(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示す図である。図中の白抜き矢印は、載置台が搬送される方向(以下、搬送方向と称する。)を示している。
【
図2】第一実施形態に係る選果システムに具備される載置台の構成を示す斜視図である。
【
図3】(a)は同じく平面図である。(b)は同じく底面図である。
【
図4】(a)は同じく正面図である。(b)は同じく背面図である。
【
図5】(a)は同じく右側面図である。(b)は
図3(a)におけるA−A断面図である。図中の二点鎖線は、載置台に載置された青果物の外形を示している。
【
図6】第一整列機構の構成を示す平面図であり、載置台がコンベア上において回転して整列される経過を示している。図中の白抜き矢印は、搬送方向を示している。図中の太線矢印は、載置台が回転する方向を示している。
【
図7】第一整列機構の構成を示す断面図であり、搬送方向下流側から上流側を見たときの状態を示している。
【
図8】本発明の第二実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示す図である。
【
図9】第二実施形態に係る選果システムに具備される載置台の構成を示す斜視図である。
【
図10】(a)は同じく平面図である。(b)は同じく底面図である。
【
図11】(a)は同じく正面図である。(b)は同じく背面図である。
【
図12】(a)は同じく右側面図である。(b)は
図10(a)におけるB−B断面図である。図中の二点鎖線は、載置台に載置された青果物の外形を示している。
【
図13】第二実施形態に係る選果システムに具備される第一整列機構の構成を示す平面図であり、載置台がコンベア上において回転して整列される経過を示している。図中の白抜き矢印は、搬送方向を示している。図中の太線矢印は、載置台が回転する方向を示している。
【
図14】第二実施形態に係る選果システムに具備される第一整列機構の構成を示す断面図であり、搬送方向下流側から上流側を見たときの状態を示している。
【
図15】第二整列機構の構成を示す平面図であり、載置台がコンベア上において回転して整列される経過を示している。図中の白抜き矢印は、搬送方向を示している。図中の太線矢印は、載置台が回転する方向を示している。
【
図16】第二整列機構の構成を示す断面図であり、搬送方向下流側から上流側を見たときの状態を示している。
【
図17】本発明の第三実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示す図である。
【
図18】第三実施形態に係る選果システムに具備される載置台の構成を示す斜視図である。
【
図19】第三整列機構の構成を示す平面図であり、載置台がコンベア上において回転して整列される経過を示している。図中の白抜き矢印は、搬送方向を示している。図中の点線は、電磁石に固定された載置台が回転する様子を示している。
【
図20】第三整列機構によって載置台が整列される経過を示す平面図であり、(a)は電磁石への通電が開始されたときの状態を示す図、(b)は通電の開始から終了までの途中の状態を示す図、(c)は電磁石への通電が終了される直前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第一実施形態>
以下では、本発明の第一実施形態に係る選果システム1について、
図1〜
図7を参照して説明する。
【0018】
選果システム1は、青果物6が載置される載置台5をコンベア10上に載せて搬送方向に搬送し、当該青果物6を等級や階級ごとに選別してトレイ8やパック等に詰めるためのものである。
【0019】
以下の説明においては、青果物6はイチゴであるものとして説明するが、本発明はこれに限るものではなく、例えばミニトマトやミズナス等のがく片(通称へた)を有する他の種類の青果物であってもよい。
【0020】
以下では、選果システム1の全体的な構成について、
図1を参照して説明する。選果システム1では、載置台5を搬送するコンベア10(本実施形態ではベルトコンベア)に沿って、搬送方向上流側から順に、青果物載置部30、品質計測部40、及び移送部50が配置される。
【0021】
青果物載置部30においては、コンベア10の一側または両側に並んだ作業者によって、載置台5・5・・・に青果物6・6・・・が載置される。
【0022】
