(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0016】
[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、
図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
【0017】
<パチスロのメイン制御>
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0018】
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0019】
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0020】
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0021】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
【0022】
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し、再遊技及びボーナスの作動の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
【0023】
なお、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
【0024】
演出内容役決定手段(後述のサブCPU81)は、抽出された演出用乱数値及び内部当籤役決定手段に決定された内部当籤役に基づいて、演出内容を決定し、演出実行手段としてのドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、発光部330及びスピーカ9L,9Rを制御し、種々の演出を行う。
【0025】
[パチスロの構造]
1の機能フローについての説明は以上である。次に、
図2〜
図8を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
【0026】
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の斜視図である。
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の保護パネルを外した状態の正面図である。
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1のキャビネット内部の正面図である。
【0027】
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0028】
パチスロ1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2と、を備える。この前面ドア2正面最上部には、リール上部表示器101が設けられている。また、前面ドア2正面の略中央には、透明の保護パネル5が設けられ、この保護パネルの左右には、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104が設けられている。
【0029】
また、保護パネル5の内部には、
図3に示すように、略中央上部に複数の発光ダイオード(LED)が横長矩形形状に配列されたドット表示器100が設けられ、このドット表示器100の下方には、リール照明器102が設けられている。
【0030】
本実施形態では、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104に発光ダイオード(LED)を用いて発光させているが、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を用いることができる。
【0031】
このリール照明器102の下方には、縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられている。表示窓4L,4C,4Rには、右上り斜めの表示ライン8a、上段の表示ライン8b、中段の表示ライン8c、下段の表示ライン8d及び右下がり斜めの表示ライン8eが表示されている。これらの表示ライン8a〜8eは、後述のベットボタン11を操作すること(以下「BET操作」という)、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。
【0032】
図4に示すように、キャビネット60内部には、略中央にキャビネット60を補強するミドルボード65が設けられ、このミドルボード65の上面に、複数のリール3L,3C,3Rが横一列に整列されリールカバー350に収容されて固着されている。
また、リール3Lとリール3Cとの間及びリール3Cとリール3Rとの間には、互いに光が透過することを防止する遮蔽板355が設けられている。
【0033】
各リール3L,3C,3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての複数の図柄が配されたリール帯300L,300C,300Rを有する。各リール帯300L,300C,300Rの図柄は表示窓4L,4C,4R(
図3参照)を通して、パチスロ1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L,3C,3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
【0034】
<リールの詳細な構成>
次に、
図5を参照して、リール3L,3C,3Rの一例として、リール3Cの詳細な構成について説明する。リール3L,3Rは、リール帯300Cとリール帯300L,300Rに配された複数の図柄の配置が異なる以外は同様の構成であるので、説明を省略する。
図5は、リール3Cの分解詳細図である。
