている。
【0034】
接点28bの一端は制御電源Rに接続され、他端は接点22aおよびコイル25cを介して制御電源Sに接続されている。接点22aとコイル25cとの間には、接点29aの一端が接続され、接点29aの他端は接点23aを介して制御電源Rに接続されている。
【0035】
接点28aの一端は制御電源Rに接続され、他端は接点22dおよびコイル26cを介して制御電源Sに接続されている。接点22dとコイル26cとの間には、接点29bの一端が接続され、接点29bの他端は接点23dを介して制御電源Rに接続されている。
【0036】
接点25aの一端は制御電源Rに接続され、他端は電磁接触器12の端子12f、接点12b、コイル12d、および端子12gを介して制御電源Sに接続されている。接点26aの一端は制御電源Rに接続され、他端は電磁接触器12の端子12h、接点12c、コイル12e、および端子12iを介して制御電源Sに接続されている。
【0037】
接点26aと、端子12hとの間には、リレー27の接点27bの一端が接続されている。接点27bの他端はCTU13の端子のひとつに接続されている。CTU13の他の2つの端子は制御電源RおよびSに接続されている。
【0038】
図5に示すように、リレー28の接点28dの一端は制御電源Rに接続され、他端はリレー31のコイル31cを介して制御電源Sに接続されている。
【0039】
AC/DCコンバータ20の端子には、トランス19により100Vに変換された交流電圧がCP21を介して印加される。AC/DCコンバータ20は交流電圧を例えば12Vの直流電圧に変換する。AC/DCコンバータ20のプラス端子20aは、接点31b1および32b1を介して遠隔操作部40の端子40aに接続され、マイナス端子20bは接点31b2および32b2を介して遠隔操作部40の端子40bに接続される。また、AC/DCコンバータ20にはバッテリ36が接続されている。バッテリ36は、例えば遠隔操作部40の非常用電源として使用することができる。なお、図5の制御電源PはAC/DCコンバータ20のプラス端子20aに接続され、制御電源Nはマイナス端子20bに接続されている。
【0040】
制御電源Pに、接点27aの一端およびスイッチ38aの一端が接続されている。接点27aの他端はコイル39cを介して、制御電源Nに接続されている。
【0041】
スイッチ38aの他端には、接点39bの一端、接点33aの一端、および接点32aの一端が並列に接続されている。接点39bの他端は、接点29dおよびコイル33cを介して制御電源Nに接続されている。接点33aの他端は、接点34bおよびコイル32cを介して制御電源Nに接続されている。接点32aの他端はコイル34cを介して制御電源Nに接続されている。また接点32aの他端は、接点33aと接点34bとの間に接続されている。なお、スイッチ38a、接点29d、32a、33a、34b、39b、コイル32c〜34cを回路38とする。
【0042】
接点30aは電子機器50に接続されている。電子機器50は、例えば警報機およびカメラなどであり、オプションとして制御装置10に取り付けることができる。遠隔操作部40がコイル30cの励磁および消磁を行うことで、電子機器50を動作させることができる。
【0043】
遠隔操作部40の端子40cおよび40dはリレー39の接点39aに接続されている。遠隔操作部40の端子40eおよび40fはリレー15の接点15aに接続されている。端子40gおよび40iは制御電源Pに接続されている。端子40hはコイル29cを介して制御電源Nに接続されている。端子40jはコイル30cを介して制御電源Nに接続されている。
【0044】
遠隔操作部40は、制御部41およびインターフェース(Interface:I/F)42を備える。制御部41は例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などの演算装置である。I/F42は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)などのネットワーク60と接続するためのインターフェースである。遠隔操作部40は、ネットワーク60を通じて、制御装置10の外部の外部機器61と通信を行う。
【0045】
外部機器61は、例えば携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC:Personnel Computer)またはタブレット端末などである。後述するように、遠隔操作部40はユーザの外部機器61に、例えば電子メール、携帯電話の着信などで通知を行い、また外部機器61からの信号を受信することができる。また、外部機器61に太陽光発電システム100を制御するためのアプリケーションをインストールし、遠隔操作部40からの通知を受信し、また遠隔操作部40に指示を送信することができる。
