(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本発明の実施の形態による易開封包装袋について、図面に基づいて以下で説明する。
【0041】
本実施形態では、易開封包装袋の内容物の一例として、分析対象物として血液を用いてグルコース濃度を測定する血糖値測定センサ(バイオセンサ)6を用いた場合について説明する。なお、
図1〜
図22は、本発明の実施の形態の一態様に過ぎず、実施の形態はこれに限られるものではない。
【0042】
(実施の形態1)
図1(a)、
図1(b)及び
図1(c)は、本発明の実施の形態1に係る易開封包装袋の開封前の状態を示した平面図、側断面図、および平断面図である。なお、
図1(a)に示すA−Aの位置の断面の拡大図が、
図1(b)に示されている。又、
図1(c)は、
図1(b)に示すE−E間の位置における易開封包装袋の断面を示す図である。
【0043】
本実施形態の易開封包装袋は、基材層1と接着層2とからなる包装用フィルム3を、接着層同士を重ね合わせることにより形成されており、略矩形状の血糖値測定センサ(内容物、バイオセンサ)6を内包する包装袋である。そして、包装用フィルム3の周縁に沿って周縁接着部5が形成されている。さらに、周縁接着部5には、少なくとも1つのノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様が形成されている。
【0044】
包装用フィルム3面と周縁接着部5が、血糖値測定センサ6を覆っており、血糖値測定センサ6は外部の空気と遮断されて完全に密封されている。このため、塵や埃などによって汚染されることはないので、血糖値測定センサ6の保存性という点において優れている。
【0045】
図2に示すように、血糖値測定センサ6は、ノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様による破り進行方向9(点線参照)に対して斜めに配置されている。血糖値測定センサ6の方向の調整については、ノッチ4の切り込み角度や破り開始点の図柄模様を調整することによって、血糖値測定センサ6がノッチ4または破り開始点を示す図柄模様による破り進行方向9に対して斜めに配置されるようにすればよい。
【0046】
なお、図柄模様は、破り開始点を示す図柄模様であれば何でもよく、絵、模様、紋様、図形、点、線、文字、数字、記号もしくはこれらを組み合わせた所望の図柄を適宜用いることができる。
【0047】
次に、本実施の形態1の易開封包装袋を開封する方法について、
図1、
図2、
図17、及び
図18を用いて説明する。
図1(a)および
図1(b)は、本易開封包装袋の開封前の状態を示した平面図および断面図である。
図2は、ノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様、血糖値測定センサ6および破り進行方向9とのそれぞれの位置関係を示した配置図である。
図17は、本実施の形態1の易開封包装袋の中に内包されている
図1に示す血糖値測定センサ6を、破り進行方向9に向けて開封する場合における手順を示すフローチャートである。
図18(a)〜(d)は、本実施の形態1の易開封包装袋の開封状態を説明するための平面図である。尚、
図18(a)〜(d)は、
図1に示す下面40b側から見た図である。
【0048】
まず、本易開封包装袋を開封する際には、予め設けられているノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様を挟んだ両側を指でつかみ、それぞれを別方向に引っ張ることにより、ノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様を起点として破り始める(
図17のS101及び
図18(a))。
【0049】
破り目は、ノッチ4の切り込み角度の向きや破り開始点を示す図柄模様の角度に従って進行していき(
図17のS102)、やがて破り目が血糖値測定センサ6(血糖値測定センサ)近辺に到達する(
図17のS103及び
図18(b))。
【0050】
このとき、破り目は、血糖値測定センサ6(血糖値測定センサ)に対して所定の角度7で斜めに接触することで、破り目が2つに分断され始める(S104、
図18(b)、及び
図18(c))。
【0051】
これは、一方の包装用フィルムの破り目は障害物がないのでそのまま進行するが、他方の破り目は血糖値測定センサ6が障害となって前進することができなくなるために、血糖値測定センサ6の形状ラインに沿って屈曲して進行することになるからである(S105)。このとき、2つの破り目は、破り進行方向9と血糖値測定センサ6の形状ラインとの所定の角度7を保ちながら分断される。
図18(c)において、41が、そのまま進行する一方の破り目を示しており、9bが、その一方の破り目41の進行方向を示している。又、42が、屈曲して進行する他方の破り目を示しており、9aが、その他方の破り目42の進行方向を示している。尚、一方の破り目41は
図1における下面40b側の包装用フィルム3に形成され、他方の破り目42は
図1における上面40a側の包装用フィルム3に形成される。詳しくは後述するが、厚みが薄い方がより破れやすく、血糖値測定センサ6に沿って破り目が屈曲して進行しやすくなるためである。
【0052】
さらに、易開封包装袋を破り続けると、分断された2つの破り目の空間の位置に、内容物である血糖値測定センサ6の端部が次第に姿を表し始める。さらに、血糖値測定センサ6の端部6aが完全に露出されるまで破り続ける(
