(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光分離部は、前記画像を前記第1の方向に分割した場合に、前記第1の方向に配列された前記各画素開口部を含む画素列の前記第2方向の列数と、前記画像を前記第2の方向に分割した場合に、前記第2の方向に配列された前記各画素開口部を含む画素列の前記第1方向の列数とが等しい、請求項1に記載の表示装置。
前記光分離部は、前記表示部に表示される画像を、前記第1の方向または前記第2の方向に配列された前記画素開口部の1列分を単位として複数の視点画像に分割する、請求項1に記載の表示装置。
前記光分離部は、前記表示部に表示される画像を、前記第1の方向または前記第2の方向に配列された前記画素開口部の複数列分を単位として複数の視点画像に分割する、請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.表示装置の構成
1−2.カラーフィルタの構成
1−3.視点画像表示時の例
2.第2の実施形態
2−1.表示装置の構成
2−2.視点画像表示時の例
3.第3の実施形態
3−1.表示装置の構成
3−2.視点画像表示時の例
4.他の実施形態
5.補足
【0016】
(1.第1の実施形態)
まず、
図1〜
図4を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。
【0017】
(1−1.表示装置の構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置の概略的な構成を示す図である。
図1を参照すると、表示装置100は、バックライト110と、パララックスバリア120と、LCD(Liquid Crystal Display)130とを含む。図示されているように、表示装置100は、LCD130の背面側にパララックスバリア120が配置されるリアバリア型の立体表示装置である。
【0018】
なお、以下では、視差を有する視点画像を観察者の左右の眼に呈示する立体表示装置に係る実施形態について主に説明する。しかしながら、かかる立体表示装置の構成は、例えば、位置が異なる複数の観察者にそれぞれ異なる視点画像を呈示する指向性表示装置などにも容易に応用することが可能である。つまり、以下で説明する立体表示装置に係る実施形態と同様にして、指向性表示装置に係る実施形態も実現することが可能である。
【0019】
バックライト110は、パララックスバリア120を通してLCD130に光を照射する光源部である。バックライト110では、発光素子として例えば冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)またはLED(Light Emitting Diode)などが用いられる。
【0020】
パララックスバリア120は、偏光板121と、端子基板122と、液晶層123と、対向基板124とを含む。本実施形態において、パララックスバリア120は、単純マトリクス方式の液晶表示素子である。端子基板122上に配置された透明電極は、対向基板124側に配置された透明電極との間で液晶層123に電圧を印加する。これによって、液晶層123に光を透過させる透過部分と光を遮光する遮光部分とが発生し、パララックスバリア120はLCD130を経て観察者に呈示される光を空間的に分離する光分離部として機能する。
【0021】
本実施形態では、パララックスバリア120が光を空間的に分離させることによって、LCD130に表示される画像が、立体画像(3次元画像)の表示のための2つの視点画像に分割される。後述するように、パララックスバリア120は、画像を分割する方向を、縦および横の2つの方向の間で切り替えることが可能である。また、パララックスバリア120が液晶層123に遮光部分を発生させず、光を空間的に分離しないことによって、表示装置100に通常の2次元画像を表示させることも可能である。
【0022】
LCD130は、偏光板131,136と、端子基板132と、液晶層133と、カラーフィルタ134と、対向基板135とを含む。本実施形態において、LCD130は、アクティブマトリクス方式の液晶表示素子である。端子基板132上には、TFT(Thin Film Transistor)と透明な画素電極とが配置され、カラーフィルタ134側に形成される透明な共通電極との間で液晶層133に電圧を印加する。このようにして、LCD130は、カラーフィルタ134に配置された各色に対応する領域ごとにバックライト110からの光の透過を制御し、画素を構成する各色の発色を制御してカラー画像を表示する。
【0023】
ここで、カラーフィルタ134には、縦横に画素開口部が配列されており、画素開口部が画素を構成する各色の光を透過させることによって、画素を構成する各色が表示される。以下では、かかるカラーフィルタ134の構成についてさらに説明する。
【0024】
(1−2.カラーフィルタの構成)
図2は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置におけるカラーフィルタの構成を示す図である。
図2を参照すると、カラーフィルタ134では、ブラックマトリクス134bによって複数の画素開口部134aが形成される。画素開口部134aは、横方向(第1の開口配列方向)、および縦方向(第2の開口配列方向)に配列される。つまり、本実施形態では、画素開口部134aが格子状に配列される。なお、
図2は、説明のためにカラーフィルタ134の一部を簡略化して示すものであり、実際のカラーフィルタ134にはさらに多くの画素開口部134aが配列されうる。
【0025】
