(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体基板上において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように形成されるとともに、前記第1の外周部半導体領域の側面、及び上面まで延在した第3の層間絶縁層をさらに備え、
前記積層材料層は、前記第3の層間絶縁層上に形成され、
前記積層材料層の上表面の高さは、前記第1の外周部半導体領域上に存在する前記第3の層間絶縁層の上表面の高さとほぼ一致しており、
前記第1の外周部半導体領域の側面上端に上表面を有する前記積層材料層の前記第1の導体層の上表面に接続されたコンタクトホールをさらに備え、
前記コンタクトホールを介して、前記第1の導体層と前記ワード線配線金属層とが接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の柱状半導体メモリ装置。
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から材料原子を入射することで、前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記積層材料層の上方に第2の導体層を形成する第2導体層形成工程と、
熱処理によって、前記第2の導体層を、前記半導体基板の上表面に平行な方向に膨張させることで、前記第2の導体層と前記第1の層間絶縁層とを接続する第2導体層・第1層間絶縁層接続工程を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
前記積層材料層形成工程の後から、前記第2導体層・第1層間絶縁層接続工程の間において、酸素を含む雰囲気の下、熱処理を行うことで、前記第2の導体層の側面表層に酸化絶縁層を形成する、
ことを特徴とする請求項7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8に示す縦構造NAND型フラッシュメモリでは、Si柱101a、101bの外周部を囲むように、欠陥が少なく、信頼性の高いSiO
2層102a、102b、層間SiO
2層107a、107b、ソース側選択ゲート電極104a、104b、ドレイン側選択ゲート電極105a、105b、フローティング電極103a、103b、ワード線電極108a、108bを容易に形成することが要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る柱状半導体メモリ装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板上において、前記半導体基板の表面に垂直な方向に延びる第1の半導体柱と、
前記第1の半導体柱の外周を囲むトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層の外周を囲むデータ電荷蓄積絶縁層と、
前記データ電荷蓄積絶縁層の外周を囲む第1の層間絶縁層と、
前記第1の層間絶縁層の外周を囲む空間と、
前記空間の外周を囲
み、前記半導体基板の上表面に垂直な方向に単層又は複数層形成されて
いる積層材料層であって、各層が第1の導体層及び第2の層間絶縁層を含む積層材料層と、
前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記積層材料層上に形成され、前記第1の層間絶縁層の側面を支持し、前記空間を密閉する第2の導体層と、を備え、
前記第1の層間絶縁層と前記空間とが、前記第1の導体層と前記データ電荷蓄積絶縁層との間の絶縁を行い、
前記第1の層間絶縁層が、前記第2の導体層と前記データ電荷蓄積絶縁層との間の絶縁を行い、
前記第1の導体層に印加される電圧によって、前記トンネル絶縁層を介した前記第1の半導体柱と前記データ電荷蓄積絶縁層との間でのデータ電荷の移動によるデータ書き込み及び消去、又は前記データ電荷蓄積絶縁層によるデータ電荷の保持が行なわれる、
ことを特徴とする。
【0012】
前記積層材料層が複数層形成されており、
前記積層材料層の下方に形成され、前記第1の半導体柱の外周を囲む第1のゲート絶縁層と、
前記第1のゲート絶縁層の外周を囲む第3の導体層と、
前記第3の導体層の下方、且つ、前記第1の半導体柱の底部に形成され、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第1の不純物領域と、
前記積層材料層の上方に形成され、前記第1の半導体柱の外周を囲む第2のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート絶縁層の外周を囲む第4の導体層と、
前記第1の半導体柱の頂部に形成され、前記第1の不純物領域と同じ導電型を有する第2の不純物領域とを有し、
前記積層材料層の前記第1の導体層が、ワード線配線金属層に接続され、
前記第3の導体層が、ソース側選択ゲート配線金属層に接続され、
前記第1の不純物領域が、コモンソース配線金属層に接続され、
前記第4の導体層が、ドレイン側選択ゲート配線金属層に接続され、
前記第2の不純物領域が、ビット線配線金属層に接続されることで、
前記第1の半導体柱にNAND型フラッシュメモリ素子が形成されている、
ことが好ましい。
【0013】
平面視において、前記第1の半導体柱の外周縁が、前記空間の外周縁よりも内側にある、
ことが好ましい。
【0014】
前記第1の半導体柱が形成されたメモリ素子領域の外周に形成された第1の外周部半導体領域と、
前記第1の外周部半導体領域に含まれる第2の外周部半導体領域に形成され、頂部の高さが、前記第1の半導体柱の頂部の高さとほぼ一致しており、且つ、底面の高さが、前記第4の導体層の底面の高さとほぼ一致している第2の半導体柱と、
前記第2の半導体柱の外周を囲む第3のゲート絶縁層と、
前記第3のゲート絶縁層の外周を囲むように形成され、前記第4の導体層と上下端の高さがほぼ一致している第5の導体層と、
前記第5の導体層の上方、且つ、前記第2の半導体柱の頂部に形成され、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第3の不純物領域と、
前記第5の導体層の下方、且つ、前記第2の半導体柱の底部に形成され、前記第3の不純物領域と同じ導電型を有する第4の不純物領域と、を備え、
前記第3の不純物領域及び前記第4の不純物領域の一方がソースである場合に、他方がドレインであり、前記第3の不純物領域と、前記第4の不純物領域とによって挟まれた前記第2の半導体柱をチャネルとし、前記第5の導体層をゲートとするSGT(Surrounding Gate MOS Transistor)が形成されている、
ことが好ましい。
【0015】
前記半導体基板上において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように形成されるとともに、前記第1の外周部半導体領域の側面、及び上面まで延在した第3の層間絶縁層をさらに備え、
前記積層材料層は、前記第3の層間絶縁層上に形成され、
前記積層材料層の上表面の高さは、前記第1の外周部半導体領域上に存在する前記第3の層間絶縁層の上表面の高さとほぼ一致しており、
前記第1
の外周部半導体領域の側面上端に上表面を有する前記積層材料層の前記第1の導体層の上表面に接続されたコンタクトホールをさらに備え、
前記コンタクトホールを介して、前記第1の導体層と前記ワード線配線金属層とが接続されている、
ことが好ましい。
【0016】
本発明の第2の観点に係る柱状半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に、平面視円形のマスク絶縁層を形成するマスク絶縁層形成工程と、
前記マスク絶縁層をマスクとして用い、前記半導体基板をエッチングすることで、前記半導体基板上に、半導体柱を形成するとともに、前記半導体柱の側面をその内側に後退させることにより、第1の半導体柱を形成する第1半導体柱形成工程と、
前記第1の半導体柱の外周を囲むようにトンネル絶縁層を形成するトンネル絶縁層形成工程と、
前記トンネル絶縁層の外周を囲むようにデータ電荷蓄積絶縁層を形成するデータ電荷蓄積絶縁層形成工程と、
前記データ電荷蓄積絶縁層の外周を囲むように第1の層間絶縁層を形成する第1層間絶縁層形成工程と、
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から材料原子を入射することで、前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記半導体基板の上方に第1の導体層を形成する第1導体層形成工程と、
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から、前記第1の導体層上に材料原子を入射することで、第2の層間絶縁層を形成する第2層間絶縁層形成工程と、
前記第
1導体層形成工程と前記第2層間絶縁層形成工程とに並行して、前記第1の層間絶縁層の側面と、前記第1の導体層及び前記第2の層間絶縁層の側面との間に、空間を形成する空間形成工程と、
前記第1の導体層と前記第2の層間絶縁層とを一組として形成される積層材料層を、前記半導体基板の上表面に垂直な方向に単層又は複数層形成する積層材料層形成工程と、を備え、
前記第1の導体層に印加される電圧により、前記トンネル絶縁層を介した前記第1の半導体柱と前記データ電荷蓄積絶縁層との間でのデータ電荷の移動によるデータ書き込み及び消去、又は前記データ電荷蓄積絶縁層によるデータ電荷の保持が行なわれる、
ことを特徴とする。
【0017】