図17のS106、S107及び
図18(d))。
【0053】
血糖値測定センサ6の端部が完全に露出されると、破り作業を完了させる(S108)。
【0054】
その後、血糖値測定センサ6の端部を掴み、血糖値測定センサ6を包装フィルムから取り出す(S109)。
【0055】
その後、血糖値測定センサ6は所定の目的のために使用される(S110)。
次に、
図17に示される開封手順を示すフローチャートに従って、実際に、血糖値測定センサ6が内包されている易開封包装袋について手動で開封する実験を行った。
【0056】
なお、実験に用いた易開封包装袋の材質は、PET1/AL/PET2/PE の4層で構成されている。最内層であるPE側を重ね合わせ、100〜150℃で熱溶着させることで、包装袋を形成することが可能である。すなわち、最内層であるPE層が、接着層2に対応する。そして、PE層の熱溶着により周縁接着部5が形成される。
【0057】
表1は、易開封包装袋に内包される内容物(血糖値測定センサ6)の角度を調整することにより、予め設けられているノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様による破り進行方向9と血糖値測定センサ6とが接触する角度7を変えていき、開封時の破り目が内容物(血糖値測定センサ6)に影響する度合いを表したものである。
【0058】
具体的には、ノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様による破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7を、0°〜90°の範囲で、90°、85°、80°、65°、45°、25°、10°、5°、0°に調整した易開封包装袋を、サンプルとしてそれぞれ5個ずつ、合計45個用意し、順番に指先を使って開封した。
【0059】
ここで、易開封包装袋に内包されている血糖値測定センサ6について説明する。
血糖値測定センサ6は、
図19(a)に示すように、絶縁性の基板18、スペーサ20およびカバー19をこの順序で積層して接着剤で貼り付けたり、熱融着などによって一体化したりすることで製造されている。
【0060】
一般的には、
図19(b)に示すように、カード形状の測定器28の試験片装着部30に端子21,22側を挿入して血糖値測定センサ6が測定器28に装着された状態で、血糖値測定センサ6の端部に、例えば、血液等の生体試料が点着される。点着された血液は、吸引口43からスペーサ20に形成されているキャビティ27に毛細管現象によって吸い込まれ、測定極23および対極24上に塗布された上記反応試薬25に達する。ここで、血液は、反応試薬と酵素反応するため、測定器28から血糖値測定センサ6の端子21,22へ電圧を印加することにより、上記酵素反応における反応生成物が酸化され、そのとき発生する酸化電流が上記測定器28側で測定される。これにより、測定された酸化電流値に基づいて、被測定成分の濃度が血糖値として換算される。
【0061】
なお、上記反応試薬としては、被測定溶液内のグルコースを測定するときには、酵素としてグルコースオキシダーゼを含む反応試薬が用いられる。また、測定器28の表面には、測定結果を表示する表示部29が設けられている。測定器28の試験片装着部30には、血糖値測定センサ6が装着されたときに、血糖値測定センサ6の端子21,22と電気的にそれぞれ接続される正極および負極の電極が設けられている(図示せず)。また、26は、空気を逃がすための孔である。
【0062】
実験の手順及び結果を以下に説明する。
まず、破り進行方向9が血糖値測定センサ6に対して接触する角度7が90°となる従来技術では、破り目は、血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると血糖値測定センサ6に必然的に接触する。このとき、血糖値測定センサ6が障害物となり、破り目がそこで止まり、破り続けることができなくなって開封が困難となった。このため、従来は、破り目が血糖値測定センサ6に接触しないように、意識的に易開封包装袋を多少持ちかえたりして、破り方向を90°ずらすことにより開封していた。
【0063】
しかしながら、この場合、開封途中において、破り目が血糖値測定センサ6に引っ掛かって開封しづらくなり、開封できたとしても、
図17のS104及び
図18(c)に示すように、破り目が2つに分断されることはない。その結果、内容物である血糖値測定センサ6の端部が包装袋から露出しないことになり、血糖値測定センサ6を取り出し難くなってしまう。
【0064】
さらに、開封時にさらにより力を込めて勢いよく引裂くと、破り目は、血糖値測定センサ6に接触して血糖値測定センサ6が折れ曲がるなどの損傷が発生したり、血糖値測定センサ6が包装袋から飛び出して落ちてしまう等の問題も発生したりする等、好ましい結果は得られなかった。5個のサンプルとも、同じような現象となり、表1では、このような好ましくない結果を“×”マークとして示した。
【0066】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が85°の場合には、破り目は、血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると必然的に血糖値測定センサ6に接触する。このとき、血糖値測定センサ6が障害物となり、破り目が一旦そこで止まってしまうが、さらに力を加えることで、破り目を二方向に分断し、破り続けることは可能である。
