(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る車載オーディオ装置1の外観構成を示す図である。
車載オーディオ装置1は、例えば自動車などの車両の車室内に設けられる機器であって、CDやDVD等の光学ディスクやUSBメモリなどの半導体メモリといった記録媒体に記録されている楽曲データ、或いはラジオ放送等のデータソースを再生し車室内に音声出力する。この車載オーディオ装置1は、ダッシュボード2の運転席側3Aと助手席側3Bとの間に配置され、ダッシュボード2から車室内に露出した操作パネル5と、ダッシュボード2に収納された装置本体(不図示)とを備えている。
操作パネル5は、例えばアクリル樹脂等の透明な樹脂材を略矩形のパネル状に形成して成り、ダッシュボード2の表面に面一に嵌め込まれている。
【0015】
図2は、操作パネル5の正面図である。
操作パネル5は、背後に配置された表示装置7(
図7)の表示領域8(
図3)に重ねて配置されるものであり、この操作パネル5の略中央には、表示装置7の表示領域8に対応して当該表示領域8の表示を視認可能にする無色透明な表示窓9が設けられている。この表示窓9を除く表面には、例えばグレーやブラック等の表面塗装が施されている。
表示窓9の上側には、CDやDVD等の光学ディスクを装置本体に挿入するためのディスク挿入口10が開口する。また表示窓9の左右及び下側のそれぞれ、並びに、表示窓9の中には、装置操作のための多数の静電タッチスイッチ13が設けられている。表示窓9の外側に配置された静電タッチスイッチ13は、操作対象が固定的に割り当てられたスイッチであり、例えば、電源のオン/オフ操作スイッチ13−1や、音源ソースに光ディスク(CD)を選択するための操作スイッチ13−2、光ディスクのイジェクトスイッチ13−3、半導体メモリ(USB)を選択するための操作スイッチ13−4、AM/FM放送の切替操作スイッチ13−5、消音操作スイッチ13−6、選曲・選局操作スイッチ13−7、音量調整スイッチ13−8、VICS等の交通情報の交通情報スイッチ13−9等を備えている。
【0016】
表示窓9の外側に配置された静電タッチスイッチ13について、操作パネル5には各静電タッチスイッチ13の位置に、スイッチの位置及び機能を示す印刷のみが施されている。すなわち、操作パネル5の表面には、操作子による突出箇所が無いことから、パネル面が平坦に形成されており、かかる操作パネル5をダッシュボード2の表面に面一に装着することで、車両との一体感を演出し意匠性が高められている。
一方、表示窓9の中の静電タッチスイッチ13については、それぞれに対応する箇所にスイッチ図像や操作対象を示す名称が表示領域8に表示され、この表示により、各静電タッチスイッチ13の位置や操作対象が認識可能になされている。
【0017】
これら静電タッチスイッチ13は、操作パネル5の背面にタッチパネル基板15を密着配置して構成されており、このタッチパネル基板15の構成について、
図3を参照して説明する。
【0018】
図3は、タッチパネル基板15の構成を示す図である。
タッチパネル基板15は、例えば透明な樹脂をフィルム状に形成したプリント基板であって、その表面に各静電タッチスイッチ13が形成されている。タッチパネル基板15は、静電タッチスイッチ13に対するタッチ操作を検出して操作検出信号Gを出力する検出回路16に電気的に接続されており、これらタッチパネル基板15、検出回路16、並びに上記操作パネル5を備えてタッチパネル装置17が構成されている。
【0019】
静電タッチスイッチ13は、透明電極20と接続電極21とを有して構成されている。透明電極20は、タッチパネル基板15にスクリーン印刷等を用いて導電ポリマー等の透明電極材から形成された透明な電極である。接続電極21は、透明電極20と検出回路16とを接続し、検出回路16が生成する所定電圧の印加信号Kを透明電極20に印加する導電性の配線材である。なお、
図3では、接続電極21について、透明電極20との接続箇所のみを示している。
透明電極20のそれぞれは、対応する静電タッチスイッチ13の寸法形状と略同一寸法形状に形成されており、その縁部の一部、又は全部に接続電極21が接続されて上記検出回路16に電気的に接続されている。
【0020】
上述のように、タッチパネル基板15は、操作パネル5の裏面に配置されるため、この操作パネル5が各静電タッチスイッチ13を保護する保護層として機能し耐久性が高められている。そして、例えば、ユーザの指等の導体が静電タッチスイッチ13部分の操作パネル5に触れると、この導体と透明電極20との間の静電容量が変化する。すなわち、検出回路16が印加信号Kを所定のデューティ比で透明電極20に与えた場合には、導体が触れたときの静電容量変化に伴い印加信号Kの波形が変化する。検出回路16は、各透明電極20の印加信号Kの波形変化を検出することで、透明電極20に対するタッチ操作を検出し、このタッチ操作された透明電極20を特定した操作検出信号Gを外部出力する。
なお、タッチパネル基板15には、静電タッチスイッチ13の他にも、これら静電タッチスイッチ13から離れた位置に、周囲からのノイズをシールドする役割のアース部22(
図4)が設けられている。
【0021】
ところで、静電タッチスイッチ13を構成する接続電極21は、上述の通り、金属材で形成されているため不透明である。したがって、表示領域8の上に静電タッチスイッチ13を重ねて配置した場合には、接続電極21が表示の影として映し出されてしまう。特に、夜間走行時は車室内が暗くなるため、この影が非常に目立つものとなりデザイン性を損なうことになる。
そこで、本実施形態では、
図3に示すように、接続電極21を表示領域8の外側に設けることとし、これにより接続電極21による中央部分の影を防止する構成としている。以下、かかる構成について
図4を参照して詳述する。
【0022】
図4は、表示装置7の表示領域8に重ねて配置される静電タッチスイッチ13のそれぞれを拡大して示すタッチパネル基板15の要部拡大図である。
タッチパネル基板15には、表示領域8に対応して、縦横に3個ずつ静電タッチスイッチ13が格子状に設けられている。隣接する静電タッチスイッチ13同士の隙間は、少なくとも隙間を挟んだ両方の静電タッチスイッチ13に亘って指が触れる程度の微少な隙間であり、例えばレーザトリミング等で形成されている。
かかる配列の静電タッチスイッチ13にあっては、大別すると、中央の静電タッチスイッチ13(以下、「内側静電タッチスイッチ13A」と称して区別する)と、この内側静電タッチスイッチ13Aを囲む他の静電タッチスイッチ13(以下、「外側静電タッチスイッチ13B」と称して区別する)とを含む。
