(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779026
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】棚装置
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
A47F5/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-162232(P2011-162232)
(22)【出願日】2011年7月25日
(65)【公開番号】特開2013-22377(P2013-22377A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】益子 一彦
(72)【発明者】
【氏名】金谷 祥治
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−282946(JP,A)
【文献】
特開平07−148039(JP,A)
【文献】
実公昭35−000310(JP,Y1)
【文献】
特開2001−197980(JP,A)
【文献】
特開2001−046154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47F 5/10
A47B 63/00
A47B 57/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を側面視で後傾姿勢で載せる後傾姿勢のスチール板製棚板と、前記棚板の左右外側に配置した側枠体と、前記棚板の後ろ側において前記側枠体の内側面に取付けた配置された左右のサイドブラケットとを備えており、
前記サイドブラケットは、前記側枠体の内側面に形成した係合穴に左右内側から嵌め込まれるサイド係合手段により、前記側枠体に落下不能で前後動不能に保持されている構成であって、
前記サイドブラケットの前端には、前面を平坦面と成した上下長手で側面視では後傾した前片が一体に形成されている一方、
前記棚板の左右側部に、当該左右側部を後ろ向きに曲げてから更に内向きに曲げることにより、前記サイドブラケットの前片に手前から重なるサイド折り返し片を設けており、前記サイドブラケットの前片と前記棚板のサイド折り返し片とに、互いに連通するフロント係合穴が形成されており、
更に、前記サイドブラケットの前片に、側面視H形に形成された連結具の後半部が、前記前片のフロント係合穴に手前より嵌め入れてから下向きにずらすことにより、落下不能に取付けられて、前記連結具のうち前記前片の手前に位置した前半部に、前記棚板が、前記折り返し片のフロント係合穴を嵌め込んでから下向きにずらすことにより、落下不能に取付けられている、
棚装置。
【請求項2】
前記左右のサイドブラケットは、前記棚板の後ろに配置された左右横長のジョイント部材で連結されている、
請求項1に記載した棚装置。
【請求項3】
前記ジョイント部材の左右端部は、前記左右サイドブラケットの前片と前記棚板のサイド折り返し片との間に挟まれている、
請求項2に記載した棚装置。
【請求項4】
前記ジョイント部材の左右端部に前記連結具が嵌まるフロント係合穴を設けることにより、前記ジョイント部材と棚板とが前記連結具を介して左右サイドブラケットに取り付けられている、
請求項3に記載した棚装置。
【請求項5】
前記サイドブラケットの前片とジョイント部材の端部と棚板の折り返し片とには前後に連通する外れ防止穴が空いており、前記外れ防止穴に、前記サイドブラケットの前片とジョイント部材の端部と棚板の折り返し片とを前後離反不能に保持するストッパー杆が落とし込みによって嵌め込まれている、
請求項4に記載した棚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、マガジンラックや棚板傾斜式陳列棚として展開するのに好適な棚装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
雑誌類を陳列・展示するマガジンラックは棚板を側面視で後傾姿勢に配置しており、棚板の下端に受け部を設けることにより、雑誌類を鉛直に対して後傾させた姿勢で載置できるようになっている。CDやDVDの陳列にも、棚板を後傾姿勢に配置した棚装置が多用されている。
【0003】
このように棚板を側面視で後傾姿勢に配置した棚装置において、棚板を支持する手段として
