(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0015】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0016】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0017】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0018】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0019】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0020】
また、第2始動口22は、図中実線で示す閉状態と、図中点線で示す開状態とに変位可能な可動片22bを有しており、この可動片22bの態様によって第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口22の真上には第1始動口20が配置されているため、可動片22bが閉状態に維持された状態では、第1始動口20が障害物となって、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0021】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第1始動口20よりも第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0022】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが所定の態様で開放されるとともに、この開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能する。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0023】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0024】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中などに演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。また、演出表示部50aの上方には、演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、図示の位置から下方に落下して演出表示部50aの前面に重なるなど、さまざまな態様で可動するものである。
【0025】
また、前枠6には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が複数設けられており、また、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。さらに、外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。
【0026】
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。
【0027】
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0028】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0029】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0030】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
【0031】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0032】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0033】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0034】
例えば、特別図柄遊技の進行にあたって必要となるテーブルとして、特別図柄判定テーブル(
図4を用いて後述する)、図柄種別判定テーブル(
図5を用いて後述する)、変動パターンコマンド決定テーブル(
図6を用いて後述する)、特別電動役物作動テーブル(
図7を用いて後述する)、遊技状態設定テーブル(
図8を用いて後述する)が記憶されている。また、普通図柄遊技の進行に当たって必要となるテーブルとして、普通図柄判定テーブル(
図9を用いて後述する)、普図変動パターン決定テーブル(
図10を用いて説明する)、開放パターン決定テーブル(
図10を用いて説明する)が記憶されている。なお、ここでは、本実施形態の特徴に関係するテーブルのみを列挙したが、メインROM100bには、これとは別にさらに種々のテーブルが記憶されている。また、各テーブルの詳細については、主制御基板100における遊技進行上の処理とともに後で詳しく説明する。
【0035】
また、主制御基板100には、遊技情報出力端子板110、払出制御基板120、副制御基板200が接続されている。
【0036】
遊技情報出力端子板110は、遊技店のホールコンピュータ等に遊技進行上の種々の情報を出力するためのものであり、主制御基板100から遊技情報出力端子板110に向けて、必要な外部情報信号が出力されるようになっている。
【0037】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。
【0038】
払出制御基板120においては、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。また、払出制御基板120には、中枠4または前枠6の開閉状態を検出する扉開放検出スイッチ123が接続されており、払出制御基板120に扉開放検出信号が入力されるようになっている。さらに、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。
【0039】
発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび発射ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0040】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、上記演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから入力される操作検出信号、あるいはタイマからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210またはランプ制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0041】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行ったり、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行ったりするものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。ROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。また、画像制御基板210においては、ROMに音声のデータが多数格納されており、CPUは、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、画像の表示制御と同時に、音声出力装置58における音声出力も制御する。
【0042】
ランプ制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、演出役物装置52を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御したり、演出照明装置54を点灯制御したりする。
【0043】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
【0044】
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0045】
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非特定遊技状態または特定遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0046】
ただし、本実施形態においては、特定遊技状態として、特定1遊技状態、特定2遊技状態、特定3遊技状態が設けられている。そして、低確率遊技状態である場合には、同時に、非特定遊技状態もしくは特定2遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行し、高確率遊技状態である場合には、同時に、特定1遊技状態、特定2遊技状態、特定3遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行することとなる。なお、本実施形態における非特定遊技状態、特定1遊技状態、特定2遊技状態が本発明の非最大利益状態に相当し、特定3遊技状態が本発明の最大利益状態に相当する。
【0047】
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/399)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/39.9)設定された遊技状態である。
【0048】
また、非特定遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、特定1〜3遊技状態というのは、非特定遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
【0049】
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当たりの抽選方法について説明する。
【0050】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当たりの抽選に係る種々の乱数値(特別図柄乱数、大当たり乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
【0051】
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域の2つの記憶領域を備えており、また、両保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第1保留記憶領域の第1〜4記憶部に第1保留として記憶され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第2保留記憶領域の第1〜4記憶部に第2保留として記憶される。
【0052】
したがって、第1保留記憶領域に4つの第1保留が記憶された状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはなく、また、第2保留記憶領域に4つの第2保留が記憶された状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはない。
【0053】
図4は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜797の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当たりの抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当たりの判定が行われる。
【0054】
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0055】
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0056】
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0057】
また、高確率遊技状態においてに、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、第2保留の大当たり判定においても、第1保留の大当たり判定と同様に、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0058】
図5は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当たりまたはハズレの判定結果と、に応じて図柄種別テーブルが選択され、当該選択された図柄種別テーブルと取得された大当たり乱数とによって特別図柄の種別が決定される。
【0059】
上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、大当たり乱数が0〜44であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Aが決定され、大当たり乱数が45〜89であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Bが決定され、大当たり乱数が90〜209であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Cが決定され、大当たり乱数が210〜239であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Dが決定され、大当たり乱数が240〜299であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Eが決定される。したがって、第1保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄Aが15%、特別図柄Bが15%、特別図柄Cが40%、特別図柄Dが10%、特別図柄Eが20%の確率で決定されることとなる。
