(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778857
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】エスプレッソコーヒーメーカー用の秤量装置、及びかかる装置を組み込んだエスプレッソコーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20150827BHJP
A47J 31/34 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
A47J31/44 100
A47J31/34
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-506855(P2014-506855)
(86)(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公表番号】特表2014-518661(P2014-518661A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】EP2012057612
(87)【国際公開番号】WO2012146641
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年3月12日
(31)【優先権主張番号】2011/0204
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】IE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512102391
【氏名又は名称】ラ マルゾッコ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】LA MARZOCCO S.R.L.
(73)【特許権者】
【識別番号】314007290
【氏名又は名称】ショーン マーティン モラン
(73)【特許権者】
【識別番号】314007304
【氏名又は名称】ポール ドルリー ピアーソン
(73)【特許権者】
【識別番号】314007315
【氏名又は名称】ポール フランシス スタック
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ショーン マーティン モラン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ドルリー ピアーソン
(72)【発明者】
【氏名】ポール フランシス スタック
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ビアンチ
【審査官】
大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−46167(JP,A)
【文献】
特開平11−276351(JP,A)
【文献】
特開2000−111543(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第3332236(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第2048163(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
A47J 31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスプレッソコーヒーメーカー用の秤量装置であって、前記エスプレッソコーヒーメーカーの連結部の下方のドリップトレー領域内に配置可能な秤量台と、前記秤量台に接続された制御ユニットと、開始/停止ボタンと、タイマーユニットと、ディスプレイとを備え、これら全てが前記制御ユニットに接続されており、使用時には、抽出されたショットの重量及びショットを送出するに要した時間を前記秤量台及び前記タイマーユニットでそれぞれ計測し、結果を前記ディスプレイに表示することを特徴とする秤量装置。
【請求項2】
前記スタート/ストップボタンは、ショットの送出を制御するための、エスプレッソ装置上のボタンである、請求項1に記載の秤量装置。
【請求項3】
使用時に、前記制御ユニットは、空のカップが前記秤量台に置かれた後に、ショットの送出を開始するために前記スタート/ストップホタンが押された際に、前記ディスプレイに表示される重量をゼロにする、請求項1又は2に記載の秤量装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは前記秤量台に隣接して配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の秤量装置。
【請求項5】
