(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタによれば、接続状態にあるFPCを、大きな力によって無理に引き抜こうとすると、係止突起が引き延ばされて破損する恐れがある。更に、係止突起の破損によって接続状態が解除(アンロック)され、FPCが引き抜かれる恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、接続対象物との接続状態をより確実にロック可能な構造を備えたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のコネクタとして、
被ロック部を備える接続対象物が挿入方向に沿って前方から挿入・接続されるコネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた取付部材であって、前記挿入方向と直交する上下方向において前記ハウジングの上側及び下側に夫々位置する取付上部及び取付下部と、前記取付上部と前記取付下部とを前方において連結する連結部とを有する取付部材と、
挿入・接続された前記接続対象物が前記挿入方向の反対方向である抜去方向に移動すると前記被ロック部を係止するロック爪と、前記取付上部と前記取付下部との間に位置して、前記ロック爪を前記上下方向に変位可能に支持するバネ部とを有するロック部とを備える
コネクタを提供する。
【0007】
本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記ハウジングには、前記接続対象物の挿入をガイドするアームが設けられており、
前記アームは、前記抜去方向に沿って延びており、
前記バネ部は、前記アームと、前記取付下部との間に位置している
コネクタを提供する。
【0008】
本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記バネ部には、前記連結部に向かって張り出した張り出し部が形成されている
コネクタを提供する。
【0009】
本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記ハウジングに保持されたシェルを、更に備えており、
前記取付部材は、前記シェルの一部であり、
前記取付上部は、前記ハウジングの上面を覆っている
コネクタを提供する。
【0010】
本発明は、第5のコネクタとして、第1乃至第4のいずれかのコネクタであって、
前記取付部材と前記ロック部とは、一体に形成されている
コネクタを提供する。
【0011】
本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記バネ部は前記取付上部から延びて形成されている
コネクタを提供する。
【0012】
本発明は、第7のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記ハウジングには、被圧入部が形成されており、
前記シェルは、圧入部を有しており、前記圧入部を前記被圧入部に圧入するようにして、前記ハウジングの前方から前記ハウジングに取り付けられている
コネクタを提供する。
【0013】
本発明は、第8のコネクタとして、第1乃至第7のいずれかのコネクタであって、
シート状に形成された前記接続対象物が挿入される挿入口であって、前記挿入方向及び前記上下方向の双方に直交する幅方向に延びる挿入口と、
前記接続対象物の挿入をガイドするガイド部であって、前記挿入口の前方に位置し、前記幅方向に沿って延びるガイド部とを、更に備えている
コネクタを提供する。
【0014】
本発明は、第9のコネクタとして、第8のコネクタであって、
前記挿入口の下部に位置し、前記上下方向に変位可能となるように支持されたグランドバネ部を、更に備えており、
前記グランドバネ部の少なくとも一部は、前記ガイド部よりも上方に位置している
コネクタを提供する。
【0015】
本発明は、第10のコネクタとして、第1乃至第9のいずれかのコネクタであって、搭載対象物に搭載されるコネクタであり、
前記コネクタの前方において前記搭載対象物に接続されるグランド部を、更に備えている
コネクタを提供する。
【0016】
本発明は、第11のコネクタとして、第1乃至第10のいずれかのコネクタであって、
前記ロック爪は、前記上下方向に沿って上方から視認できるように配置されている