それぞれの画素開口部134aは、画素を構成する各色の光を透過させることによって、画素を構成する各色を表示する領域であり、画素を構成する個々のサブ画素に対応する。LCD130において、画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)の4色のサブ画素によって構成される。従って、画素を構成する色の割合はR:G:B:W=1:1:1:1である。
【0026】
図では、表示装置100が通常の2次元画像表示を実行する場合の画素が、画素134pとして例示されている。なお、画素の形状は、例えば3次元表示の場合などには適宜変更されうるが、その場合も画素を構成する色の割合は画素134pと同じである。以下の説明では、画素134pの位置を指定するために、縦方向の列についてA〜D、横方向の列について1〜4の記号を用いる場合がある。例えば、図で左上の角に位置する画素134pは、「A−1の画素134p」として参照される。また、画素開口部134aの1列分を指定するために、縦方向についてAa〜Db、横方向について1−1〜4−2の記号を用いる場合がある。
【0027】
(画素開口部の配置)
カラーフィルタ134では、横方向および縦方向のそれぞれについて、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合が、画素を構成する色の割合に等しい。例として、縦方向の列Aaに配列される画素開口部134aによって表示される色は、上から、R,W,G,B,R,W,G,Bとなっており、色の割合はR:G:B:W=1:1:1:1である。同様に、横方向の列1−1に配列される画素開口部134aによって表示される色は、左からR,G,W,B,R,G,W,Bとなっており、ここでも色の割合はR:G:B:W=1:1:1:1である。上記のように、画素を構成する色の割合はR:G:B:W=1:1:1:1であるから、横方向および縦方向のそれぞれについて、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合が画素を構成する色の割合に等しいといえる。
【0028】
かかる画素開口部134aの色配置を、画素134pを構成するサブ画素の色配置という観点からさらに説明する。互いに隣接するA−1、A−2,B−1,B−2の画素134pについて、それぞれ左上から右下へとZ字順でサブ画素の色配置を記載すると、A−1が(R,G,W,B)、A−2が(G,R,B,W)、B−1が(W,B,R,G)、B−2が(B,W,G,R)である。このように、カラーフィルタ134では、互いに隣接する画素134pの間で、サブ画素の色配置が異なる。
【0029】
その結果、上記の4つの画素134pによって形成される、画素開口部134aの縦横4列分のブロックの中では、横方向および縦方向のそれぞれについて、R,G,B,Wの4色の画素開口部134aがそれぞれ1つずつ並ぶ。別の言い方をすれば、画素開口部134aによって表示される色の配置は、縦方向および横方向について、R,G,B,Wの4色を1つずつ含むパターンの繰返しである。このように、色配置をパターンとして繰返すことによって、多数の画素開口部134aが配置される場合にも、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合を、画素を構成する色の割合に等しくすることが容易になる。
【0030】
このような画素開口部134aの色配置による利点については、以下で視点画像表示時の例を示しながらより詳しく説明する。
【0031】
なお、以下の説明では、色と視点画像との関係について説明するために、
図3のように、カラーフィルタ134についてブラックマトリクス134bなどの図示を省略する場合がある。また、観察者に呈示される視点画像を模式的に示すために図中に観察者を図示する場合もあるが、図示された観察者の位置は必ずしも実際の観察者の位置に対応しない。
【0032】
(1−3.視点画像表示時の例)
図3は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置を用いて横画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、パララックスバリア120は、縦ストライプ状に透過部分と遮光部分とを発生させることで、LCD130に表示される画像を縦方向に分割する。パララックスバリア120の透過部分の幅は、画素開口部134aの縦方向の1列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、縦方向に1列ごとに交互に第1の視点画像(右眼画像)と第2の視点画像(左眼画像)とに割り当てられる。図示された例では、左端の列Aaが第1の視点画像に、次の列Abが第2の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0033】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、縦方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1および第2の視点画像のそれぞれについて、縦方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0034】
図4は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置を用いて縦画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、パララックスバリア120は、横ストライプ状に透過部分と遮光部分とを発生させることで、LCD130に表示される画像を横方向に分割する。パララックスバリア120の透過部分の幅は、画素開口部134aの横方向の1列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、横方向に1列ごとに交互に第1の視点画像(左眼画像)と第2の視点画像(右眼画像)とに割り当てられる。図示された例では、上端の列1−1が第1の視点画像に、次の列1−2が第2の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0035】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、横方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1および第2の視点画像のそれぞれについて、横方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0036】
