(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、
図2は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
【0014】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0015】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0016】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、図柄制御基板に搭載されている図柄制御用マイクロコンピュータによって制御される。
【0017】
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
【0018】
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。
【0019】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。なお、可変入賞球装置15の真上に第1始動入賞口を設け、可変入賞球装置15を第2始動入賞口としてもよい。
【0020】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出された後カウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。なお、この実施の形態では、特別可変入賞球装置20内のV入賞領域に遊技球が入り、V入賞スイッチ22で遊技球が検出されたことを大当りのラウンド継続の条件としているが、特別可変入賞球装置20内にV入賞領域を設けずに、予め設定された回数のラウンドを自動的に継続させるようにしてもよい。
【0021】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当たりになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
【0022】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。なお、各入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を入賞スイッチで検出する構成に代えて、遊技球が所定領域(例えばゲート)を通過したことを検出スイッチで検出する構成としてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0023】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
【0024】
カードユニット50には、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
【0025】
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
【0026】
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。また、V入賞領域を設けずに、特別可変入賞球装置20の開放を常に決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(例えば、15ラウンドまで)許容するようにしてもよい。
【0027】
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りになる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
【0028】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。
【0029】
また、下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
【0030】
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(第1の動作)を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤6の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
【0031】
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作(第2の動作)を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による第2の動作を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。このように、この実施の形態では、第1の動作と第2の動作とで遊技者の操作態様が異なるものとなっている。
【0032】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について
図3を参照して説明する。
図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
【0033】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータが搭載された図柄制御基板80aを含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、可変表示制御ユニットは、図柄制御基板80aとともに、各種装飾LED、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御し、スピーカ27からの音発生を制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータが搭載された音/ランプ制御基板を含む。
【0034】
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、遊技機1における主基板31および各制御基板(音/ランプ制御基板、図柄制御基板80aおよび払出制御基板37)や遊技機に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。なお、この実施の形態では、主基板31は枠側に設けられているが、盤側に設けられていてもよい。その場合、後述するような主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことにより、盤を交換する際の配線の取り回しが容易になる。
【0035】
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。
【0036】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
【0037】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0038】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0039】
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図4には、払出制御基板37、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80a等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
【0040】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0041】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0042】
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0043】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0044】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0045】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)や音/ランプ制御基板80b(の音/ランプ制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路505が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370や音/ランプ制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されたシリアル通信回路については、
図5参照)。ただし、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から音/ランプ制御用マイクロコンピュータに対してのみ信号が出力され、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータ560に対しては信号が出力されないため、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、信号を入力するシリアル通信回路を内蔵している。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と音/ランプ制御用マイクロコンピュータとの間の通信については、シリアル通信で行う構成に限られるわけではなく、パラレル通信で行うように構成してもよい。
【0046】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0047】
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0048】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
【0049】
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ22および各入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21、および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
【0050】
この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、図柄制御用基板80aに転送する。そして、図柄制御基板80aに搭載されている図柄制御手段(図柄制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、音/ランプ制御手段から演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
【0051】
図5は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。
図5に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。
【0052】
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。
【0053】
また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していたりすると、球払出処理を停止する。
【0054】
さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板90に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板90のAND回路91が出力する発射モータ94への発射モータ信号は、発射基板90から発射モータ94に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ370からの満タン信号は、発射基板90に搭載されたAND回路91の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路92からの駆動信号(発射モータ94を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路91の入力側の他方に入力される。そして、AND回路91の発射モータ信号が発射モータ94に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間は、発射モータ94への発射モータ信号の出力が停止される。
【0055】
払出制御用マイクロコンピュータ370には、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370とは、シリアル通信回路505,380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で信号(賞球要求信号、受信ACK信号)をやり取り(送受信)している。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための信号(この実施の形態における賞球要求信号)を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの賞球要求信号を受信した場合、その旨を通知する信号(受信ACK信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。この実施の形態では、賞球要求信号や受信ACK信号に特定のデータを乗せることにより、賞球要求信号や受信ACK信号を送受信するタイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間で特定のデータをやり取りするように構成している。例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出すべき賞球個数を示すデータを、賞球要求信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた賞球要求信号を払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370におけるシリアル通信による具体的な信号のやり取りについては、
図14において詳述する。
【0056】
払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、
図5では記載省略されている。なお、外部出力は、全て主基板31を介して出力するようにしてもよく、その場合、賞球情報信号については、賞球の払い出しを10個検出するごとに払出制御基板37から主基板31に信号を入力させるようにすればよく、球貸し数の情報は外部出力しないようにしてもよい。
【0057】
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
【0058】
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側には、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されている。
【0059】
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
【0060】
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、
図5に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
【0061】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0062】
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
【0063】
カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。すなわち、カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
【0064】
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
【0065】
この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。なお、この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bと図柄制御用マイクロコンピュータ100aの両方またはいずれか一方を指して、演出制御手段ということがある。また、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aを設けずに、演出制御に関して演出制御基板のみを設けてもよい。また、演出制御基板に一つのマイクロコンピュータを搭載し、当該マイクロコンピュータで演出に関する制御を行うようにしてもよい。
【0066】
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用CPU101bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するシリアル通信回路101cを内蔵している。
【0067】
中継基板77には、主基板31(の遊技制御用マイクロコンピュータ560のシリアル通信回路505)から入力された信号を音/ランプ制御基板80bに向かう方向にしか通過させない(音/ランプ制御基板80bから中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
【0068】
さらに、音/ランプ制御用CPU101bは、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
【0069】
また、音/ランプ制御用CPU101bは、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0070】
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用CPU101bとランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
【0071】
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容を決定する。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、可変表示装置9を用いて予告演出を行うか否かを決定する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、可変表示装置9を用いて行う予告演出の種類を決定する。
【0072】
なお、「予告演出」とは、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(可変表示装置9において飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。
【0073】
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31からの演出制御コマンド(例えば、表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに転送(送信)する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンドを生成する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、生成した演出内容指定コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。
【0074】
なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)に付加してもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容を付加した演出制御コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信してもよい。
【0075】
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用CPU101aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用CPU101aは、音/ランプ制御用基板80bから受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
【0076】
図柄制御用CPU101aは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用CPU101aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用CPU101aから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
【0077】
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを図柄制御基板80aに搭載するようにしてもよい。
【0078】
図6は、払出遊技球を検出可能な検出手段の方式を説明するための説明図である。
図6(A)には、誘導磁界を検知可能な近接スイッチが示されている。
図6(A)には、払出個数カウントスイッチ301として用いられている例が示されている。払出個数カウントスイッチ301のV端子には、電源基板910から+12V電源電圧が供給されている。払出個数カウントスイッチ301のO端子の電圧レベルである検出信号は、払出制御基板37に入力される。払出制御基板37において、検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370の入力ポートに入力される。また、払出個数カウントスイッチ301のV端子とO端子との間には負荷抵抗が接続されている。
【0079】
図6(B)に示されるように、近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過していない場合には、近接スイッチのO端子から電流が流れず、負荷抵抗の両端に電位差が生じるので、出力レベルは電源電圧から電位差を差し引いた値となり、払出個数カウントスイッチ301の出力は、低位判定閾値(VL)レベルを越えるが、高位判定閾値(VH)レベル未満となる。また、近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過すると、払出個数カウントスイッチ301の出力は、高位判定閾値(VH)レベルを越える。例えば、近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過すると、電源電圧とほぼ同じ電圧レベルとなってO端子から電流が流れ、このときには負荷抵抗の両端に電位差が生じないので、払出個数カウントスイッチ301の出力は、電源電圧とほぼ同じ電圧レベルとなる。また、誘導磁界を検出すると、近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過しているか否かに関わらず、払出個数カウントスイッチ301の出力は、検知閾値(VSH)レベル未満となる。例えば、誘導磁界の影響を受けると、O端子から微弱電流が流れ、負荷抵抗の両端に大きな電位差が生ずるので、電源電圧から差し引いて低い出力レベルとなる。
【0080】
図6に示す払出個数カウントスイッチ301を用いることによって、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力された検出信号が低位判定閾値(VL)レベルを越え、高位判定閾値(VH)レベル未満である場合には、遊技球がスイッチを通過していないと判定することができる。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力された検出信号が高位判定閾値(VH)以上である場合には、遊技球がスイッチを通過したと判定することができる。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力された検出信号が検知閾値(VSH)未満である場合には、誘導磁界が検知されたと判定することができる。すなわち、近接スイッチに対して外部から電波が照射されていると判定することができる。このように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301から出力される検出信号にもとづいて、遊技球がスイッチを通過したか否かとともに、外部から電波が照射されているか否かを判定することができる。なお、この実施の形態では、入力された検出信号が高位判定閾値(VH)以上である状態を、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態であるとも表現する。また、入力された検出信号が低位判定閾値(VL)レベルを越え、高位判定閾値(VH)レベル未満である状態を、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態であるとも表現する。以上のように、この実施の形態では、電波を検出したとき(払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界の影響を受けているとき)には、払出個数カウントスイッチ301の出力が検知閾値(VSH)レベル未満となるため、遊技機に電波を照射して遊技球検出スイッチを機能障害に陥らせ、賞球のカウントを不正に操作するような不正行為を検知することができる。そのため、この実施の形態では、賞球のカウントを不正に操作するような不正行為を検知したときには、払出を停止させることでそのような不正行為による被害を防ぐがことできる。なお、払出個数カウントスイッチ301は、
図6に示す例に限らず、遊技球がスイッチを通過したときと通過していないときとで出力レベルが
図6に示す例と逆の関係になる回路構成であってもよい。
【0081】
大当り判定用テーブルメモリ571は、CPU56が特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いる複数の大当り判定テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ571は、
図7(A)に示すように、確変状態以外の遊技状態(通常状態という)において用いられる通常時大当り判定テーブル571aを記憶する。また、大当り判定用テーブルメモリ571は、
図7(B)に示すように、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル571bを格納する。なお、