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるコネクタは、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた取付部材とを備えており、取付部材の一部は、ロック爪を支持するバネ部の前方に位置している。接続状態にある接続対象物を無理に引き抜こうとすると、バネ部が取付部材に突き当たり、バネ部の移動が止まる(即ち、接続対象物の移動が止まる)。従って、バネ部の破損を防止することが可能であり、接続状態がより確実にロックされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。ここで、コネクタのアクチュエータは開状態にある。
【
図4】
図1のコネクタを、FPC(接続対象物)がコネクタに挿入・接続された状態で示す斜視図である。ここで、アクチュエータは閉状態にある。
【
図5】
図1のコネクタを、FPCがコネクタに挿入された状態で示す上面図である。ここで、アクチュエータは開状態にある。
【
図6】本発明の実施の形態によるコネクタに挿入・接続されるFPCを示す上面図である。
【
図8】
図1のコネクタのシェルを示す斜視図である。
【
図10】
図2のコネクタをX-X線に沿って示す断面図である。
【
図11】
図1のコネクタの取付部材及びロック部の近傍(破線Aの部分)を示す部分拡大斜視図である。
【
図12】
図4のコネクタの取付部材及びロック部の近傍(破線Cの部分)を示す部分拡大斜視図である。
【
図13】
図3のコネクタの取付部材及びロック部の近傍(破線Bの部分)を示す部分拡大正面図である。ここで、コネクタに挿入されるFPCと、FPCに押されて下方に変位したときのロック部とを破線で描画している。
【
図14】
図13の取付部材及びロック部の近傍を、XIV-XIV線に沿って示す断面図である。
【
図15】
図13の取付部材及びロック部の近傍を、XV-XV線に沿って示す断面図である。
【
図16】
図8のシェルの取付部材及びロック部の近傍(破線Dの部分)を示す部分拡大斜視図である。
【
図17】
図5のコネクタを、XVII-XVII線に沿って示す断面図である。ここで、FPCに押されて下方に変位する前のグランドバネ部を破線で描画している。
【
図18】
図5のコネクタを、XVIII-XVIII線に沿って示す断面図である。アクチュエータを
図17の開状態から閉状態に移動させ、FPCと接続させた状態を示している。
【
図19】
図19(a)は、従来のコネクタの一例と、コネクタに挿入されるFPCとを示す斜視図である。
図19(b)は、
図19(a)のコネクタの係止突起の近傍を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1及び
図4に示されるように、本実施の形態によるコネクタ10は、搭載対象物900(例えば、基板900)に搭載・固定される。コネクタ10は、基板900に搭載・固定された状態で、FPC(接続対象物)800と接続可能である。
【0020】
本実施の形態によるコネクタ10は、上下方向(Z方向)に薄い(即ち、低背の)平板形状を有しており、上下方向と直交する幅方向(Y方向)に長く延びている。コネクタ10は、上下方向及び幅方向の双方に直交する挿入・抜去方向(X方向)において、前端10f(即ち、−X側の端部)と後端10r(即ち、+X側の端部)とを有している。
【0021】
図1、
図3及び
図4から理解されるように、コネクタ10は、前端10f側にY方向に延びる挿入口12を備えている。FPC800は、挿入方向(+X方向)に沿って挿入口12に挿入され、コネクタ10と接続される。換言すれば、本実施の形態によるコネクタ10は、FPC800が+X方向に沿って前方から挿入・接続されるものである。コネクタ10と接続されたFPC800は、抜去方向(−X方向)に沿ってコネクタ10から抜去される。
【0022】
図6及び
図7に示されるように、FPC800は、XY平面と平行なシート状に形成されている。詳しくは、FPC800は、概ね矩形形状を有しており、+X側の端部である先端800tと、+Z側の面である上面(信号面)800uと、−Z側の面である下面(グランド面)800bとを有している。先端800tは、FPC800のY方向における両端部の間を、Y方向に沿って延びている。
【0023】
