【実施例】
【0065】
以下の実施例は、本発明の一部の特定の実施形態の実例を示すことを意図したものであり、本発明に対していかなる様式でも非限定的であると理解されたい。
【0066】
本発明の解釈上、パラメータd
50(%)の値は、50質量%の粒子のそれぞれがこの値以下の直径を有する粒径の測定値によって得られるものである。
【0067】
w/wという用語は、物質の質量分率を示し、全混合物の質量m
totに対する質量m
matを有する物質の割合と定義する。
【0068】
測定方法:
懸濁液のpHの測定
懸濁液のpHは、25℃で、Mettler Toledo Seven Easy pHメータおよびMettler Toledo InLab(登録商標)Expert Pro pH電極を用いて測定した。
【0069】
最初に、機器の3点較正(セグメント法による。)を、4、7および10のpH値を有する市販のバッファー溶液(Aldrich製)を用いて20℃で行った。
【0070】
報告したpH値は機器によって検出された終点の値である(終点は、測定されたシグナルと最後の6秒間(6秒前から)の平均との差が0.1mV未満である時点である。)。
【0071】
BET比表面積
BET比表面積(SSAとも表示される。)は、ISO 9277に従い、Tristar II 3020(MICROMERITICS(商標)社によって販売)を用いて測定した。
【0072】
粒径分布(<Xμmの直径を有する粒子の質量%)および粒状物質の重量中央粒子直径(d50)(d50(μm))
Sedigraph(商標)5100
粒状物質の重量中央粒子直径および粒子直径質量分布は沈降法、即ち、重量測定分野での沈降挙動の解析によって測定した。測定は、Sedigraph(商標) 5100(MICROMERITICS(商標)社によって販売)により行う。
【0073】
該方法および機器は当業者に知られており、充填剤および顔料の粒径を測定するために一般的に使用されているものである。4gの乾燥PCCに相当する量の生成物を60mlの0.1重量%Na
4P
2O
7水溶液に添加することにより試料を調製した。試料を、高速攪拌機(Polytron PT 3000/3100,15000rpm)を用いて3分間分散させた。次いで、これを、超音波浴を用いて超音波に15分間供し、この後、Sedigraphの混合チャンバに添加した。
【0074】
粘度の測定
1分間の攪拌後のブルックフィールド粘度を、RVT型Brookfield(商標)粘度計の使用により20℃の温度および100rpm(毎分回転数)回転速度で、適切なディスクスピンドル2、3または4を伴って測定した。
【0075】
懸濁液中の物質の固形物の重量(重量%)
固形物の重量(物質の固形分とも称する。)は、固形物質の重量を水性懸濁液の総重量で除算することにより求めた。
【0076】
固形物質の重量は、懸濁液の水相を蒸発させ、得られた物質を一定重量になるまで乾燥させることにより得られた固形物質の重量測定によって測定した。
【0077】
明度の測定および黄色度指数
得られた粒子の顔料明度および黄色度指数は、ELREPHO 450x(Datacolor社製)を使用し、それぞれISO 2469およびDIN 6167に従って測定した。
【0078】
試料を105℃の炉内で残留含水率が<0.5重量%になるまで乾燥させ、得られた粉末を処理して該粉末粒子のデアグロメレーションを行った。12gの前記粉末から、15秒間の4バールの圧力の適用によってタブレットをプレス成形した。45mmの直径を有する得られた粉末タブレットを、次いで測定に供した。
【0079】
本発明の測定において、黄色度指数は、得られた沈降炭酸カルシウム生成物の反射率を測定することによって測定し、使用した標準光はD65とし、標準観測者ファンクションは10°とした。
【0080】
DIN 6167による黄色度指数は以下のとおりに計算される:
【0081】
【数1】
式中、X、YおよびZはCIE三刺激値であり、係数は、以下の表に示す標準光と観測者ファンクションに依存する:
【0082】
【表1】
【0083】
PPS−粗さの測定
パーカプリントサーフ粗さはISO 8791−4:2007に従って測定した。単位:μmで明示される。pps−粗さは、紙シートの表面上、即ちxy面における空気流を測定することによって得られる。測定は規定の測定デバイスにより、紙表面に対して測定設備の規定の圧力で、紙の反対側には規定のゴムプレートを伴って行い、得られる値は圧力差から計算したものであり、空気が測定設備と紙表面間を通過することを可能にするスリットの幅を示す。