【0067】
しかし、血糖値測定センサ6が折れ曲がるなどの損傷が発生したり、血糖値測定センサ6が包装袋から飛び出して落ちてしまうといった問題も発生する結果となった。5個のサンプルとも同じような現象となり、表1では、このような結果を“△”マークとして示した。
【0068】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が80°の場合には、破り目は、血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると必然的に血糖値測定センサ6に接触する。このとき、若干のストレスは感じるが、比較的スムーズに破り目が2方向に分断され始め、血糖値測定センサ6(血糖値測定センサ)の端部が完全に露出されるまで破り続けることが可能であった。
【0069】
しかし、1個のサンプルにおいては、上述の85°と同様に、破り目が血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると、血糖値測定センサ6が障害物となって破り続けづらくなった。また、破り目の2方向への分断のために、より強い力が必要となった。
【0070】
このとき、血糖値測定センサ6が折れ曲がるなどの損傷が発生したり、血糖値測定センサ6が飛び出し包装袋から落ちてしまう現象は発生しなかったが、破り目の2方向への分断のために、より強い力が必要であった。よって、1個のサンプルについては、表1で、“△”マーク、その他の4個のサンプルについては、比較的スムーズな開封が可能であるため、“〇”として示した。
【0071】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が65°の場合には、破り目は、血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると血糖値測定センサ6に接触する。このとき、ストレスは全く感じず、非常にスムーズに破り目が二方向に分断され始め、血糖値測定センサ6の端部が完全に露出されるまで破り続けることが可能であった。
【0072】
さらに、より力を込めて勢いよく引き裂いても、血糖値測定センサ6が折れ曲がるなどの損傷が発生したり、内容物が飛び出し包装袋から落ちてしまう現象も発生せず、従来の課題が完璧に解決される好ましい結果となった。よって、5個のサンプルとも、同様の結果となり、表1では、好ましい結果として、“◎”マークとして示した。
【0073】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が45°の場合には、上述の65°と同様の結果となった。よって、表1では“◎”マークとして示した。
【0074】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が25°の場合には、上述の65°、45°と同様の結果となった。よって、表1では“◎”マークとして示した。
【0075】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が10°の場合には、破り目は、血糖値測定センサ6に接触する付近に到達すると、端部6a(
図2参照)により近い箇所で血糖値測定センサ6に接触する。このとき、非常にスムーズに破り目が2方向に分断され始め、血糖値測定センサ6の端部が露出されるまで破り続けることが可能であった。
【0076】
さらに、より力を込めて勢いよく引き裂いた場合でも、血糖値測定センサ6が折れ曲がるなどの損傷が発生したり、血糖値測定センサ6が包装袋から飛び出して落ちてしまう等の現象は発生しなかった。しかし、破り目が血糖値測定センサ6の端部により近い箇所で血糖値測定センサ6に接触するため、開封後に包装袋から露出する血糖値測定センサ6の端部の領域が減少してしまう傾向にある。3個のサンプルにおいては、端部露出領域が減少傾向にあるものの、取り出し難さは感じず、血糖センサの使用には問題ないレベルであった。よって、表1では、〇”として示し、2個のサンプルにおいては、血糖値測定センサ6の端部の露出領域が少なく、取り出し難いと感じたため、表1では“△”として示した。
【0077】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が5°の場合には、上述の10°よりもさらに、破り目が血糖値測定センサ6の端部により近い箇所で接触する。このため、開封後に包装袋から露出する血糖値測定センサ6の端部の領域の減少が著しい。また、破り目を2方向へ分断することが不十分なために、5個のサンプルいずれにおいても、血糖値測定センサ6の端部の露出が少なく、取り出し難いと感じた。このため、表1では“△”として示した。
【0078】
次に、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触する角度7が0°の場合には、破り目が血糖値測定センサ6付近に到達しても、破り目と血糖値測定センサ6とが接触しないまま、開封が終了した。このため、内容物である血糖値測定センサ6の端部が包装袋から全く露出しないことになり、血糖値測定センサ6を取り出し難くなった。
【0079】
また、破り目と血糖値測定センサ6とがかろうじて接触する場合においては、血糖値測定センサ6の短手方向の辺と破り目が90°の接触角度で接触する。このため、上述の90°の配置の場合と同様に、血糖値測定センサ6が障害物となって、破り目がそこで止まり、破り続けることができなくなり開封が困難となった。
