特許第5779375号(P5779375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779375
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】電子黒板装置
(51)【国際特許分類】
   B43L 1/04 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
   B43L1/04 F
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-68770(P2011-68770)
(22)【出願日】2011年3月9日
(65)【公開番号】特開2012-187906(P2012-187906A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】301032735
【氏名又は名称】プラス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 義宏
(72)【発明者】
【氏名】塚本 淳
(72)【発明者】
【氏名】金野 進
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−085094(JP,A)
【文献】 実開昭58−094586(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 1/00 − 1/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記面の後部に配置される磁性体からなるボードと、このボードが収納されるフレーム構造体と、このフレーム構造体の左右側面に設けられた一対のローラと、この一対のローラに跨って、前記ボード上に配置された筆記シートと、前記ローラを回転駆動し前記筆記シートを左右にフィードするモーターと、前記フレーム構造体の左右側面のいずれか一方に設けられ、前記筆記シートの筆記を読み取る読取装置と、前記筆記面を露出する開口を有する化粧枠とを有し、前記読取装置と前記ボードとの間に、このボードと同一平面を構成する非磁性体で構成されたスペーサーフレーム部を配置したことを特徴とする電子黒板装置。
【請求項2】
前記スペーサーフレーム部は、前記フレーム構造体の左右のフレームで構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
【請求項3】
前記フレーム構造体はアルミニウム材からなることを特徴とする請求項2記載の電子黒板装置。
【請求項4】
前記ボードは、発泡材からなる基盤とその表面及び後面に接着された鉄製の平板で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子黒板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットシートやボタン状磁石などの磁石材を貼り付け可能な電子黒板装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子黒板装置は、白色の筆記シートに、マーカーで文字や図形を記入すると共に、この記入した筆記シート表面を光学センサーによって画像情報として読み取り、読み取った画像情報を縮小して紙に印刷し、或いは記憶装置に記録する機能を有することを特徴としている
【0003】
従来、ホワイトボードは、鉄製の筆記面で構成されており、この筆記面にマーカーで筆記することができると共に、紙の資料を磁石によってこの筆記面に貼ることができる。
一方、電子黒板装置は、利用者がマーカーによって筆記するものであるが、重量低減のため、筆記圧を受けるサポート材として発泡材からなるボードを用いている。
このため、従来の電子黒板装置では、マグネットシートやボタン状磁石などの磁石材を貼り付けることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2000−236420号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には、電子黒板の筆記面上を読取ユニットによって走査することで、筆記を読み取る技術が示されている。
【0006】
この特許文献1のような、自走式の読取ユニットを用いて筆記面全体を走査する方式の電子黒板では、筆記面をホワイトボードと同様の鉄製の平板で構成している。このため磁石を貼り付けることが可能である。