【0084】
A.パルプ工場廃棄物からの沈降炭酸カルシウムの製造
【0085】
[
比較例1]
この比較例には、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを出発物質とし、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを湿式磨砕し、次いで、高純度水酸化カルシウムの水性スラリーと一緒に炭酸化反応に使用する、炭酸カルシウム生成物の製造のための先行技術の方法を記載する。
【0086】
クラフトパルプ工場の化学薬品回収過程で排出された低純度廃棄物CaCO
3は、Klabin Papeis S.A.,Telemaco Borba工場(ブラジル)から入手した。75.9質量%の乾燥物を含む845kgの前記廃棄物CaCO
3を、溶解機プレートを備えている700リットル容攪拌メイクダウン(make−down)槽に入れた300リットルの20℃の水道水に添加した。廃棄物CaCO
3の添加前、20.7kgの当業者によく知られた適切な分散化剤を、この水道水に分散助剤として添加した。廃棄物CaCO
3を、この湿潤ケークを激しい攪拌下にて導入することによって廃棄物CaCO
3の水性スラリーに変換させた(メイクダウンした。)。廃棄物CaCO
3の水性スラリーは56.2重量%の固形分を有するものであった。
【0087】
得られた廃棄物CaCO
3のスラリーを、次いで2回通過で、それぞれ1.0mm直径(通過1回目)および0.45mm直径(通過2回目)の96kgのセリア(ceria)含有酸化ジルコニウム磨砕ビーズを充填した50リットル容縦型ビーズミルにて湿式磨砕した。粒子の約83%が<1μmの重量中央粒径を有する(Sedigraph 5100を用いて測定したとき)という最終目標微細度を得るためには、156kWh/DMT(DMT=ドライメトリックトン)の全比磨砕エネルギーが必要であった。湿式磨砕前に、さらに12.4kgの当業者によく知られた適切な分散化剤をミル供給物に添加した。
【0088】
200kgのPCC等級高純度生石灰CaO(Kalkwerk LEUBE,Golling/Austria)を、攪拌消化反応器内の1.700リットルの50℃の水道水に添加した。消化前、この消化用の水に0.66kgの30質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を添加した。生石灰を連続攪拌下で30分間消化させ、得られた水酸化カルシウムのスラリー(「石灰乳」)を、60℃の水でのこの石灰乳の希釈によって13.7%の固形分に調整し、次いで200μmスクリーンでふるい分けし、粗粒を除去した。
【0089】
炭酸化は、ガス供給(gasing)攪拌器、二酸化炭素/空気ガス流をインペラに指向するステンレス鋼炭酸化チューブ、ならびに、懸濁液のpHおよび導電率のモニタリング用プローブを備えた2000リットル容バッフル付き円筒型ステンレス鋼反応器で行った。55.9質量%の乾燥物の廃棄物CaCO
3を含む71リットルの前記湿式磨砕廃棄物CaCO
3スラリーを炭酸化装置に添加し、上記の消化工程で得られた水酸化カルシウムの1679リットルの13.7質量%の水性懸濁液と混合した。反応混合物の温度を50℃に調整した。次いで、空気中20容量%のCO
2のガスを反応混合物中で、200m
3/時の標準体積流量(DIN 1343で定義される標準体積流量、0℃(273.15K)の温度、101.325kPa、相対湿度0%)で激しい攪拌下にて上方に起泡させた。炭酸化中、反応混合物の温度を制御せず、発熱性沈降反応で発生した熱により昇温させた。炭酸化は、電気伝導度が急に下がり、炭酸化が実質的に終了したことを示す最低値になるまで維持した。CO
2含有ガスの導入をさらに10分間継続した後、ガスの導入を停止した。ガスの導入の開始から最低導電率の時点までで計算される炭酸化時間は97分間であった。次いで、反応混合物を45μmスクリーンでふるい分けし、ふるい分けされた生成物をCaCO
3の水性スラリーとして回収した。得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物中の全CaCO
3乾燥物に対する低純度のパルプ工場廃棄物CaCO