品質計測部40においては、載置台5・5・・・に載置された各青果物6の品質が計測される。本実施形態の品質計測部40には、青果物6をカメラで撮影する撮影部41、及び、青果物6に光を照射して糖度等の内部品質を測定する内部品質測定部42等が設けられる。また、図示はしていないが青果物6の質量を計測する質量計測部等も設けられる。なお、品質計測部40の下流には、青果物載置部30において青果物6が載置台5に正確に載置されていなかった場合に、当該品質計測部40の下流側からコンベア10の上流端に載置台5を戻す、リターンライン12が設けられる。
【0023】
移送部50においては、前記品質計測部40における計測結果に基づいて各青果物6がその等級や階級ごとに対応するライン(本実施形態では、四つのラインのいずれか)に搬送され、載置台5からトレイ8に移送される。なお、本実施形態においては、青果物6の載置台5からトレイ8への移送に際しては、エアー吸着式の移送装置51が用いられる。
【0024】
なお、本実施形態の選果システム1に具備される載置台5は、従来からよくある周知の載置台とは異なり、方向性を有するものである。具体的には、当該載置台5には、青果物6のがく片部分6bを配置するための切欠部5iが設けられており、載置台5に対する青果物6のがく片部分6bの配置方向が一定方向に定まるようになっている(
図5(b)参照)。
【0025】
そして、選果システム1の搬送経路における撮影部41と内部品質測定部42との間には、載置台5・5・・・の配置方向を一定方向に揃えるための第一整列機構100が設けられている。当該第一整列機構100が具備されることにより、内部品質測定部42に搬送されてくる載置台5の切欠部5iの配置方向が一定方向に揃えられることとなり、ひいては青果物6のがく片部分6bの配置方向が一定方向に揃えられることとなり、内部品質測定部42において各青果物6の糖度等が測定される箇所を一定の場所に揃えることができる。
【0026】
また、移送部50の各ラインにおける移送装置51の上流(手前)にも、第一整列機構100が設けられている。第一整列機構100は、各ラインのそれぞれに設けられている。当該第一整列機構100が具備されることにより、移送装置51の近傍に搬送されてくる載置台5の切欠部5iの配置方向が一定方向に揃えられることとなり、ひいては青果物6のがく片部分6bの配置方向が一定方向に揃えられることとなり、移送装置51の吸着部によって各青果物6のがく片部分6bを吸着しやすくなる。
【0027】
以下では、第一実施形態に係る選果システム1に具備される載置台5について、
図2〜
図5を参照して詳細に説明する。
【0028】
載置台5は、青果物6を載置する搬送用パンである。載置台5は、上面5a、底面5b、及び外周面5cから成る円柱形状の部材に、載置部5d、切欠部5i、貫通孔5j、外周溝5k、及び偏芯切欠部5p等を形成することにより構成される。
【0029】
載置部5dは、青果物を載せて保持する凹状の部分である。載置部5dは、上面に形成された主として四つの傾斜面5e・5f・5g・5hにより構成される。傾斜面5e・5f・5g・5hは、平面視において載置台5の軸心を取り囲むように配置され、当該載置台5の軸心に向かって低くなるように形成されることで凹部を形成する。本実施形態においては、傾斜面5e・5f・5g・5hにより形成される凹部(載置部5d)は、略菱形の底面を有する四角錘状である。載置部5dは、載置される青果物6(
図5(b)参照)が納まるように、当該青果物6よりも大きく構成される。
【0030】
切欠部5iは、載置台5の外周面5cの一部から載置部5dまでを切り欠いて形成される。切欠部5iは、隣り合う傾斜面5eと傾斜面5fとの間から載置台5の外周面5cにわたって形成される。なお、切欠部5iは、前述したように、青果物6のがく片部分6bを配置するための部分である。なお、詳細には、平面視における載置部5dと切欠部5iとの間には、当該載置部5dと切欠部5iとの接続部分を円弧状に切り欠いて形成される曲面部5mが設けられる。曲面部5mはその中央部が窪んだ形状となっており、当該曲面部5mにより青果物6のがく片側を正面視で切欠部5iの中央に安定的に保持することが可能である。
【0031】
貫通孔5jは、載置台5の平面視における中心(軸心部分)に、上面5aと底面5bとを貫通するように形成された孔である(
図3参照)。貫通孔5jは、平面視円形状である。貫通孔5jの直径は、載置台5に載置される青果物6よりも小さくなるように形成される。なお、当該貫通孔5jは、品質計測部40の内部品質測定部42に具備される内部品質判定装置(不図示)によって照射される光を通過させるためのものである。
