特許第5779502号(P5779502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5779502標的遺伝子由来配列を含む連結DNA断片の特異的作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779502
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】標的遺伝子由来配列を含む連結DNA断片の特異的作製方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20150827BHJP
   C12P 19/34 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   C12N15/00 A
   C12P19/34 AZNA
【請求項の数】39
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2011-529928(P2011-529928)
(86)(22)【出願日】2010年9月2日
(86)【国際出願番号】JP2010064994
(87)【国際公開番号】WO2011027808
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年7月26日
(31)【優先権主張番号】特願2009-205308(P2009-205308)
(32)【優先日】2009年9月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 信幸
(72)【発明者】
【氏名】磯部 正治
【審査官】 名和 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/091440(WO,A1)
【文献】 Nucleic Acids Res.,2004,32(2),e19
【文献】 Anal.Biochem.,2006,351(2),p.311-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片及び連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、上記連結DNA断片を得ることを含む、
連結DNA断片の製造方法。
【請求項2】
前記一方の会合可能な領域を「領域1」とし、他方の会合可能な領域を「領域2」とすると、前記連結DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するDNA断片である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
連結用DNA領域が2つの連結用DNA領域として配列Aおよび配列Bを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列P1およびT1を有し、他方が末端側から配列P2およびT2を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列VP1およびVT1を有し、他方が末端側から配列VP2およびVT2を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、配列VP2およびVT2は、配列P2およびT2とそれぞれ相同的な塩基配列を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片は、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1で表され、
前記連結DNA断片は、VT2−VP2(T2−P2)−配列B−配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子−VT2−VP2(T2−P2)−配列B−配列A−VP1−VT1(P1−T1)を少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VT2−VP2(T2−P2)は、T2−P2と相同的なVT2−VP2であることを意味し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
配列P2の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列BのVP2と隣接する配列と非相同的な配列であり、配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接すると非相同的な配列である請求項3または4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
連結DNA断片に含まれる少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを増幅するように、
連結DNA断片に含まれる異なる連結用DNA領域で機能するフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いてPCRを行い、
少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを含むDNA断片を製造する方法。
【請求項8】
請求項3に記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
配列Aの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むフォワードプライマー、および
配列Bの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列A、標的遺伝子の配列および配列Bが連結されたDNA断片を得ることを含むDNA断片を製造する方法。
【請求項9】
標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)連結用DNA領域1を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片1および連結用DNA領域2を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片2を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片2の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片並びに連結用二本鎖DNA断片1および2を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、上記連結DNA断片を得ることを含む、
連結DNA断片の製造方法。
【請求項10】
連結用DNA領域1が配列Aを含み、連結用DNA領域2が配列Bを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列P1およびT1を有し、他方が末端側から配列P2およびT2を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域は、末端側から配列VT1およびVP1を有し、連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域は、末端側から配列VT2およびVP2を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、配列VP2およびVT2は、配列P2およびT2とそれぞれ相同的な塩基配列を有する、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片1は、配列A−VP1−VT1で表され、前記連結用二本鎖DNA断片2は、VT2−VP2−配列Bで表され、
前記連結DNA断片は、配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子−VT2−VP2(T2−P2)−配列Bを少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VT2−VP2(T2−P2)は、T2−P2と相同的なVT2−VP2であることを意味し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
配列P2の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列BのVP2と隣接する配列と非相同的な配列であり、配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接する配列と非相同的な配列である請求項10または11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかに記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
連結DNA断片に含まれる少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを増幅するように、
連結DNA断片に含まれる異なる連結用DNA領域で機能するフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いてPCRを行い、
少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを含むDNA断片を製造する方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
配列Aの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むフォワードプライマー、および
配列Bの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列A、標的遺伝子の配列および配列Bが連結されたDNA断片を得ることを含むDNA断片を製造する方法。
【請求項16】
標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、前記標的遺伝子配列の一方の末端側に会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)連結用DNA領域を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片並びに連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を1回行ってヘテロ二本鎖DNA産物を得、次いで、
このヘテロ二本鎖DNA産物を鋳型としてポリメラーゼ連鎖反応を行うことで、上記片側連結DNA断片を得ることを含む、
片側連結DNA断片の製造方法。
【請求項17】
連結用DNA領域が配列Aを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、末端側から配列P1およびT1を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域は、末端側から配列VT1およびVP1を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、
前記ヘテロ二本鎖DNA産物を鋳型とするポリメラーゼ連鎖反応は、前記ヘテロ二本鎖DNA産物の標的遺伝子の一部を前記標的遺伝子の突出末端側に向かうよう3’端に含むプライマーおよび前記ヘテロ二本鎖DNA産物の配列Aの一部を前記標的遺伝子側に向かうよう3’端に含むプライマーを用いる、請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片は、配列A−VP1−VT1で表され、
前記片側連結DNA断片は、配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子を少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接すると非相同的な配列である請求項17または18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である請求項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
【請求項21】
標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片およびポリデオキシヌクレオチドに、デオキシヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを作用させて、標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片を得ることをさらに含む
(但し、前記標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片は、配列P1および配列P2を各末端に有し、前記配列P1の内側の一部に配列T1を有し、前記配列P2の内側の一部に配列T2を有し、かつ前記配列T1およびT2の一方又は両方は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する)、請求項3、4、10、または11に記載の製造方法。
【請求項22】
標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片およびポリデオキシヌクレオチドに、デオキシヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを作用させて、標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片を得ることをさらに含む
(但し、前記標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片は、配列P1を一方の末端に有し、前記配列P1の内側の一部に配列T1を有し、かつ前記配列T1は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する)、請求項17または18に記載の製造方法。
【請求項23】
前記配列T1および配列T2の一方または両方が、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する、請求項3、4、10、または11に記載の製造方法。
【請求項24】
前記配列P1および配列P2の一方または両方が、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する、請求項3、4、10、または11に記載の製造方法。
【請求項25】
前記配列P1およびP2は、独立に10塩基以上である、請求項3、4、10、11、17または18に記載の製造方法。
【請求項26】
前記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、
前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Aを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP1および領域VT1は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列を有する、請求項1〜25のいずれかに記載の製造方法。
【請求項27】
前記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、
前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Bを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP2および領域VT2は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列である、請求項26に記載の製造方法。
【請求項28】
請求項26または27に記載の方法で製造された連結DNA断片を用いて抗体またはT細胞受容体を製造する方法。
【請求項29】
(1)中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2)中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片
との組合体であって、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
【請求項30】
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
請求項29に記載の組合体。
【請求項31】
(1)中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2)連結用DNA領域1を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片1または連結用DNA領域2を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片2
との組合体であって、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
【請求項32】
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片2の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
請求項31に記載の組合体。
【請求項33】
(1)前記標的遺伝子配列の一方の末端側に会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2)連結用DNA領域を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片
との組合体であって、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
【請求項34】
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
請求項33に記載の組合体。
【請求項35】
前記連結用DNA領域は、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、及びHisタグからなるタグ配列、並びに菌や動物細胞内で遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列、及びポリA付加配列から成る群から選ばれる少なくとも1種の配列である請求項29〜34のいずれかに記載の組合体。
【請求項36】
求項29若しくは30に記載の組合体を含む、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
【請求項37】
求項31若しくは32に記載の組合体を含む、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
【請求項38】
求項33若しくは34に記載の組合体を含む、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
【請求項39】