外側静電タッチスイッチ13Bは、それぞれ透明電極20が矩形状であって、その縁部の一部が表示領域8の外にはみ出る程度の大きさに形成されている。そして、各透明電極20の表示領域8をはみ出た縁部(すなわち内側静電タッチスイッチ13Aからみて外側に位置する縁部)に接続電極21が接続されている。
【0023】
一方、内側静電タッチスイッチ13Aにあっては、外側静電タッチスイッチ13Bの間を通って表示領域8の外まで抜ける舌片部23を透明電極20に一体に形成し、この舌片部23の先端に接続電極21Aが接続されている。これにより、接続電極21Aが表示領域8の外に位置することとなり、内側静電タッチスイッチ13Aにあっては、この接続電極21Aによる影が映り出されることが防止される。
ただし、舌片部23は、外側静電タッチスイッチ13Bの間を通って表示領域8の外の接続電極21Aに接続されるため、舌片部23を通す分だけ、外側静電タッチスイッチ13Bの隙間δを大きく開ける必要があり、この隙間δの分だけ、隙間δに沿って並ぶ外側静電タッチスイッチ13Bのそれぞれが小さくなるか、或いは、表示領域8を拡張する必要がある。また、この隙間δを大きくすると、後に説明するスライダ操作判定時に、隙間δ挟んで隣接する2つの外側静電タッチスイッチ13Bの両方が同時にオンになった状態の検出精度が低下する。
そこで、舌片部23の両側に位置する外側静電タッチスイッチ13Bの透明電極20のうち、いずれか一方側に位置する透明電極20の端部(
図4の例では、舌片部23の左側に位置する透明電極20の右端部)を切り欠くことで、舌片部23を通すスペースを設ける構成としている。この構成により、隙間δに沿って並ぶ一列全部の外側静電タッチスイッチ13Bを縮小するのではなく、舌片部23が通る箇所の外側静電タッチスイッチ13Bだけを縮小するから、縮小される外側静電タッチスイッチ13Bの数を最小とすることができる。
【0024】
次いで、静電タッチスイッチ13に対するタッチ操作の検出動作について説明すると、静電タッチスイッチ13には検出回路16から一定周期で印加信号Kが与えられることで、静電容量の変化が検出可能となっている。すなわち、ユーザの指等の導体が透明電極20の対応箇所に触れると静電容量が増加し、この静電容量変化に伴う信号が接続電極21を通じて検出回路16に入力される。検出回路16では透明電極20の静電容量変化を検出することで、静電タッチスイッチ13に対するタッチ操作の有無が検出されることとなる。
本実施形態では、検出回路16は、静電タッチスイッチ13のそれぞれに周期的に印加信号Kを印加することで、それぞれの静電タッチスイッチ13に対するタッチ操作を検出している。
【0025】
ここで、静電タッチスイッチ13の検出感度は、透明電極20と接続電極21との接続部分の長さ(以下、「接続長L」と言う)に関係し、接続長Lが長いほど、透明電極20での静電容量変化の検出感度が高くなる。すなわち、表示領域8に配置されている各静電タッチスイッチ13についてみると、
図4に示すように、内側静電タッチスイッチ13Aでは、接続電極21Aとの接続長Lが舌片部23に限られてしまうため、外側静電タッチスイッチ13Bよりも検出感度が低下する。そこで、舌片部23を太くするなどして接続長Lを長くすると、この舌片部23を通すために、他の外側静電タッチスイッチ13Bのサイズをより小さくする必要がある。さらに、この舌片部23は、外側静電タッチスイッチ13Bの透明電極20の端部を切り落として形成したスペースを通しているため、外側静電タッチスイッチ13Bの領域を通過することとなる。したがって、舌片部23を太くすると、この舌片部23が通過する外側タッチスイッチ13Bをユーザがタッチ操作したときに舌片部23に触れ易くなってしまう。さらに舌片部23を太くする分、内側静電タッチスイッチ13Aの静電容量変化が大きくなるため、外側タッチスイッチ13Bに対するタッチ操作が内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作として誤検出され易くなる。
【0026】
そこで本実施形態では、内側静電タッチスイッチ13Aの舌片部23に指が触れたときの誤検出を抑制するために、舌片部23を十分に細くし、なおかつ、内側静電タッチスイッチ13Aの検出感度を高めるために、
図5に示すように、検出回路16が内側静電タッチスイッチ13Aに印加する印加信号Kの印加時間を外側静電タッチスイッチ13Bよりも長くする構成としている。
【0027】
図6は、内側静電タッチスイッチ13A、及び外側静電タッチスイッチ13Bのそれぞれがタッチ操作されたときの静電容量の検出値を模式的に示す図であり、
図6(A)は内側静電タッチスイッチ13A、及び外側静電タッチスイッチ13Bの両方で印加信号Kの印加時間を同じにした場合、
図6(B)は内側静電タッチスイッチ13Aの印加信号Kの印加時間を外側静電タッチスイッチ13Bよりも長くした場合を示す図である。
内側静電タッチスイッチ13Aにあっては、舌片部23の太さ、すなわち舌片部23と接続電極21Aとの接続長Lが他の外側静電タッチスイッチ13Bの接続長Lよりも短いため、
図6(A)に示すように、舌片部23をタッチ操作したとき(指が触れたとき)の静電容量検出ピーク値Paは、外側静電タッチスイッチ13Bをタッチ操作したときの静電容量検出ピーク値Pbよりも十分に小さくなり、さらに、内側静電タッチスイッチ13Aの透明電極20部分をタッチ操作したときの静電容量検出ピーク値Pcよりも小さい。
【0028】
したがって、舌片部23に対するタッチ操作は、静電容量検出ピーク値Paと静電容量検出ピーク値Pcとの間に閾値を設け、この閾値以下の検出値を無効とすることで除外し、この舌片部23のタッチ操作による誤操作を防止できる。しかしながら、内側静電タッチスイッチ13Aの検出感度自体は接続長Lが細くなることで低下し、この内側静電タッチスイッチ13Aをタッチ操作したときの静電容量検出ピーク値Pcが、外側静電タッチスイッチ13Bについて検出され得るノイズ値Pd程度となり、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作と、外側静電タッチスイッチ13Bのノイズとが識別できない。かかるノイズは、例えば、指が外側静電タッチスイッチ13Bに接近しつつも触れることが無かった場合(タッチ操作されなかった場合)の静電容量変化などである。すなわち、何ら対策を施さなければ、ユーザが内側静電タッチスイッチ13Aをタッチ操作していないにもかかわらずノイズにより誤検出される虞がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、前掲
