特許第5779086号(P5779086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779086
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】ミラーベース
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
   B60R1/06 D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-281805(P2011-281805)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-129387(P2013-129387A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147660
【氏名又は名称】株式会社石▲崎▼本店
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】河野 寛
(72)【発明者】
【氏名】森久保 友也
(72)【発明者】
【氏名】山本 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴行
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−362226(JP,A)
【文献】 特開2001−294089(JP,A)
【文献】 特開2007−062557(JP,A)
【文献】 特開2001−233130(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0173113(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/06−1/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドア側面に取り付けられる取付部、及び該取付部から外側方に延出し、先端側にドアミラーを支持する支持部が設けられた延出部を有するインナー部材と、
上記取付部に固定されて当該取付部を覆う取付カバー部、及び該取付カバー部から外側方に延出し、上記延出部を収容する収容空間が上壁、側壁及び下壁で形成された収容カバー部を有するアウター部材とを備え、
上記延出部の先端には、突片が外側方に突設され、
上記収容カバー部の取付カバー部側には、上記延出部を上記収容空間に挿入するための側部開口が形成されているとともに、上記収容カバー部先端側の上面には、上記延出部を上記収容空間に収容した状態で上記支持部に対応する上部開口が形成され、且つ、上記収容カバー部先端の側面には、上記延出部を上記収容空間に収容した状態で上記突片が嵌合する貫通孔が形成されていることを特徴とするミラーベース。
【請求項2】
請求項1に記載のミラーベースにおいて、
上記収容カバー部先端の側壁外面には、上下に延びる一対の第1リブが上記貫通孔両側方に突設されていることを特徴とするミラーベース。
【請求項3】
請求項2に記載のミラーベースにおいて、
上記収容カバー部先端の側壁外面には、第2リブが上記両第1リブ間の上記貫通孔の少なくとも上下に位置するように突設されていることを特徴とするミラーベース。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のミラーベースにおいて、
上記突片は、上記延出部の上記収容空間への挿入方向に対して傾いて突設されていることを特徴とするミラーベース。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のミラーベースにおいて、
上記収容カバー部先端側の上記側壁内面及び下壁内面には、支持板部が上記両内面に跨るように、且つ、上端縁が上記貫通孔の下端縁に段差なく連続するように形成されていることを特徴とするミラーベース。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のミラーベースにおいて、
上記収容カバー部先端側の上記側壁内面及び下壁内面には、上記突片が上記貫通孔に嵌合する際に該突片を案内する一対のガイド板部が上記側壁内面及び下壁内面に跨るように、且つ、上記貫通孔の両側から上記側部開口に向かって延びるように突設されていることを特徴とするミラーベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドア側面に取り付けられ、ドアミラーを支持するミラーベースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般的な車両用ドアミラーは、車両のドア側面にミラーベースで支持され、該ミラーベースは、例えば、特許文献1のように、金属製インナー部材と、該インナー部材を覆う樹脂製アウター部材とを備えたものが知られている。
【0003】
上記インナー部材は、ドア側面に取り付けられる取付部、及び該取付部から外側方に延び、先端側にドアミラーを支持する支持部が設けられた延出部を備えている。該延出部の先端には、略水平方向に沿って延びる水平板部が突設され、該水平板部の略中央には、前方に開放するスリットが形成されている。
【0004】
一方、上記アウター部材は、上記取付部に固定されて当該取付部を覆う取付カバー部と、該取付カバー部から外側方に延出し、上記延出部を収容する収容空間が上壁、側壁及び下壁で形成された収容カバー部とを備えている。上記収容カバー部先端側の側壁内面、上壁内面及び下壁内面には、第1板部が上記各内面に跨がるように上記取付カバー部側に形成された側部開口に向かって延びていて、該第1板部の両側には、一対の第2板部が側壁内面及び下壁内面に跨るように、且つ、上端縁が上記収容空間の上下方向略中央の位置まで延出するように形成されている。