【0060】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によれば、大当たり乱数が0〜59であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Fが決定され、大当たり乱数が60〜239であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Gが決定され、大当たり乱数が240〜299であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Hが決定される。したがって、第2保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄Fが20%、特別図柄Gが60%、特別図柄Hが20%の確率で決定されることとなる。
【0061】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、ハズレの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、大当たり乱数とは無関係に特別図柄の種別が決定される。ここでは、第1保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Xが決定され、第2保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Yが決定される。以下では、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
【0062】
図6は、大当たりの抽選結果を遊技者に報知する際の演出の態様(変動パターン)を決定する変動パターンコマンド決定テーブル(低確率遊技状態用)を説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0〜99の範囲内から1つの第2変動パターン乱数が取得される。なお、以下では第1変動パターン乱数と第2変動パターン乱数とを総称して変動パターン乱数とよぶ。
【0063】
そして、遊技球が入球した始動口、上記の大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別、および、遊技状態(低確率遊技状態または高確率遊技状態)に応じて、前半の演出態様を決定するための第1変動パターンと、後半の演出態様を決定するための第2変動パターンと、が決定される。例えば、低確率遊技状態において、第1保留によって特別図柄Cが決定された場合であって、第1変動パターン乱数が「68」、第2変動パターン乱数が「72」であったとすると、変動パターンの前半として「擬似4」が決定され、変動パターンの後半として「プレミアE」が決定される。このようにして前半および後半の変動パターンが決定されると、それぞれに対応する変動パターンコマンド(上記の例では、第1変動パターンコマンド=「1A05」、第2変動パターンコマンド=「AA08」)が副制御基板200に送信され、種々の演出が実行されることとなる。
【0064】
図7は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動TBL1および作動TBL2からなる2種類のテーブルが設けられている。そして、特別遊技を実行するにあたって、これら両作動TBL1、2のいずれを参照するかは、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて決定される。
【0065】
具体的には、大当たり図柄として、特別図柄Aまたは特別図柄Bが決定された場合には、作動TBL1を参照して特別遊技が実行される。この作動TBL1によれば、大入賞口28が6秒開放すること、または、大入賞口28に9個の遊技球が入球する(カウントC=9)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が2回実行される。なお、2回のラウンド遊技間に設けられるインターバル時間、すなわち、ラウンド遊技間における大入賞口28の閉鎖時間は2.0秒に設定されている。
【0066】
一方、大当たり図柄として、特別図柄C、特別図柄D、特別図柄E、特別図柄F、特別図柄G、特別図柄Hが決定された場合には、作動TBL2を参照して特別遊技が実行される。この作動TBL2によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に9個の遊技球が入球する(カウントC=9)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回実行される。なお、各ラウンド遊技間における大入賞口28の閉鎖時間は2.0秒に設定されている。このように、本実施形態においては、作動TBL1よりも作動TBL2を参照して特別遊技が実行された場合の方が、遊技者は賞球を多量に獲得することが可能となっている。
【0067】
図8は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別によって決定される。
【0068】
図示のとおり、第1保留に係る大当たりの抽選において、特別図柄A、特別図柄B、特別図柄C、特別図柄Dが決定された場合には、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定され、特別図柄Eが決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率遊技状態に設定される。なお、高確率遊技状態は、大当たりの抽選が10000回行われるまで継続する。高確率遊技状態においては、大当たりの当選確率が1/39.9に設定されていることから、実質的には、大当たりに再度当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。
【0069】
また、第2保留に係る大当たりの抽選において、特別図柄Fまたは特別図柄Gが決定された場合には、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定され、特別図柄Hが決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率遊技状態に設定される。なお、特別図柄Hが決定された場合にも、上記と同様に、高確率遊技状態は大当たりの抽選が10000回行われるまで継続する。
【0070】
したがって、本実施形態においては、第1保留および第2保留のいずれによって大当たりに当選した場合にも、特別遊技の終了後の遊技状態として、高確率遊技状態が80%の確率で設定されることとなる。
【0071】
また、特別遊技の終了後の遊技状態としては、高確率遊技状態または低確率遊技状態に加えて、特定1遊技状態、特定2遊技状態、特定3遊技状態のいずれかの遊技状態に設定される。これら特定1〜3遊技状態は、特別図柄の種別に応じて次のようにして決定される。
【0072】
すなわち、第1保留によって大当たりに当選した場合であって、特別図柄Aが決定されて特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態として特定1遊技状態に設定される。また、特別図柄B、特別図柄C、特別図柄Eが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として特定2遊技状態に設定され、特別図柄Dが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として特定3遊技状態に設定される。したがって、第1保留によって大当たりに当選して特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態として、特定1遊技状態が15%、特定2遊技状態が75%、特定3遊技状態が10%の確率で設定されることとなる。
【0073】
また、第2保留によって大当たりに当選した場合であって、特別図柄Fまたは特別図柄Hが決定されて特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態として特定2遊技状態に設定され、特別図柄Gが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として特定3遊技状態に設定される。したがって、第2保留によって大当たりに当選した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として、特定2遊技状態が40%、特定3遊技状態が60%の確率で設定されることとなる。
【0074】
図9は、普通図柄判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0075】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM100cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。以下では、ゲート24を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された乱数値(普通図柄乱数)を普図保留とよぶ。
【0076】
非特定遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図9(a)に示す普通図柄判定テーブル1が参照される。この普通図柄判定テーブル1によれば、普通図柄乱数が0であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が1〜19あった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は1/20となる。
【0077】
また、特定1遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図9(b)に示す普通図柄判定テーブル2が参照される。この普通図柄判定テーブル2によれば、普通図柄乱数が0〜4であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が5〜19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は5/20となる。
【0078】
また、特定2遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図9(c)に示す普通図柄判定テーブル3が参照される。この普通図柄判定テーブル3によれば、普通図柄乱数が0〜9であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が10〜19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は10/20となる。
【0079】
また、特定3遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図9(d)に示す普通図柄判定テーブル4が参照される。この普通図柄判定テーブル4によれば、普通図柄乱数が0〜18であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は19/20となる。なお、普図抽選によって当選の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、ハズレの判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
【0080】
図10(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、
図10(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図であり、
図10(c)は、遊技状態ごとの第1保留と第2保留との変動回数比率を説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非特定遊技状態に設定されている場合には変動時間が20秒に決定され、遊技状態が特定1〜3遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
【0081】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて
図10(b)に示すように通電制御される。
【0082】
すなわち、非特定遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒のみ通電され、第2始動口22の可動片22bが0.1秒のみ開放する。また、特定1〜3遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが2.9秒×2回=5.8秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合わせて5.8秒開放する。
【0083】
なお、上記したとおり、本実施形態においては、記憶部に第1保留または第2保留のいずれか一方のみが記憶されている場合には、当該第1保留または第2保留の中でもっとも先に記憶された保留に基づいて大当たりの判定がなされる。また、記憶部に第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、もっとも先に記憶された第2保留に基づいて大当たりの判定がなされる。
【0084】
このように、第2保留に基づく特別図柄の変動表示が、第1保留に基づく特別図柄の変動表示に優先して行われることと、上記の普図当選確率、変動時間および開放時間の設定とにより、第1保留に基づく特別図柄の変動表示の回数(以下、「第1保留の変動回数」という)と、第2保留に基づく特別図柄の変動表示の回数(以下、「第2保留の変動回数」という)とが、
図10(c)に示す比率となる。
【0085】