3の割合は15.6質量%であった。得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物のISO明度R457は83.8%であった。
【0090】
比較例1に記載の方法で得られた生成物の物性を以下の表1に示す。
【0091】
[
実施例2]
この本発明の実施例には、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを出発物質とし、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを焼成させてパルプ工場廃棄物石灰(CaO)を得、消化させ、続いて、得られた石灰乳を炭酸化させ、加工し、離散型超微粒子を特色とする特定のパルプ工場廃棄物沈降炭酸カルシウム(PCC)を得る、炭酸カルシウム生成物の製造のための本発明の方法を示す。次いで、得られた物質を、高純度水酸化カルシウムの水性スラリー(いわゆる「石灰乳」)と一緒に炭酸化反応に供する。
【0092】
比較例1の低純度廃棄物CaCO
3(これは、典型的には、Klabin Papeis S.A.,Telemaco Borba Millのクラフトパルプ工場の化学薬品回収過程で排出されたものである。)を900から1300℃の範囲の温度にて回転式の窯で焼成させ、ハンマーミルで予備破砕し、低純度のパルプ工場廃棄物CaOを得た。200kgのこの廃棄物CaO(生石灰)を、攪拌消化反応器内の1800リットルの70℃の水道水に添加した。生石灰を連続攪拌下で30分間消化させ、得られたスラリーを水酸化カルシウムの水性懸濁液(「廃棄物石灰乳」)として回収した。1800リットルの前記廃棄物石灰乳を炭酸化装置に添加し、廃棄物石灰乳の温度を20℃に調整した。炭酸化の前に、糖アルコール(ソルビトール80%,Brenntag CEE GmbH)の1.3リットルの70質量%水溶液を添加した。
【0093】
炭酸化は、比較例1に記載のものと同様にして行った。ガスの導入の開始から最低導電率の時点までで計算される炭酸化時間は54分間であった。次いで、反応混合物を45μmスクリーンでふるい分けし、デカンタ型遠心分離機(KHD Humboldt Wedag AG,Type SC 01)で機械的に脱水した。次いで、遠心分離機から排出された濾過ケークを水で再分散させ、30.4質量%の乾燥物の「パルプ工場廃棄物PCC」を含む水性スラリーに変換させた(メイクダウンした。)。スラリーのメイクダウン中、充分な量の当業者によく知られた適切な分散化剤を添加した。この30.4質量%の固形物を含有している「パルプ工場廃棄物PCC」スラリーを、次いで、デアグロメレーション用の0.4から0.7mmのセリア含有酸化ジルコニウム磨砕ビーズを備えた縦型メディアミルに通した。メディアミル内での加工中の比エネルギー導入量は74kWh/DMT CaCO
3(DMT=ドライメトリックトン)であった。メディアミルから排出され、29.7質量%の乾燥物のCaCO
3を含む水性スラリーを、後述する炭酸化のための種用物質として使用する「加工済みパルプ工場廃棄物PCC」の水性スラリーとして回収した。この物質の構造(SEM顕微鏡写真で調べた。)は、約50から200nmの一次粒径(SEMで測定)を有する離散型沈降炭酸カルシウム(PCC)超微粒子であった。
【0094】
200kgのPCC等級高純度生石灰CaO(Kalkwerk LEUBE,Golling/Austria)を、攪拌消化反応器内の1700リットルの50℃の水道水に添加した。消化前、この消化用の水に0.66kgの30質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を添加した。生石灰を連続攪拌下で30分間消化させ、得られた水酸化カルシウムのスラリー(「石灰乳」)を、60℃の水でのこの石灰乳の希釈によって13.3%の固形分に調整し、次いで200μmスクリーンでふるい分けし、粗粒を除去した。
【0095】
炭酸化は、ガス供給攪拌器、二酸化炭素/空気ガス流をインペラに指向するステンレス鋼炭酸化チューブ、ならびに、懸濁液のpHおよび導電率のモニタリング用プローブを備えた2000リットル容バッフル付き円筒型ステンレス鋼反応器で行った。29.7質量%の固形物を含み、上記の方法で得られた250リットルの「加工済みパルプ工場廃棄物PCC」スラリーを炭酸化装置に添加し、上記の消化工程で得られた水酸化カルシウムの1550リットルの13.3質量%の水性懸濁液と混合した。反応混合物の温度を50℃に調整した。次いで、空気中20容量%のCO