【0080】
また、この場合には、破り目を2方向へ分断するために、血糖値測定センサを意識的に持ちかえたりして破り進行方向を微妙に調整することも必要となる。さらに、より力を込めて勢いよく引き裂いていくと、破り目が血糖値測定センサ6に接触して折れ曲がるなどの損傷が発生したり、血糖値測定センサ6が包装袋から飛び出して落ちてしまう等の問題も発生し、好ましい結果は得られなかった。よって、5個のサンプルとも、同じような現象となり、表1では、“×”マークとして示した。
【0081】
以上の結果から、表1に示すように、ノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様による破り進行方向9と血糖値測定センサ6とが接触する角度7については、5°〜85°の角度で配置されていることが好ましい。開封性試験においては、より好ましくは、10°〜80°であり、さらに好ましくは、25°〜65°であることが確認された。
【0082】
本実施形態では、上述の易開封包装袋を開封する
図17のステップS104以降の開封動作をストレスなく行うことを可能とするために、血糖値測定センサ6と破り目が斜めに接触するように、配置が工夫されている。
【0083】
これにより、破り目が血糖値測定センサ6に接触したときに、2枚の包装用フィルムが容易にそれぞれ異なる2方向に分断され始めるようにすることができる。その結果、血糖値測定センサ6にダメージを与えることなく、血糖値測定センサ6の端部のみを易開封包装材から露出させることができる。
【0084】
このように、本実施形態の易開封包装材によれば、ステップS104以降の破り作業をストレスなく完了できる。このため、
図23に示した従来技術(非特許文献1)で発生していた当初の課題であった、破り目が血糖値測定センサ6の近傍に到達する際、血糖値測定センサ6に対して垂直に接触していたために破り目が血糖値測定センサ6に引っ掛かり、破り続けることが困難となっていた問題や、さらに開封力を加えた場合に血糖値測定センサ6にダメージを与える、血糖値測定センサ6が落下する、といった不具合に関して、確実に解決できたことがわかる。
【0085】
また、本実施形態によれば、予め設けられたノッチまたは破り開始点を示す図柄模様を起点として引き裂いて開封する包装材を採用することにより、特許文献1の構成のように開閉に強い力を必要としない。このため、血糖値測定センサ6を使用する機会が多い老人等にも開封しやすい。仮に、力を加えて勢い良く破り作業を行っても、血糖値測定センサ6の端部しか露出しないため、易開封包装袋から血糖値測定センサ6が落下することもない。したがって、内容物にダメージを与えない、落下しない、開封が容易という本実施の形態1による効果が得られた。
【0086】
なお、易開封包装材の大きさについては、特に制限されないが、例えば、内容物が本実験で用いたような板状の血糖値測定センサ6の場合には、内容物の大きさは全長約29.5mm、幅約6.6mm、厚み約0.428mmである。よって、易開封包装袋の大きさは、内容物である血糖値測定センサ6が包含される寸法であり、全長約70mm、幅約30mm、厚み約0.2mmのもので実験した。
【0087】
(実施の形態2)
本発明の易開封包装袋に係る他の実施の形態について、図面を参照して以下で説明する。
【0088】
なお、上記実施の形態1と同様の要素については同一の符号を使用し、本実施の形態2にも含まれるものとして扱う。また、易開封包装袋の開封方法については、基本的には実施の形態1と同様であるので、同じ部分については、ここでは割愛する。
【0089】
図3は、上記実施の形態1で示した
図1、
図2を改良したもので、本実施形態の易開封包装袋の開封前の状態を示した平断面図である。尚、
図3は、
図1(b)で示すEE間と同じ位置における易開封包装袋の断面図である。
【0090】
上記実施の形態1と異なる部分としては、ノッチ近傍の周縁接着部の形状である。本実施形態の易開封包装材では、ノッチが形成されている周縁接着部5の領域が血糖値測定センサ6方向に突出して形成された突出部44が設けられている。
【0091】
図1および
図2のような構成では、易開封包装袋の開封時には、ノッチ4を起点として破り始め(S101)、破り目が内容物に対して斜めに進行し(S102)、破り目が血糖値測定センサ6に到達(S103)するステップで開封動作が進行する。しかしながら、まれに、指先に加える力の加減などにより、破り目が内容物6に対して斜めに進行する(S102)途中で、ノッチ4を起点にした破り目が内容物6に接触しない方向に屈曲する場合が考えられる。
【0092】
この場合、
図17のS104及ぶ
図18(c)のように破り目が2つに分断されることがないので、その結果、内容物である血糖値測定センサの端部6a(
図2参照)が包装袋から露出しないことになる。よって、内容物(血糖値測定センサ6)を取り出し難くなる。
【0093】
一方、本実施形態の易開封包装材では、
図3に示すように、ノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域を、血糖値測定センサ6方向に突出させることで、血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部8の領域との距離が短くなる。これにより、破り進行方向9の自由度が減少し、破り進行方向9を一定方向に制限することが可能となる。この結果、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触頻度が増大し、破り目が2つに分断され(S104)、スムーズな開封へと繋がる。