、例えば特許文献1には、棚板の左右両側部に後ろ向きのブラケット部を一体に設け、このブラケット部の後端に形成した係合爪を、棚本体の背面に設けた係合穴に嵌め込むことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、棚板と左右のブラケットとを別々に分離構成し、ブラケットの後端に設けたリア係合爪を支柱(棚本体)の背面の係合穴に嵌め込む一方、ブラケットの前端には連結具を設け、連結具に対して、棚板の左右両端部に設けた係合穴を嵌め込む構成が開示されている。
【0005】
また、棚板を棚本体の左右側枠体に取り付けることも行われており、その例として特許文献3,4には、左右側板の内側面にピンを取り付ける一方、棚板の左右両側端に設けたブラケット部に、側板のピンに上から嵌まる鉤部を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平4−23418号公報
【特許文献2】特開昭63−111817号公報
【特許文献3】実公昭61−10502号公報
【特許文献4】特開2001−197980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、マガジンラック等の傾斜載置方式の棚装置では、雑誌類や商品の見易さは高さによって異なるものである。すなわち、人の腰より下のような低い位置にある場合には
、水平に近くなるように後傾角度を大きくするのが見易く、逆に、人の胸以上の高さのような高い高さの場合には、垂直に近くなるように後傾角度を小さくするのが見易い。従って、棚板の後傾角度は、高さによって何段階かに異ならせるのが好ましい。
【0008】
しかるに、特許文献1,3,4のようにブラケット部を棚板に一体に設けていると、傾斜角度に応じた棚板をそれぞれ製造・保管せねばならないため、コストが嵩むと共に管理・保管にも手間がかかるという問題がある。また、傾斜姿勢とは関係なく、嵩張るため保管に広いスペースを要するという問題もある。また、ブラケット部の係合爪・鉤部を棚本体の係合穴・ピンに嵌め込むにおいては、人は、棚板を持った状態で係合爪・鉤部と係合穴・ピンとの位置を探りながら嵌め合わせねばならず、係合爪・鉤部と係合穴・ピンとの位置合わせが厄介で、取り付け作業が面倒であるという問題もあった。
【0009】
他方、特許文献2のようにブラケットを棚板とは別部材に分離構成して、ブラケットに対して棚板を取り付ける構造を採用すると、傾斜姿勢が異なっても棚板は共通化できるためコスト面と部材管理の面で有利であると共に、ブラケット及び棚板は別々に重ねて保管できるため、保管スペースも抑制できる。
しかし、特許文献2の構成では、棚板に掛かった荷重は支柱を手前に倒すように作用するため、支柱を脚部等にしっかりと固定せねばならない問題がある。また、特許文献2のように支柱に手前からブラケットの係合爪を嵌め込んだ構成では、左右方向の動きを規制する手段がないため、棚板が左右方向にふらつきやすい問題もある。
【0010】
本願発明は、このような現状を改善することを課題として成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明に係る棚装置は、物品を側面視で後傾姿
勢で載せる
後傾姿勢のスチール板製棚板と、前記棚板の左右外側に配置した側枠体と、前記棚板の後ろ側において前記側枠体の内側面に取付けた配置された左右のサイドブラケットとを備えており、前記サイドブラケットは、前記側枠体の内側面に形成した係合穴に左右内側から嵌め込まれるサイド係合手段に
より、前記側枠体に落下不能で前後動不能に保持されてい
る、という基本構成になっている。
【0012】
そして、
前記サイドブラケットの前端には、前面を平坦面と成した上下長手で側面視では後傾した前片が一体に形成されている一方、
前記棚板の左右側部に、当該左右側部を後ろ向きに曲げてから更に内向きに曲げることにより、前記サイドブラケットの前片に手前から重なるサイド折り返し片を設けており、前記サイドブラケットの前片と前記棚板のサイド折り返し片とに、互いに連通するフロント係合穴が形成されており、
更に、前記サイドブラケットの前片に、側面視H形に形成された連結具の後半部が、前記前片のフロント係合穴に手前より嵌め入れてから下向きにずらすことにより、落下不能に取付けられて、前記連結具のうち前記前片の手前に位置した前半部に、前記棚板が、前記折り返し片のフロント係合穴を嵌め込んでから下向きにずらすことにより、落下不能に取付けられている。
【0013】
請求項
2の発明は、請求項
1において、前記左右のサイドブラケットは
、前記棚板の裏側に配置された左右横長のジョイント部材で連結されている。また、請求項