【0005】
そして、上記アウター部材及びインナー部材は、上記側部開口から上記収容空間に上記延出部を挿入し、上記第1板部を上記スリットに嵌挿させるとともに、上記延出部を上記収容カバー部上壁内面と上記両第2板部上端縁とに摺接させつつ押し込むことにより、上記延出部を上記収容空間に収容した状態で上記支持部を上記収容カバー部先端側の上壁に形成された上部開口に対応させるようになっていて、上記収容カバー部上壁内面と上記第2板部上端縁とで上記延出部先端側の上下方向の移動を規制するとともに、上記水平板部と上記第1板部とで上記延出部先端側の水平方向の移動を規制して、アウター部材とインナー部材との間のがたつきの発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−362226号公報(段落0037〜0041欄、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のミラーベースでは、上記収容カバー部先端側の収容空間を外側から見ることができない。したがって、上記収容カバー部の側部開口から上記延出部を上記収容空間に挿入する際に、上記第1板部及び上記水平板部の位置関係を確認しながら上記延出部を上記収容カバー部に押し込むことが出来ず、収容カバー部に対する延出部の位置を少しずつずらしながら手探りで上記第1板部を上記スリットに嵌挿させる必要があり、アウター部材及びインナー部材の組み立てに手間がかかり煩雑である。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組み立てた状態でアウター部材とインナー部材との間のがたつきを無くし、しかも、組み立てが容易なミラーベースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、ミラーベースにおけるアウター部材及びインナー部材の組み立てを容易にする工夫を設けたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、第1の発明では、車両のドア側面に取り付けられる取付部、及び該取付部から外側方に延出し、先端側にドアミラーを支持する支持部が設けられた延出部を有するインナー部材と、上記取付部に固定されて当該取付部を覆う取付カバー部、及び該取付カバー部から外側方に延出し、上記延出部を収容する収容空間が上壁、側壁及び下壁で形成された収容カバー部を有するアウター部材とを備え、上記延出部の先端には、突片が外側方に突設され、上記収容カバー部の取付カバー部側には、上記延出部を上記収容空間に挿入するための側部開口が形成されているとともに、上記収容カバー部先端側の上面には、上記延出部を上記収容空間に収容した状態で上記支持部に対応する上部開口が形成され、且つ、上記収容カバー部先端の側面には、上記延出部を上記収容空間に収容した状態で上記突片が嵌合する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記収容カバー部先端の側壁外面には、上下に延びる一対の第1リブが上記貫通孔両側方に突設されていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第2の発明において、上記収容カバー部先端の側壁外面には、第2リブが上記両第1リブ間の上記貫通孔の少なくとも上下に位置するように突設されていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記突片は、上記延出部の上記収容空間への挿入方向に対して傾いて突設されていることを特徴とする。
【0014】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、上記収容カバー部先端側の上記側壁内面及び下壁内面には、支持板部が上記両内面に跨るように、且つ、上端縁が上記貫通孔の下端縁に段差なく連続するように形成されていることを特徴とする。
【0015】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、上記収容カバー部先端側の上記側壁内面及び下壁内面には、上記突片が上記貫通孔に嵌合する際に該突片を案内する一対のガイド板部が上記側壁内面及び下壁内面に跨るように、且つ、上記貫通孔の両側から上記側部開口に向かって延びるように突設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明では、アウター部材及びインナー部材を組み立てたときに、インナー部材の突片がアウター部材の貫通孔に嵌合するので、アウター部材に対する延出部先端側の上下方向及び水平方向の移動が規制され、アウター部材とインナー部材との間でがたつきを無くすことができる。しかも、貫通孔によって収容カバー部先端側の収容空間が外側から見えるので、アウター部材及びインナー部材を組み立てる際に、貫通孔に突片を容易に導くことができ、アウター部材及びインナー部材の組み立てが容易となる。
【0017】
第2の発明では、一対の第1リブによって貫通孔両側の剛性を高めることができるので、アウター部材及びインナー部材を組み立てた状態で、上記突片が上記貫通孔周縁に接触することによる貫通孔周縁の破損を防ぐことができる。しかも、収容カバー部を外側方から見たときに、上記両第1リブによって外側から見える突片が目立たなくなり、ミラーベースの外観見栄えが向上して意匠性を高めることができる。
【0018】
第3の発明では、第1リブに加えて第2リブで貫通孔周縁を補強できるので、貫通孔周縁の破損を確実に防ぐことができる。
【0019】
