特許第5779080号(P5779080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779080
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】継手構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/03 20060101AFI20150827BHJP
   F16L 47/04 20060101ALI20150827BHJP
   F16L 23/02 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   F16L19/03
   F16L47/04
   F16L23/02 D
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-269004(P2011-269004)
(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公開番号】特開2013-119929(P2013-119929A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(73)【特許権者】
【識別番号】399091429
【氏名又は名称】株式会社ビーイズム
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100161458
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 淳郎
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(72)【発明者】
【氏名】三根 研二
(72)【発明者】
【氏名】野本 宏
【審査官】 横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−210960(JP,A)
【文献】 特開2000−39091(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/164554(US,A1)
【文献】 特開2005−273893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/03
F16L 15/04
F16L 23/02
F16L 47/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料からなる管体と、接続部材と、からなり、配管に対し該管体を、該接続部材を介して接続する継手構造において、
前記管体の、前記配管との接続端部に、管体半径方向外側に突出するフランジ部が形成され、前記接続部材が、該フランジ部の管体本体側側面を押圧する押圧部と、該配管の接続端部に係合する係合部とを備え、該接続部材の係合部を該配管の接続端部に係合させることにより、該接続部材の押圧部が該フランジ部の管体本体側側面を押圧して、前記管体と該配管とが接続される継手構造であって、前記押圧部の、該フランジ部の管体本体側側面を押圧する押圧面に、管体半径方向断面において先端の角度が鋭角をなす凸部が形成されていることを特徴とする継手構造。
【請求項2】
前記接続部材が、前記押圧部を備える補助部材と、該補助部材の管体本体側側面を押圧する補助部材押圧部および前記係合部を備える接続部材本体と、からなり、該接続部材本体の係合部を前記配管の接続端部に係合させることにより、該接続部材本体の補助部材押圧部を介して該補助部材の押圧部が前記フランジ部の管体本体側側面を押圧して、前記管体と該配管とを接続する請求項1記載の継手構造。
【請求項3】
前記凸部が、管体周方向にわたり延在する請求項1または2記載の継手構造。
【請求項4】
前記凸部が、前記フランジ部の管体本体側側面の管体半径方向内方端近傍および外方端近傍に、同心円状に2条にて形成されている請求項3記載の継手構造。
【請求項5】
前記凸部の先端形状が、管体半径方向断面において半径0.05mm以下のR形状である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の継手構造。
【請求項6】
飲料供給用に用いられる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は継手構造に関し、詳しくは、飲料供給用に好適に用いられる継手構造であって、配管に対し管体を、接続部材を介して接続する継手構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料供給用に用いられる継手構造としては、熱可塑性樹脂からなるチューブ等の管体を、配管に対し接続部材を介して接続する構造が知られている。このような継手構造においては、内部を流通する飲料の漏れを防止する目的で、管体の外周部を、配管との接続部において締め付けることで圧縮し、縮径させることによりシール性を確保している。
【0003】
しかし、上記技術においては、外周側からの圧力により、管体を形成する樹脂材料が流動して、管体の内径が小さくなる方向に変形する場合があり、結果として漏れが生じやすくなるおそれがあった。また、外周側からの圧力により管体の固定位置がずれて、継手構造内に隙間が生じ、飲料溜まりが発生するおそれもあった。
【0004】