すなわち、非特定遊技状態においては、第1保留の変動回数:第2保留の変動回数=100:1となり、特定1遊技状態においては、第1保留の変動回数:第2保留の変動回数=50:50となり、特定2遊技状態においては、第1保留の変動回数:第2保留の変動回数=30:70となり、特定3遊技状態においては、第1保留の変動回数:第2保留の変動回数=1:100となる。
【0086】
このように、遊技者にとっては、非特定遊技状態よりも特定1遊技状態が有利となり、特定1遊技状態よりも特定2遊技状態が有利となり、特定3遊技状態がもっとも有利となる。そして、特定3遊技状態に設定されている場合には、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大当たりの抽選を行うことが可能となる。
【0087】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0088】
(主制御基板のメイン処理)
図11を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
【0089】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
【0090】
(ステップS1)
メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
【0091】
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数を更新する演出乱数更新処理を行う。
【0092】
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数および大当たり乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
【0093】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図12を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
【0094】
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下「2ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0095】
(ステップS100)
まず、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0096】
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数、大当たり乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0097】
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
【0098】
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
【0099】
(ステップS500)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
【0100】
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
【0101】
(ステップS700)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、84、86、88,90の表示データを作成する処理を行う。
【0102】
(ステップS800)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
【0103】
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理について、詳細に説明する。
【0104】
図13は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
【0105】
(ステップS310)
まず、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0106】
(ステップS320)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
【0107】
(ステップS330)
次に、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当たりの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図14を用いて後述する。
【0108】
(ステップS340)
次に、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データの記憶領域を異にする点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。
【0109】
(ステップS350)
次に、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、
図15を用いて後述する。
【0110】
図14は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0111】
(ステップS330−1)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0112】
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0113】
(ステップS330−3)
次に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0114】
(ステップS330−4)
上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0115】
(ステップS330−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、第1保留記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
【0116】
(ステップS330−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された大当たり乱数を取得するとともに、当該取得した大当たり乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0117】
(ステップS330−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0118】
(ステップS330−8)
次に、メインCPU100aは、第1始動口20に遊技球が入球したことを副制御基板200に伝達するための始動入賞コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0119】
図15は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0120】
(ステップS350−1)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0121】
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が4未満であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)<4と判定した場合にはステップS350−3に処理を移し、普図保留数(Y)≧4と判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0122】
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図保留数(Y)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)に「1」加算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0123】
(ステップS350−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された普通図柄乱数を取得して普通図柄保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普通図柄保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。以下では、普通図柄保留記憶領域の記憶部に記憶された普通図柄乱数を普図保留とよぶ。
【0124】
次に、
図16〜
図21を用いて、主制御基板100において実行される上述の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
【0125】
図16は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
【0126】
(ステップS410)
まず、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データは、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ(00)と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ(01)と、停止後処理の実行を示すデータ(02)と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ(03)と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ(04)と、が設けられている。
【0127】
次に、メインCPU100aは、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理を実行するが、これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0128】
図17は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0129】
(ステップS420−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ(00)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=00と判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、特図特電データ=00ではないと判定した場合には当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0130】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、特図特電データ=00であると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているかを判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−3に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−4に処理を移す。
【0131】
(ステップS420−3)
上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ前の記憶部にシフトさせる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
【0132】
(ステップS420−4)
また、上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているかを判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−5に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
【0133】
(ステップS420−5)
上記ステップS420−4において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ前の記憶部にシフトさせる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0134】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、特別図柄判定テーブル(
図4参照)および図柄種別判定テーブル(
図5参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に複写された特別図柄乱数および大当たり乱数を、それぞれ選択したテーブルに基づいて判定して、いずれかの特別図柄を決定するとともに、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM100cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
【0135】
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
【0136】
(ステップS421)
次に、メインCPU100aは、変動パターン決定テーブル(
図6参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に複写された変動パターン乱数を、選択したテーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。ここでは、第1変動パターン乱数によって演出の前半部分の変動パターンが決定され、第2変動パターン乱数によって演出の後半部分の変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンに対応する変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンドおよび第2変動パターンコマンド)を、演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS420−7)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器82、84において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
