【実施例】
【0020】
図1(a)は、本発明の水切りプレートを取り付けるシンクを示す図であり、
図1(b)は、このシンクに本発明の水切りプレート2を設置した状態を示す図である。このシンク1は、底面を囲むように、前壁3、後壁4及び左右の側壁5を備えており、上方から見て平面視で略矩形である。
【0021】
シンク1の前壁3、後壁4及び左右の側壁5の上縁に沿って、水平な上面フランジ6が形成されており、上面フランジ6は、その外周縁に沿って形成された立ち上がり周面7を介して天板8の上面に連成している。
【0022】
シンク1の後壁4は、平面視で、横幅方向の中央部分が前方へ凸状に形成された前面部9として、その左右両側は後方へ凹んだ凹み部10として構成されている。左右の凹み部10は、それぞれ平面視で側壁5、後面壁11及び内側壁12で囲まれている。凹み部10の後面壁11には、平面視でコの字型をした固定部材15が取り付けられている。
【0023】
本発明の水切りプレート2は、
図1(b)、
図2(a)〜(c)に示すように、シンク1の上面フランジ6に載置するための略矩形の周枠部21と、複数の水抜き孔22が開口されたプレート部23とを備えている。プレート部23は、
図2(b)に示すように、周枠部21の上面に載置されて取り付けられている。プレート部23は、例えば、パンチングメタルで構成されている。
【0024】
この水切りプレート2においては、周枠部21で囲まれた全域上にプレート部23が取り付けられているのではなく、プレート部23と周枠部21との間には、長手方向の前後の端部に、それぞれ短手方向の全域に瓦る開口部26、27が設けられている。
【0025】
水切りプレート2は、シンク1へ設置する際には、その周枠部21をシンク1の上面フランジ6に載置する。水切りプレート2を設置すると、プレート部23の上面は、
図2(c)に示すように、キッチンの天板8と段差なく同一高さになるように、周枠部21の高さが設定されている。
【0026】
なお、
図2(d)、(e)は、本発明の実施例の変形例1を示す図であるが、この変形例1の水切りプレート30は、その周枠部21の下面の一部(下面の全面でもよい)にゴム材や樹脂等で製造された緩衝材31が貼り付けられている。このような構成の水切りプレート30を上面フランジ6に載置すると、水切りプレート30のガタつきを防止することができる。
【0027】
複数の水抜き孔22は、水切りプレート2のプレート部23の略全域にわたって形成されている。
図3は、プレート部23に開口された複数の水抜き孔22の配列及びその作用を説明する図である。
【0028】
図6は、比較例(従来例)の水切りプレート35のプレート部36に開口された複数の水抜き孔22の配列及びその作用を説明する図である。本発明の水切りプレート2の水抜き孔22の配列について、以下、比較例の水切りプレート35と較べて説明する。
【0029】
比較例(従来例)の水切りプレート35においては、
図6(a)に示すように、そのプレート部36に、複数の水抜き孔22が平面視でマトリクス状に配列されて開口されている。
【0030】
ここで、複数の水抜き孔22がマトリクス状に配列されているとは、水切りプレート部36の表面に、仮に長手方向に伸びる複数の縦線38と短手方向に伸びる複数の横線39を引いたとすると、複数の水抜き孔22は、縦線38と横線39との交点に配列されて開口されているということである。
【0031】
この構成を別の表現で記載すると、比較例の水切りプレート35においては、複数の水抜き孔22が長手方向に一定の開口ピッチP
L(複数の水抜き孔22の長手方向の相互の間隔P
L)で1列に開口されて成る水抜き孔の縦列41が、短手方向に一定の間隔D
Sで、複数列配列されている。
【0032】
そして、隣接する水抜き孔の縦列41は、互いに長手方向にずれることなく、同じ位置にあり、全体として
図6(a)に示すように、マトリクス状に配列された構成となっている。
【0033】
これを横方向でみると、複数の水抜き孔22が短手方向に一定の開口ピッチP
S(複数の水抜き孔22の短手方向の相互の間隔Ps)で1列に開口されて成る水抜き孔22の横列42が、長手方向に一定の間隔D
Lで複数列配列されている。そして、隣接する横列42は互いに短手方向にずれることなく、同じ位置にあり、全体として
図6(a)に示すように、格子状に配列された構成となっている。
【0034】
このような比較例の水切りプレート35に対して、本発明の水切りプレート2のプレート部23に形成された複数の水抜き孔22は、次のように配列されている。
図3(a)に示すように、複数の水抜き孔22が長手方向に一定の開口ピッチP
Lで1列に開口されて成る水抜き孔22の縦列45が、短手方向に一定の間隔D
Sで、複数列配列されている。そして、隣接する縦列45は長手方向に、互い違いにずれて配列された構成となっている。
【0035】
これを横方向でみると、複数の水抜き孔22が短手方向に一定の開口ピッチP
Sで(一定の間隔P
Sをおいて)をおいて1列に開口されて成る水抜き孔22の横列46が、長手方向に一定の間隔D
