(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778981
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】鋼製束
(51)【国際特許分類】
E04F 15/00 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
E04F15/00 101J
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-109970(P2011-109970)
(22)【出願日】2011年5月17日
(65)【公開番号】特開2012-241349(P2012-241349A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】593207787
【氏名又は名称】ツカ・カナモノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】針谷 義昭
(72)【発明者】
【氏名】井上 政秀
【審査官】
西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−069136(JP,A)
【文献】
特開平11−107495(JP,A)
【文献】
特開2009−263923(JP,A)
【文献】
特開2000−080791(JP,A)
【文献】
特開2005−133454(JP,A)
【文献】
特開平06−081446(JP,A)
【文献】
特許第2908445(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00
E04F 15/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部に載置されるベース部材(11)と、ベース部材(11)から立設する支持脚部(15)と、支持脚部(15)の上端に配備される天板(16)とからなる戸建住宅1階床部を支持する鋼製束(20)において、
支持脚部(15)が、下方の長軸螺子棒(12)とこれに螺合する上方の管体(13)とからなり、
当該管体(13)の上端開口部には、中間部に鍔部(24)を設けた長手方向長さの短い短管部材(23)を圧入し、
且つ、当該管体(13)の下端開口部には、埋込ナット(17)を嵌入固定し、前記長軸螺子棒(12)と螺合し、
長軸螺子棒(12)の下端部はベース部材(11)と回動可能に連結され、天板(16)の略中央部には貫通孔が設けられ、
前記短管部材(23)の上端部を前記天板(16)の貫通孔に挿通させ、前記鍔部(24)に当該天板(16)を載置し、この状態で短管部材(23)の上端縁部を拡開加工して天板(16)を前記鍔部(24)と短管部材(23)の上端の拡開開口端縁部(29)によってカシメて挟持固定したことを特徴とする鋼製束。
【請求項2】
前記短管部材(23)の鍔部(24)よりも下方部分の肉厚をその上方部分の肉厚よりも厚く形成したことを特徴とする請求項1に記載の鋼製束。
【請求項3】
短管部材(23)の鍔部(24)下方の外周面の周方向に少なくとも1本の環状凹部(23h) を設け、この短管部材(23)を管体(13)に圧入した後、管体(13)の前記圧入部分を外側からカシメて、前記環状凹部(23h) 内に管体(13)壁面が圧入され、固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼製束。
【請求項4】
長軸螺子棒(12)の下端部をベース部材(11)に回動可能にカシメ構造にて連結することにより、天板(16)、支持脚部(15)、及びベース部材(11)の各構成部材の全てがカシメ構造により相互に連結固定されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の鋼製束。
【請求項5】
前記鍔部(14, 24)と天板(16)との間に平座金(18)を介在させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の鋼製束。
【請求項6】
長軸螺子棒(12)にロック用のナット部材(57)を予め螺合させ、長軸螺子棒(12)と管体(13)とからなる支持脚部(15)の高さ調整が完了した後に、このナット部材(57)によって管体(13)と長軸螺子棒(12)との螺合の緩みを防止したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の鋼製束。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建住宅等の1階床部を支持する鋼製束の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、戸建住宅等の1階床部を構成するに際して、鋼製束を利用し、この鋼製束の上に床パネルを敷き詰めて床下地を形成する床パネル方式が採用されて来た。