前記連結用DNA領域は、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、及びHisタグからなるタグ配列、並びに菌や動物細胞内で遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列、及びポリA付加配列から成る群から選ばれる少なくとも1種の配列である請求項36〜38のいずれかに記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2009年9月4日出願の日本特願2009−205308号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、標的遺伝子由来配列を含む連結DNA断片の特異的作製方法に関するものであり、より詳しくは、非特異的増幅生成DNA断片共存下において、標的遺伝子断片を特異的に、他の目的DNA断片と特異的に連結させるための製造方法に関する。詳しくは、本発明は、(1)標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片と、標的遺伝子の各末端側に固有の塩基配列をその両末端側に含む連結用二本鎖DNA断片とから成る計2種類のDNA断片を用いて、標的遺伝子断片の各末端側に連結用二本鎖DNA断片を特異的に連結させて「連結DNA断片」を製造する方法;(2)標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片と、標的遺伝子の各末端側に固有の塩基配列をそれぞれ一方の末端側に含む2種の二本鎖DNA断片とからなる計3種類のDNA断片を用いて、標的遺伝子断片の各末端側にそれぞれの連結用二本鎖DNA断片を特異的に連結させて「連結DNA断片」を製造する方法;ならびに、(3)標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片と、標的遺伝子の一方の末端側に固有の塩基配列を一方の末端側に含む連結用二本鎖DNA断片とから成る計2種類のDNA断片を用いて、標的遺伝子断片の一方の末端側に連結用二本鎖DNA断片を特異的に連結させて「片側連結DNA断片」を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
DNAクローニングとは、一般的に、標的遺伝子断片をプラスミド、ファージ、コスミドなどの自己複製能を持つベクターに結合し、大腸菌などの宿主に導入して増殖させることにより、同じ遺伝子集団を作り出す技術を言う。大腸菌におけるクローニング及びサブクローニングは、重合酵素(ポリメラーゼ)連鎖反応(PCR)の方法などにより増幅された標的遺伝子断片を、DNAリガーゼを用いて複製開始点と抗生剤の選択標識を持ったベクターに結合して大腸菌細胞の中に導入した後、抗生剤耐性を調べることでクローニングされた菌体を選り分ける方法で行われる。
【0004】
既存のDNAクローニング法においては、挿入DNAとベクターを同じ認識部位の制限酵素で切断することや、制限酵素を選択するときにも挿入DNAやベクターの内部を切断しないものを選択すること、などが求められるといった制限がある。
【0005】
近年、特定の塩基配列を認識してDNA断片間の組換えを促すという配列特異的な遺伝子組換え酵素を用いた部位特異的組換え技術や相同組換え技術が標的遺伝子断片のクローニングに利用され、制限酵素等の処理を行うことなく、大量の遺伝子の素早いクローニング及び蛋白質の発現のために汎用され始めている。
【0006】
しかし、相同組換え技術を用いた場合であっても、大腸菌などの微生物を用いたプラスミドの増幅及び精製工程は必要であり、作業は依然として煩雑であり、経済性も悪い。
【0007】
大腸菌などの微生物を用いたプラスミドの増幅及び精製工程を行うことなく、標的遺伝子断片を標的遺伝子以外の特定の機能を有する1つまたは複数のDNA断片と、前記機能が発現し得る状態で連結させ、同じ塩基配列を有する遺伝子集団を製造する方法として、連結PCR法が知られている(特許文献1、並びに非特許文献1及び2を参照)。ここでは、「標的遺伝子以外の特定の機能を有するDNA断片」とは、プロモーター配列及びポリA付加配列である。
【0008】
特許文献1に記載の方法では、プロモーター配列、標的遺伝子配列及びポリA付加配列を独立に含む3種のDNA断片をRNA-DNAキメラプライマーを用いてPCR増幅する。次いで増幅されたDNA断片をRNaseにより処理することでRNAプライマー部位を除去し、各DNA断片末端に生じた3’突出領域の互いの相補性を利用し、DNAリガーゼを用いて3種のDNA断片を結合させている。これを鋳型としたPCRを行うことで、プロモーター配列、標的遺伝子配列およびポリA付加配列をこの順に機能的に連結させた連結DNA断片を大量に製造できる(特許文献1の図1を参照)。
【0009】
非特許文献1及び2では、遺伝子増幅に用いるプライマーの5’端側に連結される相手方のDNA断片の末端領域と相同的な配列を付加したプライマーを用い、プロモーター配列、標的遺伝子配列、及びポリA付加配列をそれぞれ独立に増幅している。これら3種のDNA断片を用いて、連結PCRを行うことにより、プロモーター配列、標的遺伝子配列及びポリA付加配列が機能的に連結された連結DNA断片を製造する方法が記載されている(非特許文献1のFigure 2及び非特許文献2のFig.1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開WO 03/091440号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Nikolai A. Shevchuk et al., Nucleic Acids Research, 2004, Vol. 32, No. 2 e19
【非特許文献2】H.-X. Liao et al., Journal of Virological Methods, 158, (2009), pp.171-179
【0012】
特許文献1並びに非特許文献1〜2の全記載は、ここに特に開示として援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
標的遺伝子断片は一般にPCR産物として調製されるが、PCRの際のプライマーの鋳型への結合の特異性が低い場合や鋳型にプライマー配列と類似した配列が複数存在する場合などでは、非特異的増幅反応が生じる結果、両端のプライマー配列に挟まれた領域が、クローニングの対象である標的遺伝子でない非特異的増幅生成DNA断片が生じ得る。
【0014】
従来の連結PCR法では、各DNA断片を増幅するために使用されるプライマー中に、連結に利用するための配列が付加されている。本プライマーを用いて増幅された個々のDNA断片には、異なるDNA断片とハイブリダイズするための配列がDNA断片末端側に導入される。次に増幅されたDNA断片を混合して連結PCRを行うことで、2種類以上のDNA断片が結合した「連結DNA断片」が形成される。
【0015】
しかし上記の方法では、遺伝子増幅反応により得られたPCR産物のプライマー配列に挟まれた領域が標的遺伝子に由来する配列でない断片についても、標的遺伝子断片と同様に「連結DNA断片」が形成される。
【0016】
また仮に遺伝子増幅反応により標的遺伝子断片のみが増幅された場合であっても、反応液中には遺伝子増幅に用いられたプライマーが残存しており、これを除去することなく連結PCR反応を行うと、「連結DNA断片」の構成要素である各DNA断片の増幅が「連結DNA断片」の増幅に優先して生じるため、目的とする標的遺伝子に由来する配列を含む「連結DNA断片」の形成は困難である。
【0017】
従って上記特許文献及び非特許文献に記載の方法では、標的遺伝子断片のPCR増幅後、PCR増幅産物は、プライマー及び非標的遺伝子配列を含むDNA断片の混入の影響が無視できる程度に精製されなければならない。
【0018】
以上の通り、2本以上の二本鎖DNA断片を結合させた「連結DNA断片」を従前の方法で製造するには、標的遺伝子以外の特定の機能を有する1つまたは複数のDNA断片と連結する前の工程の一つとして、非標的遺伝子配列を含むDNA断片、及び標的遺伝子増幅に用いたプライマーの混在が連結反応に与える影響を無視できる程度に、PCR増幅産物に含まれる標的遺伝子配列を含むDNA断片を精製することが求められる。しかし、標的遺伝子断片の長さが非標的遺伝子断片の長さと類似している場合には標的遺伝子断片の分離が困難である。そのため、このような場合には、目的とする標的遺伝子に由来する配列を含む「連結DNA断片」のみを得ることが不可能となる。
【0019】
そこで、本発明の目的は、標的遺伝子配列を含むPCR増幅産物に一つ以上の二本鎖DNA断片を結合させて、目的とする標的遺伝子に由来する配列を含む「連結DNA断片」を作製する方法であって、前記PCR増幅産物を精製することなく、前記「連結DNA断片」を特異的に作製できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、鋭意研究を積み重ねた結果、
標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片と
この二本鎖遺伝子断片と連結するための連結用DNA領域を含む連結用二本鎖DNA断片とを連結するに当たり、
(1)前記二本鎖遺伝子断片として、中央部に標的遺伝子を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子に含まれる固有の配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)前記二本鎖DNA断片として、中央部に連結用DNA領域を少なくとも1つ含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の前記一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の前記他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片及び連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、
前記二本鎖遺伝子断片に、非標的遺伝子を含む遺伝子断片や、前記二本鎖遺伝子断片をPCRで増幅するために用いたプライマーが共存している場合であっても、
非標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域が連結した連結DNA断片の非特異的な生成は抑制し、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた、目的とする連結DNA断片を特異的に得ることに成功し、本発明の第1の態様(請求項1に記載の発明)を完成した。
【0021】
ここで一方の会合可能な領域を「領域1」、他方の会合可能な領域を「領域2」とすると、3’端突出二本鎖遺伝子断片は、模式的に領域1-標的遺伝子-領域2で示される配列を有し、連結用二本鎖DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を有し、連結DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するものである。
【0022】
さらに、連結用DNA領域が2つの連結用DNA領域1及び2を含む、模式的に領域2-連結用DNA領域2-連結用DNA領域1-領域1で示される配列を有する場合には、模式的に領域2-連結用DNA領域2-連結用DNA領域1-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域2-連結用DNA領域1-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するものとなる。
【0023】
さらに本発明者らは、上記本発明の第1の態様における連結用二本鎖DNA断片を、模式的に領域1-連結用DNA領域1及び連結用DNA領域2-領域2でそれぞれ示される配列を有する2つの連結用二本鎖DNA断片1および2に分けることでも、非標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2が連結した連結DNA断片の非特異的な生成を抑制して、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた、目的とする連結DNA断片を特異的に得ることに成功し、本発明の第2の態様(請求項9に記載の発明)を完成した。
【0024】
ここで得られる連結DNA断片は、模式的に連結用DNA領域1-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域2で示される配列を有するものである。
【0025】
加えて本発明者らは、上記本発明の第2の態様における、2つに分けたいずれか一方の連結用二本鎖DNA断片、模式的に領域1-連結用DNA領域1または連結用DNA領域2-領域2で示される配列を用いることで、非標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1または2を連結させた連結DNA断片の非特異的な生成を抑制して、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1または2を連結させた、目的とする片側連結DNA断片を特異的に得ることに成功し、本発明の第3の態様(請求項16に記載の発明)を完成した。
【0026】
さらに本発明は、上記本発明の第1の態様〜第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片、連結用二本鎖DNA断片及びこれらの組合体、さらにはこれらを含むキットを包含する。
【0027】
本発明は以下のとおりである。
[1]
標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片及び連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、上記連結DNA断片を得ることを含む、
連結DNA断片の製造方法。
[2]
前記一方の会合可能な領域を「領域1」とし、他方の会合可能な領域を「領域2」とすると、前記連結DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するDNA断片である、[1]に記載の製造方法。
[3]
連結用DNA領域が2つの連結用DNA領域として配列Aおよび配列Bを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列P1およびT1を有し、他方が末端側から配列P2およびT2を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列VP1およびVT1を有し、他方が末端側から配列VP2およびVT2を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、配列VP2およびVT2は、配列P2およびT2とそれぞれ相同的な塩基配列を有する、[1]に記載の製造方法。
[4]
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片は、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1で表され、
前記連結DNA断片は、VT2−VP2(T2−P2)−配列B−配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子−VT2−VP2(T2−P2)−配列B−配列A−VP1−VT1(P1−T1)を少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VT2−VP2(T2−P2)は、T2−P2と相同的なVT2−VP2であることを意味し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、[3]に記載の製造方法。
[5]
配列P2の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列BのVP2と隣接する配列と非相同的な配列であり、配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接すると非相同的な配列である[3]または[4]に記載の製造方法。
[6]
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
連結DNA断片に含まれる少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを増幅するように、
連結DNA断片に含まれる異なる連結用DNA領域で機能するフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いてPCRを行い、
少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを含むDNA断片を製造する方法。
[8]
[3]に記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
配列Aの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むフォワードプライマー、および
配列Bの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列A、標的遺伝子の配列および配列Bが連結されたDNA断片を得ることを含むDNA断片を製造する方法。
[9]
標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)連結用DNA領域1を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片1および連結用DNA領域2を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片2を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片2の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片並びに連結用二本鎖DNA断片1および2を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、上記連結DNA断片を得ることを含む、
連結DNA断片の製造方法。
[10]
連結用DNA領域1が配列Aを含み、連結用DNA領域2が配列Bを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、一方が末端側から配列P1およびT1を有し、他方が末端側から配列P2およびT2を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域は、末端側から配列VT1およびVP1を有し、連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域は、末端側から配列VT2およびVP2を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、配列VP2およびVT2は、配列P2およびT2とそれぞれ相同的な塩基配列を有する、[9]に記載の製造方法。
[11]