第4の発明では、延出部に対して収容空間から抜ける方向の力が不意に加わっても、貫通孔周縁に突片が引っ掛かるので、アウター部材にインナー部材を強固に固定することができる。
【0020】
第5の発明では、アウター部材及びインナー部材を組み立てる際に、支持板部上端縁が上記突片下面に摺接しつつ当該突片を貫通孔まで案内するので、アウター部材及びインナー部材の組み立てがさらに容易となる。また、アウター部材及びインナー部材を組み立てた状態で、支持板部が上記突片に下方から接触するので、突片の下方への移動が抑制され、アウター部材とインナー部材との間の組み立て状態がさらに安定する。
【0021】
第6の発明では、アウター部材及びインナー部材を組み立てる際に、ガイド板部が上記突片両側端縁に摺接しつつ当該突片を貫通孔まで案内するので、アウター部材及びインナー部材の組み立てがさらに容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ミラーベースの側面図である。
図2】ミラーベースの平面図である。
図3】ミラーベースの分解平面図である。
図4】インナー部材の側面図である。
図5図1のA−A線における断面図である。
図6図2のB−B線における断面図である。
図7図1のC部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係るミラーベース1を示す。該ミラーベース1は、車両の右側ドア側面9に取り付けられ、電動式ドアミラー10を支持している。
【0025】
上記ミラーベース1は、該ミラーベース1の骨格となるアルミニウム合金製インナー部材2と、該インナー部材2全体を覆う樹脂製アウター部材3とを備えている。
【0026】
上記インナー部材2は、図3及び図4に示すように、上記ドア側面9に取り付けられる側面視で略三角形状の取付部4と、該取付部4から外側方に車両後方寄りに傾いて延出する平面視で略長方形状の延出部5とを備えている。
【0027】
該延出部5の先端側上面には、略円形の環状突条部51が突設され、該環状突条部51内側には、上記ドアミラー10のミラー支軸(図示せず)が挿通される挿通孔52が形成されている。
【0028】
また、上記環状突条部51上端縁の取付部4側には、平面視で円弧状をなす規制部51aが立設されている。
【0029】
該規制部51aは、上記ドアミラー10のミラー支軸(図示せず)を上記挿通孔52に挿通して上記ドアミラー10を上記延出部5に対して回動させた時に、図2に示すように、上記ドアミラー10の使用位置P1と格納位置P2とで上記ドアミラー10の回動を規制するようになっていて、上記環状突条部51、規制部51a及び挿通孔52で支持部5aを構成している。
【0030】
そして、上記延出部5の先端には、図6に示すように、下方に突出する断面略L字状の突出部53が設けられ、該突出部53の下端には、図3に示すように、突片54が上記延出部5の延出方向に対して傾いて外側方に突設されている。すなわち、上記突片54は、後述する上記アウター部材3の収容空間8への挿入方向に対して傾いて突設されている。
【0031】
上記アウター部材3は、図1乃至図3に示すように、上記取付部4に固定されて当該取付部4を覆う側面視で略L字状をなす取付カバー部6と、該取付カバー部6から外側方に車両後方寄りに傾いて延出する収容カバー部7とを備え、該収容カバー部7には、上記延出部5を収容する収容空間8が上壁71、側壁72及び下壁73で形成されている。
【0032】
上記収容カバー部7の先端部分は、平面視で車両前後方向略中央部分が外側方に位置するように緩やかに湾曲しており、上記収容カバー部7の車両後側部分は、平面視で鈍角の山型となるように車両後方に膨出している。
【0033】
上記側壁72は、上記収容カバー部7の先端側に位置する第1側壁72aと、上記収容カバー部7の車両前側及び後側にそれぞれ位置する第2側壁72b及び第3側壁72cとからなっていて、上記第1側壁72aは、上記上壁71、第2側壁72b、第3側壁72c及び下壁73の先端側端縁より若干上記取付カバー部6側に位置している。
【0034】
また、上記収容カバー部7の取付カバー部6側には、上記延出部5を上記収容空間8に挿入するための側部開口7aが形成されているとともに、上記収容カバー部7先端側の上壁71には、上記延出部5を上記収容空間8に収容した状態で上記支持部5aに対応する上部開口7bが形成されている。
【0035】
そして、上記収容カバー部7先端の第1側壁72a略中央には、図5乃至図7に示すように、上記延出部5を上記収容空間8に収容した状態で上記突片54が嵌合する略矩形状の貫通孔74が形成されている。
【0036】
上記収容カバー部7先端の第1側壁72a外面には、図7に示すように、上下に延びる一対の第1リブ75が上記貫通孔74両側縁部に沿うように突設され、上記両第1リブ75間には、当該両第1リブ75を橋絡する一対の第2リブ76が上記貫通孔74の上縁部及び下縁部に沿って突設されている。したがって、一対の第1リブ75によって上記貫通孔74両側の剛性を高めることができるので、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てる際に、貫通孔74に突片54が上記貫通孔74周縁に接触することによる貫通孔74周縁の破損を防ぐことができる。しかも、収容カバー部7を外側方から見たときに、上記両第1リブ75によって外側から見える突片54が目立たなくなり、ミラーベース1の外観見栄えが向上して意匠性を高めることができる。
【0037】
さらに、第1リブ75に加えて第2リブ76で貫通孔74周縁を補強できるので、貫通孔74周縁の破損を確実に防ぐことができる。
【0038】