【0137】
(ステップS420−8)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421で決定した変動時間を変動時間カウンタにセットする。
【0138】
(ステップS420−9)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0139】
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−4において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0140】
図18は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0141】
(ステップS430−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ(01)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=01と判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、特図特電データ=01ではないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0142】
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、特図特電データ=01と判定した場合には、メインCPU100aは、変動時間(ステップS421−6でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−3に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0143】
(ステップS430−3)
上記ステップS430−2において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−6で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
【0144】
(ステップS430−4)
次に、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0145】
(ステップS430−5)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0146】
(ステップS430−6)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0147】
図19は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。
【0148】
(ステップS440−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、停止後処理の実行を示すデータ(02)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=02と判定した場合にはステップS440−2に処理を移し、特図特電データ=02ではないと判定した場合には当該停止後処理を終了する。
【0149】
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、特図特電データ=02と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−5でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−3に処理を移す。
【0150】
(ステップS440−3)
上記ステップS440−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特定遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が特定1〜3遊技状態であることを示す特定1〜3フラグのいずれかがONしているか否かを判定する。そして、特定1〜3遊技フラグのいずれかがONしている場合には、メインRAM100cに設けられた特定変動回数記憶領域を更新する。この特定変動回数記憶領域には、特定1〜3遊技状態が終了するまでの残り変動回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に特定1〜3フラグのうちONされている特定1〜3フラグをOFFする処理が行われることとなる。また、特定1〜3フラグはONしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−4に処理を移す。
【0151】
(ステップS440−4)
次に、メインCPU100aは、高確率遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確フラグがONしているか否かを判定する。そして、高確フラグがONしている場合には、メインRAM100cに設けられた高確変動回数記憶領域を更新する。この高確変動回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残り変動回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に高確フラグをOFFする処理が行われることとなる。また、高確フラグはONしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−5に処理を移す。
【0152】
(ステップS440−5)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS440−6に処理を移し、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合にはステップS440−7に処理を移す。
【0153】
(ステップS440−6)
上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットする。
【0154】
(ステップS440−7)
一方、上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、遊技状態をリセットする処理を行う。
【0155】
(ステップS440−8)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットし、当該停止後処理を終了する。
【0156】
(ステップS440−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、大当たり図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
【0157】
図20は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0158】
(ステップS450−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ(03)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=03と判定した場合にはステップS450−2に処理を移し、特図特電データ=03ではないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0159】
(ステップS450−2)
上記ステップS450−1において、特図特電データ=03と判定した場合には、メインCPU100aは、特別遊技実行処理を行う。ここでは、ラウンド遊技が開始する前のオープニング処理、
図7に示す作動TBL1または作動TBL2を参照して行われるラウンド遊技実行処理、ラウンド遊技の終了後のエンディング処理が行われる。
【0160】
(ステップS450−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS450−2における特別遊技実行処理によって特別遊技が終了したか、より具体的には、全てのラウンド遊技が終了するとともに、エンディング処理によって計時されるエンディング時間が経過したかを判定する。その結果、特別遊技が終了したと判定した場合にはステップS450−4に処理を移し、特別遊技は終了していないと判定した場合には、そのまま当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0161】
(ステップS450−4)
上記ステップS450−3において、特別遊技は終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0162】
図21は、上記ステップS460の特別遊技終了処理を説明するフローチャートである。
【0163】
(ステップS460−1)
まず、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶された特別図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技状態データをロードする。そして、
図8に示す遊技状態設定テーブルを参照し、これら特別図柄データおよび遊技状態データに基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。例えば、特別図柄データが特別図柄Dを示すデータであった場合には、特定3フラグおよび高確フラグの双方をONするとともに、特定変動回数記憶領域および高確変動回数記憶領域の双方に、残り変動回数として10000を記憶する。
【0164】
(ステップS460−2)
次に、メインCPU100aは、遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0165】
(ステップS460−3)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
【0166】
次に、
図22〜
図26を用いて、主制御基板100において実行される上述の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
【0167】
図22は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
【0168】
(ステップS510)
まず、メインCPU100aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ(10)と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ(11)と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ(12)と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ(13)と、が設けられている。
【0169】
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行するが、これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0170】
図23は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0171】
(ステップS520−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ(10)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0172】
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が1以上であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)≧1と判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、普図保留数(Y)<1と判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0173】
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、普図保留数(Y)≧1と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)から「1」減算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0174】
(ステップS520−4)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されている普図保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている普通図柄乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に普通図柄乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ前の記憶部にシフトさせる。
【0175】
(ステップS520−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に複写された普通図柄乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非特定遊技状態である場合には、
