【実施例】
【0010】
[構成]
本発明の襟ガード支持体1の構成について説明する。
図1は、襟ガード支持体1の正面図である。
【0011】
襟ガード支持体1の背あて2は、長方形であり、0.5mm〜3mm程度の厚さである。使用時はシャツ10の後身頃にあてて、シャツの形状を支持する。シャツを折り畳んだ時の大きさは、背あて2の大きさとほぼ等しくなる。具体的には、背あて2の大きさは、丈方向で18cm〜25cm程度であり、幅方向で25cm〜35cm程度である。
【0012】
背あて2は、シャツの襟11に対応する側の短辺の中心に連結部3を有している。連結部3は長方形で厚さは背あて2と同様である。連結部3は、背あて2と後述する固定襟ガード部5とを連結している。連結部3は、連結部3と背あて2との境界である折曲線4で、背あて2の上に重なるように折り曲げることができる。連結部3は、柔軟性を有する素材、例えば、柔軟性のある樹脂を使用する。
【0013】
固定襟ガード部5は、背あて2に連結部3を介して接続されている。固定襟ガード部5は、細長い長方形で角は切除している。厚さは背あて2と同様の厚さである。固定襟ガード部5は、シャツの襟の後方側の下に配置させ、シャツの襟11の後ろ側の形状を保持するものであり、襟の後ろの部分を襟の下から支えるものである。固定襟ガード部5は、襟の形状にそって変形できる必要があるため、柔軟性のある樹脂を使用する。
【0014】
可動襟ガード部6a、6bは、それぞれ固定襟ガード部5の両端に、可動襟ガード部6a、6bの一方の端の近傍で接続されている。可動襟ガード部6a、6bは、細長い長方形で薄い板状であるが、固定襟ガード部5と接続している側の角は切除している。厚さは、背あて2と同様である。可動襟ガード部6a、6bは、固定襟ガード部5に対して、可動することができ、可動させて微調整しながら、襟の下に配置させ、シャツの襟の形状にフィットさせて、襟の側面及び前面を保持するものである。すなわち、襟の側面及び前面部分を襟の下から支えるものである。可動襟ガード部6a、6bも、襟の形状にそって変形できる必要があるため、柔軟性のある樹脂を使用する。なお、本明細書では、固定襟ガード部と可動襟ガード部とを合わせて、襟ガード部と称する場合がある。
【0015】
固定襟ガード部5と、可動襟ガード部6a、6bとは軸7a、7bで接続されている。したがって、可動襟ガード部6a、6bは、軸7a、7bを中心に回動することができる。
【0016】
可動襟ガード部6a、6bは、固定襟ガード部5と接続されていない方の端に、接続部8a、8bを有している。接続部8aは、接続部8bと接続できる構成になっている。可動襟ガード部6a、6bをシャツの襟の下に配置し、シャツの前面の第一ボタン(シャツの前面を留めるボタンのうち、最上部のボタン)近傍で、接続部8aと8bとを接続することで、固定襟ガード部5と可動襟ガード部6a、6bが筒状になり、シャツの襟全体を襟の下から保持することができる。実施例では、接続部8aと8bは、面ファスナーであるが、これに限定されるものではない。例えば、フックなどで代用することも可能である。シャツ10の前面で接続部8a及び8bを互いに接続できるように、接続部8aは可動襟ガード部6aの表面に配置し、接続部8bは、可動襟ガード部6bの裏面に配置する。
図1では、接続部8bは見えない位置にあるが、理解しやすくするため、点線で記載している。
【0017】
背あて2は、シャツの折り畳んだ状態を維持するための保持ひも9を有している。保持ひも9の両端は、背あて2の連結部3を有する短辺の端に縫接されている。本実施例では、保持ひも9の一方の端は、背あて2の連結部3を有する短辺の端の表面に縫接され、保持ひも9の反対の端は、背あて2の連結部3を有する短辺の反対の端の裏面に縫接されている。保持ひも9の断面の形状は、円状でも、楕円でも、長方形でも使用することができる。伸縮性を有するものが好ましい。
【0018】
保持ひも9は、
図1のように1本にしてもよいし、
図10における保持ひも9A、9Bのように、二本にしてもよい。二本の場合は、背あて2に接続されていない方の端に保持ひも接続部12a、12bを備え、二本の保持ひも9Aと9Bとを互いに接続できるようにする。
【0019】
[襟ガード支持体1の使用方法]
次に、襟ガード支持体1の使用方法について説明する。まず
図2のように、襟ガード支持体1の背あて2をシャツ10の背中に接するように配置し、固定襟ガード部5と、可動襟ガード部6a、6bとを襟の下に入れ、襟の折り目を固定襟ガード部5と、可動襟ガード部6a、6bで支えるようにし、シャツの襟11が綺麗な形状になるように配置する。そして、接続部8aと接続部8bとを第一ボタン付近で接続させる。接続部8aと接続部8bとを接続させた状態を
図3に示す。なお、シャツ10の後見頃に対して、襟11は立っているので、襟ガード支持体1においても、背あて2に対して固定襟ガード部5が立っている状態になっている。このような形状になるのは、連結部3が柔軟性を有する素材であり、連結部3が曲がることができるためである。本態様のように、折曲線4を有する場合は、背あて2に対して、連結部3と固定襟ガード部5とが、折曲線4で折り曲げられて、背あて2に対して固定襟ガード部5が立つような形状になる。
【0020】
次に、
図4のように、シャツ10の左側を背あて2の左の長辺に沿って、幅方向に背あて2の裏面(シャツ10のない面)に折り返し、背あて2の裏側に位置した左の袖を背あて2上でさらに折り畳む。同様に、シャツ10の右側も背あて2の右の長辺に沿って幅方向に背あて2の裏側に折り返し、背あて2の裏面に位置した右の袖をさらに折り畳む(
