特許第5779465号(P5779465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779465
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】基板の溝加工装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20150827BHJP
   B28D 1/20 20060101ALI20150827BHJP
   B28D 5/04 20060101ALI20150827BHJP
   H01L 31/06 20120101ALI20150827BHJP
【FI】
   H01L21/304 601B
   B28D1/20
   B28D5/04 Z
   H01L31/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-212149(P2011-212149)
(22)【出願日】2011年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-74118(P2013-74118A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2012年5月24日
【審判番号】不服2014-15703(P2014-15703/J1)
【審判請求日】2014年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】曽山 正信
【合議体】
【審判長】 栗田 雅弘
【審判官】 石川 好文
【審判官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−75931(JP,A)
【文献】 特公昭50−4005(JP,B2)
【文献】 特公昭49−42893(JP,B2)
【文献】 特開2004−256391(JP,A)
【文献】 特開2001−261356(JP,A)
【文献】 特開2010−245255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 1/00-7/04
H01L 21/304-21/304,631
H01L 21/463
H01L 21/78-21/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動方向の両端に刃を有する溝加工ツールを基板のパターニングラインに沿って往復移動させ、基板上に溝を形成する溝加工装置であって、
基板が載置されるテーブルと、
前記溝加工ツールが装着されるヘッドと、
前記テーブルと前記ヘッドとを水平面内で相対的に移動させるための移動機構と、
を備え、
前記ヘッドは、
上下移動可能なホルダと、
前記溝加工ツールを固定し、前記移動方向と直交する揺動軸を支点として前記ホルダに揺動自在に支持されて往動位置と復動位置とを取り得る揺動部材と、
前記往動位置と前記復動位置の前記揺動部材の前記揺動軸方向の振れを規制する振れ規制機構と、
を有しており、
前記揺動部材の揺動範囲を、前記往動位置と前記復動位置の間に規制するための1対のストッパをさらに備え、
前記揺動部材は、
前記揺動軸の下方に形成され前記溝加工ツールが装着されるツール装着部と、
前記揺動軸の上方に形成され前記1対のストッパに当接可能な当接部と、
を有し、
前記振れ規制機構は、前記1対のストッパに形成された係合部と、前記当接部に形成され前記係合部が係合する被係合部と、を有している、
基板の溝加工装置。
【請求項2】
前記被係合部は前記移動方向に向かって幅が狭くなるV字状の溝であり、
前記係合部は前記V字状溝に係合可能である、
請求項に記載の基板の溝加工装置。
【請求項3】
移動方向の両端に刃を有する溝加工ツールを基板のパターニングラインに沿って往復移動させ、基板上に溝を形成する溝加工装置であって、
基板が載置されるテーブルと、
前記溝加工ツールが装着されるヘッドと、
前記テーブルと前記ヘッドとを水平面内で相対的に移動させるための移動機構と、
を備え、
前記ヘッドは、
上下移動可能なホルダと、
前記溝加工ツールを固定し、前記移動方向と直交する揺動軸を支点として前記ホルダに揺動自在に支持されて往動位置と復動位置とを取り得る揺動部材と、
前記往動位置と前記復動位置の前記揺動部材の前記揺動軸方向の振れを規制する振れ規制機構と、