2のガスを反応混合物中で、200m
3/時の標準体積流量(DIN 1343で定義される標準体積流量、0℃(273.15K)の温度、101.325kPa、相対湿度0%)で激しい攪拌下にて上方に起泡させた。炭酸化中、反応混合物の温度を制御せず、発熱性沈降反応で発生した熱により昇温させた。炭酸化は、電気伝導度が急に下がり、炭酸化が実質的に終了したことを示す最低値になるまで維持した。CO
2含有ガスの導入をさらに10分間継続した後、ガスの導入を停止した。ガスの導入の開始から最低導電率の時点までで計算される炭酸化時間は86分間であった。次いで、反応混合物を45μmスクリーンでふるい分けし、ふるい分けされた生成物をCaCO
3の水性スラリーとして回収した。得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物中の全CaCO
3乾燥物に対する元の低純度のパルプ工場廃棄物CaCO
3の割合は23.5質量%であった。得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物のISO明度R457は90.0%であった。
【0096】
上記の本発明による方法によって得られる生成物の物性を表1に示す。
【0097】
[
比較例3]
この比較例には、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを出発物質とし、パルプ工場廃棄物から得られた炭酸カルシウムを焼成させてパルプ工場廃棄物石灰(CaO)を得る、炭酸カルシウム生成物の製造のための先行技術の方法を示す。パルプ工場廃棄物石灰は、次いでPCC等級高純度生石灰と混合し、消化させ、得られた石灰乳混合物は、次いで炭酸化反応に使用する。
【0098】
比較例1の低純度廃棄物CaCO
3(これは、典型的には、Klabin Papeis S.A.,Telemaco Borba Millのクラフトパルプ工場の化学薬品回収過程で排出されたものである。)を回転式の窯で900から1300℃の範囲の温度にて焼成させ、ハンマーミルで予備破砕し、低純度のパルプ工場廃棄物CaOを得た。30kgのこの廃棄物CaOを170kgのPCC等級高純度生石灰CaO(Lhoist Belocal,Arcos MG/Brazil)と混合し、この石灰混合物を、攪拌消化反応器内の1700リットルの60℃の水道水に添加した。消化前、この消化用の水に0.80kgの30質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を添加した。生石灰を連続攪拌下で30分間消化させ、得られた水酸化カルシウムのスラリー(「石灰乳」)を、60℃の水でのこの石灰乳の希釈によって13.6%の固形分に調整し、次いで200μmスクリーンでふるい分けし、粗粒を除去した。1800リットルの前記石灰乳を炭酸化装置に添加し、石灰乳の温度を50℃に調整した。
【0099】
炭酸化は、ガス供給攪拌器、二酸化炭素/空気ガス流をインペラに指向するステンレス鋼炭酸化チューブ、ならびに、懸濁液のpHおよび導電率のモニタリング用プローブを備えた2000リットル容バッフル付き円筒型ステンレス鋼反応器で行った。次いで、空気中20容量%のCO
2のガスを反応混合物中で、200m
3/時の標準体積流量(DIN 1343で定義される標準体積流量、0℃(273.15K)の温度、101.325kPa、相対湿度0%)で激しい攪拌下にて上方に起泡させた。炭酸化中、反応混合物の温度を制御せず、発熱性沈降反応で発生した熱により昇温させた。炭酸化は、電気伝導度が急に下がり、炭酸化が実質的に終了したことを示す最低値になるまで維持した。CO
2含有ガスの導入をさらに10分間継続した後、ガスの導入を停止した。ガスの導入の開始から最低導電率の時点までで計算される炭酸化時間は84分間であった。次いで、反応混合物を45μmスクリーンでふるい分けし、ふるい分けされた生成物をCaCO
3の水性スラリーとして回収した。得られたPCC複合生成物中の全CaCO
3乾燥物に対する元の低純度のパルプ工場廃棄物CaCO
3の割合は15.0質量%であった。得られたPCC複合生成物のISO明度R457は90.6%であった。
【0100】
