(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0021】
図1〜
図21は、この発明にかかる
車両用灯具の実施例
1を示す。
【0022】
以下、この実施例1における
車両用灯具の構成について説明する。
図18において、符号100は、この実施例
1における車両用灯具である。
【0023】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能(
図19参照)とストップランプ機能(
図20参照)とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0024】
前記車両用灯具100は、
図18に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路2(
図21参照)と、を備えるものである。
【0025】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0026】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0027】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0028】
図13〜
図17に示すように、前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個この例では4個の凹部109と同じく複数個この例では2個のストッパ部110とがほぼ等間隔に設けられている。
【0029】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、
図1〜
図17に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0030】
前記光源ユニット1は、
図18に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101に防水パッキン(Oリング)108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0031】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、
図1〜
図5、
図7〜
図9、
図12、
図21に示すように、基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では4個の発光チップ41、42、43、44と、制御素子としての2個の抵抗51、52および2個のダイオード53、54と、配線素子としての配線6と、を備えるものである。
【0032】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、
図1〜
図5、
図7〜
図9、
図12に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。前記基板3の取付面34には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30が設けられている。
【0033】
前記基板3の前記取付面34には、前記4個の発光チップ41〜44および前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線6が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、蒸着などにより、設けられている)。なお、
図1〜
図4においては、図面を簡略化するために、前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線6などの図示を省略してある場合がある。
【0034】
前記4個の発光チップ41〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ41〜44は、
図1〜
図4、
図7、
図12に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記4個の発光チップ41〜44は、
図4に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0035】
前記4個の発光チップ41〜44は、テールランプ機能の一部(この例では2個)の発光チップ43、44と、ストップランプ機能の全部(この例では4個)の発光チップ41〜44と、にグループ化されている。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの中の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能とに兼用される。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの両端(両外側)の2個の発光チップ41、42は、前記ストップランプ機能のみに使用される。前記ストップランプ機能と兼用の前記テールランプ機能(以下、単に「テールランプ機能」と称する)の2個の発光チップ43、44は、前記ストップランプ機能のみの2個の発光チップ41、42の間に配置されている。なお、前記4個の発光チップ41〜44は、フリップチップタイプのベアチップ、あるいは、ワイヤボンディングタイプのベアチップ、あるいは、反射タイプのベアチップなどのベアチップを使用する。
【0036】
前記抵抗51、52は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗51、52は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ41〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗51、52の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗51、52の一部を切り欠いて抵抗値を調整するものである。なお、トリミングにより抵抗値は増加する。
【0037】
前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に直列に接続されている前記抵抗51と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗52とは、
図21においてそれぞれ1個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、複数個配置する場合がある。例えば、2個ずつ、もしくは、前記テールランプ機能の前記抵抗51を3個、前記ストップランプ機能の前記抵抗52を4個配置する場合がある。
【0038】
前記ダイオード53、54は、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44と前記抵抗51とに直列に接続されているダイオード53と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗52とに直列に接続されているダイオード54とは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0039】
前記配線6は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線やワイヤなどからなる。前記配線6は、前記抵抗51、52、前記ダイオード53、54を介して前記発光チップ41〜44に給電するものである。
【0040】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、
図1〜
図12、
図14〜
図18に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0041】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部109と対応させて、一体に設けられている。
【0042】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部109中に
図16中の実線上向き矢印方向に挿入する(
図14、
図16参照)。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに
図14および
図16中の実線矢印方向に回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部110に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記防水パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(
図14、
図16参照)。
【0043】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、
図18に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記防水パッキン108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられる。この時点において、
図11に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(
図11中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(
図11中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0044】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0045】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性接着剤36により接着されている。この結果、前記発光チップ41〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0046】
前記熱伝導性接着剤36は、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。
【0047】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0048】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記光源部10の前記配線6にそれぞれ電気的に接続されている。
【0049】
すなわち、
図5に示すように、前記絶縁部材7の一端面(上端面)のうち前記基板3の前記切欠31〜33および前記放熱部材8の前記切欠81〜83に対応する箇所には、前記切欠31〜33、81〜83中に突出する凸部72が一体に設けられている。前記給電部材91〜93の一端部は、前記凸部72から突出して折り曲げられて前記基板3の前記配線6に電気的に接続されている。なお、前記給電部材91〜93の一端部と前記基板3の前記配線6とをはんだあるいはレーザー溶接(レーザー溶着)または抵抗溶接で電気的接続と共に固定しても良い。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。
【0050】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0051】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
図21に示すように、前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0052】
図18、
図21に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0053】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、
図21に示すように、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0054】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(
図21中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51を経て駆動電流が供給されている。
【0055】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(
図21中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て駆動電流が供給されている。
【0056】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(
図21中の実線に示す状態のとき)には、前記4個の発光チップ41〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0057】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記4個の発光チップ41〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部120が設けられている。前記光学制御部120は、1個もしくは4個、前記4個の発光チップ41〜44に対応して設けられている。