図5に示すように、内側静電タッチスイッチ13Aに印加する印加信号Kの印加時間Tbを外側静電タッチスイッチ13Bに対する印加時間Taよりも長くすることとしている。この結果、印加信号Kの印加によって得られる信号の検出時間が延長されて当該信号の積分値が増大されることから、
図6(B)に示すように、内側静電タッチスイッチ13Aの透明電極20部分のタッチ時の静電容量検出ピーク値Pcが高められる。これにより、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作と、外側静電タッチスイッチ13Bのノイズとの間に有意な差を設けることができ、それぞれが識別可能になる。
このとき、内側静電タッチスイッチ13Aの印加時間Tbを、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチに伴う静電容量検出ピーク値Pcが外側静電タッチスイッチ13Bのタッチ時の静電容量検出ピーク値Pbと同程度になる時間分だけ長くすることで、それぞれの静電容量検出ピーク値Pc、Pbを同程度に揃えることができる。これにより、同一の閾値Thを用いて、内側静電タッチスイッチ13Aと、外側静電タッチスイッチ13Bとのそれぞれのタッチ操作をノイズと区別して検出することができる。
【0030】
また、内側静電タッチスイッチ13Aの印加時間Tbの延長に伴い、この内側静電タッチスイッチ13Aの舌片部23をタッチ操作したときの静電容量検出ピーク値Paが増大するものの、上記のように、舌片部23の太さを十分に細くして接続長Lが短くされているため、静電容量検出ピーク値Paが外側静電タッチスイッチ13Bのノイズ値Pdと同程度に抑えられる。内側静電タッチスイッチ13Aについてのノイズ値Peについても、外側静電タッチスイッチ13Bのノイズ値Pd程度までしか増大することがない。
【0031】
したがって、舌片部23をタッチしたときの静電容量検出ピーク値Paよりも高い値に閾値Thを設定することで、ノイズ及び舌片部23のタッチ操作と、内側静電タッチスイッチ13A及び外側静電タッチスイッチ13Bのタッチとを識別することができ、特に、舌片部23をタッチ操作したときの誤検出を確実に防止できる。
【0032】
次いで、上記構成の操作パネル5のアプリケーションについて説明すると、車載オーディオ装置1では、操作パネル5の表示窓9に、楽曲リストや選局リストがリスト表示され、このリストがタッチ操作により操作可能に成されている。リストの操作としては、リスト項目を指で単押しする操作(以下、「単押し操作」と言う)により当該リスト項目を選択・実行する操作、また指を上又は下にスライド移動する操作(以下、「スライダ操作」と言う)によりリスト項目を送るリスト操作が含まれている。以下、かかるリスト操作を受け付ける車載オーディオ装置1について説明する。
【0033】
図7は、車載オーディオ装置1の機能的構成を示すブロック図である。
同図において、制御部40は、各部を中枢的に制御するものであり、例えばCPUやROM、RAM等を備えて構成されている。ラジオ放送受信部41は、AM/FM放送やVICS情報等の放送波を受信してデジタル音声信号をオーディオDSP45に出力する。光ディスク読取部42は、CDやDVD等の光ディスク39に記録されている楽曲データを読み取りデジタル音声信号をオーディオDSP45に出力する。USBメモリ読取部43は、USBメモリ38に記録されている楽曲データを読み取りデジタル音声信号をオーディオDSP45に出力する。
【0034】
デコーダ44は、光ディスク39及びUSBメモリ38に記録されている楽曲データが所定のコーデックで符号化されている場合にデコードしてデジタル音声信号をオーディオDSP45に出力する。すなわち、光ディスク読取部42及びUSBメモリ読取部43は、楽曲データが符号化されている場合には、当該楽曲データをデコーダ44に入力してデコードし、当該デコーダ44からデジタル音声信号をオーディオDSP45に出力する。オーディオDSP45は、デジタル音声信号にエコライズ等の各種の音響効果を付与しアンプ装置46に出力する。アンプ装置46は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/Aコンバータ、及びアナログ音声信号を増幅する増幅器(共に図示せず)を備え、このアナログ音声信号を車両に設けたスピーカ装置37に出力する。
なお、USBメモリ38に代えて、携帯型音楽再生装置をUSBケーブルを通じて接続し、当該携帯型音楽再生装置に記録されている楽曲データをUSBメモリ読取部43で読み取る構成としても良いことは勿論である。
【0035】
表示装置7は、表示面の上記表示領域8に各種情報を表示し、また前掲
図2に示すように、静電タッチスイッチ13を格子状に表示したり、後述する選択リスト48(
図8)を表示したりするフラットパネルディスプレイである。この表示装置7は、上述の通り、操作パネル5との間にタッチパネル基板15を挟んで配置される。
タッチパネル装置17は、上述の通り、静電タッチスイッチ13のタッチ操作を検出し、操作検出信号Gを出力する検出回路16を備え、この操作検出信号Gが制御部40に入力される。
【0036】
図8は、表示領域8に表示する選択リスト48の一態様を示す図である。
同図に示す選択リスト48は、光ディスク39に記録されている楽曲を曲目リスト表示し、再生する曲目を指定するものである。上述の通り、表示領域8には、3行3列の静電タッチスイッチ13が隣接して配列されており、選択リスト48にあっては、3行の静電タッチスイッチ13の各行に曲名を記した選択対象項目49が表示されている。当該選択対象項目49は、2列分の静電タッチスイッチ13に亘る長さで表示され、残り1列分の静電タッチスイッチ13には、ページ送り用スイッチ13−10、並びに、表示画面をトップ画面等に戻すための画面戻りスイッチ13−11が表示されている。
【0037】
選択リスト48の表示時には、いずれかの選択対象項目49をタッチ操作(以下、「単押し操作」と言う)することで曲目を選択して再生することができ、また、少なくとも2行以上の選択対象項目49に亘ってスライダ操作することで、選択対象項目49が指のスライド移動方向に1個ずつ移動し、移動方向先頭の選択対象項目49が表示領域8から消えて新たな1つの選択対象項目49が移動方向最後尾に追加表示される。
【0038】
制御部40は、前掲
図7に示すように、タッチパネル装置17から入力される操作検出信号Gに基づいて単押し操作とスライダ操作とを識別する操作識別部50を備えており、選択リスト48の表示時には、この操作識別部50によってタッチ操作の種別が識別される。
【0039】