しかしながら、磁石を貼り付けたまま読取装置を走査すると、読取装置が磁石と衝突し破損してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、請求項1に記載するとおり、電子黒板であって、筆記面の後部に配置される磁性体からなるボードと、このボードが収納されるフレーム構造体と、このフレーム構造体の左右側面に設けられた一対のローラと、この一対のローラに跨って、前記ボード上に配置された筆記シートと、前記ローラを回転駆動し前記筆記シートを左右にフィードするモーターと、前記フレーム構造体の左右側面のいずれか一方に設けられ、前記筆記シートの筆記を読み取る読取装置と、前記筆記面を露出する開口を有する化粧枠とを有し、前記読取装置と前記ボードとの間に、このボードと同一平面を構成する非磁性体で構成されたスペーサーフレーム部を配置したことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載のとおり、前記非磁性体で構成されたスペーサーフレーム部は、前記フレーム構造体の側面で構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁石やマグネットシートを貼り付けたまま筆記シートをフィードしても、筆記面の横方向端部で磁石やマグネットシートは筆記面から剥がれ落ち、読み取り装置を破損し、或いはマグネットシートが電子黒板装置内で目詰まりをすることを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施例の形態に係る主要構成部品を表す分離斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例の形態に係る化粧枠を外した構造を示す概念図である。
図3図3は、本発明の実施例の形態に係る電子黒板の外観構造を示す概念図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るシート着脱用部材の構造を示す正面図である。
図5図5は、本発明の実施例に係る、シートを固定した後、及びシートを固定する前のシート着脱用部材の状態を示す側面図である。
図6図6は、本発明の実施例に係る、ボードの構造を示す側面図である。
図7図7は、本発明の実施例に係る、化粧枠の構造を示す分離斜視図である。
図8図8は、第2の実施例に係るボード及びフレーム構造体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
以下、図に沿って本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例を示すものであり、主要構成部品を分離した状態を示す斜視図である。
1は例えばアルミニウム等の非磁性体で構成されたフレーム構造体、2はこのフレーム構造体の左右側面に配置される一対のローラ、3はフレーム構造体1の中に収納されるボードであり、発泡材からなる基盤とその両面に接着剤で接着された磁性体、例えば鉄製の平板で構成されている。
4は電子黒板本体の表面において、マーカーによって書き込みを行う筆記シートであり筆記面41を構成する。
5はフレーム構造体1の一端に配置されて、上記の筆記シート4上に筆記された筆記画像を読み取る読取装置、6は上記の筆記面41を露出させる筆記面開口65を構成する化粧枠であり、この化粧枠6には、操作パネル9が配置されている。
7は筆記用のマーカーやイレイサーを置く樹脂材で構成されたトレイである。尚、図示しないが、化粧枠6の裏側は、筆記シート4保護用の樹脂性プレートで覆われる。
【0013】
図2に化粧枠6を外した状態の概念図を示し、図3に化粧枠6を取り付けた状態の概念図を示す。
上記のとおり、ボード3の表面は鉄製の平板で構成されているため、筆記シート4上に、例えばマグネットシートやボタン状の磁石材を貼り付けることが可能となっている。
フレーム構造体1の左右のフレームである非磁性体で構成されたスペーサーフレーム部8とボード3は、連続した平面を構成し、筆記シート4にマーカー等で筆記する場合の筆圧を受け止める筆記サポート面を構成する。したがって、筆記面41の左右の一定部分には磁石材などが張り付かない構造となっている。
【0014】
この非磁性体で構成されたスペーサーフレーム部がなく、筆記面41全体に磁石材が貼り付けられる構造の場合、上記の磁石材を筆記面41に貼り付けたままの状態で筆記シート4を右方向、或いは左方向にフィードした場合に、磁石材が筆記シート4と共に移動し目詰まりを引き起こし、最悪の場合は、読取装置5を破損してしまう。
【0015】