【0094】
表2は、易開封包装袋に内包される内容物とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離を変えていき、開封時の破り目と血糖値測定センサ6との接触頻度に影響する度合いを表したものである。
【0096】
具体的には、血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離が、5mm〜15mmの範囲で、5mm、10mm、15mmに調整した易開封包装袋を、サンプルとしてそれぞれ5個ずつ、合計15個用意し、順番に指先を使って開封した。
【0097】
血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離が、5mmの場合、5個のサンプルとも、破り目と血糖値測定センサ6とは接触し、破り目は二方向へスムーズに分断された。よって、表2では、好ましい結果として“〇”マークとして示した。
【0098】
血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離が、10mmの場合、5個のサンプルとも、破り目と血糖値測定センサ6とは接触し、破り目は二方向へスムーズに分断することができた。よって、表2では、好ましい結果として“〇”マークとして示した。
【0099】
血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離が、15mmの場合、1個のサンプルにおいて、破り目が屈曲し、血糖値測定センサ6に接触せず、破り目は二方向に分断することができなかった。よって、表2では、好ましくない結果として“×”マークとして示した。それ以外の4個のサンプルにおいては、破り目と血糖値測定センサ6とは接触し、破り目は比較的スムーズに2方向へ分断することができた。よって、“〇”マークとして示した。
【0100】
表2に示すように、血糖値測定センサ6とノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域との距離が短い程、破り進行方向9は一定方向に制限され、破り目と内容物(血糖値測定センサ6)との接触頻度は増す。よって、ノッチ4が形成されている周縁接着部5の領域は可能な限り血糖値測定センサ6方向に突出している形状が好ましい。
【0101】
図4(a)〜(f)は、本実施形態の易開封包装袋に設けられたノッチ4の形状を示した平面図である。
図4(a)〜(f)は、少なくとも一方の面が熱溶着性樹脂層を有する合成樹脂フィルム2枚の熱溶着性樹脂層を対向させ、その周縁を熱溶着した包装袋の端部に設けられているノッチの形状を示したものである。その形状は、単なる切込み形状、またはノッチからの破り進行方向に向けて、先端が細くなっている形状でもよく、V字状、U字状、ホームベース形状、I字状、など開封しやすいように適宜、工夫することができる。
【0102】
例えば、
図4(a)、(b)に示すノッチ50、51はV字形状であり、
図4(c)に示すノッチ52は稲妻形状であり、
図4(d)に示すノッチ53はホームベース形状である。又、
図4(e)に示すノッチ54は平行四辺形の形状であり、
図4(f)に示すノッチ55はハート形状である。
【0103】
また、先端の方が逆に太くなっている形状の場合でも、開封しやすいような構造になっていれば問題ない。また、ノッチの寸法は、破り目の横断方向に対して、長さ2mm以上の切傷となっており、密封袋用のフィルムは強靭である反面、一旦傷が生じるとその傷が伝播しやすい傾向にあるため、予め袋の端縁部に1箇所以上傷を与え、これを破り口として引張ると手指の力だけで開封することができる。なお、
図4では、下向きのノッチ4の先端部が破り目の開始位置となる。この破り目の開始位置が、
図4(a)〜(f)のノッチ50、51、52、53、54、55おいて、それぞれ50a、51a、52a、53a、54a、55aで示されている。
【0104】
図5(a)、(b)、(c)は、少なくとも2枚の包装用フィルム3を重ね合わせ周縁接着部5を形成することによって作製される易開封包装袋におけるノッチ4および周縁接着部5の配置を示したもので、開封前の状態を示した平面図、側断面図、および平断面図である。
図5(a)に示すB−B線の位置の断面の拡大部分を
図5(b)に示す。又、
図5(c)は、
図5(b)に示すF−F線の位置における易開封包装袋の断面を示す図である。
【0105】
ここでは、周縁接着部5が、基材層1と接着層2とからなる包装用フィルム3の最外縁部31より内側に形成されている。そして、ノッチ4が、基材層1と接着層2とからなる包装用フィルム3の最外縁部31に形成されている。
【0106】
このように、周縁接着部5上にノッチ4を形成しないことで、充分な周縁接着部5の面積の確保が可能となるため、ノッチ4による周縁接着部5の面積が制限されることがない。よって、より密封性が保たれ防湿性に優れた易開封包装材を得ることができるという効果が得られる。
【0107】
また、密封袋用のフィルムは強靭である反面、一旦傷が生じるとその傷が伝播しやすくなる傾向にある。このため、周縁接着部5の外縁に所定の領域分の非接着部32を設けることにより、これが防護用として働き、周縁接着部5に直接傷が生じるのを防止できる効果もある。
【0108】