これに対し、例えば、特許文献1には、チューブの先端部を、機器本体及び継手本体取付部等の形状と、機器本体及び継手本体取付部に螺合あるいは勘合する袋ナット等の部品の内側形状に合わせ、かつ溶融成形加工により2段以上のリング形状が成形される型により、溶融成形加工することにより機器本体及び継手本体とチューブの接合を容易にし且つ気密性等の管継手に要求される性能を有する継手部構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−273893号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、引用文献1に記載された技術では、機器本体及び継手本体とチューブとの接合後の時間経過とともに、チューブを構成する樹脂が、特に管の内側方向に変形して、この部分から漏れが生じやすくなるという問題があった。また、飲料供給用途に用いられる継手にはコンタミネーションの防止に対する要請が強いので、この点についても、さらなる性能向上が求められている。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、時間経過に伴うシール性能の低下を生ずることがなく、長期にわたり漏れの発生を防止することができる継手構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討した結果、管体の、配管との接続端部に、管体半径方向外側に突出するフランジ部を設けて、このフランジ部を押圧する押圧部と、配管の接続端部に係合する係合部とを備える接続部材を用いて管体と配管とを接続するものとするとともに、押圧部の押圧面に所定の凸部を設けることにより、上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、樹脂材料からなる管体と、接続部材と、からなり、配管に対し該管体を、該接続部材を介して接続する継手構造において、
前記管体の、前記配管との接続端部に、管体半径方向外側に突出するフランジ部が形成され、前記接続部材が、該フランジ部の管体本体側側面を押圧する押圧部と、該配管の接続端部に係合する係合部とを備え、該接続部材の係合部を該配管の接続端部に係合させることにより、該接続部材の押圧部が該フランジ部の管体本体側側面を押圧して、前記管体と該配管とが接続される継手構造であって、前記押圧部の、該フランジ部の管体本体側側面を押圧する押圧面に、管体半径方向断面において先端の角度が鋭角をなす凸部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の継手構造においては、前記接続部材が、前記押圧部を備える補助部材と、該補助部材の管体本体側側面を押圧する補助部材押圧部および前記係合部を備える接続部材本体と、からなり、該接続部材本体の係合部を前記配管の接続端部に係合させることにより、該接続部材本体の補助部材押圧部を介して該補助部材の押圧部が前記フランジ部の管体本体側側面を押圧して、前記管体と該配管とを接続するものとすることもできる。
【0011】
また、本発明の継手構造においては、前記凸部が、管体周方向にわたり延在することが好ましい。さらに、前記凸部が、前記フランジ部の管体本体側側面の管体半径方向内方端近傍および外方端近傍に、同心円状に2条にて形成されていることが好ましい。さらにまた、前記凸部の先端形状は、好適には、管体半径方向断面において半径0.05mm以下のR形状とする。本発明の継手構造は、飲料供給用に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記構成としたことにより、時間経過に伴うシール性能の低下を生ずることがなく、長期にわたり漏れの発生を防止することができる継手構造を実現することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の継手構造の一例を示す管体半径方向部分断面図である。
図2図1に示す継手構造を分解して示す斜視図である。
図3図1に示す継手構造を分解して示す他の斜視図である。
図4図1に示す継手構造における樹脂材料の流動状態を示す説明図である。
図5】(a)〜(c)は、凸部の形成状態の一例を示す平面図である。
図6】本発明の継手構造の他の例を示す管体半径方向部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の継手構造の一例を示す管体半径方向部分断面図を示す。また、図2図3は、図1に示す継手構造を分解して二方向からそれぞれ示す斜視図である。図示するように、本発明の継手構造は、樹脂材料からなる管体1と、接続部材2と、からなり、配管3に対し管体1を、接続部材2を介して接続するものである。また、符号4は、シール性を高めるために用いられる板状パッキンを示す。
【0015】
本発明の継手構造においては、管体1の、配管3との接続端部に、管体半径方向外側に突出するフランジ部11が形成されており、また、接続部材2が、フランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧する押圧部21と、配管3の接続端部に係合する係合部22とを備えている。本発明の継手構造においては、接続部材2の係合部22を配管3の接続端部に係合させることにより、接続部材2の押圧部21がフランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧して、管体1と配管3とが接続される。すなわち、本発明においては、管体1の管体半径方向外側に突出させたフランジ部11を、管体長手方向に押圧してシール性を確保している。
【0016】
本発明の継手構造においては、押圧部21の、フランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧する押圧面21Aに、管体半径方向断面において先端の角度が鋭角をなす凸部23が形成されている点に特徴がある。これにより、接続部材2の係合部22を配管3の接続端部に係合させることで、接続部材2の押圧部21がフランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧した際には、凸部23が管体1のフランジ部11に食い込むことになる。この凸部23の効果により、図4に示すように、管体1を構成する樹脂材料がその半径方向内側ないし外側に流動して管体1が変形することを、抑制できる。よって、管体1の締付け部の変形に起因するシール性の低下、ひいては漏れや液溜まりの発生を、効果的に抑制することが可能となるものである。