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片1は、配列A−VP1−VT1で表され、前記連結用二本鎖DNA断片2は、VT2−VP2−配列Bで表され、
前記連結DNA断片は、配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子−VT2−VP2(T2−P2)−配列Bを少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VT2−VP2(T2−P2)は、T2−P2と相同的なVT2−VP2であることを意味し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、[10]に記載の製造方法。
[12]
配列P2の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列BのVP2と隣接する配列と非相同的な配列であり、配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接する配列と非相同的な配列である[10]または[11]に記載の製造方法。
[13]
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である[9]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[14]
[9]〜[13]のいずれかに記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
連結DNA断片に含まれる少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを増幅するように、
連結DNA断片に含まれる異なる連結用DNA領域で機能するフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いてPCRを行い、
少なくとも1つの少なくとも一部の連結用DNA領域と標的遺伝子の配列の全てを含むDNA断片を製造する方法。
[15]
[10]に記載の方法で製造した連結DNA断片を鋳型として、
配列Aの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むフォワードプライマー、および
配列Bの塩基配列の一部を標的遺伝子に向かうように3’端に含むリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列A、標的遺伝子の配列および配列Bが連結されたDNA断片を得ることを含むDNA断片を製造する方法。
[16]
標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法であって、
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、前記標的遺伝子配列の一方の末端側に会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片を準備し、
(2)連結用DNA領域を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備し、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片並びに連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を1回行ってヘテロ二本鎖DNA産物を得、次いで、
このヘテロ二本鎖DNA産物を鋳型としてポリメラーゼ連鎖反応を行うことで、上記片側連結DNA断片を得ることを含む、
片側連結DNA断片の製造方法。
[17]
連結用DNA領域が配列Aを含み、
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域は、末端側から配列P1およびT1を有し、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、
前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域は、末端側から配列VT1およびVP1を有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、
前記ヘテロ二本鎖DNA産物を鋳型とするポリメラーゼ連鎖反応は、前記ヘテロ二本鎖DNA産物の標的遺伝子の一部を前記標的遺伝子の突出末端側に向かうよう3’端に含むプライマーおよび前記ヘテロ二本鎖DNA産物の配列Aの一部を前記標的遺伝子側に向かうよう3’端に含むプライマーを用いる、[16]に記載の製造方法。
[18]
前記3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子で表され、
前記連結用二本鎖DNA断片は、配列A−VP1−VT1で表され、
前記片側連結DNA断片は、配列A−VP1−VT1(P1−T1)−標的遺伝子を少なくとも1つ有するDNA断片である、但し、VP1−VT1(P1−T1)は、T1−P1と相同的なVT1−VP1であることを意味する、[17]に記載の製造方法。
[19]
配列P1の3’端にある突出末端のDNA合成反応において鎖伸長機能を有さない配列は前記配列AのVP1と隣接すると非相同的な配列である[17]または[18]に記載の製造方法。
[20]
前記突出末端は、3’端にダイデオキシヌクレオチドを含む配列である[16]〜[18]のいずれかに記載の製造方法。
[21]
標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片およびポリデオキシヌクレオチドに、デオキシヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを作用させて、標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片を得ることをさらに含む
(但し、前記標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片は、配列P1および配列P2を各末端に有し、前記配列P1の内側の一部に配列T1を有し、前記配列P2の内側の一部に配列T2を有し、かつ前記配列T1およびT2の一方又は両方は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する)、[3]、[4]、[10]、または[11]に記載の製造方法。
[22]
標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片およびポリデオキシヌクレオチドに、デオキシヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを作用させて、標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片を得ることをさらに含む
(但し、前記標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片は、配列P1を一方の末端に有し、前記配列P1の内側の一部に配列T1を有し、かつ前記配列T1は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する)、[17]または[18]に記載の製造方法。
[23]
前記配列T1および配列T2の一方または両方が、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する、[3]、[4]、[10]、または[11]に記載の製造方法。
[24]
前記配列P1および配列P2の一方または両方が、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する、[3]、[4]、[10]、または[11]に記載の製造方法。
[25]
前記配列P1およびP2は、独立に10塩基以上である、[3]、[4]、[10]、[11]、[17]または[18]に記載の製造方法。
[26]
前記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、
前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Aを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP1および領域VT1は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列を有する、[1]〜[25]のいずれかに記載の製造方法。
[27]
前記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、
前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Bを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP2および領域VT2は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列である、[26]に記載の製造方法。
[28]
[26]または[27]に記載の方法で製造された連結DNA断片を用いて抗体またはT細胞受容体を製造する方法。
[29]
標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片。
[30]
中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片。
[31]
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2) 中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片
との組合体であって、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
[32]
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
[31]に記載の組合体。
[33]
連結用DNA領域1を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片1または連結用DNA領域2を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片2。
[34]
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、中央部に標的遺伝子配列を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有し、前記会合可能な2つの領域は互いに会合しない塩基配列を有し、かつ一方または両方の領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2)連結用DNA領域1を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片1または連結用DNA領域2を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片2
との組合体であって、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
[35]
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片2の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
[34]に記載の組合体。
[36]
標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、前記標的遺伝子配列の一方の末端側に会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片。
[37]
連結用DNA領域を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片。
[38]
(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、前記標的遺伝子配列の一方の末端側に会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片と
(2)連結用DNA領域を含み、末端側に会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片
との組合体であって、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法に用いられる組合体。
[39]
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
[38]に記載の組合体。
[40]
前記連結用DNA領域は、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、Hisタグ等の各種タグ配列や、菌や動物細胞内で種々の遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列、ポリA付加配列等から成る群から選ばれる少なくとも1種の配列である[30]〜[35]、[37]〜[39]のいずれかに記載の連結用二本鎖DNA断片または組合体。
[41]
[29]に記載の3’端突出二本鎖遺伝子断片、[30]に記載の連結用二本鎖DNA断片、または[31]若しくは32に記載の組合体を含む、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
[42]
[29]に記載の3’端突出二本鎖遺伝子断片、[33]に記載の連結用二本鎖DNA断片、または[34]若しくは[35]に記載の組合体を含む、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
[43]
[36]に記載の3’端突出二本鎖遺伝子断片、[37]に記載の連結用二本鎖DNA断片、または[38]若しくは[39]に記載の組合体を含む、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を製造する方法に用いられるキット。
[44]
前記連結用DNA領域は、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、Hisタグ等の各種タグ配列や、菌や動物細胞内で種々の遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列、ポリA付加配列等から成る群から選ばれる少なくとも1種の配列である[41]〜[43]のいずれかに記載のキット。
【発明の効果】
【0028】
本発明の方法によれば、非特異的な増幅で得られた遺伝子増幅産物共存下において、標的遺伝子増幅産物を特異的に連結用DNA断片に連結させることができる。本発明の方法によれば、標的遺伝子について、標的遺伝子配列を含むDNA断片の精製の有る無しに係わらずに、例えば、連結用DNA断片に含まれていた配列A及び配列Bを、配列A−標的遺伝子配列−配列Bがこの順に機能的に連結した連結DNA断片を特異的に製造できる。
【0029】
さらに、本発明によれば、配列Aをプロモーター配列、配列BをポリA付加配列とすることで、配列A−標的遺伝子配列−配列Bがこの順に機能的に連結した連結DNA断片を宿主細胞に導入すれば、標的遺伝子配列を発現させることができる。後に詳述するが、上記配列をこの順に機能的に連結させた配列を有する二本鎖DNAの単位が、上記のようにプロモーター配列およびポリA付加配列を機能的に連結させた配列のように、この標的遺伝子配列の発現に必要な最小構成の二本鎖DNA断片からなる場合、これを本発明では発現ユニットと呼ぶことがある。
【0030】
上記発現ユニットは、大腸菌を用いて調製された環状型ベクターと異なり、試験管内で合成された線状二本鎖DNA断片であることから、エンドトキシン等の菌体に由来する有害物質の混入が無い。その結果、標的遺伝子がコードする蛋白質を有害物質の影響が無い状態で宿主細胞を用いて特異的かつ大量に生産させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の第1の態様を説明するための反応スキームである。
図2図2は、本発明の第1の態様の1つの実施態様を説明するための反応スキームである。
図3図3は、本発明の第1の態様の1つの実施態様において、熱変性、再会合及びDNA合成反応において核酸伸長産物が生じず、連結DNA断片が得られない場合を説明するための反応スキームである。
図4図4は、本発明の第1の態様の1つの実施態様によって得られた連結DNA断片から、所望の二本鎖DNA断片を得るための方法を説明するための反応スキームである。
図5図5は、本発明の第1の態様の1つの実施態様によって得られた連結DNA断片から、所望の二本鎖DNA断片を得るための方法において、所望の二本鎖DNA断片が得られない場合を説明するための反応スキームである。
図6図6は、本発明の第2の態様の1つの実施態様を説明するための反応スキームである。
図7図7は、本発明の第3の態様の1つの実施態様を説明するための反応スキームである。
図8図8は、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片と、標的及び非標的遺伝子断片の混合物を該選択的連結方法に供して得た増幅産物をアガロースゲル電気泳動で確認した図である。レーン1:3’端ポリヌクレオチド付加標的遺伝子断片1をヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に連結させることで得られた、プロモーター−ヒトγ鎖遺伝子−ポリA付加配列から成る連結単位(ヒトγ鎖遺伝子発現ユニット)、レーン2:3’端ポリヌクレオチド付加非標的遺伝子断片2をヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に連結することで得られた連結単位:レーン3:標的遺伝子断片1をヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に連結することで得られたヒトγ鎖遺伝子発現ユニット、レーン4:非標的遺伝子断片2をヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に連結することで得られた連結単位
図9図9は、3’端ポリヌクレオチド付加標的遺伝子断片1とヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の結合により生じたヒトγ鎖遺伝子発現ユニットの重合体をミスマッチプライマーまたは通常のプライマーを用いてPCRに供し、増幅されたDNAをアガロースゲル電気泳動で確認した図である。レーン1及び2:プライマーE及びFを用いたヒトγ鎖遺伝子発現ユニットの増幅、レーン3及び4:プライマーG及びHを用いたヒトγ鎖遺伝子発現ユニットの増幅
図10図10は、標的遺伝子断片1の塩基配列の説明図である。
図11図11は、非標的遺伝子断片2の塩基配列の説明図である。
図12図12は、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の塩基配列の説明図である。
図13図13は、磁気ビーズを用いたcDNA合成法(免疫グロブリン可変領域増幅法)の説明図である。