比較例3に記載の方法によって得られた生成物の物性を表1に示す。
【0101】
B.得られた沈降炭酸カルシウムのコーティング試験での使用
以下の比較例と実施例に、本発明の方法に従って得られた沈降二価金属イオンカーボネート生成物の、プレコーティング配合物中の顔料としての使用を示す。
【0102】
まず最初に、水性懸濁液の総重量に対して10から30重量%の範囲の固形分を有する沈降二価金属イオンカーボネート生成物の水性懸濁液を、40から80重量%の範囲、好ましくは50から75重量%の範囲、より好ましくは60から75重量%の範囲の最終固形分を有するように濃縮する。濃縮は、当業者に知られた任意の方法、例えば、熱濃縮、部分脱水などによって行われ得る。しかしながら、水性懸濁液の総重量に対して40から80重量%の範囲の固形分を有する沈降二価金属イオンカーボネート生成物の懸濁液を得るための択一的な方法は、10から30重量%の範囲の固形分を有する沈降二価金属イオンカーボネート生成物の水性懸濁液をフィルタープレスまたは同様の手段の使用によって脱水し、得られた沈降二価金属イオンカーボネート生成物の脱水残渣を、40から80重量%の範囲の固形分を有する沈降二価金属イオンカーボネート生成物の水性懸濁液が生成されるのに充分な量の液体に再分散させることである。
【0103】
これを、それぞれ実施例2および比較例3で得られた生成物について、以下に比較例4および実施例5に詳細に記載する。
【0104】
[
比較例4]
比較例3に記載の先行技術の方法で得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物をフィルタープレスで機械的に脱水し、排出された濾過ケークを、充分な量の当業者によく知られた適切な分散化剤の存在下、ハイシェアミキサー内で再分散させ、コーティング用顔料として使用され得る高固形物スラリーを得た。変換(メイクダウン)後の生成物を、72.8%乾燥物のPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物を含む水性スラリー(即ち、高固形物スラリー)として回収した。
【0105】
比較例4に記載の方法で得られた生成物の物性を表1に示す。
【0106】
[
実施例5]
本発明の実施例2に記載の本発明の方法で得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物をフィルタープレスで機械的に脱水し、排出された濾過ケークをハイシェアミキサー内で再分散させ、コーティング用顔料として使用され得る高固形物スラリーを得た。濾過ケークをスラリーに変換(スラリーメイクダウン)中、充分な量の当業者によく知られた適切な分散化剤を添加した。変換(メイクダウン)後の生成物を、66.8%の乾燥物のPCC/廃棄物CaCO
3複合生成物を含む水性スラリーとして回収した。
【0107】
実施例5に記載の方法で得られた生成物の物性を表1に示し、SEM顕微鏡写真を
図4に開示する。
【0108】
コーティングパイロット試験では、比較例4(先行技術)および実施例5(本発明)で得られたPCC/廃棄物CaCO
3複合コーティング用顔料を、液体包装用板紙(Liquid Packaging Board)(LPB)プレコーティング配合物で評価し、該用途に典型的に使用されている当該分野の技術水準のコーティング用顔料と比較した。
【0109】
上記の比較例4(先行技術)および実施例5(本発明)で得られた生成物を使用し、第1および第2プレコーティング配合物を調製した(試験M8およびM9)。さらに、比較する理由のため(試験番号1)、廃棄物PCCを全く含有していない第1および第2プレコーティング配合物も調製した。
【0110】
試験番号2(本発明)および試験番号3(先行技術)では、どの第1プレコーティング配合物にも具体的な廃棄物PCCに加えて、ラテックス、合成増粘剤および架橋剤も含有させた。また、第2プレコーティング配合物には具体的な廃棄物PCCに加えて、ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、架橋剤およびステアリン酸カルシウム(Ca−ステアレート)を含有させた。
【0111】
第1および第2プレコーティング配合物の組成を表2に示す。
【0112】
コーティングのコンセプト
コーターパイロット試験を400m/分で、ダブルプレコート包装用板紙の性質に対する種々のコーティング配合物の影響を評価する目的で行った。