ここで、スライダ操作は、単純には、いずれかの静電タッチスイッチ13がタッチされてオンした後、指のスライド移動に伴い、一定時間内に隣接する他の静電タッチスイッチ13がオンするか否かを監視することで検出可能である。
しかしながら、この検出態様では、最初のタッチを検出した後に一定時間の監視を要するため、操作が単押し操作の場合でも、この一定時間の監視の分だけ応答が遅延することとなり応答性が悪くなるという問題がある。これに対して、最初のタッチを検出した後に監視する時間を短くすることで、単押し操作に対する応答性を高めることができるものの、そうすると、スライダ操作時にユーザが指をゆっくり動かしたときには、最初のタッチから一定時間以内に隣接する静電タッチスイッチ13がタッチされずに単押し操作として誤認される、という問題がある。
【0040】
そこで、制御部40の操作識別部50は、次のようにして、単押し操作とスライダ操作を識別する。なお、以下では、最初に触れたた静電タッチスイッチ13の上下いずれかのみに他の静電タッチスイッチ13が隣接配置されている場合を例に説明する。
【0041】
図9は、操作識別シーケンスを模式的に示す図である。
ユーザが例えば上側の静電タッチスイッチ13に最初に触れると、
図9(A)に示すように、この上側の静電タッチスイッチ13がオンとなり下側はオフのままとなる。そして、その次の状態が、
図9(B)に示すように、上側及び下側の静電タッチスイッチ13(すなわち、上側と、これに隣接する全ての静電タッチスイッチ13)がともにオフになった状態である場合、最初に上側に触れた位置から指を動かさずにリリースされた事を示すため、操作識別部50は、この時点で単押し操作と判定する。これにより、制御部40は、単押し操作された静電タッチスイッチ13に対応する選択対象項目49の選択・実行処理を開始する。
【0042】
一方、
図9(C)に示すように、
図9(A)に示す状態の次の状態が、上側及び下側の両方の静電タッチスイッチ13がともにオンの状態の場合、上側から下側にかけて指がスライド移動している事を示す。しかしながら、静電タッチスイッチ13が互いに隣接配置されていることから、下側の静電タッチスイッチ13による誤検出の可能性がある。このため、この状態では、操作識別部50は操作識別を保留する。
その後、
図9(D)に示すように、上側及び下側の両方の静電タッチスイッチ13(すなわち、上側とともに隣接する全ての静電タッチスイッチ13)がともにオフになった状態である場合、下側の静電タッチスイッチ13には指が移動しなかった事を示すため、操作識別部50は、当初に触れられた上側の静電タッチスイッチ13に対する単押し操作と確定して判定する。これにより、制御部40は、
図9(B)の場合と同様に、単押し操作された静電タッチスイッチ13に対応する選択対象項目49の選択・実行処理を開始する。
【0043】
一方、
図9(E)に示すように、
図9(C)に示す状態の後の状態が、上側がオフとなり下側がオンとなった状態である場合には、上側から下側にかけて指がスライド移動した事を明示するため、操作識別部50は、この時点でスライダ操作と判定する。これにより、制御部40は、スライダ操作時の指の移動方向(図示例では上から下)に、選択対象項目49を1つずつ移動して表示する。
【0044】
このように、操作識別部50は、いずれかの静電タッチスイッチ13がタッチされてオンになった状態(
図9(A))から、当該静電タッチスイッチ13、及びスライダ操作方向で隣接する他の静電タッチスイッチ13のいずれもオフになった状態(
図9(B))に遷移したときに単押し操作と判定し、また、当該静電タッチスイッチ13、及びスライダ操作方向で隣接する他の静電タッチスイッチ13のいずれもオンになった状態(
図9(C))を経て隣接する他の静電タッチスイッチ13のいずれかのみがオンになった状態(
図9(E))に遷移したときにスライダ操作と判定する。
これにより、タッチによりオンしている静電タッチスイッチ13の状態遷移に基づいて単押し操作とスライダ操作が識別されるため、これら2つの操作をユーザの操作に追従して応答性良く識別することができる。
【0045】
また、操作識別部50は、いずれかの静電タッチスイッチ13がタッチされてオンになった状態(
図9(A))から、静電タッチスイッチ13、及びスライダ操作方向で隣接する他の静電タッチスイッチ13のいずれもオンになった状態(
図9(C))に遷移した時点では、操作の判定を保留することから、隣接する他の静電タッチスイッチ13の誤検出による誤動作を防止できる。特に走行時の振動等によりタッチ箇所がブレてしまって隣の静電タッチスイッチ13を意図せずに触れてしまった場合の誤検出及び誤動作を防止できる。
【0046】
ここで、操作識別部50は、
図9(F)に示すように、例えば2本の指等で上下両方の静電タッチスイッチ13を触れることで、スライダ操作方向に隣接する両方の静電タッチスイッチ13がオンになった状態から、いずれか1本の指を離すことで、いずれかの静電タッチスイッチ13のみがオンになった状態(例えば
図9(E))に遷移したときにも、スライダ操作とし判定しても良い。
また、1本の指での操作の場合でも、
図10(A)に示すように、指が最初に触れたときの位置が、上下に隣接する2つの静電タッチスイッチ13に跨がっているときがある。このときには、
図10(B)に示すように、いずれかの静電タッチスイッチ13のみがオンの状態に遷移したときに、操作識別部50は、スライダ操作と判定する。また、
図10(A)に示す状態から、
図10(C)に示すように、いずれの静電タッチスイッチ13もオフの状態に遷移した場合には、操作識別部50は、スライダ操作とは判定しない。この場合、いずれかの静電タッチスイッチ13に対する単押し操作と推定されるが、ユーザがどちらの操作を意図しているかが不明なため、無効な操作として判定することとなる。
【0047】
なお、タッチによりオンしている静電タッチスイッチ13の状態遷移に基づいてスライダ操作が識別された場合には、この状態遷移にかかった時間に応じて、スライダ操作に対応する処理の操作量(例えばリスト表示時のスライダ操作による選択対象項目49の送り個数など)を変えても良い。
例えば、
図10(A)に示す状態から
図10(B)に示す状態に遷移するまでの時間に応じて操作量を可変する構成とすることで、ユーザは最初に2つの静電タッチスイッチ13に跨がってタッチし、所望の操作量が得られる時間だけ、その状態を維持した後、指をスライド移動させて
図10(B)の状態に遷移させることで、スライダ操作と同時に操作量の指示(入力)が可能となり、操作性を向上させることができる。
【0048】