本実施の電子黒板装置においては、上記の磁石材を筆記面41に貼り付けたままの状態で筆記シート4を右方向、或いは左方向にフィードした場合に、磁石材が、スペーサーフレーム部8で落下して、化粧枠6の内部に入り込むことが防止され、上記のような、読取装置5を破損してしまうといったことは発生しない。
【0016】
フレーム構造体1の左右のスペーサーフレーム部8の近傍には、これに平行に一対のローラ2が配置されており、このローラ2の一つにはこのローラ2を回転駆動するモーター21が接続されている。
また、一対のローラ2及びフレーム構造体1を覆うように、筆記シート4が配置されている。
この筆記シート4は、上記のモーター21によるローラ2の回転によって、左右にフィードされる。
このフィードによって、筆記シート4の前面は後面に移動されると共に、後面は前面に移動されることにより、2ページ分の筆記が可能となっている。
【0017】
上記のモーター21の接続されたローラ2の近傍には、これに平行して読取装置5が取り付けられている。
この読取装置5は、図示しないLED及びCCD撮像素子が、アレイ状に配置されたものであり、筆記シート4上の筆記画像を、縦方向かつ短冊状に、LEDにより均一に照らしながら、順次CCD撮像素子で読み取るものである。
操作パネル9に設けられた図示しないコピーボタンが押された場合、上記の筆記シート4のフィードによって筆記シート4が移動され、その移動に同期して、筆記シート4上の筆記がこの読取装置5によって筆記画像として読み取られる。
【0018】
次に図4を用いて、ローラ2とフレーム構造体1とを連結する部品である、筆記シート着脱用部材10について説明する。
ローラ2は、樹脂材で構成された筆記シート着脱用部材10に、回転可能に固定されており、この筆記シート着脱用部材10の一端には、ローラ2を回転可能に支持する軸材11が配置されている。
またこの筆記シート着脱用部材10の他端には、弾性材であるバネ12を収納するための溝13が形成されている。
更に、筆記シート着脱用部材10の上面には、図示しない筆記シート4を着脱する際に、フレーム構造体1に固定するための固定用フック14が設けられている。
尚、この固定用フック14に対向するように、フレーム構造体1には固定用開口15が設けられると共に、バネ12を固定するためのストッパー部分16が設けられている。
【0019】
図5を用いて、筆記シート着脱用部材10の動作を説明する。
筆記シート着脱用部材10は、筒状のフレーム構造体1にバネ12を介して固定される。
図示しない筆記シート4を装着する場合は図5(2)に示すように、筆記シート着脱用部材10を、フレーム構造体1内に押し込み、固定用開口15に固定用フック14が係合するように、少し押し上げることで、筆記シート着脱用部材10はフレーム構造体1内に固定される。
筆記シート4を収納した後は、図5(1)に示すように、固定用フック14を少し押し下げることにより、固定用フック14を固定用開口15から外し、バネ10によって筆記シート着脱用部材10は押し出され、筆記シート4はローラ2によって加圧した状態で保持される。
【0020】
この実施例のフレーム構造体1は、各フレームがアルミニウム材で形成されているが、これは上記のとおり非磁性材とすることにより、磁石材を巻き込むのを防止するためであり、またこれにより電子黒板装置の重量の低減が図れる。
また、筆記シート着脱用部材10は、樹脂材で形成されているが、これは、フレーム構造体1内に出し入れする際に雑音が発生するのを防止すること、及び製造コストの低減のためである。
【0021】
従来、筆記シート4を着脱するためには、ローラ2の筆記シート着脱用部材10をフレーム構造体1内に押し入れて、外付けのピンで一時的に止める等の操作が必要であり、筆記シート4の着脱作業が面倒であった。
しかしながら、本実施例の筆記シート着脱用部材10は、固定用フック部14を設けるだけで、簡単にフレーム構造体1内に筆記シート着脱用部材10を挿入した状態を保持することが可能となり、筆記シート4の着脱作業が容易となる。
【0022】
ボード3は、図6に示すように、ポリエチレンなどで構成された発泡材基盤17の両面に、磁性体領域18を構成する鉄製の平板が、接着剤によって接着されている。この発泡材基盤17は樹脂性であり軽い反面、剛性が弱い。
このため、磁性体領域18を構成する金属で両面を覆うことで、剛性を高めている。
このボード3は、その左右側面にローラ2が配置されたフレーム構造体1にねじ止めされる。
ボード3自体の剛性が高いため、フレーム構造体1の剛性を高くする必要がなく、フレーム構造体1の奥行き方向の幅を小さくできる。