Lで複数列形成されている。そして、隣接する横列46は短手方向に互い違いにずれ、全体として
図3(a)に示すような構成となっている。
【0036】
上記のとおり、隣接する縦列45は長手方向に互い違いにずれているが、このずれの長さは、上記複数の横列46の長手方向の互いの間隔D
Lに相当する。また、横方向でみると、隣接する横列46は短手方向に互い違いにずれているが、このずれの長さは、上記複数の縦列45の短手方向の互いの間隔Dsに相当する。
【0037】
ところで、本発明の水切りプレート2では、そのプレート部23に互い違いにずれて配列された複数の水抜き孔22の配列については、
図3(a)に示すように、横列46の長手方向の互いの間隔D
Lは、縦列45の短手方向の互いの間隔D
sより小さく設定された構成としてもよい。
【0038】
このような構成とすると、水切りプレート2のプレート部23上において、天板8の縁部49に向かって短手方向に流れる水は、その流路には、より多くの複数の水抜き孔22が開口されていることとなるので、それらの水抜き孔22から排水される可能性が大きくなる。ここで、「天板8の縁部49」とは、天板8の縁部であって、シンク1の側壁5側の側縁(より正確には、シンク1の側壁5側の立ち上がり周面7)と接する縁部を言う。
【0039】
また、長手方向の開口ピッチP
Lは、
図4(a)に示すように、水栓の吐水径Wdよりも小さく設定される構成としてもよい。このような構成とすると、水栓から吐水される水は、吐水位置において、また吐水位置から天板8の縁部49に向かって短手方向に向かう流路において、2つの水抜き孔22にわたる可能性があるので、水抜き孔22からシンク1へ排出する水量が多くなる。
【0040】
図4(b)は、実施例の水切りプレートの変形例2を示す。この変形例2の水切りプレート50は、長手方向の開口ピッチP
Lは、プレート部23の中央寄りの開口ピッチP
L1よりも短手方向において外側寄り(天板8の縁部49寄り)に向かうに従って、P
L2、P
L3、P
L4と漸次小さくなるように設定されている。
【0041】
このような構成とすると、次の作用の項で詳記するが、水がプレート部23上で天板8の縁部49に向けて短手方向に流れる水が、天板8の縁部49にたどりつくまでに、その多くを効果的に排水することが可能となる。
【0042】
(作用)
以上の構成から成る実施例の水切りプレート2の作用を説明する。水切りプレート2は、
図1(b)に示すように、その長手方向をシンク1の前後に向けて設置される。
図1(b)に示す例では、水切りプレート2は、シンク1の横幅方向(図中左右方向)において、左側の凹み部10の位置になるように、周枠部21が上面フランジ6に載置され設置されているが、左側の凹み部10の位置になるように、設置されてもよい。
【0043】
本発明の水切りプレート2の周枠部21は、略矩形に形成されているので、周枠部21が上面フランジ6に載置される面積が増え、しかも周枠部21の前後においてシンク1の前後の立ち上がり周面7に当接するので、水平方向にスライドしにくく、ずれにく、落下等しにくくなる。
【0044】
そのため、水切りプレート2を係止するためのスタッドピンのような余計な部品等をシンク1の周囲に設けなくても、水切りプレート2を、より安定してシンク1の上面フランジ6に載置してシンク1に設置することが可能となる。
【0045】
なお、
図2(d)、(e)に示すような変形例1では、周枠部21の下面の一部にゴム材や樹脂等で製造された緩衝材31が貼り付けられているので、水切りプレート30をフランジに載置した際に、ガタつきを防止することができる。
【0046】
水切りプレート2の前後においては、周枠部21が上面フランジ6に載置されているが、前後の開口部26、27において開口している。水切りプレート2をシンク1から外す時には、開口部26、27に手を掛けて取り出すことが可能である。
【0047】
また、後記するが、水切りプレート2を設置した状態で、後部の開口部27を通して、収納ラック60を、凹み部10の固定部材15へ取り付け、取り外して使用することも可能である。
【0048】
次に、本発明の水切りプレート2のプレート部23に形成された複数の水抜き孔22の作用を、比較例と比較して説明する。水栓52の吐出口53が水切りプレート2の上方に位置している場合は、水栓52から吐出される水は、水切りプレート2上に流れ落ちる。この水栓52から吐出される水は、
図3(b)に示すように、その流れ落ちる水切りプレート2の上の位置(「吐水位置」という)54から周囲に流れる。
【0049】
比較例の水切りプレート35では、水栓52から吐出された水が、
図6(b)に示すように、プレート部36上において、2つの水抜き孔22の縦列41、41と2つの水抜き孔22の横列42、42との間の位置(この位置が吐水位置54となる。)に吐水したとする。すると、プレート部36上において、水は、その吐水位置54から次のように流れる。
【0050】
図6(b)に示すように、周囲に流れる水のうち、長手方向に向かう水は、水抜き孔22の縦列41、41の間を通過して水切りプレート2上を流れる(矢印55参照)。吐水位置54からシンク1の前壁3及び後面壁11までの距離が長いので、長手方向においてシンク1の前後に向かう水は、水の勢いが低下し易い。