を有しており、
加工時以外において、前記揺動部材を中立位置に維持するための中立維持機構をさらに備えた、
基板の溝加工装置。
【請求項4】
前記中立維持手段は、前記揺動部材を挟んで前記揺動部材を中立位置に付勢する1対のスプリングである、請求項に記載の基板の溝加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝加工装置、特に、移動方向の両端に刃を有する溝加工ツールを基板のパターニングラインに沿って往復移動させ、基板上に溝を形成する基板の溝加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜太陽電池は、例えば特許文献1に示されるような方法で製造される。この特許文献1に記載された製造方法では、ガラス等の基板上にMo膜からなる下部電極膜が形成され、その後、下部電極膜に溝が形成されることによって短冊状に分割される。次に、下部電極膜上にCIGS膜等のカルコパイライト構造化合物半導体膜を含む化合物半導体膜が形成される。そして、これらの半導体膜の一部が溝加工によりストライプ状に除去されて短冊状に分割され、これらを覆うように上部電極膜が形成される。最後に、上部電極膜の一部が溝加工によってストライプ状に剥離されて短冊状に分割される。
【0003】
以上のような工程における溝加工技術の1つとして、ダイヤモンド等のメカニカルツールによって薄膜の一部を除去するメカニカルスクライブ法が用いられている。このメカニカルスクライブ法において、安定した幅の溝加工を行うことができるように、特許文献2に示される方法が提案されている。この特許文献2に示された方法では、加工負荷を調整する加工負荷調整機構を備えた溝加工ツール及び剥離ツールが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63-16439号公報
【特許文献2】特開2002-033498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の溝加工装置あるいは溝加工方法では、連続して複数の溝を加工する場合、1本の溝を加工した後に、ヘッドを上昇させ、加工開始位置まで移動させ、続いて次の溝を加工する、といった動作が繰り返される。このような従来の装置及び方法では、加工に時間がかかり、また先に調整されたツールの押圧力を再調整しなければならない場合がある。
【0006】
そこで、本件発明者らは、効率よく迅速に溝加工を行うことができる加工装置を開発し、既に出願している(特願2010−082953)。この加工装置は、ヘッドに上下移動可能にツールホルダが取り付けられており、さらに、このツールホルダに所定の角度範囲内で揺動部材が揺動可能に取り付けられている。揺動部材には溝加工ツールが保持されており、揺動部材は往動時の前進切削姿勢と復動時の後進切削姿勢とで反転させられる。溝加工ツールには、往動側及び復動側に対称的な前部刃先及び後部刃先が設けられている。そして、揺動部材が往動(前進)切削姿勢にあるときに前部刃先が太陽電池基板に接触し、復動(後進)切削姿勢にあるときに後部刃先が太陽電池基板に接触する。
【0007】
以上のような溝加工ツールを用いて溝加工を行うと、効率良く溝加工を行うことができる。しかし、ツールが固定された揺動部材が揺動自在であるために、溝加工時に移動方向と直交する方向にツール及び揺動部材が振れるおそれがある。溝加工時にツールが移動方向と直交する方向に振れると、溝を高い精度で形成することができない。
【0008】
本発明の課題は、ツールを往復移動させて溝加工する装置において、ツールの振れを抑え、溝を高い精度で加工できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係る基板の溝加工装置は、移動方向の両端に刃を有する溝加工ツールを基板のパターニングラインに沿って往復移動させ、基板上に溝を形成する装置であって、基板が載置されるテーブルと、溝加工ツールが装着されるヘッドと、テーブルとヘッドとを水平面内で相対的に移動させるための移動機構と、を備えている。ヘッドは、上下移動可能なホルダと、揺動部材と、振れ規制機構と、を有している。揺動部材は、溝加工ツールを保持し、移動方向と直交する揺動軸を支点としてホルダに揺動自在に支持されて往動位置と復動位置とを取り得る。振れ規制機構は往動位置と復動位置の揺動部材の揺動軸方向の振れを規制する。