図7に示す判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、乱数最大値設定レジスタ535に設定された乱数最大値によって大当りと判定する確率が大きく変化することになる。この場合、例えば、設定される乱数最大値が小さすぎると、通常時大当り判定テーブル571aを用いた場合と、確変時大当り判定テーブル571bを用いた場合とで、大当りと判定する確率の差が小さくなってしまい、遊技者の遊技に対する興味を減退させてしまうことになる。そのため、乱数回路503および乱数最大値に対応づけて、複数の判定テーブル(複数の通常時大当り判定用テーブル571aおよび複数の確変時大当り判定用テーブル571b)を大当り判定用テーブルメモリ571に記憶してもよい。そして、CPU56は、大当り判定用テーブルメモリ571が記憶する判定テーブルのうち、使用する乱数回路503および乱数最大値に対応する判定テーブル571a,571bを用いて、表示結果決定プログラム552に従って、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するようにしてもよい。そのようにすることによって、使用する乱数回路503の種類や乱数最大値が異なっても、大当りと判定する確率がある程度同じになるように制御することができる。
【0082】
遊技制御手段における出力ポートのうち出力ポート0は、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続確認信号)の出力ポートである。また、出力ポート1は音/ランプ制御基板80bに送信される演出制御信号(演出制御コマンド)の出力ポートである。大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(大入賞口内誘導板ソレノイド)21Aおよび可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号は、出力ポート2から出力される。そして、出力ポート3から、情報出力回路64を介して情報端子板34やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
【0083】
次に遊技機の動作について説明する。
図8および
図9は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0084】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0085】
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
【0086】
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
【0087】
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
【0088】
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
【0089】
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
【0090】
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
【0091】
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
【0092】
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
【0093】
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
【0094】
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
【0095】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0096】
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、ステップS15に移行する。なお、ステップS93で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
【0097】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
【0098】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。なお、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセットされると、ステップS31の出力処理によって接続確認信号を出力する出力ポート0に対応するビットが出力される。接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)されるタイミングで実際に出力を開始するものでもよい。
【0099】
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
【0100】
また、CPU56は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bにランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0101】
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路505に設定することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
【0102】
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
【0103】
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
【0104】
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路505からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
【0105】
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
【0106】
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0107】
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
【0108】
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0109】
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
【0110】
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS24A,S24Bでも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0111】
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路505からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路505から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述する各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
【0112】
次に、タイマ割込処理について説明する。
図10は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS18a)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS20)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。また、CPU56は、ステップS20の検出結果にもとづいて、各スイッチの入力状態を判定する入力判定処理を実行する(ステップS21)。
【0113】
次に、CPU56は、シリアル通信回路で受信した受信ACK信号が所定のエラーの発生を示す信号であるとき(受信した受信ACK信号で所定のエラーの発生が特定されるとき)に、受信ACK信号で特定される所定のエラーのデータを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する入力データ確認処理を実行する(ステップS22)。
【0114】
また、CPU56は、ステップS21の検出結果にもとづいて、各スイッチの入力状態を判定する入力判定処理を実行する(ステップS23)。
【0115】
次に、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS24A)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS24B)。
【0116】
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS25)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
【0117】
また、CPU56は、シリアル通信回路505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS26)。なお、この実施の形態では、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、賞球要求信号の所定のビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号をシリアル通信回路505を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球要求信号の受信に応じて球払出装置97を駆動する。
【0118】
なお、この実施の形態では、入力判定処理(ステップS23)において、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、入賞数がカウントされる。そして、メイン処理の賞球処理において、カウントされた入賞数にもとづいて、賞球個数を示すデータが設定された賞球要求信号が払出制御基板37に送信される。
【0119】
また、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0120】
また、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0121】
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続確認信号に関する内容および出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0122】
次に、メイン処理における賞球処理(ステップS26)を説明する。まず、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御信号(接続確認信号)および賞球要求信号(払出制御コマンド)について説明する。
【0123】
図11は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で制御信号として接続確認信号が送受信される。
図11に示すように、接続確認信号は、主基板31の立ち上がり時(遊技制御手段が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板37に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のI/Oポート57および出力回路67を介して出力され、払出制御用マイクロコンピュータ370の入力回路373AおよびI/Oポート372eを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。接続確認信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。なお、接続確認信号は、電源投入時に実行されるステップS92,S12の処理によって出力ポート0の接続確認信号に対応するビットに初期値が設定されることによって出力可能な状態となる(具体的にはステップS31の処理によって出力されるが、ステップS92、S12のタイミングで出力されるようにしてもよい)。
【0124】
払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、シリアル通信回路380を内蔵する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505と、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するシリアル通信回路380との間で、各種払出制御コマンドが送受信される。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するシリアル通信回路380の構成及び機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505の構成及び機能と同様である。
【0125】
図12は、遊技制御手段と払出制御手段との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37とのマイクロコンピュータの間で各種制御コマンド(賞球要求信号)が送受信される。
【0126】
賞球要求信号および受信ACK信号は、8ビットのデータ(2進8桁のデータ)によって構成され、設定された8ビットのデータの内容によって所定の内容を示す制御コマンドとして出力される。
【0127】
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために一定間隔(1s)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される制御コマンドである。接続確認コマンドのデータの内容は「A0(H)」すなわち「1010000」とされている。
【0128】
接続OKコマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続状態が正常であることを通知するための制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラー(入賞にもとづく賞球払出動作や球貸し要求にもとづく球貸払出動作が正常に行えない状態になった異常状態)が発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続確認を行っている最中に、払出制御用マイクロコンピュータ370における所定のエラーの発生を遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができる。
【0129】
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を通知するための制御コマンドであって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞の発生にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球個数コマンドのデータの内容は「5x(H)」すなわち「0101xxxx」とされている。この実施の形態では、始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると3個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。よって、始動口スイッチ14aで遊技球が検出された場合、賞球数3個を通知するための賞球個数コマンド「01010011」が送信され、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出された場合、賞球数10個を通知するための賞球個数コマンド「01011010」が送信され、カウントスイッチ23で遊技球が検出された場合、賞球数15個を通知するための賞球個数コマンド「01011111」が送信される。なお、接続確認コマンド及び賞球個数コマンドは賞球要求信号として、何れかが送信されるように構成されている。なお、賞球個数コマンドは、賞球の払出条件(入賞等の発生)が成立したことにもとづいて、接続確認コマンドが送信されるタイミングで、接続確認コマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、上述したように、上位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定しているが、上位4ビットを共通にして下位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定するようにしてもよい。
【0130】
賞球終了コマンドは、賞球動作(賞球払出動作)が終了したことを示す制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球動作の終了にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球終了コマンドのデータの内容は「50(H)」すなわち「01010000」とされている。なお、賞球終了コマンドは、賞球動作が終了したことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、賞球終了コマンドにエラー情報を示すデータを設定するように構成してない。これは、賞球終了コマンドは賞球動作が終了したときに1回だけ送信されるので、そのタイミングでエラー情報を送らなくても次の接続OKコマンドにエラー情報を示すデータを設定して送るようにすることが可能であるからである。なお、賞球終了コマンドの下位4ビットにエラー情報を示すデータを設定するようにしてもよい。
【0131】
賞球準備中コマンドは、所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを通知する制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球動作の実行中に所定のエラーが発生したことにもとづいて送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラーが発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球動作の実行中に所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができるとともに、エラーの内容も遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができる。賞球準備中コマンドは、接続OKコマンドと同様に、下位4ビットの内容をエラー状態に応じて異ならせる(所定ビットを異ならせる)ことによって所定のエラーが発生したことを通知している。また、接続OKコマンド、賞球準備中コマンド、賞球終了コマンドは、受信ACK信号として、何れかのコマンドが送信されるように構成されている。なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が実行できない状態のみならず、賞球動作の実行中の状態においても出力されるコマンド(信号)である。
【0132】
なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が行えない状態になったことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。
【0133】
図13は、
図11に示す制御信号および
図12に示す制御コマンドの送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。
図13に示すように、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、制御コマンドのうちの接続確認コマンドおよび賞球個数コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル回路505から出力され、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するシリアル回路380に入力される。制御コマンドのうちの接続OKコマンド、賞球終了コマンドおよび賞球準備中コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するシリアル回路380から出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル回路505に入力される。なお、
図13では、シリアル通信を行うための信号線として2本の信号線(賞球要求信号を送信するための信号線と受信ACK信号を送信するための信号線)を示しているが、実際は1本の信号線で賞球要求信号と受信ACK信号を送受信する。
【0134】
次に、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号(賞球要求信号、受信ACK信号;制御コマンド)の送受信について説明する。賞球要求信号は、接続確認コマンドと賞球個数コマンドからなり、受信ACK信号は、接続OKコマンドと賞球終了コマンドと賞球準備中コマンドからなる。
【0135】
図14は、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号の送受信を示すタイミング図である。
図14に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ370から送信される受信ACKコマンドとしての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
【0136】
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信する。
【0137】
接続確認の通信処理の実行中(賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信してから受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを、払出制御用マイクロコンピュータ370からの受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信した後に払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、賞球の払い出し(賞球払出動作)の実行中は、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信される。
【0138】
次に、賞球処理(ステップS26)について説明する。
図15および
図16は、賞球処理を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、受信ACK信号(接続OKコマンド、賞球終了コマンド、賞球準備中コマンド)を受信したかどうかを確認し(ステップS501)、受信ACK信号を受信していない場合は(ステップS501のN)、1秒を計測する1s計測タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS502)。1s計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS502のN)、CPU56は、1s計測タイマの値を−1し(ステップS512)、10秒を計測する10s計測タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS513)。10s計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS513のN)、10s計測タイマの値を−1する(ステップS514)。一方、10s計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS513のY)、通信エラーが発生した場合であり、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して接続確認コマンドを送信する処理を実行する(ステップS511)。このような処理によって、通信エラーが発生したときは、10秒ごとに接続確認コマンドが送信されることになる。その後、CPU56は、送信済フラグをセットして(ステップS510)、処理を終了する。
【0139】
この実施の形態において、「コマンドの送信」は、シリアル通信回路の送信データレジスタにコマンドのデータを書き込むことが該当する。すなわち、このようにシリアル通信回路の送信データレジスタにコマンドのデータが書き込まれることよりシリアル通信によってコマンドが送信される。このことは、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370のいずれのコマンド送信においても同じである。
【0140】
ステップS502において、1s計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS502のY)、CPU56は、賞球個数コマンドまたは接続確認コマンドの送信済みであることを示す送信済フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS503)。送信済フラグがセットされていれば(ステップS503のY)、上記のステップS513の処理に続いてS514またはS511の処理を実行する。送信済フラグがセットされていなければ(ステップS503のN)、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370から前回受信した受信ACK信号(接続OKコマンド、賞球準備中コマンド)にエラー情報が含まれていたがどうかを確認する(ステップS504)。受信ACK信号にエラー情報が含まれていたかどうかは、後述する入力データ確認処理(
図21)におけるステップS586でエラー情報フラグがセットされたかどうかによって確認する。受信ACK信号にエラー情報が含まれていた場合は(ステップS504のY)、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する処理を実行する(ステップS511)。受信ACK信号にエラー情報が含まれていなかった場合には(ステップS504のN)、CPU56は、賞球払出動作の実行中(正常な状態であれば賞球個数コマンドを送信したことに基づいて賞球動作の実行中となる)であることを示す賞球中フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS505)。
【0141】
賞球中フラグがセットされていれば(ステップS505のY)、CPU56は、接続確認コマンドを送信する処理を実行する(ステップS511)。賞球中フラグがセットされていなければ(ステップS505のN)、CPU56は、未払出賞球個数があるかどうかを確認する(ステップS506)。未払出賞球個数があるかどうかは、賞球コマンド出力カウンタの値が0であるかどうか(0であれば未払出賞球個数がなく、0でなければ未払出賞球個数がある)を確認することが可能である。未払出賞球個数がなければ(ステップS506のN)、接続確認コマンドを送信する処理を実行する(ステップS511)。未払出賞球個数があれば(ステップS506のY)、CPU56は、総賞球数格納バッファから賞球個数コマンドで指定した賞球数を減算し(ステップS507)、未払出賞球個数に応じた賞球個数を示す賞球個数コマンドを送信する処理を実行する(ステップS508)。
【0142】