図5を参照)。
【0021】
次に袖を折り畳んだシャツ10の裾を、シャツ10の裾から背あて2の下辺までの所定の位置で、背あて2の裏面側に折り曲げ、さらに、背あて2の下部の辺に対応するシャツの部分で折り曲げる。そうすることで、折り畳んだシャツ10の丈方向の長さは、背あて2の丈方向の長さとほぼ等しくなる。
【0022】
最後に、保持ひも9を背あて2の下部の辺の中心で折り返えすようにV字型に配置させる(
図6及び
図7を参照)。なお、V字型の状態を維持しやすくするために、背あて2の下辺中央に小さな山型の切込みを設けることができる。
【0023】
[襟ガード支持体の変形方法]
襟ガード支持体1からシャツから取り外した後は、襟ガード支持体1は、通常かばんなどに収納させるが、その際は、下記のようにコンパクトにすることができる。
【0024】
図1の襟ガード支持体1の可動襟ガード部6a、6bを可動させ、固定襟ガード部5に対して、背あて2の反対側で重なるようにし、接続部8a 8bを接続させる(
図8参照)。
【0025】
次に、折曲線4で連結部3を背あて2に重なるように折り曲げ、そして、保持ひも9を背あて2の連結部3の反対側の短辺に掛けるように、配置させる(
図9参照)。
【0026】
このように襟ガード支持体1を変形することで、襟ガード支持体1を薄い板状の長方形にすることができ、荷物の多いビジネス出張であっても、コンパクトにスーツケース等に収納することができる。
【0027】
図10は、別の態様の実施例の襟ガード支持体1Aであり、二本の保持ひも9A、9Bを備える。保持ひも9A、9Bのように、保持ひもを二本にすることで、シャツを折り畳んで、最後にひも9A、9Bをシャツに対して斜めに設置してシャツを保持する際に、シャツの形状を崩すことなく、設置することができる。襟ガード支持体1Aを用いた場合の完成図は
図11である。
図11のように、二本の保持ひも9A、9Bは、背あて2の上部の辺の端にそれぞれ縫着されており、また、背あて2の下端で互いに接続できるようにする。なお、二本の保持ひも9A、9Bには、背あて2に縫着されていない方の端には、ひも接続部12a、12bを有している。ひも接続部12a、12bは、本態様では面ファスナーであり、ひも接続部12a、12bを互いに接続することができる。
【0028】
[効果]
[1]シャツの折りたたんだ状態を保持する襟ガード支持体であって、シャツの後身頃にあてられる背あてと、シャツの襟を襟の下から固定するための襟ガード部と、前記背あてと前記襟ガード部とを連結する連結部と、シャツが折りたたまれた状態を保持する保持ひもであって、前記背あてに備えられている保持ひもと、を有する襟ガード支持体は、シャツを簡便に、しかも綺麗に折り畳むことができ、また折り畳んだ状態を保持することができる。このように保持したシャツは、荷物の入ったスーツケースに入れても、シャツの襟の形状を維持することができる。
【0029】
また、[2]前記襟ガード部は、固定襟ガード部と、前記固定襟ガード部の両端に連結する2つの可動襟ガード部とからなり、前記可動襟ガード部は、前記固定襟ガード部に対して可動し、前記2つの可動襟ガード部は、互いに接続可能である。このような襟ガード支持体は、襟ガード支持体を使用しないときはコンパクトにすることができ、収納が容易である。しかも、可動襟ガード部が互いに接続できる場合は、固定襟ガード部及び可動襟ガード部で、筒状にすることができ、シャツの襟全体を保持することができる。
【0030】
また、[3]前記2つの可動襟ガード部はそれぞれ面ファスナーを備え、前記可動襟ガード部同士の接続は、面ファスナーの接続によって行われる場合は、面ファスナーにより簡便に接続及び解除をすることができ、さらには、シャツの首回りの長さに応じて、面ファスナーの接続位置を変更し、シャツにフィットさせることもできる。しかも、収納時には背あての上で接続部を接続することによって、さらにコンパクトにできる。
【0031】
また、[4]前記襟ガード支持体は、前記連結部と、前記背あてとの境界に折曲線を有し、前記背あてに対して、前記連結部及び襟ガード部を折りたたむことができる場合は、襟ガード支持体の収納時は、長方形の形状にすることができ、荷物が多く収納されているかばんやスーツケース内のわずかなスペースでも収納することができる。
【0032】
また、[5]前記保持ひもが、伸縮性のひもである場合は、シャツを襟ガード支持体で折り畳んだ状態で保持するときに、シャツの形状がくずれにくくなる。
【0033】
また、[6] シャツの折りたたんだ状態を保持する襟ガード支持体であって、シャツの後身頃にあてられる背あてと、シャツの襟を襟の下から固定するための襟ガード部と、前記背あてと前記襟ガード部とを連結する連結部と、シャツが折りたたまれた状態を保持する2本の保持ひもであって、片端が前記背あてに備えられており、保持ひもが互いに接続可能な保持ひもと、を有する襟ガード支持体は、シャツを簡便に、しかも綺麗に折り畳むことができ、また折り畳んだ状態を保持することができる。このように保持したシャツは、荷物の入ったスーツケースに入れても、シャツの襟の形状を維持することができる。しかも、保持ひもが2本あることで、シャツの形状を崩さずに保持ひもを設置することができる。
【0034】
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。