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から材料原子を入射することで、前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記積層材料層の上方に第2の導体層を形成する第2導体層形成工程と、
熱処理によって、前記第2の導体層を、前記半導体基板の上表面に平行な方向に膨張させることで、前記第2の導体層と前記第1の層間絶縁層とを接続する第2導体層・第1層間絶縁層接続工程を有する、
ことが好ましい。
【0018】
前記積層材料層形成工程の後から、前記第2導体層・第1層間絶縁層接続工程の間において、水素を含む雰囲気の下、熱処理を行う、
ことが好ましい。
【0019】
前記積層材料層形成工程の後から、前記第2導体層・第1層間絶縁層接続工程の間において、酸素を含む雰囲気の下、熱処理を行うことで、前記第2の導体層の側面表層に酸化絶縁層を形成する、
ことが好ましい。
【0020】
前記第1の半導体柱上に、前記マスク絶縁層として、円錐台形状を有する円錐台状マスク絶縁層を形成する円錐台状マスク絶縁層形成工程と、
前記半導体基板の上表面に垂直な方向から材料原子を入射するとともに、前記円錐台状マスク絶縁層側面における前記材料原子の堆積速度が、前記材料原子の剥離速度よりも小さい条件で前記材料原子を堆積させることで、前記積層材料層を前記半導体基板の上方に形成し、前記円錐台状マスク絶縁層上に、前記積層材料層と共通する材料層からなる円錐形状の円錐状積層材料層を形成する円錐状積層材料層形成工程と、を備える、
ことが好ましい。
【0021】
前記積層材料層の下方において、
前記第1の半導体柱の外周を囲むように第1のゲート絶縁層を形成する第1ゲート絶縁層形成工程と、
前記第1のゲート絶縁層の外周を囲むように第3の導体層を形成する第3導体層形成工程と、
前記第3の導体層の下方、且つ、前記第1の半導体柱の底部に、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第1の不純物領域を形成する第1不純物
領域形成工程と、
前記積層材料層の上方において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように第2のゲート絶縁層を形成する第2ゲート絶縁層形成工程と、
前記第2のゲート絶縁層の外周を囲むように第4の導体層を形成する第4導体層形成工程と、
前記第4の導体層の上方に、前記第1の不純物領域と同じ導電型を有する第2の不純物領域を形成する第2不純物
領域形成工程とを有し、
前記積層材料層の前記第1の導体層を、ワード線配線金属層に接続し、
前記第3の導体層を、ソース側選択ゲート配線金属層に接続し、
前記第1の不純物領域を、コモンソース配線金属層に接続し、
前記第4の導体層を、ドレイン側選択ゲート配線金属層に接続し、
前記第2の不純物領域を、ビット線配線金属層に接続することで、
前記第1の半導体柱にNAND型フラッシュメモリ素子を形成する、
ことが好ましい。
【0022】
前記第1の半導体柱が形成されたメモリ素子領域の外周に、第1の外周部半導体領域を形成する第1外周部半導体領域形成工程と、
前記第1の外周部半導体領域に含まれる第2の外周部半導体領域に形成され、頂部の高さが、前記第1の半導体柱の頂部の高さとほぼ一致しており、且つ、底面の高さが、前記第4の導体層の底面の高さとほぼ一致している第2の半導体柱を形成する第2半導体柱形成工程と、
前記第2の半導体柱の外周を囲むように、第3のゲート絶縁層を形成する第3ゲート絶縁層形成工程と、
前記第3のゲート絶縁層の外周を囲むように、前記半導体基板の垂直方向において、前記第4の導体層の上下端の高さと、上下端の高さがほぼ一致している第5の導体層を形成する第5導体層形成工程と、
前記第5の導体層の上方、且つ、前記第2の半導体柱の頂部に、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第3の不純物領域を形成する第3不純物領域形成工程と、
前記第5の導体層の下方、且つ、前記第2の半導体柱の底部に、前記第3の不純物領域と同じ導電型を有する第4の不純物領域を形成する第4不純物領域形成工程と、を備え、
前記第3の不純物領域及び前記第4の不純物領域の一方がソースである場合に、他方がドレインであり、前記第3の不純物領域と、前記第4の不純物領域とによって挟まれた前記第2の半導体柱をチャネルとし、前記第5の導体層をゲートとするSGT(Surrounding Gate MOS Transistor)が形成されている、
ことが好ましい。
【0023】
前記半導体基板上において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように、前記第1の外周部半導体領域の側面、及び上面まで延在した第3の層間絶縁層を形成する第
3層間絶縁層形成工程をさらに備え、
前記積層材料層を、前記第3の層間絶縁層上に形成し、
前記積層材料層の上面の高さが、前記第1の外周部半導体領域上に存在する前記第3の層間絶縁層の上面の高さとほぼ一致するようにし、
前記第2の外周部半導体領域の側面上端に上表面を有する前記積層材料層の前記第1の導体層の上表面に接続されたコンタクトホールを形成し、
前記コンタクトホールを介して、前記第1の導体層と前記ワード線配線金属層とを接続する、
ことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高い信頼性を有する高密度、低価格の柱状半導体メモリ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る縦構造(柱状構造)NAND型フラッシュメモリ装置、及び、その製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(第1実施形態)
以下、
図1、
図2A〜
図2Lを参照しながら、本発明の第1実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ装置の製造方法について説明する。
【0028】
図1に、第1実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ回路を示す。直列に接続されたn個のメモリセル・トランジスタWT11、WT12、WT1nの各ゲート電極が、n個のワード線W1、W2、Wnに接続されている。n個のメモリセル・トランジスタWT11、WT12、WT1nの両側にソース側選択トランジスタSTS1と、ドレイン側選択トランジスタSTD1が接続されている。ソース側選択トランジスタSTS1のゲート電極はソース側選択線SGSに接続され、ドレイン側選択トランジスタSTD1のゲート電極はドレイン側選択線SGDに接続されている。ソース側選択トランジスタSTS1のソースはコモンソース線CSLに接続され、ドレイン側選択トランジスタSDT1のドレインはビット線BL1に接続されている。直列に接続されたn個のメモリセル・トランジスタWT11、WT12、WT1nに並行して、直列に接続されたn個のメモリセル・トランジスタWT21、WT22、WT2nが形成されている。n個のメモリセル・トランジスタWT21、WT22、WT2nの各ゲート電極は、ワード線W1、W2、Wnに接続されている。メモリセル・トランジスタWT21、WT22、WT2nの上下にソース側選択トランジスタSTS2と、ドレイン側選択トランジスタSTD2とが接続されている。ソース側選択トランジスタSTS1のゲート電極はソース側選択線SGSに接続され、ドレイン側選択トランジスタSDT2のゲート電極はドレイン側選択線SGDに接続されている。ソース側選択トランジスタSTS2のソースはコモンソース線CSLに接続され、ドレイン側選択トランジスタSTD2のドレインはビット線BL2に接続されている。このような回路からなる構造が、ブロックメモリ素子領域において繰り返し形成されている。
【0029】
以下、
図2A〜
図2Lを参照しながら、第1実施形態に係る柱状半導体メモリ装置の製造方法について説明する。
図2A〜
図2Lにおいて、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるX−X’線に沿う断面図であり、(c)はY−Y’線に沿う断面図である。
【0030】
図2Aに示すように、i層基板1上に、Si
3N
4膜(図示せず)を形成し、このSi
3N
4膜上にレジスト膜(図示せず)を塗布し、リソグラフィ法を用いて平面視円形のレジスト層3a、3b、3c、3dを形成する。次に、レジスト層3a、3b、3c、3dをマスクとして用い、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法によって、Si
3N
4膜をエッチングすることで、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dを形成する。
【0031】
次に、
図2Bに示すように、レジスト層3a、3b、3c、3dと、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dとをマスクとして用い、例えばRIE法を用いてi層基板1をエッチングすることで、Si柱4a、4b、4c、4dを形成する。その後、レジスト層3a、3b、3c、3dを除去する。
【0032】
次に、
図2Cに示すように、Si柱4a、4b、4c、4dの外周にあるi層基板1aの表層に、例えばヒ素(As)イオンを注入することによってN
+層5を形成し、Si柱4a、4b、4c、4dの外周にあるi層基板1a上に、SiO
2層9を形成する。さらに、Si柱4a、4b、4c、4dの側面表層に、例えば熱酸化法によりSiO