ところで、単押し操作とスライダ操作とでは、1つの静電タッチスイッチ13に指が触れている時間が異なるため、所定の検出時間の間で検出される静電容量に違いが生じる。このため、例えば、静電タッチスイッチ13のオン判定の閾値を単押し操作に合わせると、スライダ操作では各静電タッチスイッチ13で検出される静電容量がオン判定の閾値に満たなくってしまい操作が認識できなくなる。これとは逆に、オン判定の閾値をスライダ操作に合わせると、低い静電容量でオン判定されるため、指が触れずに接近したときに生じる静電容量変化(ノイズ)でもオンと判定され誤検出が生じ易くなる。
また例えば、単押し操作用の静電タッチスイッチ13と、スライダ操作用の静電タッチスイッチ13とを個別に設ければ誤検出を防止できるものの、静電タッチスイッチ13の数が増えることから、スペースを確保する必要があり、またタッチ検出の処理が複雑化する。
【0049】
そこで本実施形態では、
図11(A)に示すように、単押し操作を判定する閾値Thと、この閾値Thよりも低い値に、スライダ操作検出用のスライダ操作用閾値Thaとを設定することしている。すなわち、タッチパネル装置17の検出回路16は、静電タッチスイッチ13の静電容量が閾値Thを超えた場合に「キーON大」、スライダ操作用閾値Tha以上閾値Th以下である場合に「キーON小」、スライダ操作用閾値Tha以下の場合に「キーOFF」を、それぞれ操作検出信号Gとして出力する。
なお、舌片部23を有する静電タッチスイッチ13については、
図5及び
図6を参照して説明した通り、印加信号Kの印加時間を可変することで、他の静電タッチスイッチ13と検出感度が揃えられている。
【0050】
スライダ操作用閾値Thaは、感度を高めるために、ノイズレベルを若干上回る程度の低い値に設定されているが、そうするとノイズによる誤検出が発生する可能性が高くなる。そこで操作識別部50は、静電タッチスイッチ13のいずれかで「キーON大」が検出されるまでは、「キーON小」はオフとして操作が無かったものとして扱うことで、ノイズによる誤検知を防止する。また、静電タッチスイッチ13のいずれかで「キーON大」が検出された後は、「キーON小」をオンとして扱うことで、スライダ操作によるタッチを検出可能にしている。
【0051】
ところで、3つの静電タッチスイッチ13に亘ってスライダ操作した場合、
図11(A)に示すように、1番目から2番目の静電タッチスイッチ13、及び2番目から最後の静電タッチスイッチ13にかけて移動元の静電タッチスイッチ13を覆う指の面積が減少することから、各静電タッチスイッチ13の静電容量が順次低下する。この結果、指が静電タッチスイッチ13の間を跨ぐ間のタイミングta、tcのそれぞれで静電容量が閾値Thを下回ることがある。一方で移動先の静電タッチスイッチ13では指の面積が増加することから静電容量が次第に増加するが、移動元と移動先の静電タッチスイッチ13の間には隙間δ(
図4)があることから、移動先の静電タッチスイッチ13の静電容量が閾値Thを超えるタイミングtb、tdと、移動元の静電容量が閾値Thを下回ったタイミングta、tcとの間には時間差が生じる。この結果、何ら対策をしなければ、指が静電タッチスイッチ13の間の隙間δを移動して静電容量が閾値Thを下回る間は、いずれの静電タッチスイッチ13もオフとして検知されることとなり、単押し操作と誤判定される。
これに対して本実施形態では、1番目の静電タッチスイッチ13のタッチ検知時に「キーON大」が判定されることで、低い値に設定されたスライダ操作用閾値Thaが有効となるため、指が静電タッチスイッチ13の間の隙間δを移動するタイミングでも各静電タッチスイッチ13をオンとして検知することができ、スライダ操作の検出漏れが確実に防止される。
【0052】
さらに、指を速く動かしてスライダ操作した場合、
図11(B)に示すように、2番目及び最後にタッチされる静電タッチスイッチ13での静電容量の検出値が低下するものの、スライダ操作用閾値Thaをノイズレベルと同程度の値に設定しているため、これらのタッチを確実に検出してスライダ操作を識別することができる。
【0053】
さて、前掲
図1に示したように、車載オーディオ装置1は、運転席側3Aと助手席側3Bとの間に配置されることから、運転席或いは助手席に座ったユーザは、操作パネル5を斜め方向から操作することになる。
一方、車載オーディオ装置1は、操作パネル5の操作子が全て静電タッチスイッチ13により構成されているため、斜め方向からは、操作位置を正確に見分けることは難しくなる。
このため、例えば選択リスト48に対するスライダ操作にあっては、
図12に矢印Aで示すように、指のスライド方向が静電タッチスイッチ13の列の間をまたがるように斜めになってしまうことがある。このような場合、上下に隣接する静電タッチスイッチ13だけでオンの遷移状態を判定してスライダ操作を検出すると、かかる操作が検出されない、という問題が生じる。
【0054】
そこで本実施形態では、表示窓9に対してスライダ操作が可能なときには、
図12に示すように、操作識別部50は、スライダ操作方向Bに直交する方向(本実施形態では行方向)に並んだ各静電タッチスイッチ13を1つの大きなタッチスイッチたる操作キー60として扱う。これにより、スライダ操作方向Bに対して斜め方向Aに指をスライド移動させた場合であっても、各操作キー60のオン状態の遷移によりスライダ操作が識別されて、当該指のスライド移動をスライダ操作として正常に検出することができる。
【0055】
また、手探りで表示窓9に対してスライダ操作している場合、例えば
図12に矢印Cで示すように、指を下にスライド移動させたときに、この表示窓9の下側にある静電タッチスイッチ13までタッチ操作する、という誤操作が生じる虞がある。このような誤操作が生じると、その都度、操作をキャンセルするためのキャンセル操作が必要となりユーザに操作の負担を強いてしまう。
そこで、スライダ操作方向Cの方向に配置された静電タッチスイッチ13であって、このスライダ操作で操作される必要がない静電タッチスイッチ13については、操作識別部50は、スライダ操作の終了時点から一定時間Tcが経過するまで、タッチ操作を無効とする構成としている。
これにより、スライダ操作に伴い意図せぬ静電タッチスイッチ13に触れてしまった場合でも誤動作を防止できる。
【0056】
本実施形態の操作パネル5においては、
図12に示すように、選曲・選局操作スイッチ13−7、及び音量調整スイッチ13−8も、上下方向のスライダ操作が可能に構成されている。これら選曲・選局操作スイッチ13−7、及び音量調整スイッチ13−8の上側には、それぞれ交通情報スイッチ13−9、及びイジェクトスイッチ13−3が配置されている。このため、ユーザが手探りで選曲・選局操作スイッチ13−7や音量調整スイッチ13−8をスライダ操作する際に、矢印Dで示すように、交通情報スイッチ13−9やイジェクトスイッチ13−3を最初に触れてしまう虞がある。