【0010】
この装置では、溝加工ツールは往復移動され、往動時と復動時の両方において基板上に溝が形成される。そして、揺動部材は、往動時には往動位置に、また復動時には復動位置に位置する。これらの位置において、移動方向と直交する方向の揺動部材の振れが振れ規制機構によって規制される。
【0011】
ここでは、往動時及び復動時において、揺動部材の振れが規制されるので、加工時における溝加工ツールの振れが規制される。このため、溝の特に移動方向と直交する方向の端面を高い精度で加工することができる。
【0012】
第2発明に係る基板の溝加工装置は、第1発明の溝加工装置において、揺動部材の揺動範囲を、往動位置と復動位置の間に規制するための1対のストッパをさらに備えている。
【0013】
この装置では、揺動部材は1対のストッパによって揺動範囲が規制され、往動時には往動位置に、復動時には復動位置に位置させられる。
【0014】
第3発明に係る基板の溝加工装置は、第2発明の溝加工装置において、揺動部材は、揺動軸の下方に形成され溝加工ツールが装着されるツール装着部と、揺動軸の上方に形成され1対のストッパに当接可能な当接部と、を有している。そして、振れ規制機構は、1対のストッパ及び当接部に形成された係合部及び係合部が係合する被係合部を有している。
【0015】
ここでは、1対のストッパ及び当接部に形成された係合部及び被係合部によって、揺動軸の振れが規制される。このため、簡単な構成で溝の加工精度を高くすることができる。
【0016】
第4発明に係る基板の溝加工装置は、第3発明の溝加工装置において、被係合部は移動方向に向かって幅が狭くなるV字状の溝であり、係合部はV字状溝に係合可能である。
【0017】
ここでは、係合部がV字状溝に係合することによって、揺動部材の振れが規制される。
【0018】
第5発明に係る基板の溝加工装置は、加工時以外において、揺動部材を中立位置に維持するための中立維持機構をさらに備えている。
【0019】
第6発明に係る基板の溝加工装置は、第5発明の溝加工装置において、中立維持手段は、揺動部材を挟んで揺動部材を中立位置に付勢する1対のスプリングである。
【発明の効果】
【0020】
以上のような本発明では、ツールを往復移動させて溝加工する装置において、ツールの振れを抑え、高い精度で溝を加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による溝加工ツールが装着された溝加工装置の外観斜視図。
図2】溝加工装置のヘッドの正面図。
図3】揺動部材の拡大部分図。
図4】揺動部材とストッパとの関係を示す図。
図5】本発明の他の実施形態による図4に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態による溝加工装置としての集積型薄膜太陽電池用溝加工装置の外観斜視図を図1に示す。
【0023】
[溝加工装置の全体構成]
この装置は、太陽電池基板Wが載置されるテーブル1と、溝加工ツール(以下、単にツールと記す)2が装着されたヘッド3と、それぞれ2つのカメラ4及びモニタ5と、を備えている。
【0024】
テーブル1は水平面内において図1のY方向に移動可能である。また、テーブル1は水平面内で任意の角度に回転可能である。なお、図1では、ヘッド3の概略の外観を示しており、ヘッド3の詳細は後述する。
【0025】
ヘッド3は、移動支持機構6によって、テーブル1の上方においてX,Y方向に移動可能である。なお、X方向は、図1に示すように、水平面内でY方向に直交する方向である。移動支持機構6は、1対の支持柱7a,7bと、1対の支持柱7a,7b間にわたって設けられたガイドバー8と、ガイドバー8に形成されたガイド9を駆動するモータ10と、を有している。ヘッド3は、ガイド9に沿って、前述のようにX方向に移動可能である。
【0026】
2つのカメラ4はそれぞれ台座12に固定されている。各台座12は支持台13に設けられたX方向に延びるガイド14に沿って移動可能である。2つのカメラ4は上下動が可能であり、各カメラ4で撮影された画像が対応するモニタ5に表示される。
【0027】
[ヘッド]
図2にヘッド3を抽出して示している。ヘッド3は、板状のベース16と、ホルダ17と、揺動部材18と、エアシリンダ19と、を有している。
【0028】