2層6a、6b、6c、6d(SiO
2層6cは図示せず。)を形成する。その後、Si柱4a、4b、4c、4dの外周にあるSiO
2層9上に、ドープドSi層(以下、アクセプタ又はドナー不純物を含むポリSi層を「ドープドSi層」と称する。)を形成し、続いて、このドープドSi層7上にSi
3N
4層8を形成する。
【0033】
次に、
図2Dに示すように、Si柱4a、4b、4c、4dの側面表層に、Si
3N
4層2a、2b、2c、2d、8をマスクとして用い、熱酸化法によって、SiO
2層10a、10b、10c、10d(SiO
2層10cは図示せず。)を厚く形成する。その後、SiO
2層10a、10b、10c、10dを除去する。Si
3N
4層2a、2b、2c、2d、8は、熱酸化法では酸化されないので、SiO
2層10a、10b、10c、10dを除去すると、Si柱4a、4b、4c、4dの断面の直径は、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dの断面の直径よりも小さくなる。
【0034】
次に、
図2Eに示すように、Si柱4a、4b、4c、4dの側面表層に、例えば熱酸化法によって、トンネル絶縁層となるSiO
2層11a、11b、11c、11d(SiO
2層11cは図示せず。)を形成し、その後、全体を覆うように、データ電荷蓄積絶縁層となるSi
3N
4層12と、層間絶縁層となるSiO
2層13とを形成する。
【0035】
次に、
図2Fに示すように、例えばバイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料と、SiO
2材料とを、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射することで、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成する。ここでは、Si柱4a、4b、4c、4d上に、ドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14en(ドープドSi層14d1、14d2、14dnは図示せず。)と、SiO
2層15b1、15b2、15bn、15c1、15c2、15cn、15d1、15d2、15dn、15e1、15e2、15en(SiO
2層15d1、15d2、15dnは図示せず。)とを積層させる。その後、同様に例えばバイアススパッタ法を用いて、Si柱4a、4b、4c、4dの外周において、TiN(窒化チタン)層16aと、SiO
2層17aとを形成すると同時に、Si柱4a、4b、4c、4d上に、TiN層16b、16c、16d、16e(TiN層16dは図示せず。)と、SiO
2層17b、17c、17d、17e(SiO
2層17dは図示せず。)とを積層させる。以上のように、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料と、SiO
2材料とを、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射させるので、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dがマスクとなることで、Si柱4a、4b、4c、4dの側面に形成されたSiO
2層13の側面と、ドープドSi層14a1、14a2、14an及びSiO
2層15a1、15a2、15anの側面との間に気体層(空間、例えば空気を含む空気層)18a、18b、18c、18d(気体層18cは図示せず。)が形成される。
【0036】
次に、
図2Gに示すように、例えば550℃で熱処理を行うことで、SiO
2層17aをキャップとして用い、TiN層16aを塑性変形させることで図の横方向に伸長させ、SiO
2層13と接触するTiN層16aaを形成する。これにより、気体層(空間)18a、18b、18c、18dの頂部の隙間がTiN層16aaにより密閉される。また、Si柱4a、4b、4c、4d上のTiN層16b、16c、16d、16eについても、SiO
2層17b、17c、17d、17eをキャップとして用い、TiN層16b、16c、16d、16eを塑性変形させることで図の横方向に伸長させ、TiN層16bb、16cc、16dd、16ee(TiN層16ddは図示せず)が形成される。
【0037】
次に、
図2Hに示すように、Si柱4a、4b、4c、4d上のドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14enと、SiO
2層15b1、15b2、15bn、15c1、15c2、15cn、15d1、15d2、15dn、15e1、15e2、15enと、TiN層16bb、16cc、16dd、16eeと、SiO
2層17b、17c、17d、17eとを除去する。続いて、TiN層16aaの上面よりも上方に存在し、且つ、Si柱4a、4b、4c、4dを覆っているSiO
2層11a、11b、11c、11dと、Si
3N
4層12と、SiO
2層13とを除去し、SiO
2層11aa、11bb、11cc、11dd(SiO
2層11ccは図示せず)と、Si
3N
4層12aと、SiO
2層13aと、を形成する。その後、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dを除去する。
【0038】
次に、
図2Iに示すように、TiN層16aaと、露出しているSi柱4a、4b、4c、4dの頂部とを覆うように、酸化ハフニウム層(以下、酸化ハフニウム層を「HfO
2層」と称する。)19で被覆する。続いて、例えばバイアススパッタ法を用いてドープドSi層20と、SiO
2層21とを形成する。そして、Si柱4a、4b、4c、4dの頂部に形成されたドープドSi層20とSiO
2層21とは除去する(除去工程は図示せず。)。さらに、Si柱4a、4b、4c、4dの頂部のHfO
2層19を除去する。その後、例えば、ヒ素(As)イオン注入法によって、Si柱4a、4b、4c、4dの頂部にN
+層24a、24b、24c、24d(N
+層24cは図示せず。)を形成する。
【0039】
次に、
図2Jに示すように、リソグラフィ法によって、Si柱4a、4b、4c、4dを覆うともに、
図2J(a)に示すように、横方向に繋がるレジスト層26a、26bを形成する。ここで、レジスト層26aは、Si柱4a、4bを覆うとともに、
図2J(a)に示すように横方向に繋がり、レジスト層26bは、Si柱4c、4dを覆うとともに、
図2J(a)に示すように横方向に繋がっている。その後、レジスト層26a、26bをマスクとして用い、SiO
2層21、ドープドSi層20をその上面からRIEエッチングする。これにより、レジスト層26aの下方に、SiO
2層21a、ドープドSi層20aが形成される。これと同時に、レジスト層26bの下方に、SiO
2層21b、ドープドSi層20bが形成される。その後、レジスト層26a、26bを除去する。
【0040】
次に、
図2Kに示すように、CVD法により、SiO
2層28を全体に亘って堆積し、Si柱4a、4b、4c、4d上に、それぞれコンタクトホール29a、29b、29c、29dを形成する。その後、コンタクトホール29a、29b、29c、29dを介して、N
+層24a、24b、24c、24dと接続した金属配線層30a、30bを、
図2K(a)の上下方向に延びるように形成する。金属配線層30aはSi柱4a、4c上のN
+層24a、24c(N
+層24cは図示せず。)に接続されており、金属配線層30bはSi柱4b、4d上のN
+層24b、24dに接続されている。以上により、縦構造NAND型フラッシュメモリが形成される。
【0041】
図2Kにおいて、N
+層5aはコモンソース、ドープドSi層7はソース側選択線、ドープドSi層14a1、14a2、14anはワード線、ドープドSi層20aはドレイン側選択線、N
+層24a、24b、24c、24dはドレイン、金属配線層30a、30bはビット線としてそれぞれ機能する。また、SiO
2層11aa、11bb、11cc、11ddはトンネル絶縁層、Si
3N
4層12aはデータ電荷蓄積絶縁層、SiO
2層13aは層間絶縁層としてそれぞれ機能する。なお、TiN層16aaには、データ書込み動作及びデータ読み出し動作時において、Si柱4a、4b、4c、4dのチャネルがオン状態になる電圧が印加されることが望ましい。
【0042】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。
1.
図2Kに示す構造で形成された縦構造NAND型フラッシュメモリでは、Si柱4a、4b、4c、4dを囲むように形成されたトンネル絶縁層として機能するSiO
2層11aa、11bb、11cc、11ddと、データ電荷蓄積絶縁層として機能するSi
3N
4層12aと、層間絶縁層として機能するSiO
2層13aとからなる積層絶縁層と、ワード線として機能するドープドSi層14a1、14a2、14an、及び、層間絶縁層として機能するSiO
2層15a1、15a2、15anとが、気体層18a、18b、18c、18dによって互いに離間して形成されている。これにより、SiO
2層11aa、11bb、11cc、11dd、Si
3N
4層12a、SiO
2層13aaに対して、ドープドSi層14a1、14a2、14an、及びSiO
2層15a1、15a2、15anからの応力の伝達が遮断される。この結果、SiO
2層11aa、11bb、11cc、11dd、Si
3N
4層12a、SiO
2層13aにおける欠陥発生を低減することが可能となり、メモリ特性の信頼性が高められる。
2.