賞球個数コマンドを送信する際には、所定の賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「3」)が設定され、その後に、賞球コマンド出力カウンタと、賞球数を指定する賞球指定データとが、順次設定されている。賞球コマンド出力カウンタとは、入賞口への入賞数をカウントするカウンタであり、例えば、ROM54に設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数(0〜15個)毎に、対応する賞球コマンド出力カウンタを備える。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数「3」に対応する賞球コマンド出力カウンタ1と、賞球数「10」に対応する賞球コマンド出力カウンタ2と、賞球数「15」に対応する賞球コマンド出力カウンタ3とを備える。なお、各賞球コマンド出力カウンタは、後述するように、タイマ割込処理の入力判定処理でカウントアップされる。CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ3が0でなければ、賞球数(15個)を指定する賞球指定データにもとづいて賞球個数(15個)を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定された賞球要求信号を賞球個数コマンドとして払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ3の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ2の値が0でなければ、賞球数(10個)を指定する賞球指定データにもとづいて賞球個数(10個)を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定された賞球要求信号を賞球個数コマンドとして払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ3および賞球コマンド出力カウンタの値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ1の値が0でなければ、賞球数(3個)を指定する賞球指定データにもとづいて賞球個数(3個)を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定された賞球要求信号を賞球個数コマンドとして払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。
【0143】
次に、CPU56は、賞球中フラグをセットし(ステップS509)、送信済フラグをセットして(ステップS510)、処理を終了する。なお、ステップS524の処理を行う前に、賞球準備中コマンドの受信を確認し、賞球準備中コマンドを受信した場合に賞球中フラグをセットするようにしてもよい。また、コマンドの送信を行う前に賞球数を減算する減算処理を行うようにしてもよい。また、ステップS510の処理の前または後にステップS521(1s計測タイマのセット)やステップS522(10s計測タイマのセット)の処理を行うようにしてもよい。
【0144】
ステップS501において、受信ACK信号を受信しているときは(ステップS501のY)、CPU56は、1s計測タイマをセットし(ステップS521)、10s計測タイマをセットし(ステップS522)、送信済フラグをリセットする(ステップS523)。そして、CPU56は、賞球終了コマンドを受信したかどうか、すなわち、受信ACK信号が賞球終了コマンドであるかどうかを確認する(ステップS524)。賞球終了コマンドであれば、賞球中フラグをリセットして(ステップS525)、処理を終了する。なお、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370側がエラー状態に設定された場合であっても、一度送信した賞球個数コマンドを再度送信することは行わない。
【0145】
上記のように、この実施の形態では、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを送信するときに、賞球コマンド出力カウンタの値を1減算する減算処理を実行する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球払出をまだ行っていない。賞球払出が完了したときに総賞球数格納バッファの減算処理を行うように構成すると、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって、不正に多数の賞球払出が行われてしまう。例えば、賞球個数コマンドで15個の賞球払出が指令された場合に、10個の賞球払出がなされた時点で、不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させると、賞球コマンド出力カウンタの内容はなんら減算されていないので、実際には10個の賞球払出はなされているにも関わらず、その10個の賞球払出はなされていないものとして、賞球制御を続行してしまう。しかし、この実施の形態では、賞球個数コマンドを送信したときに、賞球コマンド出力カウンタの減算処理が実行されるので、上記の不正行為を防止することができる。
【0146】
また、CPU56は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを受信したときに、賞球コマンド出力カウンタの減算処理を行うように構成すると、CPU56が賞球終了コマンドの受信を認識できない場合は、何度も賞球個数コマンドを送信してしまい、過度の賞球払出が行われてしまうおそれがあるが、この実施の形態では、賞球個数コマンドを送信したときに、賞球コマンド出力カウンタの減算処理が実行されるので、上記の不都合が生じることを防止することができる。
【0147】
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。
図17は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞し、入賞検出信号SSが始動口スイッチ14aから入力されていたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
【0148】
始動口スイッチ通過処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、例えば、始動入賞カウンタが示す始動入賞記憶数(または特図保留メモリ570が記憶している始動入賞記憶数)が最大値である4に達していなければ、タイマ割込処理の実行回数が所定回数(例えば2回)に達しているか否かを確認する。そして、タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達している場合、CPU56は、特定した乱数回路503の乱数値記憶回路531に出力制御信号SCを出力し、乱数値記憶回路531を読出可能(イネイブル)状態に制御する。さらに、CPU56は、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出し、読み出したランダムRの値を、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ(特図保留メモリ570))に格納する。また、CPU56は、乱数値記憶回路531への出力制御信号SCの出力を停止し、乱数値記憶回路531を読出不能(ディセイブル)状態に制御する。そして、CPU56は、所定のバッファ領域に格納したランダムRの値を特図保留メモリ570の空エントリの先頭にセットし、始動入賞カウンタのカウント数を1加算することで始動入賞記憶数を1増やした後に始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、CPU56は、始動入賞記憶するが最大値である4に達している場合および割込処理の実行回数が所定回数に達してない場合には、そのまま始動口スイッチ通過処理を終了する。
【0149】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態(例えば、特別図柄表示器8において図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8における前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特図保留メモリ570に記憶されている乱数回路503が発生したランダムRにもとづいて、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0150】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0151】
変動時間設定処理(ステップS302):変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0152】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0153】
特別図柄停止処理(ステップS304):音/ランプ制御基板80bに対して、飾り図柄の停止を指示するための飾り図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、飾り図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、図柄制御基板80aは、音/ランプ制御基板80bを経由して主基板31から受信した変動パターンコマンドにもとづいて変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
【0154】
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)やフラグ(入賞口への入賞を検出する際に用いられるフラグ)を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0155】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを音/ランプ制御基板80bに送出する制御や大入賞口の閉成条件(例えば、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞したこと)の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0156】
特定領域有効時間処理(ステップS307):大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。なお、V入賞領域を設けた場合、V入賞スイッチの有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。
【0157】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0158】
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)について説明する。
図18は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態のとき(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS380)、特図保留メモリ570から保留番号「1」に対応して格納されているランダムRの値を読み出す(ステップS381)。この場合、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント数を1減算することで保留記憶数を1減らし、且つ、特図保留メモリ570の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納されたランダムRの値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS382)。
【0159】
また、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS383)。すなわち、CPU56は、遊技状態が確変状態に制御されているか否かを確認する。確変フラグがセットされていない場合、CPU56は、遊技状態が確変状態以外の通常状態であると判断し、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いるテーブルとして、通常時大当り判定テーブル571a(
図7(A)参照)を設定する(ステップS384)。また、確変フラグがセットされている場合、CPU56は、遊技状態が確変状態であると判断し、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いるテーブルとして、確変時大当り判定テーブル571b(
図7(B)参照)を設定する(ステップS385)。
【0160】
CPU56は、始動口スイッチ通過処理において所定のバッファ領域に格納したランダムRの値にもとづいて、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する(ステップS386)。この場合、CPU56は、ステップS384で設定した通常時大当り判定テーブル571aまたはステップS385で設定した確変時大当り判定テーブル571bを用いて、大当りとするか否かを判定する。
【0161】
特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とすると決定すると、CPU56は、大当り状態であることを示す大当りフラグをオン状態にする(ステップS387)。また、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄としないと決定すると、CPU56は、大当りフラグをオフ状態にする(ステップS388)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS389)。
【0162】
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS20)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。
図19は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。
【0163】
図20は、遊技制御処理におけるステップS20のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力し(ステップS101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS102)。
【0164】
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS104,S105)。
【0165】
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0のデータを入力し(ステップS106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS108)。ステップS103〜S108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
【0166】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
【0167】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS111)、ステップS108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS112)。
【0168】
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
【0169】
図21は、入力データ確認処理を示すフローチャートである。入力データ確認処理において、CPU56は、シリアル通信回路505のデータ(入力データ)を読み込み(ステップS581)、入力データと、RAMに形成されている入力データバッファの内容との間でビット毎に排他的論理和をとる(ステップS582)。入力データとRAMに形成されている入力データバッファの内容との間で、論理(「1」または「0」の意味)が異なっているビットがあれば、8ビットの排他的論理和の演算結果は00(H)にはならない。
【0170】
そして、CPU56は、排他的論理和の演算結果が00(H)であるか否か判定する(ステップS583)。演算結果が00(H)であれば処理を終了する。演算結果が00(H)でなければ、入力データを入力データバッファに保存し(ステップS584)、入力データ(受信ACK信号のデータ)にエラー情報が含まれているかどうかを確認する(ステップS585)。なお、ステップS585の処理は、入力データの下位4ビットがゼロであるか否かを判定(ゼロフラグで判定するなど)する処理である。入力データにエラー情報が含まれている場合は、受信ACK信号にエラー情報が含まれている(設定されている)ことを示すエラー情報フラグをセットし(ステップS586)、入力データをコマンドバッファに設定する(ステップS587)。そして、演出制御コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS588)。一方、受信ACK信号にエラー情報が含まれていない場合にはエラー情報フラグをリセットする(ステップS589)。CPU56は、ステップS29の演出制御コマンド制御処理で、演出制御コマンド送信要求フラグがセットされていることを確認したら、コマンドバッファの内容を演出制御コマンドとして送信する。なお、演出制御コマンド制御処理で演出制御コマンドを送信するのではなく、演出制御コマンド送信要求フラグをセットすることに代えて、直ちに演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
【0171】
以上のような制御によって、シリアル通信回路505の入力データが変化したことを条件に、入力データが演出制御用マイクロコンピュータ100に伝達される。その際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力データを、そのまま演出制御コマンドとして送信する。よって、シリアル通信回路505に入力される信号が示す情報が多数あっても、遊技制御手段の制御負担は軽い。ただし、シリアル通信回路505の入力データを一旦取り込んで、取り込んだデータを、毎回、入力データバッファに保存するようにしてもよい。
【0172】
また、入力データが変化したことを条件に入力データに関する演出制御コマンドが主基板31から出力されるので、例えば、所定の制御期間(2ms間隔の期間)に常に1回演出制御コマンドを送信するように構成されている場合に比べて、演出制御コマンドの送信周期が把握されづらくなる。つまり、所定の制御期間の周期が把握されづらくなる。所定の制御期間では、大当りに関わる乱数を生成するためのカウンタの値が1づつ更新されるので、所定の制御期間の周期が把握されやすいとカウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなる。所定のタイミングとは、大当り判定用乱数をソフトウェアで作成したり、大当り図柄決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定するように構成されている場合における大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するタイミングや大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄に対応する値と一致するタイミングなどである。カウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなるということは、不正行為を受けやすくなるということであるが、この実施の形態では、不正行為を受けにくくすることができる。
【0173】
次に、タイマ割込処理における入力判定処理(ステップS21)を説明する。入力判定処理では、
図22に示す賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルが使用される。賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルは、ROM54に設定されている。賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「6」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファ(2バイトのスイッチオンバッファのうちの入力ポート0に対応する方)の下位アドレス、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球コマンド出力カウンタが、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(例えば7F(H))である。また、賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルにおいて、6つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。なお、この実施の形態では、ROM54およびRAM55のアドレスは16ビットで指定される。
【0174】
図23は、入力判定処理を示すフローチャートである。入力判定処理において、CPU56は、賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS2111)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS2112)。次に、スイッチオンバッファの上位アドレス(8ビット)を2バイトのチェックポインタの上位1バイトにセットする(ステップS2113)。
【0175】
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS2114)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルのデータ(この場合にはスイッチオンバッファの下位アドレス)をチェックポインタの下位1バイトにセットした後(ステップS2115)、ポインタの値を1増やす(ステップS2116)。次いで、チェックポインタが指すアドレスのデータ、すなわちスイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS2117)、ロードした内容と、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS2118)。この結果、スイッチオンバッファの内容がロードされたレジスタには、検査対象としているスイッチの検出信号に対応したビット以外の7ビットが0になる。そして、ポインタの値を1増やす(ステップS2119)。
【0176】
ステップS2118における演算結果が0でなれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば(ステップS2120)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタ(賞球コマンド出力カウンタ処理テーブルのデータ)のカウント値をロードする(ステップS2121)。また、CPU56は、ロードしたカウント値に1を加算する(ステップS2122)。
【0177】
次いで、CPU56は、加算結果が256であるか否かを確認する(ステップS2123)。加算結果が256でなければ(すなわち、255以下であれば)、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタに加算結果をストアする(ステップS2124)。加算結果が256であれば、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタに加算結果をストアすることなく、ステップS2125に移行する。
【0178】
この実施の形態では、各賞球コマンド出力カウンタのカウント値の最大値が255に設定されている。そのため、ステップS2123,S2124の処理では、カウント値が255に達するまでは、入賞口への遊技球の入賞を検出する毎に、賞球コマンド出力カウンタのカウント値が1ずつ加算される。そして、カウント値が255に達すると、入賞口への遊技球の入賞を検出しても、賞球コマンド出力カウンタのカウント値は更新されない。
【0179】
また、この実施の形態では、CPU56は、賞球コマンド出力カウンタのカウント値をカウントアップすることによって、払い出すべき賞球数を特定可能なデータを記憶手段に記憶させる。なお、CPU56は、例えば、払い出すべき賞球数を所定のバッファに直接記憶させるようにしてもよい。また、CPU56は、賞球数そのものを記憶させるのではなく、例えば、払い出すべき賞球数を示すデータを所定のバッファに記憶させるようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、賞球数3に対してデータ「01」を記憶させ、賞球数10に対してデータ「02」を記憶させる等の制御を行ってもよい。
【0180】
ステップS2125では処理数を1減らし、処理数が0でなければステップS2114に戻る(ステップS2126)。処理数が0であれば、処理を終了する。
【0181】
次に、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ370)の動作を説明する。払出制御手段における出力ポートのうち、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号を出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。なお、払出制御基板37には、カードユニット50へのEXS信号およびPRDY信号を出力するための出力ポート3も設けられている。
【0182】
払出制御手段における入力ポート0のビット4には、主基板31からの接続確認信号が入力される。また、ビット6,7には、それぞれ、球切れスイッチ187の検出信号、および払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット1〜3には、それぞれ、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。
【0183】
次に、払出制御手段の動作について説明する。
図24は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの設定を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの設定を行う(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(ステップS707)。なお、この実施の形態では、払出制御手段で記憶される情報はバックアップされていないため、RAM領域のフラグやカウンタなどの情報は、電源の再投入が行われると初期化される。
【0184】
また、この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0185】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
【0186】
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。
【0187】