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。なお、本実施形態において、表示装置100は、LCD130の背面側にパララックスバリア120が配置されるリアバリア型の立体表示装置であるが、本開示の実施形態は、光分離部の特定の構造によって限定されるものではない。例えば、本開示の実施形態に係る表示装置は、パララックスバリアがLCDの前面側に配置されるフロントバリア型の立体表示装置であってもよい。また、光分離部はパララックスバリアには限定されず、続く第2の実施形態で説明するような液晶レンズ、あるいは液体レンズなどが用いられてもよい。
【0037】
(2.第2の実施形態)
続いて、
図5〜
図8を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。
【0038】
(2−1.表示装置の構成)
図5は、本開示の第2の実施形態に係る表示装置の概略的な構成を示す図である。
図5を参照すると、表示装置200は、バックライト110と、LCD230と、液晶レンズ220とを含む。このうち、バックライト110の構成は、上記の第1の実施形態で説明したものと同様である。また、LCD230の構成は、光分離部である液晶レンズ220との位置関係が異なる(光分離部がLCD230の前面側に配置される)ことを除けば、カラーフィルタ134における画素開口部134aの色配置を含め第1の実施形態で説明したLCD130と同様である。従って、これらについては、重複した詳細な説明を省略する。
【0039】
液晶レンズ220は、偏光板221と、端子基板222と、液晶層223と、対向基板224とを含む。端子基板222上に配置された透明電極は、対向基板224側に配置された透明電極との間で液晶層223に電圧を印加して、液晶層223の光の屈折率を領域ごとに変化させる。これによって、液晶層223には等価的にレンチキュラレンズと同様のレンズ効果が発生し、液晶レンズ220はLCD230を経て観察者に呈示される光を空間的に分離する光分離部として機能する。
【0040】
本実施形態では、液晶レンズ220が光を空間的に分離させることによって、LCD230に表示される画像が、3次元画像の表示のための2つの視点画像に分割される。後述するように、液晶レンズ220は、画像を分割する方向を、縦および横の2つの方向の間で切り替えることが可能である。また、例えば液晶レンズ220が液晶層223の光の屈折率を一様にし、LCD230を経て観察者に呈示される光を空間的に分離しないことによって、表示装置200に通常の2次元画像を表示させることも可能である。
【0041】
(2−2.視点画像表示時の例)
図6は、本開示の第2の実施形態に係る表示装置を用いて横画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、液晶レンズ220は、縦方向のシリンドリカルレンズが配列されたレンチキュラレンズと同様のレンズ効果を等価的に発生させることで、LCD230に表示される画像を縦方向に分割する。液晶レンズ220の焦点距離は、集光幅が画素開口部134aの縦方向の2列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、縦方向に2列ごとに第1の視点画像(左眼画像)と第2の視点画像(右眼画像)とに割り当てられる。図示された例では、左端の2列Aa,Abが第1の視点画像に、次の2列Ba,Bbが第2の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0042】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、縦方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1および第2の視点画像のそれぞれについて、縦方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0043】
図7は、本開示の第2の実施形態に係る表示装置を用いて縦画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、液晶レンズ220は、横方向のシリンドリカルレンズが配列されたレンチキュラレンズと同様のレンズ効果を等価的に発生させることで、LCD230に表示される画像を横方向に分割する。液晶レンズ220の焦点距離は、集光幅が画素開口部134aの横方向の2列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、横方向に2列ごとに第1の視点画像(右眼画像)と第2の視点画像(左眼画像)とに割り当てられる。図示された例では、上端の2列1−1,1−2が第1の視点画像に、次の2列2−1,2−2が第2の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0044】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、横方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1および第2の視点画像のそれぞれについて、横方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0045】