リール3Cは、リール帯300Cと、リール帯300Cを外周部で支持する回転可能なリールドラム310と、リールドラム310の内部に配置されリールドラム310を回転駆動するモータユニット320と、リールドラム310の内部においてリール帯300Cの背後に配置されて発光する発光部330と、これらを保持しミドルボード65(
図4参照)の上面に固着するリールベース340と、を備える。
【0035】
(リールドラム)
リールドラム310は、リールベース340に回転可能に軸支され、外周が円形に形成された一対の第1円形フレーム311及び第2円形フレーム312を備える。
第1円形フレーム311は、略円板形状に形成された側壁315を備え、モータユニット320により回転駆動される。側壁315には、発光部330に沿って光を透過する開口部315aが形成されている。
第2円形フレーム312は、直径方向の断面形状が略八字形状に形成された側壁316を備え、その中心部分において、第1円形フレーム311の中心部分に接合される。側壁316は、光を透過する透光部材により形成されている。
【0036】
第1円形フレーム311及び第2円形フレーム312の端部には、互いの対向面に向けて突出したリール帯取付部313,314が形成されている。
図6は、
図5中の円形の破線Bで囲んだ部分の拡大断面図である。
第2円形フレーム312の外部側の端部(
図6中の矢印O側)である外部端部312aは、角が面取りされている。
リール帯取付部314は、外部端部312aの反対側である中央部側に形成され、外部端部312aと分けるように段差が設けられている。具体的には、リール帯取付部314は、外部端部312aより、第2円形フレーム312の回転軸側(
図6中の矢印C側)に形成されている。
【0037】
図7は、リール帯300Cが第1円形フレーム311及び第2円形フレーム312に取り付けられた状態を説明する図である。
リール帯300Cには、幅方向の中心部分に複数の図柄が配される図柄領域301Cが形成され、この図柄領域301C両外側に非図柄領域302Cが形成されている。
第1円形フレーム311のリール帯取付部313及び第2円形フレーム312のリール帯取付部314は、それぞれ両外側の非図柄領域302Cにおいてリール帯300Cを保持する。
【0038】
図5に戻って、モータユニット320は、リールドラム310を回転駆動するステッピングモータ49C(
図9参照)と、このステッピングモータ49Cの駆動を制御するモータ駆動回路39(
図9参照)と、リールドラム310が一回転したことを示すリールインデックスを検出するリール位置検出回路50(
図9参照)と、を備える。
【0039】
(発光部)
図8は、発光部330の説明図である。
発光部330は、リール帯300Cを背後から照射するバックライト部500と、リール帯300Cの左外縁近傍に光を照射する左サイド発光部510と、リール帯300Cの右外縁近傍に光を照射する右サイド発光部520と、に区分されるLED基板331と、LED基板331を収容するバックライトケース332と、を備える。
【0040】
バックライト部500は、表示窓4C(
図3参照)に表示された表示ライン8bの背後に位置するバックライト部上段領域501と、表示窓4C(
図3参照)に表示された表示ライン8cの背後に位置するバックライト部中段領域502と、表示窓4C(
図3参照)に表示された表示ライン8dの背後に位置するバックライト部下段領域503と、に区分されている。
【0041】
左サイド発光部510は、バックライト部上段領域501の左側(
図8中の矢印L側)に位置する左サイド発光部上段領域511と、バックライト部中段領域502の左側(
図8中の矢印L側)に位置する左サイド発光部中段領域512と、バックライト部下段領域503の左側(
図8中の矢印L側)に位置する左サイド発光部下段領域513と、に区分されている。
【0042】
右サイド発光部520は、バックライト部上段領域501の右側(
図8中の矢印R側)に位置する右サイド発光部上段領域521と、バックライト部中段領域502の右側(
図8中の矢印R側)に位置する右サイド発光部中段領域522と、バックライト部下段領域503の右側(
図8中の矢印R側)に位置する右サイド発光部下段領域523と、に区分されている。
【0043】
LED基板331は、バックライト部上段領域501に設けられたバックライト部上段LED501a,501b,501cと、バックライト部中段領域502に設けられたバックライト部中段LED502a,502b,502cと、バックライト部下段領域503に設けられたバックライト部下段LED503a,503b,503cと、左サイド発光部上段領域511に設けられた左サイド発光部上段LED511aと、左サイド発光部中段領域512に設けられた左サイド発光部中段LED512aと、左サイド発光部下段領域513に設けられた左サイド発光部下段LED513aと、右サイド発光部上段領域521に設けられた右サイド発光部上段LED521aと、右サイド発光部中段領域522に設けられた右サイド発光部中段LED522aと、右サイド発光部下段領域523に設けられた右サイド発光部下段LED523aと、を備える。
【0044】
LED基板331に設けられたこれらのLEDは、副制御回路72(
図9参照)により個別に点灯、消灯又は点滅等の点灯態様が個別に制御される。LED基板331に設けられたこれらのLEDは、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の既存の発光素子を用いることができる。
【0045】
バックライトケース332は、LED基板331の周囲を囲うケース本体333と、LED基板331に設けられた上記LEDを仕切り、上記複数の領域を形成する仕切り部材334と、を備える。
【0046】
ケース本体333は、LED基板331の表面からリール帯300C方向に向かって斜めに立設するケース本体仕切り板333a,333b,333c,333d,333e,333fを有する。ケース本体仕切り板333aは、左サイド発光部上段LED511aと発光部330の外部とを仕切る。ケース本体仕切り板333bは、左サイド発光部中段LED512aと発光部330の外部とを仕切る。ケース本体仕切り板333cは、左サイド発光部下段LED513aと発光部330の外部とを仕切る。ケース本体仕切り板333dは、右サイド発光部上段LED521aと発光部330の外部とを仕切る。ケース本体仕切り板333eは、右サイド発光部中段LED522aと発光部330の外部とを仕切る。ケース本体仕切り板333fは、右サイド発光部下段LED523aと発光部330の外部とを仕切る。