次に、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS712)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS713)。ステップS713の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。
【0188】
また、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS713a)。この場合、払出制御用CPU371は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が行うシリアル通信回路設定処理(ステップS15a参照)と同様の処理に従って、シリアル通信回路380に遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信させるための設定を行う。
【0189】
シリアル通信回路380を初期設定すると、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS713b)。この場合、この場合、払出制御用CPU371は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が行う優先順位の初期設定処理(ステップS15b参照)と同様の処理に従って、割込処理の優先順位を初期設定する。
【0190】
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用マイクロコンピュータ370に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(ステップS714)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS715)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
【0191】
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、タイマ割込処理を実行する。
【0192】
図25は、払出制御手段が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、払出制御処理として以下の処理を実行する。まず、払出制御用CPU371は、入力判定処理を行う(ステップS751)。入力判定処理は、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット3〜6の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット3〜6の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。
【0193】
次に、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
【0194】
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数コマンドが示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
【0195】
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。
【0196】
本実施の形態では、エラー処理において各種エラー(例えば、満タンエラーや球切れエラー、プリペイドカードユニット未接続エラー)が検出されると、検出されたエラーに対応するエラービットがセットされる。そして、ステップS759の表示制御処理において、エラービットがセットされていることにづいて、払出制御用CPU371は、エラー表示LED374に所定の表示を行う。また、払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球払出を行っている状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、賞球払出を終了したら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
【0197】
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
【0198】
次に、ステップS755の主制御通信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371が各種コマンドを送受信する動作を説明する。
図13に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560と各種コマンドをシリアル通信するシリアル通信回路380を内蔵している。払出制御用マイクロコンピュータ370は、シリアル通信回路380を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から
図12に示す賞球個数コマンドを受信する。また、賞球個数コマンドを受信すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、シリアル通信回路380を用いて、
図12に示す賞球ACKコマンド「D2」を受信確認信号として送信する。
【0199】
また、払出制御用CPU371は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56と同様に、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路380からの割り込み要求があると、シリアル通信回路380が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。この実施の形態では、払出制御用CPU371は、割り込み原因がシリアル通信回路380が受信データを受信したことであると特定すると、受信時割込処理を実行する。この場合、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする。なお、払出制御用CPU371は、受信時割込処理において、受信時割込フラグをセットするのでなく、シリアル通信回路380の受信データレジスタからデータを読み込んでもよい。この場合、例えば、払出制御用CPU371は、受信時割込処理において、読み込んだ受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判断する。また、受信データが賞球個数コマンドである場合、払出制御用CPU371は、賞球個数コマンドが示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算してもよい。そのようにすれば、後述する主制御通信処理において、受信時割込フラグがセットされていることにもとづいて受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判定し(後述するステップS542〜S545参照)、賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する処理(後述するステップS546参照)を実行する必要がなくなる。
【0200】
図26は、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371が、主基板31の遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と通信を行う主制御通信処理を示すフローチャートである。なお、主制御通信処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンド(賞球要求信号としての接続確認コマンドや賞球個数コマンド)を受信したことにもとづくコマンド受信割込処理(シリアル通信回路380の受信データレジスタにデータが格納されたときに発生する内部割込である受信割込にもとづく割込処理)内の処理として実行される。ただし、主制御通信処理をタイマ割込処理内の処理として実行するように構成してもよい。
【0201】
主制御通信処理において、払出制御用CPU371は、接続確認信号がオン状態であるか否かを確認する(ステップS541)。なお、接続確認信号がオン状態であるということは、電力供給がなされ遊技制御手段において遊技の進行を制御可能な状態であることを意味し、接続確認信号がオフ状態であるということは、電力供給停止時処理が開始され遊技制御手段において遊技の進行が不能な状態であることを意味する(接続確認信号は、電力供給停止時処理における出力ポートクリア処理でオフ状態にされる。)。
【0202】
払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380が受信したデータを格納する受信データレジスタからデータを読み込む(ステップS542)。そして、払出制御用CPU371は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを受信したかどうかを確認し(ステップS543)、接続確認コマンドを受信したとき(受信データレジスタから読み込んだデータが接続確認コマンドであるとき)は(ステップS543のY)、接続OKコマンドの上位4ビットのデータをRAM55の所定のデータ格納領域にセットする(ステップS547)。また、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生したとき、つまり、エラー処理で賞球エラーフラグ、満タンエラーフラグ、球切れエラーフラグまたはドア開放エラーフラグがセットされたときは(ステップS548のY)、接続OKコマンドのデータにエラー情報を付加する。具体的には、エラー状態を示す情報(エラー情報)を接続OKコマンドの下位4ビットに設定する(ステップS549)。なお、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生していないときは(ステップS548のN)、接続OKコマンドの下位4ビットに「0000」が設定される。そして、ステップS547で所定のデータ格納領域にセットされた接続OKコマンドの上位4ビットのデータと、接続OKコマンドの下位4ビットのデータ(エラー情報を示すデータまたは「0000」のデータ)を送信データレジスタに書き込むことにより、接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する(ステップS552)。
【0203】
接続確認コマンドを受信していないときは(ステップS543のN)、払出制御用CPU371は、賞球払出動作が終了したかどうかを確認する(ステップS544)。なお、賞球払出動作が終了したかどうかは、一連の払出処理が終了したときにセットするフラグ(払出終了フラグ)を確認することにより判断することが可能である。賞球払出動作が終了していれば(ステップS544のY)、払出制御用CPU371は、賞球終了コマンドのデータを送信データレジスタに書き込む(ステップS550)。なお、ステップS550の処理を実行する前(または後)に払出終了フラグをリセットする。払出終了フラグは払出処理の結果、未払出数が0になったとき(ステップS654のY)にセットされる。
【0204】
賞球払出動作が終了していなければ(ステップS544のN)、払出制御用CPUは、賞球払出動作中であるかどうかを確認し(ステップS545)、賞球払出動作中であれば(ステップS545のY)、賞球準備中コマンドの上位4ビットのデータをRAM55の所定のデータ格納領域にセットする(ステップS551)。また、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生したとき、つまり、賞球エラーフラグ、満タンエラーフラグ、球切れエラーフラグまたはドア開放エラーフラグがセットされたときは(ステップS548のY)、賞球準備中コマンドのデータにエラー情報を付加する。具体的には、エラー状態を示す情報(エラー情報)を賞球準備中コマンドの下位4ビットに設定する(ステップS549)。なお、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生していないときは(ステップS548のN)、接続OKコマンドの下位4ビットに「0000」が設定される。そして、ステップS551で所定のデータ格納領域にセットされた賞球準備中コマンドの上位4ビットのデータと、賞球準備中コマンドの下位4ビットのデータ(エラー情報を示すデータまたは「0000」のデータ)を送信データレジスタに書き込むことにより、賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する(ステップS552)。
【0205】
賞球払出動作中でなければ(ステップS545のN)、払出制御用CPU371は、賞球個数コマンドが示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS546)。そして、接続OKコマンドの上位4ビットのデータをRAM55の所定のデータ格納領域にセットする(ステップS547)。また、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生したとき、つまり、賞球エラーフラグ、満タンエラーフラグ、球切れエラーフラグまたはドア開放エラーフラグがセットされたときは(ステップS548のY)、接続OKコマンドのデータにエラー情報を付加する。具体的には、エラー状態を示す情報(エラー情報)を接続OKコマンドの下位4ビットに設定する(ステップS549)。なお、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラーまたはドア開放エラーが発生していないときは(ステップS548のN)、接続OKコマンドの下位4ビットに「0000」が設定される。そして、ステップS547で所定のデータ格納領域にセットされた接続OKコマンドの上位4ビットのデータと、接続OKコマンドの下位4ビットのデータ(エラー情報を示すデータまたは「0000」のデータ)を送信データレジスタに書き込むことにより、接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する(ステップS552)。
【0206】
なお、接続OKコマンドまたは賞球準備中コマンドにエラー情報を設定する場合、エラー処理においてエラービットをセットするときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560側に通知するエラー情報に対応するビットに対して1バイトの領域のうちの4ビットを固めてセットする。これによって、その4ビットをそのまま遊技制御用マイクロコンピュータ560側に送信するコマンドの下位4ビットにセットすることが可能となる。
【0207】
図27は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号の出力電圧が高位判定閾値(VH)以上であり、遊技球の通過を示すオン状態になったことを確認したら(ステップS601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS602,S603)。また、賞球未払出個数カウンタの値を1減算すると、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。なお、
図27に示す例に限らず、賞球球貸し制御処理において、例えば、賞球の払い出しを検出したときには、10個検出するごとに主基板31に出力するようにしてもよい。
【0208】
また、ステップS601において、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号の出力電圧が高位判定閾値(VH)以上でない場合には、払出制御用CPU371は、検出信号の出力電圧が検知閾値(VSH)未満であるか否かを確認する(ステップS606)。そして、検出信号の出力電圧が検知閾値(VSH)未満でなければ、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。一方、検出信号の出力電圧が検知閾値(VSH)未満であれば、払出制御用CPU371は、エラーフラグの払出スイッチ異常検出エラー3ビットをセットする(ステップS607)。ステップS606では、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号の出力電圧が検知閾値(VSH)未満であるか否か、すなわち、払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界の影響を受けているか否かが判定される。払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界の影響を受けている場合には、例えば、電波がパチンコ遊技機に対して照射されることによって、遊技球検出スイッチが機能障害に陥り、賞球のカウントが不正に操作されてしまう可能性がある。そのため、ステップS606で検出信号の出力電圧が検知閾値(VSH)未満であると判定した場合には、異常を検知したとしてエラーフラグのビットがセットされる。
【0209】
なお、
図12に示す例では、ステップS606の処理は、球貸し中または賞球払出中であるか否かにかかわらず実行されているが、球貸し中または賞球払出中にだけ実行されるようにしてもよい。電波を照射して遊技球検出スイッチを機能障害に陥らせ、賞球のカウントを不正に操作する不正行為は、球貸し中または賞球払出中に行われやすい。遊技球の通過を遊技球検出スイッチが検出しても、電波を照射することで検出していない状態にすること(例えば、遊技球を検出したときにローレベルの出力状態となる遊技球検出スイッチの場合、払出中に電波を照射することで、遊技球を検出したにもかかわらず検出していないときと同じ出力状態にすること)で、未払出数の減算が行われず、払出のリトライが繰り返し行われることになるからである。この実施の形態では、電波を検出したとき(払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界の影響を受けているとき)に、異常を検知したものとして、払出制御を停止することで、そのような不正行為を防止することができるが、不正行為によらない電波を検出した場合に払出制御を停止してしまう可能性がある。しかし、球貸し中または賞球払出中に電波を検出したときにだけ異常を検知したものとして払出制御を停止するように制御することで、不正行為によらない電波を検出した場合にエラー状態に移行する可能性を少なくすることができる。また、
図12に示す例では、ステップS607でエラーフラグの払出スイッチ異常検出エラー3ビットをセットした後に、賞球球貸し制御処理を終了しているが、異常を検知したまま球貸し等の他の処理を実行させないように、処理を無限にループさせ払出制御用マイクロコンピュータ370の動作を停止させるようにしてもよい。
【0210】
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行うときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払い出しが検出される毎に、払い出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371がエラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球は、払い出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ301によって検出されるのであるが、払出制御用CPU371は、球払出装置97から遊技球が払い出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ301によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
【0211】
図28は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、BRDY信号がオン状態でなければ(ステップS621)、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。ただし、エラービットがセットされていたら、ステップS631以降の処理を実行しない(ステップS622)。エラーフラグにおけるエラービットには、主基板未接続エラーのビット、賞球エラー(払出スイッチ異常検知エラー1、払出スイッチ異常検知エラー2、払出スイッチ異常検知エラー3、払出ケースエラー、プリペイドカードユニット未接続エラー、プリペイドカードユニット通信エラー)のビット、満タンエラーのビット、球切れエラーのビット、ドア開放エラーのビットが含まれている。また、主基板未接続エラーは主基板31からの接続確認信号がオフ状態であるときにセットされる。従って、払出制御用CPU371は、遊技機に対して電力供給が開始された後、接続確認信号がオン状態になったことを条件に、実質的な制御を開始する。接続確認信号がオン状態であるということは、電力供給がなされ遊技制御手段において遊技の進行を制御可能な状態であるので、遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行可能であることを意味する。一方、接続確認信号がオフ状態であるということは、電力供給が停止され遊技制御手段において遊技の進行が不能な状態であるので、遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行不可能であることを意味する。よって、払出制御用CPU371は、主基板未接続エラーのビットがセットされているときには、賞球の払出制御を停止する。一方、この例では、エラービットの確認を行うことなく貸し球の払出制御を実行する構成とされており、主基板未接続エラーのビットがセットされていても、球貸し制御は継続して行う。
【0212】
BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら(ステップS623)、払出制御用CPU371は、VL信号がオン状態であるか否かを確認する(ステップS623a)。VL信号がオン状態であれば、払出制御用CPU371は、球貸し動作中フラグをセットする(ステップS624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS626)。なお、ステップS623aでVL信号がオン状態でなければ、払出制御用CPU371は、ステップS624以降の処理を行わず、ステップS622に進む。
【0213】
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
【0214】
その後、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
【0215】
ステップS631では、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS635)、ステップS627に移行する。
【0216】
図29は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用CPU371は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用CPU371は、例えば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグ(具体的には回転数バッファが0となって払出モータの駆動制御が終了したときにセットされるフラグ)をセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
【0217】
払出動作が終了した場合には、払出制御用CPU371は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
【0218】
図30〜
図31は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、再払出動作を試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払い出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数コマンドを受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
【0219】
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
【0220】
払出通過待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS653に移行する(ステップS650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS650の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。この場合には、ステップS650からS653に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
【0221】
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否か(ステップS623,S624参照)によって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS655)、払出制御コードを0にして(ステップS656)、処理を終了する、
【0222】
払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビット、払出スイッチ異常エラー3ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS659)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
【0223】
再払出処理を実行するために、払出制御用CPU371は、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS666)。また、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットする。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS666において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS666が用いられるからである。すなわち、払出制御用CPU371は、ステップS666において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS667)、処理を終了する。
【0224】
なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
【0225】
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、
図28に示された払出開始待ち処理においてのみである。
図29に示された払出モータ停止待ち処理および