【0046】
図6は制御部41の構成を例示する機能ブロック図である。図6に示すように、制御部41は、停電検出部43、復電検出部44、通信部45、連系制御部46および発電検出部47として機能する。停電検出部43は、電力系統1の停電を検出する。復電検出部44は、電力系統1の復電を検出する。通信部45は、図5のI/F42を通じて外部機器61と通信を行う。連系制御部46は、図1に示した電力系統1と太陽光発電設備7とを連系させ、また連系を解除する。発電検出部47は、太陽光発電設備7が発電を行っていることを検出する。
【0047】
制御装置10の動作について説明する。まず、日中において太陽光発電設備7が発電を行う場合について説明する。なお、ここではリレー28を用いず、遠隔操作部40を用いて制御装置10を制御する場合について説明する。この場合、図4に示した接点37aをオフ、接点37bをオンにすることで、接点22aおよび22dをオフ、接点23aおよび23dをオンとしておく。
【0048】
図7(a)は発電時における制御装置10の処理を示すフローチャートである。図7(a)に示すように、通信部45は外部機器61から連系の指示があったか判断する(ステップS1)。Noの場合、ステップS1が繰り返される。Yesの場合、処理はステップS2に移行する。
【0049】
連系制御部46は連系を行う(ステップS2)。具体的に、連系制御部46は、図5に示したコイル29cに電圧を印加し励磁する。コイル29cの励磁により、図4に示した接点29aがオンになり、コイル25cが励磁する。コイル25cの励磁により接点25aがオンになり、端子12fおよび12g間に電圧が印加される。これにより、図3に示した主接点12aがオンになり、連系が行われる。
【0050】
発電検出部47は、太陽光発電設備7による発電が行われているか判断する(ステップS3)。発電に伴い、図3に示したカレントコンバータ18からリレー15に待機電流よりも大きな電流が流れ、図5に示したリレー15の接点15aがオンになる。これにより遠隔操作部40の端子40eおよび40fに電圧が印加されることになる。すなわち、発電検出部47は、接点15aがオフであれば太陽光発電設備7が発電していないと判断する(No)。この場合、ステップS1が繰り返される。接点15aがオンであれば、発電検出部47は、太陽光発電設備7が発電していると判断する(Yes)。この場合、通信部45は、発電していることを外部機器61に通知する(ステップS4)。ステップS4の後、処理は終了する。
【0051】
次に夜間など太陽光発電設備7が発電をしない場合(発電停止)について説明する。発電しない場合、連系も解除される。図7(b)は発電停止時における制御装置10の処理を示すフローチャートである。
【0052】
図7(b)に示すように、通信部45は外部機器61から連系解除の指示があったか判断する(ステップS5)。Noの場合、ステップS5が繰り返される。Yesの場合、処理はステップS6に移行する。
【0053】
連系制御部46は連系解除を行う(ステップS6)。具体的に、連系制御部46は図5に示したコイル29cへの電圧の印加を停止し、消磁する。コイル29cの消磁により図4に示した接点29aがオフになりコイル25cが消磁し、また接点29bはオンになりコイル26cが励磁する。コイル26cの励磁により接点26aがオンになり、端子12hおよび12i間に電圧が印加される。これにより、図3に示した主接点12aがオフになり、連系が解除される。
【0054】
発電検出部47は、発電が行われているか判断する(ステップS7)。接点15aがオンであれば太陽光発電設備7が発電していると判断し(Yes)、ステップS5が繰り返される。接点15aがオフであれば太陽光発電設備7が発電していないと判断し(No)、通信部45は、発電していることを外部機器61に通知する(ステップS8)。ステップS8の後、処理は終了する。
【0055】
図8(a)は図7(a)および図7(b)に対応するタイムチャートである。横軸は時間を示し、上から順に接点29a、29b、25a、26aおよび主接点12aのオン/オフを示す。
【0056】
図8(a)の時刻T1は日の出時間であり、接点29aおよび25aならびに主接点12aがオンになり、接点29bおよび26aはオフになる(図7(a)のステップS2)。時刻T2は日没時間であり、接点29bおよび26aはオンになり、接点29aおよび25aならびに主接点12aはオフになる(図7(b)のステップS6)。接点25aおよび26aは例えば0.5秒間オンになる。