FPC800は、複数の信号端子820と、グランド端子830とを備えている。複数の信号端子820は、同じピッチ幅を有するようにしてY方向に配列されており、上面800uの先端800t近傍に(即ち、上面800uの前端部分に)露出している。グランド端子830は、Y方向に沿って延びるように形成されており、下面800bの先端800t近傍に(即ち、下面800bの前端部分に)露出している。
【0024】
図6、
図7及び
図12に示されるように、FPC800は、Y方向における両端部に夫々形成された2つの被ロック部810を備えている。本実施の形態による被ロック部810は、Y方向内側に向かって凹んだ凹部である。但し、被ロック部810は、凹部でなくてもよいし、Y方向外側に向かって突出した凸部であってもよい。例えば、FPC800をZ方向に貫通する貫通孔であってもよい。被ロック部810には、X方向と直交する平面状の被係止部812が形成されている。
【0025】
図1乃至
図3に示されるように、コネクタ10は、絶縁性材料からなるハウジング100と、金属製のシェル200と、絶縁性材料からなるアクチュエータ500と、金属製の複数のコンタクト600とを備えている。
【0026】
図1、
図2、及び
図10乃至
図12に示されるように、ハウジング100は、本体部110を備えている。本体部110は、Z方向に薄い平板状に形成されており、Y方向に長く延びている。更に、ハウジング100には、FPC800の挿入をガイドする2つのアーム130が設けられている。2つのアーム130は、本体部110のY方向における両端部に夫々形成されている。
【0027】
図10乃至
図12に示されるように、アーム130は、本体部110から−X方向に沿って(即ち、前方に向かって)延びている。詳しくは、アーム130のY方向内側には、XZ平面と平行なガイド面132が形成されている。Y方向における2つのガイド面132の間の距離は、FPC800のY方向における幅と実質的に同一である(
図5参照)。アーム130のガイド面132の前方には(即ち、−X側には)、傾斜面134が形成されている。傾斜面134は、X方向及びY方向の双方と斜交している。詳しくは、傾斜面134は、ガイド面132から、Y方向外側に傾斜しつつ前方に向かって延びており、これにより、FPC800を挿入口12に向けてガイド可能である。
【0028】
図10乃至
図13から理解されるように、ハウジング100の本体部110には、FPC800の前端部分が挿入される被挿入部114が形成されている。被挿入部114は、Y方向において2つのガイド面132の間を延びる溝である。被挿入部114は、−X方向において挿入口12と連通しており、+X方向に沿って、本体部110の中間部分まで延びている。
【0029】
図10乃至
図12に示されるように、本体部110には、載置部116と、突当部118とが更に形成されている。本実施の形態による載置部116は、XY平面と平行な平面である。載置部116は、被挿入部114の下に(即ち、−Z側に)位置しており、コネクタ10に挿入・接続されたFPC800が載置される。突当部118は、+X方向における被挿入部114の端部(即ち、載置部116の端部)に形成されている。本実施の形態による突当部118は、X方向と直交する平面である。
【0030】
図2、
図10、
図14及び
図17から理解されるように、ハウジング100の本体部110には、コンタクト600と夫々対応する複数のコンタクト収容部120及び複数の保持部122が形成されている。
【0031】
図13、
図14及び
図17から理解されるように、コンタクト収容部120は、本体部110の内部をX方向に延びている。詳しくは、コンタクト収容部120の+X側は、コネクタ10の後端10r側に開口している。一方、コンタクト収容部120の−X側は、被挿入部114の上方を延びて、コネクタ10の前端10fに開口している。換言すれば、コンタクト収容部120の−X側は、Z方向において被挿入部114と連通している。
【0032】
図17に示されるように、保持部122は、本体部110の内部をX方向に延びる穴である。保持部122は、X方向においてコンタクト収容部120の下部(即ち、コンタクト収容部120の−Z側)と連通している。コンタクト600は、コネクタ10の後端10r側からコンタクト収容部120及び保持部122に挿入・収容されており、これによってハウジング100に取り付けられている。
【0033】