さらに、基材層1と接着層2とからなる包装用フィルム3の最外縁部31の接着されていない部分である非接着部32が掴みしろとして活用できるため、開封時のハンドリング性に優れ、開封作業をより容易化することができる。
【0109】
図6(a)、
図6(b)及び
図6(c)は、本実施形態の易開封包装袋の形態の一例を示したものである。
【0110】
ここでは、少なくとも1枚の包装用フィルム3を折り曲げることによって生じる1辺以外の周縁に周縁接着部5が形成された包装袋を示した平面図、側断面図、及び平断面図を示している。
【0111】
なお、
図6(a)に示すC−C線の位置の断面の拡大部分が
図6(b)に示されている。又、
図6(c)は、
図6(b)に示すG−G間の位置における易開封包装袋の断面を示す図である。
【0112】
このような構成により、折り曲げ部の1辺については、ノッチ4が形成されていないので、ノッチ4に傷が生じてその傷が伝播することもない。さらには、接着剤を塗布する必要がなくなるので、生産時の工程のロスも少なくて済むなどの効果がある。
【0113】
図7は、本実施形態の易開封包装袋における包装用フィルム3の接着層2と逆側の面上に、予め破断線10が設けられていることを示したもので、開封前の状態を示した平面図である。
【0114】
ここでは、以下の部分が、
図2と異なる点である。
すなわち、破断線10は、ノッチ4の先端部、または破り開始点を示す図柄模様からの開封時の破り進行方向9を血糖値測定センサ6に誘導するものである。破断線10と血糖値測定センサ6との接触角度11は、5°以上〜85°以下であることが好ましい。
【0115】
これにより、破り進行方向をスムーズな開封に有利な方向に確実に誘導することが可能となる。破断線10と血糖値測定センサ6とのより好ましい接触角度11は、10°〜80°である。さらに好ましくは、25°〜65°である。このように、破断線10を、予め包装用フィルム3の表面上に設けることにより、接触角度11を調整することができるという効果がある。なお、破断線10は、包装用フィルム3の両方の表面に設けられている方が好ましい。
【0116】
図8(a)および
図8(b)は、本実施形態の易開封包装袋の少なくとも一枚の包装用フィルム3の血糖値測定センサ6周辺領域を、ブリスター構造12に変形させることを示したもので、開封前の状態を示した側断面図および斜視図である。
【0117】
ここで、ブリスター構造12とは、包装用フィルム3の接着層2の面を凹形状に、基材層1の面を凸状に変形した形状を指す。ブリスター工法によれば、包装用フィルム3を任意の形状に変更可能であるため、少なくとも一枚の包装用フィルム3を、血糖値測定センサ6を内包できる形状へ変形し、この変形されたブリスター構造12の位置に、血糖値測定センサ6が内包される。
【0118】
これにより、血糖値測定センサ6が固定されるので、破り目が血糖値測定センサ6に接触する角度11のばらつきを抑制できる効果がある。
【0119】
また、血糖値測定センサ6がブリスター構造12内で固定されるので、安定的に保持できる。さらに、ブリスター構造12によって、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との角度7(
図2参照)を上述の開封に有利な角度に調整することが可能である。
【0120】
なお、
図8では、ブリスター構造12は、包装用フィルム3の片側にしか設けられていないが、必要に応じて両方の表面に設けることもできる。
【0121】
図9(a)、
図9(b)、及び
図9(c)は、本実施形態の易開封包装袋における少なくとも一枚の包装用フィルム3の周縁接着部が熱可塑性樹脂層13であることを示したもので、開封前の状態を示した平面図、側断面図、及び平断面図である。
【0122】
なお、
図9(a)に示すD−D線の位置の断面の拡大部分が
図9(b)に示されている。又、
図9(c)は、
図9(b)に示すH−H間の位置における易開封包装袋の断面を示す図である。
【0123】
本実施形態の易開封包装材の形状は、
図2と同じであるが、周縁接着部の接着形態が異なる。具体的には、
図9では、接着材を必要とせず、単に短時間熱融着するだけで外部の空気と遮断されて完全に密封されるので、内容物の保全性という点において優れているだけでなく、生産性においても優れており、生産ラインにおける高タクト化が可能である。また、接着剤を用いないため、接着剤から発せられるガスで内容物がダメージを受けることもない。
【0124】
図10(a)、
図10(b)、及び
図10(c)は、本実施形態の易開封包装袋における少なくとも一枚の包装用フィルム3と周縁接着部5の少なくともいずれかが略四角形状であることを示したもので、開封前の状態を示した平断面図である。
図10(a)には、
図1に示す易開封包装袋の包装用フィルム3及び周縁接着部5の双方が略四角形状に形成された易開封包装袋が示されている。
図10(b)には、
図5に示す易開封包装袋の包装用フィルム3が略四角形状に形成され、周縁接着部5は略四角形状に形成されていない易開封包装袋が示されている。
図10(c)には、
図5に示す易開封包装袋の包装用フィルム3が略四角形状に形成され、周縁接着部5も略四角形状に形成されている易開封包装袋が示されている。
図10(b)に示す易開封包装袋では、
図5と同様にノッチ4は周縁接着部5に達していないが、
図10(c)に示す易開封包装袋では、ノッチ4は周縁接着部5に達している。これら
図10(b)及び