【0047】
仕切り部材334は、LED基板331の表面からリール帯300C方向に向かって斜めに立設する。また、仕切り部材334は、バックライト部上段LED501a,501b,501cと、左サイド発光部上段LED511aと、を仕切る仕切り板334aと、バックライト部中段LED502a,502b,502cと、左サイド発光部中段LED512aと、を仕切る仕切り板334bと、バックライト部下段LED503a,503b,503cと、左サイド発光部下段LED513aと、を仕切る仕切り板334cと、バックライト部上段LED501a,501b,501cと、右サイド発光部上段LED521aと、を仕切る仕切り板334dと、バックライト部中段LED502a,502b,502cと、右サイド発光部中段LED522aと、を仕切る仕切り板334eと、バックライト部下段LED503a,503b,503cと、右サイド発光部下段LED523aと、を仕切る仕切り板334fと、を備える。
【0048】
また、仕切り部材334は、バックライト部上段LED501a,501b,501cと、バックライト部中段LED502a,502b,502cと、を仕切る仕切り板334gと、バックライト部中段LED502a,502b,502cと、バックライト部下段LED503a,503b,503cと、を仕切る仕切り板334hと、を備える。
また、仕切り部材334は、天井面を形成する仕切り板334iと、底面を形成する仕切り板334jと、を備える。
【0049】
このように、バックライト部上段領域501は、バックライト部上段LED501a,501b,501cが配置され、仕切り板334a,334g,334d,334iにより仕切られて形成されている。
バックライト部中段領域502は、バックライト部中段LED502a,502b,502cが配置され、仕切り板334b,334h,334e,334gにより仕切られて形成されている。
バックライト部下段領域503は、バックライト部下段LED503a,503b,503cが配置され、仕切り板334c,334j,334f,334hにより仕切られて形成されている。
【0050】
バックライト部上段領域501、バックライト部中段領域502及びバックライト部下段領域503は、LED基板331の表面からリール帯300Cに向かって形成され、その幅はLED基板331の表面ではリール帯300Cの幅より狭く、リール帯300Cの幅と略同じ幅までに徐々に拡がって形成されている。これにより、リール帯の幅より狭い範囲にLEDを配置していても、LEDの発光による光をリール帯の幅に拡散できる。
【0051】
左サイド発光部上段領域511は、左サイド発光部上段LED511aが配置され、仕
切り板334aとケース本体仕切り板333aにより仕切られて形成されている。
左サイド発光部中段領域512は、左サイド発光部中段LED512aが配置され、仕
切り板334bとケース本体仕切り板333bにより仕切られて形成されている。
左サイド発光部下段領域513は、左サイド発光部下段LED513aが配置され、仕
切り板334cとケース本体仕切り板333cにより仕切られて形成されている。
右サイド発光部上段領域521は、右サイド発光部上段LED521aが配置され、仕
切り板334dとケース本体仕切り板333dにより仕切られて形成されている。
右サイド発光部中段領域522は、右サイド発光部中段LED522aが配置され、仕
切り板334eとケース本体仕切り板333eにより仕切られて形成されている。
右サイド発光部下段領域523は、右サイド発光部下段LED523aが配置され、仕
切り板334fとケース本体仕切り板333fにより仕切られて形成されている。
【0052】
仕切り板334a〜334fのそれぞれ左サイド発光部上段LED511a、左サイド発光部中段LED512a、左サイド発光部下段LED513a、右サイド発光部上段LED521a、右サイド発光部中段LED522a及び右サイド発光部下段LED523a方向の面には、光反射部材が設けられている。このように、光反射部材を設けることで、第1円形フレーム311及び第2円形フレーム312の外部側の端部に、これらのLEDの光を効率的に導くことができる。
【0053】
仕切り板334a〜334fのLED基板331の表面から高さは、それぞれケース本体仕切り板333a〜333fの高さより高く形成されている。
これにより、左サイド発光部上段領域511、左サイド発光部中段領域512、左サイド発光部下段領域513、右サイド発光部上段領域521、右サイド発光部中段領域522及び右サイド発光部下段領域523は、LED基板331の表面からリール帯300Cの外縁近傍に向かって形成され、リール帯300Cの外縁近傍が開放されている。
【0054】
図3に戻って、表示窓4L,4C,4Rの下方には、パチスロ1における遊技に関する情報を表示するリール下部表示器105が設けられている。このリール下部表示器105の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。この台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、略中央には主にメダル枚数に関する情報を表示する情報表示器13が設けられ、左側にはベットボタン11が設けられる。ベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED111(
図9参照)が設けられている。
【0055】
このベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数のメダルが投入され、前述のとおり、所定の表示ライン8a〜8eが有効化される。ベットボタン11の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