図30等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS659等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS626、S633またはステップS634の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの接続確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、接続確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。なお、遊技球の払出処理を切りのよい時点まで継続するのでなく、ステップS626、S633またはステップS634の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後であっても、エラーが発生すると直ちに遊技球の払出処理を停止するようにしてもよい。また、例えば、賞球球貸し制御処理のステップS607において、払出スイッチ異常検出エラー3が発生したときのみ直ちに遊技球の払出処理を停止するようにしてもよい。
【0226】
ステップS653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用CPU371は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS655に移行する。また、ステップS657で、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、ステップS659に移行する。
【0227】
次に、エラー処理について説明する。主基板31からの接続確認信号がオフ状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、主基板未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行う。従って、接続確認信号の入力状態の確認中に接続確認信号がオフ状態となると、エラー表示用LED374に「1」が表示されることになる。
【0228】
払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
【0229】
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。
【0230】
払出個数カウントスイッチ301の検出信号が検知閾値(VSH)レベル未満である場合(すなわち誘導磁界の影響を受けていることを示している場合)には、払出スイッチ異常検知エラー3として、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー3が発生した場合には、電源リセットによってエラーが発生する前の状態に復帰する。
【0231】
払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならないことは、例えば、払出個数カウントスイッチ301の検出信号が高位判定閾値(VH)以上にならず、低位判定閾値(VL)レベルから高位判定閾値(VH)レベル未満の状態のまま所定期間経過したことで判断される。
【0232】
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。
【0233】
また、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「9」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
【0234】
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球過多異常エラーまたは賞球過少異常エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
【0235】
なお、払出制御用CPU371は、既に述べたように、具体的には、タイマ割込処理の表示制御処理(ステップS759参照)において、エラー表示LED374にエラー表示を行う。例えば、払出制御用CPU371は、エラー処理においてプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットしたことにもとづいて(ステップS826参照)、表示制御処理において、プリペイドカードユニット未接続エラーが発生している旨を示すエラー表示「7」をエラー表示用LED374に表示する制御を行う。また、例えば、エラー処理において満タンエラービットをセットしたことにもとづいて(ステップS809参照)、表示制御処理において、満タンエラーが発生している旨を示すエラー表示「5」をエラー表示用LED374に表示する制御を行う。
【0236】
次に、音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b)の動作を説明する。
図32は、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理を開始する。メイン処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS781)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込フラグの監視(ステップS782)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのフラグをクリアし(ステップS783)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
【0237】
タイマ割込は例えば2ms毎にかかる。すなわち、音/ランプ制御処理は、例えば2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な音/ランプ制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で音/ランプ制御処理を実行してもよい。
【0238】
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS784)。なお、エラー特定コマンドを受信したときは、当該コマンドの下位4ビットの内容にもとづいて、エラーの内容(賞球エラー、満タンエラー、球切れエラー、ドア開放エラー)を特定する。そして、特定したエラーの内容に応じたエラービット(エラーフラグ)をセットする。エラービットがセットされると、報知制御プロセス処理において参照されて、エラーの内容に応じたエラー報知が実行される。エラー報知は、音、ランプ、表示のいずれか一つまたは複数の組み合わせ、もしくは全部で実行すればよく、エラーの中に可変表示装置9のみで報知を実行するものがある場合には、当該エラーのときだけ図柄制御基板にエラー特定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0239】
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容決定処理を行う(ステップS785)。演出内容決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成する。
【0240】
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音出力処理を行う(ステップS786)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC173に対して音番号データ(例えば、変動パターンコマンドに示される変動パターンに対応する音番号データ)を出力する。そして、音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。
【0241】
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランプ表示処理を行う(ステップS787)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、プロセスデータ中に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ制御を行う。
【0242】
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS788)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した演出制御コマンドや、ステップS785の演出内容決定処理で生成した演出内容指定コマンドを、図柄制御基板80aに送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS789)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、エラー特定コマンドを受信したことにもとづいて、所定のエラーが発生している旨を報知するための報知制御プロセス処理を実行する(ステップS790)。その後、ステップS782のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。なお、エラーの報知は、エラーの内容ごとに異なる音声を出力したり、エラーの内容を可変表示装置9の画面に表示したりする(例えば、「満タンエラーが生じました!」という文字を表示する)ことによって、エラーの内容を遊技者に知らせるものである。
【0243】
以上のように、この実施の形態では、遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、球払出装置97によって実現される遊技媒体の払い出しを行う払出手段と、払出手段を制御する払出制御用マイクロコンピュータ370と、払出個数カウントスイッチ301を用いて実現される払い出された遊技媒体を検出したときに信号を出力する遊技媒体検出手段とを備え、遊技媒体検出手段は、異常を検知したとき(例えば、誘導磁界を検知したとき)には異なる信号を出力し、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される信号にもとづいて払出手段を制御するとともに、遊技媒体検出手段から異なる信号が出力されると払出制御手段による制御を停止させる制御を行う。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、異常を検知し、払出制御手段による制御を停止させることができる。
【0244】
なお、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ301から単一の信号線を介して検出信号が出力され、検出信号の違いにもとづいて異常が発生したことを通知しているが、これに限らず、例えば、払出個数カウントスイッチ301から遊技媒体を検出したときに検出信号を出力する信号線とは異なる信号線を介して異常が発生したことを通知するようにしてもよい。
【0245】
また、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界を検知したときに異なる信号を出力するが、これ以外にも、例えば、払出スイッチ異常検知エラー1〜2を検出したときや、払出制御が行われているにも関わらず、遊技媒体を検出していないときに異常を検知したとして、異なる信号を出力するようにしてもよい。
【0246】
また、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー3(すなわち払出個数カウントスイッチ301が誘導磁界の影響を受けている場合)が発生した場合には、電源リセットによってエラーが発生する前の状態に復帰するように構成されているが、これに限らず、例えば、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、エラーが発生する前の状態に復帰するようにしてもよい。そのようにすることで、電源リセットによって遊技制御用マイクロコンピュータの制御にともなって変動する変動データの初期化をすることなく、停止させている払出手段による遊技媒体の払い出しを再開させることができるため、不正行為によらない異常を検知したことで払出制御手段による制御を停止してしまったときに遊技者が被る被害を軽減することができる。
【0247】
実施の形態2.
この実施の形態では、ゲート32に配置されるゲートスイッチ32a、始動入賞口14内に配置される始動口スイッチ14a、大入賞口内に配置されるカウントスイッチ23、および入賞口(普通入賞口)29,30内に配置される入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aが以下のように構成されている。
図33は、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aを構成する検出ユニット(検出装置)200の構成を説明するための説明図である。このうち、
図33(a)は、検出ユニット200を斜め上方から見た斜視図を示している。また、
図33(b)は、
図33(a)において、検出ユニット200の筐体のうちの上面部分と手前側面部分とを取り除いて内部構造を視認可能とした図を示している。また、
図33(c)は、検出ユニット200の断面図を示している。
【0248】
図33(a)に示すように、検出ユニット200は、遊技球が通過可能な通過口201が設けられ、側面側に検出信号を出力可能なコネクタ202が設けられている。また、
図33(b),(c)に示すように、検出ユニット200の内部には、通過口201内を通過する遊技球を検出するための通過検出スイッチ(本例では、フォトカプラ)が2組設けられており、それぞれの通過検出スイッチは、発光素子203a,203c(本例では、発光ダイオード)と受光素子203b,203d(本例では、フォトトランジスタ)との組み合わせにより構成されている。なお、この実施の形態では、発光素子203aと受光素子203bとで構成される通過検出スイッチの方が、発光素子203cと受光素子203dとで構成される通過検出スイッチよりも上方に位置しているので、発光素子203aと受光素子203bとで構成される通過検出スイッチを上側通過検出スイッチともいい、発光素子203cと受光素子203dとで構成される通過検出スイッチを下側通過検出スイッチともいう。
【0249】
なお、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチとして用いられるフォトカプラなどの検出素子は、同一規格・同一仕様のものを用いるものとする。そのように同一規格・同一仕様のものを用いれば、例えば、不正に電波や赤外線などを発して不正に入賞を得ようとする行為が行われた場合に、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとが同時にオン状態となる筈であるので、後述するようにスイッチ状態の遷移が正常でない場合にそのように同時にオン状態となる現象が確認できれば、電波や赤外線などを用いた不正行為が行われていることを判別することができる。
【0250】
また、
図33(b)に示すように、各通過検出スイッチは、発光素子203a,203cから受光素子203b,203dに向けて発光したときの光線205a,205bが遊技球の進行方向(
図33(a),(c)に示すX方向)に対して直交する向きとなるように配置されている。なお、光線205a,205bは遊技球の進行方向に対して必ずしも完全に直交する向きである必要はなく、略直交する向きとなるように配置されていればよい。
【0251】
また、
図33(b),(c)に示すように、検出ユニット200において、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとは、遊技球の進行方向(
図33(a),(c)に示すX方向)を軸としたときに異なる位置となるように配置されている。具体的には、
図33(c)に示すように、検出ユニット200を側面側から見たときに、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとは、遊技球の進行方向を座標軸として見たときにその座標軸上で距離の差Aが生じるように配置されている。すなわち、この実施の形態では、
図33(c)に示すように、遊技球の進行方向(X方向)に直交する向きに引かれる平行線のうち、上側通過検出スイッチは平行線αに含まれるのに対して、下側通過検出スイッチは距離A離れた平行線βに含まれており、上側通過検出スイッチは、下側通過検出スイッチとは、遊技球の進行方向(X方向)に直交する同一の並行線上以外の位置となるように配置されている。なお、この実施の形態では、通過検出スイッチとしてフォトセンサを用いていることから、通過検出スイッチ間の距離の差Aは、ごく僅かな距離(例えば、約3mm)とされる。従って、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとが遊技球の進行方向(X方向)に直交する同一の平行線上以外の位置となるように配置されているとともに、後述するように遊技球の進行方向(X方向)に対する同一の平行線上以外の位置となるように配置され、さらにごく僅かな距離Aだけ離れた平行線上に配置されていることから、通過検出スイッチとして近接スイッチなどを用いる場合と比較して、格段に検出ユニット200を薄型化することができる。また、検出範囲の誤差が少なく検出精度が高いフォトセンサを用いているので、近接スイッチなどを用いる場合と比較して精度よく遊技球を検出することができる。
【0252】
また、各通過検出スイッチは、具体的には、フレキシブル基板204に実装された状態で検出ユニット200内に取り付けられる。
図33(b)に示すように、フレキシブル基板204には、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの間の位置に折り曲げ部206が設けられており、その折り曲げ部206で折り曲げられた状態で検出ユニット200内に取り付けられる。そのように、フレキシブル基板204が折り曲げ部206で折り曲げた状態で取り付けられることによって、
図33(c)に示すように、通過検出スイッチ間に容易に距離差Aが生じるように取り付けることができる。また、フレキシブル基板204の折り曲げ角度を変更することによって通過検出スイッチ間に生じる距離差Aを容易に変更することができるので、通過検出スイッチを検出ユニット200に取り付ける際に、各々の通過検出スイッチの位置を容易に調節して取り付けることができる。
【0253】
また、この実施の形態では、フレキシブル基板204を折り曲げ部206で折り曲げた状態で取り付けることによって、遊技球の進行方向(
図33(a),(c)に示すX方向)に対して直交する向きに関しても、
図33(c)に示すように、通過検出スイッチ間に距離差Bが生じるように取り付けられている。すなわち、この実施の形態では、
図33(c)に示すように、遊技球の進行方向(X方向)に対する平行線(遊技球の進行方向(X方向)に並行な向きに引かれる平行線)のうち、上側通過検出スイッチは平行線γに含まれるのに対して、下側通過検出スイッチは距離B離れた平行線δに含まれており、上側通過検出スイッチは、下側通過検出スイッチとは、遊技球の進行方向(X方向)に対して同一の並行線上以外の位置となるように配置されている。なお、この実施の形態では、検出ユニット200の通過口201の直径が約11mmであるのに対して、通過検出スイッチ間に距離差Bが約9.5mmとなるように調整されている。そのため、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとは、一方の通過検出スイッチが通過口201の端部分に近い位置に配置され、他方の通過検出スイッチが通過口201の中心軸を対称軸として反対側の通過口201の端部分に近い位置に配置されることになる。
【0254】
上記のように、この実施の形態では、上側通過検出スイッチにおける光軸(光線205aが通る光軸)と、下側通過検出スイッチにおける光軸(光線205bが通る光軸)とが、遊技球の進行方向(X方向)、および遊技球の進行方向に対して直交する直交方向に対して、それぞれ所定距離(距離Aと距離B)離間するように、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチが配置されている。
【0255】
また、
図33(b)に示すように、検出ユニット200において、上側通過検出スイッは、発光素子203aから受光素子203bに向けて発光したときの光線205aの向きが、下側通過検出スイッチの発光素子203cから受光素子203dに向けて発光したときの光線205bの向きとは異なる向きとなるように配置されている。具体的には、
図33(b)に示すように、通過口201を挟んで発光素子203a,203cと受光素子203b,203dとが互い違いになるように配置されており、通過検出スイッチ間で光線205a,205bの向きが逆向きとなるように構成されている。そのように光線の向きを異ならせることにより、例えば、発光素子203cが発光した光線が上側通過検出スイッチの受光素子203bでも受光されて干渉を生じてしまうような事態を防止することができ、上側通過検出スイッチの発光素子203aから受光素子203bに向けて発光したときの光線205aが、下側通過検出スイッチの発光素子203cから受光素子203dに向けて発光したときの光線205bの影響を受けてしまうことを防止することができる。なお、通過検出スイッチ間で光線の向きは必ずしも完全に逆向きである必要はなく、少なくとも通過検出スイッチ間で光線の向きが同じ向きとならないようにされていればよい。
【0256】
なお、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの配置の仕方は、この実施の形態に示したものにかぎらず、例えば、誤検出の可能性は高まるものの、上側通過検出スイッチの光線205aの向きと下側通過検出スイッチの光線205bの向きとが同じ側の向きとなるように配置してもよい。また、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとを遊技球の進行方向(X方向)に対して同一の平行線上とはならないように配置するのであれば、例えば、上面側から見て上側通過検出スイッチの光線205aと下側通過検出スイッチの光線205bとが交差する向きになるように配置しても、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの間に距離差を生じさせることができ、通過検出スイッチ間で光線の影響が小さくなるようにすることができる。
【0257】
なお、この実施の形態では、検出ユニット200が2つの通過検出スイッチを備える場合を示しているが、検出ユニット200は、2つにかぎらず3以上の通過検出スイッチを備えていてもよい。
【0258】
次に、検出ユニット200を遊技球が通過するときの状態遷移について説明する。
図34は、検出ユニット200を遊技球が通過するときの状態遷移を説明するための説明図である。なお、
図34に示す例では、
図34(a)(b)(c)(d)(e)の順に状態が遷移する。また、
図35は、検出ユニット200を遊技球が通過するときの上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの検出状態の変化を時間経過とともに示したタイムチャートである。
【0259】
まず、
図34(a)に示すように、遊技球207が検出ユニット200の通過口201の入口に入球する直前の状態では、検出ユニット200の通過口201内には遊技球207が存在しておらず、発光素子203a,203cと受光素子203b,203dとの間の光線を遮るものはない。従って、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチともに、発光素子203a,203cからの光線が受光素子203b,203dで正常に受光され、上側通過検出スイッチの検出信号および下側通過検出スイッチの検出信号として、ともにハイレベルの信号がコネクタ202から出力される。
【0260】
なお、この実施の形態では、通過検出スイッチにおいて遊技球207を検出していない場合には、受光素子203b,203dで正常に受光され検出信号としてハイレベルの信号が出力されるのであるから、検出信号としてハイレベルの信号が出力されている状態が通過検出スイッチがオフの状態である。一方、通過検出スイッチにおいて遊技球207を検出している場合には、遊技球207によって光線が遮られ、受光素子203b,203dで受光できなくなり検出信号としてローレベルの信号が出力されるのであるから、検出信号としてローレベルの信号が出力されている状態が通過検出スイッチがオンの状態である。
【0261】
以上のことから、
図34(a)に示す状態では、
図35の区間(a)で示すように、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチともにオフの状態となる。
【0262】
次いで、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内に進入し、遊技球が207検出ユニット200の通過口201内の上側に位置する状態となると、
図34(b)に示すように、まず発光素子203aと受光素子203bとの間の光線のみが遮られた状態に変化する。そのため、受光素子203bで受光できなくなり、上側通過検出スイッチからは検出信号としてローレベルの信号が出力されている状態となり、上側通過検出スイッチはオン状態となる。一方、
図34(b)に示すように、発光素子203cと受光素子203dとの間の光線は依然として遮られた状態とはなっておらず、下側通過検出スイッチからは検出信号としてハイレベルの信号が出力されたままの状態であり、下側通過検出スイッチはオフ状態のままである。従って、
図34(b)に示す状態では、
図35の区間(b)で示すように、上側通過検出スイッチがオンの状態であり、下側検出スイッチがオフの状態となる。
【0263】
次いで、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内にさらに進入し、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内の中央に位置する状態となると、
図34(c)に示すように、発光素子203aと受光素子203bとの間の光線および発光素子203cと受光素子203dとの間の光線の両方が遮られた状態に変化する。そのため、受光素子203bおよび受光素子203dでともに受光できなくなり、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチからは検出信号としてローレベルの信号が出力されている状態となり、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチは両方ともオン状態となる。従って、
図34(c)に示す状態では、
図35の区間(c)で示すように、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチともにオンの状態となる。
【0264】
次いで、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内をさらに進行し、遊技球が207検出ユニット200の通過口201内の下側に位置する状態となると、
図34(d)に示すように、発光素子203cと受光素子203dとの間の光線のみが遮られた状態に変化する。そのため、受光素子203bでは再び受光可能となり、上側通過検出スイッチからは検出信号としてハイレベルの信号が出力されている状態となり、上側通過検出スイッチはオフ状態となる。一方、
図34(d)に示すように、発光素子203cと受光素子203dとの間の光線は依然として遮られた状態のままであり、下側通過検出スイッチからは検出信号としてローレベルの信号が出力された状態であり、下側通過検出スイッチはオン状態のままである。従って、
図34(d)に示す状態では、
図35の区間(d)で示すように、上側通過検出スイッチがオフの状態であり、下側検出スイッチがオンの状態となる。
【0265】