そこで本実施形態では、操作識別部50は、一群の静電タッチスイッチ13に対するスライダ操作のスライダ操作方向Cに、当該一群の静電タッチスイッチ13から離れた位置に配置された他の操作のための静電タッチスイッチ13については、タッチ操作を検出した場合に操作を確定せずに一端保留する。そして、操作識別部50は、一定時間Td以内に上記一群の静電タッチスイッチ13に対するスライダ操作を検出した場合には、先の静電タッチスイッチ13のタッチ操作を無効とし、検出されなかった場合に、先の静電タッチスイッチ13のタッチ操作を有効とする構成としている。
これにより、スライダ操作の開始時に、意図せぬ静電タッチスイッチ13に触れてしまったときの誤動作を防止できる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、タッチパネル基板15の表示領域8に重なる箇所では、1の透明電極20の外側を他の透明電極20で囲むように各透明電極を形成し、これら外側の透明電極20のそれぞれには、内側の透明電極20からみて外側の縁部に接続電極21を接続するとともに、内側の透明電極20には、外側の透明電極20の間を通って抜ける舌片部23を一体に形成し、当該舌片部23の先端に接続電極21Aを接続して、表示領域8の中に内側静電タッチスイッチ13A、及び外側静電タッチスイッチ13Bをそれぞれ形成した。
これにより、内側静電タッチスイッチ13Aの接続電極21Aが外側静電タッチスイッチ13Bの外に位置することとなる。特に、外側静電タッチスイッチ13Bの外周部よりも内側に表示領域8を位置させることで、内側静電タッチスイッチ13A及び外側静電タッチスイッチ13Bの接続電極21A、21が表示領域8の中に位置することはなく、影が映り出されることがない。
【0058】
また本実施形態によれば、舌片部23の両側に位置する外側静電タッチスイッチ13Bの透明電極20のうち、いずれか一方側に位置する外側静電タッチスイッチ13Bの透明電極20の面積を小さくして、舌片部23を通すスペースを設ける構成とした。
これにより、舌片部23を通すために、外側静電タッチスイッチ13B同士の隙間δを大きくする必要がなく、スライダ操作判定時には、隙間δ挟んで隣接する2つの外側静電タッチスイッチ13Bの両方が同時にオンになった状態を感度良く検出できる。
【0059】
また本実施形態によれば、内側静電タッチスイッチ13Aに対する静電容量検出ピーク値Pc(検出信号の強度)が、所定の印加時間(検出時間)Taで得られる外側静電タッチスイッチ13Bの静電容量検出ピーク値Pbと同程度になるように、内側静電タッチスイッチ13Aに対する印加時間(検出時間)Tbを所定の印加時間(検出時間)Taよりも長くする構成とした。これにより、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作を、外側静電タッチスイッチ13Bのノイズ等と区別して検出できる。
特に舌片部23へのタッチによる静電容量検出ピーク値Paが外側静電タッチスイッチ13Bのノイズレベルと同程度になるように矩形状の舌片部23を細くし接続長Lを短くすることで、内側静電タッチスイッチ13A及び外側静電タッチスイッチ13Bに対するタッチ操作と、それぞれのノイズ及び舌片部23へのタッチとを区別して検出することができる。
【0060】
また本実施形態によれば、操作識別部50は、静電タッチスイッチ13のいずれかがオンの状態になった場合、オンになった静電タッチスイッチ13、及び当該静電タッチスイッチ13に対してスライダ操作の方向に隣接する他の静電タッチスイッチ13のオン状態の遷移に基づいて単押し操作とスライダ操作とを判定する構成とした。このため、ユーザ操作に伴うオン状態の遷移に追従して操作が判定されることから応答性を良くすることができ、また誤判定を防止できる。
【0061】
また本実施形態によれば、操作識別部50は、スライダ操作の方向に隣接する静電タッチスイッチ13の2つが同時にオンの状態になった場合、いずれか一方のみがオンの状態に遷移したときにスライダ操作と判定し、いずれもオフの状態に遷移したときに無効な操作と判定する構成とした。
これにより、2つの静電タッチスイッチ13の間を最初にタッチして開始されたスライダ操作を検出できる。また、2つの静電タッチスイッチ13の間のタッチ後にスライダ操作が検出されない場合には、無効な操作と判定するため、意図せぬ誤操作を防止できる。
【0062】
また本実施形態によれば、操作識別部50は、スライダ操作を判定する場合、スライダ操作の方向と直交する方向に並ぶ静電タッチスイッチ13を1つの操作キー60とみなして判定する構成としたため、スライダ操作方向に対して斜め方向に指をスライド移動させた場合であっても、各操作キー60のオン状態の遷移によりスライダ操作が識別されて、当該指のスライド移動をスライダ操作として正常に検出することができる。
【0063】
また本実施形態によれば、静電タッチスイッチ13のノイズによる静電容量変化よりも大きな変化を示す閾値Th、及び閾値Thよりも低い値に設定されたスライダ操作用閾値Thaのいずれかを超えたときにオンを検出する検出回路16を備え、操作識別部50は、静電タッチスイッチ13のいずれかが閾値Thを超えてオンの状態になった場合に、単発押し操作とスライダ操作の判定を開始する構成とした。
この構成により、閾値Thよりも低い値に設定されたスライダ操作用閾値Thaでもオンと判定されるため、スライダ操作における静電タッチスイッチ13の静電容量変化が小さい場合であっても、スライダ操作によるオンを正確に検出することができる。また、操作識別部50は、静電タッチスイッチ13のいずれかが閾値Thを超えてオンの状態になった場合に、単発押し操作とスライダ操作の判定を開始するため、ノイズが操作として誤検出されるのを防止できる。
【0064】
なお、本実施形態において、操作パネル5に対するスライダ操作時に、スライダ操作の範囲で指を操作パネル5からリリースさせ、スライダ操作時に他の固定タッチスイッチ11等が誤操作されてしまうことを防止すべく、
図13に示すように、操作パネル5のスライダ操作範囲Rの表面を断面曲面形状に形成し、スライダ操作範囲Rの端点Raでの指のリリースを誘導する構成としても良い。
【0065】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、表示領域8に設けた複数の静電タッチスイッチ13のうち、異形の舌片部23を有する内側静電タッチスイッチ13Aにあっては、この舌片部23を細くすることで当該舌片部23に触れたときの単位時間当たりの静電容量変化を抑えることで、舌片部23を触れたときの操作と、外側静電タッチスイッチ13Bのタッチ操作と識別する構成とした。