ここで、しかしながら、本実施形態のように、画素を構成する色が4色であって、画素開口部が2列ごとに視点画像に割り当てられる場合、以下で説明する比較例のように、必ずしも各列で色の割合が揃っていなくても、2列単位で色の割合が揃っていれば、観察される画像において色の偏りは生じないのではないかとも考えられる。
【0046】
図8は、本開示の第2の実施形態の比較例を示す図である。この比較例では、画素に含まれるサブ画素の配置がすべて共通(左上から右下へとZ字順でR,G,W,B)である。従って、横方向および縦方向のいずれについても、同じ列に配列される画素開口部によって表示される色の割合が、画素を構成する色の割合に等しくない。例えば、列Aaには、R,Wの色しか配置されないため、色の割合はR:G:B:W=1:0:0:1である。また、列1−1には、R,Gの色しか配置されないため、色の割合はR:G:B:W=1:1:0:0である。これらは、いずれも、画素を構成する色の割合R:G:B:W=1:1:1:1とは異なる。
【0047】
その一方で、隣り合う2列に配列される画素開口部によって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。例えば、列Ab(G,Bの色しか配置されない)および列Ba(R,Wの色しか配置されない)の2列を合わせれば、色の割合はR:G:B:W=1:1:1:1であり、画素を構成する色の割合に等しい。
【0048】
この場合、液晶レンズなどによる視点画像への分割が、正確に画素開口部の2つの列に対応している場合には、視点画像では色の偏りが生じない。例えば、列Ab,Baが第1の視点画像に、列Bb,Caが第2の視点画像に、それぞれ正確に分割されれば、上記の通り2列を合わせた色の割合は画素の色の割合に等しいため、視点画像では色の偏りが生じない。
【0049】
しかしながら、実際には、観察者の位置のずれなどによって、視点画像への分割が、所定の列の範囲からずれる場合がある。例えば、観察者が右側にずれると、列Ab(G,Bの色しか配置されない)が第1の視点画像に割り当てられる範囲の中央付近に位置する状態になる。逆に、観察者が左側にずれると、列Ba(R,Wの色しか配置されない)が範囲の中央付近に位置する状態になる。このような状態では、列Abや列Baが他の列よりも視認されやすくなる結果、視点画像において特定の色が偏って表示される列が発生し、色モアレが観察される場合がある。
【0050】
このように、各列の色の割合を画素の色の割合に等しくする本開示の実施形態は、画素開口部が2列ごと(またはそれ以上の列ごと)に視点画像に割り当てられる場合であっても、色モアレの発生を抑制するために効果的である。
【0051】
なお、本実施形態のように画素開口部が2列ごとに視点画像に割り当てられる構成は、例えば第1の実施形態で説明したようなパララックスバリアの透過部分の幅を画素開口部の2列分に対応させることによっても実現可能である。
【0052】
(3.第3の実施形態)
続いて、
図9〜
図11を参照して、本開示の第3の実施形態について説明する。
【0053】
(3−1.表示装置の構成)
図9は、本開示の第3の実施形態に係る表示装置の概略的な構成を示す図である。
図9を参照すると、表示装置300は、バックライト110と、パララックスバリア320と、LCD130とを含む。このうち、バックライト110およびLCD130の構成は、カラーフィルタ134における画素開口部134aの色配置を含め上記の第1の実施形態で説明したものと同様である。従って、これらの構成要素については、重複した詳細な説明を省略する。
【0054】
パララックスバリア320は、偏光板121と、端子基板122と、液晶層323と、対向基板124とを含む。本実施形態において、パララックスバリア120は、単純マトリクス方式の液晶表示素子である。端子基板122上に配置された透明電極は、対向基板124側に配置された透明電極との間で液晶層323に電圧を印加する。これによって、液晶層123に光を透過させる透過部分と光を遮光する遮光部分とが発生し、パララックスバリア320はLCD130を経て観察者に呈示される光を空間的に分離する光分離部として機能する。
【0055】
本実施形態では、パララックスバリア320が光を空間的に分離させることによって、LCD130に表示される画像が、3次元画像の表示のための4つの視点画像に分割される。つまり、表示装置300は、多視点(4視点)の視点画像を表示することが可能な立体表示装置である。後述するように、パララックスバリア320は、画像を分割する方向を、縦および横の2つの方向の間で切り替えることが可能である。また、パララックスバリア320が液晶層123に遮光部分を表示せず、LCD130を経て観察者に呈示される光を空間的に分離しないことによって、表示装置300に通常の2次元画像を表示させることも可能である。
【0056】
(3−2.視点画像表示時の例)
図10は、本開示の第3の実施形態に係る表示装置を用いて横画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、パララックスバリア320は、縦ストライプ状に透過部分と遮光部分とを発生させることで、LCD130に表示される画像を縦方向に分割する。パララックスバリア320の透過部分の幅は、画素開口部134aの縦方向の1列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、縦方向に1列ごとに順次、第1の視点画像、第2の視点画像、第3の視点画像、および第4の視点画像に割り当てられる。図示された例では、左端の列Aaが第1の視点画像に、2番目の列Abが第2の視点画像に、3番目の列Baが第3の視点画像に、4番目の列Bbが第4の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0057】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、縦方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1〜第4の視点画像のそれぞれについて、縦方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0058】