図10(c)に示す易開封包装袋では、ノッチ4に外部からの力が加わって容易に破り目が進行しないように、包装用フィルム3の周縁接着部5よりも外側の部分によって外部からの力を緩衝することが出来、破り目の進行を抑制することが出来る。尚、
図10(c)では、ノッチ4が周縁接着部5に達していることを見やすくするために、包装用フィルム3の周縁接着部5より外側の部分の色を濃く変更している。
【0125】
ここでは、外周部が略四角形状にすることにより、易開封包装袋を重ねて保管された状態から取り出す場合などに、取り出しやすいという効果がある。
【0126】
図11(a)は、本実施形態の易開封包装袋において、2枚の包装用フィルム3のうち一方の厚みがもう一方の厚みより薄いことを示したもので、開封前の状態を示した側断面図である。
図11(b)は、本実施の形態の易開封包装袋を開封した状態を示す平面図である。尚、
図11(b)は、
図11のフィルム3b側から見た図である。
【0127】
ここでは、内容物に沿って屈曲して進行する破り目側の包装用フィルム3aが、そのまま進行していく破り目側の包装用フィルム3bより薄く形成されている。内容物(血糖値測定センサ6)の試料点着部15は、包装用フィルム3bに対向する側にあるので、開封時には、試料点着部15が露出される。
【0128】
破り目が血糖値測定センサ6近辺に到達する際(S103)、包装用フィルム3の一方の厚みが薄いと、薄い側の包装用フィルム3がより破れやすくなるため、破り目が2つの方向へ分断され易くなる。
【0129】
より好ましい形状としては、血糖値測定センサ6の形状ラインに沿って屈曲して進行(破り進行方向9a側)することになる破り目側の包装用フィルムの厚みを、もう一方のそのまま進行(破り進行方向9b側)していく破り目側の包装用フィルムの厚みより薄くする形状である。これにより、破り目(
図12では破り進行方向9a側)が血糖値測定センサ6に沿って進行しやすくなるので、更なる易開封性の実現と内容物へ与えるダメージの低減が可能となる。
【0130】
図12は、本実施形態の易開封包装袋の開封前の状態を示した平断面図である。
ここでは、包装用フィルム3上において、ノッチ4の先端部、または破り開始点を示す図柄模様からの開封時の破り目が血糖値測定センサ6に接触もしくはその近傍に到達すると、破り目は2つに分断される。このとき、一方の破り目は、破り進行方向9bに沿ってそのまま進行していくが、他方の破り目は、破り進行方向9aに沿って血糖値測定センサ6に沿って屈曲して進行する(S105)。
【0131】
図13(a)〜(d)は、本実施形態の易開封包装袋におけるノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様の位置を示したもので、開封前の状態を示した平断面図である。なお、
図13に示すノッチ4等は、
図7と
図12と同じ構成である。
【0132】
ここでは、ノッチ4は、包装用フィルムの外縁部に形成され、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の間にあることが好ましい。本形状により、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触頻度が増大し、破り目が2つに分断されるスムーズな開封へと繋がる。
図13(a)には、
図10(a)と同様の易開封包装袋が記載されており、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の間がL1として記載されている。
図13(b)には、
図10(b)と同様の易開封包装袋が記載されており、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の間がL2として記載されている。
図13(c)には、
図6(c)と同様の易開封包装袋が記載されており、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の間がL3として記載されている。
図13(d)には、
図10(c)と同様の易開封包装袋が記載されており、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の間がL4として記載されている。このように包装用フィルム3の外縁部であって、血糖値測定センサ6の長手方向の一端及び他端を包装用フィルム3の外縁に投影した2つの位置(
図13(a)のP、Q参照)の間にノッチ又は破り開始点を示す図柄模様の位置を設けることにより、破り進行方向9と血糖値測定センサ6との接触頻度が増大するため、好ましい。
【0133】
より好ましいノッチ4、または破り開始点を示す図柄模様の位置は、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端の中央である。もし、ノッチ4または破り開始点を示す図柄模様が、包装用フィルムの外縁部に形成され、血糖値測定センサ6の長手方向の辺の上端と下端との領域外に設ける場合には、ノッチまたは破り開始点を示す図柄模様の向きを制御して、血糖値測定センサ6が配置されている方向に向くような構成にする必要がある。この様な構成の易開封包装袋の平断面図を
図20に示す。
図20では、ノッチ4はL1以外の部分に形成されている。又、破り進行方向9が示されている。このような場合でも、破り進行方向9が血糖値測定センサ6の配置されている方向に向き、且つ血糖値測定センサ6に対して斜めに形成されるため、破り目は2つに分断される。
図20では、包装用フィルム3の周囲が略四角形状であるが、