【0057】
なお、太陽光発電設備7の設置される地域の日の入り時刻(日没時刻)および日の出時刻を、予め外部機器61にインプットすることで、日の出および日の入りに合わせて外部機器61は自動的に遠隔操作部40に連系の指示および連系解除の指示を送信することができる。また、電力系統1と太陽光発電設備7とは、常時連系していてもよい。この場合、図8(a)において主接点12aは常時オンである。
【0058】
また、リレー28を用いて連系を制御することも可能である。この場合、接点37aをオン、接点37bをオフにすることで、接点22aおよび22bをオン、接点23aおよび23dをオフとしておく。リレー28には、太陽光発電設備7の設置される地域の日没時刻および日の出時刻がインプットされており、ソーラタイマとして機能する。日の出時刻においてコイル28cは消磁され、接点28aはオフ、接点28bはオンになる。これにより主接点12aはオンになり、連系される。日没時刻においてコイル28cは励磁され、接点28aはオン、接点28bはオフになる。これにより主接点12aはオフになり、連系は解除される。
【0059】
次に瞬停(瞬時停電)の場合について説明する。図8(b)は瞬停におけるタイムチャートである。上から順に制御電源RおよびS(以下、単に制御電源と記載することがある)、接点27aおよび主接点12aのオン/オフを示す。時刻T3〜T4のようにごく短い時間(例えば2秒未満など)制御電源が喪失する。リレー27はオフディレータイマであり、制御電源の喪失から例えば2秒間、図5に示す接点27aはオンの状態を維持し、図4に示す接点27bはオフの状態(切り離された状態)を維持する。このため、端子12hおよび12iには電圧が印加されない。従って、図3に示した主接点12aはオンの状態を維持する。このように、瞬停が発生しても連系は維持される。
【0060】
次に停電および復電の場合について説明する。図9は停電および復電時における制御装置10の処理を示すフローチャートである。
【0061】
図9に示すように、図6の停電検出部43は、電力系統1の停電を検出したか判断する(ステップS9)。停電時には図4に示す制御電源SおよびRがオフになることでコイル27cが消磁し、図5に示す接点27aがオフになり、コイル39cが消磁する。これにより接点39aがオフになる。すなわち、接点39aがオンであれば停電ではないと判断し(No)、ステップS9が繰り返される。接点39aがオフであれば停電検出部43は停電を検出し(Yes)、通信部45は、電力系統1が停電したことを外部機器61に通知する(ステップS10)。
【0062】
ステップS10の後、復電検出部44は、電力系統1の復電を検出したか判断する(ステップS11)。接点39aがオフであれば、復電検出部44は、電力系統1が復電していないと判断し(No)、ステップS11が繰り返される。接点39aがオンであれば、復電検出部44は、電力系統1が復電していると判断し(Yes)、通信部45は復電したことを外部機器61に通知する(ステップS12)。
【0063】
ステップS12の後、連系制御部46は、外部機器61から、電力系統1と太陽光発電設備7とを連系させる指示があったか判断する(ステップS13)。判断がNoの場合、ステップS13が繰り返される。ユーザは、電力会社から連系の許可を得た後、外部機器61を用いて制御装置10に連系の指示を出す。指示は、例えば電子メール、またはアプリケーション内の操作などにより送信される。通信部45が連系の指示を受信すると、判断がYesになり、連系制御部46は連系を行う(ステップS14)。ステップS14では、図7(a)のステップS2と同様の処理が行われる。
【0064】
ステップS14の後、発電検出部47は、太陽光発電設備7による発電が行われているか判断する(ステップS15)。ステップS15では、ステップS3と同様の処理が行われる。Noの場合、ステップS15が繰り返される。Yesの場合、通信部45は、発電されていることを外部機器61に通知する(ステップS16)。ステップS16の後、処理は終了する。
【0065】
図10(a)および図10(b)は図9に対応するタイムチャートである。図10(a)は停電の場合を示しており、上から順に制御電源RおよびS、接点27a、接点27bおよび主接点12aのオン/オフを示す。時刻T5において制御電源がオフになる。時刻T5〜T6が2秒以上であることに応じて、時刻T6において接点27bはオンになり、接点27aおよび主接点12aはオフになる(図9のステップS9においてYes)。