図17に示されるように、本実施の形態によるコンタクト600は、被固定部610と、被保持部620と、接続部630と、被支持部640と、接触部650とを備えている。接続部630は、コンタクト600のX方向における中間部分に設けられている。詳しくは、接続部630は、被固定部610及び被保持部620からなるコンタクト600の下部と、被支持部640及び接触部650からなるコンタクト600の上部とを、Z方向に接続している。
【0034】
被固定部610は、例えば半田付けによって、基板900に固定・接続される。被保持部620は、保持部122に圧入されており、これによりコンタクト600は、X方向に沿って延びるようにしてハウジング100に保持されている。被支持部640は、接続部630から+X方向に延びており、接触部650は、接続部630から−X方向に延びている。被支持部640と接触部650とは、Z方向に変位可能となるように接続部630に支持されている。より具体的には、被支持部640が上方に(即ち、+Z方向に)変位すると、接触部650は下方に(即ち、−Z方向に)変位する。
【0035】
図10、
図13及び
図17に示されるように、接触部650は、コンタクト収容部120の内部を通過して被挿入部114の上方を延びており、+X方向に沿って見たとき、接触部650の先端を視認することができる。接触部650の先端部分は、被挿入部114の内部に突出している。
【0036】
図1乃至
図4から理解されるように、本実施の形態によるアクチュエータ500は、Y方向に長く延びる平板形状を有している。アクチュエータ500は、コネクタ10の後端10r側からハウジング100に取り付けられており、開位置(
図17に示される位置)と閉位置(
図18に示される位置)との間を回動可能となるようにハウジング100に支持されている。アクチュエータ500には、コンタクト600と夫々対応する複数の支持孔510が形成されている。支持孔510の夫々は、開位置にあるアクチュエータ500を、X方向に貫通している。
【0037】
図17及び
図18に示されるように、支持孔510には、支持孔510を部分的に塞ぐようにして支持部520が形成されている。コンタクト600の被支持部640は、+X方向に沿って支持孔510の内部に達しており、支持部520によってZ方向に変位可能となるように支持されている。換言すれば、被支持部640は、アクチュエータ500が開位置にあるときも閉位置にあるときも、支持部520の上端(即ち、+Z側の端部)と接触している。
【0038】
アクチュエータ500は、第1基準面502と、第2基準面504とを有している。第1基準面502は、開位置にあるアクチュエータ500の底面であり、第2基準面504は、閉位置にあるアクチュエータ500の底面である。本実施の形態によれば、アクチュエータ500が開位置にあるときの第1基準面502と基板900との間の距離(D0)は、アクチュエータ500が閉位置にあるときの第2基準面504と基板900との間の距離(D0)と等しい。一方、アクチュエータ500が開位置にあるときの、支持部520の上端と第1基準面502との間の距離(D1)は、アクチュエータ500が閉位置にあるときの、支持部520の上端と第2基準面504との間の距離(D2)よりも短い。換言すれば、アクチュエータ500が閉位置にあるときの、支持部520の上端と基板900との間の距離(D0+D2)は、アクチュエータ500が開位置にあるときの、支持部520の上端と基板900との間の距離(D0+D1)よりも長い。
【0039】
図1、
図2、
図8及び
図9から理解されるように、シェル200は、ハウジング100を部分的に覆うようにして、ハウジング100に取り付けられている。換言すれば、コネクタ10は、ハウジング100に保持されたシェル200を備えている。シェル200は、ハウジング100の上面(即ち、+Z側の面)を覆うシェル上部200uと、コネクタ10の下部に位置するシェル下部200bとを備えている。
【0040】
図8及び
図9から理解されるように、本実施の形態によるシェル200は、1枚の金属板を切り抜き、曲げ加工することによって形成されている。詳しくは、切り抜かれた金属板の−X側は、下方に折り曲げられている。下方に折り曲げられた部位のうち上側(+Z側)に位置する部位と、下方に折り曲げられた部位のうち下側(−Z側)に位置する部位とは、Z方向において互いに対向するようにして、後方に向かって(即ち、+X方向に)更に折り曲げられており、これによりシェル下部200bが形成されている。換言すれば、シェル下部200bは、Z方向における上段部分と下段部分とを備えている。