この鋼製束と床パネルを利用した戸建住宅の1階床構造においては、従来の大引と根太による構成を無くして、木材資源の利用の低減化を図り、木材資源の枯渇を防止し、或いは木材の質低下による床鳴りをも防止でき、しかも強度的にも従来の大引と根太による支持に劣らないもの、即ちそのクッション性能と強度においてより向上させたものを提供することができるようになったのである。
【0003】
この床パネル方式において利用されている主要構成部材が本発明に係る鋼製束である。
この鋼製束の従来例を
図5に図示している。
図5(A)は、その一部切欠全体正面図であり、その(B)が一部切欠分解正面図である。
この従来の鋼製束50は、住宅の基礎部に載置されるベース部材51と、このベース部材51から立設する支持脚部55と、この支持脚部55の上端部に固定される天板56とから成るものである。
【0004】
支持脚部55は、下方の左ネジが刻設された長軸螺子棒52と、この長軸螺子棒52と螺合するターンバックルパイプ53と、このターンバックルパイプ53の上端部で螺合する右ネジが刻設された長軸螺子棒54とから構成されている。
下方の長軸螺子棒52の下端部にはベース部材51が溶接着され、上方の長軸螺子棒54の上端部には天板56がやはり溶接着されている。
【0005】
また、上方及び下方の長軸螺子棒52、54のそれぞれにはロック用のナット部材57、57がそれぞれ予め螺合されている。
これら上下の長軸螺子棒52、54をそれぞれ中央のターンバックルパイプ53の両端部に螺合させることにより、鋼製束50が形成される。
【0006】
そして、上下の右ネジ及び左ネジの螺合構成により、中央のターンバックルパイプ53を適宜右回転又は左回転することにより天板の高さを高低自在に調整することができるのである。
鋼製束50の高さ調整が完了した後には、ロック用のナット部材57、57をターンバックルパイプ53側に向かって締着することにより、緩み止めの機能を発揮させることができるのである。
【0007】
下記特許文献1に記載の発明は、本願出願人が先に提案したものであるが、この発明に係る鋼製束においては、ターンバックルパイプの両端開口部にナット部材を圧入し且つナット部材に設けた鍔部をカシメて形成したものであって、構造の簡素化と製造の簡素化によりその生産性の向上を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2908445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の鋼製束においては、以下の問題があった。
即ち、ターンバックルパイプ53を回転させて、天板56の高さ調整を行って、その高さを決定した後に、ロック用のナット部材57、57を締め付けてターンバックルパイプ53と上下の長軸螺子棒52、54との螺合が緩むことを防止しているが、このナット部材57を締め付けるに際して、天板56が浮き上がるという問題があった。
【0010】
従来の鋼製束におていは、ベース部材51と下方の長軸螺子棒52とが溶接されて一つの構成部材とされ、同様に、天板56と上方の長軸螺子棒54とが溶接されて一つの構成部材とされ、中央のターンバックルパイプ53とにより3つの構成部材から形成されている。
この従来の鋼製束にあっては、その防錆目的のために、溶融亜鉛メッキが施されるのであるが、このメッキにおいては50μ程度の膜厚が要求され、螺子のはめ合い規格基準に加えて、特に雌ネジ側でオーバータップを施しており、これも上記浮き上がりの一つの原因にもなっている。
【0011】
そして、
図6は、この天板56が浮き上がることを説明する説明図であって、その(A)がナット部材を締め付ける前の状態を示し、その(B)がナット部材を締め付けた状態を示している。
図6(A)においては、高さ調整が完了した状態を図示しており、この図から(B)図の状態に移行して上下のナット部材57、57をターンバックルパイプ53の側に締め付けるのであるが、上方のナット部材57においては、そのナット部材57を締め付けることによって長軸螺子棒54が上方に少し持ち上げられる(B図矢印)のである。
【0012】
というのも、ターンバックルパイプ53の雌ネジ山と上方の長軸螺子棒54の雄ネジ山との間に微小の間隔が存在しており、前記ナット部材57の締付によりこの隙間の上下方向成分だけ長軸螺子棒54が上方に移行することとなるからである。
同様に、この上昇分は、ターンバックルパイプ53と下方の長軸螺子棒52との間でも生じることとなる。
その結果、従来の鋼製束においては、ロック用のナット部材57、57の締め付けによって、天板56が約0.5〜1.2mm程度上昇することが確認されている。
【0013】
そこで、本発明においては、まず上記の従来の鋼製束におけるような、ロック用ナット部材の締付によっても、その天板の上昇変位を最小限に抑制することがその第1の課題である。
更に、本発明では以下の問題点の解消をもその課題としている。
上記のように、ターンバックルパイプ53に溶融亜鉛メッキを施すと、両端側の雌ネジ部の再タップが必要と成るのである。