図14図14は、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の製造方法の模式図である。
図15図15は、例3において、ヒトプラズマ細胞1及び2よりγ鎖及びκ鎖可変領域を増幅した結果を示した図である。
図16図16は、ヒトκ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の塩基配列の説明図である。
図17図17は、例3において、増幅されたγ鎖及びκ鎖可変領域を発現ユニットに変換した結果を示した図である。
図18図18は、例3において、ELAISA法を用いて細胞培養液中に分泌された組み換えヒト免疫グロブリンを測定した結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[用語の定義]
本明細書において、以下の用語は以下に示す意味を有するものとする。
「標的遺伝子配列」とは、本発明の方法において、連結用二本鎖DNA断片を連結させた連結DNA断片を特異的に得たい遺伝子の配列である。標的遺伝子配列の例は後述する。
「二本鎖遺伝子断片」とは、標的遺伝子配列を含む二本鎖の遺伝子断片である。
「3’端突出二本鎖遺伝子断片」とは、二本鎖遺伝子断片の両方の3’端に突出末端を有する遺伝子断片である。
「連結用二本鎖DNA断片」とは、本発明の方法において、連結DNA断片を得るために標的遺伝子配列に連結させるDNA断片である。
「会合可能な領域」とは、後述する「熱変性、再会合及びDNA合成反応」における再会合(アニーリング)において、連結用二本鎖DNA断片が有する2つの「会合可能な領域」の一方と会合し得る領域である。
「標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列」とは、標的遺伝子配列に含まれる、標的遺伝子が本来有する塩基配列である。
「連結DNA断片」とは、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた二本鎖連結DNA断片である。
「片側連結DNA断片」とは、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた二本鎖連結DNA断片である。
「連結単位」とは、配列A−標的遺伝子−配列Bを意味する。
「連結単位重合体」とは、複数の連結単位が連なったDNA断片を意味する。
「センス鎖」とは、二本鎖DNAの任意の一方の一本鎖DNA鎖を意味し、「アンチセンス鎖」とは、任意の一方の一本鎖DNA鎖が「センス鎖」である場合の二本鎖DNAの他方の一本鎖DNA鎖を意味する。
「領域」は、該当する箇所のセンス鎖の配列とアンチセンス鎖の配列からなる部分を意味する。
上記以外の用語についても、以下の明細書中で定義している用語は、その定義の意味で用いられる。
【0033】
[本発明の第1の態様]
本発明の第1の態様について、以下に詳細に説明する。
本発明の第1の態様は、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」及び「連結用二本鎖DNA断片」から、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた「連結DNA断片」を製造する方法である。(図1参照)
【0034】
「3’端突出二本鎖遺伝子断片」
本発明の第1の態様では、(1)標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」を準備する。「3’端突出二本鎖遺伝子断片」は、図1の最上段に示すように、中央部に標的遺伝子配列を含み、両方の末端側に会合可能な領域(会合可能な領域1および会合可能な領域2)をそれぞれ有する。
【0035】
本発明における「標的遺伝子配列」は、特に制限されない。「標的遺伝子配列」は、例えば、抗体遺伝子の配列であることができ、抗体遺伝子の配列の一方の末端に位置する配列は、抗体遺伝子の定常領域由来の配列であることができる。「標的遺伝子配列」は、抗体遺伝子の配列以外に、T細胞受容体遺伝子、スプライシングバリアント等の、プライマー領域及びそれに隣接する内側の配列が一定であるが、内部に可変部位を持つDNA配列であることもできる。
【0036】
「会合可能な領域」とは、後述する「熱変性、再会合及びDNA合成反応」における再会合(アニーリング)において、連結用二本鎖DNA断片が有する2つの「会合可能な領域」の一方と会合し得る領域である。3’端突出二本鎖遺伝子断片の「会合可能な領域」と連結用二本鎖DNA断片の「会合可能な領域」の会合関係は後述する。
【0037】
「3’端突出二本鎖遺伝子断片」の両末端の会合可能な2つの領域は、互いに会合しない塩基配列を有する。「互いに会合しない塩基配列」とは、一方の「会合可能な領域」のセンス鎖およびアンチセンス鎖のいずれもが、他方の「会合可能な領域」のセンス鎖およびアンチセンス鎖のいずれもと会合しない塩基配列を意味する。
【0038】
さらに、3’端突出二本鎖遺伝子断片の「会合可能な領域」の一方または両方は、少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列である。「標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列」とは、標的遺伝子配列に含まれる、標的遺伝子が本来有する塩基配列である。「会合可能な領域」が含む標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列は、標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片から「3’端突出二本鎖遺伝子断片」が準備される際に、標的遺伝子配列を含む二本鎖遺伝子断片に含まれていた塩基配列をそのまま保存して残された配列である。「3’端突出二本鎖遺伝子断片」には、「会合可能な領域」の上記塩基配列以外に、標的遺伝子配列も保存されて残っていることは言うまでもない。換言すると、「会合可能な領域」の上記塩基配列は、標的遺伝子配列の一部であるとも言える。本発明の第1の態様の方法で製造した「連結DNA断片」から、さらなる追加の工程(さらなる追加の工程については後述する)を経て、最終的に目的とする標的遺伝子配列からこの標的遺伝子配列がコードするタンパク質を発現させる場合、上記「会合可能な領域」に含まれる「標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列」がコードする部分も、発現するタンパク質の一部となる場合がある。
【0039】
3’端突出二本鎖遺伝子断片は、両方の会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する。この突出末端は、ヌクレオチドの一本鎖からなり、それぞれ、一方の末端は、「会合可能な領域」の3’端に結合し、他方の末端、即ち、3’端は未結合の開放状態である。
【0040】
上記突出末端は、連結用二本鎖DNA断片が有する会合可能な領域との間で、以下の(3-2)および(3-4)の関係を有する。
(3-2)3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない。
(3-4)3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない。
【0041】
本発明において、「DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない」配列とは、相手側の一本鎖とハイブリダイズせず、その結果、相手側の一本鎖を鋳型としてDNA合成反応において鎖伸長が生じないことを意味する。例えば、互いにDNA同士である場合に、相手側の一本鎖と少なくとも一つのヌクレオチドが相補的でない配列は、「DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない」配列である。但し、ハイブリダイズの条件は、1サイクル目の熱変性、再会合及びDNA合成反応における再会合の条件である。1サイクル目の再会合の条件は、後述する。あるいは、3’端がDNA合成反応において次のヌクレオチドを付加できない構造を有するヌクレオチド、例えば、ダイデオキシヌクレオチドである配列は、「DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない」配列である。
【0042】
突出末端と連結用二本鎖DNA断片が有する会合可能な領域とが、上記(3-2)および(3-4)の関係を有することで、PCRで調製された3’端突出二本鎖遺伝子断片に、標的遺伝子に相当する領域に非標的遺伝子を含む非標的3’端突出二本鎖遺伝子断片や、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の元となる二本鎖遺伝子断片をPCRで増幅するために用いたプライマーが共存している場合であっても、2サイクル行われる、熱変性、再会合及びDNA合成反応において、非標的3’端突出二本鎖遺伝子断片を鋳型とした、非標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域が連結した非標的連結DNA断片の生成を抑制できる。その結果、非標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域が連結した非標的連結DNA断片の非特異的な生成を抑制できる。より具体的な説明は後述する。
【0043】
「連結用二本鎖DNA断片」
(2)本発明では、中央部に連結用DNA領域を含み、両末端側にそれぞれ会合可能な領域を有する連結用二本鎖DNA断片を準備する。連結用二本鎖DNA断片は、図1の上から2番目に示すように、連結用DNA領域の両方の末端側に会合可能な領域(会合可能な領域1および会合可能な領域2)をそれぞれ有する。
【0044】
連結用DNA領域は、標的遺伝子の両方の側に連結して、連結DNA断片に追加の機能を付与できるDNA領域であれば特に制限はない。連結用DNA領域は、例えば、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、Hisタグ等の各種タグ配列や、菌や動物細胞内で種々の遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列、ポリA付加配列等を挙げることができる。
【0045】
前述のように、一方の会合可能な領域を「領域1」、他方の会合可能な領域を「領域2」とすると、3’端突出二本鎖遺伝子断片は、模式的に領域1-標的遺伝子-領域2で示される配列を有し、連結用二本鎖DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を有し、連結DNA断片は、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するものである。したがって、例えば、連結用DNA領域が蛍光タンパク質遺伝子である場合には、連結DNA断片は、領域2-蛍光タンパク質遺伝子-領域1-標的遺伝子-領域2-蛍光タンパク質遺伝子-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するものになる。
【0046】
また、標的遺伝子を宿主細胞で発現させ、標的遺伝子がコードするタンパク質を調製したい場合には、連結用DNA領域としてポリA付加配列とプロモーターの2つの連結用DNA領域1及び2を含む連結用二本鎖DNA断片を用いる。この場合、連結用二本鎖DNA断片は模式的に領域2-ポリA付加配列-プロモーター-領域1で示される配列を有する。この連結用二本鎖DNA断片を用いると、連結DNA断片は、模式的に領域2-ポリA付加配列-プロモーター-領域1-標的遺伝子-領域2-ポリA付加配列-プロモーター-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するものとなる。
【0047】
次に、3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域と、連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域との関係について説明する。
【0048】
まず、本明細書において、二本鎖遺伝子断片および連結用二本鎖DNA断片における「会合可能な領域」とは、後述する「熱変性、再会合及びDNA合成反応」における再会合において、再会合に先立つ熱変性において、一本鎖に解離させたDNA(遺伝子)断片が、相補的な塩基配列を有する一本鎖の遺伝子(DNA)断片と、ハイブリダイズして二本鎖を形成できる領域を意味する。但し、会合可能であるか否かは、互いに相補的な塩基配列を有する二本の一本鎖DNA(遺伝子)断片の長さや塩基配列にもよるが、再会合の条件は、一本鎖となった会合可能な領域の長さが11ヌクレオチド以上で、再会合時のアニーリング温度が計算されたTm値より0℃から20℃低い温度である場合に、会合し得ることを意味するものとする。
【0049】
本発明の第1態様においては、3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域と、連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域とは、以下の(3-1)および(3-3)の関係を有する。
(3-1)3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域(図1中の会合可能領域1)は、連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域(図1中の会合可能領域1v)と相同的な塩基配列からなるが、3’突出末端と結合する末端側が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側である。即ち、3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域(会合可能領域1)と連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域(会合可能領域1v)とは、相同的な塩基配列からなる。しかし、3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域の末端側が、連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域では、連結用DNA領域と結合する側(内側)に位置する。
【0050】
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域(図1中の会合可能領域2)は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域(図1中の会合可能領域2v)と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側である。上記(3-1)と同様に、3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域(会合可能領域2)と連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域(会合可能領域2v)とは、相同的な塩基配列からなる。しかし、3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域の末端側が、連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域では、連結用DNA領域と結合する側(内側)に位置する。
【0051】
本発明の第1態様においては、3’端突出二本鎖遺伝子断片の会合可能な領域と、連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域とが、上記(3-1)および(3-3)の関係を有することで、2サイクル行われる、熱変性、再会合及びDNA合成反応によって、標的遺伝子が、両側を領域2-連結用DNA領域-領域1で挟まれた、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有する連結DNA断片が得られる。より具体的な説明は後述の具体例において行う。
【0052】
「熱変性、再会合及びDNA合成反応」
本発明の第1の態様においては、(4)上記3’端突出二本鎖遺伝子断片及び連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を少なくとも2回行うことで、上記連結DNA断片を得ることを含む。図1には、熱変性、再会合及びDNA合成反応を2回行う例を示す。熱変性、再会合及びDNA合成反応の詳細な条件については、後述する。この方法で製造される連結DNA断片は、図1の最下段に示すように、前記一方の会合可能な領域(会合可能領域1)を「領域1」とし、他方の会合可能な領域(会合可能領域2)を「領域2」とすると、模式的に領域2-連結用DNA領域-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域-領域1で示される配列を少なくとも1つ有するDNA断片になる。
【0053】
「第1の態様の実施態様」
本発明の第1の態様の1つの実施態様を、図2を参照して、さらに詳細に説明する。
図2に示す実施態様では、
(i)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能領域1は、末端側から配列P1およびT1を有し、他方の会合可能領域2が末端側から配列P2およびT2を有する。そして、配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有し、好ましくは配列T1および配列T2の両方ともが標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列を有する。さらに、3’端突出二本鎖遺伝子断片は、一方の鎖の配列P2の3’端に突出末端として1ヌクレオチド以上の配列NNNNNを有し、かつ、他方の鎖の前記配列P1の3’端に突出末端として1ヌクレオチド以上の配列NNNNNを有する。尚、NNNNNは、1ヌクレオチド以上の配列を意味するものであり、ヌクレオチドが5であることを意味するものではない。
【0054】
(ii)前記連結用二本鎖DNA断片の連結用DNA領域が連結用DNA領域として配列Aおよび配列Bを含み、
(iii)前記連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能領域1vは、末端側から配列VT1およびVP1を有し、他方の会合可能領域2vは末端側から配列VT2およびVP2をを有し、配列VP1およびVT1は、配列P1およびT1とそれぞれ相同的な塩基配列を有し、配列VP2およびVT2は、配列P2およびT2とそれぞれ相同的な塩基配列を有する。
【0055】
さらに、上記具体的態様では、