図1に示すような周囲が楕円状の易開封包装袋においても同様である。要するに、破り進行方向に対して血糖値測定センサが斜めに配置されるような位置関係であればよい。
【0134】
図14は、本実施形態の易開封包装袋における血糖値測定センサ6と包装用フィルム3の長手方向とのそれぞれの位置関係を示しており、開封前の状態を示した平断面図である。
【0135】
血糖値測定センサ6の長手方向と包装用フィルム3の長手方向との間の角度14は、包装用フィルム3の長手方向に対して、5°〜85°以下の角度で配置されることが好ましい。本形状により、開封時の破り目が血糖値測定センサ6に接触もしくはその近傍に到達した際、破り目の2方向への分断が容易に誘発され、スムーズな開封が可能となる。
【0136】
より好ましい角度は、10°〜80°であり、さらに好ましくは、25°〜65°である。このように、接触角は、ノッチ4または破り開始点を示す図柄模様だけでなく、内容物の配置位置によっても適宜調整できる。
【0137】
図15(a)は、本実施形態の易開封包装袋において、ノッチ4の先端部、または破り開始点を示す図柄模様からの開封時に、バイオセンサの試料点着部15側が露出することを示しており、開封後の状態を示した平面図である。
図15(b)は、
図15(a)の内部構成を示すための平面図であり、説明のため
図15(b)では血糖値測定センサ6の手前側の包装用フィルム3が省略されている。
【0138】
上述の開封ステップの破り作業終了後、内容物としての血糖値測定センサ6は、易開封包装袋から試料点着部側を露出するのみに留まり、易開封包装袋から落下することがない。このため、落下の衝撃でバイオセンサが損傷したり汚染するなどして使えなくなるということを避けられる。
【0139】
また、血糖値測定センサ6は、一般的に、試料点着部15と反対側の端を測定用メーター(測定器28)に挿し込み使用する手順となるが、試料点着部側15を掴みバイオセンサを包装袋から取り出した後、持ち替えることなく、そのまま測定用メーターに差し込むことができる。このため、血糖値測定センサ6を使用する機会が多い、手先に不自由な老人等にも使い易いというメリットがある。
【0140】
以上のように、ノッチ4の先端部、または破り開始点を示す図柄模様からの破り目が血糖値測定センサ6に接触もしくはその近傍に到達すると、明らかに破り目は2つに分断され、一方の破り目はそのまま進行していくが、他方の破り目は血糖値測定センサ6に沿って屈曲して進行することがわかる。
【0141】
図16(a)及び
図16(b)には、
図15の易開封包装袋を少し改良した易開封包装袋が記載されている。
図16(a)は、易開封包装袋の開封後の状態を示した平面図である。
図16(b)は、
図16(a)の内部構成を示すための平面図であり、説明のため
図16(b)では血糖値測定センサ6の手前側の包装用フィルム3が省略されている。
【0142】
この
図16(a)及び
図16(b)に示す易開封包装袋では、本実施形態の易開封包装袋において、バイオセンサを保持する領域の湿度を一定の湿度に維持し、バイオセンサの性能を保障期間内維持させることを目的として、乾燥剤16を保持させる乾燥材保持領域部17が設けられている。
【0143】
一般的に、血糖値測定センサ6は、湿気に弱い試薬部を備えている。このため、易開封包装袋内を試薬部に影響のない湿度に保つ必要がある。
【0144】
本実施形態では、乾燥材保持領域部17は、バイオセンサ保持部60の湿度を制御するため、バイオセンサ保持部60と接続部61を介して繋がっている。
【0145】
このように、乾燥剤16を保持させる乾燥材保持領域部17を、開封時に露出される試料点着部15に対して反対側のスペースに設けることにより、易開封包装袋内に発生する湿気を抑制することができる。さらに、易開封包装袋の開封時において、乾燥材保持領域部17内に設けられた乾燥剤16が露出したり、放出されたりすることも防止できる。
【0146】
なお、乾燥剤保持領域部17は、
図10に示すように、ブリスター構造12となっていても構わない。
【0147】
なお、本実施の形態2の各種の易開封包装袋においても、上記実施の形態1で説明した表1と同じような実験データが得られた。
【0148】
また、本発明の実施の形態1,2における易開封包装袋については、主に指先を使うことによる開封する手動開封方法を中心に説明してきたが、別段、自動機などによって開封する自動開封方法においても利用可能であることはいうまでもない。
【0149】
また、上記実施の形態では、ノッチが破り開始点を示していたが、
図21(a)〜(d)に示すような図柄模様によって破り開始点がより明確に示されていてもよい。
図21(a)には、ノッチ4の周縁に線を交差させた図柄模様71が形成されている。
図21(b)には、ノッチ4の周縁に四角形を複数配置した図柄模様72が形成されている。
図21(c)には、ノッチ4の周縁に色を付加し図柄模様73が形成されている。又、
図21(d)には、ノッチ4の周縁にノッチ4側を向いた複数の矢印が描かれた図柄模様74が形成されている。
【0150】
又、上記実施の形態のノッチ4は、切り欠かれて形成されていたが、切れ目であってもよい。但し、切れ目の場合、視認し難い場合があるため、
図22に示すように、
図21(a)〜(d)のような図柄模様を設けて破り開始点を示した方がより好ましい。
図22には、切れ目56とその周縁に設けられた図柄模様74が示されている。
【0151】
尚、図柄模様は、これらに限らなくてもよく、要するに破り開始点を示すことが出来さえすればよい。