図2Fに示すように、Si柱4a、4b、4c、4dを囲むように、トンネル酸化層として機能するSiO
2層11a、11b、11c、11dと、データ電荷蓄積絶縁層として機能するSi
3N
4層12と、層間絶縁層として機能するSiO
2層13とを形成した後、バイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料と、SiO
2材料とを、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射することで、Si柱4a、4b、4c、4dの外周において、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成している。この場合、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dがマスクとなることで、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射された、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料原子及びSiO
2材料原子は、Si柱4a、4b、4c、4d側面のSiO
2層13の表面に入射することがない。これにより、トンネル酸化層として機能するSiO
2層11a、11b、11c、11dと、データ電荷蓄積絶縁層として機能するSi
3N
4層12と、層間絶縁層として機能するSiO
2層13は、Si材料原子とSiO
2材料原子の入射による損傷を受けることがない。この結果、SiO
2層11a、11b、11c、11d、Si
3N
4層12、SiO
2層13における欠陥発生を低減することが可能となり、メモリ特性の信頼性が高められる。
3.気体層18a、18b、18c、18dがトラップ準位のない絶縁層であるため、トラップ準位を介在して、ワード線として機能するドープドSi層14a1、14a2、14anから、データ電荷蓄積絶縁層として機能するSi
3N
4層12aへの電荷注入によって生じるデータ保持特性の劣化が発生することがない。
4.気体層18a、18b、18c、18dの上部は、
図2Gにおいて熱処理により形成されたTiN層16aaによって密閉され、且つ、Si柱4a、4b、4c、4dがTiN層16aaによって支持される。これにより、以後に行われる洗浄処理工程、リソグラフィ工程等において、処理液が気体層18a、18b、18c、18dに進入したまま除去されないことによる汚染不良が防止される。さらにこれにより、Si柱4a、4b、4c、4dの傾き、又は曲がりの発生を防止できる。なお、TiN層16aに代えて、ポリSi層と、例えばニッケル(Ni)とからなる積層体を用いてもよい。熱処理によって、Ni原子がポリSi層内に拡散することでニッケルシリサイド(NiSi)層が形成される。このNiSi層は、熱処理によって、元のポリSi層よりも体積が膨張する。この場合、NiSi上に、キャップ層となるSiO
2層17aが存在するため、主に図の横方向に膨張する。これにより、TiN層16aaと同様に、気体層18a、18b、18c、18dの上部が密閉される。
【0043】
(第2実施形態)
以下、
図3を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ装置の製造方法について説明する。なお、
図3を参照して説明する工程以外は、第1実施形態と同様である。
【0044】
図3に示すように、
図2Fと同様にして、例えばバイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料原子と、SiO
2材料原子とを、i層基板1aの上表面に垂直な方向から入射することで、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成する。その後に、例えば水素(H
2)を含む雰囲気の下、450℃の熱処理を行う。ここでの熱処理は、水素ガスが気体層18a、18b、18c、18dの上部から底部まで充満した状態で行われる。以下、
図2G〜
図2Kに示す工程を行う。
【0045】
第2実施形態によれば、気体層18a、18b、18c、18dの上部から底部までH
2ガスが充満した状態で熱処理が行われるため、水素イオンが層間絶縁層であるSiO
2層13内に容易に拡散し、SiO
2層13内の未結合手(ダングリング・ボンド)が不活性化される。これによって、SiO
2層13の絶縁性が向上するとともにメモリ特性の信頼性が高められる。なお、TiN層16aに代えて、ポリSi層と、例えばニッケル(Ni)等からなる積層体を用いると、さらに高温で水素環境での熱処理を行うことができるので、メモリ特性の信頼性がさらに向上する。また、TiN層16aを形成する前に水素環境での熱処理を行えば、さらに高温で水素環境での熱処理が行えるので、一層メモリ特性の信頼性が向上する。
【0046】
(第3実施形態)
以下、
図4A、
図4Bを参照しながら、本発明の第3実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ素子の製造方法について説明する。なお、
図4A、
図4Bを参照して説明する工程以外は、第1実施形態と同様である。
【0047】
図4Aに示すように、例えばバイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料原子と、SiO
2材料原子とを、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射することで、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成し、Si柱4a、4b、4c、4d上に、ドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14enと、SiO
2層15b1、15b2、15bn、15c1、15c2、15cn、15d1、15d2、15dn、15e1、15e2、15enとを積層する。その後、例えば、900℃の酸素を含む雰囲気の下、ドープドSi層14a1、14a2、14anの側面表層に、SiO
2層35aを形成すると同時に、ドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14enの側面表層にSiO
2層35bを形成する。
【0048】
次に、
図4Bに示すように、バイアススパッタ法を用いて、TiN層16aと、SiO
2層17aとを、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に形成すると同時に、Si柱4a、4b、4c、4d上に、TiN層16b、16c、16d、16e(TiN層16dは図示せず。)と、SiO
2層17b、17c、17d、17eとを積層させる。以下、
図2G〜
図2Kに示す工程を行う。これにより、縦構造NAND型フラッシュメモリ素子が形成される。
【0049】
第3実施形態によれば、ワード線として機能するドープドSi層14a1、14a2、14anの側面表層に層間絶縁層として機能するSiO
2層35aが形成されるため、ワード線であるドープドSi層14a1、14a2、14anと、データ電荷蓄積絶縁層であるSi
3N
4層12aとの間の絶縁性が向上するとともに、メモリ特性の信頼性が高められる。
【0050】
(第4実施形態)
以下、
図5A〜
図5Cを参照しながら、本発明の第4実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ装置の製造方法について説明する。第4実施形態では、バイアススパッタ法で堆積する材料層の形状についても説明する。
【0051】
バイアススパッタ法を用いて、イオン原子を基板36の表面に垂直な方向から入射した場合において、基板36上に形成した円錐台状柱37上及びその周辺の基板36上に堆積する材料層の時間変化を、
図5Aに示す(例えば、非特許文献1、2を参照)。
【0052】
図5A(b)に示す基板36と側面のなす傾斜角度がα(°)の円錐台状柱37に、基板36の表面に垂直な方向からイオン原子を入射させた場合において、円錐台状柱37の側面の傾斜角度αに対する、円錐台状柱37の側面における入射イオン原子材料層の堆積速度(デポジションレート)と剥離速度(リムーバルレート)との関係について、
図5Aを用いて説明する。堆積速度は、バイアススパッタ装置における陽極(アノード)と陰極(カソード)間の印加電圧に依存し、傾斜角度αには依存しない。また、印加電圧が高いほど堆積速度は大きい。一方、剥離速度は、
図5A(a)に示すように、傾斜角度αの増加に伴い大きくなり、傾斜角度α=θpで最大となってその後減少する。ここでθpは70°以上80°以下である。このように剥離速度が傾斜角度αの増加に伴い大きくなるのは、傾斜角度αの増加に伴い、既に堆積した材料層へのイオン原子の進入経路の距離が長くなり、この長くなった進入経路において、入射したイオン原子と堆積材料層の原子との衝突機会が増え、より多くの堆積材料層の原子が放出されることによる。一方、傾斜角度αがθpを超えると、既に堆積した材料層に対するイオン原子の進入が困難となり、より多くのイオン原子が堆積材料層の表面で反射され、入射したイオン原子と堆積材料層の原子との衝突機会が減り、剥離速度が減少するようになる。
図5A(a)に示すように、堆積速度A−A’の場合、傾斜角度αに依存せず、堆積速度は剥離速度よりも大きくなる。また、堆積速度B−B’の場合、堆積速度と剥離速度とが互いに等しくなる傾斜角度θaよりも小さい傾斜角度α(α<θa)では堆積速度が剥離速度よりも大きくなり、傾斜角度θaよりも大きい傾斜角度α(α>θa)では剥離速度が堆積速度よりも大きくなる。また、堆積速度C−C’の場合、ほとんどの傾斜角度αで、剥離速度が堆積速度よりも大きくなる。ここで、
図5A(c)に示すように、堆積速度が剥離速度よりも大きくなる条件では、円錐台状柱37と、その外周に位置する基板36上に堆積された堆積材料層38a1、38a2、38a3は、時間t0(堆積開始前)、t1、t2、t3の経過と共に、基板36上と、円錐台状柱37の側面及び上面において繋がって形成される。一方、
図5A(d)に示すように、堆積速度が剥離速度よりも小さくなる条件では、円錐台状柱37の側面での剥離速度が大きいことにより、基板36上に堆積する堆積材料層39a1、39a2、39a3と、円錐台状柱37上に堆積する堆積材料層39b1、39b2、39b3とが、互いに分離して形成される。このように、円錐台状柱37の側面の傾斜角度α及び堆積速度の設定を種種変更することにより、円錐台状柱37上及びその側面への堆積材料層の形状を変えることができる。