【0041】
図8及び
図9に示されるように、本実施の形態によるシェル200は、4つの圧入部202を有している。詳しくは、圧入部202の夫々は、XY平面上を+X方向に延びるようにして、シェル下部200bの下段部分に設けられている。
【0042】
図1、
図2及び
図10から理解されるように、ハウジング100には、圧入部202に夫々対応する4つの被圧入部112が形成されている。本実施の形態による被圧入部112は、ハウジング100内部に形成された穴である。被圧入部112の夫々は、−X方向に向かって開口しており、XY平面上を+X方向に延びている。シェル200は、圧入部202を被圧入部112に圧入するようにして、ハウジング100の前方から+X方向に沿ってハウジング100に取り付けられている。
【0043】
図8及び
図9に示されるように、本実施の形態によるシェル200は、2つのホールドダウン210と、ガイド部220と、3つのグランドバネ部230と、2つのグランド部240とを備えている。2つのホールドダウン210は、下方に(即ち、−Z方向に)延びるようにして、シェル上部200uのY方向における両端部分に夫々設けられている。ガイド部220は、Y方向に沿って長く延びており、シェル下部200bの上段部分を形成している。グランドバネ部230は、ガイド部220の下を通過して、上方に傾斜しつつ+X方向に延びており、これにより、Z方向に変位可能となるように支持されている。グランド部240は、ガイド部220の前側(−X側)に形成されており、下方に延びている。グランド部240の夫々は、2つのグランドバネ部230の間に位置している。
【0044】
図1に示されるように、ホールドダウン210の下端(基板900のパッドに搭載)は、例えば半田付けによって基板900に接続・固定される。同様に、グランド部240の下端(基板900のパッドに搭載)は、例えば半田付けによって基板900に接続・固定され、これによってシェル200は接地される。本実施の形態によるグランド部240は、コネクタ10の前方において基板900に接続される。従って、本実施の形態によるコネクタ10は、基板900に搭載・固定された状態において、+X方向に沿った力に十分に対抗することができる。
【0045】
図2及び
図10乃至
図12から理解されるように、ガイド部220は、FPC800の挿入をガイドするものである。ガイド部220は、挿入口12の前方(−X側)に位置しており、Y方向に沿って延びている。詳しくは、ガイド部220の上面は、XY平面と平行に延びる平面状に形成されており、Z方向において載置部116と同じ位置となるように配置されている。
【0046】
図10及び
図13に示されるように、グランドバネ部230は、挿入口12の下部に位置している。グランドバネ部230の先端部分の一部(即ち、少なくとも一部)は、ガイド部220よりも上方に位置している。
【0047】
図1に示されるように、コネクタ10は、2つの取付部材250を備えている。2つの取付部材250は、ハウジング100のY方向における両端部分に夫々取り付けられている。
【0048】
図1、
図8及び
図9に示されるように、本実施の形態による取付部材250は、シェル200の一部である。詳しくは、本実施の形態による取付部材250は、シェル200のY方向における端部の一部である。しかしながら、取付部材250は、X方向に移動しないように固定されている限り、シェル200とは別体に形成されていてもよい。
【0049】
図11乃至
図13に示されるように、取付部材250の夫々は、取付上部252と、取付下部254と、連結部256とを有している。取付上部252及び取付下部254は、Z方向において、ハウジング100の上側及び下側に夫々位置している。本実施の形態による取付上部252及び取付下部254は、XY平面と平行な平面状に形成されており、Z方向において、ハウジング100のアーム130の大部分を覆っている。より具体的には、取付上部252は、シェル上部200uの一部であり、ハウジング100のアーム130の上面(即ち、ハウジング100の上面)を覆っている。取付下部254は、シェル下部200bの一部であり、ハウジング100のアーム130の下面を覆っている。連結部256は、アーム130の前方をZ方向に延びており、取付上部252と取付下部254とを前方において連結している。