そして、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内を完全に通過し終えると、
図34(e)に示すように、発光素子203aと受光素子203bとの間の光線および発光素子203cと受光素子203dとの間の光線の両方が遮られていない状態に変化する。そのため、受光素子203bおよび受光素子203dでともに受光可能な状態となり、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチからは検出信号としてハイレベルの信号が出力されている状態となり、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチは両方ともオフ状態となる。従って、
図34(e)に示す状態では、
図35の区間(e)で示すように、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチともにオフの状態となる。
【0266】
以上のことから、遊技球207が検出ユニット200の通過口201内を通過する場合には、必ず、(1)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)、(2)上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オフ)、(3)上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オン)、(4)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オン)、(5)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)の順にスイッチ状態が遷移することが分かる。従って、このように(1)〜(5)の順に上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチのスイッチ状態が遷移したことを検出できれば、検出ユニット200の通過口201内を遊技球207が通過したことを確実に検出できる。
【0267】
なお、上記の(1)〜(5)の順にスイッチ状態が遷移することは、たとえ複数の遊技球がくっついた状態で連続して検出ユニット200の通過口201を通過した場合であっても検出できる。
図36は、複数の遊技球が連続して検出ユニット200の通過口201を通過した場合を説明するための説明図である。既に説明したように、例えば、
図36(a)の側面図に示すように、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとは、検出ユニット200の通過口201の端部分に近い位置に距離差B引き離されて配置されているとともに、遊技球の進行方向(X方向)に対して距離差Aが生じるように配置されている。そして、
図36(a)に示すように、1つめの遊技球207aが
図34(d)に示すような下側通過検出スイッチのみが遊技球を検出している状態から
図34(e)に示すような上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチのいずれでも検出されていない状態に最初に遷移した状態を考える。この場合、
図36(a)の側面図に示すように、1つ目の遊技球207aの一部はまだ通過口201内には残っているものの、下側通過検出スイッチは遊技球207aによって遮られた状態とはなっておらず、スイッチ状態としては1つ目の遊技球207aに関して
図34(e)に示す遊技球なしの状態に遷移したことになる。
【0268】
一方で、2つ目の遊技球207bが遊技球207aにくっついた状態で連続して通過口201内に進入したとしても、
図36(a)の側面図に示すように、2つ目の遊技球207bの一部は既に通過口201内に進入しているものの、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチのいずれも遊技球207bによって遮られた状態とはなっておらず、スイッチ状態としては2つ目の遊技球207bに関してまだ
図34(a)に示す遊技球なしの状態である。このように、この実施の形態では、複数の遊技球が連続して通過する場合であっても、必ず上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフとなる期間が生じるように、距離差Aおよび距離差Bが定められている。そのため、
図35に示すようなスイッチ状態のサイクルが必ず検出できることになり、確実に1球ずつ通過を検出することができる。
【0269】
なお、この実施の形態で示したように上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとを通過口201の端部分に近い位置に距離差B引き離して配置するのではなく、例えば、
図36(b)に示すように、通過口201の中心軸上に並べて配置するように構成することも考えられる。しかし、そのように構成してしまうと、
図36(b)に示すように、遊技球が連続して通過する場合には、発光素子203a,203cと受光素子203b,203dとの間の光線が常に遮断された状態となり、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチの両方が常にオンの状態が連続することになる。従って、スイッチ状態のサイクルが検出されず、検出ユニット200の通過口201内を遊技球が通過したことは検出できるものの、1球ずつの通過を検出することはできず、遊技球が何球通過したかを認識することはできない。また、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方が通過口201の中心軸上で検出するように構成すると検出ユニット200の薄型化を図ることができないし、いずれか一方の通過検出スイッチのみが通過口201の中心軸上で遊技球を検出するように構成しても、やはり連続して通過する遊技球を適切に検出することはできない。
【0270】
これに対して、この実施の形態では、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとを通過口201の端部分に近い位置に距離差B引き離して配置することによって、必ず上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフとなる期間が生じるようにすることができ、遊技球が連続して通過する場合であっても確実に1球ずつ遊技球の通過を検出することができる。
【0271】
なお、この実施の形態では、必ず上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフとなる期間が生じるように、距離差Aおよび距離差Bが定められているのであるが、例えば、遊技球が連続して通過する場合に、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとのいずれか一方が継続してオン状態となるように距離差Aおよび距離差Bを定めてもよい。そのように構成しても、遊技球が連続して通過する場合に、少なくても一方の通過検出スイッチではオン状態とオフ状態が繰り返すのであるから、例えば、いずれか一方の通過検出スイッチがオフ状態となったことを条件に遊技球を検出したと判定するようにすればよい。
【0272】
次に、この実施の形態のタイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。
図37および
図38は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。なお、
図37および
図38では、スイッチの種類を区別することなく、各々のスイッチがオンの状態となっているか否かを検出する処理を包括的に示しているが、CPU56は、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのそれぞれについて、
図37および
図38に示す処理を実行する。
【0273】
スイッチ処理において、CPU56は、まず、処理対象のスイッチのスイッチ状態を読み込む(ステップS21001)。具体的には、CPU56は、処理対象のスイッチが接続されている入力ポートに入力されているデータを入力し、入力したデータをポートバッファなどにセットする。次いで、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態が前回割込スイッチ状態バッファの内容と一致するか否かを確認する(ステップS21002)。なお、前回割込スイッチ状態バッファは、前回のタイマ割込時に読み込んだスイッチ状態の内容を格納するバッファである。前回割込スイッチ状態バッファの内容と一致していなければ、そのままステップS21020に移行する。
【0274】
ステップS21002の処理が実行されることによって、この実施の形態では、連続する2回のタイマ割込で読み込んだスイッチ状態が一致している場合にのみ、スイッチ状態の読み込みが正しく行われたものとしてステップS21003〜S21019のスイッチのオン状態の検出処理を行うようにしている。そのため、ノイズなどの影響により誤った内容のスイッチ状態が読み込まれたにもかかわらず、ステップS21003〜S21019のスイッチのオン状態の検出処理を行ってしまうような事態を防止している。なお、この実施の形態では、連続する2回のタイマ割込でスイッチ状態が一致した場合にスイッチ状態の読み込みが正しく行われたものとして処理を実行する場合を示したが、2回にかぎらず、例えば、連続する3回以上のタイマ割込で全てスイッチ状態が一致した場合にスイッチ状態の読み込みが正しく行われたものとして処理を実行するようにしてもよい。また、例えば、複数回のタイマ割込でスイッチ状態が一致するか否かを確認するのではなく、1回目のスイッチ状態の確認を行った後にウエイト処理などを行って所定の遅延期間を経た後に2回目のスイッチ状態の確認を行うなどの処理により、1回のタイマ割込内で複数回スイッチ状態の確認を行ってスイッチ状態が一致するか否かを確認するようにしてもよい。
【0275】
読み込んだスイッチ状態が前回割込スイッチ状態バッファの内容と一致する場合には(ステップS21002のY)、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態にもとづいて、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフ状態であるか否かを確認する(ステップS21003)。少なくとも上側通過検出スイッチまたは下側通過検出スイッチのいずれかがオン状態であれば(ステップS21003のN)、CPU56は、始動入賞口14内や大入賞口内、入賞口29,30内で遊技球が球詰まり状態を起こしていることを示す球詰まりエラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS21004)。球詰まりエラーフラグがセットされていなければ、CPU56は、球詰まりを検出するために通過検出スイッチの検出状態の継続時間を計測するための球詰まり計測カウンタの値を1加算する(ステップS21005)。そして、CPU56は、加算後の球詰まり計測カウンタの値が所定の上限値(例えば、100)に達していれば(ステップS21006のY)、始動入賞口14内や大入賞口内、入賞口29,30内で遊技球が球詰まり状態を起こしていると判断し、球詰まりエラーフラグをセットする(ステップS21007)。なお、球詰まりエラーフラグがセットされると、例えば、球詰まりであることを示すランプが点灯されたり、演出表示装置9の表示画面状に球詰まりであることを示す文字列などが表示され、球詰まりが発生したことが報知される。また、例えば、球詰まりが発生したことをホールコンピュータなどの外部装置に外部出力するようにしてもよい。
【0276】
次いで、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態がスイッチステータスバッファの内容を一致するか否かを確認する(ステップS21008)。なお、スイッチステータスバッファは、前回ステップS21003〜S21019のスイッチのオン状態の検出処理を行ったときに読み込んだスイッチ状態の内容を格納するバッファである。スイッチステータスバッファの内容と一致する場合には(ステップS21008のY)、そのままステップS21020に移行する。すなわち、前回スイッチのオン状態の検出処理を実行したときとスイッチ状態に変化がないので、ステップS21009以降の処理には移行せず、そのままステップS21020に移行する。
【0277】
読み込んだスイッチ状態がスイッチステータスバッファの内容を一致しない場合には(ステップS21008のN)、前回スイッチのオン状態の検出処理を実行したときからスイッチ状態に変化が生じたときである。この場合、CPU56は、スイッチ状態の遷移が正常か否かを判定するためのスイッチ状態遷移テーブルを用いて、読み込んだスイッチ状態とスイッチステータスバッファの内容とにもとづいて、スイッチ状態の遷移が正常か否かを判定する(ステップS21009)。なお、スイッチ状態遷移テーブルは、例えば、ROM54に格納されている。
【0278】
図39は、スイッチ状態遷移テーブルの具体例を示す説明図である。既に
図35で説明したように、遊技球が各々のスイッチを構成する検出ユニット200の通過口201内を通過する場合には、必ず、(1)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)、(2)上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オフ)、(3)上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オン)、(4)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オン)、(5)上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)の順にスイッチ状態が遷移する。従って、CPU56は、
図39に示すスイッチ状態遷移テーブルに従って、スイッチステータスバッファの内容が上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)である場合には、今回読み込んだスイッチ状態が上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オフ)であれば、スイッチ状態の遷移が正常であると判定し、今回読み込んだスイッチ状態がこれ以外の組み合わせであれば、スイッチ状態の遷移が異常であると判定する。また、CPU56は、
図39に示すスイッチ状態遷移テーブルに従って、スイッチステータスバッファの内容が上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オフ)である場合には、今回読み込んだスイッチ状態が上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オン)であれば、スイッチ状態の遷移が正常であると判定し、今回読み込んだスイッチ状態がこれ以外の組み合わせであれば、スイッチ状態の遷移が異常であると判定する。また、CPU56は、
図39に示すスイッチ状態遷移テーブルに従って、スイッチステータスバッファの内容が上側通過検出スイッチ(オン)/下側通過検出スイッチ(オン)である場合には、今回読み込んだスイッチ状態が上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オン)であれば、スイッチ状態の遷移が正常であると判定し、今回読み込んだスイッチ状態がこれ以外の組み合わせであれば、スイッチ状態の遷移が異常であると判定する。さらに、CPU56は、
図39に示すスイッチ状態遷移テーブルに従って、スイッチステータスバッファの内容が上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オン)である場合には、今回読み込んだスイッチ状態が上側通過検出スイッチ(オフ)/下側通過検出スイッチ(オフ)であれば、スイッチ状態の遷移が正常であると判定し、今回読み込んだスイッチ状態がこれ以外の組み合わせであれば、スイッチ状態の遷移が異常であると判定する。
【0279】
スイッチ状態の遷移が正常であれば(ステップS21009のY)、そのままステップS21013に移行する。スイッチ状態の遷移が異常であれば(ステップS21009のN)、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態にもとづいて、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオン状態であるか否かを確認する(ステップS21010)。少なくとも上側通過検出スイッチまたは下側通過検出スイッチのいずれかがオフ状態であれば(ステップS21010のN)、CPU56は、スイッチ状態の遷移の順序に異常が発生したこと(通過順序エラーともいう)を示す通過順序エラーフラグをセットする(ステップS21011)。
【0280】
一方、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオン状態であれば(ステップS21010のY)、CPU56は、始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aを不正にオンさせる行為を検出したことを示す不正検出フラグをセットする(ステップS21012)。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、上側通過検出スイッチおよび下側通過検出スイッチとして同一規格・同一仕様の検出素子を用いているので、不正に電波や赤外線などを発して不正に入賞を得ようとする行為が行われた場合には、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとが同時にオン状態となる筈である。従って、スイッチ状態の遷移が正常でない場合に、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオン状態となった場合には、電波や赤外線などを用いて不正に始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aをオン状態とさせている可能性があると判定して、不正検出フラグをセットする。
【0281】
なお、不正検出フラグがセットされると、例えば、不正を検出したことを示すランプが点灯されたり、演出表示装置9の表示画面状に不正が検出されたことを示す文字列などが表示され、不正が検出されたことが報知される。また、例えば、不正が検出されたことをホールコンピュータなどの外部装置に外部出力するようにしてもよい。また、ステップS21012でセットされた不正検出フラグは、例えば、遊技機の電源がリセットされたり、操作手段によりエラー解除の操作が行われたことにもとづいてリセットされる。
【0282】
なお、通過順序エラーフラグがセットされた場合にも、例えば、通過順序エラーを検出したことを示すランプを点灯したり、演出表示装置9の表示画面状に通過順序エラーが検出されたことを示す文字列などを表示して、通過順序エラーが検出されたことを報知するようにしてもよい。また、例えば、通過順序エラーが発生したことをホールコンピュータなどの外部装置に外部出力するようにしてもよい。
【0283】
次いで、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態をスイッチステータスバッファに上書きして格納する(ステップS21013)。これにより、スイッチステータスバッファの内容が前回スイッチのオン状態の検出処理を実行したときのスイッチ状態から今回読み込んだスイッチ状態に書き替えられる。
【0284】
また、CPU56は、球詰まり計測カウンタの値をクリアする(ステップS21014)とともに、セットされていれば、球詰まりエラーフラグをリセットする(ステップS21015)。すなわち、ステップS21009でNと判定した場合には、前回スイッチのオン状態の検出処理を実行したときからスイッチ状態に変化が生じたのであるから、少なくとも球詰まりが生じている状態ではないことがわかる。従って、球詰まり計測カウンタの値および球詰まりエラーフラグをリセットする。
【0285】
次いで、CPU56は、ステップS21013で書き替えたスイッチステータスバッファの内容にもとづいて、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフ状態であるか否かを確認する(ステップS21016)。少なくとも上側通過検出スイッチまたは下側通過検出スイッチのいずれかがオン状態であれば(ステップS21016のN)、そのままステップS21020に移行する。
【0286】
上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフ状態であれば(ステップS21016のY)、
図34(e)や
図35の区間(e)で示したように遊技球が検出ユニット200の通過口201内を通過し終えた状態となったということである。この場合、CPU56は、通過順序エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS21017)。通過順序エラーフラグがセットされていなければ、CPU56は、処理対象のスイッチに応じたスイッチ入賞フラグをセットする(ステップS21018)。具体的には、ゲートスイッチ32aが処理対象である場合にはゲートスイッチ入賞フラグをセットし、始動口スイッチ14aが処理対象である場合には始動口スイッチ入賞フラグをセットし、カウントスイッチ23が処理対象である場合にはカウントスイッチ入賞フラグをセットし、入賞口スイッチ29aが処理対象である場合には入賞口スイッチ入賞フラグ1をセットし、入賞口スイッチ30aが処理対象である場合には入賞口スイッチ入賞フラグ2をセットする。
【0287】
一方、通過順序エラーフラグがセットされている場合には、スイッチ状態の遷移が正常でなかったということであるから、CPU56は、ステップS21018の処理を行うことなく、そのままステップS21019に移行する。従って、この実施の形態では、各々のスイッチにより遊技球が検出されても、スイッチ状態の遷移が正常でなければ、入賞とは判定せず、スイッチ入賞フラグはセットされない。そのため、スイッチ入賞フラグがセットされないことにより、例えば、普通図柄のプロセス処理のゲートスイッチ通過処理(ステップS112参照)が実行されないようにして、そのようなゲート32への遊技球の通過にもとづく普通図柄の変動表示を実行しないようにしたり、特別図柄プロセス処理の始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)が実行されないようにして、そのような始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく特別図柄の変動表示を実行しないようにしたり、大入賞口開放中処理(ステップS306参照)や小当り開放中処理(ステップS309参照)でカウントスイッチ23による検出としてカウントしないように制御したり、賞球処理(ステップS30参照)において賞球個数の設定などが行われないようにして賞球の払い出しが行われないように制御したりしている。
【0288】
なお、この実施の形態では、通過順序エラーフラグがセットされている場合にのみステップS21018の処理をスキップしてスイッチ入賞フラグをセットしないように制御する場合を示しているが、不正検出フラグがセットされている場合にもテップS21018の処理をスキップしてスイッチ入賞フラグをセットしないように制御してもよい。
【0289】
また、この実施の形態では、ステップS21016の処理が実行されることによって、
図34(e)や
図35の区間(e)で示したような遊技球が検出ユニット200の通過口201内を通過し終えた状態となったタイミングで、各々のスイッチで遊技球の入賞を検出したとしてスイッチ入賞フラグをセットする場合を示したが、この実施の形態で示した処理方法にかぎられない。例えば、
図34(b)や
図35の区間(b)で示したように通過口201の上側に遊技球の存在を検出したタイミングで、各々のスイッチで遊技球の入賞を検出したとしてスイッチ入賞フラグをセットしてもよいし、
図34(c)や
図35の区間(c)で示したように通過口201の中央に遊技球の存在を検出したタイミングで、各々のスイッチで遊技球の入賞を検出したとしてスイッチ入賞フラグをセットしてもよい。さらに、例えば、
図34(d)や
図35の区間(d)で示したように通過口201の下側に遊技球の存在を検出したタイミングで、各々のスイッチで遊技球の入賞を検出したとしてスイッチ入賞フラグをセットしてもよい。なお、この場合、スイッチ入賞フラグをセットした後に通過順序エラーを検出する場合もありうるが、そのような場合には、例えば、通過順序エラーを検出したことを示すランプを点灯したり、演出表示装置9の表示画面状に通過順序エラーが検出されたことを示す文字列などを表示して、通過順序エラーが検出されたことを報知するなど、事後的に通過順序エラーの検出を報知するように構成すればよい。また、例えば、通過順序エラーが発生したことをホールコンピュータなどの外部装置に外部出力するようにしてもよい。
【0290】
また、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとの両方がオフ状態となっている場合には、必ずしも
図34(e)や
図35の区間(e)で示したような遊技球が検出ユニット200の通過口201内を通過し終えた状態の場合とはかぎらず、通過口201を遊技球が一定期間全く通過していないような場合もありうるが、そのような場合には、そもそもスイッチ状態に変化がないのであるからステップS21008でYと判定されてステップS21020に移行される筈であり、ステップS21016の判定処理が行われる場合はない。従って、ステップS21016でYと判定されたということは、
図34(e)や
図35の区間(e)で示したような遊技球が検出ユニット200の通過口201内を通過し終えた状態の場合であるといえる。
【0291】
次いで、CPU56は、通過順序エラーフラグをリセットする(ステップS21019)。そして、CPU56は、ステップS21001で読み込んだスイッチ状態を前回割込スイッチ状態バッファに上書きして格納する(ステップS21020)。
【0292】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、ゲートスイッチ32aや、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aとして、遊技球を検出するための複数の検出手段(本例では、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチ)を備えた検出装置(本例では、検出ユニット200)を有する。また、複数の検出手段は、それぞれ発光部(本例では、発光素子203a,203c)および受光部(本例では、受光素子203b,203d)を含むとともに、発光部から受光部に向けた光の光軸が遊技球の進行方向(本例では、
図33(a),(c)に示すX方向)に対して略直交する直交方向となるように配置される。そして、複数の検出手段は、1の検出手段(例えば、上側通過検出スイッチ)における光軸と、当該1の検出手段以外の検出手段(例えば、下側通過検出スイッチ)における光軸とが遊技球の進行方向、および遊技球の進行方向に略直交する直交方向に対して所定距離離間するように配置されている。具体的には、