【0056】
情報表示器13には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示無し)が設けられている。また、情報表示器13には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示無し)が設けられている。
さらに、情報表示器13は、デジタル表示器(図示無し)において、パチスロ1の動作に関するエラーを示すエラーコード、設定値等をデジタル表示する。また、情報表示器13には、再遊技の図柄が表示された時に点灯するLED(図示無し)や、リール3L,3C,3Rが作動可能な時や、メダル投入受付可能な時に点灯するLED(図示無し)が設けられている。
【0057】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換える精算ボタン12が設けられている。この精算ボタン12の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。精算ボタン12の右側には、遊技者の傾動操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
【0058】
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
【0059】
前面ドア2下部の正面には、左右に効果音や音声等の音による演出を行うスピーカ9L,9Rが設けられ、このスピーカ9L,9Rの間にメダルが払出されるメダル払出口15が設けられている。前面ドア2最下部には、払出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。また、前面ドア2下部の正面のうち、ストップボタン7L,7C,7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた要部パネル照明器(図示無し)に照射される。
【0060】
図4に示すように、キャビネット60の内部上部には、リール3L,3C,3Rの他に、パチスロ1の制御を行う主制御回路71が主基板ケースに収容されて設けられている。また、ミドルボード65の下方左側には、電源メインスイッチと交流電圧を直流電圧に変換する電源基板を有する電源ユニット20が設けられている。また、ミドルボード65の下方略中央には、入賞払い出し枚数が所定枚数を超えた時や精算時にメダルを払い出すメダル払出装置40が設けられている。また、ミドルボード65の下方右側には、メダル払出装置40から溢れ出たメダルを収容するメダル補助収納庫45が設けられている。
【0061】
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、
図9及び
図8を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0062】
<主制御回路>
図9は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示す。
【0063】
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
【0064】
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0065】
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0066】
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0067】
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
【0068】
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0069】
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
【0070】
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
【0071】
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0072】
また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0073】
(表示器等)
さらに、マイクロコンピュータ30には、ストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L,107C,107Rと、メダル枚数に関する情報を表示する情報表示器13と、が接続されている。
【0074】
<副制御回路>
図10は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示す。
【0075】
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87を含んで構成されている。
【0076】
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0077】
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、ベットボタンLED111及び発光部330による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
【0078】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0079】
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105、ベットボタンLED111と、発光部330及びスピーカ9L,9Rが接続されている。
【0080】