【0050】
図8及び
図9に示されるように、本実施の形態によれば、取付部材250の連結部256は、シェル上部200uとシェル下部200bとを連結している。ホールドダウン210には、Y方向においてホールドダウン210を貫通する止め孔212が形成されている。取付下部254の+X側の端部は、+X方向に延びており、ホールドダウン210の止め孔212に挿入されている。上記の説明から理解されるように、本実施の形態による連結部256の上端及び下端は、取付上部252及び取付下部254によって、夫々保持・固定されている。従って、連結部256は、−X方向の力を強固に受け止めることができる。
【0051】
図2に示されるように、コネクタ10は、2つのロック部270を更に備えている。2つのロック部270は、ハウジング100のY方向における両端部分に夫々設けられている。
【0052】
図2、
図8及び
図9に示されるように、本実施の形態によるロック部270は、シェル200の一部である。詳しくは、本実施の形態によるロック部270は、シェル200のY方向における端部の一部である。換言すれば、本実施の形態によれば、取付部材250とロック部270とは、一体に形成されている。しかしながら、取付部材250とロック部270とは、別体に形成されていてもよい。更に、バネ支持部271の端部がハウジング100に保持されるように構成すれば、ロック部270を、シェル200とは別体に形成してもよい。
【0053】
図11乃至
図16に示されるように、ロック部270は、バネ支持部271と、バネ部272と、ロック爪276とを有している。バネ支持部271は、シェル200のY方向における端部(即ち、取付上部252)から、アーム130のY方向外側の側面を覆うようにして、−Z方向にアーム130を超えて延びている。バネ部272は、バネ支持部271の下端部(即ち、−Z側の端部)から、Y方向内側に向かって延びており、これによりアーム130と、取付下部254との間に位置している。換言すれば、バネ部272は、取付上部252と取付下部254との間に位置している。ロック爪276は、Y方向内側におけるバネ部272の端部から+Z方向に突出している。
【0054】
バネ部272は、ロック爪276をZ方向に変位可能に支持している。本実施の形態によるバネ部272は、バネ支持部271から連続して延びている。更に、本実施の形態によれば、バネ部272をY方向において長く延ばすことができる。従って、本実施の形態によれば、コネクタ10を大型化することなく、バネ部272の弾性力を、より向上させることができる。
【0055】
図11、
図14及び
図15に示されるように、バネ部272には、連結部256に向かって張り出した張出部274が形成されている。X方向において、張出部274の先端は、連結部256と近接している。
【0056】
図11、
図12及び
図16に示されるように、ロック爪276は、XZ平面と平行な平板状に形成されている。ロック爪276には、力受部278と、係止部280とが形成されている。力受部278は、ロック爪276の前側(−X側)に形成された面であり、X方向及びZ方向の双方に斜交している。係止部280は、ロック爪276の後側(+X側)に形成された面であり、X方向と直交している。
【0057】
図10、
図11及び
図13に示されるように、ロック爪276は、挿入口12及び被挿入部114の前方を塞ぐようにして、ガイド部220を超えて+Z方向に延びている。
【0058】
図1、
図4、
図11及び
図12から理解されるように、FPC800は、アクチュエータ500が開位置にあるとき、Y方向において2つのアーム130に挟まれるようにして、且つ、Z方向においてガイド部220に沿って、挿入口12を通過して被挿入部114に挿入される。
【0059】
図17に示されるように、FPC800は、先端800tと突当部118とが突き当たるまで、被挿入部114に挿入される。FPC800が挿入される際、グランドバネ部230は、FPC800によって下方に(即ち、−Z方向に)押され、下方に多少変位する。
【0060】