このため、電子黒板装置としての薄型化、軽量化がなされている。
【0023】
このフレーム構造体1にローラ2、ボード3を配置した状態で、筆記シート4が配置された後、読取装置5がフレーム構造体1に配置、固定される。
したがって、筆記シート4を交換する場合は、読取装置5を取り外さなければならないが、フレーム構造体1及び読取装置5がブロック化された構造であるため、読取装置5の取り外しは容易であり、使用により破損した場合の筆記シート4の交換作業等は容易に行われる。
【0024】
図7に化粧枠6を示す。
この化粧枠6は、上枠61、下枠62、右枠63、左枠64、及び左枠に設けられた操作パネル9で構成される。
このように、化粧枠6は、4つの枠で構成され、それぞれの枠はフレーム構造体1に保持固定される。
尚、このとき、各枠は、フレーム構造体1を挟み込むように配置されるため、所定の位置に正確に配置固定ができ、その後のねじ止めも容易となる。このように化粧枠6を一体で構成することなく、分割して設けることで、製造工程上、従来2人での作業が必要であったものが、一人で作業をすることが可能となる。
【0025】
以上の構成からなる電子黒板装置の、化粧枠6上の操作パネル9に設けられたスイッチを操作することにより、モーター21が駆動され、筆記シート4はフィードされると共に、電子黒板装置の側面に配置された読取装置5によって、筆記シート4の筆記面が読み取られる。
印刷用スイッチを操作した場合は、この読み取られた筆記画像データは、図示しないプリンタに送られ印刷される。また、外部メモリへの記録用ボタンを操作した場合は、図示しない外部メモリへ、前記読み取られた筆記画像データが転送され、記録される。
また、筆記シート4のフィードによって、本体の後面に位置していた筆記シート4が本体前面に移動し、この面も筆記に利用される。
尚、必要であれば、操作パネル9の移送スイッチによって、読み取られた面を、再度本体前面に移動させる。
【0026】
尚、図示しないが、この電子黒板装置には、プリンタ接続用の接続端子、パソコン接続用の接続端子、ローカルエリアネットワーク接続端子、及び外部メモリ接続用の接続端子が設けられている。
【0027】
図8に本発明の第2の実施例にかかるフレーム構造体1及びボード3の斜視図を示す。尚、この第2の実施例においては、その他の構成部品は、上記の第1の実施例と同様であり省略した。
この第2の実施例においては、スペーサーフレーム部8に代えて非磁性体領域19が、ボード3の左右端部に磁性体領域18と接合して、短冊状に設けられている。
磁性体領域18は鉄製の平板であり、非磁性体領域19は、アルミニウム製の平板で構成されており、いずれも、接着剤にて発泡材基盤17に接着固定されている。この第2の実施例においては、第1の実施例とは異なり、フレーム構造体1の左右のフレームは、ボード3の背面に位置し、このボード3と同一平面を構成するものではない。
【0028】
本発明の電子黒板装置においては、筆記面の端部に非磁性体からなる平面部を設けたため、誤って、磁石材を貼り付けたまま、筆記シートをフィードしても、筆記面端部で、確実に剥がれるため、読取装置を破損することがない。
更に、ボード3自体に剛性を持たせたため、フレーム構造体1を軽量、薄型に構成でき、電子黒板自体の軽量化、小型化が可能となる。
また、筆記シート4の着脱が容易に行えるため、製造工程が容易となり、製造コストの低減に寄与する。
【0029】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、ボード3や筆記シート着脱用部材10の構造は種々変形が可能である。
例えば、ボード3の裏面側の金属平板は、ハニカム構造体や格子状の構造体を用いてもよい。
更に、フレーム構造体1の材料や構造、化粧枠6の構造も種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、安全にマグネットシートやボタン状の磁石などの磁石材を貼り付けて利用することができる電子黒板装置を提供することが可能となる。また、電子黒板装置を構成する主要な構成部品は、それぞれ容易に組み付けることが可能であり、電子黒板装置の製造、組みつけ工程が容易となる。
【符号の説明】
【0031】
1:フレーム構造体
2:ローラ
3:ボード
4:筆記シート
5:読取装置
6:化粧枠
7:トレイ
8:スペーサーフレーム部
9:操作パネル
10:筆記シート着脱用部材
18:磁性体領域
19:非磁性体領域
21:モーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8