3’端突出二本鎖遺伝子断片は、P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で表される(但し、ここでは、3’端突出末端は表示されていない。3’端突出末端をNNNNNと表記すると、NNNNN−P1−T1−標的遺伝子−T2−P2−NNNNNと示すことができる)。また、連結用二本鎖DNA断片は、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1で表される。そして、連結DNA断片は、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1−標的遺伝子−VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1で表される配列を少なくとも1つ有するDNA断片である。但し、VT2−VP2とT2−P2とは、相同的な配列であり、VP1−VT1とP1−T1は、相同的な配列であることから、連結DNA断片は、T2−P2−配列B−配列A−P1−T1−標的遺伝子−T2−P2−配列B−配列A−P1−T1で表される配列を少なくとも1つ有するDNA断片である、とも言える。
【0056】
<実施態様における3’端突出二本鎖遺伝子断片>
3’端突出二本鎖遺伝子断片についてさらに詳細に説明する。
配列P1およびP2は、プライミングされるべきプライマーに特異的にハイブリダイズされる配列および長さであれば特に制限はなく、長さについては、たとえば、10塩基以上であり、好ましくは10〜100塩基であり、より好ましくは15〜50塩基であり、さらに好ましくは15〜30塩基である。領域P1およびP2の一方または両方は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有してもよい。また、領域P1およびP2の一方または両方のすべての配列が、標的遺伝子の配列の一部の配列であってもよい。なお、後述するように、領域P1およびP2は、それぞれ、連結用二本鎖DNA断片の領域VP1およびVP2と相同的な塩基配列からなる。
【0057】
3’端突出二本鎖遺伝子断片は、配列P1の内側に配列T1を有し、配列P2の内側に配列T2を有する。これら配列T1およびT2の一方又は両方は、標的遺伝子に固有の塩基配列を有する。配列P1と配列T1との間、配列P2と配列T2との間、配列T2が標的遺伝子に固有の配列を有する場合における配列T1と標的遺伝子の配列との間、配列T1が標的遺伝子に固有の配列を有する場合における配列T2と標的遺伝子の配列との間には、熱変性・再会合・DNA合成反応において、3’端突出二本鎖遺伝子断片の各鎖とVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の各鎖との二本鎖形成を妨げない範囲において、スペーサー配列などの配列を有してもよい。配列T1およびT2の詳細は、後述する。
【0058】
3’端突出二本鎖遺伝子断片の3’突出末端は、例えば、配列P1及び配列P2のそれぞれの3’末端に設けられた連結用二本鎖DNA断片の配列とは異なる少なくとも1個以上のヌクレオチドからなる配列である。この3’突出末端は、上述した通り、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1との熱変性・再会合・DNA合成反応において、3’端突出二本鎖遺伝子断片の各鎖の両3’末端を基点とした核酸伸長を防止するために設けられている。
したがって、3’端突出二本鎖遺伝子断片のアンチセンス鎖と表示した鎖の3’末端に設けられたヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖NNNNNは、連結用二本鎖DNA断片VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のセンス鎖と表示した鎖の配列VP1の5’側(配列A側)の配列と、非相補的なヌクレオチドまたは少なくとも1部が非相補的な配列のヌクレオチド鎖であれば特に制限はなく、長さについては、たとえば、1塩基以上であり、好ましくは2〜100塩基であり、より好ましくは5〜50塩基である。
同様に、3’端突出二本鎖遺伝子断片のセンス鎖と表示した鎖の3’末端に設けられたヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖NNNNNは、連結用二本鎖DNA断片VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のアンチセンス鎖の領域VP2の5’側(配列B側)に連結された配列と、非相補的なヌクレオチドまたは少なくとも1部が非相補的な配列のヌクレオチド鎖であれば特に制限はなく、長さについては、たとえば、1塩基以上であり、好ましくは2〜100塩基であり、より好ましくは5〜50塩基である。
【0059】
また配列P1(P2)の3’突出末端に設けられたヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖の3’端のヌクレオチドが、ダイデオキシヌクレオチドのように、配列P1(P2)の3’端からのDNA伸長反応を阻止できる化合物であることもできる。この場合、配列P1の3’末端に設けられたヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖NNNNNは、連結用二本鎖DNA断片VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のセンス鎖と表示した鎖の配列VP1の5’側(配列A側)の配列と相補的なヌクレオチドであることもできる。同様に、配列P2の3’末端に設けられたヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖NNNNNは、連結用二本鎖DNA断片VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のアンチセンス鎖と表示した鎖の配列VP2の5’側(配列A側)の配列と相補的なヌクレオチドであることもできる。
【0060】
3’端突出二本鎖遺伝子断片の製造方法は特に制限されないが、例えば、標的遺伝子を鋳型として用いるPCRによって製造することができる。以下に、免疫グロブリン遺伝子の可変領域と定常領域の一部を有する二本鎖DNA断片を標的遺伝子断片とする場合を例に、図13に基づいて説明する。図13に示すプライマー2の配列(の一部)が、3’突出末端を有する標的二本鎖DNA断片の配列T1に相当し、プライマー4と3が3’突出末端を有する二本鎖DNA断片の配列P1とP2に相当する。また、プライマー3の上流側に連結する定常領域に由来する配列が、3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列T2に相当する。
【0061】
まず、磁気ビーズを用いて標的遺伝子をコードするmRNAを回収し、次いでリバーストランスクリプターゼを用いた逆転写反応によりcDNAを合成する。次いで合成したcDNAの3’末端に、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いてポリdGを付加させる。次いで3’末端にポリdGを付加させた免疫グロブリンcDNA(磁気ビーズ上に合成されたもの)を鋳型として、プライマー1(免疫グロブリン遺伝子定常領域)と2(ポリdGと会合してDNA合成を行うためのもの)を用いて、1回目のPCRを行う。
【0062】
1回目のPCR終了後、これを例えば、100倍程度に希釈したものを、2回目のPCRの鋳型として用いる。使用するプライマーは、4と3である。プライマー4は、3’末端側の配列が1回目のPCRで使用したプライマー2の5’末端側とオーバーラップするように設計してあり、この領域にプライマー4を結合させる。プライマー3は定常領域に位置し、1回目のPCRで使用したプライマー1の内側に位置するように設計したプライマーである。ただし、プライマー3は、プライマー1と一部がオーバーラップする配列を有していてもよいが、プライマー1とオーバーラップしない配列を有することもできる。1回目のPCRで免疫グロブリンの定常領域を含むDNA断片が増幅されていれば、プライマー3と4を用いることで、さらに免疫グロブリンの定常領域を含むDNA断片、すなわち、免疫グロブリンの定常領域を標的遺伝子配列として含む二本鎖DNA断片を増幅することができる。RACE(RAPID AMPLIFICATION OF cDNA END)法と呼ばれるPCR法の一つである。なお、プライマー4+2配列は、2回のPCRで、プライマー2と4により合成された人工的な配列であって、鋳型の配列に特有(固有)の配列は有さない。
【0063】
2回目のPCRでは、プライマー4が特異的に、1回目のPCRで増幅されたDNA断片の3'端領域に結合し(プライマー2の配列を有するため)、プライマー3がプライマー1のさらに内側の免疫グロブリン定常領域に結合する。その結果、特異的な増幅が行われる。この場合は必ず、PCR産物の片側には4+2の配列が存在することになる。しかし実際には、使用したプライマーがこれと類似した塩基配列を有する非標的遺伝子に結合した結果、非特異的なPCR産物が合成されてしまうこともある。例えば、プライマー4が非特異的に他のDNA断片に結合した場合には、合成されたDNA断片にはプライマー4の配列がその末端に存在するが、その内側にはプライマー2の配列、すなわち、配列T1は存在しない。
【0064】
また、もしプライマー3がこれと類似した塩基配列を有する非標的遺伝子に結合し、DNA増幅が行われた場合、このDNA断片には定常領域の配列、すなわち配列T2が存在しない。プライマー3によって形成される配列は、鋳型の配列に特有(固有)の配列である。
【0065】
上記2回目のPCRで得られたPCR産物、すなわち、標的遺伝子(抗体遺伝子)の配列を含む二本鎖DNA断片の3’突出末端に少なくとも1個のヌクレオチドを設ける方法は特に制限されないが、例えば、該標的遺伝子の配列を含む二本鎖DNA断片およびポリデオキシヌクレオチドに、デオキシヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを作用させて、3’突出末端を有する二本鎖DNA断片を得ることを含む方法を挙げることができる。この方法によって、両3’末端に少なくとも1個のヌクレオチドを設けて3’端突出二本鎖遺伝子断片を得ることができる。
【0066】
<実施態様における連結用二本鎖DNA断片>
「連結用二本鎖DNA断片」(VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1)は、任意の配列Aおよび配列Bを有し、前記配列Aの末端側に前記配列P1に相同的な塩基配列からなる領域VP1を有し、前記配列Bの末端側に前記配列P2に相同的な塩基配列からなる領域VP2を有し、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片における配列P1の内側の一部の配列T1に相同的な塩基配列からなる領域VT1を前記領域VP1の末端側に有し、かつ、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片における配列P2の内側の一部の配列T2に相同的な塩基配列からなる領域VT2を前記領域VP2の末端側に有する連結用二本鎖DNA断片である。但し、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片における配列T1および配列T2の少なくとも一方は標的遺伝子に固有の塩基配列を有し、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片における配列P2の3’端にある突出末端の配列がダイデオキシヌクレオチドを含む配列または前記連結用二本鎖DNA断片の一方の鎖の配列Bと非相同的な配列であり、かつ、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片における配列P1の3’端にある突出末端の配列がダイデオキシヌクレオチドを含む配列または前記連結用二本鎖DNA断片の他方の鎖の配列Aと非相同的な配列である。なお、本明細書でいう「領域」は、該当する箇所のセンス鎖の配列とアンチセンス鎖の配列からなる。
【0067】
図2〜3に示すスキームからわかるとおり、3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列T1およびT2は、「連結用二本鎖DNA断片」であるVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のVT1およびVT2に対して内部配列の役目を果たし、標的遺伝子の配列を含む3’端突出二本鎖遺伝子断片とVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1との選択的な再会合とそれに引き続くDNA合成反応の進行を促進する。ここで、「内部配列」とは、標的遺伝子配列に特有の配列であり、標的遺伝子配列の末端に位置する増幅用プライマー配列と相同的な配列を有するP1およびP2の内側の配列(T1およびT2)を指し、連結用二本鎖DNA断片のVT1およびVT2と相同的な配列を有する。よって非標的遺伝子断片は模式的に、P1−非標的遺伝子断片−P2またはP1−T1−非標的遺伝子断片−P2又はP1−非標的遺伝子断片−T2−P2で表される。「内部配列の役目」とは、連結用二本鎖DNA断片と標的二本鎖遺伝子断片との特異的な再会合とそれに引き続くDNA合成反応の進行を促進し、且つ非標的二本鎖遺伝子断片との再会合とそれに引き続くDNA合成反応の進行を阻害する役割を有する配列である。
【0068】
3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列T1とVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の領域VT1、ならびに、3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列T2とVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の領域VT2は、それぞれ、互いに相同的な塩基配列からなるものであれば特に制限はない。VT1およびVT2の長さは、それぞれ、例えば、1塩基以上であり、好ましくは2〜100塩基であり、より好ましくは5〜50塩基である。配列P1+T1、配列P2+T2、領域VP1+VT1および領域VP2+VT2は、Tm値が60℃以上であることが好ましく、約68℃から70℃であることがさらに好ましい。
【0069】
VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の配列Aは特に制限されず、例えば標的遺伝子断片の上流配列や、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、Hisタグ等の各種タグ配列や菌や動物細胞内で種々の遺伝子の発現を制御することができるプロモーター、エンハンサー配列等を挙げることができる。VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の配列Bは特に制限されず、例えば標的遺伝子断片の下流配列や、イントロン、エクソン、蛍光タンパク質遺伝子、Hisタグ等の各種タグ配列やポリA付加配列等を挙げることができる。
【0070】
配列A及び配列Bにプロモーター配列、ポリA付加配列をそれぞれ用いる場合は、宿主細胞内での標的遺伝子の発現を妨げない範囲において、各配列の間、配列Aの上流、配列Bの下流に、スペーサー配列などの配列があってもよい。
【0071】
遺伝子連結用二本鎖DNA断片における配列Aと配列Bとの間の長さは特に制限されない。また、配列Aと領域VP1との間、配列Bと領域VP2との間の長さは特に制限されない。領域VP1とVT1との間、領域VP2とVT2との間には、3’突出末端を有する二本鎖DNA断片とのアニーリングを妨げない範囲において適当な長さのスペーサー配列などの配列があってもよい。
【0072】
「連結用二本鎖DNA断片」であるVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を組み合わせて製造することができる。以下に、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1の製造方法の一例を、図14に基づいて具体的に説明する。
【0073】
制限酵素1(BamHI)および制限酵素2(NotI)によって認識される部位を有するベクター(pCMV−EGFP)を、制限酵素1で処理して、制限酵素1認識部位に既知配列(ポリdG/dC)および制限酵素3(EcoRV)によって認識される部位をこの順に含むリンカー(ポリdG/dC−EcoRVリンカー)を挿入する。次いで得られたリンカー挿入ベクターを、制限酵素2および3で処理し、制限酵素3認識部位から制限酵素2認識部位までの配列を、上流に制限酵素3切断面を有し、かつ下流に制限酵素2切断面を有する標的遺伝子の一部の配列(ヒト末梢血リンパ球cDNAからPCRにより得られたヒト免疫グロブリン定常領域)で置換する。得られたベクターの制限酵素3部位にアンピシリン耐性遺伝子並びに複製開始点を挿入する。次にカナマイシン耐性遺伝子−複製開始点を本ベクターから除くことによりヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片が挿入されたベクター(pMiniCMV-hIgG)が獲られる。本ベクターを鋳型として、ポリdG/dC領域並びに標的遺伝子の一部の配列(免疫グロブリン定常領域)を含むプライマーを用いるPCRを行うことにより、ヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片であるVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1が得られる。
【0074】
この場合、ポリdG/dCが領域VT1に相当し、かつヒト免疫グロブリン定常領域の一部が領域VT2に相当し、配列AがCMVプロモーターに相当し、配列Bが免疫グロブリン定常領域の残りの部分とポリA付加配列に相当する。また、マルチクローニングサイト(MCS)とポリdG/dCとの間の配列の少なくとも一部が領域VP1に相当し、かつヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部の配列が領域VP2に相当することになる。
【0075】
(1)熱変性・再会合・DNA合成反応(1)
1サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応について説明する。図2では、熱変性・再会合・DNA合成(1)と表示する。
【0076】
P1−T1−標的遺伝子−T2−P2で示される「3’端突出二本鎖遺伝子断片」およびVT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1で示される「連結用二本鎖DNA断片」を含む試料を、熱変性、再会合およびDNA合成反応に供すると、まず、熱変性後の再会合(アニーリング)により「3’端突出二本鎖遺伝子断片」の一方の鎖(アンチセンス鎖)の領域P1+T1と「連結用二本鎖DNA断片」の一方の鎖(センス鎖)の領域VP1+VT1との間で安定した二本鎖形成が起こる。同様に、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」のセンス鎖の領域P2+T2と、「連結用二本鎖DNA断片」のアンチセンス鎖の領域VP2+VT2との間で安定した二本鎖形成が起こる。このようにして得られた2種類の二本鎖は、次いでDNAポリメラーゼによるDNA合成反応に供される。このDNA合成反応(核酸伸長反応)によって、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のセンス鎖の領域VT1を起点として核酸が伸長して核酸伸長物(2)が合成され、また、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のアンチセンス鎖の領域VT2を起点として核酸が伸長して核酸伸長物(1)が合成される。