というのも、パイプ内に入った溶融亜鉛を振り切る際に、その出口側で雌ネジ部の谷底に亜鉛が溜まってしまうという現象が生じるからであり、そのままではネジ機能が失われるために、再タップが必要となる。
本発明では、このような再タップの要請を排除することもその課題となる。
【0014】
他方、ベース部材と長軸螺子棒との構成部材並びに天板と長軸螺子棒との構成部材においても、溶融亜鉛メッキを施す際に、長軸螺子棒の雄ネジ部での目詰まりにより、その機能が失われるので、メッキは最小限に留めなければならず、その結果、ベース部材及び天板のメッキが不十分となり、防錆効果の点で問題が生じることとなる。
本発明では、このようなメッキ効果に問題が生じないようにすることもその課題となるのである。
【0015】
更に、ターンバックルパイプ53は、その上下で長軸螺子棒と螺合する構成であるために、その両端部の雌ネジ形成とその強度から、パイプの肉厚を厚くする必要があり、肉厚過大と成らざるを得ないのであった。
本発明では、このターンバックルパイプの肉厚をより小さいものとすることもその課題である。
このように、本発明では、これまでも課題となって来た、鋼製束の構成を簡素化し、且つその製造を容易なものとしてその生産性を向上させることもその課題となるのである。
【0016】
そして、上記の諸々の問題点を解消するために、つまり、本発明では、従来のような天板の浮き上がり防止、溶接着工程の排除、雌ネジ部の再タップ等、メッキ作業の問題点解消を目的として、その構成部材の全てをカシメ構造により連結固定できるようにすることを意図し、以下のような解決手段を創案したのである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、基礎部に載置されるベース部材と、ベース部材から立設する支持脚部と、支持脚部の上端に配備される天板とからなる戸建住宅1階床部を支持する鋼製束において、支持脚部が、下方の長軸螺子棒とこれに螺合する上方の管体とからなり、長軸螺子棒の下端部はベース部材と回動可能に連結され、管体の上端側には天板を支持する鍔部を備え、天板の略中央部には貫通孔が設けられ、前記天板の貫通孔に管体の上端部を挿通し、前記鍔部に当該天板を載置し、この状態で管体の上端縁部を拡開加工して天板を前記鍔部と管体の上端の拡開開口端縁部によってカシメて挟持固定したことを特徴とする鋼製束である。
【0018】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記鍔部が、前記管体の上端側の適宜位置を膨出成形により形成されたものであることを特徴とする鋼製束である。
【0019】
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、中間部に鍔部を設けた長手方向長さの短い短管部材を、前記支持脚部の管体の上端開口部から圧入し、この短管部材の上端部を天板の貫通孔に挿通させ、その後短管部材の上端開口端縁部を拡開加工して天板を固定したことを特徴とする鋼製束である。
【0020】
本発明の第4のものは、上記第3の発明において、前記短管部材の鍔部よりも下方部分の肉厚をその上方部分の肉厚よりも厚く形成したことを特徴とする鋼製束である。
【0021】
本発明の第5のものは、上記第3又は第4の発明において、短管部材の鍔部下方の外周面の周方向に少なくとも1本の環状凹部を設け、この短管部材を管体に圧入した後、管体の前記圧入部分を外側からカシメて、前記環状凹部内に管体壁面が圧入され、固定されたことを特徴とする鋼製束である。
【0022】
本発明の第6のものは、上記第1乃至第5の発明のそれぞれにおいて、長軸螺子棒の下端部をベース部材に回動可能にカシメ構造にて連結することにより、天板、支持脚部、及びベース部材の各構成部材の全てがカシメ構造により相互に連結固定されたことを特徴とする鋼製束である。
【0023】
本発明の第7のものは、上記第1乃至第6のそれぞれの発明において、前記鍔部と天板との間に平座金を介在させたことを特徴とする鋼製束である。
【0024】
本発明の第8のものは、上記の何れかの発明において、長軸螺子棒にロック用のナット部材を予め螺合させ、長軸螺子棒と管体とからなる支持脚部の高さ調整が完了した後に、このナット部材によって管体と長軸螺子棒との螺合の緩みを防止したことを特徴とする鋼製束である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1のものにおいては、支持脚部が、下方の長軸螺子棒とこれに螺合する上方の管体とから構成され、この管体の上端側に天板を支持する鍔部を備え、天板の貫通孔に管体の上端部を挿通し、前記鍔部に当該天板を載置し、この状態で管体の上端縁部を拡開加工して天板を前記鍔部と管体の上端の拡開開口端縁部によってカシメて挟持固定したために、管体の上端部に長軸螺子棒の存在がなく、従って上方にはロック用のナット部材が不要となり、天板の浮き上がりは、従来のものと比較して1/2とすることができる。
同様に、上記ナット部材によるロック作業は従来の2度から1度で完了し、作業の簡素化に寄与する。