【0032】
外周溝5kは、載置台5の外周面5cの上下中途部に全周にわたって形成される溝である。載置台5に外周溝5kを形成することにより、複数の載置台5・5・・・がコンベア10により搬送される際に、隣り合う載置台5同士が接触した場合であっても、当該載置台5の間に隙間(外周溝5k部分の隙間)が形成されることになる。当該外周溝5kと同じ高さに、搬送方向と直交する方向に検出光を照射する光センサを配置することで、コンベア10上において隣り合う載置台5同士が接触していても、個々の載置台5を認識することができる。
【0033】
偏芯切欠部5pは、載置台5の外周面5cを切り欠いて形成される切欠部(偏芯溝)である。偏芯切欠部5pは、載置台5の外周面5cに当該載置台5の軸線に対して偏芯した円形状に形成される。換言すれば、偏芯切欠部5pの外形は、平面視及び底面視において、載置台5の中心軸O1に対してずれた点(中心軸O2)を中心とする円状で、載置台5の外形よりも小さい円状である(
図3参照)。また、偏芯切欠部5pは、上下方向に所定の幅を有し(
図4及び
図5参照)、当該幅は、後述する第二ガイド120の上下方向の厚みよりも大きい寸法となるように設定されている。なお、本実施形態の偏芯切欠部5pは、載置台5の外周面5cの下端部に形成される(
図4及び
図5参照)。
【0034】
なお、図示はしていないが、載置台5の外周面5c若しくは底面には、ID認識手段が貼設される。具体的には、載置台5のID認識手段は、例えばバーコードや二次元コードや磁気テープやICチップ等で構成される。載置台5のID認識手段には、認識番号が記される。載置台5のID認識手段における認識番号は、品質計測部40や移送部50において、不図示の読取手段によって読み取られる。
【0035】
以下では、第一整列機構100について、
図6及び
図7を参照して詳細に説明する。第一整列機構100は、載置台5・5・・・の搬送方向に対する配置方向を一定方向に揃えるためのものである。換言すれば、第一整列機構100は、載置台5・5・・・の搬送経路上における配置方向を整列させるためのものである。第一整列機構100は、載置台5に形成された偏芯切欠部5p、並びに、コンベア10の上方に一対に配置された第一ガイド110及び第二ガイド120により構成される。
【0036】
偏芯切欠部5pは、前述の如く、載置台5の外周面5cに形成される。
【0037】
第一ガイド110は、断面視長方形状の長い棒状の部材である。第一ガイド110は、コンベア10の上方の搬送方向右側寄りに配置される。第一ガイド110は、コンベア10の搬送面と平行に設けられ、その下端面がコンベア10上に配置された載置台5の偏芯切欠部5pの上面5q(底面)よりも高い位置となるように配置される。第一ガイド110は、搬送方向と平行に延出している。
【0038】
第二ガイド120は、断面視長方形状の長い棒状の部材である。第二ガイド120は、コンベア10の上方の搬送方向左側寄りに配置される。第二ガイド120は、コンベア10の搬送面と平行に設けられ、その上端面がコンベア10上に配置された載置台5の偏芯切欠部5pの上面5q(底面)よりも低い位置となるように配置される。第二ガイド120は、第一ガイド110と対向配置され、搬送方向下流側で第一ガイド110に徐々に接近するように平面視で斜めに配置される。
【0039】
図6に示すように、搬送方向上流側における第一ガイド110と、第二ガイド120と、の間の距離は、載置台5の偏芯切欠部5pの直径X(
図5参照)よりも長い寸法に設定されている。また、搬送方向下流側における第一ガイド110と、第二ガイド120と、の間の距離は、載置台5の偏芯切欠部5pの直径Xと略同じ寸法に設定されている。
【0040】
以上のような構成の第一整列機構100において、載置台5は、その外周面5cが第一ガイド110の側面110bに当接して第一ガイド110に搬送方向をガイドされた状態で、第一ガイド110と第二ガイド120との間に搬送されてくる。そして、搬送方向下流側に搬送されてくるに従って、第二ガイド120が偏芯切欠部5pに深く嵌合された状態となる。そして、第一ガイド110及び第二ガイド120の始端(上流側端部)から終端(下流側端部)までの途中の位置において、第二ガイド120の側面120bが偏芯切欠部5pの側面5rに当接した状態となる。この状態から、さらに載置台5が搬送方向下流側に搬送されると、偏芯切欠部5pの側面5rが第二ガイド120によって押されて、載置台5がコンベア10上において回転される。