【0077】
VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1は、3’端突出二本鎖遺伝子断片に固有の配列である内部配列T1及び/又はT2と相同的な塩基配列からなる領域VT1及び/又はVT2を有することにより、3’突出末端を有するDNA断片との選択的な再会合とそれに引き続くDNA合成反応を進行させることができる。但し、3’端突出二本鎖遺伝子断片を用意する場合に、図13に示すプライマー4が非特異的に非標的遺伝子の配列を含むDNA断片に結合した結果として配列P1の内側に配列T1が存在しない二本鎖DNA断片が生じ、また、プライマー3がこれと類似した塩基配列を有する非標的遺伝子に結合した結果として配列P2の内側に配列T2が存在しない二本鎖DNA断片が生じる。VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1と配列P1の内側に配列T1が存在せず配列P2の内側に配列T2が存在しない二本鎖DNA断片とを熱変性−再会合した後のDNA合成反応に供した場合、図3に示すとおりに反応が進行せず連結産物を得ることができない。
【0078】
さらに、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」には領域P1およびP2の両3’端に、NNNNNで表記される3’端突出末端があり、かつこの突出末端(一本鎖ヌクレオチド)は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない。即ち、図2の左側の核酸伸長物(1)を与えるスキームでは、3’端突出二本鎖遺伝子断片のセンス鎖のT2−P2に続くNNNNNは、会合した相手側の鎖(連結用二本鎖DNA断片のアンチセンス鎖)のVT2−VP2に続く配列BのVP2に隣接する配列またはVP2と配列Bの間のVP2に隣接する配列とは、ハイブリダイズしない。このように、T2−P2に続くNNNNNは、VT2−VP2に続く配列BのVP2に隣接する配列とハイブリダイズしないので、領域P1およびP2を起点とした核酸伸長はみられない。図2の右側の核酸伸長物(2)を与えるスキームにおいても同様に、3’端突出二本鎖遺伝子断片のアンチセンス鎖のT1−P1に続くNNNNNは、連結用二本鎖DNA断片のセンス鎖のVT1−VP1に続く配列AのVP1に隣接する配列またはVP1と配列Aの間のVP1に隣接する配列とハイブリダイズしないので、領域P1およびP2を起点とした核酸伸長はみられない。
【0079】
1サイクル目の熱変性の条件は、通常のPCRで採用されている条件と同一で良く、例えば、熱変性を90〜98℃で20〜60秒であることができる。1サイクル目の再会合の条件は、通常のPCRで採用されている条件と同一で良く、例えば、60〜72℃で30秒〜6分であることができる。1サイクル目のDNA合成反応は、通常のPCRで採用されている条件と同一で良く、例えば、68〜72℃で30秒〜6分であることができる。使用するDNAポリメラーゼの酵素活性の至適温度によっては、アニーリングと核酸伸長を同一温度で行い、一つの工程として実施してもよい。
【0080】
1サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応によって、核酸伸長物(1)および(2)を含有する反応生成物が得られる。この反応生成物には、図2には示していないが、図3で示した、非標的遺伝子を含む断片が含まれる可能性がある。
【0081】
(2)熱変性・再会合・DNA合成反応(2)
2サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応について説明する。図2では、熱変性・再会合・DNA合成(2)と表示する。
【0082】
1サイクル目の反応生成物を熱変性し、次いで再会合(アニーリング)することによって、上記核酸伸長物(1)および(2)の一方の鎖は、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」の3’端突出配列であるNNNNNは有さず、かつ「3’端突出二本鎖遺伝子断片」のNNNNN以外の配列が相同的であることから、この部分で二本鎖が形成される。次いでこの二本鎖においてDNA合成反応によって、互いの鎖を鋳型にして、両鎖の3’末端から核酸が伸長し、標的遺伝子の両端のそれぞれに連結用二本鎖DNA断片が連結した連結DNA断片(VT2−VP2−配列B−配列A−標的遺伝子−配列B−配列A−V+P1−VT1)が得られる。一方、3’端突出配列であるNNNNNを有する核酸伸長物(1)および(2)からの一本鎖DNA断片は、3’端にNNNNNを有するために、再会合(アニーリング)において二本鎖を形成できず、結果として、この一本鎖DNA断片を鋳型とする核酸伸長物は、生じない。
【0083】
2サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応によって、上記連結DNA断片(VT2−VP2−配列B−配列A−標的遺伝子−配列B−配列A−V+P1−VT1)が得られるが、この反応生成物には、図示していないが、1サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応で生じた非特異的なDNA断片に加えて、核酸伸長物(1)および(2)の鋳型として使用されなかった3’端突出配列であるNNNNNを有する一本鎖DNA断片が含まれる(残存する)ことになる。
【0084】
尚、後述するが、上記連結DNA断片(VT2−VP2−配列B−配列A−標的遺伝子−配列B−配列A−V+P1−VT1)における、配列A−標的遺伝子−配列Bが連結単位である。
【0085】
(3)熱変性・再会合・DNA合成反応(3)
図2には示されていないが、本発明の第1の態様においては、2サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応につづいて、3サイクル目以降の熱変性・再会合・DNA合成反応を実施することもできる。
【0086】
3サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応では、2サイクル目の核酸合成産物であるVT2−VP2−配列B−配列A−標的遺伝子−配列B−配列A−VP1−VT1の熱変性により生じた一本鎖のいずれか2本が、相同的な領域でハイブリダイズし、このハイブリダイズした二本鎖を鋳型として、DNA合成反応による核酸伸長が生じれば、2サイクル目の核酸合成産物中の「配列A−標的遺伝子−配列B」からなる連結単位を二個含む二本鎖DNA断片が得られる。
【0087】
4サイクル目以降ではこの操作が繰り返されることにより、上記連結単位を3個以上含む連結単位の重合体(以下、連結単位重合体と呼ぶことがある)が得られる。従って3サイクル目以降の連結反応において連結用二本鎖DNA断片または標的遺伝子断片或いは両者が枯渇した場合であっても、DNA合成用の基質が反応液中に存在し、DNAポリメラーゼの活性が維持される限り、連結単位の増幅が行われる。即ち、3サイクル目以降では、標的遺伝子と連結用DNA断片が残存する場合には1サイクル目と2サイクル目に相当する反応が起こると共に、重合反応も同時に進行する。しかし標的遺伝子と連結用DNA断片が残存しない場合は、重合産物同士の繰り返しユニットがずれながら再会合することで連結単位の増幅が行われる。その結果、後述する、標的遺伝子断片、配列A−VP1−VT1ならびにVT2−VP2−配列Bを用いた、配列A−標的遺伝子−配列Bがこの順に結合した連結単位の製造方法に比べ、より効率よい連結単位の製造が可能となる。
【0088】
尚、熱変性・再会合・DNA合成反応の系に、「3’端突出二本鎖遺伝子断片」および連結用二本鎖DNA断片(VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1)の他に、後述するような連結単位重合体から連結単位を特異的に増幅するためのミスマッチプライマーを含めておくこともできる。その場合には、これらのミスマッチプライマーが、熱変性によって一本鎖になった連結用二本鎖DNA断片の各一本鎖にプライミングしないように、再会合(アニーリング)は高温下(例えば、65〜72℃)で実施することが好ましい。さらに、反応系にミスマッチプライマーを含み、アニーリングと核酸伸長を同一温度で実施することもでき、その場合の熱変性・再会合・DNA合成反応は、例えば、熱変性を90〜98℃で20〜60秒、再会合およびDNA合成反応を65〜72℃で30秒〜6分で実施することができ、このサイクルを2〜10サイクルとすることができる。好ましくは熱変性を93〜95℃で30〜50秒、再会合およびDNA合成反応を68〜70℃で1〜5分で実施することができ、このサイクルを4〜8サイクルである。ここでのサイクルは、1サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応のサイクル数を意味する。
【0089】
このような反応により得られた連結DNA断片は、配列A−標的遺伝子−配列Bから成る連結単位が、熱変性・再会合・DNA合成反応のサイクル数に応じて、該連結単位の複数個を直鎖状に連結して含む重合体である。該重合体は、上記連結単位の他に、配列A−VP1−VT1やVT2−VP2−配列Bを末端に含む。
【0090】
「連結単位の調製工程」
本発明の第1の態様において核酸合成産物として得られた連結DNA断片は、熱変性・再会合・DNA合成反応のサイクル数により、上記連結単位を1つ含むものである。熱変性・再会合・DNA合成反応のサイクル数が3回以上であれば、複数の連結単位が連なる連結単位重合体が得られる。本発明の最終的な目的は、配列A−標的遺伝子−配列Bで表される連結単位を得ることである。そこで、本発明の第1の態様は、連結単位重合体から、配列A−標的遺伝子−配列Bから成る連結単位を調製する工程をさらに有することが好ましい。
【0091】
連結単位を調製する工程には、特に制限はないが、たとえば、連結単位重合体に対して、連結単位の上流および下流を特異的に切断する制限酵素を使う方法や、連結単位重合体を鋳型として、連結単位を選択的に増幅する方法などを用いることができる。制限酵素を使う方法では、連結単位重合体中の配列A−標的遺伝子−配列Bの配列Aの外側と配列Bの外側の配列に制限酵素切断配列を導入することで実施できる。
【0092】
連結単位重合体を鋳型として連結単位を選択的に増幅する方法は、たとえば、連結用二本鎖DNA断片(VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1)のセンス鎖の配列A又はその上流の配列と同一の配列を3’側に含むミスマッチフォワードプライマーおよび配列B又はその下流の配列と相補的な配列を3’側に含むミスマッチリバースプライマーを用いたPCRにより実施できる。このミスマッチプライマーを用いて連結単位を選択的に増幅するためのPCRのスキームを図4に示す。図4に示すとおり、ミスマッチプライマーを用いれば、連結単位重合体から分離された連結単位を選択的に効率よく増幅することができる。連結単位重合体を鋳型としミスマッチフォワードプライマーおよびミスマッチリバースプライマーを用いた最低2サイクルのPCR反応により合成される連結単位には、その両末端側に鋳型である連結用二本鎖DNA断片と非相同的な配列が付加される。
【0093】
ミスマッチプライマーを用いたPCRの条件は特に制限されず、通常知られるPCR条件を適用できるが、たとえば、90〜98℃を20〜60秒、55〜65℃を20〜60秒、70〜74℃を3〜5分の反応を25〜50サイクル程度で実施することができる。
【0094】
尚、ミスマッチ領域をその5’側に有さないプライマーを用いたPCRのスキームを図5に示す。図5に示すように、用いるプライマーがミスマッチプライマーではない場合、連結単位と共に連結単位重合体も増幅されることとなり、連結単位のみを選択的に増幅することが難しい。すなわち、連結単位重合体を鋳型としフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いた最低2サイクルのPCR反応により合成される連結単位は、鋳型である連結単位重合体と相同的である。3回目以降のPCRでは2つの様式の反応が並行して進む。一つは合成された連結単位にフォワードプライマーおよびリバースプライマーがアニーリングし、連結単位が増幅される反応である。他方は、連結単位が連結単位重合体にアニーリングした結果ヘテロ二本鎖DNAが形成され、連結単位重合体が増幅される反応である。後者の反応が前者の反応に比べ優位に進行した場合、連結単位を効率的に増幅することが困難となる。それに対して、図4に示した、ミスマッチプライマーを用いて連結単位重合体から合成された連結単位は、その両末端側に鋳型と非相同的配列を有するため、これが連結単位重合体にアニーリングしヘテロ二本鎖DNAが形成されてもDNA伸長反応が起こらず、その結果連結単位重合体が増幅されることはない。
【0095】
[本発明の第2の態様]
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様における連結用二本鎖DNA断片を、模式的に-連結用DNA領域1-領域1及び領域2-連結用DNA領域2でそれぞれ示される配列を有する2つの連結用二本鎖DNA断片1および2に分けて用いる方法である。この方法によれば、非標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2が連結した連結DNA断片の非特異的な生成を抑制して、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた、目的とする連結DNA断片を特異的に得ることができる。ここで得られる連結DNA断片は、模式的に連結用DNA領域1-領域1-標的遺伝子-領域2-連結用DNA領域2で示される配列を有するものである。本発明の第2の態様において用いる「3’端突出二本鎖遺伝子断片」は、本発明の第1の態様におけるものと同様である。
【0096】
本発明の第2の態様において用いる連結用二本鎖DNA断片は、上記のように模式的に連結用DNA領域1-領域1で示される連結用二本鎖DNA断片1と領域2-連結用DNA領域2で示される配列を有する2つの連結用二本鎖DNA断片2である。以下、模式的に連結用DNA領域1-領域1で示される配列が配列A−VP1−VT1であり、領域2-連結用DNA領域2で示される配列がVT2−VP2−配列Bである実施態様について、説明する。
【0097】
この実施態様では、3’端突出二本鎖遺伝子断片、配列A−VP1−VT1(連結用二本鎖DNA断片1)、及びVT2−VP2−配列B(連結用二本鎖DNA断片2)を、少なくとも2サイクルの熱変性・再会合・DNA合成反応に供し、核酸合成産物として、配列A−標的遺伝子−配列Bからなる連結単位を一つ有する連結DNA断片を得る。
【0098】
上記方法を図6のスキームにより説明する。なお、3’端突出二本鎖遺伝子断片および少なくとも2回の熱変性・再会合・DNA合成反応については、上記本発明の第1の態様の実施態様において説明したことと同様である。
【0099】
配列A−VP1−VT1は、任意の配列A、領域VP1および領域VT1をこの順に有し、領域VT1が一方の末端にあり、領域VP1及び領域VT1は、それぞれ、3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列P1に相同的な塩基配列及び配列T1に相同的な塩基配列からなる。VT2−VP2−配列Bは、領域VT2、領域VP2および任意の配列Bをこの順に有し、領域VT2が一方の末端にあり、領域VP2及び領域VT2は、それぞれ、3’端突出二本鎖遺伝子断片の配列P2に相同的な塩基配列及び配列T2に相同的な塩基配列からなる。
【0100】
<配列A−VP1−VT1>
配列A−VP1−VT1は、任意の配列A、領域VP1および領域VT1をこの順に有する。ただし、領域VT1は連結用二本鎖DNA断片の一方の末端に配置されている。配列A−VP1−VT1における、配列A、領域VP1およびVT1については、上記第1の態様の実施態様の記載を参照できる。配列A−VP1−VT1には、配列Aの上流、配列Aと領域VP1との間、領域VP1とVT1との間に、熱変性・再会合・DNA合成反応に供した場合に3’突出末端を有する二本鎖DNA断片とのアニーリングを妨げない範囲においてスペーサー配列などの配列があってもよい。配列A−VP1−VT1は、特に制限されないが、たとえば、配列A−VP1−VT1をインサートとして含有するプラスミドから制限酵素処理により、配列A−VP1−VT1を分離することにより得られる。また、配列A−VP1−VT1は、遺伝子連結用二本鎖DNA断片Aをインサートとして含有するプラスミドを鋳型にして、配列Aの上流の配列と同じ配列の一部を含むフォワードプライマーと領域VT1の一方の末端側の配列と相補的な配列の一部を含むリバースプライマーを用いたPCRに供することにより得ることもできる。
【0101】
<VT2−VP2−配列B>
VT2−VP2−Bは、配列B、領域VP2および領域VT2をこの順に有する。ただし、領域VT2はVT2−VP2−配列Bの一方の末端に配置されている。VT2−VP2−配列Bにおける、配列B、領域VP2およびVT2については、上記第1の態様の実施態様の記載を参照できる。VT2−VP2−配列Bには、配列Bの上流、配列Bと領域VP2との間、領域VP2とVT2との間に、熱変性・再会合・DNA合成反応に供した場合に3’突出末端を有する二本鎖DNA断片とのアニーリングを妨げない範囲においてスペーサー配列などの配列があってもよい。VT2−VP2−配列Bは、特に制限されないが、たとえば、VT2−VP2−配列Bをインサートとして含有するプラスミドから制限酵素処理により、VT2−VP2−配列Bを分離することにより得られる。また、VT2−VP2−配列Bは、VT2−VP2−配列Bをインサートとして含有するプラスミドを鋳型にして、配列Aの上流の配列と同じ配列の一部を含むフォワードプライマーと領域VT2の一方の末端側の配列と相補的な配列の一部を含むリバースプライマーを用いたPCRに供することにより得ることもできる。
【0102】
(1)熱変性・再会合・DNA合成反応(1)
1サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応では、3’端突出二本鎖遺伝子断片、配列A−VP1−VT1、及びVT2−VP2−配列Bを用いて熱変性・再会合・DNA合成反応を行う。熱変性後のアニーリングにより3’端突出二本鎖遺伝子断片のアンチセンス鎖の配列P1+T1と、配列A−VP1−VT1の一方の鎖(センス鎖)の領域VP1+VT1との間で安定した二本鎖形成が起こる。同様に、3’端突出二本鎖遺伝子断片のセンス鎖の配列P2+T2と、VT2−VP2−配列Bの一方の鎖(アンチセンス鎖)の領域VP2+VT2との間で安定した二本鎖形成が起こる。その後のDNAポリメラーゼによるDNA合成反応によって、配列A−VP1−VT1の領域VT1を起点として核酸が伸長した核酸伸長物(4)が合成される。また、VT2−VP2−配列Bの領域VT2を起点として核酸が伸長した核酸伸長物(3)が合成される。一方、3’端突出二本鎖遺伝子断片には配列P1およびP2の3’端に少なくとも1個のヌクレオチドが付加されているため、配列P1およびP2を起点として核酸は伸長しないのは上記した通りである。
【0103】
(2)熱変性・再会合・DNA合成反応(2)