【0051】
また、周囲に流れる水のうち、長手方向及び短手方向の間を、天板8の縁部49に向かって平面視で斜め方向に流れる水は、その多くは水抜き孔22からシンク1内に流れ落ちる。従って、天板8の縁部49に向かって斜め方向に流れる水は、天板8の縁部49に到達されるまでに水量が少なくなり、仮に天板8の縁部49に到達しても水の流れる勢いが低下しており、しかも天板8の縁部49に対して傾斜角をもって流れるために、天板8上に溢れ出にくくなる。
【0052】
しかしながら、周囲に流れる水のうち、短手方向に向かう水は、水抜き孔22の横列42、42の間を通過して水切りプレート2上を流れる(矢印56参照)。短手方向においては、吐水位置54から天板8の縁部49までの距離が短いので、短手方向で天板8の縁部49に向かう水は水の勢いが比較的低下しないうちに、天板8の縁部49に達するので、天板8上に水が溢れ易い。
図6(b)に天板上に溢れ出た水57を示す。以上が比較例の水切りプレート35の作用である。
【0053】
このような比較例に対して、本発明の複数の水抜き孔22は、水切りプレート2のプレート部23に、
図3(a)に示すように、ずれて配列されているので、
図3(b)に示すように、 吐水位置54から周囲に流れる水のうち、天板8の縁部49に向かって短手方向に向かう水は、その流路に水抜き孔22が比較的多く形成されているので、水抜き孔22からシンク1内に流れ落ちて排水されやすい。
【0054】
吐水位置54から、天板8の縁部49に向かって平面視で斜め方向に流れる水は、その一部は水抜き孔22からシンク1内に排水され、天板8の縁部49に到達されるまでに水量が少なくなる。さらに、天板8の縁部49に到達しても、その流路において水の流れる勢いが低下しており、しかも天板8の縁部49に対して傾斜角をもって流れてくる等の理由で、天板8上に溢れ出にくくなる。
【0055】
以上からして、天板8の縁部49に向かって短手方向に向かう水は、吐水位置54から天板8の縁部49までの距離が短いにもかかわらず、天板8の縁部49に到達されるまでに水量が少なくなり、仮に天板8の縁部49に到達しても水の流れる勢いが低下しているために、天板8上に溢れ出にくくなる。従って、天板8の縁部49に周囲の天板8が、水栓52から吐水される水で汚れにくくなる。
【0056】
また、長手方向の開口ピッチP
Lが、
図4(a)に示すように、水栓52の吐水径W
Dよりも小さく設定されていると、水栓52から吐水される水は、吐水位置54において、或いは吐水位置54から短手方向で天板8の縁部49に向かう流路において、長手方向の2つの水抜き孔22にわたるので、水抜き孔22からシンク1に排出され易くなる。
【0057】
ところで、
図4(b)に示すように、変形例2の水抜き孔22は、長手方向の開口ピッチを、プレート部23の短手方向で中央寄りからの外側寄りに向けて、P
L1〜P
L4へ漸次、小さく、即ち、水抜き孔22の密度が漸次、大きくなる構成としている。このような構成とすると、次のような(1)、(2)の作用が生じ、それらが相乗的に作用して、天板8の上面へ水が溢れ出ることを、より一層効果的に抑制することが可能となる
【0058】
(1)天板8の縁部49に向かって短手方向へ流れる水は、天板8の縁部49に近づくに従って、水抜き孔22の密度が増えるので、縁部49に直進する水が減って、残りの水は縁部49に対して傾斜角をもって進行し、より減速される。
【0059】
(2)水が水切りプレート2の中央寄りから天板8の縁部49に向かって流れる場合、中央寄りでは水の勢いは大きく流速は速いので水抜き孔22から比較的排水されにくいが、縁部49に近づくと水の勢いが低下して流速が遅くなり、滞水しがちとなる。そのような流速が衰え、滞水しがちとなった水を、水抜き孔22の密度を増やすことで、より多く、効果的にシンク1内に排水することが可能となる。
【0060】
次に、
図5において、シンク1に水切りプレート2を設置したままの状態で、収納ラック60を使用する態様を説明する。収納ラック60は、
図5(c)に示すように線材から形成されており、その後部であって横幅方向中央に、下方に向いたU字型の引っ掛け部61が形成されている。収納ラック60は、シンク1の凹み部10の後面壁11に取り付け、取り外して使用することができる。
【0061】
シンク1に水切りプレート2を設置したままの状態で、収納ラック60をシンク1の凹み部10の後面壁に取り付けるには、収納ラック60を、水切りプレート2の後部の開口部27からシンク1内に挿入し、U字型の引っ掛け部をコの字型の固定部材15(
図1参照)に引っ掛けて、
図5(a)、(b)に示すように凹み部10の後面壁11に固定する。逆に、シンク1に水切りプレート2を設置したままの状態で、収納ラック60をシンク1から取り外すこともできる。
【0062】
以上、本発明に係る水切りプレートを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。