図9(a)に示す普通図柄判定テーブル1を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。また、現在の遊技状態が特定遊技状態である場合には、
図9(b)に示す普通図柄判定テーブル2を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。
【0176】
(ステップS520−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS520−5の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−7に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−8に処理を移す。
【0177】
(ステップS520−7)
上記ステップS520−6において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU100aは、当たり図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0178】
(ステップS520−8)
一方、上記ステップS520−6において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0179】
(ステップS520−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態が、非特定遊技状態、特定1遊技状態、特定2遊技状態、特定3遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、
図10に示すように、現在の遊技状態が非特定遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに20秒をセットし、特定1〜3遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
【0180】
(ステップS520−10)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。また、普通図柄の変動表示が開始するのと同時に、普図保留が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示器90が表示制御される。
【0181】
(ステップS520−11)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0182】
(ステップS520−12)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0183】
図24は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0184】
(ステップS530−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ(11)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0185】
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU100aは、普図変動時間(ステップS520−10またはステップS520−11でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0186】
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。
【0187】
(ステップS530−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0188】
(ステップS530−5)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0189】
図25は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
【0190】
(ステップS540−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ(12)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0191】
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
【0192】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
【0193】
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0194】
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0195】
図26は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0196】
(ステップS550−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ(13)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0197】
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU100aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−6に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
【0198】
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非特定遊技状態、特定1遊技状態、特定2遊技状態、特定3遊技状態のいずれであったかを判定する。
【0199】
(ステップS550−4)
次に、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて通電制御データをセットする。具体的には、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非特定遊技状態であった場合には始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データをセットする。また、普通図柄の変動開始時の遊技状態が特定1〜3遊技状態であった場合には、開放回数=2回、1回の開放時間=2.9秒となる通電制御データをセットする。
【0200】
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS550−4またはステップS550−5でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0201】
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
【0202】
(ステップS550−7)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0203】
以上説明したように、主制御基板100において上記の処理が実行される遊技機1によれば、5通りの遊技状態のいずれかにて遊技が進行する。そして、副制御基板200においては、遊技状態に応じた種々の演出を実行することとなるが、ここではまず、副制御基板200において決定、制御され、特別図柄の変動表示中に演出表示部50aに表示される変動演出について、
図6、
図27〜
図29を用いて具体的に説明する。なお、本実施形態においては、変動演出の態様が、「リーチなし演出」、「リーチ演出」、「擬似連続演出」に大別される。
【0204】
(演出の具体例)
図27は、「リーチなし演出」の一例を説明する図である。この図に示すように、特別図柄の変動表示中には、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aに変動表示される変動演出が行われる。演出図柄40a、40cは、1〜9の数字が記された9種類の図柄から構成されており、演出図柄40bは、1〜9の数字が記された9種類の図柄と、予め設定された場合にのみ表示される1種類の特殊態様の図柄と、から構成されている。
【0205】
図27における矢印は、演出図柄40a、40b、40cが変動表示中(縦方向のスクロール表示中)であることを示しているが、演出図柄40a、40b、40cは、所定時間変動表示した後に、所定の図柄で停止表示する。このとき、15Rの特別遊技が実行可能となる大当たり(特別図柄C、D、E、F、G、H)に当選している場合には、3つの図柄が同一の図柄で停止表示(15R報知表示)される。また、2Rの特別遊技が実行可能となる大当たり(特別図柄A、B)に当選している場合には、演出図柄40a、40cが同一図柄で停止表示され、演出図柄40bに特殊態様の図柄が停止表示(2R報知表示)される。なお、大当たりの抽選結果がハズレであった場合には、上記の15R報知表示、2R報知表示以外の図柄組み合わせで停止表示(ハズレ報知表示)される。つまり、この変動演出によれば、演出表示部50aに最終的に停止表示される図柄の表示態様によって、遊技者に大当たりの抽選結果が報知されることとなる。
【0206】
なお、演出図柄40a、40b、40cの変動表示は、主制御基板100において特別図柄の変動表示が開始するのとほぼ同時に開始する。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、演出表示部50aに、全ての演出図柄40a、40b、40cが停止表示されることとなる。
【0207】
そして、本実施形態の「リーチなし演出」は、
図27(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図27(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図27(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと異なる図柄で停止表示し、その後、さらに所定時間が経過したところで、
図27(d)に示すように、最後に演出図柄40bが停止表示する。この「リーチなし演出」は、大当たりの抽選結果がハズレであった場合にのみ決定されるため、演出図柄40a、40b、40cは、必ずハズレ報知表示され、これによって大当たりの抽選結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
【0208】
また、本実施形態の「リーチ演出」は、演出図柄40a、40b、40cの変動表示が、
図28に示すような態様でなされる演出をいうものである。すなわち、「リーチ演出」においては、
図28(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図28(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図28(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと同じ図柄で停止表示する。
【0209】
このとき、
図28(d)に示すように、演出図柄40bが変動表示を継続したままの状態で、演出表示部50aにおいて、「リーチ」という文字が、演出図柄40a、40b、40cに重畳表示される。その後、
図28(e)に示すように、演出表示部50aがブラックアウトするとともに、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が小さくなって、演出表示部50aの右上の表示領域に表示される。その後、
図28(f)に示すように、演出表示部50aにおいて、対戦演出画像やストーリー画像などのさまざまな演出画像が表示された後、
図28(g)に示すように、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が元の大きさとなったところで、演出図柄40bが停止表示することとなる。
【0210】
なお、「リーチ(10秒)」の第1変動パターンは、特別図柄乱数の判定結果が大当たりであった場合と、ハズレであった場合との双方の場合に決定され得る。そして、特別図柄乱数の判定結果が大当たりであった場合には、演出図柄40a、40b、40cが15R報知表示または2R報知表示され、特別図柄乱数の判定結果がハズレであった場合には、演出図柄40a、40b、40cがハズレ報知表示される。
【0211】
この「リーチ演出」は、主制御基板100において、第1変動パターン乱数の判定結果が、
図6に示す「リーチ(10秒)」であった場合に実行される。つまり、副制御基板200において、「リーチ(10秒)」に対応する第1変動パターンコマンドを受信した場合に、上記の「リーチ演出」を実行するための処理を行うこととなる。
【0212】
なお、「リーチ(10秒)」の第1変動パターンが決定された場合には、第2変動パターンとして、「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」の中から、いずれか1つの第2変動パターンが決定される。副制御基板200においては、「リーチ(10秒)」に対応する第1変動パターンコマンドに基づいて、
図28(a)から
図28(d)までの変動演出の態様を決定し、「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」のいずれかに対応する第2変動パターンに基づいて、
図28(e)から
図28(g)までの変動演出の態様を決定している。
【0213】
このとき、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから、演出表示部50aが
図28(d)の表示態様となるまでの時間が10秒に設定される。また、演出表示部50aが
図28(e)の表示態様となってから変動演出が終了するまでの時間は、第2変動パターンの種別に応じて決定される。具体的には、第2変動パターンが「スーパーA」であれば30秒、「スーパーB」であれば40秒、「スーパーC」であれば50秒、「スーパーD」または「プレミアE」であれば60秒に設定される。