【0041】
第一整列機構100について具体的な例を挙げて説明すると、例えば載置台5が
図6のCに示す状態で第一ガイド110及び第二ガイド120の間に搬送されてきた場合、載置台5は
図6のDに示す状態において第二ガイド120の側面120bが偏芯切欠部5pの側面5rに当接した状態となる。そして、コンベア10による搬送に伴って、
図6のDに示す状態から移動とともに平面視で反時計回りに回転されて、
図6のE及びFに示す状態を経て、
図6のGに示す状態となる。つまり、第一ガイド110と第二ガイド120との間の距離が搬送方向下流側に向かうに従って次第に狭くなるのに合わせて、載置台5が回転されて、最終的には偏芯切欠部5p(偏芯溝)の径方向の深さが最も深くなる位置において第二ガイド120の側面120bが偏芯切欠部5pの側面5rに当接した状態となる(
図6のGに示す状態)。言い換えれば、偏芯切欠部5pが、第一ガイド110と第二ガイド120との間の距離が最も狭くなる位置、つまり、偏芯切欠部5pの中心軸O2が第一ガイド110と第二ガイド120の最下流側の中間位置へ移動されて、載置台5が所定の方向に整列される。
【0042】
このように、本実施形態の載置台5は、第一整列機構100によって、第一ガイド110及び第二ガイド120の終端よりも搬送方向下流側に搬送されてきたときには、切欠部5iが搬送方向に対して左に45度の方向に向けられた姿勢に整列されているのである(
図6のHに示す状態)。ただし、偏芯切欠部5pの中心軸O2の位置を変更して形成することにより、整列される切欠部5iの方向を任意の方向に変更することができる。
【0043】
以上で説明したように、本実施形態に係る選果システム1は、青果物6が載置される概ね円柱形状の載置台5をコンベア10上に載せて搬送方向に搬送する選果システムにおいて、載置台5の外周面5cに当該載置台5の軸線に対して偏芯した円形状に形成される偏芯切欠部5pと、コンベア10の上方において搬送方向と平行に延出するように配置され、載置台5の外周面5cに当接する第一ガイド110と、コンベア10の上方において第一ガイド110と対向し、搬送方向下流側で当該第一ガイド110に徐々に接近するように配置され、載置台5の偏芯切欠部5pに嵌合される第二ガイド120と、を具備するものである。したがって、載置台5は、第一ガイド110と第二ガイド120との間を通りながら、コンベア10上において回転される。
【0044】
よって、載置台5の搬送方向に対する配置方向を所望の方向(本実施形態では、切欠部5iが搬送方向に対して左に45度の方向に向けられる方向)に揃えることができる。また、製造コストの増大を招くことなく、載置台5の配置方向を整列させる機構を実現することができる。
【0045】
なお、コンベア10上における第一ガイド110及び第二ガイド120の配置を左右逆にすることにより、載置台5が整列される方向を、切欠部5iが搬送方向に対して右に45度の方向に向けられる方向に、変更することが可能である。
【0046】
<第二実施形態>
以下では、本発明の第二実施形態に係る選果システム2について、
図8〜
図16を参照して説明する。第二実施形態に係る選果システム2は、載置台5を第一整列機構100により整列させる方向とは異なる方向に整列させるための第二整列機構200を具備する。具体的には、選果システム2は、搬送経路における撮影部41と内部品質測定部42との間に、第一整列機構100に代えて第二整列機構200を具備する点で、第一実施形態に係る選果システム1とは異なる。また、載置台5に代えて載置台7を具備する点で、第一実施形態に係る選果システム1とは異なる。以下では、第一実施形態の構成と同様の部分については説明を適宜省略することとし、構成が異なる部分について主として説明する。
【0047】
第二実施形態に係る選果システム2に具備される載置台7について、
図9〜
図12を参照して説明する。
【0048】
載置台7は、青果物6を載置する搬送用パンである。載置台7は、上面7a、底面7b、及び外周面7cから成る円柱形状の部材に、載置部7d、切欠部7i、貫通孔7j、外周溝7k、偏芯切欠部7p、及び偏芯切欠部7s等を形成することにより構成される。
【0049】