図33(c)に示すように、検出ユニット200を側面側から見たときに、上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとは、遊技球の進行方向を座標軸として見たときにその座標軸上で距離差Aが生じるように配置され、遊技球の進行方向に対して直交する向きに関しても距離差Bが生じるように配置されている。そのため、不正に遊技媒体を検出させる行為を防止することができるとともに、検出装置の薄型化を図ることができる。
【0293】
なお、払出個数カウントスイッチ301は、検出ユニット200と同様に、払出個数カウントスイッチ301が上側通過検出スイッチと下側通過検出スイッチとを備え、二つのスイッチが同時にオン状態となれば、異常が発生したとして異なる信号を出力するように構成されていてもよい。
【0294】
実施の形態3.
この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aを設けずに、演出制御に関して演出制御基板のみが設けられている。さらに、演出制御基板に一つのマイクロコンピュータが搭載され、当該マイクロコンピュータで演出に関する制御が行われる。以下、この実施の形態の演出制御基板における動作を説明する。
【0295】
演出制御基板では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPUが起動して、
図40のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図40に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPUは、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0296】
また、演出制御基板の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPUは、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPUは、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば、図示しない演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPUは、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0297】
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0298】
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば可変表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカからの音声出力動作、遊技効果ランプ及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
【0299】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
【0300】
図41は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図41に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPUは、例えば演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0301】
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板31からの変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動表示)を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
【0302】
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、特別図柄表示装置による特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示(変動表示)が開始されることに対応して、予告演出を実行するか否かを決定する処理や、予告演出の実行設定を行う処理や、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動表示)や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
【0303】
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPUは、演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、予告演出などといった飾り図柄の可変表示(変動表示)中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示(変動表示)終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0304】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPUは、主基板31から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0305】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を可変表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプや装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板31からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
【0306】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を可変表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプや装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
【0307】
図42は、変動表示開始設定処理として、
図41のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図42に示す変動表示開始設定処理において、演出制御用CPUは、まず、予告演出設定処理を実行する(ステップS5210)。そして、予告演出設定処理に続いて、演出制御用CPUは、例えば主基板31から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS5220)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS5220;Yes)、例えば主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS5230)。
【0308】
ステップS5230にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS5230;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS5240)。なお、ステップS5240の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
【0309】
ステップS5230にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS5230;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS5205)。
【0310】
ステップS5220にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS5220;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS5280)。
【0311】
ステップS5240、S5250、S5280の処理のいずれかを実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS5290)。
【0312】
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS5300)。このとき、演出制御用CPUは、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
【0313】
ステップS5300の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS5310)。続いて、可変表示装置9における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS5320)。このときには、例えばステップS5300にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、可変表示装置9の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS5330)、可変表示開始設定処理を終了する。
【0314】
この実施の形態における予告演出には、傾倒方向センサユニットにスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作(第1の動作)を検知させるために第1の動作を行うよう遊技者に促す促進演出(第1の促進演出)を実行し、当該第1の動作を検知したことに応じて実行される第1の特定演出と、プッシュセンサ35Bにプッシュボタン31Bの押下操作など(第2の動作)を検知させるために第2の動作を行うよう遊技者に促す促進演出(第2の促進演出)を実行し、当該第2の動作を検知したことに応じて実行される第2の特定演出なるものが含まれている。
【0315】
第1の促進演出は、可変表示(変動表示)結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示(変動表示)が開始された後、後述する予告演出設定処理にて決定された期間で実行される。第1の促進演出は、例えば可変表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像や操作動作を案内するメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるスティックコントローラ31Aへの第1の動作を促す演出動作であればよい。遊技者による第1の動作を促す演出動作としては、可変表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプや装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。第1の促進演出が行われるときには、遊技者による第1の動作を有効に検出する操作検出有効期間となる。そして、操作検出有効期間内にスティックコントローラ31Aに対する第1の動作がセンサユニット32によって検出されたときには、その第1の動作が検出された時点にて、第1の促進演出の実行が停止され、第1の特定演出が実行される。
【0316】
第1の特定演出は、第1の動作が検出されたことに基づいて、例えば可変表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、可変表示(変動表示)結果が「大当り」となる可能性などを遊技者に報知する演出である。
【0317】
第2の促進演出は、第1の促進演出が実行される前または実行された後に、後述する所定の期間で実行される。第2の促進演出は、例えば可変表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像や操作動作を案内するメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるプッシュボタン31Bへの第2の動作を促す演出動作であればよい。遊技者による第2の動作を促す演出動作としては、可変表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプや装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。第2の促進演出が行われるときには、遊技者による第2の動作を有効に検出する操作検出有効期間となる。そして、操作検出有効期間内にプッシュボタン31Bに対する第2の動作がプッシュセンサ35Bによって検出されたときには、その第2の動作が検出された時点にて、第2の促進演出の実行が停止され、第2の特定演出が実行される。
【0318】
第2の特定演出は、第2の動作が検出されたことに基づいて、例えば可変表示装置9の表示画面における所定位置に、第2の促進演出の演出態様に基づいて予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、可変表示(変動表示)結果が「大当り」となる可能性などを遊技者に報知する演出である。
【0319】
図43は、予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図43に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPUは、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンである場合には、ステップS5450のスーパーリーチ促進演出決定処理(
図51参照)に進む一方、スーパーリーチの変動パターンではない場合には、
図44に示す第1促進演出決定用テーブルを参照するなどにより、第1の促進演出の実行有無を決定する。
【0320】
第1の促進演出決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに応じて、第1の促進演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1の促進演出を実行しない場合に対応する「第1の促進演出無し」と、第1の促進演出を実行する場合に対応する「第1の促進演出実行有り」に、割り当てられていればよい。
【0321】
図44に示す第1の促進演出決定テーブルでは、変動パターンに応じて第1の促進演出の実行有無の決定割合を異ならせている。具体的には、変動パターンが「非リーチ共通」である場合よりも「ハズレ各種」である場合の方が第1の促進演出を実行すると決定する割合が高く、「ハズレ各種」である場合よりも「小当り」である場合の方が第1の促進演出を実行すると決定する割合が高く、「大当り」である場合が最も高くなるように設定されている。
【0322】
次に、
図43に示すステップS5390の処理に基づいて、第1の促進演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS5400)。このとき、「第1の促進演出実行有り」であれば(ステップS540;Yes)、第1の促進演出の実行期間と種別(第1の促進演出Aまたは第1の促進演出B)を決定する(ステップS5410)。
【0323】
ステップS5410の処理では、例えば、
図45に示すように、変動開始から「左」と「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9Rで可変表示(変動表示)される飾り図柄が停止表示されるまでの期間を、「期間1」〜「期間7」といった7つの期間に分け、いずれかの期間を選択することにより、第1の促進演出の実行期間を決定する。
【0324】
これら期間を選択する具体的な手法としては、期間決定用乱数と、期間毎に該期間決定用乱数の決定値が割り当てられた期間決定用テーブルを使用して、期間を決定することができる。
【0325】
そして、これら期間を決定したとき、例えば、決定した第1の促進演出の実行期間に基づいて、第1の促進演出の開始タイミングと終了タイミングとをそれぞれ演出制御プロセスタイマ判定値に設定する。なお、「期間1」〜「期間7」のそれぞれ期間の長さは、第1の促進演出と第1の特定演出とを実行するに十分な長さを有している。また、それぞれの期間の長さは、第2の促進演出と第2の特定演出とを実行するに十分な長さを有している。また、第1の促進演出の種別としては、図示しない第1の促進演出種別決定テーブルと、種別決定用乱数とを用いて、例えば、大当りとなる場合には、第1の促進演出Aが決定される割合が高く、ハズレとなる場合には、第1の促進演出Bが決定される割合が高くなるように設定すれば良い。
【0326】
そして、ステップS5410+に進んで、遊技制御フラグ設定部などに設けられた第1の促進演出フラグをオン状態にセットするとともに、決定した第1の促進演出の種別フラグをセットした後、第2促進演出決定処理(ステップS5420)を実施した後、予告演出設定処理を終了する。
【0327】
尚、
図43に示すステップS5400において第1促進を実行しない「第1の促進演出実行無し」であると判定した場合には、ステップS5410〜ステップS5410+を経由することなく、第2促進演出決定処理(ステップS5420)を実施した後、予告演出設定処理を終了する。
【0328】
図46は、
図43に示すステップS5420における第2促進演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示す第2促進演出決定処理において、演出制御用CPUは、第2促進演出決定用テーブルを参照するなどにより、第2の促進演出の実行有無を決定する。
【0329】
第2の促進演出決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに応じて、第2の促進演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、第2の促進演出を実行しない場合に対応する「第2の促進演出無し」と、第2の促進演出を実行する場合に対応する「第2の促進演出実行有り」に、割り当てられていればよい。演出制御用CPUは、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した第2の促進演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、第2の促進演出決定テーブルを参照することにより、第2の促進演出の実行有無を決定すればよい。
【0330】
図47に示す第2の促進演出決定テーブルでは、変動パターンに応じて第2の促進演出の実行有無の決定割合を異ならせている。具体的には、変動パターンが「非リーチ共通」である場合よりも「ハズレ各種」である場合の方が第2の促進演出を実行すると決定する割合が高く、「ハズレ各種」である場合よりも「大当り」である場合が最も高くなるように設定されている。
【0331】
次に、
図46に示すステップS6040の処理において、第2の促進演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS6050)。なお、第2の促進演出の実行を決定したか否かは、演出制御フラグ設定部などに設けられた第2の促進演出フラグがオン状態であるか否かを判定すればよい。このとき、「第2の促進演出実行有り」であれば(ステップS6050;Yes)、第2の促進演出の実行期間と種別(第2の促進演出Aまたは第2の促進演出B)を、第2の促進演出の実行期間と種別を決定する(ステップS6060)。この第2の促進演出の実行期間を決定する場合にあっても、上述した第1の促進演出の実行期間を決定する場合と同じく、期間決定用乱数と、期間毎に該期間決定用乱数の決定値が割り当てられた期間決定用テーブルを使用して、期間を決定すれば良い。そして、ステップS6060+に進んで、遊技制御フラグ設定部などに設けられた第2の促進演出フラグをオン状態にセットするとともに、決定した第2の促進演出の種別フラグをセットした後、遊技制御フラグ設定部に設けられた第1の促進演出フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS6070)。
【0332】
ステップS6070の処理にて「第1の促進演出実行有り」と判定した場合(ステップS6070;Yes)、例えば、
図45に示す期間1〜期間7の各期間のうち、
図43に示すステップS5410の処理で決定した期間と
図46のステップS6060の処理で決定した期間とが同じ期間であるか否かなどを判定する(例えば、第1の促進演出の実行期間が
図45に示す期間3で、第2の促進演出の実行期間も
図45に示す期間3であることなどを判定する)ことにより、第1の促進演出の実行期間と第2の促進演出の実行期間とが同期間があるか否かを判定する(ステップS6080)。なお、
図43に示すステップS541の処理で決定した期間(例えば期間3)と
図44のステップS6030の処理で決定した期間(例えば期間3)とは、それぞれの期間が決定された時点でRAMに記憶されている。
【0333】
図46に示すステップS6080の処理にて、第1の促進演出の実行期間と第2の促進演出の実行期間とが同期間であると判定した場合(ステップS6080;Yes)、例えば、
図45に示す期間1〜7のうち、
図46に示すステップS6060の処理で決定した期間を除外し(例えば、ステップS6060の処理で決定した期間が期間3であった場合には、期間3を除外し)、残りの6つの期間(例えば、期間1〜2、期間4〜7)のうちのいずれかの期間を、第2の促進演出の実行期間として再度決定する(ステップS6090)。この場合、例えば、期間1〜7のうち、RAM122に記憶されている第2の促進演出の実行期間以外の期間から第2の促進演出の実行期間を決定すればよい。具体的には、例えば、ステップS6030の処理で決定した期間が、例えば「期間3」であれば、ステップS6030において使用した期間決定用テーブルにおいて、該「期間3」に対して割り当てられている決決定値を除いて期間決定用乱数を抽出すること等により、「期間3」以外の期間を決定すれば良い。
【0334】
そして、これら期間を決定したとき、決定した第2の促進演出の実行期間を演出制御プロセスタイマ判定値に設定する。なお、当該ステップS6050の処理にて第1の促進演出の実行期間と第2の促進演出の実行期間とが同期間であると判定した場合には、第2の促進演出を実行しないようにしてもよく、この場合には、第2促進演出決定処理を終了すればよい。
【0335】
これによれば、傾倒方向センサユニットにスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作(第1の動作)を検知させるために第1の動作を行うよう遊技者に促す第1の促進演出と、プッシュセンサ35Bにプッシュボタン31Bの押下操作など(第2の動作)を検知させるために第2の動作を行うよう遊技者に促す第2の促進演出とが、それぞれ別の期間で実行されるよう決定される。そのため、複数の動作を遊技者に同時に要求することがなく、遊技者の動作が煩雑になることによる遊技興趣の低下を防止することができる。
【0336】
ステップS6050の処理にて第2の促進演出を実行しないと判定した場合(ステップS6050;No)や、ステップS6070の処理にて第1の促進演出を実行しないと判定した場合(ステップS6070;No)や、ステップS608の処理にて第1の促進演出の実行期間と第2の促進演出の実行期間とが別期間である(例えば第1の促進演出の実行期間が
図45に示す期間3で、第2の促進演出の実行期間も
図45に示す期間4であるなど)と判定した場合(ステップS6080;No)や、ステップS6090の処理を経由することなく、当該処理を終了する。なお、ステップS607の処理にて第1の促進演出を実行しないと判定した場合(ステップS6070;No)や、ステップS6080の処理にて第1の促進演出の実行期間と第2の促進演出の実行期間とが別期間であると判定した場合(ステップS6080;No)には、例えば、ステップS6060の処理で決定した第2の促進演出の実行期間に基づいて、第2の促進演出の開始タイミングと終了タイミングとをそれぞれ演出制御プロセスタイマ判定値に設定する。
【0337】
図50は、この実施の形態における各促進演出と対象動作との関係を示す図である。この実施の形態では、前述したように、大まかには、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作を遊技者に促す第1の促進演出と、プッシュセンサ35Bにプッシュボタン31Bの押下操作を遊技者に促す第2の促進演出とが設定されているとともに、促進演出毎に、対象動作が異なる第1の促進演出Aと第1の促進演出B、第2の促進演出Aと第2の促進演出Bとが設定されている。
【0338】
第1の促進演出Aには、スティックコントローラ31Aを手前に引く動作が対象動作に設定され、第1の促進演出Bには、スティックコントローラ31Aを遊技機側に押す動作が対象動作に設定されている。
【0339】
また、第2の促進演出Aには、プッシュボタン31Bを所定回数押下する連打動作が対象動作に設定され、第2の促進演出Bには、プッシュボタン31Bを所定期間に亘って連続して押下し続ける操作(いわゆる長押し)が対象動作に設定されている。
【0340】
次に、
図43の予告演出設定処理におけるステップS5350でYesと判定された場合に実施されるスーパーリーチ促進演出決定処理(ステップS5450)につて説明すると、
図51に示すように、スーパーリーチ促進演出決定処理において演出制御用CPUは、まず、
図48に示す促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)をセットする(ステップS6100)。そして、該スーパーリーチの変動パターンが、ハズレとなるスーパーリーチであるか否か(ステップS6110)、非確変大当りとなるスーパーリーチであるか否か(ステップ6130)を判定する。
【0341】
ハズレとなるスーパーリーチである場合(ステップS6110でYes)には、セットされた促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)における「スーパーリーチはずれ」の項目に対して設定されている判定値と、例えば乱数回路や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した促進演出決定用の乱数値とを比較するなどにより、促進演出の種別(第1の促進演出A、第1の促進演出B、第2の促進演出A、第2の促進演出B)と、「促進演出無し」とを決定する。
【0342】
また、非確変大当りとなるスーパーリーチである場合(ステップS6130でYes)には、セットされた促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)における「非確変大当り」の項目に対して設定されている判定値と、例えば乱数回路や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した促進演出決定用の乱数値とを比較するなどにより、促進演出の種別(第1の促進演出A、第1の促進演出B、第2の促進演出A、第2の促進演出B)と、「促進演出無し」とを決定する。
【0343】
また、確変大当りとなるスーパーリーチである場合(ステップS6130でNo)には、セットされた促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)における「確変大当り」の項目に対して設定されている判定値と、例えば乱数回路や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した促進演出決定用の乱数値とを比較するなどにより、促進演出の種別(第1の促進演出A、第1の促進演出B、第2の促進演出A、第2の促進演出B)と、「促進演出無し」とを決定する。