【0058】
前記カバー部12は、
図10〜
図12、
図18に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外乱から保護するものである。
【0059】
図12中の点線で示すように、前記カバー部12には、通気孔121を設ける場合がある。この場合においては、前記基板3の前記取付面34上には、
図7および
図9中の二点鎖線で示す封止部材が前記発光チップ41〜44、前記抵抗51、52、前記ダイオード53、54、前記配線6を覆うように設けられている。
【0060】
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0061】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給される。この結果、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44が発光する。
【0062】
このテールランプ機能の2個の発光チップ43、44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ43、44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、
図19に示す、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0063】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。すなわち、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44に対して、今まで消光状態のストップランプ機能の2個の発光チップ41、42が、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44と共に、新たに発光する。
【0064】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、
図20に示す、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、照度が大である)。
【0065】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、4個の発光チップ41〜44もしくは2個の発光チップ43、44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0066】
そして、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6において発生した熱は、基板3を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0067】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0068】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図1〜
図3に示すように、発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6を基板3に取り付けて光源部10を構成し、一方、放熱部材8と給電部材91〜93とを絶縁部材7に相互に絶縁状態で組み込んでソケット部11を構成し、基板3と放熱部材8とを相互に当接させて、光源部10をソケット部11に取り付けてなるものである。すなわち、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44と抵抗51、52およびダイオード53、54と配線6と基板3から構成されている光源部10と、放熱部材8と給電部材91〜93と絶縁部材7から構成されているソケット部11とを、一体に組み込んでなるものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けてなる従来の光源ユニットと比較して、小型化することができる。
【0069】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図7〜
図9に示すように、基板3の当接面35と放熱部材8の当接面80とが相互に当接するので、発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱が基板3を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8(特に他端部のフィン形状の部分)から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6における放熱上の課題を解決することができる。
【0070】
その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図15、
図22に示すように、ソケット部11の絶縁部材7の取付部70により、光源ユニット1を車両用灯具100に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、光源ユニット1が車両用灯具100に対して交換可能である。
【0071】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図7に示すように、コネクタ部13が絶縁部材7の一部と給電部材91〜93の一部(オスターミナル910〜930)とから構成されているので、コネクタ部13をソケット部10に設けたとしても、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。
【0072】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図11、
図12に示すように、光源部10をカバー部12で覆うことにより、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6および基板3をカバー部12で保護することができる。しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、カバー部12の光学制御部120により、発光チップ41〜44から放射される光を光学制御することができるので、車両用灯具100の光学制御設計が容易となる。その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図12中の点線で示すように、カバー部12に通気孔121を設けると、カバー部12で覆われた発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱を通気孔121を通して外部に逃がすことができ、放熱効果がさらに向上される。
【0073】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図8に示すように、基板3の高反射面30により、発光チップ41〜44から放射される光を基板3の高反射面30において高反射率で反射させることができので、発光チップ41〜44から放射される光を有効利用することができる。
【0074】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図8に示すように、基板3と放熱部材8とが、熱伝導接着剤36で接着されていて、放熱部材8と絶縁部材7とが、相互に密着している。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱が基板3から熱伝導接着剤36を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8から外部に放射され、かつ、この放熱部材8から絶縁部材7に伝達されてこの絶縁部材7から外部に放射されるので、放熱効果を向上させることができる。
【0075】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図5に示すように、給電部材91〜93の一端部(上端部)を絶縁部材7の凸部72から突出させてかつ折り曲げて基板3の配線6に電気的に接続させるものであるから、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93の一端部(上端部)が絶縁部材7の凸部72から突出していて基板3に接触していないので、この給電部材91〜93の一端部(上端部)を折り曲げる際に、給電部材91〜93の一端部(上端部)の折曲応力が基板3にかからない。すなわち、基板3に割れなどの損傷が発生しない。
【0076】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図11に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(
図11中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(
図11中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大であるから、光源部で発生する熱が外部に大部分突出しているソケット部を介して外部に放射されるので、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0077】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図11、
図18に示すように、灯室104外のランプハウジング101とソケット部11の絶縁部材7との間に設けられている防水パッキン108により、防水性が向上する。しかも、光源部10で発生する熱の大部分がソケット部11の放熱部材8から外部に放射されて、ソケット部11の絶縁部材7に伝達される熱が僅かであるから、灯室104外のランプハウジング101とソケット部11の絶縁部材7との間に設けられている防水パッキン108を光源部10の熱から保護することができる。
【0078】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図4、
図14に示すように、取付部70が、ソケット部11の中心O軸回りに回転させてランプハウジング101に着脱可能に取り付けるための取付部であり、発光チップ41〜44が、ソケット部11の中心O軸近傍に配置されている。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11をランプハウジング101に取付部70によりソケット部11の中心O軸回りに回転させて取り付けて光源部10を灯室104内に配置した際に、発光チップ41〜44が基板4や放熱部材8を介してソケット部11の中心O軸近傍に位置するので、発光チップ41〜44の灯室104内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0079】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、
図1〜
図4に示すように、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線6が基板3の取付面34に取り付けられているので、その分、部品点数を軽減することができ、部品を小型化することができ、かつ、製造コストを安価にすることができる。
【0080】
その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44や制御素子の抵抗52、ダイオード54や配線素子の配線6において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップ41〜44の発光効率を向上させることができる。
【0081】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44がその他のグループの発光チップすなわちストップランプ機能の発光チップ(ストップランプ機能のとき発光しテールランプ機能のとき発光しない発光チップ)41、44の間に配置されているので、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能の発光チップ43、44を相互に近接させることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44を発光させたときに、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44の間の光の抜けがないので、光学設計が容易となる。
【0082】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44特にテールランプ機能発光チップ43、44が配光制御部としてのリフレクタ103の焦点Fの近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【0083】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、4個の発光チップ41〜44が集中して配置されているので、1灯タイプの車両用灯具に適している。