【0053】
以下、
図5B、
図5Cを参照しながら、第4実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ素子の製造方法について説明する。ここで、
図5B、
図5Cを用いて説明する工程以外は、第1実施形態の工程と同様である。
【0054】
図5Bに示すように、
図2Eに示すSi柱4a、4b、4c、4d上に形成したSi
3N
4層2a、2b、2c、2dに代えて、円錐台状であり、且つ、側面の傾斜角度がβであるSi
3N
4層2A、2B、2C、2Dを形成する。続いて、Si柱4a、4b、4c、4dの側面表層に、トンネル絶縁層となるSiO
2層11a、11b、11c、11d(SiO
2層11cは図示せず。)を形成する。さらに全体を覆うように、データ電荷蓄積絶縁層となるSi
3N
4層12と、層間絶縁層となるSiO
2層13とを形成する。
【0055】
次に、
図5Cに示すように、例えばバイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含んだSi材料原子及びSiO
2材料原子を、
図5A(d)に示すように、円錐台状Si
3N
4層2A、2B、2C、2Dの傾斜角度βに対して、堆積速度が剥離速度よりも小さくなる条件を用い、i層基板1aの表面に垂直な方向から入射させる。これにより、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成し、さらにその上方にTiN層16a、SiO
2層17aを形成する。これと同時に、Si柱4a、4b、4c、4d上に、円錐台形状を有し、それぞれが積層構造のドープドSi層、SiO
2層からなる円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dが形成される。円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dが円錐台形状となった後では、入射したSi材料と、SiO
2材料とは、この円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41d上に堆積されないため、円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dの高さLbは、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に形成された、ドープドSi層14a1、14a2、14anの厚さと、SiO
2層15a1、15a2、15anの厚さとを合計した厚さLaよりも短くなる。以下、
図2G〜
図2Kに示す工程を行う。
【0056】
第1実施形態では、Si柱4a、4b、4c、4d上に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anと、TiN層16a、SiO
2層17aとを合計した厚さLaと同じ厚さを有する、ドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14enと、SiO
2層15b1、15b2、15bn、15c1、15c2、15cn、15d1、15d2、15dn、15e1、15e2、15enと、TiN層16bb、16cc、16dd、16eeと、SiO
2層17b、17c、17d、17eとが形成される。この場合、この後の洗浄工程等によって、ドープドSi層14b1、14b2、14bn、14c1、14c2、14cn、14d1、14d2、14dn、14e1、14e2、14enと、SiO
2層15b1、15b2、15bn、15c1、15c2、15cn、15d1、15d2、15dn、15e1、15e2、15enと、TiN層16bb、16cc、16dd、16eeと、SiO
2層17b、17c、17d、17eとが倒れたり、曲がったりする不良が発生し易くなる。これに対して、第4実施形態によれば、円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dの高さLbは、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に形成された、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを合計した厚さLaよりも短くなるので、その後の洗浄工程等における円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dの倒れや曲がりなどの不良の発生を防止することができる。
【0057】
(第5実施形態)
以下、
図6を参照しながら、本発明の第5実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ素子の製造方法を説明する。
図6に示す工程以外は、第1実施形態と同様である。
【0058】
図6に示すように、側面がi層基板1aの表面に対して垂直なSi柱4a、4b、4c、4dに代えて、円錐台形状を有する円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddを形成する。円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddは、底部の直径が頂部の直径よりも大きい。次に、円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの側面表層に、例えば熱酸化法によってトンネル絶縁層となるSiO
2層11a、11b、11c、11d(SiO
2層11cは図示せず。)を形成する。さらに全体を覆うように、データ電荷蓄積絶縁層として機能するSi
3N
4層12と、層間絶縁層として機能するSiO
2層13とを形成する。ここでは、円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの底部周囲に形成したSiO
2層13の底部外周円の直径Lcが、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dの側面周囲に形成したSiO
2層13の側面外周円の直径Ldよりも小さくなるようにする。
【0059】
第5実施形態では、バイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料原子と、SiO
2材料原子とを、i層基板1aの上表面に垂直な方向から入射することで、円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの外周に形成する、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aと、SiO
2層17aの側面と、円錐台状Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの側面との間に、第1実施形態の気体層(空間)18a、18b、18c、18dと同様に気体層(空間)が形成される。これにより、第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの形状は、以上のように円錐台形状でなくとも、Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの外周に形成したSiO
2層13の側面外周円の中で最大の直径が、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dの外周に形成したSiO
2層13の側面外周円の直径よりも小さくなるような樽型Si柱であっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、
図6では、平面視において、Si柱4aa、4bb、4cc、4ddの外周縁が、気体層18a、18b、18c、18dの外周縁よりも内側にある。
【0060】
(第6実施形態)
以下、
図7A〜
図7Hを参照しながら、本発明の第6実施形態に係る縦構造NAND型フラッシュメモリ装置の製造方法について説明する。ここで、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるX−X’線に沿う断面構造図である。なお、Si柱4a、4bは
図2B〜
図2KにおけるSi柱4a、4bに対応する。
【0061】
図7Aに示すように、Si柱4a、4bが形成されたメモリ素子領域42の外周に、i層基板1aに対して傾斜角度θkで傾斜した外周部i層43a、43b(外周部i層43a、43bはメモリ素子領域42の外周で繋がっている。)を形成する。その後、
図2C〜
図2Hに示す工程を行うことで、N
+層5a、SiO
2層9、6a、6b、ドープドSi層7、SiO
2層11aa、11bb、Si
3N
4層12a、SiO
2層13a、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aaを形成する。そして、Si柱4a、4b上にSi
3N
4層2a、2bを残存させる。SiO
2層9、ドープドSi層7、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aは、例えばバイアススパッタ法を用いることで、材料原子をi層基板1aの上表面に垂直な方向から入射して形成する。それぞれのバイアススパッタ法による堆積は、
図5A(c)を参照して説明したように、外周部i層43a、43bの傾斜角度θkにおいて、堆積速度が剥離速度よりも大きくなる条件で行う。また、SiO
2層11aa、11bb、Si
3N
4層12a、SiO
2層13aはALD法を用いて形成する。これによって、SiO
2層9、ドープドSi層7、Si
3N
4層12a、SiO
2層13a、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15anは、Si柱4a、4bの外周の気体層(空間)18a、18bの外周において、外周部i層43a、43b上に繋がって形成される。TiN層16aaは、例えばバイアススパッタ法を用いることで、TiN材料原子をi層基板1aの上表面に垂直な方向から入射して堆積した後に、例えば550℃の熱処理による横方向に伸張する塑性変形を生じさせて形成する。TiN層16aaは、SiO