ホルダ17は、図示しないレールを介して、ベース16に対して上下方向にスライド自在に支持されている。ホルダ17は、ホルダ本体22と、ホルダ本体22の表面に固定された支持部材23と、を有している。ホルダ本体22は、板状に形成され、上部に開口22aを有している。支持部材23は横方向に長い矩形状の部材であり、内部に揺動部材18が挿通する貫通孔23aが形成されている。
【0029】
揺動部材18は、ホルダ本体22及び支持部材23に揺動自在に支持されている。揺動部材18は、下部のツール装着部24と、ツール装着部24から上方に延びて形成された延長部25と、を有している。
【0030】
ツール装着部24には溝が形成され、この溝にツール2が挿入され、さらに固定プレート24aによってツール2が溝内に固定されている。
【0031】
延長部25の下部には、水平方向で、かつ溝形成方向と直交する方向に貫通する孔25aが形成されている。そして、この孔25aを貫通するピン26を中心に揺動部材18は揺動自在となっている。ピン26はホルダ本体22と支持部材23によって支持されている。また、延長部25の上端部には、図3に示すように、当接部28が形成されている。当接部28の左右側面には、それぞれ上下方向に延びる係合溝28aが形成されている。係合溝28aは、図4に示すように、平面視でV字状に形成されている。なお、図3は揺動部材18の延長部25を拡大して示したものである。また、図4は、揺動部材18の上端部を上方から見た図である。
【0032】
図2及び図4に示すように、揺動部材18の当接部28の左右両側には、1対のストッパ27a,27bが設けられている。各ストッパ27a,27bは、図4に示すように、筒状部材41と、ネジ部材42と、を有している。各筒状部材41は、ホルダ本体22に固定されており、内部にネジ孔41aが形成されている。ネジ部材42はこのネジ孔41aに螺合されている。ネジ部材42の先端はほぼ円錐状に形成されている。
【0033】
図4は、前述のように、揺動部材18の当接部28を上方から見た図であり、同図(a)は、揺動部材18がピン26の回りに反時計回りに揺動して、当接部28の係合溝28aにストッパ27b側のネジ部材42の先端が係合した状態を示している。この状態は、ヘッド3が図2の−M方向に移動するときの状態であり、揺動部材18は復動位置に位置している。同図(b)は揺動部材18の当接部28のみを示している。同図(c)は、揺動部材18がピン26の回りに時計回りに揺動して、当接部28の係合溝28aにストッパ27a側のネジ部材42の先端が係合した状態を示している。この状態は、ヘッド3が図2の+M方向に移動するときの状態であり、揺動部材18は往動位置に位置している。
【0034】
以上のような構成では、V字状の係合溝28aにネジ部材42の先端が係合した状態では、ツール2が固定された揺動部材18は移動方向と直交する方向の振れが規制される。すなわち、揺動部材18の当接部28に形成されたV字状の係合溝28aとネジ部材42とによって、振れ規制機構が構成されている。
【0035】
エアシリンダ19はシリンダ支持部材30の上面に固定されている。シリンダ支持部材30は、ホルダ17の上部に配置され、ベース16に固定されている。シリンダ支持部材30には上下方向に貫通する孔が形成されており、エアシリンダ19のピストンロッド(図示せず)がこの貫通孔を貫通し、ロッド先端がホルダ17に連結されている。
【0036】
また、ベース16の上部にはスプリング支持部材31が設けられている。スプリング支持部材31とホルダ17との間にはスプリング32が設けられており、スプリング32によってホルダ17は上方に付勢されている。このスプリング32によって、ホルダ17の自重をほぼキャンセルすることができる。
【0037】
ホルダ17の左右両側には、1対のエア供給部34a,34bが設けられている。1対のエア供給部34a,34bはともに同じ構成であり、それぞれジョイント35とエアノズル36とを有している。
【0038】
[溝加工動作]
以上のような装置を用いて薄膜太陽電池基板に溝加工を行う場合は、移動支持機構6によりヘッド3を移動させるとともにテーブル1を移動させ、カメラ4及びモニタ5を用いて、ツール2を溝加工予定ライン上に位置させる。
【0039】
以上のような位置合わせを行った後、エアシリンダ19を駆動してホルダ17及び揺動部材18を下降させて、ツール2の先端を薄膜に当てる。このときの、ツール2の薄膜に対する加圧力は、エアシリンダ19に供給されるエア圧によって調整される。
【0040】
次にモータ10を駆動して、ヘッド3を溝加工予定ラインに沿って走査する。