これに対して、本実施形態では、内側静電タッチスイッチ13Aへのタッチを検出したときに、これに隣接する外側静電タッチスイッチ13Bの検出状態に基づいて、内側静電タッチスイッチ13Aについて検出されたタッチの有効/無効を切り替える構成としている。以下、かかる構成について説明する。
なお、本実施形態における操作パネル5の構成や、この操作パネル5を備えた車載機器の構成といった主たる構成については第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
図14は、操作パネル5の表示領域8におけるボタン70の表示の一態様を示す図である。
同図に示すように、表示領域8には、内側静電タッチスイッチ13A、及び外側静電タッチスイッチ13Bのそれぞれに対応してボタン70が格子状に表示されている。この構成においては、ユーザがボタン70Aを触れようとして舌片部23寄りの端部、或いは舌片部23を触れた場合に、舌片部23の内側静電タッチスイッチ13Aの静電容量変化がオン判定の閾値Thを超えてしまったときには、この内側静電タッチスイッチ13Aがタッチ操作されたものとして誤検出されることがある。
【0067】
そこで、本実施形態では、かかる誤検出を防止すべく、オン判定の閾値Thに第1実施形態と同様に、この閾値Thよりも小さな閾値Thaを設け、内側静電タッチスイッチ13Aについて閾値Thを超える静電容量変化が検出されたときには、舌片部23に隣接する外側静電タッチスイッチ13Bのいずれかで静電容量変化が閾値Thaを超えているか否かに基づいて、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作の有効/無効が切り替えられるようになっている。
【0068】
図15は、かかるタッチ操作判定処理のフローチャートである。
同図に示すように、制御部40の操作識別部50は、いずれかの静電タッチスイッチ13で静電容量変化がオン判定の閾値Thを超えてタッチ操作を検出した場合(ステップSa1:Yes)、このタッチ操作されたスイッチが内側静電タッチスイッチ13Aであるか否かを判定する(ステップSa2)。内側静電タッチスイッチ13Aである場合には(ステップSa2:Yes)、ユーザが舌片部23を触れたことによる誤検出の可能性があるため、操作識別部50は、舌片部23に隣接する外側静電タッチスイッチ13Bの静電容量変化が閾値Thaを超えているか否かを判定する(ステップSa3)。
【0069】
この閾値Thaは、上述の通り、オン判定の閾値Thよりも低く設定されたものであり、舌片部23に隣接する外側静電タッチスイッチ13Bにおいて、静電容量変化が閾値Thaを超えている場合には、ユーザは、内側静電タッチスイッチ13Aではなく、外側静電タッチスイッチ13Bのタッチ操作を意図している可能性が高い。そこで、操作識別部50は、外側静電タッチスイッチ13Bの静電容量変化が閾値Thaを超えている場合には(ステップSa3:Yes)、ステップSa1で検出された内側静電タッチスイッチ13Aへのタッチ操作を無効扱いとする(ステップSa4)。
これにより、ユーザが舌片部23に隣接したボタン70Aのタッチ操作に伴い、舌片部23を触れてしまった場合でも、内側静電タッチスイッチ13のタッチ操作が無効とされ。
【0070】
このように本実施形態によれば、舌片部23を有する内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作が検出された場合に、この舌片部23に隣接する外側静電タッチスイッチ13Bの静電容量変化が閾値Thaを超えているときには、内側静電タッチスイッチ13Aのタッチ操作を無効とする構成とした。
この構成により、ユーザが舌片部23に隣接したボタン70Aのタッチ操作に伴い、舌片部23を触れてしまった場合でも、内側静電タッチスイッチ13のタッチ操作が無効とされため、ユーザが意図する操作だけが受け付け可能になる。これにより誤操作が減ることから、操作をキャンセルするための操作回数や視認回数、操作時間を減少させることができる。特に運転操作中にあっては、車載オーディオ装置1の操作時間を減らせるため、その分、運転操作に集中することができる。
【0071】
<第3実施形態>
上述した第1実施形態では、
図12に示したように、表示領域8に設けた複数の静電タッチスイッチ13のうち、隣接する静電タッチスイッチ13同士を1つの大きな操作キー60として扱う構成について説明した。
しかしながら、かかる構成において、
図16に示すように、1つの操作キー60を構成する静電タッチスイッチ13の中間地点72がタッチ操作された場合には、それぞれの静電タッチスイッチ13の静電容量変化がオン判定の閾値Thに達せずに、当該操作キー60のタッチ操作を検出できない事がある。
そこで本実施形態では、オン判定の閾値Thに第1及び第2実施形態と同様に、この閾値Thよりも小さな閾値Thaを設け、複数の静電タッチスイッチ13を1つの操作キー60として動作させている場合に、当該1つの操作キー60の中の隣接する2つの静電タッチスイッチ13の両方で閾値Thaを超える静電容量変化を検出したときには、当該操作キー60がタッチ操作されたものと判定する構成について説明する。
なお、本実施形態における操作パネル5の構成や、この操作パネル5を備えた車載機器の構成といった主たる構成については第1及び第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0072】
図17は、かかるタッチ操作判定処理のフローチャートである。
同図に示すように、制御部40の操作識別部50は、いずれかの静電タッチスイッチ13で静電容量変化を検出した場合(ステップSb1:Yes)、検出されたスイッチが1つの操作キー60を構成する静電タッチスイッチ13であるか否かを判定する(ステップSb2)。これに該当する静電タッチスイッチ13である場合には(ステップSb2:Yes)、操作識別部50は、表示領域8の表示が例えばリスト表示の画面等のように、複数の静電タッチスイッチ13を1つの操作キー60として動作させる画面を表示中であるかを判定する(ステップSb3)。
そして、現在の画面表示が1つの操作キー60を動作させる画面である場合には(ステップSb3:Yes)、ステップSb1で検出された静電容量変化は、操作キー60の中間地点72のタッチによる可能性があるため、操作識別部50は、ステップSb1で検出された静電タッチスイッチ13と、これに隣接する静電タッチスイッチ13との両方で静電容量変化が閾値Thaを超えているか否かを判定する(ステップSb4)。これら両方の静電タッチスイッチ13で静電容量変化が閾値Thaを超えている場合(ステップSb4:Yes)、中間地点72がタッチ操作されたことを示すため、操作識別部50は、操作キー60のタッチ操作されたものと判定し、このタッチ操作を有効なタッチ操作として受け付ける(ステップSb5)。これにより、中間地点72のタッチ操作の検出漏れが防止されることとなる。