【0113】
定量サイズプレスを使用し、298g/m
2の坪量、76.5%の明度および5.8μmのPPS粗さを有する包装用板紙原紙をコーティングし、第1プレコートは4g/m
2のコーティング重量を有していた。使用したロッドは溝付きで12mmの直径を有するものとした。
【0114】
次の工程では、第2プレコーティングを第1プレコーティング上に、0.38mm厚の屈曲ブレードによる噴流適用を用いて適用した。適用されたコーティング重量は10g/m
2であった。
【0115】
屈曲ブレードならびに定量サイズプレスを使用することにより、良好な被覆率および良好な印刷適性のための平滑な表面が得られる。屈曲ブレードは潤滑性計量ユニットとして機能し、また、適用対象のコーティングより下方に表面を圧迫することにより、平滑な表面が得られるようにコンツーア包装用(contour)コーティングを促進させ、一方、定量サイズプレスは、被覆率の向上のために典型的なコンツーア包装用コーティングに適用される。
【0116】
使用した配合、方法および条件ならびに結果を表2に示す。
【0117】
表1から、本発明による方法によって得られる沈降炭酸カルシウム生成物では、先行技術の方法によって得られた沈降炭酸カルシウムと同等の明度(比較例1と比べて)またはさらにより良好な明度(比較例3と比べて)が示されることが明らかである。
【0118】
表1:先行技術の方法および本発明に従って得られた沈降炭酸カルシウムの物性
【0119】
【表2】
【0120】
表2:先行技術の方法(M1,M9)および本発明(M8)により得られた炭酸カルシウム生成物を含有している配合物を含むコーティングパイロット試験のデータおよび結果
【0121】
【表3】
【0122】
試験番号2(本発明)および試験番号3(先行技術)においてわかるように、実施例5で得られた本発明の生成物では、比較例4で得られた先行技術の生成物と比べて、低純度のパルプ工場廃棄物CaCO
3の割合がずっと高い(即ち、15%に対して23.5%)にもかかわらず、第2プレコートの後、板紙において同様の明度およびPPS粗さが得られた。
【0123】
低純度廃棄物物質が全く含まれていない当該分野の技術水準の「バージン」GCC(磨砕炭酸カルシウム)顔料を含有している液体包装用板紙(LPB)プレコーティング配合物と比較すると、明度は同様のレベルに維持され、PPS粗さはさらに改善された(対照試験番号1を本発明による試験番号2と比較して参照のこと)。
【0124】
要約すると、本発明の発明者らは、廃棄物から回収された材料である二価金属イオンカーボネートから、先行技術の方法によって得られた沈降二価金属イオンカーボネート生成物と比べて同等またはさらに改善された明度を有する沈降二価金属イオンカーボネート生成物を製造させることができた。
【0125】
また、本発明者らは、本発明の沈降二価金属イオンカーボネート生成物、特に沈降炭酸カルシウム生成物が、包装用板紙のためのプレコーティング配合物中のコーティング用顔料として使用され得、この板紙が、先行技術の方法によって得られ、含有された低純度パルプ工場廃棄物CaCO
3の割合がより少ない沈降二価金属イオンカーボネート生成物を含むプレコーティング配合物で処理した板紙と比べて同様の明度およびPPS粗さを有することを示すことができた。
【0126】
低純度廃棄物物質が全く含まれていない当該分野の技術水準の「バージン」GCC(磨砕炭酸カルシウム)顔料を含有している液体包装用板紙(LPB)プレコーティング配合物と比較すると、明度は同様のレベルに維持され、PPS粗さはさらに改善された。
【0127】
最後に大切なことは、本発明は、製紙およびセルロース工業において二価金属イオンカーボネート残留物のコスト効率の悪い貯蔵と廃棄が回避されるため、環境保護に寄与する。また、さらに本発明は、前記二価金属イオンカーボネート残留物のコスト効率の悪い貯蔵と廃棄がもはや必要でなくなるため、該工業においてコストが削減されるという利点を有する。
【0128】
前述の説明および実施例は、本発明の例示のために示したにすぎず、限定を意図するものでないことに注意されたい。本発明の精神および本質が組み込まれた記載の実施形態の変形例は当業者に思い付くであろうことから、本発明は、以下の特許請求の範囲およびこの均等物の範囲に含まれるあらゆる異型形態が包含されるように広く解釈すべきである。