2サイクル目の熱変性・再会合・DNA合成反応では、熱変性後のアニーリングによって、上記核酸伸長物(3)および(4)の間で二本鎖が形成されると、続くDNA合成反応によって、互いを鋳型にして、両方の3’末端から核酸が伸長し、配列A−標的遺伝子−配列Bがこの順に結合された連結単位を1個含む連結DNA断片が核酸合成産物として得られる。
【0104】
(3)熱変性・再会合・DNA合成反応(3サイクル目以降)
図6のスキームには示されていないが、熱変性・再会合・DNA合成反応を3サイクル目以降も実施することができ、3サイクル目以降の熱変性・再会合・DNA合成反応を実施することで、配列A−標的遺伝子−配列Bがこの順に結合された連結単位を1個含む連結DNA断片が核酸合成産物として得られる。本発明の第2の態様では、本発明の第1の態様におけるように、連結用二本鎖DNA断片として、VT2−VP2−配列B−配列A−VP1−VT1のような配列Bと配列Aが連結した配列の断片を用いないので、配列A−標的遺伝子−配列Bがこの順に結合された連結単位を複数含む連結単位重合体が合成されることはない。
【0105】
<配列A−標的遺伝子−配列Bからなる連結単位>
本発明の第2の態様においても、本発明の第1の態様と同様に、核酸合成産物として得た連結DNA断片から、配列A−標的遺伝子−配列Bから成る連結単位を調製する工程を設けることが好ましい。このような連結単位を調製する工程は、特に制限されないが、たとえば、配列A及びBの上流および下流を特異的に認識する制限酵素を使う方法や、連結単位を選択的に増幅する方法などにより実施できる。
【0106】
連結DNA断片から上記方法により分離された連結単位を、発現ユニットとして宿主細胞に導入し標的遺伝子がコードする蛋白質を宿主細胞内で選択的に発現させる場合、配列Aにプロモーター配列、配列BにポリA付加配列を用いることができる。発現ユニットを作成する場合は、宿主細胞内での標的遺伝子の発現を妨げない範囲において、各配列の間、配列Aの上流、配列Bの下流に、スペーサー配列などの配列があってもよい。
【0107】
[本発明の第3の態様]
本発明の第3の態様は、上記本発明の第2の態様における、2つに分けたいずれか一方の連結用二本鎖DNA断片、模式的に領域1-連結用DNA領域1または連結用DNA領域2-領域2で示される配列を用いる方法である。この方法では、非標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1または2を連結させた片側連結DNA断片の非特異的な生成を抑制して、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1または2を連結させた、目的とする片側連結DNA断片を特異的に得ることができる。本発明の第3の態様において用いる「3’端突出二本鎖遺伝子断片」は、本発明の第1の態様におけるものと同様の標的遺伝子配列の両方の末端側に会合可能な領域と突出末端を有するものであることもできるが、標的遺伝子配列の一方の末端側のみに会合可能な領域を有し、かつ前記領域は少なくとも一部の塩基配列が標的遺伝子配列に含まれる固有の塩基配列であり、前記会合可能な領域の3’端に1ヌクレオチド以上の突出末端を有する3’端突出二本鎖遺伝子断片であることもできる。本発明の第3の態様では、3’端突出二本鎖遺伝子断片が有する一方の末端側の会合可能領域と突出末端とのみを利用するので,後者の3’端突出二本鎖遺伝子断片を用いる事か好ましい。
【0108】
本発明の第3の態様において用いる連結用二本鎖DNA断片は、上記のように模式的に領域1-連結用DNA領域1で示される配列または連結用DNA領域2-領域2で示される配列を有する2つの断片である。以下、模式的に領域1-連結用DNA領域1で示される配列が配列A−VP1−VT1である実施態様について説明する。連結用DNA領域2-領域2で示される配列がVT2−VP2−配列Bである実施態様は、模式的に領域1-連結用DNA領域1で示される配列が配列A−VP1−VT1である実施態様と同様に、実施できる。
【0109】
本発明の第3の態様の上記実施態様では、配列Aを有する連結用二本鎖DNA断片(配列A−VP1−VT1)を標的遺伝子断片の一方の末端側に選択的に連結させる方法が提供される。この方法は、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片(ただし、3’突出末端は一方の鎖の前記配列P1の3’末端側にあればよい)と、前記配列Aを有するDNA断片とを用い、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片および前記配列Aを有する連結用二本鎖DNA断片の混合物を、熱変性と再会合の後、核酸合成反応に供する。この操作により、一方の鎖の前記配列P1の3’端に突出末端として1ヌクレオチド以上の配列を有し、その鎖の5’端に配列P2に由来する配列を有する一本鎖DNAと(二本鎖DNA断片のアンチセンス鎖)、他方の鎖の5’端側に前記配列Aに由来する配列ならびにその3’端に配列VT1に由来する配列を有する一本鎖DNA(連結用二本鎖DNAのセンス鎖)とが会合したヘテロ二本鎖DNA産物を得る。次いで、このヘテロ二本鎖DNA産物を鋳型として、二本鎖遺伝子断片のアンチセンス鎖の5’末端側の配列を有するリバースプライマーと連結用二本鎖DNA断片のセンス鎖の5’末端側の配列を有するフォワードプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を行う。これにより、配列Aおよび標的遺伝子の配列が連結された二本鎖DNA断片(片側連結DNA断片)を得る(図7のスキームを参照)。
【0110】
熱変性・再会合・DNA合成反応については、上記本発明の第1の態様の実施態様において説明したことと同様である。配列A−VP1−VT1は、上記本発明の第2の態様の実施態様において説明したことと同様である。
【0111】
連結用DNA領域2-領域2で示される配列がVT2−VP2−配列Bである実施態様は、模式的に領域1-連結用DNA領域1で示される配列が配列A−VP1−VT1である実施態様と同様に、実施できる。また、VT2−VP2−配列Bは、上記本発明の第2の態様の実施態様において説明したことと同様である。
【0112】
本発明の連結DNA断片の製造方法においては、前述のように、前記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Aを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP1および領域VT1は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列を有することかできる。さらに、記標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子であり、前記3’端突出二本鎖遺伝子断片が前記抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来する配列を含み、ならびに、前記連結用二本鎖DNA断片または前記配列Bを有する連結用二本鎖DNA断片における前記領域VP2および領域VT2は、抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子に由来するまたは由来しない配列であることができる。本発明では、このような標的遺伝子を用いて製造された連結DNA断片を用いて抗体またはT細胞受容体を製造する方法も包含する。
【0113】
標的遺伝子が抗体遺伝子またはT細胞受容体遺伝子である連結DNA断片を用いて抗体またはT細胞受容体を製造する方法は、常法、例えば、標的遺伝子を含む連結DNA断片を宿主細胞へ導入し、この宿主細胞を培養して抗体等を産生させることにより実施できる。
【0114】
前述のように本発明は、上記本発明の第1の態様〜第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片、連結用二本鎖DNA断片及びこれらの組合体、さらにはこれらを含むキットを包含する。本発明の第1の態様〜第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片及び連結用二本鎖DNA断片は前述の通りである。さらに、組合体は、第1の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体、第2の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体、及び第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体からなる。
【0115】
第1の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体においては、標的遺伝子の両方の側に連結用DNA領域を連結させた連結DNA断片を良好に製造するという観点からは、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の一方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の一方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の他方の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の他方の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、ことが好ましい。
【0116】
第2の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体においては、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域1、他方の側に連結用DNA領域2を連結させた連結DNA断片を良好に製造するとの観点からは、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片1の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さず、
(3-3)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片2の末端の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片2の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-4)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の他方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
ことが好ましい。
【0117】
第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片と連結用二本鎖DNA断片との組合体においては、標的遺伝子の一方の側に連結用DNA領域を連結させた片側連結DNA断片を良好に製造するという観点からは、
(3-1)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域は、前記連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域と相同的な塩基配列からなるが、3’突出端が付加された末端側の配列が連結用二本鎖DNA断片の会合可能な領域では連結用DNA領域と結合する側であり、
(3-2)前記3’端突出二本鎖遺伝子断片の一方の会合可能な領域からの突出末端は、DNA合成反応において鎖伸長機能を有さない、
ことが好ましい。
【0118】
本発明のキットは、上記本発明の第1の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片、連結用二本鎖DNA断片またはこれらの組合体を含むものであるか、上記本発明の第2の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片、連結用二本鎖DNA断片またはこれらの組合体を含むものであるか、または上記本発明の第3の態様で用いられる3’端突出二本鎖遺伝子断片、連結用二本鎖DNA断片またはこれらの組合体を含むものである。本発明のキットに上記以外に、3’端突出二本鎖遺伝子断片並びに連結用二本鎖DNA断片を用いて、熱変性、再会合及びDNA合成反応を行って、連結DNA断片を得るために用いる緩衝液、DNAポリメラーゼ等のDNA合成用酵素または酵素含有緩衝液、及びキットの使用説明書を含むことができる。
【0119】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0120】
[例1]
1.未精製標的遺伝子断片の発現ユニットへの特異的変換
標的遺伝子断片1(図10を参照)は、ヒト免疫グロブリンγ鎖の可変領域と一部の定常領域を有する683bpのDNA断片であり、その両端にPCR増幅のためのプライマーA:5’−CTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGA−3’並びにプライマーB:5’−AGCCGGGAAGGTGTGCACGCCGCTG−3’の配列を有する。また内部配列として、プライマーAの内側にポリdC配列、プライマーB配列の内側に免疫グロブリンγ鎖定常領域由来配列をそれぞれ有する。図10において、増幅に用いたプライマーA、Bの位置を矢印で示した。
【0121】
非標的遺伝子断片2(図11を参照)は628bpのGPF遺伝子に由来するDNA断片で、その両端にPCR増幅のために用いるプライマーA配列とプライマーB配列を有する。両プライマー配列の内側には内部配列は存在せず、GFP遺伝子由来配列が存在する。
【0122】
標的遺伝子断片1および非標的遺伝子断片2のそれぞれが挿入されたプラスミドpUC119を鋳型とし、プライマーA及びBを用いてPCR反応を行い、標的遺伝子断片1および非標的遺伝子断片2をそれぞれ増幅した。PCR反応は、50μlの反応系に、鋳型プラスミドDNA 2ng、各プライマー10pmol、dNTP 10nmolを加え、タカラバイオのPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼを用い94℃30秒−68℃40秒の反応を30サイクル行った。
【0123】
2.PCR産物の3’端ポリヌクレオチド付加反応
PCR後の反応液をそれぞれ1μlチューブに分注し、これにターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(terminaldeoxynucleotidyltransferase)を10unit加え、37℃にて30分反応させ、その後94℃にて5分間加熱することで酵素反応を停止させた。この反応により、DNA断片の両3’端にポリヌクレオチドが付加された。陰性コントロールとして、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを加えない反応を標的遺伝子断片1および非標的遺伝子断片2のそれぞれについて同様に実施した。
【0124】
3.ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の作成
pMiniCMV−hIgGは、CMVプロモーター、マルチクローニングサイト、ポリdC/dG配列、pUC119複製開始点、アンピシリン耐性遺伝子、ヒト免疫グロブリンγ鎖定常領域、SV40ポリA付加シグナルを有する全長3533bpのプラスミドである。
【0125】
pMiniCMV−hIgGをEcoRVで切断後、これを鋳型としてプライマーC 5’−GGGGGGGGGGGGGGGGGATCCCGG−3’及びプライマーD 5’−CGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAG−3’を用いたPCR法にてヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の調製を行った。PCR反応はタカラバイオのプライムスターDNAポリメラーゼを用い、94℃40秒、60℃40秒、72℃5分のサイクルを30回行うことで増幅反応を行った。増幅されたDNA断片はスピンカラム法により精製し、10ng/μlの濃度に調製した。ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片は、その一端に、5’−RACE PCR法により増幅されたヒト免疫グロブリンγ鎖とのみと、特異的な相補鎖を形成する領域として、ヒト免疫グロブリンγ鎖定常領域由来の内部配列、その下流に遺伝子増幅に用いられたプライマーB配列と相補鎖を形成する配列を有する(図12を参照)。
【0126】
もう一方端にはterminaldeoxynucleotidyltransferase反応によりポリdC配列が付加されたcDNAに由来する5’−RACE増幅産物とのみと、特異的に相補鎖を形成する領域として、ポリdC/dG配列、その上流には5’−RACE PCR法に用いられたプライマーA配列と相補鎖を形成する配列が存在する(図13を参照)。標的遺伝子断片1とは図12中の網掛け部全体と相補鎖を形成することが可能であるが、非標的遺伝子断片2は図12中の網掛け部のうちプライマーB並びにプライマーA相補鎖形成配列とのみ相補鎖を形成することが可能である。
【0127】
4.ヒトγ鎖遺伝子発現ユニットの増幅
上記で調製した3’端ポリヌクレオチド付加DNA断片1及び2に、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片を10ng、プライマーを10pmol、dNTPを10nmol加え、タカラバイオのPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼを含む25μlの反応液にて、94℃を40秒、70℃を4分の反応を5サイクル、引き続き94℃を40秒、60℃を40秒、72℃を4分の反応を30サイクル行った。用いたプライマーのうち、プライマーE:5’−AGAGAAGATCTTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGG−3’はその5’端にミスマッチ配列を有し、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片のCMVプロモーター上流付近にアニーリングする。プライマーF:5’−AAGGAAGATCTGGACAAACCACAACTAGAATGCAGTG−3’はその5’端にミスマッチ配列を有し、ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片のSV40ポリA付加配列下流付近にアニーリングする。
【0128】
同様に陰性コントロールとして調製した3’端ポリヌクレオチド付加を行っていない標的遺伝子断片1及び非標的遺伝子断片2に、ヒトγ鎖遺伝子連結用DNA断片10ng、プライマーE及びFを10pmol、dNTPを10nmolを加え、タカラバイオのPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼを用い25μlの反応液にて、94℃を40秒、70℃を4分の反応を5サイクル、引き続き94℃を40秒、60℃を40秒、72℃を4分の反応を30サイクル行った。PCR反応液よりそれぞれ2μlをとり、アガロースゲル電気泳動法にて発現ユニットの増幅を確認した(図1を参照)。