図11は、本開示の第3の実施形態に係る表示装置を用いて縦画面で3次元画像を表示する例を示す図である。この場合、パララックスバリア320は、横ストライプ状に透過部分と遮光部分とを発生させることで、LCD130に表示される画像を横方向に分割する。パララックスバリア320の透過部分の幅は、画素開口部134aの横方向の1列分に対応するように設定される。従って、画素開口部134aは、横方向に1列ごとに順次、第1の視点画像、第2の視点画像、第3の視点画像、および第4の視点画像に割り当てられる。図示された例では、上端の列1−1が第1の視点画像に、2番目の列1−2が第2の視点画像に、3番目の列2−1が第3の視点画像に、4番目の列2−2が第4の視点画像に、・・・といったように割り当てられる。
【0059】
ここで、カラーフィルタ134の構成について説明したように、横方向について、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合は、画素を構成する色の割合に等しい。それゆえ、図示された例において、第1〜第4の視点画像のそれぞれについて、横方向の列ごとの色の割合が本来の画素の色の割合と同じになる。従って、観察されるそれぞれの視点画像では、特定の色が偏って表示される列は発生せず、色モアレの発生が抑制される。
【0060】
以上、本開示の第3の実施形態について説明した。なお、本実施形態において、表示装置300は、LCD130の背面側にパララックスバリア320が配置されるリアバリア型の立体表示装置であるが、本開示の実施形態は、光分離部の特定の構造によって限定されるものではない。例えば、本開示の実施形態に係る表示装置は、パララックスバリアがLCDの前面側に配置されるフロントバリア型の立体表示装置であってもよい。また、光分離部はパララックスバリアには限定されず、上記の第2の実施形態で説明したような液晶レンズ、あるいは液体レンズなどが用いられてもよい。さらに、表示装置が多視点の視点画像を表示する場合、視点の数は4つには限られず、例えば5視点、6視点など任意の数であってもよい。
【0061】
(4.他の実施形態)
続いて、
図12〜
図14を参照して、本開示の他の実施形態について説明する。
【0062】
(画素開口部の色配置)
図12および
図13は、本開示の実施形態における画素開口部の色配置の他の例を示す図である。
図12に示されるカラーフィルタ434、および
図13に示されるカラーフィルタ534は、以下の点で、上記の第1の実施形態で説明したカラーフィルタ134と同様である。
・画素開口部134aは、横方向(第1の開口配列方向)、および縦方向(第2の開口配列方向)に配列される。
・横方向および縦方向のそれぞれについて、同じ列に配列される画素開口部134aによって表示される色の割合が画素134pを構成する色の割合に等しい。
【0063】
しかしながら、カラーフィルタ434,534では、画素開口部134aの具体的な色配置が、カラーフィルタ134とは異なる。これはつまり、上記の条件を満たすような画素開口部134aの色配置には、様々なバリエーションが存在しうることを示している。ここまでに説明したカラーフィルタ134,434,534のように、画素開口部134aの縦横4列分のブロックの色配置をパターンとして繰返すものだけでも、他に多くのバリエーションが存在する。さらに、繰り返されるパターンの範囲が異なる(例えば画素開口部134aの縦横8列分のブロックなど)ものを含めると、画素開口部134aの色配置にはほぼ無限のバリエーションがあるといってもよい。
【0064】
つまり、本開示の実施形態に係る画素開口部の色配置は、「第1の開口配列方向および第2の開口配列方向について、同じ列に配列される画素開口部によって表示される色の割合が画素を構成する色の割合に等しい」色配置であれば、本明細書で例示されるものに限らず、あらゆる色配置を包含する。
【0065】
(電子機器)
図14は、本開示の実施形態に係る電子機器の構成を示す概略的なブロック図である。上記の各実施形態で説明したような表示装置は、電子機器に組み込むことが可能である。かかる電子機器も、本開示の実施形態に包含される。
【0066】
図14を参照すると、電子機器10は、表示装置100、制御回路11、操作部12、記憶部13、および通信部14を含む。電子機器10は、例えば、テレビジョン、携帯電話(スマートフォン)、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなど、表示部として表示装置100を有する何らかの機器である。
【0067】
制御回路11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)などによって構成され、電子機器10の各部を制御する。表示装置100も、この制御回路11によって制御される。
【0068】
操作部12は、例えばタッチパッド、ボタン、キーボード、またはマウスなどによって構成され、電子機器10に対するユーザの操作入力を受け付ける。制御回路11は、操作部12が取得した操作入力に従って電子機器10を制御する。