サブCPU81、DSP84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、リール下部表示器105及び発光部330の点灯及び消灯を行う。
【0081】
例えば、サブCPU81は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、発光部330に設けられたバックライト部上段LED501a,501b,501c、バックライト部中段LED502a,502b,502c、バックライト部下段LED503a,503b,503c、左サイド発光部上段LED511a、左サイド発光部中段LED512a、左サイド発光部下段LED513a、右サイド発光部上段LED521a、右サイド発光部中段LED522a、右サイド発光部下段LED523aやドット表示器100等の点灯、点滅及び消灯の制御を行う。
【0082】
[リールの発光態様]
次に、リール3Cの発光態様について説明する。
図11は、
図4におけるAA’間のリール3Cの部分断面図である。
図11に示すように、サブCPU81(
図10参照)の制御により、発光部330の左サイド発光部中段LED512aが点灯し、バックライト部中段LED502a,502bが消灯している。この時、左サイド発光部中段LED512aにより発光された光(
図11中の点線ハッチング部分)は、仕切り板334bとケース本体仕切り板333bにより仕切られて形成された左サイド発光部中段領域512で反射され、第2円形フレーム312の側壁316を透過して、外部端部312aにおいて、リール帯の外縁近傍を照射する。
なお、左サイド発光部中段LED512aにより発光された光は、仕切り板334bにより遮られ、リール帯300Cの背後の領域であるバックライト部中段領域502に侵入することはない。また、左サイド発光部中段LED512aにより発光された光は、遮蔽板355により遮られ、隣接する他のリールの内部に侵入することはない。
【0083】
図12は、左サイド発光部510及び右サイド発光部520による演出を説明する図である。
図12では、リール3L,3C,3Rの左サイド発光部510(
図8参照)及び右サイド発光部520(
図8参照)の全てのLEDを発光させたときの表示窓4L,4C,4Rにおける表示を示している。このとき、リール帯300L,300C,300Rの上段、中段及び下段の外縁近傍がそれぞれ光る演出(
図12中の縦長の楕円形状のハッチング部分)が行われる。
【0084】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、リール帯300Cを背後から照射するバックライト部500と、左サイド発光部510及び右サイド発光部520とを仕切り板334a〜仕切り板334fで遮蔽した。また、リールドラム310は、例えば、リール帯300Cを保持する一対の第1円形フレーム311及び第2円形フレーム312を有し、例えば、左サイド発光部510は、仕切り板334a〜仕切り板334cにより第2円形フレーム312の側壁316を透過させて、第2円形フレーム312の端部の外部側に形成された、外部端部312aに、光を照射する。
【0085】
これにより、リール帯300Cを背後から照射するバックライト部500と、左サイド発光部510とを仕切り板334a〜仕切り板334cで遮蔽し、左サイド発光部510が発光した光を第2円形フレーム312の側壁316を透過させ第2円形フレーム312の外部端部312aに照射したので、左サイド発光部510が発光した光は、リール帯300C自体を照射することなく、リール帯300Cの外縁近傍を照射できる。
よって、リール自体を見づらくすることなく、且つ遊技者が注視するリールにおいて高い装飾効果をもった演出を行うことができる遊技機を提供できる。
【0086】
また、本実施形態によれば、例えば、左サイド発光部510により発光された光は、第2円形フレーム312の側壁316を透過して、第2円形フレーム312の外部側に回り、第2円形フレーム312の外部端部312aを照射し、遊技者に向かって拡散する。
よって、第2円形フレーム312の端部から遊技者に向かって適切に左サイド発光部510の光が発光されるので、リール自体を見づらくすることなく、且つ遊技者が注視するリールにおいて高い装飾効果をもった演出を行うことができる遊技機を提供できる。
【0087】
また、本実施形態によれば、左サイド発光部510、右サイド発光部520により光が照射される外部端部312aと、リールドラム310の中央部と、を分ける段差を設けた。
これにより、外部端部を照射した光が、リールドラム310の中央部に回り込むのを防止できる。
よって、リール自体に左サイド発光部510、右サイド発光部520の光が回り込まないので、リール自体を見づらくすることなく、且つ遊技者が注視するリールにおいて高い装飾効果をもった演出を行うことができる遊技機を提供できる。
【0088】
また、本実施形態によれば、一対の第1円形フレーム311、第2円形フレーム312の端部に、それぞれ互いの対向面に向けて突出したリール帯取付部313,314を形成し、これらのリール帯取付部313,314は、リール帯300Cを複数の図柄が配された図柄領域301Cの外側に形成した非図柄領域302Cで保持する。
これにより、リール帯300Cの図柄領域301Cが第1円形フレーム311、第2円形フレーム312のリール帯取付部313,314に遮られることなく、バックライト部500により照射できる。
また、リール帯取付部313,314は、左サイド発光部510、右サイド発光部520により光が照射される外部端部312aより、リールドラム310の回転軸側に形成した。
これにより、リール帯300Cに左サイド発光部510、右サイド発光部520の光が回り込まないので、リール自体を見づらくすることなく、且つ遊技者が注視するリールにおいて高い装飾効果をもった演出を行うことができる遊技機を提供できる。
【0089】
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。また、本発明は本実施形態のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。