2層13aに接触し、且つ、外周部i層43a、43bに繋がって形成される。
【0062】
次に、
図7Bに示すように、リソグラフィ法とRIEエッチング法とを用いて、Si柱4a、4bを含み、且つSi柱4a、4b間と外周部i層43b上に繋がるドープドSi層7、Si
3N
4層12a、SiO
2層13a、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aaを形成する。
【0063】
次に、
図7Cに示すように、CVD法によりSiO
2を堆積し、その後にCMP法によって平坦化することで、その表面の高さが、外周部i層43b上のTiN層16aaの上表面よりも高い位置にあるSiO
2層45を形成する。
【0064】
次に、
図7Dに示すように、CMP法を用いて、SiO
2層45、ドープドSi層7、Si
3N
4層12a、SiO
2層13a、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aaを、その上表面の高さが外周部i層43a、43b上のSiO
2層9の上表面の高さにほぼ一致するようにエッチングすることで、表面を平坦化する。
【0065】
次に、
図7Eに示すように、外周部i層43b上において上表面が露出しているドープドSi層7、Si
3N
4層12a、SiO
2層13a、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15an、TiN層16aa上に、絶縁層であるSi
3N
4層46を形成する。続いて、リソグラフィ法とRIE法とを用いてSiO
2層9をエッチングすることで、SiO
2層47a、47bを形成する。続いて、SiO
2層47a、47bをマスクとして用い、外周部i層43aを、例えばRIE法を用いてエッチングすることで、底面の高さがTiN層16aaの上表面の高さとほぼ一致するように、Si柱48a、48bを形成する。その後、例えばエッチバック法を用いて、メモリ素子領域42上のSiO
2層45、9を、その上表面の高さがTiN層16aaの上表面の高さとほぼ一致するようにエッチングする。
【0066】
次に、
図7Fに示すように、Si柱48aの底部に、リソグラフィ法、アクセプタ不純物イオン注入法、及び熱拡散法を用いることで、P
+層51aを形成する。これと同様にSi柱48bの底部に、リソグラフィ法、アクセプタ不純物イオン注入法、熱拡散法を用いて、N
+層52aを形成する。続いて、Si柱4a、4b、48a、48bの外周全体に、SiO
2層50を形成する。その後、Si柱4a、4b、48a、48bを覆うように、ALD法を用いてHfO
2層53とTiN層54とを全体に堆積する。
【0067】
次に、
図7Gに示すように、リソグラフィ法とRIE法とを用いて、TiN層54をエッチングすることで、Si柱48a、48bを囲み、且つSi柱48a、48bに繋がるTiN層54aを形成する。これと同時に、Si柱4a、4bを囲み、且つSi柱4a、4bに繋がるTiN層54bを形成する。続いて、Si柱4a、4b、48a、48bの頂部にあるHfO
2層53、TiN層54a、54bを除去する。その後、リソグラフィ法、イオン注入法を用いて、Si柱48aの頂部にP
+層51bを形成し、Si柱48b、4a、4bの頂部にN
+層52b、55a、55bを形成する。
【0068】
次に、
図7Hに示すように、CVD法を用いてSiO
2を堆積し、その後にCMP法を用いて、表面が平滑に研磨されたSiO
2層56を、その表面の高さが外周部i層43bよりも上方になるように形成する。続いて、Si柱48a上にコンタクトホール57a、Si柱48b上にコンタクトホール57b、TiN層53a上にコンタクトホール57c、外周部i層43aの表層に形成されたP
+層51aとN
+層52aの境界線上にコンタクトホール57dをそれぞれ形成する。続いて、コンタクトホール57aを介してP
+層51bと接続した電源配線金属層Vddと、コンタクトホール57bを介してN
+層52bと接続したグランド配線金属層Vssと、コンタクトホール57cを介してTiN層53aと接続した入力配線金属層Vinと、コンタクトホール57dを介してP
+領域51a、N
+層52aと接続した出力配線金属層Voutとをそれぞれ形成する。続いて、全体を覆うように、CVD法とCMP法とを用いることで、表面が平滑なSiO
2層58を形成する。続いて、TiN層53b上にコンタクトホール59aを、Si柱4a上にコンタクトホール59bを、外周部i層43bの上部まで持ち上げられたドープドSi層14a1上にコンタクトホール59dを、外周部i層43bの上部まで持ち上げられたドープドSi層14a2上にコンタクトホール59eを、外周部i層43bの上部まで持ち上げられたドープドSi層14an上にコンタクトホール59fを形成する。その後、コンタクトホール59aを介してTiN層53bと接続したドレイン側選択ゲート配線金属層SGDと、コンタクトホール59bを介してN
+層55aと接続したビット線配線金属層BLaと、コンタクトホール59cを介してN
+層55bと接続したビット線配線金属層BLbと、コンタクトホール59dを介してドープドSi層14a1と接続したワード線配線金属層WL1と、コンタクトホール59eを介してドープドSi層14a2と接続したワード線配線金属層WL2と、コンタクトホール59fを介してドープドSi層14anと接続したワード線配線金属層WLnとが形成される。これと同様にして、N
+層5aはコモンソース配線層に、ドープドSi層7はソース側選択ゲート配線層に接続される(コモンソース配線層、ソース側選択ゲート配線層は図示せず)。
【0069】
図7Hに示すように、外周部i層43a上において、P
+層51aがソースとして機能し、P
+層51bがドレインとして機能し、P
+層51a、51b間のSi柱48aがチャネルとして機能し、TIN層54aがゲートとして機能するPチャネルSGT(Surrounding Gate MOS Transistor)と、N
+層52aがソースとして機能し、N
+層52bがドレインとして機能し、N
+層52a、52b間のSi柱48bがチャネルとして機能し、TIN層54aがゲートとして機能するNチャネルSGTとが形成される(SGTに関しては、例えば、特許文献3を参照)。Si柱48a、48bに形成されたNチャネルSGT、PチャネルSGTからCMOSインバータ回路が形成され、メモリ素子領域42におけるSi柱4a、4bには、
図1に示すような、n段のメモリセル・トランジスタが直列に接続された縦構造NAND型フラッシュメモリ素子が形成される。
【0070】
第6実施形態によれば、以下の効果が奏される。
1.Si柱48aに形成されたPチャネルSGTと、Si柱48bに形成されたNチャネルSGTと、Si柱4aとSi柱4bとの頂部に形成された縦構造NAND型フラッシュメモリ素子のドレイン側選択トランジスタとが、互いに同じ高さに形成される。これにより、PチャネルSGTと、NチャネルSGTと、ドレイン側選択トランジスタのゲート絶縁層であるHfO
2層53とを同時に形成することができる。これと同様に、PチャネルSGTと、NチャネルSGTと、ドレイン側選択トランジスタのゲート導体層であるTiN層54とを同時に形成することができる。これと同様に、NチャネルSGTのN
+層52bと、縦構造NAND型フラッシュメモリ素子のN
+層55a、55bとを同時に形成することができる。このように、外周部i層43a上に存在するPチャネルSGTとNチャネルSGTとからなる周辺回路の形成に必要な工程と、縦構造NAND型フラッシュメモリ素子のドレイン側選択トランジスタの形成に必要な工程との多くが共通化できる。これにより、製造するNAND型フラッシュメモリ装置の低コスト化が実現される。
2.縦構造NAND型フラッシュメモリ素子においてワード線導体層として機能するドープドSi層14a1、14a2、14anと、各ドープドSi層14a1、14a2、14anとを絶縁するためのSiO
2層15a1、15a2、15anとは、バイアススパッタ法を用いて、i層基板1aの表面に垂直な方向から材料原子を入射させることにより形成した。この材料層の堆積について、Si柱4a、4bにおいては、Si
3N
4層2a、2bをマスクとして用い、外周部i層43a、43bの側面角度θkに対して、バイアススパッタの堆積速度が剥離速度よりも大きくなる条件で形成した。これにより、Si柱4a、4bの外周に気体層(空間)18a、18bを形成することができるとともに、ドープドSi層14a1、14a2、14an、SiO
2層15a1、15a2、15anは外周部i層43bの側面に繋がって形成される。この結果、ワード線配線金属層WL1、WL2、WLnを、底面が同じ高さであるコンタクトホール59d、59e、59fを介して形成することができる。このため、ワード線配線金属層WL1、WL2、WLnを形成するための工程が簡略化され、NAND型フラッシュメモリ装置の製造の低コスト化が図れる。
【0071】
なお、第1実施形態では、ドープドSi層14a1とSiO
2層15a1を一つの組とすると、少なくとも3つの組のドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを、縦構造NANDフラッシュメモリに適用した場合について説明したが、一組のドープドSi層14a1とSiO
2層15a1とからなる、例えばNOR型など他のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)装置にも適用することができる。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用可能である。
【0072】
第1実施形態では、バイアススパッタ法を用いて、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料原子と、SiO
2材料原子とを、i層基板1aの上表面に垂直な方向から入射することで、Si柱4a、4b、4c、4dの外周に、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成したが、ドナー又はアクセプタ不純物を含むSi材料と、SiO
2材料とを、i層基板1aの上表面に垂直な方向から入射することで、ドープドSi層14a1、14a2、14anと、SiO
2層15a1、15a2、15anとを形成することが可能な方法であれば、他の方法を用いても良い。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0073】