載置部7dは、青果物6を載せて保持する凹状の部分である。載置部7dは、上面に形成された主として四つの傾斜面7e・7f・7g・7hにより構成される。切欠部7iは、載置台7の外周面7cの一部から載置部7dまでを切り欠いて形成される。切欠部7iは、青果物6のがく片部分6bを配置するための部分である。貫通孔7jは、載置台7の平面視における中心(軸心部分)に、上面7aと底面7bとを貫通するように形成された孔である。外周溝7kは、載置台7の外周面7cの上下中途部に全周にわたって形成される溝である。
【0050】
偏芯切欠部7p・7sは、載置台7の外周面7cを切り欠いて形成される切欠部(偏芯溝)である。偏芯切欠部7p・7sは、載置台7の軸線方向の複数箇所(本実施形態では、上下二箇所)に形成される。偏芯切欠部7pは、載置台7の外周面7cに当該載置台7の軸線に対して偏芯した円形状に形成される。同様に、偏芯切欠部7sも、載置台7の外周面7cに当該載置台7の軸線に対して偏芯した円形状に形成される。換言すれば、偏芯切欠部7p・7sの外形はそれぞれ、平面視及び底面視において、載置台7の中心軸に対してずれた点を中心とする円状である(
図10参照)。偏芯切欠部7pの中心(中心軸O3)と、偏芯切欠部7sの中心(中心軸O4)と、は平面視及び底面視において互いにずれている。なお、中心軸O3及び中心軸O4の位置はそれぞれ、載置台7の整列させたい方向に合わせて設定される。
【0051】
偏芯切欠部7pは、上下方向に所定の厚みを有し(
図11及び
図12参照)、当該幅は、第二ガイド120の上下方向の厚みよりも大きい寸法となるように設定されている。また、偏芯切欠部7sは、上下方向に所定の厚みを有し(
図11及び
図12参照)、当該幅は、後述する第二ガイド220の上下方向の厚みよりも大きい寸法となるように設定されている。なお、偏芯切欠部7pは、載置台7の外周面7cの下端部に形成されており、偏芯切欠部7sは、載置台7の外周面7cの上下中途部(外周溝7kと偏芯切欠部7pとの間)に形成されている。
【0052】
本実施形態における移送部50の各ラインにおける移送装置51の上流(手前)には、第一実施形態と同様の第一整列機構100が設けられている。当該第一整列機構100は、載置台7の外周面7cに当該載置台7の軸線に対して偏芯した円形状に形成される偏芯切欠部7p、並びに、コンベア10の上方に一対に設けられた第一ガイド110及び第二ガイド120により構成される(
図13及び
図14参照)。
【0053】
以下では、第二整列機構200について、
図15及び
図16を参照して詳細に説明する。
【0054】
第二整列機構200は、載置台7・7・・・の搬送方向に対する配置方向を一定方向に揃えるためのものである。換言すれば、第二整列機構200は、載置台7・7・・・の搬送経路上における配置方向を整列させるためのものである。第二整列機構200は、載置台7に形成された偏芯切欠部7s、並びに、コンベア10の上方に一対に配置された第一ガイド210及び第二ガイド220により構成される。
【0055】
偏芯切欠部7sは、前述の如く、載置台7の外周面7cの上下中途部に形成される。
【0056】
第一ガイド210は、断面視長方形状の長い棒状の部材である。第一ガイド210は、コンベア10の上方の搬送方向左側寄りに配置される。第一ガイド210は、コンベア10の搬送面と平行に設けられ、その下端面がコンベア10上に配置された載置台7の偏芯切欠部7sの上面7t(底面)よりも高い位置となるように配置される。第一ガイド210は、搬送方向と平行に延出している。
【0057】
第二ガイド220は、断面視長方形状の長い棒状の部材である。第二ガイド220は、コンベア10の上方の搬送方向右側寄りに配置される。第二ガイド220は、コンベア10の搬送面と平行に設けられる。第二ガイド220の上端面は、コンベア10上に配置された載置台7の偏芯切欠部7sの上面7t(底面)よりも低い位置となるように配置される。第二ガイド220の下端面は、コンベア10上に配置された載置台7の偏芯切欠部7sの下面7u(底面)よりも高い位置となるように配置される。第二ガイド220は、第一ガイド210と対向配置され、搬送方向下流側で第一ガイド210に徐々に接近するように平面視で斜めに配置される。
【0058】
搬送方向上流側における第一ガイド210と、第二ガイド220と、の間の距離は、載置台7の偏芯切欠部7sの直径Y(
図11(b)参照)よりも長い寸法に設定されている。搬送方向下流側における第一ガイド210と、第二ガイド220と、の間の距離は、載置台7の偏芯切欠部7sの直径Yと略同じ寸法に設定されている。
【0059】