【0069】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどによって構成され、電子機器10が機能するために必要な各種のデータを格納する。制御回路11は、記憶部13に格納されたプログラムを読み出して実行することによって動作してもよい。
【0070】
通信部14は、付加的に設けられる。通信部14は、有線または無線のネットワーク20に接続される通信インターフェースであり、例えばモデムやポート、またはアンテナなどによって構成される。制御回路11は、通信部14を介して、ネットワーク20からデータを受信し、またネットワーク20にデータを送信する。
【0071】
なお、上記の例では、第1の実施形態に係る表示装置100を含む電子機器10について説明したが、第2および第3の実施形態に係る表示装置200,300および他の実施形態に係る表示装置を含む電子機器も、同様にして実現可能である。
【0072】
(画素を構成する色)
上記の実施形態では、LCDの画素がR(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)の4色によって構成される例について説明したが、本開示の実施形態はかかる例には限定されない。例えば、画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)のように3色で構成されてもよく、また5色以上で構成されてもよい。また、画素が4色で構成される場合にも、W(白)に代えてY(黄)を用いるといったように、画素を構成する色は任意に設定されうる。
【0073】
また、画素を構成する色は、必ずしも互いに異なる色でなくてもよい。例えば、画素が4色によって構成されるという場合、4つの色は、例えばR(赤)、G(緑)、G(緑)、B(青)のように、重複した色を含んでいてもよい。この場合、画素を構成する色の割合がR:G:B=1:2:1であるため、本開示の実施形態では、第1および第2の開口配列方向について、同じ列に配列される画素開口部によって表示される色の割合がR:G:B=1:2:1になる。
【0074】
(表示部の種類)
上記の実施形態では、表示部がLCDである例について説明したが、本開示の実施形態はかかる例には限定されない。例えば、表示部は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの自発光型のディスプレイであってもよい。この場合、画素開口部は、各色の自発光素子を発光させるための電界が発生することによって、画素を構成する色を表示する領域でありうる。例えば有機ELディスプレイの場合、画素開口部は下部電極と発光層との間の絶縁膜によって形成される開口部でありうる。
【0075】
(5.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0076】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)画素を構成する色を表示する画素開口部が第1の方向および該第1の方向とは異なる第2の方向に配列され、前記第1の方向および前記第2の方向について、同じ列に配列される前記画素開口部によって表示される色の割合が前記画素を構成する色の割合に等しい表示部と、
光を空間的に分離させることによって前記表示部に表示される画像を複数の視点画像に分割し、該分割の方向が前記第1の方向と前記第2の方向との間で切り替えられる光分離部と
を備える表示装置。
(2)前記画素を構成する色は、n色(n≧3)であり、
前記画素開口部によって表示される色の配置は、前記第1の方向または前記第2の方向の少なくとも一方について、前記n色を1つずつ含むパターンの繰返しである、前記(1)に記載の表示装置。
(3)前記画素を構成する色は、4色である、前記(2)に記載の表示装置。
(4)前記画素を構成する色は、互いに異なる色である、前記(2)または(3)に記載の表示装置。
(5)前記光分離部は、前記表示部に表示される画像を、前記第1の方向または前記第2の方向に配列された前記画素開口部の1列分を単位として複数の視点画像に分割する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の表示装置。
(6)前記光分離部は、前記表示部に表示される画像を、前記第1の方向または前記第2の方向に配列された前記画素開口部の複数列分を単位として複数の視点画像に分割する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の表示装置。
(7)前記光分離部は、パララックスバリアである、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の表示装置。
(8)前記光分離部は、液晶レンズである、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の表示装置。
(9)前記画素開口部は、前記表示部に含まれるバックライトからの光を透過する領域である、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の表示装置。
(10)前記画素開口部は、前記表示部に含まれる自発光素子を発光させるための電界が発生する領域である、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の表示装置。
(11)画素を構成する色を表示する画素開口部が第1の方向および該第1の方向とは異なる第2の方向に配列され、前記第1の方向および前記第2の方向について、同じ列に配列される前記画素開口部によって表示される色の割合が前記画素を構成する色の割合に等しい表示部と、
光を空間的に分離させることによって前記表示部に表示される画像を複数の視点画像に分割し、該分割の方向が前記第1の方向と前記第2の方向との間で切り替えられる光分離部と
を有する表示装置を備える電子機器。