【0066】
図10(b)は復電の場合を示しており、上から順に制御電源、接点29a、接点25aおよび主接点12aのオン/オフを示す。時刻T7において制御電源がオンになる(図9のステップS11においてYes)。このとき、図1に示したパワーコンディショナ7bの電源もオンになる。時刻T8において外部機器61から連系指示が出される。このとき、接点29aおよび25aはオンになり、主接点12aがオンになる(図9のステップS14)。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、電力会社から連系の許可を得たユーザが、外部機器61を用いて制御装置10を遠隔操作する。ユーザから連系の指示があった場合、制御装置10の連系制御部46が連系を行う(ステップS14)。従って、ユーザはパワーコンディショナ7bまで移動しなくてよく、連系を容易に行うことが可能である。図1のように複数の太陽光発電設備7が設けられている場合でも、ユーザは各設備に移動しなくてよい。また例えばパワーコンディショナ7bが移動の困難な場所に設けられていても、ユーザは移動しなくてよい。従って、連系のための労力および時間が大幅に削減される。
【0068】
発電検出部47が太陽光発電設備7による発電が行われていることを検出すると、通信部45は発電が行われていることをユーザに通知する。これにより、ユーザは、連系が行われたか確認することができる。連系の指示が送信されたにもかかわらず発電が行われない場合、制御装置10および太陽光発電設備7などが故障している可能性がある。すなわち、通知がないことに応じて、ユーザは点検および修理を早期に行うことができる。
【0069】
停電検出部43が停電を検出し、通信部45がユーザに通知するため、ユーザは停電を速やかに知ることができる。すなわち、ユーザは、連系が解除されたことを知ることができる。停電を知ったユーザが連系の指示を送信することにより、電力会社により電力が購入される。これにより、ユーザの経済的な損失が低減する。
【0070】
図8(b)に示したように、所定の時間(例えば2秒)より短い時間、電力系統1の電力が喪失しても、停電検出部43は停電を検出しない。これにより、瞬停が発生しても連系は維持される。すなわち、瞬停の後に連系の作業を行わなくてよいため、ユーザの労力が低減する。また図10(a)に示すように、所定の時間より長い時間、電力系統1の電力が喪失すれば、停電検出部43は停電を検出する。リレー27の設定時間を変えることで、連系を維持できる時間は変更可能である。電力会社における瞬停と停電とを区別する時間(区別時間)と、リレー27の設定時間とを同一とすればよい。これにより、電力系統1の動作と太陽光発電システム100の動作とが対応し、ユーザの労力が低減される。
【0071】
電力会社の区別時間が、リレー27の設定時間より長い場合について説明する。電力喪失の時間が例えば3〜4秒など、リレー27の設定時間(例えば2秒)より長い3〜4秒などの場合、電力会社は瞬停であると判断し、電力会社はユーザに停電の連絡をしない。しかし、制御装置10は図9および図10(a)に示したように停電時の動作を行い、連系を遮断する。このとき、ユーザが停電を知らないまま、発電が行われない状態が数日など長い期間続くこともある。電力が電力会社に購入されないため、ユーザは経済的損失を負う。本実施形態によれば、停電検出部43が停電を検出し、通信部45がユーザに通知するため、ユーザは電力会社から停電の連絡がなくとも、連系が解除されたことを知ることができる。ユーザは電力会社に停電が発生したか確認し、制御装置10に連系の指示をすることで、連系がなされる。これにより、瞬停の後でも速やかに発電が可能になり、経済的損失が低減される。
【0072】
復電検出部44が復電を検出した場合、通信部45はユーザに通知する。これによりユーザは復電を知ることができ、復電後、電力会社に連絡し、連系が可能であるかの確認をすることができる。速やかに連系を行うことで、経済的損失が低減される。
【0073】
また外部機器61から連系解除の指示を制御装置10に送信することができ、指示に応じて連系制御部46は連系を解除する。これにより、例えば誤って連系してしまったとき、または太陽光発電設備7を点検するときなどは、容易に連系を解除することができる。
【0074】