以上のような構成の第二整列機構200において、載置台7は、その外周面7cが第一ガイド210の側面210bに当接して第一ガイド210に搬送方向をガイドされた状態で、第一ガイド210と第二ガイド220との間に搬送されてくる。そして、搬送方向下流側に搬送されてくるに従って、第二ガイド220が偏芯切欠部7sに深く嵌合された状態となる。そして、第一ガイド210及び第二ガイド220の始端(上流側端部)から終端(下流側端部)までの途中の位置において、第二ガイド220の側面220bが偏芯切欠部7sの側面7vに当接した状態となる。この状態から、さらに載置台7が搬送方向下流側に搬送されると、偏芯切欠部7sの側面7vが第二ガイド220によって押されて、載置台7がコンベア10上において回転される。
【0060】
第二整列機構200について具体的な例を挙げて説明すると、例えば載置台7が
図15のJに示す状態で第一ガイド210及び第二ガイド220の間に搬送されてきた場合、載置台7は
図15のKに示す状態において第二ガイド220の側面220bが偏芯切欠部7sの側面7vに当接した状態となる。そして、
図15のKに示す状態から平面視で時計回りに回転されて、
図15のL及びMに示す状態を経て、
図15のNに示す状態となる。つまり、第一ガイド210と第二ガイド220との間の距離が搬送方向下流側に向かうに従って次第に狭くなるのに合わせて、載置台7が回転されて、最終的には偏芯切欠部7s(偏芯溝)の径方向の深さが最も深くなる位置において第二ガイド220の側面220bが偏芯切欠部7sの側面7vに当接した状態となる(
図15のNに示す状態)。
【0061】
このように、本実施形態の載置台7は、第二整列機構200によって、第一ガイド210及び第二ガイド220の終端よりも搬送方向下流側に搬送されてきたときには、切欠部7iが搬送方向に対して左に90度の方向に向けられた姿勢に整列されているのである(
図15のPに示す状態)。
【0062】
このように、本実施形態の選果システム2に具備される載置台7には、二箇所の偏芯切欠部7p・7sが設けられており、それぞれに対応する整列機構(第一整列機構100及び第二整列機構200)が搬送経路の所望の位置に設置されている。こうすることにより、載置台7の搬送方向に対する配置方向を、切欠部7iが搬送方向に対して左右に45度の方向に向けられる方向だけではなく、切欠部7iが搬送方向に対して左右に90度の方向に向けられる方向にも、整列させることが可能となる。なお、載置台に形成する偏芯切欠部の数をさらに増やすことにより、整列可能な配置方向をさらに増やすことができる。
【0063】
以上で説明したように、本実施形態に係る選果システム2は、偏芯切欠部7p・7sを載置台7の軸線方向の複数箇所に形成したものである。したがって、各偏芯切欠部7p・7sに対応する第二ガイド120(220)及び当該第二ガイド120(220)と対となる第一ガイド110(210)を搬送経路の所望の位置にそれぞれ適宜に設置した場合、載置台7は、搬送経路の複数の位置において、対応する第一ガイド110(210)と第二ガイ120(220)との間を通りながら、コンベア10上において回転される。
【0064】
よって、載置台7の搬送方向に対する配置方向を、搬送経路の複数の位置において、それぞれにおける所望の方向に揃えることができる。
【0065】
<第三実施形態>
以下では、本発明の第三実施形態に係る選果システム3について、
図17〜
図20を参照して説明する。第三実施形態に係る選果システム3は、搬送経路における撮影部41と内部品質測定部42との間に、第一整列機構100に代えて第三整列機構300を具備する点で、第一実施形態に係る選果システム1とは異なる。以下では、第一実施形態の構成と同様の部分については説明を適宜省略することとし、構成が異なる部分について主として説明する。
【0066】
第三整列機構300は、載置台5・5・・・の搬送方向に対する配置方向を一定方向に揃えるためのものである。換言すれば、第三整列機構300は、載置台5・5・・・の搬送経路上における配置方向を整列させるためのものである。なお、第三整列機構300は、載置台5・5・・・を前記第一整列機構100または第二整列機構200による整列方向と異なる方向に整列させることができるものである。第三整列機構300は、センサ310、磁性体320、電磁石330、及び制御装置340により構成される。
【0067】
センサ310は、搬送経路の中途部(本実施形態では撮影部41と内部品質測定部部42との間)に配置されるセンサであり、各載置台5の通過のタイミングを検出するものである。本実施形態のセンサ310は、コンベア10の側方の所定の地点に配置される。