【0344】
そして、ステップS6160に進んで、ステップS6120、ステップS6140、ステップS6150のいずれかにおいて決定した促進演出の種別に対応する促進演出フラグ(第1の促進演出フラグ、第2の促進演出フラグ)と、種別フラグ(促進演出Aか促進演出Bか)をセットして当該処理を終了する。尚、ステップS6120、ステップS6140、ステップS6150のいずれかにおいて「促進演出無し」が決定された場合には、ステップS6160においては、いずれのフラグもセットせずに当該処理を終了する。
【0345】
ここで、
図48に示す促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)について説明すると、
図48に示す促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)では、スーパーリーチの種別(ハズレ、非確変大当り、確変大当り)に応じて各促進演出の実行有無の決定割合を異ならせている。
【0346】
具体的には、変動表示結果がハズレとなるスーパーリーチはずれの場合には、「第1の促進演出A」に対して該第1の促進演出Aを、スーパーリーチはずれとなる場合に5%の割合で決定する判定値データが設定され、「第1の促進演出B」に対して該第1の促進演出Bをスーパーリーチはずれとなる場合に15%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出A」に対して該第2の促進演出Aを、スーパーリーチはずれとなる場合に20%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出B」に対して該第2の促進演出Bをスーパーリーチはずれとなる場合に30%の割合で決定する判定値データが設定され、「促進演出無し」に対して該「促進演出無し」をスーパーリーチはずれとなる場合に30%の割合で決定する判定値データが設定されている。
【0347】
つまり、決定される確率が比較的高い、スーパーリーチはずれの場合には、第1の促進演出A<第1の促進演出B<第2の促進演出A<第2の促進演出Bの順に決定され易くなっている。
【0348】
また、変動表示結果が非確変大当りとなるスーパーリーチの場合には、「第1の促進演出A」に対して該第1の促進演出Aを、非確変大当りとなるスーパーリーチの場合に40%の割合で決定する判定値データが設定され、「第1の促進演出B」に対して該第1の促進演出Bを非確変大当りとなるスーパーリーチの場合に20%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出A」に対して該第2の促進演出Aを、非確変大当りとなるスーパーリーチの場合に15%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出B」に対して該第2の促進演出Bを非確変大当りとなるスーパーリーチの場合に10%の割合で決定する判定値データが設定され、「促進演出無し」に対して該「促進演出無し」をスーパーリーチはずれとなる場合に15%の割合で決定する判定値データが設定されている。
【0349】
つまり、決定される確率がスーパーリーチはずれに比較して低い「非確変大当り」の場合には、逆に、第1の促進演出A>第1の促進演出B>第2の促進演出A>第2の促進演出Bの順に決定され易くなっている。
【0350】
また、変動表示結果が確変大当りとなるスーパーリーチの場合には、「第1の促進演出A」に対して該第1の促進演出Aを、確変大当りとなるスーパーリーチの場合に15%の割合で決定する判定値データが設定され、「第1の促進演出B」に対して該第1の促進演出Bを確変大当りとなるスーパーリーチの場合に10%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出A」に対して該第2の促進演出Aを、確変大当りとなるスーパーリーチの場合に45%の割合で決定する判定値データが設定され、「第2の促進演出B」に対して該第2の促進演出Bを確変大当りとなるスーパーリーチの場合に25%の割合で決定する判定値データが設定され、「促進演出無し」に対して該「促進演出無し」をスーパーリーチはずれとなる場合に5%の割合で決定する判定値データが設定されている。
【0351】
つまり、決定される確率がスーパーリーチはずれに比較して更に低い「確変大当り」の場合には、第2の促進演出A>第2の促進演出B>第1の促進演出A>第1の促進演出Bの順に決定され易くなっている。
【0352】
よって、これら
図48に示す促進演出決定用テーブル(スーパーリーチ時用)に基づいて決定される、スーパーリーチとなる場合の第1の促進演出A、第1の促進演出B、第2の促進演出A、第2の促進演出Bの各信頼度は、
図49において第1の促進演出Aを例に示す計算式により算出することができる。
【0353】
つまり、第1の促進演出Aを例に示すと、第1の促進演出Aの信頼度(期待度)S1Aは、スーパーリーチが発生して大当りとなるときに第1の促進演出Aが決定される確率Pを、ハズレと大当りとなるときに第1の促進演出Aが決定される全確率(スーパーリーチが発生して大当りとなるときに第1の促進演出Aが決定される確率Pとスーパーリーチが発生してハズレとなるときに第1の促進演出Aが決定される確率Qとの和)にて除することで得ることができる。
【0354】
尚、この実施の形態にあっては、スーパーリーチが発生して大当りとなるときに第1の促進演出Aが決定される確率Pは、非確変大当りとなるスーパーリーチの変動パターンが決定される確率に第1の促進演出Aの決定割合である0.4(40%)を乗じた確率と、確変大当りとなるスーパーリーチの変動パターンが決定される確率に第1の促進演出Aの決定割合である0.15(15%)を乗じた確率との和で求めることができる。また、ハズレと大当りとなるときに第1の促進演出Aが決定される全確率は、非確変大当りとなるスーパーリーチの変動パターンが決定される確率に第1の促進演出Aの決定割合である0.4(40%)を乗じた確率と、確変大当りとなるスーパーリーチの変動パターンが決定される確率に第1の促進演出Aの決定割合である0.15(15%)を乗じた確率と、スーパーリーチはずれの変動パターンが決定される確率に第1の促進演出Aの決定割合である0.05(5%)を乗じた確率との和で求めることができる。
【0355】
ここでは、第1の促進演出Aの信頼度(期待度)S1Aを例に具体的な算出方法を例示したが、同様にして、第1の促進演出Bの信頼度(期待度)S1B、第2の促進演出Aの信頼度(期待度)S2A、第2の促進演出Bの信頼度(期待度)S2Bも算出することができる。
【0356】
このようにして算出された第1の促進演出Aの信頼度(期待度)S1A、第1の促進演出Bの信頼度(期待度)S1B、第2の促進演出Aの信頼度(期待度)S2A、第2の促進演出Bの信頼度(期待度)S2Bは、この実施の形態にあっては、
図49に示すように、S1A>S1B>S2A>S2Bとなり、信頼度の高さは、第1の促進演出A>第1の促進演出B>第2の促進演出A>第2の促進演出Bの順となる。
【0357】
また、第1の促進演出Aと第1の促進演出Bとによる第1の促進演出の信頼度S1、並びに第2の促進演出Aと第2の促進演出Bとによる第2の促進演出の信頼度S2も同様に算出することができ、S1>S2の関係、つまり、信頼度は、第1の促進演出の方が第2の促進演出よりも高い。ただし、これら信頼度が低い方の第2の促進演出については、
図48に示すように、「確変大当り」に対応する決定割合が第1の促進演出の決定割合よりも高く設定されていることにより、該第2の促進演出(第2の促進演出A、第2の促進演出B)が実行された場合には、非確変大当りとなるよりも確変大当りとなる確率が高い。
【0358】
図52は、変動表示中演出処理として、
図41のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図52に示す変動表示中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示(変動表示)時間が経過したか否かを判定する(ステップS5510)。
【0359】
ステップS5510にて可変表示(変動表示)時間が経過していない場合には(ステップS5510;No)、RAMに格納されている図示しない遊技制御フラグ設定部などに設けられた第1の促進演出フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS5520)。第1の促進演出フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS5520;Yes)、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、第1の促進演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS5530)。ステップS5530の処理にて第1の促進演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS5530;Yes)、演出制御用CPUは、例えば、スティックコントローラ31Aの画像を可変表示装置9の表示画面に表示したり、操作桿に対する傾倒操作(第1の動作)を行うよう遊技者に促すようなメッセージを可変表示装置9の表示画面に表示するなどして、第1の動作を行うよう遊技者に促す第1の促進演出を実行する(ステップS5540)。このとき、演出制御フラグ設定部に設けられた第1の促進演出実行中フラグをオン状態にセットし(ステップS5550)、変動表示中演出処理を終了する。また、演出制御フラグ設定部に設けられた第1動作有効期間フラグをオン状態にセットする。第1動作有効期間フラグがオン状態にセットされることにより、遊技者の第1の動作を受け付け可能に制御する。
【0360】
一方、ステップS5530の処理にて第1の促進演出の開始タイミングでないと判定した場合(ステップS5530;No)、演出制御フラグ設定部に設けられた第1の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS5560)。
【0361】
第1の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS5560;Yes)、遊技者により第1の促進演出の種別フラグに対応した第1の動作(スティックコントローラ31Aを引く動作または押す動作)を検出したか否かを判定する(ステップS5570)。第1の促進演出の種別フラグに対応した第1の動作を検出した場合(ステップS5570;Yes)、遊技者に対して可変表示装置9の表示画面における表示やスピーカからの音声出力等により第1の動作を終了する旨を報知(ステップS5570+)した後、可変表示(変動表示)結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になる可能性があることを報知する第1の特定演出を実行する(ステップS5580)。
【0362】
そして、演出制御フラグ設定部に設けられた第1の促進演出フラグと第1の促進演出実行中フラグをリセットし(ステップS5590)、変動表示中演出処理を終了する。なお、第1動作有効期間フラグもリセットされる。尚、第1の特定演出にて報知される内容は、上述した「大当り」となる可能性だけではなく、飾り図柄の可変表示(変動表示)状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があることを報知するようにしても良いし、「大当り」が確変大当りであるか非確変大当りであるかを報知するようにしても良い。
【0363】
一方、遊技者により第1の促進演出の種別フラグに対応した第1の動作を検出していないと判定した場合(ステップS5570;No)、演出制御用CPUは、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、第1の促進演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS5600)。第1の促進演出の終了タイミングである場合(ステップS5600;Yes)、第1の促進演出を終了し(ステップS5610)、続けて第1の促進演出フラグと第1の促進演出実行中フラグをリセットして(ステップS5620)、変動表示中演出処理を終了する。このとき、第1動作有効期間フラグもリセットされる。また、ステップS5600の処理にて第1の促進演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS5600;No)には、変動表示中演出処理を終了する。この場合、演出プロセスフラグは更新されていないため、再度変動表示中演出処理が実行されることになる。そして、第1の促進演出フラグや第1の促進演出実行中フラグ、第1動作有効期間フラグといった各種フラグはリセットされていないため、第1の動作が検出されるか、あるいは第1の促進演出の終了タイミングとなるまでステップS5570の処理やステップS5600の処理が繰り返し実行されることとなる。
【0364】
ステップS5520の処理にて第1の促進演出フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS5520;No)や、ステップS5560の処理にて第1の促進演出実行中フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS5560;No)や、ステップS5620の処理を実行した後、前記遊技制御フラグ設定部などに設けられた第2の促進演出フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS5630)。第2の促進演出フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS5630;No)、変動表示中演出処理を終了する。一方、第2の促進演出フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS5630;Yes)、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、第2の促進演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS5640)。
【0365】
ステップS5640の処理にて第2の促進演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS5640;Yes)、演出制御用CPUは、例えば、プッシュボタン31Bの画像を可変表示装置9の表示画面に表示したり、プッシュボタン31Bの押下操作など(第2の動作)を行うよう遊技者に促すようなメッセージを可変表示装置9の表示画面に表示するなどして、第2の動作を行うよう遊技者に促す第2の促進演出を実行する(ステップS5650)。このとき、演出制御フラグ設定部に設けられた第2の促進演出実行中フラグをオン状態にセットし(ステップS5660)、変動表示中演出処理を終了する。また、演出制御フラグ設定部に設けられた第2動作有効期間フラグをオン状態にセットする。第2動作有効期間フラグがオン状態にセットされることにより、遊技者の第2の動作を受け付け可能に制御する。
【0366】
一方、ステップS5640の処理にて第2の促進演出の開始タイミングでないと判定した場合(ステップS5640;No)、演出制御フラグ設定部に設けられた第2の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS5670)。
【0367】
第2の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS5670;Yes)、遊技者により第2の促進演出の種別フラグに対応した第2の動作(プッシュボタン31Bを連打する動作または長押し動作)を検出したか否かを判定する(ステップS5680)。第2の促進演出の種別フラグに対応した第2の動作を検出した場合(ステップS5680;Yes)、遊技者に対して可変表示装置9の表示画面における表示やスピーカからの音声出力等により第2の動作を終了する旨を報知(ステップS5680+)した後、可変表示(変動表示)結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、遊技状態が遊技者にとって有利な状態になる可能性があることを報知する第2の特定演出を実行する(ステップS5690)。
【0368】
そして、演出制御フラグ設定部に設けられた第2の促進演出フラグと第2の促進演出実行中フラグをリセットし(ステップS5700)、変動表示中演出処理を終了する。なお、第2動作有効期間フラグもリセットされる。尚、第2の特定演出にて報知される内容も、第1の特定演出と同様に、「大当り」となる可能性だけではなく、飾り図柄の可変表示(変動表示)状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があることを報知するようにしても良いし、「大当り」が確変大当りであるか非確変大当りであるかを報知するようにしても良い。
【0369】
一方、遊技者による第2の動作を検出していないと判定した場合(ステップS5680;No)、演出制御用CPUは、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、第2の促進演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS5710)。第2の促進演出の終了タイミングである場合(ステップS5710;Yes)、第2の促進演出を終了し(ステップS5720)、続けて第2の促進演出フラグと第2の促進演出実行中フラグをリセットして(ステップS573)、変動表示中演出処理を終了する。このとき、第2動作有効期間フラグもリセットされる。また、ステップS5710の処理にて第2の促進演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS5710;No)には、変動表示中演出処理を終了する。この場合、演出プロセスフラグは更新されていないため、再度変動表示中演出処理が実行されることになる。そして、第2の促進演出フラグや第2の促進演出実行中フラグ、第2動作有効期間フラグといった各種フラグはリセットされていないため、第2の動作が検出されるか、あるいは第2の促進演出の終了タイミングとなるまでステップS5680の処理やステップS5710の処理が繰り返し実行されることとなる。
【0370】
ステップS5670の処理にて第2の促進演出実行中フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS5670;No)や、ステップS5700の処理を実行した後や、ステップS5730の処理を実行した後、変動表示中演出処理を終了する。
【0371】
ステップS5510にて可変表示(変動表示)時間が経過した場合には(ステップS5510;Yes)、主基板31から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS5640)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS5640;No)、変動表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示(変動表示)時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
【0372】
ステップS5740にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS5740;Yes)、例えば所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示(変動表示)において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS5750)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS5760)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS5770)、変動表示中演出処理を終了する。
【0373】
図53は、第1の促進演出と第2の促進演出とが実行される場合における各種演出の実行タイミングの一例を示している。
図53は、
図43のステップS5410の処理にて第1の促進演出の実行期間を、
図45に示す期間1〜期間7のうちの期間2に決定し、
図46のステップS6060の処理にて第2の促進演出の実行期間を、
図45に示す期間1〜7のうちの期間3に決定した場合の例を示している。
【0374】
第1の促進演Aにおいては、スティックコントローラ31Aの画像と、「スティックコントローラを引け」のメッセージ表示を含む動作促進表示が可変表示装置9に表示される。そして、該動作促進表示にて案内された対象動作が検出されたときには、変動表示結果が大当りとなるか否かに基づいて、異なる割合にて「激熱!」の表示または「チャンス!」の表示のいずれかが表示される第1の特定演出が実行される。尚、これらの第1の促進演Aや第1の特定演出は、リーチ状態となった後のリーチ演出中やスーパーリーチ演出中において実行されても良い。
【0375】
一方、第1の促進演Bにおいては、スティックコントローラ31Aの画像と、「スティックコントローラを押せ」のメッセージ表示を含む動作促進表示が可変表示装置9に表示される。そして、該動作促進表示にて案内された対象動作が検出されたときには、変動表示結果が大当りとなるか否かに基づいて、異なる割合にて「激熱!」の表示または「チャンス!」の表示のいずれかが表示される第1の特定演出が実行される。尚、これらの第1の促進演Bや第1の特定演出は、リーチ状態となった後のリーチ演出中やスーパーリーチ演出中において実行されても良い。
【0376】
第1の特定演出において、「激熱!」または「チャンス!」の表示の決定割合は、第1の促進演Aと第1の促進演Bとで異なるように設定されている。
【0377】
また、第2の促進演Aにおいては、プッシュボタン31Bの画像と、「連打!」のメッセージ表示を含む動作促進表示が可変表示装置9に表示される。そして、該動作促進表示にて案内された対象動作が検出されたときには、変動表示結果が大当りとなるか否かに基づいて、異なる割合にて「キャラクタA」または「キャラクタB」のいずれかによる第2の特定演出が実行される。尚、これらの第2の促進演Aや第2の特定演出は、リーチ状態となった後のリーチ演出中やスーパーリーチ演出中において実行されても良い。
【0378】
一方、第2の促進演Bにおいては、プッシュボタン31Bの画像と、「長押し!」のメッセージ表示を含む動作促進表示が可変表示装置9に表示される。そして、該動作促進表示にて案内された対象動作が検出されたときには、変動表示結果が大当りとなるか否かに基づいて、異なる割合にて「キャラクタA」または「キャラクタB」のいずれかによる第2の特定演出が実行される。尚、これらの第2の促進演Bや第2の特定演出は、リーチ状態となった後のリーチ演出中やスーパーリーチ演出中において実行されても良い。
【0379】
尚、第2の特定演出において、「キャラクタA」または「キャラクタB」の決定割合は、第2の促進演Aと第2の促進演Bとで異なるように設定されている。
【0380】
図53における第1動作有効期間とは、第1動作有効期間フラグがオン状態にセットされている期間をいい、第2動作有効期間とは、第2動作有効期間フラグがオン状態にセットされている期間をいう。
【0381】
尚、第1の促進演出フラグは、ステップS5410+にてセットされた後、第1の促進演出実行中フラグとともに、第1の促進演出の実行期間が経過したときにリセットされ、第2の促進演出フラグは、ステップS6060+にてセットされた後、第2の促進演出実行中フラグとともに、第2の促進演出の実行期間が経過したときにリセットされる。
【0382】
図53では、期間2になるタイミングで第1の促進演出(第1の促進演出Aまたは第1の促進演出B)が実行されるとともに第1の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされ、その後、第1の促進演出Aまたは第1の促進演出Bに対応するスティックコントローラ31Aの動作が検出されて第1の特定演出が実行されるとともに第1の促進演出実行中フラグがリセットされる場合を示すとともに、期間3になるタイミングで第2の促進演出(第2の促進演出Aまたは第2の促進演出B)が実行されるとともに第2の促進演出実行中フラグがオン状態にセットされ、第2の促進演出Aまたは第2の促進演出Bに対応するプッシュボタン31Bの動作が検出されて第2の特定演出が実行されるとともに第2の促進演出実行中フラグがリセットされる場合を示している。ここで、
図53に示す例では、期間2と期間3といった連続した期間においてそれぞれ促進演出が実行される例を示したが、期間3における第2の促進演出の実行前の期間2においては、第1の促進演出と第1の特定演出(第1の動作の検出時)のみが実行され、その他の何の演出も行われないとともに、第2の促進演出の実行後には第2の促進演出(第2の動作の検出時)が実行されるため、第2の促進演出の前の第1の特定演出の実行開始時から第2の特定演出の実行終了時までの期間においては、他の促進演出が実行されないこととなる。
【0383】
このように、遊技者に動作を促す第1の促進演出と第2の促進演出とが同時に実行される期間が存在しないことに加えて、第1または第2の促進演出の前後の期間においても促進演出が実行されず、遊技者は当該期間に複数の動作を要求されることがなくなる。例えば、パチンコ機のように、片方の手が操作ノブを握っている状態で、もう片方の手で複数の操作を実行することが要求されている場合において、複数の検出手段(例えばスティックコントローラ31Aの操作を検出する傾倒方向センサユニットやプッシュボタン32Bの操作を検出するプッシュセンサ35Bなど)を備えたときに、所定の演出期間において予め遊技者による操作を要求するタイミングが決定されているものであると、遊技が単調になってしまうおそれがある。しかしながら、所定の演出期間のいずれにおいても第1の促進演出または第2の促進演出を実行可能とすると、複数の促進演出が同時に実行される状態が発生しうる。このように、同時に複数の促進演出を実行するようにしてしまうと、遊技者によっては一方の検出手段により検出される動作のみしか行うことができなくなってしまうこともあり、かえって遊技興趣が低下してしまうおそれがあった。したがって意図的に複数の促進演出の実行タイミングをずらすことにより、遊技者の動作が煩雑になってしまうことを防止でき、促進演出が実行されても各検出手段に遊技者の動作を検出させやすくなる。したがって、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、促進演出の実行後に行われる特定演出の実行期間においても、第1または第2の促進演出が実行されることがなくなるため、遊技者の動作が煩雑になってしまうことを防止でき、遊技者は特定演出に集中することができる。
【0384】
また、上記の各実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
【0385】
また、上記の各実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bや演出制御基板に搭載されたマイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bや演出制御基板に搭載されたマイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bや演出制御基板に搭載されたマイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。