【0214】
一方、上記した「リーチなし」の第1変動パターンが決定された場合には、必ず、第2変動パターン乱数の判定によって発展演出「なし」が決定され、発展演出すなわち後半の演出が行われないことを示す第2変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。したがって、「リーチなし」演出の場合、変動演出の開始から終了までが、第1変動パターンに基づいてのみ決定されることとなる。
【0215】
また、本実施形態の「擬似連続演出」は、演出図柄40a、40b、40cの変動表示が、
図29に示すような態様でなされる演出をいうものである。すなわち、「擬似連続演出」においては、
図29(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図29(b)に示すように、まず、演出図柄40aが仮停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図29(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと異なる図柄で仮停止表示し、その後、さらに所定時間が経過したところで、
図29(d)に示すように、演出図柄40bが演出図柄40cと同じ図柄で仮停止表示する。このように、演出図柄40a、40b、40cの全てが仮停止表示した状態では、各演出図柄40a、40b、40cは完全に停止しているわけではなく、僅かに揺れるようにして演出表示部50aに表示されている。
【0216】
そして、その後すぐに
図29(e)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが再変動を開始するとともに、所定時間経過後に、
図29(f)に示すように、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図29(g)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと同じ図柄で停止表示し、以後は、
図29(h)から
図29(k)に示すように、「リーチ演出」と同様の変動演出が行われることとなる。
【0217】
上記の「擬似連続演出」は、主制御基板100において、第1変動パターン乱数の判定結果が、
図6に示す「擬似1(15秒)」であった場合に実行される。つまり、副制御基板200において、「擬似1(15秒)」に対応する第1変動パターンコマンドを受信した場合に、上記の「擬似連続演出」を実行するための処理を行うこととなる。
【0218】
なお、「擬似連続演出」は、第1変動パターンとして、「擬似2(20秒)」、「擬似3(25秒)」、「擬似4(30秒)」が決定された場合にも実行される。ただし、「擬似2(20秒)」が決定された場合の「擬似連続演出」は、
図29(a)から
図29(d)に示す変動演出が2回行われた後に、
図29(e)以降の変動演出が実行される。つまり、「擬似2(20秒)」は、再変動が2回行われることとなり、その分だけ(擬似1(15秒))よりも変動演出の時間が長く設定されている。また、同様に、「擬似3(25秒)」は再変動が3回行われ、「擬似4(30秒)」は再変動が4回行われるものである。
【0219】
つまり、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから、演出表示部50aが
図29(h)の表示態様となるまでの時間は、第1変動パターンとして「擬似1(15秒)」が決定された場合には15秒に設定され、「擬似2(20秒)」が決定された場合には20秒に設定され、「擬似3(25秒)」が決定された場合には25秒に設定され、「擬似4(30秒)」が決定された場合には30秒に設定される。
【0220】
そして、「擬似連続演出」の第1変動パターンが決定された場合には、第2変動パターンとして、「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」の中から、いずれか1つの第2変動パターンが決定される。副制御基板200においては、「擬似連続演出」に対応する第1変動パターンコマンドに基づいて、
図29(a)から
図29(h)までの変動演出の態様を決定し、「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」のいずれかに対応する第2変動パターンに基づいて、
図29(i)から
図29(k)までの変動演出の態様を決定している。
【0221】
また、演出表示部50aが
図29(i)の表示態様となってから変動演出が終了するまでの時間は、第2変動パターンとして「スーパーA」が決定された場合には30秒に設定され、「スーパーB」が決定された場合には40秒に設定され、「スーパーC」が決定された場合には50秒に設定され、「スーパーD」または「プレミアE」が決定された場合には60秒に設定される。
【0222】
なお、「擬似連続演出」の第1変動パターンは、特別図柄乱数の判定結果が大当たりであった場合と、ハズレであった場合との双方の場合に決定され得る。そして、特別図柄乱数の判定結果が大当たりであった場合には、演出図柄40a、40b、40cが15R報知表示または2R報知表示され、特別図柄乱数の判定結果がハズレであった場合には、演出図柄40a、40b、40cがハズレ報知表示される。
【0223】
ここで、上記の「リーチ演出」および「疑似連続演出」においては、演出表示部50aがブラックアウトした後に、主人公であるキャラクター(以下、「主キャラ」という)と、その敵であるキャラクター(以下、「敵キャラ」という)とが対戦するといったストーリー性を有する対戦演出画像が表示される。
【0224】
このとき、対戦演出画像は、4種類の主キャラ、4種類の敵キャラ、3種類の対戦パターンをそれぞれ組み合わせた合計48通りの演出態様に大別される。また、各対戦演出画像は、対戦結果に応じて3パターン(主キャラの勝利、引き分け、敗北)ずつ設けられている。さらに、これら、画像態様、主キャラの勝敗パターンは、それぞれ30秒(スーパーAに対応)、40秒(スーパーBに対応)、50秒(スーパーCに対応)、60秒(スーパーDに対応)、60秒(プレミアEに対応)ごとに用意されている。したがって、対戦演出画像は、48通りの画像態様×3パターンの対戦結果×5変動パターン=720通り設けられることとなる。このように、副制御基板200においては、720通りの対戦演出画像の中から、受信した第2変動パターンコマンドと、現在の演出モードとに応じて、いずれか1の対戦演出画像を決定することとなる。
【0225】
(遊技状態と演出モード)
図30は、主制御基板100で設定される遊技状態と、副制御基板200で設定される演出モードとの関係を説明する図である。すでに説明したとおり、本実施形態においては、遊技機1の初期状態として、低確率遊技状態(大当たりの当選確率=1/399)であって、かつ、非特定遊技状態(第1保留変動回数:第2保留変動回数=100:1)に設定される。主制御基板100において初期状態に設定されている場合には、副制御基板200において、演出の態様を決定するための演出モードが通常演出モードに設定される。
【0226】
また、主制御基板100において、低確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態(第1保留変動回数:第2保留変動回数=30:70)に設定されている場合には、副制御基板200において第1演出モードに設定される。また、主制御基板100において、高確率遊技状態(大当たりの当選確率=1/39.9)であって、かつ、特定1遊技状態(第1保留変動回数:第2保留変動回数=50:50)に設定されている場合には、副制御基板200において第2演出モードに設定される。
【0227】
また、主制御基板100において、高確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態(第1保留変動回数:第2保留変動回数=30:70)に設定されている場合には、副制御基板200において第3演出モードに設定される。また、主制御基板100において、高確率遊技状態であって、かつ、特定3遊技状態(第1保留変動回数:第2保留変動回数=1:100)に設定されている場合には、副制御基板200において第4演出モードに設定される。
【0228】
図31は、低確率遊技状態であって、かつ、非特定遊技状態に設定されている状態、すなわち、通常演出モードに設定されている場合に、各対戦演出画像が選択される確率を示す図である。
【0229】
図31(a)は、通常演出モード時に各対戦パターンが選択される確率を示している。ここでは、パターン1〜3の3種類の対戦パターンが設けられており、受信した第2変動パターンコマンドが、大当たり用のコマンドであった場合と、ハズレ用のコマンドであった場合とで、いずれか1のパターンが図示のような確率で選択されるように設定されている。
【0230】
つまり、大当たり用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、パターン1が50%、パターン2が30%、パターン3が20%の確率で選択される。これに対して、ハズレ用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、パターン1が20%、パターン2が30%、パターン3が50%の確率で選択される。したがって、パターン1の対戦演出画像が表示された場合には、大当たりに当選している確率がもっとも高く、パターン3の対戦演出画像が表示された場合には、大当たりに当選している確率がもっとも低いこととなる。
【0231】
図31(b)は、通常演出モード時に各主キャラが選択される確率を示している。ここでは、キャラA、B、C、Dの4種類の主キャラが設けられており、受信した第2変動パターンコマンドが、大当たり用のコマンドであった場合と、ハズレ用のコマンドであった場合とで、いずれか1の主キャラが図示のような確率で選択されるように設定されている。
【0232】
つまり、大当たり用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、キャラAが10%、キャラBが20%、キャラCが30%、キャラDが40%の確率で選択される。これに対して、ハズレ用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、キャラAが40%、キャラBが30%、キャラCが20%、キャラDが10%の確率で選択される。したがって、主キャラとしてキャラDが登場した場合がもっとも大当たりに当選している確率が高く、主キャラとしてキャラAが登場した場合がもっとも大当たりに当選している確率が低いこととなる。
【0233】
図31(c)は、通常演出モード時に各敵キャラが選択される確率を示している。ここでは、キャラ1、2、3、4の4種類の敵キャラが設けられており、受信した第2変動パターンコマンドが、大当たり用のコマンドであった場合と、ハズレ用のコマンドであった場合とで、いずれか1の敵キャラが図示のような確率で選択されるように設定されている。
【0234】
つまり、大当たり用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、キャラ1が10%、キャラ2が20%、キャラ3が30%、キャラ4が40%の確率で選択される。これに対して、ハズレ用の第2変動パターンコマンドを受信した場合には、キャラ1が40%、キャラ2が30%、キャラ3が20%、キャラ4が10%の確率で選択される。したがって、敵キャラとしてキャラ4が登場した場合がもっとも大当たりに当選している確率が高く、敵キャラとしてキャラ1が登場した場合がもっとも大当たりに当選している確率が低くなる。
【0235】
以上のように、対戦演出画像は、対戦パターン、主キャラ、敵キャラが適宜組み合わされているが、いずれにしても、主キャラと敵キャラとが何らかの対戦を行うといったストーリー性を有している。そして、15Rの特別遊技が実行可能となる大当たりに当選した場合には、最終的に主キャラが敵キャラに勝利し、その後、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aに15R報知表示される。
【0236】
また、2Rの特別遊技が実行可能となる大当たりに当選した場合には、最終的に対戦が引き分けとなり、その後、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aに2R報知表示される。また、大当たりの抽選結果がハズレであった場合には、最終的に主キャラが敵キャラに敗北し、その後、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aにハズレ報知表示される。このように、本実施形態においては、多量の賞球を獲得することができるか否かが、主キャラと敵キャラとの対戦結果によって報知されることとなる。
【0237】
上記のように、通常演出モードにおいて対戦演出画像に登場する主キャラは、対戦に勝利する確率がそれぞれ異なるように設定されている。そして、本実施形態においては、第1〜4演出モードのそれぞれに、上記のいずれかの主キャラが対応付けられている。
【0238】
図32は、演出モードごとの演出態様を説明する図である。この
図32における各図は、変動演出が行われていない待機中や、変動演出中(発展前演出中)など、演出表示部50aに表示される背景画像を示している。このように、通常演出モード中には、遊技中に各主キャラが適宜登場するのに対して、第1〜4演出モード中には、特定の主キャラが主に登場することとなる。
【0239】
図33は、遊技状態、演出モード、主キャラおよび敵キャラの対応関係を説明する図である。ここでは、第1演出モードには主キャラBが対応付けられており、第2演出モードには主キャラAが対応付けられており、第3演出モードには主キャラCが対応付けられており、第4演出モードには主キャラDが対応付けられている。また、第1演出モードには敵キャラ2が対応付けられており、第2演出モードには敵キャラ1が対応付けられており、第3演出モードには敵キャラ3が対応付けられており、第4演出モードには敵キャラ4が対応付けられている。
【0240】