なお、第1実施形態における、ドープドSi層14a1、14a2、14anは、アモルファスSi、又はポリSiであってもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0074】
第1実施形態における、ドープドSi層14a1、14a2、14anは、導電性を有する材料層であってもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0075】
第1実施形態における、トンネル絶縁層として機能するSiO
2層11a、11b、11c、11d、データ電荷蓄積層として機能するSi
3N
4層12a、層間絶縁層として機能するSiO
2層13aは、それぞれの層の機能を実現できる材料層であれば、他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0076】
第1実施形態では、TiN層16a、又はポリSi層とニッケル(Ni)との積層体を用いて、熱処理により生じる塑性変形または体積膨張により、TiN層16a又はNiSi層が図の横方向に膨張することで、気体層(空間)18a、18b、18c、18dの上部が密閉される。このようなTiN層、又はNiSi層と同様に、気体層18a、18b、18c、18dの上部が密閉される材料層であれば、他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0077】
第1実施形態においては、ソース側選択ゲート配線金属層(導体層)、及びドレイン側選択ゲート配線金属層(導体層)として、ドープドSi層7、20aを例として説明した。しかしこれに限られず、導体層であれば、他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0078】
第1実施形態では、NAND型フラッシュメモリ素子をSi柱4a、4b、4c、4dに形成した。しかしこれに限られず、NAND型フラッシュメモリ素子は他の半導体柱に形成することもできる。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0079】
第1実施形態では、真円状のレジスト層3a、3b、3c、3dをマスクとして用い、Si
3N
4膜を、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法を用いてエッチングすることで、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dを形成した。しかしこれに限られず、レジスト層3a、3b、3c、3d、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dの平面視での形状は例えば楕円状であってもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0080】
第1実施形態では、レジスト層3a、3b、3c、3dと、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dとの両層をマスクとして用い、例えばRIE法を用いてi層基板1をエッチングすることで、Si柱4a、4b、4c、4dを形成した。しかしこれに限られず、レジスト層3a、3b、3c、3dと、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dとの両層をエッチングマスクとして用いず、いずれか一方をエッチングマスクとして用いることで、i層基板1のエッチングを行うこともできる。また、レジスト層3a、3b、3c、3dと、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dが有する機能を実現可能なものであれば、他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0081】
第1実施形態では、ワード線となるドープドSi層14a1、14a2、14an、そしてソース側選択線となるドープドSi層7は、Si柱4a、4b、4c、4dの外周部に繋がり形成された構造を用いて説明した。このような構造だけでなく、装置動作の仕様に従って、ドレイン側選択線となるドープドSi層20a、20bと同様に、Si柱4a、4bの外周部と、Si柱4c、4dの外周部とに繋がったドープドSi層に分離した構造であっても本発明の技術思想の範囲内である。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0082】
第1実施形態では、Si柱4a、4b、4c、4dにおいて、底部にコモンソースのN
+層5aがあり、頂部にドレインのN
+層24a、24b、24c、24dがある構造を用いて説明したが、1つのNAND型フラッシュメモリ素子を2つのSi柱で形成する縦型NAND型フラッシュメモリ素子(例えば、特許文献4を参照)にも本発明の技術思想を適用することができる。この場合、コモンソースN
+層5a、ドレインN
+層24a、24b、24c、24dは、Si柱4a、4b、4c、4dの頂部に形成され、NAND型フラッシュメモリ素子のチャネルは、コモンソースN
+層に繋がるSi柱のチャネルと、これに繋がる一方のドレインN
+層に繋がるSi柱のチャネルと、から構成される。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0083】
第2実施形態における水素熱処理について、第1実施形態を例にして説明した。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用される。
【0084】
第4実施形態で説明した内容は、本発明に係る他の実施形態においても適用される。
【0085】
第4実施形態では、Si
3N
4層2a、2b、2c、2dに代えて円錐台状Si
3N
4層2A、2B、2C、2Dを形成し、この円錐台状Si
3N
4層2A、2B、2C、2D上に、円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dを形成した。円錐台状積層材料層41a、41b、41c、41dは、このように円錐台状でなくても、先細りの形状であればよい。このことは、本発明に係る他の実施形態においても同様に適用可能である。
【0086】
第6実施形態では、Si柱48a、48bの底面の高さがTiN層16aaの上表面の高さにほぼ一致するようにした。しかしこれに限られず、Si柱48a、48bにSGTが形成される限り、Si柱48a、48bの底面の高さは、TiN層16aa表面の高さ近傍であればよい。
【0087】
第6実施形態では、単層のTiN層54を用いた。しかしこれに限られず、単層のTiN層54に代えて、例えばポリSi層と2層構造、または他の材料層を用いることも可能である。
【0088】
第6実施形態では、コンタクトホール59d、59e、59fを、NAND型フラッシュメモリ素子が形成されたSi柱4a、4bの中心線X−X’線の近傍に形成した。しかしこれに限られず、ドープドSi層14a1、14a2、14anは、メモリ素子領域42の全域に繋がって形成されているので、
図7Hに示すように、必ずしもX−X’線の近傍に集合させて形成する必要はない。
【0089】
第6実施形態では、外周部i層48上のSi柱48a、48bにNチャネル、PチャネルSGTからなるCMOSインバータ回路が形成された例を用いて説明したが、他のSGTを用いた回路を形成した場合にも、本発明の技術思想が適用されることは言うまでもない。
【0090】
[付記1]
半導体基板と、
前記半導体基板上において、前記半導体基板の表面に垂直な方向に延びる第1の半導体柱と、
前記第1の半導体柱の外周を囲むトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層の外周を囲むデータ電荷蓄積絶縁層と、
前記データ電荷蓄積絶縁層の外周を囲む第1の層間絶縁層と、
前記第1の層間絶縁層の外周を囲む空間と、
前記空間の外周を囲む第1の導体層と、
前記第1の導体層と前記空間の外周を囲む第2の層間絶縁層とを一組とする積層材料層が、前記半導体基板の上表面に垂直な方向に単層又は複数層形成されており、
前記第1の導体層に印加される電圧によって、前記トンネル絶縁層を介した前記第1の半導体柱と前記データ電荷蓄積絶縁層との間でのデータ電荷の移動によるデータ書き込み及び消去、又は前記データ電荷蓄積絶縁層によるデータ電荷の保持が行なわれる、
ことを特徴とする柱状半導体メモリ装置。
[付記2]
前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記積層材料層の上方に形成され、前記第1の層間絶縁層の側面に接する第2の導体層をさらに有する、
ことを特徴とする付記1に記載の柱状半導体メモリ装置。
[付記3]
前記積層材料層が複数層形成されており、
前記積層材料層の下方に形成され、前記第1の半導体柱の外周を囲む第1のゲート絶縁層と、
前記第1のゲート絶縁層の外周を囲む第3の導体層と、
前記第3の導体層の下方、且つ、前記第1の半導体柱の底部に形成され、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第1の不純物領域と、
前記積層材料層の上方に形成され、前記第1の半導体柱の外周を囲む第2のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート絶縁層の外周を囲む第4の導体層と、
前記第1の半導体柱の頂部に形成され、前記第1の不純物領域と同じ導電型を有する第2の不純物領域とを有し、
前記積層材料層の前記第1の導体層が、ワード線配線金属層に接続され、
前記第3の導体層が、ソース側選択ゲート配線金属層に接続され、
前記第1の不純物領域が、コモンソース配線金属層に接続され、
前記第4の導体層が、ドレイン側選択ゲート配線金属層に接続され、
前記第2の不純物領域が、ビット線配線金属層に接続されることで、
前記第1の半導体柱にNAND型フラッシュメモリ素子が形成されている、
ことを特徴とする付記1に記載の柱状半導体メモリ装置。
[付記4]
平面視において、前記第1の半導体柱の外周縁が、前記空間の外周縁よりも内側にある、
ことを特徴とする付記1に記載の柱状半導体メモリ装置。
[付記5]