図18に示されるように、FPC800の先端800tと突当部118とが接触又は近接した状態で、アクチュエータ500を閉位置に回動すると、支持部520によって被支持部640が+Z方向に持ちあげられ、接触部650は、−Z方向に沿った力を受ける。従って、接触部650は、FPC800の信号端子820に押し付けられるようにして、信号端子820と電気的に接続される。更に、FPC800は、載置部116及びガイド部220に押し付けられ、これにより、グランドバネ部230は、更に下方に変位する。FPC800のグランド端子830は、下方に変位したグランドバネ部230と接触部650とによって挟み込まれるようにして、グランドバネ部230と電気的に接続される。換言すれば、コネクタ10と、FPC800とは電気的に接続され、これによって、FPC800は、基板900と電気的に接続される。
【0061】
前述したように、グランド部240は、Y方向において2つのグランドバネ部230に挟まれるようにして、グランドバネ部230の近傍に配置されている(
図8参照)。従って、本実施の形態によれば、FPC800のグランド端子830を、より効果的に接地させることができる。
【0062】
図11乃至
図13から理解されるように、FPC800を被挿入部114に挿入する際、FPC800の先端800t(
図6参照)は、初期位置(
図11に示される位置)にあるロック爪276の力受部278と突き当たる。FPC800を挿入し続けると、力受部278は、−Z方向に沿った力を受け、ロック爪276は、初期位置から下方に変位する。従って、FPC800の先端800tは、ロック爪276の上方を通過する。FPC800の先端800tと突当部118とが接触又は近接した状態においては(
図17参照)、XY平面上において、FPC800の被ロック部810が、ロック爪276と同じ位置にある。従って、ロック爪276は、上方に変位して初期位置に戻る(
図12参照)。
【0063】
図4、
図11及び
図12から理解されるように、コネクタ10に挿入・接続された(即ち、接続状態にある)FPC800が−X方向に移動すると、ロック爪276の係止部280がFPC800の被係止部812を係止する(即ち、被係止部812の移動を止める)。換言すれば、ロック爪276が被ロック部810を係止し、これによって接続状態を維持することができる。以上の説明から理解されるように、本実施の形態によれば、ロック部270によって、コネクタ10とFPC800との接続状態がロックされている。
【0064】
また、本実施の形態によれば、連結部256がバネ部272の前方に位置しているため、接続状態にあるFPC800を無理に引き抜こうとすると、ロック部270のバネ部272が−X方向に変位し、張出部274と連結部256とが当接する。この当接によってバネ部272の過剰変位が抑制され、ロック部270の強度が増し、かつロック部270の破損を防止することができる。更に、本実施の形態によれば、取付部材250とシェル200とを一体形成しているため、FPC800に加えられた−X方向の力は、取付部材250全体(即ち、ハウジング100に取り付けられ、且つ、基板900に固定されたシェル200全体)で受けとめられるため、コネクタ10とFPC800との接続状態が、更に強固に維持され、ロック部270の破損を防止することができる。
【0065】
図1、
図10及び
図11に示されるように、本実施の形態によれば、挿入口12は、−X方向及び+Z方向の双方に開口している。詳しくは、Z方向に沿って載置部116の一部とガイド部220とを視認することができる。従って、FPC800をコネクタ10に斜め上方から容易に挿入することができる(
図12参照)。
【0066】
図4、
図5及び
図12に示されるように、ロック爪276は、接続状態において、Z方向に沿って上方から視認できるように配置されている。従って、FPC800がコネクタ10と接続されているか否かを、上方から視認することができる。更に、ロック爪276を下方に変位させることで接続状態のロックを解除し、FPC800をコネクタ10から抜去することができる。
【0067】
本実施の形態による搭載対象物は基板であるが、搭載対象物は、基板以外のものであってもよい。更に、本発明は、搭載対象物に搭載されないコネクタに適用することもできる。
【0068】
更に、接続対象物は、FPCやFFC(Flexible Flat Cable)のようなシート状の接続対象物でなくてもよい。接続対象物が上下に厚い場合、接続対象物の被ロック部は、下方に凹んだ窪みであってもよい。
【0069】
更に、ホールドダウン、ガイド部、グランドバネ部、及びグランド部は、シェルの一部でなくてもよく、互いに別体に形成されていてもよい。