上記したとおり、通常演出モード時において、対戦演出画像が表示された場合、登場する主キャラが、キャラD>キャラC>キャラB>キャラAの順で、勝利する確率(多量の賞球を獲得可能となる確率)が高くなる。同様に、対戦演出画像が表示された場合、登場する敵キャラが、キャラ4>キャラ3>キャラ2>キャラ1の順で、勝利する確率(多量の賞球を獲得可能となる確率)が高くなる。
【0241】
そして、本実施形態においては、第1保留に対する第2保留の変動回数比率がもっとも高い状態(第4演出モード)に、対戦演出画像において勝利確率のもっとも高いキャラ(主キャラDおよび敵キャラ4)が対応している。また、通常演出モードを除く4つの演出モードの中で、第1保留に対する第2保留の変動回数比率がもっとも低い状態(第2演出モード)に、対戦演出画像において勝利確率のもっとも低いキャラ(主キャラAおよび敵キャラ1)が対応している。
【0242】
このように、主キャラおよび敵キャラの勝利確率と、第1保留に対する第2保留の変動回数比率とに、上記の関係性をもたせたのは次の理由からである。すなわち、本実施形態においては、第1保留によって大当たりに当選した場合には、70%の確率で15回のラウンド遊技が実行可能となる特別図柄が決定され、30%の確率で2回のラウンド遊技しか実行することができない特別図柄が決定される(
図5、
図7参照)。これに対して、第2保留によって大当たりに当選した場合には、必ず、15回のラウンド遊技が実行可能となる特別図柄が決定される。つまり、遊技者は、第1保留によって大当たりに当選するよりも、第2保留によって大当たりに当選した方が、多量の賞球を獲得しやすくなっている。
【0243】
そして、
図33に示すように、特定3遊技状態に設定される場合には、大当たりの抽選をほとんど第2保留によって行うことが可能となる。これに対して、特定1遊技状態に設定されている場合には、大当たりの抽選が第1保留と第2保留とで50:50程度の確率でなされ、特定2遊技状態に設定されている場合には、大当たりの抽選が第1保留と第2保留とで30:70程度の確率でなされる。したがって、特定3遊技状態は、他の遊技状態に比べて、多量の賞球をもっとも獲得しやすい遊技状態となる。
【0244】
そして、上記のように、各遊技状態と主キャラおよび敵キャラとを対応付けることにより、現在の有利度合いを遊技者が容易に判別することが可能となっている。これにより、例えば、遊技状態が特定1遊技状態→特定2遊技状態→特定3遊技状態という順に設定される場合には、対戦演出画像において、主キャラおよび敵キャラが徐々に勝利確率の高いキャラに変更され、遊技者は、自ら有利な状態を勝ち取ったという達成感を得ることが可能となる。以下では、上記の演出を実行するために、副制御基板200においてサブCPU200aが実行する演出制御処理について説明する。
【0245】
(副制御基板200のメイン処理)
図34は、副制御基板200のメイン処理を説明するフローチャートである。
【0246】
(ステップS1000)
サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を行う。
【0247】
(ステップS1001)
次に、サブCPU200aは、演出乱数(第1演出乱数および第2演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
【0248】
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図35は、副制御基板200のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(4ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
【0249】
(ステップS1100)
まず、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0250】
(ステップS1200)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0251】
(ステップS1300)
次に、サブCPU200aは、演出操作装置検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作装置検出スイッチ56aから信号が入力されている場合には、演出操作装置56が操作されたことを画像制御基板210に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
【0252】
(ステップS1400)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210やランプ制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
【0253】
次に、上記ステップS1200のコマンド解析処理のうち、遊技状態コマンドを受信した場合に実行される遊技状態コマンド受信処理、および、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について説明する。
【0254】
図36は、遊技状態コマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0255】
(ステップS1200−1)
まず、サブCPU200aは、受信した遊技状態コマンドを解析する。遊技状態コマンドは、主制御基板100において、
図19に示す停止後処理のステップS440−9、または、
図21に示す特別遊技終了処理のステップS460−2でセットされる。
【0256】
(ステップS1200−2)
次に、サブCPU200aは、受信した遊技状態コマンドが、現在の遊技状態と異なる遊技状態を示すコマンドであるか、すなわち、遊技状態が変更されるかを判定する。その結果、遊技状態は変更されないと判定した場合には当該遊技状態コマンド受信処理を終了し、遊技状態が変更されると判定した場合にはステップS1200−3に処理を移す。
【0257】
(ステップS1200−3)
上記ステップS1200−2において、遊技状態が変更されると判定した場合には、サブCPU200aは、受信した遊技状態コマンドが、高確率遊技状態であることを示すコマンドであるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であることを示すコマンドであった場合にはステップS1200−7に処理を移し、高確率遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合にはステップS1200−4に処理を移す。
【0258】
(ステップS1200−4)
上記ステップS1200−3において、受信した遊技状態コマンドが、高確率遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合には、サブCPU200aは、さらに、受信した遊技状態コマンドが、特定2遊技状態であることを示すコマンドであるかを判定する。その結果、特定2遊技状態であることを示すコマンドであった場合にはステップS1200−6に処理を移し、特定2遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合にはステップS1200−5に処理を移す。
【0259】
(ステップS1200−5)
上記ステップS1200−4において、受信した遊技状態コマンドが、特定2遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合には、サブCPU200aは、通常演出モードフラグをオンする。これにより、副制御基板200において、演出モードが通常演出モードに設定されることとなる。
【0260】
(ステップS1200−6)
一方、上記ステップS1200−4において、受信した遊技状態コマンドが、特定2遊技状態であることを示すコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、第1演出モードフラグをオンする。これにより、副制御基板200において、演出モードが第1演出モードに設定されることとなる。
【0261】
(ステップS1200−7)
また、上記ステップS1200−3において、受信した遊技状態コマンドが、高確率遊技状態であることを示すコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、さらに、受信した遊技状態コマンドが、特定1遊技状態であることを示すコマンドであるかを判定する。その結果、特定1遊技状態であることを示すコマンドであった場合にはステップS1200−8に処理を移し、特定1遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合にはステップS1200−9に処理を移す。
【0262】
(ステップS1200−8)
上記ステップS1200−7において、受信した遊技状態コマンドが、特定1遊技状態であることを示すコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、第2演出モードフラグをオンする。これにより、副制御基板200において、演出モードが第2演出モードに設定されることとなる。
【0263】
(ステップS1200−9)
また、上記ステップS1200−7において、受信した遊技状態コマンドは、特定1遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合には、サブCPU200aは、さらに、受信した遊技状態コマンドが、特定2遊技状態であることを示すコマンドであるかを判定する。その結果、特定2遊技状態であることを示すコマンドであった場合にはステップS1200−10に処理を移し、特定2遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合にはステップS1200−11に処理を移す。
【0264】
(ステップS1200−10)
上記ステップS1200−9において、受信した遊技状態コマンドが、特定2遊技状態であることを示すコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、第3演出モードフラグをオンする。これにより、副制御基板200において、演出モードが第3演出モードに設定されることとなる。
【0265】
(ステップS1200−11)
一方、上記ステップS1200−9において、受信した遊技状態コマンドは、特定2遊技状態であることを示すコマンドではないと判定した場合には、サブCPU200aは、第4演出モードフラグをオンする。これにより、副制御基板200において、演出モードが第4演出モードに設定されることとなる。
【0266】
(ステップS1200−12)
次に、サブCPU200aは、設定されている演出モードフラグに対応する背景画像を、演出表示部50aに表示するためのコマンドをセットする。ここでセットされたコマンドは、上記ステップS1400のデータ出力処理によって画像制御基板210に送信される。これにより、画像制御基板210において、演出表示部50aに
図32に示す背景画像を表示する制御がなされ、演出モードの変更が遊技者に報知されることとなる。
【0267】
図37は、変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0268】
(ステップS1210−1)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS1001において更新された第1演出乱数を取得する。
【0269】
(ステップS1210−2)
次に、サブCPU200aは、受信した第1変動パターンコマンドに基づいて、サブROM200bに格納された複数の発展前演出テーブルからいずれか1の発展前演出テーブルを選択する。この発展前演出テーブルは、演出表示部50aに表示する画像の内容や、演出役物装置52の可動態様、演出照明装置54の点灯態様、音声出力装置58の音声出力態様を第1演出乱数に対応付けて記憶している。
【0270】
(ステップS1210−3)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1210−1で取得した第1演出乱数を、上記ステップS1210−2で選択したテーブルに基づいて判定することにより、演出表示部50aに表示する画像の内容をはじめとする種々の演出内容を決定する。ここでは、「リーチなし」に対応する第1変動パターンコマンドを受信した場合には、
図27に示す変動演出が決定され、「リーチ演出」に対応する第1変動パターンコマンドを受信した場合には、
図28(a)〜
図28(d)に示す変動演出が決定され、「擬似連続演出」に対応する第1変動パターンコマンドを受信した場合には、
図29(a)〜
図29(h)に示す変動演出が決定される。なお、このとき、停止表示される図柄の種類などが、第1演出乱数に基づいて決定されることとなる。
【0271】
(ステップS1210−4)
次に、サブCPU200aは、受信した第2変動パターンコマンドを解析する。
【0272】
(ステップS1210−5)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1210−4の解析の結果、第2変動パターンコマンドが「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」に対応するいずれかのコマンドであるかを判定する。その結果、受信した第2変動パターンコマンドが、「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」に対応するいずれかのコマンドであると判定した場合にはステップS1210−6に処理を移し、発展後演出が実行されないことを示す「なし」に対応するコマンドであると判定した場合には当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0273】
(ステップS1210−6)
