【実施例】
【0029】
〔実施例1〕
白セメントとして太平洋セメント株式会社製「ホワイトセメント」、遮熱顔料としてアサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「Black6350」、骨材として白骨材である石灰石及び水を
図1に示す配合割合で混練し、振動プレス成形後、養生して試験片を作成した。
【0030】
〔ランプ照射試験〕
作成した試験片について、遮熱性舗装技術研究会が規定する「遮熱性舗装室内照射試験法」に準拠して、東芝ライテック株式会社製ビームランプ「BRF110V/150W」を所定の時間照射し、その時の表面温度を測定した。なお基準試験片として、アスファルト道路から一部切り出したものを用い、この基準試験片に当該ランプ照射試験を実施して、表面温度が23℃から60℃となるまでの時間を照射時間Tとした。すなわち、実施例1の試験片の当初の表面温度を23℃とし、これに前記ビームランプを照射し、照射時間T後における当該試験片の表面温度を測定し、その結果を
図1の「表面温度(℃)」の欄に示した。なお後記する比較例1の表面温度との差を温度上昇の抑制効果として
図1の「温度上昇の抑制効果」の欄に示した。
図1の「温度上昇の抑制効果(℃)」の欄において、温度上昇の抑制効果は、負の値であれば、比較例1の表面温度に対して、表面温度が低く、温度上昇の抑制効果が認められ、正の値であれば、比較例1の表面温度に対して、表面温度が高く、温度上昇の抑制効果が認められないことを示している。
【0031】
〔反射率測定試験〕
作成した試験片について、JIS K5602(塗膜の日射反射率の求め方)に準じて、分解能1nmの島津製作所株式会社製自記分光光度計「UV−3150」を用いて、近赤外域(波長:780〜2500nm)での分光反射率を測定し、この測定値における、JIS K5602の表1の「基準太陽光の重価係数」に記載された各波長における「重価係数」から、JIS K5602の「8 日射反射率の求め方」に記載された数式より日射反射率が算出され、算出された当該日射反射率を
図1の「日射反射率(%)」の欄に示した。なお、前記測定試験においては、標準白色板としてJIS K5602に規定されたふっ素樹脂系標準白色板に換えて硫酸バリウムからなる白色板を用いた。各波長nmにおける反射率の測定結果は
図2に示した。
【0032】
〔明度測定試験〕
作成した試験片について、日本電色工業株式会社製測色試験器「SE−2000」を用いて、JIS Z8722(色の測定方法)基づき、分光反射率係数を測定し、JIS K8701に規定する三刺激値を求め、これからJIS K7105に基づいてL*値を算出し、その値を明度(L値)とし、その結果を
図1の「明度(L値)」の欄に示した。
【0033】
〔視認性評価試験〕
作成した試験片について、評価する人を5人定め、試験片を観察して見た目を平均し、眩しさを感じる場合を「×」、眩しさを感じない場合を「○」とし、その結果を
図1の「視認性」の欄に示した。
【0034】
〔比較例1〕
骨材として珪砂、JIS R5210に定める普通ポルトランドセメント、顔料として黒色系の一般顔料であるランクセス株式会社製バイロフェロックス(黒)「330C」及び水を
図1に示す配合割合で混練し、振動プレス成形後、養生して試験片を作成し比較例1とした。そして実施例1と同様にランプ照射試験、反射率測定試験、明度測定試験及び視認性評価試験を実施しその結果を
図1、
図2に示す。
【0035】
〔比較例2〕
骨材として珪砂、普通ポルトランドセメント、遮熱顔料としてアサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「Black6350」及び水を
図1に示す配合割合で混練し、振動プレス成形後、養生して試験片を作成し比較例2とした。そして実施例1と同様にランプ照射試験、反射率測定試験、明度測定試験及び視認性評価試験を実施しその結果を
図1、
図2に示す。
【0036】
〔比較例3〕
骨材として珪砂、白セメント、顔料としてランクセス株式会社製バイロフェロックス(黒)「330C」及び水を
図1に示す配合割合で混練し、振動プレス成形後、養生したものを比較例3とした。そして実施例1と同様にランプ照射試験、反射率測定試験、明度測定試験及び視認性評価試験を実施しその結果を