3の発明は、請求項2において
、前記ジョイント部材の左右端部は、前記左右サイドブラケットの前片と前記棚板のサイド折り返し片との間に挟まれて
いる。請求項4の発明は、請求項3において、前記ジョイント部材の左右端部に前記連結具が嵌まるフロント係合穴を設けることにより、前記ジョイント部材と棚板とが前記連結具を介して左右サイドブラケットに取り付けられている。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4において、前記サイドブラケットの前片とジョイント部材の端部と棚板の折り返し
片とには前後に連通する外れ防止穴が空いており、前記外れ防止穴に、前記支持ブラケットの前片とジョイント部材の端部と棚板の折り返し
片とを前後離反不能に保持するストッパー杆
が落とし込みによって嵌め込
まれている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、左右のサイドブラケットと棚板とが分離しているため、部材は嵩張らずに保管スペースを抑制できると共に、異なる傾斜角度に対応するに際しては、サイドブラケットのみを複数種類製造して棚板は共通化できるため、コストも抑制できる。また、組み立てに際しては、まずサイドブラケットを側枠体に取り付けてから、前側からサイドブラケットに棚板を取り付ければ良く、側枠体へのサイドブラケットの取り付けも、サイドブラケットへの棚板の取り付けも、面倒な位置合わせを要することなく簡単に行える。
【0016】
更に、サイドブラケットは側枠体に取り付けているが、側枠体はある程度の前後幅を有するため、サイドブラケットに荷重が掛かっても前倒れすることなく、荷重を安定的に支持することができる。このため安定性に優れている。また、サイドブラケットは、側枠体の内側面に重なって左右動不能に保持され得るため、棚板が左右にふらつくことも防止でき、この点においても安定性に優れている。
【0017】
また
、棚板の左右側部に設けた後ろ向きの折り返し部が連結具に嵌まっているため、連結具やフロント係合穴は棚板の手前からは全く見えない。このため、美観に優れていると共に、連結具で物品を損傷するような不具合もない。
【0018】
請求項
2〜4のようにジョイント部材を設けると、サイドブラケットを側枠体に密着又は密接した状態に保持できるため、棚板の左右振れをより的確に防止することができる。特に、請求項4の構成を採用すると、棚板を取り付けるための連結具を利用してジョイント部材が取り付けられるため、それだけ構造を簡素化することができて好適である。
【0019】
棚板に例えば人の鞄が下から当たったり、人が誤って棚板を上向きに突き上げたりというように、棚板には上向きの力が作用することがある。この点、請求項5の構成を採用すると、ストッパー杆の存在によって、棚板はサイドブラケットに係合した状態に保持されるため、大きな外力が掛かっても棚板が脱落するような不具合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(A)は棚装置の正面図、(B)は棚装置の側断面図である。
【
図3】(A)は
図1(A)の IIIA-IIIA視断面図、(B)は
図1(A)の IIIB-IIIB視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、雑誌類を展示・陳列するマガジンラックに適用している。
【0022】
(1).概要・棚板
棚装置は、棚本体を構成する左右の側板1と、その背面に固定した背板2とを有しており、これら左右側板1と背板2とで囲われた収納部に複数段の棚板3を配置している。側板1は、請求項に記載した側枠体の一例である。本実施形態では、棚本体は
、背板2の
前後片側だけに側板1を配置した平面視コ字形になっているが、背板2の前後両側に側板1が突出した平面視H形の形態となすことも可能である。
【0023】
側板1は、木製の基板4の両面に金属製の表面板5を貼った構造になっており、基板4の前端寄り部位と後端寄り部位とに縦溝6を形成し、この縦溝6の箇所において、表面板5に円形の係合穴7を上下所定間隔で多数形成している。なお、側板1の片面が棚装置の外面になる場合は、その面には係合穴は空けていない。中間側板を有する多連式の棚装置の場合は、中間側板の両表面板に係合穴7が空けられている。係合穴7は円形である必要性はなく、角形や小判形、楕円形など種々の形態を採用できる。
【0024】