上記ステップS1210−5において、第2変動パターンコマンドが「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」、「スーパーD」、「プレミアE」に対応するいずれかのコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、上記ステップS1001において更新された第2演出乱数を取得する。
【0274】
(ステップS1210−7)
次に、サブCPU200aは、現在オンされている演出モードフラグ、すなわち、現在設定されている演出モードと、受信した第2変動パターンコマンドとに基づいて、サブROM200bに格納された複数の発展後演出テーブルからいずれか1の発展後演出テーブルを選択する。この発展後演出テーブルは、演出表示部50aに表示する画像の内容や、演出役物装置52の可動態様、演出照明装置54の点灯態様、音声出力装置58の音声出力態様を第2演出乱数に対応付けて記憶している。
【0275】
(ステップS1210−8)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1210−6で取得した第2演出乱数を、上記ステップS1210−7で選択したテーブルに基づいて判定することにより、演出表示部50aに表示する画像の内容をはじめとする種々の演出内容を決定する。ここでは、「リーチ演出」が実行される場合には、
図28(e)から
図28(g)までの演出内容が決定され、「擬似連続演出」が実行される場合には、
図29(i)から
図29(k)までの演出内容が決定される。
【0276】
サブCPU200aは、上記のようにして演出内容を決定した後、当該決定内容のとおりに演出を実行すべく、画像制御基板210およびランプ制御基板220にコマンドを送信するための処理を行って、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0277】
以上説明したように、主制御基板100において上記の処理が実行される遊技機1によれば、以下に説明する遊技性がもたらされる。すなわち、本実施形態の遊技機1によれば、
図10に示すように、初期状態として設定される非特定遊技状態においては、第2始動口22への遊技球の入球が極めて困難であるため、大当たりの抽選が、ほとんど第1保留によってなされる。
【0278】
また、特定1遊技状態および特定2遊技状態においては、非特定遊技状態に比べて第2始動口22に遊技球が入球する機会が増すものの、この状態では、第1保留による大当たりの抽選と、第2保留による大当たりの抽選とが混在してなされる。これに対して、特定3遊技状態においては、第1始動口20よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなり、かつ、第2保留が第1保留に優先して処理されるため、大当たりの抽選が、ほとんど第2保留によってなされる。
【0279】
そして、
図8に示すように、第1保留によって大当たりに当選した場合には、特定1遊技状態に設定される確率が15%、特定2遊技状態に設定される確率が75%、特定3遊技状態に設定される確率が10%となっている。これに対して、第2保留によって大当たりに当選した場合には、特定2遊技状態に設定される確率が40%、特定3遊技状態に設定される確率が60%となっている。
【0280】
しかも、
図5、
図7に示すように、第1保留によって大当たりに当選した場合には、多量の賞球を獲得可能となる特別遊技(15回のラウンド遊技)が70%の確率で実行可能となるのに対して、第2保留によって大当たりに当選した場合には、多量の賞球を獲得可能となる上記の特別遊技が100%の確率で実行可能となる。
【0281】
これにより、段階的に有利な遊技状態に移行させるという新たな遊技性と、ひとたび有利な遊技状態に移行すれば、以後、ほとんどの大当たりの抽選を第2保留によって行うことが可能になるという新たな遊技性とが、同時にもたらされることとなる。
【0282】
しかも、本実施形態によれば、遊技状態に応じて演出モードが対応付けられており、演出モードごとに、現在の有利度合いが遊技者に示唆されるようになっている。これにより、遊技者の遊技意欲や達成感が一層向上し、遊技全般にわたって遊技の興趣を向上することができる。
【0283】
なお、上記実施形態においては、以下の2つの条件を設定することにより、遊技状態に応じて、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性が異なるようにしている。すなわち、第1の条件として、第1保留によって大当たりに当選した場合と、第2保留によって大当たりに当選した場合とで、異なる種別の特別図柄が決定されるようにしている。また、第2の条件として、遊技状態に応じて第1保留と第2保留との変動回数比率が異なるように、第2始動口の開閉条件を設定している。この2つの条件を設定することにより、遊技状態に応じて、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性が異なるようにしている。ただし、遊技状態に応じて、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性を異にする方法はこれに限らない。
【0284】
上記実施形態において、特定1遊技状態と特定2遊技状態とで、第1保留と第2保留との変動回数比率を同じに設定したとしても、次のように条件を設定することで、遊技状態に応じて、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性を異にすることが可能である。例えば、特別遊技の実行の契機となった特別図柄の種別と、当該特別図柄が決定されたときの遊技状態との双方に基づいて、特別遊技の終了後に遊技状態を設定する。
【0285】
具体的には、特別図柄Aが決定されて特別遊技が実行された場合に、当該特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が特定1遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態として特定3遊技状態を決定する。一方、特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が特定2遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態として特定2遊技状態を決定する。このように、各特別図柄に、特別遊技の終了後の遊技状態として、複数の遊技状態を対応付けるようにしても、遊技状態に応じて、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性を異にすることが可能である。
【0286】
したがって、第1保留と第2保留との変動回数比率を、遊技状態ごとに異ならせるのは必須の条件ではない。いずれにしても、もっとも遊技者に有利となる遊技状態と、このもっとも有利な遊技状態とへの移行容易性を異にする複数の遊技状態とが設けられていれば、その制御方法は特に限定されるものではない。
【0287】
また、上記実施形態においては、第1保留よりも第2保留を優先して処理することとしたが、この構成は必須ではなく、第1保留と第2保留とを区別することなく、記憶された順に保留を処理するようにしても構わない。
【0288】
また、上記実施形態においては、第1保留によって大当たりに当選した場合よりも、第2保留によって大当たりに当選した場合の方が、遊技者は多量の賞球を獲得することができることとしたが、大当たり当選時に獲得可能な賞球数はこれに限らない。例えば、第1保留によって大当たりに当選した場合と、第2保留によって大当たりに当選した場合とで、遊技者が獲得可能な賞球数を同じにしてもよい。
【0289】
いずれにしても、大当たりの当選確率、大当たり当選時に実行可能となる特別遊技の内容、さらには第2始動口の開閉条件などを適宜設定することにより、もっとも遊技者にとって有利となる1の最大利益状態と、その他の2以上の非最大利益状態とが設けられていればよい。したがって、例えば、上記実施形態において、特定1遊技状態または特定2遊技状態のいずれか一方のみを設けることとしてもよい。
【0290】
また、上記実施形態における演出の態様は一例に過ぎない。いずれにしても、遊技状態に応じて異なる態様の演出が実行されれば、その具体的な内容は特に限定されるものではない。例えば、演出表示部50aには、演出モードを問わず、常に同一態様の演出画像を表示することとし、もっとも遊技者に有利となる遊技状態への移行容易性を示唆する示唆演出を、音声演出や照明演出によってのみ行うこととしてもよい。
【0291】
また、上記実施形態においては、遊技状態が変更されたときに、演出表示部50aの背景画像が変更されることをもって、もっとも有利な遊技状態への移行容易性が高く(もしくは低く)なることが示唆されることとした。しかしながら、遊技状態が変更されたときに、上記の移行容易性が高くなったのか、あるいは低くなったのかを示唆するための専用の示唆演出を実行することとしてもよい。
【0292】
なお、上記実施形態においては、低確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態である場合には必ず第1演出モードに設定され、高確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態である場合には必ず第3演出モードに設定されることとしている。しかしながら、例えば、低確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態である場合に、所定の確率で第3演出モードに設定され、高確率遊技状態であって、かつ、特定2遊技状態である場合に、所定の確率で第1演出モードに設定されるようにしても構わない。このようにすれば、高確率遊技状態に設定されているのか、低確率遊技状態に設定されているのかの判別が困難となり、一層遊技の興趣を向上することができる。
【0293】
また、第2始動口22への遊技球の入球容易性は、普図当選確率、普図変動時間、可動片22bの開放時間からなる3つの制御条件を適宜設定することによって変化する。したがって、上記実施形態の非特定遊技状態と特定3遊技状態との間に位置付けられる特定1遊技状態または特定2遊技状態は、上記3つの制御条件のうち、少なくとも1つの制御条件が、非特定遊技状態よりも有利に設定されていればよい。つまり、特定1遊技状態または特定2遊技状態は、非特定遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすければ、上記3つの制御条件のうちの1つの制御条件が非特定遊技状態よりも有利であり、他の2つの制御条件が非特定遊技状態と同じか、もしくは不利に設定されていても構わない。
【0294】
なお、普図当選確率は、それが高い場合の方が低い場合に比べて有利となり、普図変動時間は、それが短い場合の方が長い場合に比べて有利となり、可動片22bの開放時間は、それが長い場合の方が短い場合に比べて有利となる。
【0295】
また、上記実施形態においては、大当たりの当選確率を異にする低確率遊技状態および高確率遊技状態が設けられ、これらいずれかの遊技状態が、非特定遊技状態、特定1〜3遊技状態と同時に設定されることとしたが、大当たりの当選確率は常に一定であっても構わない。
【0296】
また、上記実施形態においては、初期状態として設定される非特定遊技状態では、第2始動口22にほとんど遊技球が入球しない構成としたが、非特定遊技状態においても、所定の割合で第2始動口22に遊技球が入球するようにしてもよい。したがって、第1始動口20および第2始動口22の配置等は適宜設計可能であり、上記実施形態における盤面構成は一例に過ぎない。
【0297】
また、上記実施形態においては、遊技球がゲート24を通過するとともに、当該遊技球の通過によって行われる普通図柄の抽選によって当たり図柄が決定されることを条件として、第2始動口22の可動片22bを制御することとしたが、可動片22bの制御条件はこれに限らない。例えば、遊技領域16に設けられた所定の領域に遊技球が進入した場合には、無条件で可動片22bを開放制御するようにしてもよい。いずれにしても、所定条件を設定しておき、当該所定条件の成立によって可動片22bを制御することとすればよい。
【0298】
なお、上記実施形態における操作ハンドル12、タッチセンサ12a、操作ボリューム12b、発射制御基板130、発射用ソレノイド131によって本発明の発射手段が構成される。また、上記実施形態における第1始動口20内の領域が本発明の第1始動領域に相当し、上記実施形態における第2始動口22内の領域が本発明の第2始動領域に相当する。また、上記実施形態における可動片22bおよび始動口開閉ソレノイド22cが本発明の始動可変入賞装置に相当する。また、上記実施形態において、特別図柄決定処理(
図17のステップS420−6)を実行するメインCPU100aが本発明の遊技利益決定手段に相当する。
【0299】
また、上記実施形態において、特別電動役物制御処理(
図20)によって実行される遊技が本発明の特別遊技に相当し、当該特別電動役物制御処理を実行するメインCPU100aが本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上記実施形態において、遊技状態設定処理(
図21のステップS460−1)を実行するメインCPU100aが本発明の遊技状態設定手段に相当する。また、上記実施形態において、普図普電処理(
図22)を実行するメインCPU100aが本発明の始動可変入賞装置制御手段に相当する。
【0300】
また、上記実施形態における非特定遊技状態が本発明の第1遊技状態に相当し、上記実施形態における特定1遊技状態および特定2遊技状態が本発明の第2遊技状態に相当し、上記実施形態における特定3遊技状態が本発明の第3遊技状態に相当する。また、上記特定1遊技状態が本発明の変動短縮状態に相当し、上記特定2遊技状態が本発明の開放延長状態に相当する。
【0301】
また、上記実施形態において、当選判定処理(
図23のステップS520−5)を実行するメインCPU100aが本発明の普通図柄決定手段に相当する。また、上記実施形態において、普通図柄変動開始処理(
図22のステップS520)および普通図柄変動停止処理(
図22のステップS530)を実行するメインCPU100aが本発明の普通図柄変動手段に相当する。