図1、
図2に示す。
【0037】
〔比較例4〕
白セメントとして太平洋セメント株式会社製「ホワイトセメント」、遮熱顔料としてアサヒ化成工業株式会社製遮熱顔料「Black6350」、骨材として珪砂及び水を
図1に示す配合割合で混練し、振動プレス成形後、養生して試験片を作成し比較例4とした。そして、実施例1と同様にランプ照射試験、反射率測定試験、明度測定試験及び視認性評価試験を実施しその結果を
図1、
図2に示す。
【0038】
なお本実施例、比較例で用いた顔料の明度は、前記の明度測定試験に従って測定した結果、遮熱顔料「Black6350」の明度は27.55であり、一般顔料「330C」の明度は17.18であった。
【0039】
図1に示すように、比較例1に対して、一般顔料の換わりに遮熱顔料を配合した比較例2では、日射反射率が若干高くなり、それによって表面温度の低下が見られるものの、その低下効果は低く、−1.4℃であるのに対して、普通ポルトランドセメントの換わりに白セメントを配合し、珪砂の換わりに石灰石を配合し、そして遮熱顔料を使用した実施例1では、日射反射率が40%以上であって極めて高くなり、それによって−12.4℃と非常に大きな表面温度の低下効果が認められた。
【0040】
また比較例1に対して、普通ポルトランドセメントの換わりに白セメントを配合した比較例3では、日射反射率が僅か高くなるものの、表面温度の低下効果は認められなかった。この結果と実施例1の結果とを合わせて考察すると、白セメントを使用しても、顔料が遮熱顔料でない一般的な無機顔料を使用した比較例3においては、日射反射率が僅か高くなるものの、表面温度の低下効果は認められず、これに対して、白セメントと遮熱顔料と白骨材とを使用した実施例1においては、非常に大きな表面温度の低下効果が認められた。
【0041】
更に比較例1に対して、普通ポルトランドセメントの換わりに白セメントを配合し、遮熱顔料を使用した比較例4では、日射反射率が43.5%と高くなり、表面温度の低下効果も−10.3であって、比較的高い表面温度の低下効果を示したが、珪砂の換わりに白骨材を配合した実施例1では、日射反射率が53.2%であって極めて高くなり、それによって非常に大きな表面温度の低下効果が認められた。
【0042】
かかる実施例及び比較例についての日射反射率は、
図2に示すように顕著に表れている。すなわち、
図2は、横軸に近赤外域における波長(nm)、縦軸に波長(nm)における分光反射率(%)を示しており、
図2に示すように、比較例1に対して、普通ポルトランドセメントを白セメントに変えた比較例3では、日射反射率が僅か高まるものの、大差は認められなかった。また比較例1に対して、一般顔料に換えて遮熱顔料を添加した比較例2では、近赤外領域において、短波長側から長波長側に向かって日射反射率が徐々に高くなる結果であった。更に、比較例1に対して、普通ポルトランドセメントの換わりに白セメントを配合し、遮熱顔料を使用した比較例4では、近赤外領域全域にわたって比較的高い反射率を示した。これに対して、実施例1では、近赤外領域全域にわたって高い反射率を示した比較例4に対しても、非常に高い反射率を示した。この測定結果からも、白セメントと遮熱顔料と白骨材との組合せにより、近赤外領域の日射反射率が非常に高くなり、これが表面温度の低下に大きく寄与することが示唆される。
【0043】
以上の測定結果を総合すると、白セメントと遮熱顔料とを使用することにより、比較的大きな表面温度の低下効果が認められ、その場合の日射反射率は40%以上であること、更に骨材として白骨材を使用することにより、非常に大きな表面温度の低下効果が認められること、これに対して、遮熱顔料を使用しても白セメントを使用せずに、普通ポルトランドセメントを使用した場合は、また白セメントを使用しても、遮熱顔料を使用しない場合は、大きな表面温度の低下効果は認められず、そしてその場合の日射反射率は30%未満であること等が示された。
したがって、白セメントと遮熱顔料と白骨材とを使用して、日射反射率を40%以上とすれば、非常に大きな表面温度の低下効果が認められること、加えて明度(L値)を実施例1〜2に見られるように、30〜60の範囲とすれば、灰色又は黒っぽい暗色となり、眩しさや白色の区画線との区別に問題が生じないことが分かる。