前記ディスプレイは前記エスプレッソ装置の前面パネル上に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の秤量装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、抽出したショットが所定量で自動的に送出されるようにプログラム可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の秤量装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、抽出ショットの送出の間に、抽出ショットの重量と送出開始からの経過時間との間の比として表現される流量を測定する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の秤量装置。
【請求項8】
前記流量はディスプレイに表示される、請求項7に記載の秤量装置。
【請求項9】
前記流量は調整可能である、請求項7又は8に記載の秤量装置。
【請求項10】
エスプレッソコーヒーメーカーであって、前記エスプレッソコーヒーメーカーの連結部の下方のドリップトレー領域内に配置可能な秤量台と、前記秤量台に接続された制御ユニットと、開始/停止ボタンと、タイマーユニットと、ディスプレイとを備え、これら全てが前記制御ユニットに接続されており、使用時には、抽出されたショットの重量及びショットを送出するに要した時間を前記秤量台及び前記タイマーユニットでそれぞれ計測し、結果を前記ディスプレイに表示することを特徴とするエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項11】
前記スタート/ストップボタンは、ショットの送出を制御するための、前記エスプレッソ装置上のボタンである、請求項10に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項12】
使用時に、前記制御ユニットは、空のカップが前記秤量台に置かれた後に、ショットの送出を開始するために前記スタート/ストップホタンが押された際に、前記ディスプレイに表示される重量をゼロにする、請求項10又は11に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項13】
前記ディスプレイは前記秤量台に隣接して配置される、請求項10〜12のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項14】
前記ディスプレイは前記エスプレッソ装置の前面パネル上に配置される、請求項10〜12のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項15】
前記制御ユニットは前記装置の回路基板上に収容される、請求項10〜14のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項16】
前記秤量装置及び前記制御ユニットは、前記ドリップトレー内に配置した筐体の内部に配置される、請求項10〜14のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項17】
前記制御ユニットは、抽出したショットが所定量で自動的に送出されるようにプログラム可能である、請求項10〜16のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項18】
前記制御ユニットは、抽出ショットの送出の間に、抽出ショットの重量と送出開始からの経過時間との間の比として表現される流量を測定する、請求項10〜17のいずれか一項に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項19】
前記流量が前記ディスプレイに表示される、請求項18に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【請求項20】
前記流量は調整可能である、請求項18又は19に記載のエスプレッソコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーメーカー用の秤量装置、特には、エスプレッソコーヒーメーカー用の秤量装置、及びかかる装置を組み込んだエスプレッソコーヒーメーカーに関する。
【0002】
ここでいうエスプレッソコーヒーメーカーとは、食品サービス業及び「horeca」(ホテル/レストラン/ケータリング)業で用いられるコーヒーメーカーを意味する。
【背景技術】
【0003】
エスプレッソコーヒーメーカーでは、コーヒー粉をポルタフィルターに詰め(押し)込む。このポルタフィルターは、粉を保持するための着脱式容器であり、底部にフィルターを有する。次いで、ポルタフィルターは、グループと呼ばれる装置への連結部に取り付けられ、ここを介して抽出水が送られる。抽出温度とされた水が、グループからポルタフィルター内のコーヒー粉を通り、受けカップに強制的に送られ、エスプレッソと呼ばれるイタリアの伝統的なコーヒー飲料が作られる。一杯のエスプレットはショットをして知られている。
【0004】