【0026】
また、天板の固定は、管体の鍔部と管体の上端の拡開開口端縁部によってカシメて挟持固定しているために、従来のような溶接作業を必要とせずに、単純な機械的な成形作業によって製作することができる
更に、本発明においては、各構成要素をカシメて製作することができ、即ち、各構成要素を予め単体として個別にメッキすることができることとなり、その後カシメ固定して組み立てることができるために、従来のようなメッキにより生じる種々の問題点は解消されるのである。
【0027】
尚、この発明においては、従来の鋼製束と比較すれば、支持脚部の上下の長軸螺子棒が不要で、その下方のもの1本によって構成されるために、つまり、ベース側を右ネジの長軸螺子棒1本のみによって形成することができるために、高さ調整の際の使い勝手が向上し、また、左ネジの螺子棒を使用する必要がなくなるという経済的なメリットも忘れることができない。
【0028】
本発明の第2のものにおいては、管体の上端側に設けた鍔部をより具体的に限定したものであり、例えばバルジ加工等によって膨出成形することによって形成したものである。その効果は上記第1の発明と同じである。
【0029】
本発明の第3のものにおいても、上記第2の発明と同様に、鍔部をより具体化したものであり、当該鍔部は、中間部に鍔部を設けた長手方向長さの短い短管部材を、管体の上端開口部から圧入して形成したものから成る。そして、この短管部材の上端側の構成は前記発明と同様のものである。
この短管部材の使用により、支持脚部の管体の肉厚を薄いものとすることができる。
【0030】
本発明の第4のものは、上記第3の発明において、短管部材の鍔部よりも下方部分の肉厚をその上方部分よりも厚く形成したものであり、これによって、管体とこの短管部材の接合箇所の強度を高めることができ、また、この短管部材と管体上端部とのカシメ固定をより適切なものとすることができるのである。
また、上記第3の発明と同様に、この短管部材を用いることにより支持脚部の管体の肉厚をより薄くすることが出来る。
【0031】
本発明の第5のものは、短管部材の鍔部の下方部分をより限定したものであって、その鍔部の下方部分の外周に環状凹部を周方向に設け、そのために、管体上端開口部への圧入及びその後の外方からのカシメ結合により、管体外壁面が短管部材の環状凹部内への圧入によりより堅固に固定することが可能となるのである。
【0032】
本発明の第6のものは、長軸螺子棒の下端部をベース部材に回動可能にカシメ構造にて連結することにより、天板、支持脚部、及びベース部材の各構成部材の全てをカシメて製作することができ、即ち、各構成部材を予め単体として個別にメッキすることができ、その後カシメ固定して組み立てることができるために、上記した従来の鋼製束にあったメッキによって生じる種々の問題点は解消されるのである。
【0033】
本発明の第7のものにおいては、天板と鍔部との間に平座金を介装したことを特徴としており、これにより本発明に係る鋼製束がより良好に天板を支持し、挟持することができることとなるのである。
【0034】
本発明の第8のものにおいては、ロック用のナット部材を下方の長軸螺子棒に螺着しておき、鋼製束の高さ調節が完了した後に、このナット部材を締め付けて管体と長軸螺子部材との締着の緩みを防止しているが、この構成も従来のものと比較すれば、下方の1個のロック用ナットのみで緩み止めを実行でき、施工の容易化に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に係る鋼製束の第1実施形態の一部切欠正面図である。
【
図2】上記第1実施形態の長軸螺子棒の下端部とベース部材との連結構造を示す説明図である。
【
図3】本発明に係る鋼製束の第2実施形態の一部切欠正面図である。
【
図4】
図3に図示した第2実施形態の管体の上端部分の一部切欠拡大説明図である。
【
図5】従来の鋼製束を図示しており、その(A)が一部切欠正面図、その(B)が一部切欠分解正面図である。
【
図6】従来の鋼製束の天板が浮き上がることを説明する説明図であって、その(A)がナット部材を締め付ける前の状態を示し、その(B)がナット部材を締め付けた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る鋼製束の第1実施形態の一部切欠正面図である。
この実施形態に係る鋼製束10は、下端のベース部材11と、このベース部材11から上方に立設する支持脚部15と、この支持脚部15の上端部に固定される天板16とから成る。
【0037】
支持脚部15は、下方の長軸螺子棒12とこの長軸螺子棒12と螺合する上方の管体13とから成る。
長軸螺子棒12は、その下端部でベース部材11と回動自在にカシメて連結される。この回転カシメ構造は、次の
図2で説明する。
管体13の下端開口部には、下端部に鍔部が形成された埋込ナット17が嵌入され、固定されている。
【0038】
埋込ナット17の外周面には、環状凹所が形成され、埋込ナット17が下端の鍔部まで管体13内に圧入された後に、管体13の外周から圧着されて管体13の壁面が前記環状凹所に圧入されてカシメ結合固定される。