尚、本実施形態では、上記第1リブ75が貫通孔74両側縁部に沿って形成されているが、当該貫通孔74両側縁部から離間した位置に形成されていてもよい。また、本実施形態では、上記第2リブ76が両第1リブ75間を橋絡しているが、橋絡していなくてもよい。さらに、上記両第2リブ76が貫通孔74の上縁部及び下縁部に沿って形成されているが、当該貫通孔74両側縁部から離間した位置に形成されていてもよい。すなわち、上記第2リブ76は、上記両第1リブ75間の上記貫通孔74の少なくとも上下に位置するように突設されていればよい。
【0039】
上記収容カバー部7先端側の上記第1側壁72a内面と下壁73内面には、図6に示すように、支持板部77が上記収容カバー部7先端の第1側壁72a内面と下壁73内面とに跨るように形成されている。
【0040】
該支持板部77の上端縁は、上記貫通孔74の下端縁に段差なく連続し、上記支持板部77の取付カバー部6側端縁は、当該取付カバー部6側に行くにつれて下傾している。
【0041】
また、上記収容カバー部7先端側の上記第1側壁72a内面と下壁73内面には、上記突片54が上記貫通孔74に嵌合する際に上記突片54を案内するガイド板部78が上記第1側壁72a内面及び下壁73内面に跨るように、且つ、上記貫通孔74の両側から上記側部開口7aに向かって延びるように突設されている。
【0042】
該両ガイド板部78間は、上記貫通孔74側より上記側部開口7a側の方が広く形成されていて、上記延出部5を上記収容空間8に挿入した際に、上記両ガイド板部78間に上記突片54が入り易くなっている。
【0043】
次に、上記ミラーベース1の上記ドア側面9への取り付けについて説明する。
【0044】
まず、作業者は、図3に示すように、上記ドア側面9に上記インナー部材2の取付部4を図示しないボルト等で取り付ける。
【0045】
次いで、アウター部材3の側部開口7aに上記インナー部材2の延出部5の先端部分を対応させ、当該延出部5が上記側部開口7aから収容空間8に挿入されるように、上記アウター部材3をインナー部材2側に移動させる。
【0046】
そして、作業者は、上記貫通孔74から収容空間8を覗き込みながら、上記アウター部材3をインナー部材2側に移動させ、上記両ガイド板部78間に上記突片54を入り込ませる。
【0047】
しかる後、作業者が上記アウター部材3をさらにドア側面9側に押し込む。すると、上記突片54の下面が上記支持板部77の上端縁に摺接しながら上記突片54が上記貫通孔74に向かって移動するとともに、上記両ガイド板部78が上記突片54を上記貫通孔74まで導いて上記突片54が上記貫通孔74に嵌合する。
【0048】
そして、アウター部材3の係合爪(図示せず)をインナー部材2に形成された係合孔(図示せず)に係合して上記ミラーベース1の上記ドア側面9への取り付けが終了する。
【0049】
以上より、本発明の実施形態によると、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てたときに、インナー部材2の突片54がアウター部材3の貫通孔74に嵌合するので、アウター部材3に対する延出部5先端側の上下方向及び水平方向の移動が規制され、アウター部材3とインナー部材2との間でがたつきを無くすことができる。しかも、貫通孔74によって収容カバー部7先端側の収容空間8が外側から見えるので、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てる際に、貫通孔74に突片54を容易に導くことができ、アウター部材3及びインナー部材2の組み立てが容易となる。
【0050】
また、上記突片54は、上記アウター部材3の収容空間8への挿入方向に対して傾いて突設されているので、延出部5に対して収容空間8から抜ける方向の力が不意に加わっても、貫通孔74周縁に突片54が引っ掛かるので、アウター部材3にインナー部材2を強固に固定することができる。
【0051】
さらに、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てる際に、支持板部77上端縁が上記突片54下面に摺接しつつ当該突片54を貫通孔74まで案内するので、アウター部材3及びインナー部材2の組み立てがさらに容易となる。それに加えて、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てた状態で、支持板部77が上記突片54に下方から接触するので、突片54の下方への移動が抑制され、アウター部材3とインナー部材2との間の組み立てがさらに安定する。
【0052】
そして、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てる際に、ガイド板部78が上記突片54両側端縁に摺接しつつ当該突片54を貫通孔74まで案内するので、アウター部材3及びインナー部材2の組み立てがさらに容易となる。
【0053】
また、本発明の実施形態では、インナー部材2をドア側面9に取り付けた後、インナー部材2にアウター部材3を取り付けているが、アウター部材3及びインナー部材2を組み立てた後、インナー部材2をドア側面9に取り付ける構造であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、車両のドア側面に取り付けられ、ドアミラーを支持するミラーベースに適している。
【符号の説明】
【0055】
1 ミラーベース
2 インナー部材
3 アウター部材
4 取付部
5 延出部
5a 支持部
6 取付カバー部
7 収容カバー部
7a 側部開口
7b 上部開口
8 収容空間
9 ドア側面
10 ドアミラー
54 突片
71 上壁
72 側壁
73 下壁
74 貫通孔
75 第1リブ
76 第2リブ
77 支持板部
78 ガイド板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7