前記第1の半導体柱が形成されたメモリ素子領域の外周に形成された第1の外周部半導体領域と、
前記第1の外周部半導体領域に含まれる第2の外周部半導体領域に形成され、頂部の高さが、前記第1の半導体柱の頂部の高さとほぼ一致しており、且つ、底面の高さが、前記第4の導体層の底面の高さとほぼ一致している第2の半導体柱と、
前記第2の半導体柱の外周を囲む第3のゲート絶縁層と、
前記第3のゲート絶縁層の外周を囲むように形成され、前記第4の導体層と上下端の高さがほぼ一致している第5の導体層と、
前記第5の導体層の上方、且つ、前記第2の半導体柱の頂部に形成され、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第3の不純物領域と、
前記第5の導体層の下方、且つ、前記第2の半導体柱の底部に形成され、前記第3の不純物領域と同じ導電型を有する第4の不純物領域と、を備え、
前記第3の不純物領域及び前記第4の不純物領域の一方がソースである場合に、他方がドレインであり、前記第3の不純物領域と、前記第4の不純物領域とによって挟まれた前記第2の半導体柱をチャネルとし、前記第5の導体層をゲートとするSGT(Surrounding Gate MOS Transistor)が形成されている、
ことを特徴とする付記3に記載の柱状半導体メモリ装置。
[付記6]
前記半導体基板上において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように形成されるとともに、前記第1の外周部半導体領域の側面、及び上面まで延在した第3の層間絶縁層をさらに備え、
前記積層材料層は、前記第3の層間絶縁層上に形成され、
前記積層材料層の上表面の高さは、前記第1の外周部半導体領域上に存在する前記第3の層間絶縁層の上表面の高さとほぼ一致しており、
前記第1外周部半導体領域の側面上端に上表面を有する前記積層材料層の前記第1の導体層の上表面に接続されたコンタクトホールをさらに備え、
前記コンタクトホールを介して、前記第1の導体層と前記ワード線配線金属層とが接続されている、
ことを特徴とする付記3に記載の柱状半導体メモリ装置。
[付記7]
半導体基板上に、平面視円形のマスク絶縁層を形成するマスク絶縁層形成工程と、
前記マスク絶縁層をマスクとして用い、前記半導体基板をエッチングすることで、前記半導体基板上に、半導体柱を形成するとともに、前記半導体柱の側面をその内側に後退させることにより、第1の半導体柱を形成する第1半導体柱形成工程と、
前記第1の半導体柱の外周を囲むようにトンネル絶縁層を形成するトンネル絶縁層形成工程と、
前記トンネル絶縁層の外周を囲むようにデータ電荷蓄積絶縁層を形成するデータ電荷蓄積絶縁層形成工程と、
前記データ電荷蓄積絶縁層の外周を囲むように第1の層間絶縁層を形成する第1層間絶縁層形成工程と、
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から材料原子を入射することで、前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記半導体基板の上方に第1の導体層を形成する第1導体層形成工程と、
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から、前記第1の導体層上に材料原子を入射することで、第2の層間絶縁層を形成する第2層間絶縁層形成工程と、
前記第1の導体層形成工程と前記第2層間絶縁層形成工程とに並行して、前記第1の層間絶縁層の側面と、前記第1の導体層及び前記第2の層間絶縁層の側面との間に、空間を形成する空間形成工程と、
前記第1の導体層と前記第2の層間絶縁層とを一組として形成される積層材料層を、前記半導体基板の上表面に垂直な方向に単層又は複数層形成する積層材料層形成工程と、を備え、
前記第1の導体層に印加される電圧により、前記トンネル絶縁層を介した前記第1の半導体柱と前記データ電荷蓄積絶縁層との間でのデータ電荷の移動によるデータ書き込み及び消去、又は前記データ電荷蓄積絶縁層によるデータ電荷の保持が行なわれる、
ことを特徴とする柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記8]
前記マスク絶縁層の上表面に垂直な方向から材料原子を入射することで、前記第1の半導体柱の外周、且つ、前記積層材料層の上方に第2の導体層を形成する第2導体層形成工程と、
熱処理によって、前記第2の導体層を、前記半導体基板の上表面に平行な方向に膨張させることで、前記第2の導体層と前記第1の層間絶縁層とを接続する第2導体層・第1層間絶縁層接続工程を有する、
ことを特徴とする付記7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記9]
前記積層材料層形成工程の後から、前記第2導体層・第1層間絶縁層接続工程の間において、水素を含む雰囲気の下、熱処理を行う、
ことを特徴とする付記7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記10]
前記積層材料層形成工程の後から、前記第2導体層・第1層間絶縁層接続工程の間において、酸素を含む雰囲気の下、熱処理を行うことで、前記第2の導体層の側面表層に酸化絶縁層を形成する、
ことを特徴とする付記7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記11]
前記第1の半導体柱上に、前記マスク絶縁層として、円錐台形状を有する円錐台状マスク絶縁層を形成する円錐台状マスク絶縁層形成工程と、
前記半導体基板の上表面に垂直な方向から材料原子を入射するとともに、前記円錐台状マスク絶縁層側面における前記材料原子の堆積速度が、前記材料原子の剥離速度よりも小さい条件で前記材料原子を堆積させることで、前記積層材料層を前記半導体基板の上方に形成し、前記円錐台状マスク絶縁層上に、前記積層材料層と共通する材料層からなる円錐形状の円錐状積層材料層を形成する円錐状積層材料層形成工程と、を備える、
ことを特徴とする付記7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記12]
前記積層材料層の下方において、第1の半導体柱の外周を囲むように第1のゲート絶縁層を形成する第1ゲート絶縁層形成工程と、
前記第1のゲート絶縁層の外周を囲むように第3の導体層を形成する第3導体層形成工程と、
前記第3の導体層の下方、且つ、前記第1の半導体柱の底部に、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第1の不純物領域を形成する第1不純物形成工程と、
前記積層材料層の上方において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように第2のゲート絶縁層を形成する第2ゲート絶縁層形成工程と、
前記第2のゲート絶縁層の外周を囲むように第4の導体層を形成する第4導体層形成工程と、
前記第4の導体層の上方に、前記第1の不純物領域と同じ導電型を有する第2の不純物領域を形成する第2不純物形成工程とを有し、
前記積層材料層の前記第1の導体層を、ワード線配線金属層に接続し、
前記第3の導体層を、ソース側選択ゲート配線金属層に接続し、
前記第1の不純物領域を、コモンソース配線金属層に接続し、
前記第4の導体層を、ドレイン側選択ゲート配線金属層に接続し、
前記第2の不純物領域を、ビット線配線金属層に接続することで、
前記第1の半導体柱にNAND型フラッシュメモリ素子を形成する、
ことを特徴とする付記7に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記13]
前記第1の半導体柱が形成されたメモリ素子領域の外周に、第1の外周部半導体領域を形成する第1外周部半導体領域形成工程と、
前記第1の外周部半導体領域に含まれる第2の外周部半導体領域に形成され、頂部の高さが、前記第1の半導体柱の頂部の高さとほぼ一致しており、且つ、底面の高さが、前記第4の導体層の底面の高さとほぼ一致している第2の半導体柱を形成する第2半導体柱形成工程と、
前記第2の半導体柱の外周を囲むように、第3のゲート絶縁層を形成する第3ゲート絶縁層形成工程と、
前記第3のゲート絶縁層の外周を囲むように、前記半導体基板の垂直方向において、前記第4の導体層の上下端の高さと、上下端の高さがほぼ一致している第5の導体層を形成する第5導体層形成工程と、
前記第5の導体層の上方、且つ、前記第2の半導体柱の頂部に、ドナー又はアクセプタ不純物を含む第3の不純物領域を形成する第3不純物領域形成工程と、
前記第5の導体層の下方、且つ、前記第2の半導体柱の底部に、前記第3の不純物領域と同じ導電型を有する第4の不純物領域を形成する第4不純物領域形成工程と、を備え、
前記第3の不純物領域及び前記第4の不純物領域の一方がソースである場合に、他方がドレインであり、前記第3の不純物領域と、前記第4の不純物領域とによって挟まれた前記第2の半導体柱をチャネルとし、前記第5の導体層をゲートとするSGT(Surrounding Gate MOS Transistor)が形成されている、
ことを特徴とする付記11に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
[付記14]
前記半導体基板上において、前記第1の半導体柱の外周を囲むように、前記第1の外周部半導体領域の側面、及び上面まで延在した第3の層間絶縁層を形成する第3の層間絶縁層形成工程をさらに備え、
前記積層材料層を、前記第3の層間絶縁層上に形成し、
前記積層材料層の上面の高さが、前記第1の外周部半導体領域上に存在する前記第3の層間絶縁層の上面の高さとほぼ一致するようにし、
前記第2の外周部半導体領域の側面上端に上表面を有する前記積層材料層の前記第1の導体層の上表面に接続されたコンタクトホールを形成し、
前記コンタクトホールを介して、前記第1の導体層と前記ワード線配線金属層とを接続する、
ことを特徴とする付記11に記載の柱状半導体メモリ装置の製造方法。
Si柱(4a、4b、4c、4d)の外周を囲むように、トンネル絶縁層(11aa、11bb、11dd)、データ電荷蓄積絶縁層(12a)、層間絶縁層(13a)、気体層(18a、18b、18d)が形成されている。気体層(18a、18b、18d)の外周を囲むように、i層基板1aの上表面に垂直な方向に、層間絶縁層(15a1、15a2、15an)によって互いに分離されたワード線(14a1、14a2、14an)が形成されている。