このような構成を採用することにより、管体13の厚みを薄いものとすることができる。
下方の長軸螺子棒12は、前記埋込ナット17と螺合し、支持脚部15の高さ調整を可能とする。
【0039】
また、長軸螺子棒12には、ロック用のナット部材57が予め螺合され、ナット部材57と管体13との間にはバネ座金58も介装されている。
他方、管体13の上端部側においては、バルジ加工により、鍔部14が膨出成形されている。
この鍔部14の上には、平座金18を介装して、管体13の上端部を天板16の中央部に設けられた貫通孔に挿通させる。
【0040】
天板16が管体13の鍔部14及び平座金18の上に載置された後に、今度は管体13の上端の開口端縁部19を外方に拡開させるように成形して、下方の鍔部14及び平座金18と管体13の上端拡開開口端縁部19によって天板16がカシメられて挟持固定されるのである。
以上の構成から成る本発明の第1実施形態に係る鋼製束は、管体13を回動させて、或いは、長軸螺子棒12の下端部分を回動させて高さ調整をし、その高さを決定した後、ロック用のナット部材57を工具により締め付けて固定することができるのである。
【0041】
図2は、上記第1実施形態の長軸螺子棒の下端部とベース部材との連結構造を示す説明図である。
この図に示した通り、ベース部材11と長軸螺子棒12の下端部とは回動可能にカシメて結合されている。
即ち、長軸螺子棒12の筒状下端部12bを上方に向かって拡開し、押し潰すように成形して、ベース部材11の中央貫通孔の周縁部を遊嵌抱持するように構成している。
【0042】
図3は、本発明に係る鋼製束の第2実施形態を図示した一部切欠正面図である。
図4は、
図3に図示した第2実施形態の管体の上端部分の一部切欠拡大説明図である。
この第2実施形態に係る鋼製束20においては、前記第1実施形態とその管体の上端部分の構成が異なる。その他の構成は、前記第1の実施形態と同じである。
即ち、管体13の上端部には、その長手方向長さの短い略筒体形状から成る短管部材23が圧入されている。
【0043】
この短管部材23の略中央部分外周には鍔部24が形成されおり、この鍔部24の下方部分の肉厚を、その上方部分の肉厚よりも厚く形成し、この下方部分23dの外周面には環状凹部23hが形成されている。
従って、この短管部材23の鍔部24の下方部分23dを管体13の上端開口部内に圧入し、その後管体13の外周を圧着して、管体13の壁面を前記環状凹部23h内に圧入させてカシメて固定する。
【0044】
その後に、天板16の中央貫通孔に短管部材23の上端部を挿通し、その上端の開口端縁部29を拡開成形してカシメて天板16を短管部材23の上端部、即ち支持脚部15の上端部に固定することができる。
この第2実施形態においても、鍔部24と天板16との間に平座金18を介装している。
また、その他の構成は、上記第1実施形態と同一であるために、説明は省略する。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り種々その形態を変更することができる。
ベース部材、支持脚部及び天板のそれぞれのサイズや材質等は種々設計変更可能である。
天板やベース部材の形状も適宜必要に応じて設計変更可能である。
天板は、上記のそれぞれの実施形態において、木材を使用したが、これを金属製の板材で形成しても事情は全く同じである。
【0046】
天板と鍔部との間に介装した平座金、ロック用のナット部材と管体との間に介装したバネ座金は任意の構成要素であり、これなしで本発明を実施することも当然可能である。
管体の上端部に嵌入させる短管部材の鍔部下方の外周面に設けた環状凹部は2以上設けることもできる。
また、
図4に示した通り、短管部材の外周面の縦方向(長手方向)にも突条を多数設けて、管体との接合を強固にすることもできる。
同様に、管体の下端部に固定する埋込ナットの外周面に設けた環状凹所も2以上設けることも自由である。
【0047】
ベース部材には、固定用の螺子孔、或いは、接着剤適用のためのビードを適宜設けることも自由である。
天板の形状も上記実施形態では、平面視略四角形状の平板状のものを使用したが、これを横断面コ字形状のもの、或いは、横断面L字形状のものであってもよく、必要に応じて各種の形態に設計変更して実施することができる。
【0048】
以上、本発明は、簡易な構成を採用して、即ち、溶接着に拠らず、カシメ固定のみによって全ての個々の構成部材を組立固定することができ、管体の肉厚も薄いものを使用でき、しかも高さ調整をして高さの決定をした後に、ロック用ナットの締付によっても天板の浮き上がりを最小限に抑えることができる鋼製束を提供することができたものである。
【符号の説明】
【0049】
10、20 鋼製束
11 ベース部材
12 長軸螺子棒
13 管体
14、24 鍔部
15 支持脚部
16 天板
17 埋込ナット
18 平座金
19、29 開口端縁部
23 短管部材
23d 下方部分(短管部材の)
23h 環状凹部(短管部材の)