なお、ステップSb1において、いずれかの静電タッチスイッチ13でオン判定の閾値Thを超える静電容量変化が検出されている場合には、ステップSb4の処理は行われず、その静電タッチスイッチ13、又は、静電タッチスイッチ13が1つの操作キー60を構成する場合には当該操作キー60に対する有効なタッチ操作として受け付けられる。
【0073】
このように、本実施形態によれば、オン判定の閾値Thに第1及び第2実施形態と同様に、この閾値Thよりも小さな閾値Thaを設け、複数の静電タッチスイッチ13を1つの操作キー60として動作させている場合、当該1つの操作キー60の中の隣接する2つの静電タッチスイッチ13の両方で閾値Thaを超える静電容量変化を検出したときには、当該操作キー60がタッチ操作されたものと判定する構成とした。
これにより、静電タッチスイッチ13同士の中間地点72がタッチ操作された場合であっても、かかるタッチ操作を漏らさずに検出できる。
【0074】
<第4実施形態>
上述した第1実施形態では、複数の静電タッチスイッチ13に対してスライダ操作を受け付ける場合に、
図9に示したように、隣接する2つの静電タッチスイッチ13同士のオン/オフ状態の遷移に基づいてスライダ操作を識別する構成を説明した。
しかしながら、2つの静電タッチスイッチ13だけでスライダ操作を判定する構成の場合、ユーザが単押し操作をしようとしたにもかかわらず、誤って
図9(E)に示すように、隣接する静電タッチスイッチ13で指を離してしまうと、かかる操作がスライダ操作として判定されてしまう。
そこで本実施形態では、検出された操作がスライダ操作を意図している可能性が高い場合に、当該操作をスライダ操作と識別する構成について説明する。
なお、本実施形態における操作パネル5の構成や、この操作パネル5を備えた車載機器の構成といった主たる構成については第1乃至第3実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0075】
図18は、本実施形態の動作概要説明図である。
同図に示すように、本実施形態では、2つの静電タッチスイッチ13に跨がるスライダ操作(以下、「2キースライダ操作A」と言う)が検出された場合には、この2キースライダ操作Aに連続する2キースライダ操作Aが所定の監視時間Tcont(ms)以内に検出されたときに、これらの一連の操作がスライダ操作であると判定されるようにしている。これにより、単押し操作時に、誤って2つの静電タッチスイッチ13を押してしまった場合でも、かかる操作がスライダ操作として受け付けられることはなく、これにより意図せぬ誤操作が防止される。
かかるスライダ操作判定処理について、図面を参照して更に詳述する。なお、上記2キースライダ操作Aの検出手法は、第1実施形態で
図9及び
図10を参照して説明した処理とほぼ同様にして検出可能であることから、本実施形態では、重複説明を避けるべく、その説明については割愛する。
【0076】
図19は、本実施形態に係るスライダ操作判定処理のフローチャートである。
同図に示すように、制御部40の操作識別部50は、先ず、2キースライダ操作Aが検出されたときに、最初(1回目)の2キースライダ操作Aであるであるか否かを判定する(ステップSc1)。最初である場合には(ステップSc1:Yes)、これに連続する2キースライダ操作Aの有無を監視すべく、操作識別部50は、1回目用連続スライダタイマを起動し監視時間Tcontのカウントを開始する(ステップSc2)。この1回目用連続スライダタイマは、制御部40が備える図示せぬ計時回路によって実現可能である。
【0077】
また、ステップSc1で検出した2キースライダ操作Aが最初でなく2回目である場合(ステップSc1:No)、操作識別部50は、1回目用連続スライダタイマが起動中であり監視時間Tcontのタイムアップ前か否かを判定する(ステップSc3)。そして、タイムアップ前である場合には(ステップSc3:Yes)、2回目の2キースライダ操作Aは最初の2キースライダ操作Aに連続して行われている事を示すため、操作識別部50は、かかる操作をスライダ操作として判定する(ステップSc4)。またタイムアップ後であった場合には(ステップSc3:No)、最初の2キースライダ操作Aと独立して行われた操作であることを示すため、操作識別部50は、スライダ操作とは判定しない。この場合には、タイムアップ後の2キースライダ操作Aを、例えば1回目の2キースライダ操作Aとみなして、ステップSc2に処理を進めても良い。
【0078】
以上の処理により、2キースライダ操作Aが連続して2回行われたときに、スライダ操作と判定されるため、ユーザが単押し操作時に、誤って2つの静電タッチスイッチ13を押してしまった場合でも、かかる操作がスライダ操作として受け付けられことを防止できる。
【0079】
なお、本実施形態において、
図18に示すように、連続する2キースライダ操作Aの検出時に、これらの2キースライダ操作Aに要した上記監視時間Tcontに応じて、操作対象の操作量を可変する構成としても良い。
これにより、ユーザは、スライダ操作時に、指を移動させる速さを可変することで、操作対象の操作量(例えば、ボリュームやリスト項目の送り量など)を指定することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0080】
また、本実施形態、及び第1実施形態において、スライダ操作の対象として、上下に並んだ静電タッチスイッチ13を例示したが、これに限らない。すなわち、スライダ操作を受け付ける静電タッチスイッチ13をテーブル情報等で保持する構成とし、このテーブル情報に、横方向や斜め方向に配列された複数の静電タッチスイッチ13を記録することで、スライダ操作に利用する静電タッチスイッチ13を任意に割り当てることができる。
【0081】
<変形例・応用例>
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0082】
例えば、上述した実施形態において、車載機器として車載オーディオ装置を例示したが、これに限らず、カーナビゲーション装置等の他の車載機器にも本発明を適用できる。
さらに、本発明に係るタッチパネル装置を車載機器に設ける構成を例示したが、これに限らず、本発明に係るタッチパネル装置は、車載機器以外の他の電子機器に設けることもできる。