【0068】
磁性体320は、載置台5の外周面5cの、偏芯切欠部7p・7sが形成されている部分以外の所定位置に貼設される(
図18参照)。
【0069】
電磁石330は、磁性材料から成る芯330aの周りにコイルを巻いたものであり、通電することによって一時的に磁力を発生させるものである。電磁石330は、コンベア10の上方であって、センサ310よりも搬送方向下流側に配置される。電磁石330の芯330aの先端部は、丸みを帯びた形状に形成されており、通電されている状態においては、コンベア10上を搬送されてくる各載置台5の外周面5cに貼設されている磁性体320と接触可能に設けられている。
【0070】
制御装置340は、前述の如く、選果システム1の種々の機構や装置等に接続されてこれを制御するものである。制御装置340には、センサ310及び電磁石330等が電気的に接続されている。
【0071】
以下では、第三整列機構300において制御装置340により実行される制御の内容について説明する。
【0072】
制御装置340は、センサ310からの検出信号を受信することにより、各載置台5が搬送経路の所定の地点を通過するタイミングを取得する。そして、当該センサ310の検出結果や、あらかじめ設定されているコンベア10の搬送速度等に基づいて、演算を行い、電磁石330への通電の開始及び終了のタイミングを決定する。
【0073】
ここで、電磁石330への通電の開始のタイミングは、各載置台5が電磁石330の芯330aの先端部に充分に近づいて、電磁石330に通電することにより当該電磁石330に磁性体320(載置台5)を引き付けることが可能となる、所定のタイミングとなるように、決定される。電磁石330への通電が開始されることにより、電磁石330に磁性体320(載置台5)が引き付けられて固定される(
図20(a)参照)。
【0074】
電磁石330に磁性体320が引き付けられている間、コンベア10上の載置台5が搬送方向に搬送され続けると、各載置台5は電磁石330と磁性体320との接続部分を支点としてコンベア10上において回転する(
図20(a)→(b)→(c))。
【0075】
また、電磁石330への通電の終了のタイミングは、各載置台5が電磁石330と磁性体320との接続部分を支点として回転した結果、載置台5の搬送方向に対する配置方向が所望の方向に到達する、所定のタイミングとなるように、決定される。本実施形態においては、切欠部5i(載置された青果物6のがく片部分6b)が搬送方向に対して右に45度の方向に向けられた状態となるタイミングに、電磁石330への通電が終了されるように設定される(
図20(c)参照)。電磁石330への通電が終了されることにより、磁性体320(載置台5)が電磁石330に引き付けられなくなり、載置台5のコンベア10上における回転が停止される。
【0076】
本実施形態の第三整列機構300では、以上のような制御を各載置台5について実行することにより、載置台5・5・・・の搬送方向に対する配置方向を一定方向(本実施形態では、切欠部5iが搬送方向に対して右に45度の方向に向けられた方向)に整列させることができるのである。
【0077】
以上で説明したように、本実施形態に係る選果システム3は、搬送経路の中途部に配置されるとともに載置台5の通過のタイミングを検出するセンサ310と、載置台5の外周面5cの所定位置に貼設される磁性体320と、コンベア10の上方であってセンサ310よりも搬送方向下流側に配置される電磁石330と、センサ310の検出結果に基づいて電磁石330への通電の開始及び終了のタイミングを決定し、これに従って当該電磁石330への通電を実行する制御装置340と、を具備するものである。したがって、載置台5は、電磁石330への通電が実行されている間、当該電磁石330に磁性体320が固定されることにより、コンベア10上において回転される。
【0078】
よって、コンベア10上に第一ガイド110及び第二ガイド120を配置するための搬送方向に長いスペースを確保できないような場合でも、載置台5の搬送方向に対する配置方向を所望の方向に揃えることができる。また、載置台5に偏芯切欠部5pを設けるために必要な軸線方向の高さを確保できないような場合でも、磁性体320を貼設するだけで整列機構を構成することができ、また、整列方向も磁性体320を張り替えることにより容易に変更すことができる。