【0129】
その結果、3’端ポリヌクレオチド付加標的遺伝子断片1は特異的に発現ユニットに変換され、約2.5kbのPCR産物の増幅が確認された。これに対し3’端ポリヌクレオチド付加非標的遺伝子断片2は発現ユニットに変換されなかった。また3’端ポリヌクレオチド付加反応を行わなかった標的遺伝子断片1は発現ユニットに変換されたが、非標的遺伝子断片2もヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に連結された。以上の結果より、標的遺伝子断片に対する内部配列を有する遺伝子連結用二本鎖DNA断片と、3’端ポリヌクレオチド付加反応を行った遺伝子断片を用いることで、標的とするヒト免疫グロブリン可変領域と定常領域の一部を有するDNA断片を精製することなく発現ユニットに変換することが可能であることが判明した。
【0130】
[例2]
5’端ミスマッチプライマーを用いた効率的な連結単位(発現ユニット)の増幅
[例1]の2で調製した3’端ポリヌクレオチド付加標的遺伝子DNA断片1に、3で調製したヒトγ鎖遺伝子連結用DNA断片を加え94℃を40秒、70℃を4分の反応を5サイクル行い、連結二本鎖DNA重合体を合成した。これにプライマーE及びF、又はG及びHを加え94℃を40秒、60℃を40秒、72℃を4分の反応を30サイクル行い発現ユニットの増幅を試みた。プライマーG:5’−TAGTTATTAATAGTAATCAATTACGG−3’及びプライマーH:5’−TGGACAAACCACAACTAGAATGCAGTG−3’は、鋳型であるヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片に対し100%の相同性を有する。
【0131】
PCRの結果プライマーG及びHを用いた場合では、目的とする発現ユニットの増幅の他に連結単位重合体の増幅が認められた(図2を参照)。これに対し5’端にミスマッチ配列を有するプライマーE及びFを用いた場合では、効率的な発現ユニットの増幅が認められた。
【0132】
[例3]
ヒト末梢血プラズマ細胞から増幅された未精製のヒトγ、κ鎖免疫グロブリン遺伝子断片と、ヒトγ及びκ鎖遺伝子連結用DNA断片を用い、ヒト免疫グロブリン発現ユニットを作成し、これを培養細胞に導入してヒト抗体を作成した。
【0133】
1.5’−RACE PCR法を用いたヒト免疫グロブリンγ及びκ鎖可変領域遺伝子断片の増幅
ヒトの末梢血より調整したプラズマ細胞を1個ずつ2つのチューブに単離し、これにオリゴdT25が結合した磁気ビーズ(ダイナピーズ)3μgの入った細胞溶解液3μl(100mM TrisHCl(pH7.5),500mM LiCl,1%ドデシル硫酸 Li(LiDS),5mM dithiothreitol)に加え、細胞内のmRNAを磁気ビーズに結合させた。 次に磁気ビーズを、3μlのmRNA洗浄用溶A(10mM TrisHCl(pH7.5),0.15M LiCl,0.1% LiDS)、続いて3μlのmRNA洗浄用溶液B(75mM KCl,3mM MgCl2,0.1%TritonX,0.5mM dNTP,5mM DTT,2unit RNase inhibitor)にて1回洗浄した後、cDNA合成を行った。洗浄後の磁気ビーズに、cDNA合成用溶液3μl(50mM Tris HCl(pH8.3),75mM KCl,3mM MgCl2,0.1%TritonX−100,0.5mM dNTP,5mM DTT,2 unit RNase inhibitor,l0unit SuperScriptlll Reversetranscriptase(Invitrogen)を加え、50℃にて1時間反応させた。次に磁気ビーズを3’テーリング洗浄溶液3μl(50mMリン酸カリウム(pH7.0),0.5mM dGTP,0.1%TritonX−100,4mM塩化マグネシウム)にて洗浄し、新たに3’テーリング反応溶液3μl(50mMリン酸カリウム(pH7.0),0.5mM dGTP,0.1%TritonX−100, 4mM塩化マグネシウム,terminaldeoxynucleotidyltransferase 10U)を加え、37℃にて30分間反応を行った。
【0134】
磁気ビーズを3μlのTE溶液(10mM TrisHCl(pH7.5),1mM EDTA,0.1%TritonX−100)にて洗浄後、5’−RACE PCR法を用いてヒト免疫グロブリンγ鎖及びκ鎖遺伝子の増幅を行った。1回目のPCR反応は、磁気ビーズに25μlのPCR反応溶液(プライマーI,J及びKを各l0pmol、dNTP 10nmol、タカラバイオPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼ lU含有)を加え94℃30秒−68℃40秒の反応を35サイクル行った。プライマーIの配列は5’−CGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCCCDN−3’であり、TdTによりcDNAの3’端に付加されたポリGにアニーリングする。プライマーJの配列は5’−ACGCTGCTGAGGGAGTAGAGTCCTGAG−3’であり、ヒト免疫グロブリンγ鎖遺伝子の定常領域に由来する。プライマーKの配列は5’−CTTTGGCCTCTCTGGGATAGAAGTT−3’であり、ヒト免疫グロブリンκ鎖遺伝子の定常領域に由来する。
【0135】
反応後PCR溶液に水225μlを加え10倍希釈した溶液1μlを鋳型とし、プライマーA:とプライマーBを用いて1回目のPCRと同様の条件でヒト免疫グロブリンγ鎖遺伝子の可変領域の増幅反応を行った。同様にプライマーAとプライマーL:5’−ACAACAGAGGCAGTTCCAGATTTCAACTGC−3’を用いヒト免疫グロブリンκ鎖遺伝子の可変領域の増幅反応を行った。
【0136】
その結果実験に用いた2個の形質細胞(細胞1及び細胞2)のそれぞれから約800bpのγ鎖の可変領域と一部の定常領域、並びに約600bpのκ鎖の可変領域と一部の定常領域の増幅が認められた(図15を参照)。
【0137】
2.PCR産物の3’端ポリヌクレオチド付加反応
1.で調製した各PCR産物1μlに、terminaldeoxynucleotidyltransferaseを10unit加え、37℃にて30分反応させ、その後94℃にて5分間加熱することで酵素反応を停止させた。
【0138】
3.ヒトγ鎖遺伝子及びκ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片の調製
ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片は例1で調製したものを用いた。
【0139】
pMiniCMV−hIgKは、CMVプロモーター、マルチクローニングサイト、ポリdC/dG配列、pUC119複製開始点、アンピシリン耐性遺伝子、ヒト免疫グロブリンκ鎖定常領域、SV40ポリA付加シグナルを有する全長2976bpのプラスミドである。
【0140】
pMiniCMV−hIgKをEcoRVで切断後、これを鋳型としてプライマーC及びプライマーM:5’−CATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAG−3’を用いたPCR法にてヒトκ鎖遺伝子連結用DNA断片(図16を参照)の調製を行った。PCR反応はタカラバイオのプライムスターDNAポリメラーゼを用い、94℃40秒、 60℃40秒、72℃5分のサイクルを30回行うことで増幅反応を行った。増幅されたDNA断片はスピンカラム法により精製し、10ng/μlの濃度に調製した。
【0141】
4.ヒトγ及びκ鎖発現ユニットの増幅
上記で調製した3’端ポリヌクレオチド付加ヒトγ鎖遺伝子溶液に、3.で調製したヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片を10ng、プライマーを10pmol、dNTPを10nmolを加え、タカラバイオのPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼを用い25μlの反応液にて、94℃を40秒、70℃を4分の反応を5サイクル、引き続き94℃を40秒、60℃を40秒、72℃を4分の反応を30サイクル行った。用いたプライマーは、プライマーE及びプライマーFである。
【0142】
同様に上記で調製した3’端ポリヌクレオチド付加ヒトκ鎖遺伝子溶液に、3.で調製したヒトκ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片を10ng、プライマーを10pmol、dNTPを10nmolを加え、タカラバイオのPrimeSTAR耐熱性DNAポリメラーゼを用い25μlの反応液にて、94℃を40秒、70℃を4分の反応を5サイクル、引き続き94℃を40秒、60℃を40秒、72℃を4分の反応を30サイクル行った。用いたプライマーは、プライマーE及びプライマーFである。
【0143】
増幅されたDNA断片をエタノール沈殿により精製し、25μlのPBSにて溶解した。これよりそれぞれ1μlをとりアガロースゲル電気泳動法にて、細胞1及び細胞2から得られたκ及びγ鎖免疫グロブリン遺伝子断片の発現ユニットへの変換を確認した(図17を参照)。
【0144】
5.培養細胞へのヒト免疫グロブリン発現ユニットの導入による、抗GFP抗体の発現
4.で調製したヒトκ及びγ鎖発現ユニット各5μl(約0.25μg)に、DMEM培地90μl並びにFuGENE HD トランスフェクション試薬2μlを加え20分室温にて放置後、24穴培養皿に培養された293FT細胞へ遺伝子導入を行った。3日間培養を行った後の培養上澄を回収し、ヒト抗体の産生をサンドイッチELISA法にて測定した(図18を参照)。ELISAはヒツジ抗ヒト抗体1μgを96穴プレート底面に固定化し、これに細胞上澄を100μl加え室温にて3時間抗原抗体反応を行った。プレートに結合した組換えヒト抗体を、西洋ワサビパーオキシダーゼが結合したヒツジ抗ヒト抗体を用いて検出を行った。その結果、細胞1由来のヒトγ及びヒトκ鎖遺伝子発現ユニット(カラム1)、ならびに細胞2由来のヒトγ及びヒトκ鎖遺伝子発現ユニット(カラム2)を導入した293FT細胞の培養上澄中に組み換えヒト抗体が検出された。一方、陰性コントロールである遺伝子導入をしていない細胞上澄中(カラム3)には組み換えヒト抗体が検出されなかった。
【0145】
実施例で用いた各DNA断片と配列表の配列番号1との関係は、以下の通りである。
【0146】
配列表の配列番号1:標的遺伝子断片1
CTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCCGACATAACAACCAGAATCCTCCTCTAAAGAAGCACCTGGGAGCACAGCTCATCACCATGGACTGGACCTGGAGGTTCCTCTTTGTGGTGGCAGCAGCTACAGGTGTCCAGTCCCAGGTCCAGCTGGTGCAATCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGTCCTCGGTGAAGATCTCCTGCAAGGCTTCTGGAGGCACCTTCAGCAGCTATACTTTCACCTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAAGGATCATCCCCAATGTCGGTATAGCAAACTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACGCTTATCGCGGACAAATTCACGAATTCAACGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGATGACACGGCCGTTTATTTTTGTGCCGGAGACCCCTCGGGCCACTCACATGACTACTGGGGCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCTTCCACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCT
【0147】
配列表の配列番号2:プライマーA
配列表の配列番号3:プライマーB
配列表の配列番号4:非標的遺伝子断片2
CTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCACCGGTCGCCACCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGGGTGGTGCCCATCCTGGTCGAGCTGGACGGCGACGTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTGTCCGGCGAGGGCGAGGGCGATGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTCGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCAGCCGCTACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAAGGCTACGTCCAGGAGCGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCCGCGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGGCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTCTATATCATGGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGACGGCAGCGTGCAGCTCGCCGACCACTACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCT
【0148】
配列表の配列番号5:pMiniCMV-hIgG
TAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGGTTTAGTGAACCGTCAGATCCGCTAGCGCTACCGGACTCAGATCTCGAGCTCAAGCTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCCCGATATCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTTCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCGATATCACGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGGTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATGAGTGCGACGGCGGCCGCGACTCTAGATCATAATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTACTTGCTTTAAAAAACCTCCCACACCTCCCCCTGAACCTGAAACATAAAATGAATGCAATTGTTGTTGTTAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAAC
【0149】
配列表の配列番号6:プライマーC
配列表の配列番号7:プライマーD
配列表の配列番号8:ヒトγ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片
CGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGGTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATGAGTGCGACGGCGGCCAAGTCGACTTGGCCGACTCTAGATCATAATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTACTTGCTTTAAAAAACCTCCCACACCTCCCCCTGAACCTGAAACATAAAATGAATGCAATTGTTGTTGTTAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGGTTTAGTGAACCGTCAGATCCGCTAGCGCTACCGGACTCAGATCTCGAGCTCAAGCTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCC
【0150】
配列表の配列番号9:プライマーE
配列表の配列番号10:プライマーF
配列表の配列番号11:プライマーG
配列表の配列番号12:プライマーH
配列表の配列番号13:プライマーI
配列表の配列番号14:プライマーJ
配列表の配列番号15:プライマーK
配列表の配列番号16:プライマーL
配列表の配列番号17:プライマーM
【0151】
配列表の配列番号18:pMiniCMV-hIgK
TAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGGTTTAGTGAACCGTCAGATCCGCTAGCGCTACCGGACTCAGATCTCGAGCTCAAGCTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCCCGATATCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTTCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCGATATCACGTGCGCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAGAGGGAGAAGTGCGGCCAAGTCGACTTGGCCGACTCTAGATCATAATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTACTTGCTTTAAAAAACCTCCCACACCTCCCCCTGAACCTGAAACATAAAATGAATGCAATTGTTGTTGTTAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAAC
【0152】
配列表の配列番号19:ヒトκ鎖遺伝子連結用二本鎖DNA断片
CATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAGAGGGAGAAGTGCGGCCAAGTCGACTTGGCCGACTCTAGATCATAATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTACTTGCTTTAAAAAACCTCCCACACCTCCCCCTGAACCTGAAACATAAAATGAATGCAATTGTTGTTGTTAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGGTTTAGTGAACCGTCAGATCCGCTAGCGCTACCGGACTCAGATCTCGAGCTCAAGCTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCC
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]