このような形式のエスプレッソメーカーの例は、イタリア国フィレンツェ県スカルペーリアのLa Marzocco SRIにより生産されるLa Marzocco Strada(La Marzoccoは商標)である。
【0005】
使用するコーヒー粉の量、粉の細かさ、粉を詰めるのに用いる圧力、装置の水圧、及びショットを作るのにかける時間を変えると、ショットの最終的な質に影響する。エスプレッソ作りに関する最近の革新としては、抽出されたエスプレッソの重量を測定して、抽出が最適であることを確認することである。
【0006】
特定の装置から一貫したショットを製造するために、バリスタ(コーヒー職人)は、上記のパラメータを変更することによって実験を行う必要があった。このことは、エスプレッソの「ダイアル操作」(dialing in)として知られており、現状では目と味で行われている。典型的な作業の流れは以下のとおりである。
1.使用するコーヒーの秤量
2.製造した最終エスプレッソ飲料の秤量
3.コーヒーミル(グラインダー)の豆挽き設定の記録
4.エスプレッソ抽出時間の記録
5.バリスタは、自分の満足する抽出エスプレッソに対する乾燥コーヒーの比を固定した後に、豆挽き設定を調整することができる。これは、エスプレッソショットが装置から流れ出る速度に直接的に影響する。例えば、粗挽きにすると、ショットの生成速度が上がる。逆に、細挽きにすると、ショットの生成が遅くなる。
【0007】
エスプレッソのダイアル操作法の問題は、ショット毎の液量を目で推定するという点である。したがって、バリスタが、毎回のエスプレッソの抽出の開始と終了を行うのである。それゆえ、エスプレッソの質はショット毎に違う可能性がある。
【0008】
さらに、エスプレッソカップに生成されるクレマ(エスプレッソの上部に生成されるクリーム状の液面)の質は、カップ内の液体の体積に関するバリスタの見積もりの影響を受け得る。
【0009】
さらなる問題点としては、生成した最終エスプレッソ飲料を秤量するためには秤量器が必要となるという点である。このことは、カウンタートップの場所を取ることとなり、商業的な設営においてはコストに関連してくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述したエスプレッソコーヒーメーカーの問題点を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、エスプレッソコーヒーメーカー用の秤量装置であって、エスプレッソコーヒーメーカーの連結部の下方のドリップトレー領域内に配置可能な秤量台と、秤量台に接続された制御ユニットと、開始/停止ボタンと、タイマーユニットと、ディスプレイとを備え、これら全てが制御ユニットに接続されており、使用時には、抽出されたショットの重量及びショットを送出するに要した時間を秤量台及びタイマーユニットでそれぞれ計測し、結果をディスプレイに表示する秤量装置を提供する。
【0012】
本発明の秤量装置の利点は、抽出されたショットの重量を、抽出しながら、ショットの送出に要した時間とともに、計測するという点である。
【0013】
更なる利点は、エスプレッソコーヒーメーカーのドリップトレー領域内に配置可能であるので、カウンタートップ上のスペースを秤量装置が専有することがない、という点である。多忙なコーヒー店又はレストランの設備では、カウンターのスペースは貴重であり、スペースを節約することは経済的な利益を生む。
【0014】
好ましくは、スタート/ストップボタンは、ショットの送出を制御するための、エスプレッソ装置上のボタンである。
【0015】
この構成の利点は、秤量装置がエスプレッソ装置に配線でつながれているので、ショットの抽出を開始するに当たりバリスタが必要なことは、一つのボタンを操作するのみであるという点である。
【0016】
さらに好ましくは、使用時に、制御ユニットは、空のカップが秤量台に置かれた後に、ショットの送出を開始するためにスタート/ストップホタンが押された際に、ディスプレイに表示される重量をゼロにする。
【0017】
この構成の利点は、手動でカップの重量を差し引く必要なしに、カップ内の液体の重量を自動的に表示するという点である。
【0018】
本発明に従う秤量装置の一実施態様において、ディスプレイは秤量台に隣接して配置される。
【0019】
バリスタがエスプレッソを準備する際に、バリスタは、カップに入るコーヒーを見る習性がある。したがって、秤量台に隣接したディスプレイを有する利点は、バリスタが、カップにコーヒーが入るのを眺めつつ、ディスプレイを確認することができる点である。
【0020】
本発明に従う秤量装置の他の実施態様において、ディスプレイはエスプレッソ装置の前面パネル上に配置される。
【0021】
ディスプレイをエスプレッソ装置の前面パネル上に有する利点は、同時に何杯ものショットを作る場合に、バリスタが容易に各ディスプレイを監視することができるという点である。
【0022】
本発明に従う秤量装置の他の実施態様において、制御ユニットは、抽出したショットが所定量で自動的に送出されるようにプログラム可能である。
【0023】