電力系統1が停電した後でも連系が維持されると、復電した場合に電力会社の許可なく連系することになってしまう。従って、電力系統1が停電した場合、遠隔操作部40の電源をオフにすることで、連系を解除することが好ましい。外部機器61から遠隔操作部40に電源オフの指示を送信することで、制御部41は遠隔操作部40の電源をオフにする。電源がオフであることにより、復電後、外部機器61から連系の指示を送信するまで、連系はされない。
【0075】
また、外部機器61から遠隔操作部40に電源オンの指示を送信することで、遠隔操作部40の電源をオンにすることもできる。遠隔操作部40の電源がオフになった後、電源を再びオンにしておくことで、復電検出部44は復電を検出することができる。なお、遠隔操作部40の電源オン/オフの指示は、ユーザが外部機器61を操作して送信することができる。また、外部機器61に、停電の通知(図9のステップS10)があった場合に電源オフの指示を自動的に送信し、復電の通知(図9のステップS12)があった場合に電源オンの指示を自動的に送信するように、設定してもよい。
【0076】
なお、遠隔操作部40の電源をオン/オフするために、図5に示した回路38を用いることができる。回路38を動作させるために、スイッチ38aをオンにしておく。停電すると、接点27aがオフになり、コイル39cが消磁し、接点39bがオンになる。コイル33cが励磁され、接点33aはオンになる。コイル32cは励磁され、接点32aはオン、接点32b1および32b2はオフになる。接点32b1および32b2がオフになることで、遠隔操作部40への電源電圧の供給が停止し、遠隔操作部40の電源はオフになる。瞬停の場合に電源がオフにならないように、リレー33に例えば2〜5秒程度の保持時間を設定してもよい。これにより、接点27aのオフから5秒間は接点33aがオンを維持し、遠隔操作部40の電源はオンのままである。
【0077】
リレー34はタイマーであり、遠隔操作部40の電源がオフになってから例えば数分後に接点34bがオフになるように設定することができる。接点34bがオフになることで、コイル32cは消磁し、接点32b1および32b2はオンになる。これにより、遠隔操作部40への電源電圧への供給が再開され、遠隔操作部40の電源がオンになる。遠隔操作部40の電源がオンであるため、復電を検出することができる。
【0078】
リレー28はタイマー機能を有しており、図5に示す接点28dを、例えば0:00にオン、0:01にオフにする。接点28dがオンになることで、コイル31cが励磁され、接点31bがオフになる。これにより、遠隔操作部40への直流電圧が停止され、遠隔操作部40がリフレッシュされる。一日に一回リフレッシュすることで、遠隔操作部40の動作を安定させることができる。
【0079】
図1において太陽光発電設備7は10kWの出力を有し、かつ5つとしたが、ユーザの施設の規模などに応じて太陽光発電設備7の数および規模は変更してもよい。例えば家屋には1つの太陽光発電設備7を設置することがある。工場など大規模な施設には、10台以上など複数の太陽光発電設備7を設置することもできる。前述のように、ユーザは外部機器61を用いて連系させることができるため、複数の太陽光発電設備7を設けても、労力は低減される。
【0080】
なお、制御装置10は、開閉器5と集電盤6との間以外の場所に設置してもよい。例えば制御装置10を開閉器5に代えて設置してもよいし、集電盤6の開閉器6aに代えて設置してもよい。複数の太陽光発電設備7と電力系統1との連系を一括して制御することが可能である。また集電盤6の複数の開閉器6bのそれぞれに代えて1つずつ制御装置10を設けてもよい。また集電盤6より二次側の電力線4aのそれぞれに1つずつ制御装置10を設けてもよい。電力線4aごとに制御装置10を設けることで、太陽光発電設備7ごとに連系の制御が可能である。
【0081】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 電力系統
7 太陽光発電設備
10 制御装置
40 遠隔操作部
41 制御部
43 停電検出部
44 復電検出部
45 通信部
46 連系制御部
47 発電検出部
61 外部機器

【要約】      (修正有)
【課題】連系を容易に行うことが可能な太陽光発電制御装置、太陽光発電システム、および太陽光発電システムの制御方法を提供する。
【解決手段】電力系統と太陽光発電設備との間に設けられ、外部機器と通信を行う通信部と、電力系統が停電から復電し、かつ通信部が外部機器から指示を受信した場合、太陽光発電設備と、電力系統との連系を行う連系制御部と、を具備する。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10