【0017】
ここで、本発明において凸部23は、例えば、ピン状に形成して、管体周方向に複数箇所にて配置するものとしてもよく(図5(a))、管体周方向に沿って一定長さかつ一定ピッチで壁状に配置するものとしてもよく(図5(b))、管体周方向にわたり延在する壁状としてもよい(図5(c))。特には、凸部23は、管体周方向にわたり延在させて設けることが好ましく、これにより、管体半径方向内側ないし外側への樹脂材料の流動をより確実に抑制する効果が得られる。また、管体周方向にわたり延在する形状の凸部23は、製造が容易であるとのメリットも有する。
【0018】
より好ましくは、凸部23は、図1図4に示すように、管体周方向にわたり延在する形状にて、フランジ部11の管体本体側側面11Aの管体半径方向内方端近傍および外方端近傍に、同心円状に2条にて形成する。このように、凸部23を管体半径方向の内方端近傍と外方端近傍との2条にて設けることで、管体半径方向内側および外側への樹脂材料の流動を、より効果的に抑制することができる。また、管体半径方向の外方端近傍に凸部23を設けて管体半径方向外周側への樹脂材料の流動を防止することで、図示するように、フランジ部11の外周と接続部材2の内周との間に隙間が確保できる。この隙間により、シール部の板状パッキン4を接続部材2の外部に取り外すことが容易となり、分解洗浄しやすい構造となるので、着脱がしやすく、交換が容易となって、コンタミネーションの管理性が向上する。凸部23は、さらに、同心円状に3条以上にて設けてもよい。
【0019】
本発明において、凸部23の具体的な形状や寸法については、接続部材2の押圧部21がフランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧した際に管体1のフランジ部11に食い込んで、管体1を構成する樹脂材料の流動を抑制できるものであれば、特に制限されるものではない。
【0020】
例えば、凸部23の先端は、接続部材2の押圧部21がフランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧した際に管体1のフランジ部11に食い込むことができる程度に尖っているものであればよく、具体的には、凸部23の先端形状が、管体半径方向断面において半径0.05mm以下のR形状であることが好ましい。凸部23の先端形状を半径0.05mm以下のR形状とすることで、管体1と配管3との接続時に、凸部23が、フランジ部11を構成する樹脂材料の押圧による変形を伴うことなく樹脂材料に局所的な破断溝を形成して、フランジ部11に食い込むことにより、有効に樹脂材料の流動を抑制することができる。
【0021】
また、凸部23の寸法は、大きすぎるとフランジ部11を変形させるおそれがあり、小さすぎると樹脂材料の流動抑制効果が十分に得られないので、管体1を構成する樹脂材料の種類やフランジ部11の厚み等により、適切に決定することが好ましい。
【0022】
本発明において、接続部材2は、凸部23を有し、フランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧する押圧部21と、配管3の接続端部に係合する係合部22とを備えるものであればよく、その具体的構造や材質等については、特に制限されるものではない。かかる接続部材2としては、例えば、図示するように、係合部22が配管3に対し螺合する構造であるナットを用いることができる。
【0023】
また、本発明に係る管体1は、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料からなるチューブ等の端部を、熱板等の金型で溶融させるか、高周波で加熱するか、回転摩擦により加熱するなどの方法により成形加工することで、容易に製造することができる。
【0024】
図6に、本発明の継手構造の他の例を示す管体半径方向拡大部分断面図を示す。図示するように、本発明においては、押圧部51を備える補助部材5と、補助部材5の管体本体側側面を押圧する補助部材押圧部61および係合部62を備える接続部材本体6と、からなる接続部材7を用いることもできる。この場合、接続部材本体6の係合部62を配管3の接続端部に係合させることにより、接続部材本体6の補助部材押圧部61を介して補助部材5の押圧部51がフランジ部11の管体本体側側面11Aを押圧して、管体1と配管3とが接続される。接続部材を配管3に対し螺合により接続する場合、フランジ部11に食い込んだ凸部が接続部材とともに回転すると、食い込み部分が深く切り込まれてしまうおそれがあるが、このように凸部52が設けられた押圧部51を別部品の補助部材5として設ければ、凸部52が接続部材本体6とともに回転してフランジ部11を深く傷つけることを防止できる。また、管体1の供回りも防止することが可能である。なお、この補助部材5の外径は、図示するように、フランジ部11の外径よりも大きくすることが好ましい。補助部材5の外径が小さすぎると、管体1と接続部材7との同芯度が確保できなくなる場合がある。
【0025】
本発明の継手構造は、良好なシール性を有し、漏れや液溜まりの発生が抑制できることから、飲料供給用に好適に用いることができる。本発明の継手構造は継ぎ目に段差のない構造を有するので、特に、円筒形や球形のスポンジで配管洗浄される飲料用サーバに適用すれば、配管を外すことなく洗浄できるために頻繁な洗浄が可能となり、雑菌の繁殖防止に効果的である。
【符号の説明】
【0026】
1 管体
2,7 接続部材
3 配管
4 板状パッキン
5 補助部材
6 接続部材本体
7 接続部材
11 フランジ部
11A フランジ部の管体本体側側面
21,51 押圧部
22,62 係合部
21A 押圧面
23,52 凸部
61 補助部材押圧部
図1
図2
図3
図4
図5
図6