抽出されたショットが予めプログラムされた量で送出される利点は、バリスタが、所望の抽出ショットを送出するパラメータに到達した後は、コーヒーの特定のバッチに対して、この抽出ショットの重量を用いて、自動的に所望の抽出ショットを再現できるという点にある。
【0024】
この発明に従う秤量装置のさらなる実施形態において、制御ユニットは、抽出ショットの送出の間に、抽出ショットの重量と送出開始からの経過時間との間の比として表現される流量を測定する。
【0025】
流量を測定できるというのは、バリスタが、このパラメータを、一貫したショットを作るために利用できるので、有利である。
【0026】
好ましくは、流量はディスプレイに表示される。
【0027】
さらに好ましくは、流量は調整可能である。
【0028】
流量が調整可能である利点は、コーヒー粉の細かさ、環境湿度及びポルタフィルター内でのコーヒー粉の圧密度等の変動を補償して、抽出ショットの一貫性を維持できるという点である。
【0029】
本発明のさらなる態様では、エスプレッソコーヒーメーカーであって、エスプレッソコーヒーメーカーの連結部の下方のドリップトレー領域内に配置可能な秤量台と、秤量台に接続された制御ユニットと、開始/停止ボタンと、タイマーユニットと、ディスプレイとを備え、これら全てが制御ユニットに接続されており、使用時には、抽出されたショットの重量及びショットを送出するに要した時間を秤量台及びタイマーユニットでそれぞれ計測し、結果をディスプレイに表示するエスプレッソコーヒーメーカーを提供する。
【0030】
本発明に従うエスプレッソコーヒーメーカーの利点は、上述したとおりである。
【0031】
好ましくは、スタート/ストップボタンは、ショットの送出を制御するための、エスプレッソ装置上のボタンである。
【0032】
この構成の利点は、ショットの抽出を開始するためには、バリスタは一つのボタンを操作するだけでよい、という点である。
【0033】
さらに好ましくは、使用時に、制御ユニットは、空のカップが秤量台に置かれた後に、ショットの送出を開始するためにスタート/ストップホタンが押された際に、ディスプレイに表示される重量をゼロにする。
【0034】
この構成の利点は、手動でカップの重量を差し引く必要なしに、カップ内の液体の重量を自動的に表示するという点である。
【0035】
本発明に従うエスプレッソコーヒーメーカーの一実施態様において、ディスプレイは秤量台に隣接して配置される。
【0036】
この構成の利点は上述したとおりである。
【0037】
本発明に従うエスプレッソコーヒーメーカーの他の実施態様において、ディスプレイはエスプレッソ装置の前面パネル上に配置される。
【0038】
ディスプレイをエスプレッソ装置の前面パネル上に有する利点は、同時に何杯ものショットを作る場合に、バリスタがより容易に各ディスプレイを監視することができるという点である。
【0039】
この発明の他の実施態様において、制御ユニットは装置の回路基板上に収容される。
【0040】
この構成の利点は、秤量台が故障した際にも、制御ユニットも一緒に交換する必要なしに、秤量台を交換できるという点である。
【0041】
この発明の他の実施態様において、秤量装置及び制御ユニットを、ドリップトレー内に配置した筐体の内部に配置することができる。
【0042】
この構成の利点は、秤量装置が故障した場合に、ユニットとして交換ができるという点である。
【0043】
この発明に従うエスプレッソコーヒーメーカーの更なる実施態様において、制御ユニットは、抽出したショットが所定量で自動的に送出されるようにプログラム可能である。
【0044】
上述したように、抽出されたショットが予めプログラムされた量で送出される利点は、バリスタが、所望の抽出ショットを送出するパラメータに到達した後は、コーヒーの特定のバッチに対して、この抽出ショットの重量を用いて、自動的に所望の抽出ショットを再現できるという点にある。
【0045】
本発明に従うエスプレッソコーヒーメーカーにおいて、制御ユニットは、抽出ショットの送出の間に、抽出ショットの重量と送出開始からの経過時間との間の比として表現される流量を測定する。
【0046】
流量を測定できるというのは、バリスタが、このパラメータを、一貫したショットを作るために利用できるので、有利である。
【0047】
好ましくは、流量がディスプレイに表示される。
【0048】
さらに好ましくは、流量は調整可能である。
【0049】
流量が調整可能である利点は、コーヒー粉の細かさ、環境湿度及びポルタフィルター内でのコーヒー粉の圧密度等の変動を補償して、抽出ショットの一貫性を維持できるという点である。
【0050】
添付の図面を参照しつつ、単なる例示である本発明の実施態様に関する以下の記載によって、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の秤量装置を組み込んだエスプレッソコーヒーメーカーの正面図である。
【
図2】
図1のエスプレッソ装置のドリップトレーを上から見た平面図である。
【
図4】