図1に示すように、側板1の上端に樹脂製のエッジ8を装着している。背板2も木製であり、その背面に化粧用の表面板9を貼っている。敢えて述べるまでもないが、側板1及び背板2とも、全体が金属製(スチール製)であってもよい。また、固定式の底板又は天板を設けることも可能である。
【0025】
棚板3はスチール
板製であり、側面視で鉛直面に対して後傾した姿勢で一連に広がる基板12と、その下端に配置したスチール製の受け部13
とを有している。基板12の上下両端には折り曲げ片14,15が後ろ向きに突設されており、基板12の左右側端には、当該
側端から後ろ向きに延びる折り曲げ片16a
が形成されて、折り曲げ片16aの後端
に内向きに延びるサイド折り返し片16b
が形成されており、折り曲げ片16aとサイド折り返し片16bとにより、サイド折り返し部16が曲げ形成されている。上部折り曲げ片14の後端は
、下向きに折り曲げられている。
【0026】
受け部13は基板12の下面に当接しており、ある程度の前後幅を有していて、前端にはストッパー片13aを上向きに突設している。また、後端には後部上向き片13bを折り曲げ形成し、左右両端にはサイド折り曲げ片13cを上向きに突設している。受け部13は、その後端が基板12の下折り曲げ片15に下方から重なっており、両者をスポット溶接で固着している。なお、受け部13は
、基板12に折り曲げ
によって形成することも可能である。
【0027】
(2).取り付け構造
棚板3は、側板1に取り付けたサイドブラケット18で支持されている。サイドブラケット18はスチール板製であり、側板1の内側面に重なる本体部19を有する。本体部19の後部には、側板1の係合穴7に嵌まる上下の係合爪20,21を横向きに突設しており、また、本体部19の前端は側面視で鉛直に対して後傾しており、この前端に、内向きに突出した前片22を曲げ形成している。また、本体部19の後端には後部横向き片23を曲げ形成している。前片22と後部横向き片23との存在により、サイドブラケット18は高い剛性が確保されている。
【0028】
サイドブラケット18の上係合爪20は、正面視で上向きに突出した鉤形(すなわち、正面視で円板の第4象限を切欠いた形状)になっており、下係合爪(下支持爪)21は単なる平板形状になっている。サイドブラケット18を水平姿勢にすると、上係合爪20を係合穴7に嵌め込むことができ、それからサイドブラケット18を側板1に重ねると、下係合爪21が係合穴7に嵌まって落下不能に保持されると共に、上係合爪20が係合穴7から抜け不能に保持される。このため、サイドブラケット18は、左右抜け不能で前後動不能に保持される。サイドブラケット18における本体部19のうち上下係合爪20,21の間の部位には、側板1の係合穴7に嵌入するバーリング部19aを突設している。
【0029】
棚板3の背面部には左右横長のジョイント部材24が配置されており、ジョイント部材24の左右両端部は、サイドブラケット18の前片22と棚板3のサイド折り返し片16bとの間に挟まっている。そして、これら三者には
、互いに連通したフロント係合穴25,26,27が空いており、三者が側面視H形の連結具28で一体に保持されている。
【0030】
すなわち、
図3(B)から容易に理解できるように、連結具28の後半部28aが
、サイドブラケット18のフロント係合穴25に
、前から挿入して下方にずらすことによって落下不能に嵌め込まれており、連結具28の前半部28bに、ジョイント部材24と棚板3とが
、前から嵌め入れて下方にずらすという落とし込みによって取り付けられている。敢えて述べるまでもないが、連結具28をサイドブラケット18に取り付けるに当たっては、やや斜めにした姿勢で後半部28aを一杯に上向き動させ、次いで、姿勢を戻して下向き動させる。
【0031】
ジョイント部材24の上下両端には、左右サイドブラケット18の間に位置する補強片24aを後ろ向き突設している。棚板3のフロント係合穴27は、左右横幅を連結具28の厚さの数倍としつつ、上下両端部は窄まっている。棚板3の傾斜角度は、サイドブラケット18における前片22の傾斜角度θに依存するが、
図1に示すように、前片22の傾斜角度θが異なるものを何種類か製造しておいて、高さに応じて使い分けたらよい。
【0032】
サイドブラケット18の前片22と、ジョイント部材24の左右両端部と、棚板3のサイド折り返し片16bとには、フロント係合穴25の下方に位置した外れ防止穴29が空いており、この外れ防止穴29に、側面視逆L形に形成したストッパー杆30の上鉤部30bを嵌め込んでいる(なお、
図2では、ストッパー杆30は、外れ防止穴29に比べて少し大きく描いている。)。
【0033】