【0041】
往動時(図2において右側への移動時)は、ツール2の刃と基板上の薄膜との接触抵抗によって、揺動部材18はピン26を中心に時計回りに揺動する。この揺動は、揺動部材18の当接部28の係合溝28aに、ストッパ27a側のネジ部材42の先端が当接することによって規制される。すなわち、ヘッド3の往動時には、揺動部材18は往動位置に位置する。そして、ネジ部材29の先端が揺動部材18の当接部28に形成された係合溝28aに係合した状態では、揺動部材18の振れ、詳しくは、移動方向と直交する方向の振れが規制される。このため、往動時におけるツール2の振れが規制され、加工される溝の両端面の品質が向上する。
【0042】
この後、ヘッド3を基板に対して相対的に移動させて、ツール2を次に下降すべき溝加工予定ライン上に移動させる。そして、前記同様に、ツール2を基板上の薄膜に押し付けて、前記とは逆方向にヘッド3を移動させる。
【0043】
この復動時(図2において左側への移動時)においては、ツール2の刃と基板上の薄膜との接触抵抗によって、揺動部材18はピン26を中心に反時計回りに揺動する。この揺動は、揺動部材18の当接部28の係合溝28aに、ストッパ27a側のネジ部材42の先端が当接することによって規制される。すなわち、ヘッド3の復動時には、揺動部材18は復動位置に位置する。そして、ネジ部材42の先端が揺動部材18の当接部28に形成された係合溝28aに係合した状態では、揺動部材18の移動方向と直交する方向の振れが規制される。このため、往動時と同様に、復動時におけるツール2の振れが規制され、加工される溝の両端面の品質が向上する。
【0044】
なお、溝加工中あるいは溝加工終了時において、各エア供給部34a,34bのエアノズル36からエアが噴出され、基板から剥離された膜が除去される。
【0045】
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0046】
(a)図5に他の実施形態を示している。この図5に示す実施形態では、1対のストッパの構成が前記実施形態と異なっており、他の構成は同様である。なお、図5(a)は揺動部材18の復動位置を示し、同図(b)は加工していない状態での中立位置を示し、同図(c)は往動位置を示している。
【0047】
ここでは、筒状部材50には、同軸の第1孔51、第2孔52、第3孔53が形成されている。孔径は、第1孔51が最も大きく、第2孔52が次に大きく、第3孔53が最も小さい。
【0048】
第1孔51にはピン55がスライド自在に挿入されている。ピン55の先端はほぼ円錐状に形成されており、この円錐状の先端部は揺動部材18の当接部28の係合溝28aに係合可能である。また、第2孔52にはスプリング56が挿入されており、ピン55を揺動部材18の当接部28に向かって付勢している。
【0049】
この実施形態では、往動時又は復動時には、前記実施形態と同様に、揺動部材18はスプリング56の付勢力に抗して揺動され、ピン55は筒状部材50の内部に押し込まれる。そして、ピン55の端面が第1孔51の底部に当接した状態で停止する。すなわち、揺動部材18は、往動位置(図5(c))又は復動位置(図5(a))の位置で停止する。
【0050】
一方、加工していない状態では、揺動部材18は、両側からピン55を介してスプリング56の付勢力によって押され、中立位置に維持される。
【0051】
この実施形態においても、前記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0052】
(b)振れ機構の構成は前記各実施形態に限定されない。例えば、揺動部材18の上方にガイド部材を設けて、揺動部材18の振れを規制するようにしてもよい。具体的には、ガイド部材の下部に、移動方向に沿って延び下方に開放するガイド溝が形成し、このガイド溝に揺動部材18の延長部25が嵌り込むようにすればよい。
【0053】
この場合は、揺動部材18の延長部25はガイド溝に沿って揺動する。このため、延長部25がガイド溝の両側壁によってガイドされ、揺動部材18及びツール2の振れを規制することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 テーブル
2 ツール
3 ヘッド
6 移動支持機構
17 ホルダ
18 揺動部材
28 当接部
28a 係合溝
42 ネジ部材
55 ピン
56 スプリング
図1
図2
図3
図4
図5