図1のエスプレッソ装置から取り出した秤量装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1を参照し、本発明に従う秤量装置11を組み込んだエスプレッソコーヒーメーカーが全体として10として示されている。秤量装置11は、エスプレッソコーヒーメーカー10の連結部13の下方のトリップトレー12内に配置される。
【0053】
図2を参照し、ドリップトレー12が上方から図示している。有孔排水部14がドリップトレー12内に配置される。秤量装置11をドリップトレー12内に収容できるように、有孔排水部14の一部を除去してある。
【0054】
秤量装置11は、筐体16内に配置された秤量台15を含み、この秤量台15は、筐体16の天板18の開口17を介してアクセス可能である。天板18は、除去された部分の両側で、有孔排水部14の上に置かれる。秤量装置11の秤量台15の上面19は、天板18の面20上に設けられている(
図1参照)。
【0055】
スタート/ストップボタン21は天板18の上に位置し、それの面19の上方に延びる。
【0056】
ディスプレイ22を天板18内に設営し、それの面20と面一にする。ディスプレイ22は液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0057】
図3を参照し、エスプレッソコーヒーメーカー10が側面から描かれている。スタート/ストップボタン21及び秤量台15が天板18の面20上に設けられている。
【0058】
破線23は、秤量装置11と、連結部13に取り付けられた圧力調整ハンドル24(
図1参照)上の抽出開始ボタン(図示せず)との間の電気的な接続を示す。使用時には、圧力調整ハンドル24の動きが、連結部13からのショットの送出を開始させ、また、この動きは、秤量装置11を動作モードの一つに起動する。
【0059】
図4〜7を参照し、秤量装置11をより詳細に示す。
【0060】
図4及び5を参照し、筐体16は天板18を含み、天板18の下側25には、前側閉鎖コンパートメント26及び後側シェルフ27がナット28とボルト29で固定されている。
【0061】
秤量台15は、シェルフ27上に取り付けられる(
図5参照)。
【0062】
図6を参照し、秤量装置11が上方から見た図が示されている。複数の排液孔30がシェルフ27を貫通しており、これら排液孔30は、使用時に、秤量台15の周囲の流出物をドリップトレー12に排出可能とする。
【0063】
図7を参照し、秤量台15は、ロードセル31上に置かれる。制御ユニット32は、タイマー(別体としては図示せず)を組み込んでおり、前側閉鎖コンパートメント26内に配置される。
【0064】
図1〜7を参照し、使用時には、エスプレッソコーヒーメーカー10を、少なくとも2つのモードで操作可能である。
【0065】
第1のモードでは、操作の流れは概ね次のようになる。
1.選択した量の乾燥コーヒーを挽いてポルタフィルター(図示せず)に入れる。
2.ポルタフィルターをエスプレッソコーヒーメーカー連結部13に挿入する。
3.圧力調整ハンドル24上の抽出開始ボタンを操作して、ショットの送出を開始する。
a.秤量装置11への電気的接続を介して、この操作は直ちに秤量装置11のゼロ点合わせ(風袋引き)を行い、タイマーを始動する。
b.ディスプレイ22のデジタル表示が、ショットの重量と経過時間とを並べてバリスタに示す。
4.エスプレッソカップ/カプチーノカップ/紙カップをポルタフィルター/連結部13の下方で秤量台15上に置く。
a.秤量装置11が、飲料の製造中に予期される以上の荷重を検出し、秤量装置11を「自動風袋引き」する。
b.バリスタが抽出開始ボタンを再度操作して、注ぎ出しを停止するまで、抽出液がカップに流れ込む。
c.注ぎ出しが停止されると、タイマーが停止する。
d.LCD表示が、最終ショット重量とショット時間とをバリスタに知らせる。
【0066】
この作業の流れにより、バリスタは送出されたショットの味見をし、それに満足しない場合には、挽きを調整して、好ましい抽出比となるように送出速度を上げ下げし、「完璧な」ショットに校正する。
【0067】
あるいは、秤量装置11の自動風袋引き機能を不能とすることができ、この結果の作業の流れは以下のようになる。
1.選択した量の乾燥コーヒーを挽いてポルタフィルターに入れる。
2.ポルタフィルターをエスプレッソコーヒーメーカー連結部13に挿入する。
3.エスプレッソカップ/カプチーノカップ/紙カップをポルタフィルター/連結部13の下方で秤量台15上に置く。
4.圧力調整ハンドル24上の抽出開始ボタンを操作して、ショットの送出を開始する。
a.秤量装置11への電気的接続を介して、この操作は直ちに秤量装置11のゼロ点合わせ(風袋引き)を行い、タイマーを始動する。
b.ディスプレイ22のデジタル表示が、ショットの重量と経過時間とを並べてバリスタに示す。
c.バリスタが抽出開始ボタンを再度操作して、注ぎ出しを停止するまで、抽出液がカップに流れ込む。
d.注ぎ出しが停止されると、タイマーが停止する。
e.LCD表示が、最終ショット重量とショット時間とをバリスタに知らせる。