外れ防止穴29は上部が大径のダルマ穴になっている一方、ストッパー杆30における上鉤部30aの前端には
、外れ防止穴29の大径部に嵌まる頭部30bが形成されており、ストッパー杆30の上鉤部30aを、サイド折り返し部16の内側から外れ防止穴29の大径部に嵌め込んで下向きにスライドさせることにより、サイドブラケット18の前片22と、ジョイント部材24の左右両端部と、棚板3のサイド折り返し片16bとは離反不能に保持される。
【0034】
(3).取り付け手順・他
上記の説明のとおり、棚板3を取り付けるに当たっては、まず左右のサイドブラケット18を側板1に取り付け、次いで、左右サイドブラケット7のフロント係合穴25に連結具28を取り付け、次いで、ジョイント部材24、棚板3のフロント係合穴26,27を連結具28に嵌め込むことにより、ジョイント部材24及び棚板3をサイドブラケット18に取り付け、最後に、ストッパー杆30をジョイント部材24の手前から(サイド折り返し部16から)外れ防止穴29に嵌め込み装着する。なお、ストッパー杆30は
、ジョイント部材24の後ろから外れ防止穴29に嵌め込むことも可能であるが、本実施形態のように手前から嵌め込むと、サイド折り返し片16bで安定的に保持できる利点がある。
【0035】
左右のサイドブラケット18は棚板3とは分離しているため、それらサイドブラケット18の取り付けを極く簡単に行える。また、サイドブラケット18の前端に連結具28が位置しているため、連結具28と棚板3のフロント係合穴27との位置合わせも簡単であり、このため、サイドブラケット18への棚板3の取り付けもごく簡単に行える。
【0036】
特に、本実施形態のようにジョイント部材24を設けると、サイドブラケット18は側板2の内面に重なった状態に規制されるため、棚板3のサイド折り返し片16bを連結具28に当てた状態で上下動させると、フロント係合穴27が連結具28に自動的に嵌まり込むことになり、好適である。更に、棚板3のフロント係合穴27は、左右横幅が連結具28の数倍あって上下両端部は窄まっているため、連結具28と棚板3のフロント係合穴27とが左右方向に多少芯ずれしていても、フロント係合穴27は連結具28に的確に誘い込まれると共に、棚板3を下降動させ切ると、フロント係合穴27と連結具28とはしっかりと嵌まり合ってガタ付きのない状態に保持される。
【0037】
さて、本願発明ではサイドブラケット18と棚板3とが分離しているため、サイドブラケット18は、いったん水平姿勢にしてから側板1に重ねるという動きによって側板1に取り付けることができ、このため、サイドブラケット18は上下動不能及び前後動不能に保持されると共に、ストッパー杆30の存在により、棚板3は、サイドブラケット18に対して上向きずれ移動不能に保持されるのである。
【0038】
その結果、突き上げのような力が作用しても、棚板3がサイドブラケット18から外れることも、サイドブラケット18が側板1から外れることも防止できるのであり、これに加えて、上記のとおり、ストッパー杆30の存在により、棚板3に上向きの外力が作用しても棚板3がサイドブラケット18から外れることはないため、安定性に優れている。この点、本実施形態の大きな利点の一つである。ストッパー杆30の頭部30bは
、棚板3におけるサイド折り返し部16の内部に隠れていて外部からは視認できないため、美観にも優れている。
【0039】
(4).その他
本実施形態は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、棚本体を構成する側枠体は、前後支柱を水平ビームで連結したフレーム構造にすることも可能である
。
【0040】
サイドブラケットの形態も種々に具体化できる。サイドブラケットを側板に取り付けるサイド係合手段として、サイドブラケットとは別部材の受け具を使用することも可能である
。ジョイント部材を設ける場合、ジョイント部材は、例えば線材製にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本願発明は、マガジンラック等の棚装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 側枠体の一例としての側板
2 背板
3 棚板
7 棚板の係合穴
16 サイド折り返し部
16a 折り曲げ片
16b サイド折り返し片
18 サイドブラケット
20,21 サイド係合手段を構成する係合爪
22 サイドブラケットの前片
24 ジョイント部材
25,26,27 フロント係合穴
28 連結具
28a 後半部
28b 前半部
29 外れ防止穴
30 ストッパー杆