(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779515
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】アクチュエータ機構、カメラモジュール、およびカメラ
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
G02B7/04 E
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-22489(P2012-22489)
(22)【出願日】2012年2月3日
(62)【分割の表示】特願2007-24540(P2007-24540)の分割
【原出願日】2007年2月2日
(65)【公開番号】特開2012-83797(P2012-83797A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2012年2月16日
【審判番号】不服2014-3539(P2014-3539/J1)
【審判請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】本間 俊彦
【合議体】
【審判長】
藤原 敬士
【審判官】
清水 康司
【審判官】
鉄 豊郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−74990(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/126545(WO,A1)
【文献】
特開2003−85796(JP,A)
【文献】
特開2004−103387(JP,A)
【文献】
特開平11−27880(JP,A)
【文献】
特開2008−26431(JP,A)
【文献】
特開2008−58659(JP,A)
【文献】
特開2008−40048(JP,A)
【文献】
特開2007−121853(JP,A)
【文献】
特開2007−139810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B7/02-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズユニットを収容可能であって、前記レンズユニットの光軸方向に沿って移動可能な筒状のホルダと、
前記ホルダに設けられ、8角形の水平断面形状を有するコイルと、
前記コイルに磁界を提供するヨーク及び8つの平板状のマグネットと、
前記ヨークを支持するベースとを有し、
前記ベースの水平断面形状は、四隅に角部を有する略正方形であり、
前記ヨークの水平断面形状は、外側辺部ヨーク片と前記ベースの前記角部に対応する外側角部ヨーク片が交互に配設されてなる略8角形であり、
前記ヨークは、前記外側角部ヨーク片の内側に設けられた複数の内側ヨーク片を有し、
前記8つの平板状のマグネットは、それぞれ、前記外側角部ヨーク片および前記外側辺部ヨーク片上であって、前記8角形の水平断面形状を有する前記コイルの各辺に対応する位置に設けられ、
前記コイルは、前記マグネットと前記内側ヨーク片との間に位置しており、
前記外側角部ヨーク片、前記外側辺部ヨーク片及び前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることを特徴とするアクチュエータ機構。
【請求項2】
前記ヨークの隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されている請求項1に記載のアクチュエータ機構。
【請求項3】
レンズユニットを収容可能であって、前記レンズユニットの光軸方向に沿って移動可能なホルダと、
前記ホルダに設けられ、8角形の水平断面形状を有するコイルと、
前記コイルに磁界を提供するヨーク及び8つの平板状のマグネットと、
前記ヨークを支持するベースとを有し、
前記ベースの水平断面形状は、辺部と四隅に角部を有する略正方形であり、
前記ヨークは、内側に前記8つの平板状のマグネットが前記8角形の水平断面形状を有する前記コイルの各辺に対応するよう設けられた外側ヨークと、
前記外側ヨークの内側であって、前記ベースの前記角部に位置する部分にのみ配設された複数の内側ヨーク片とを有し、
前記コイルは、前記マグネットと前記内側ヨーク片との間に位置しており、
前記外側ヨーク及び前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることを特徴とするアクチュエータ機構。
【請求項4】
前記外側ヨークは、前記ベースの前記角部に対応する外側角部ヨーク片を有し、
前記8つの平板状のマグネットのうち4つは、前記外側角部ヨーク片に設けられている請求項3に記載のアクチュエータ機構。
【請求項5】
前記外側ヨークは、前記ベースの前記辺部に対応する外側辺部ヨーク片を有し、
前記8つの平板状のマグネットのうち4つは、前記外側辺部ヨーク片に設けられている請求項3または4に記載のアクチュエータ機構。
【請求項6】
隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されている請求項3ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ機構。
【請求項7】
レンズユニットが保持される筒状のホルダと、
前記ホルダを前記レンズユニットの光軸方向に移動させるレンズ駆動部と、
前記ホルダ及び前記レンズ駆動部を収容し、前記光軸方向に直交する平面において矩形状の外径形状を有するケース部とを備え、
前記レンズ駆動部は、
前記ホルダの周囲に配置された8角形のコイルと、
8角形の内周面を有する外側ヨークと、前記外側ヨークに間隔を空けて対向する複数の内側ヨーク片とを有し、前記外側ヨークと前記内側ヨーク片との間に前記コイルを位置させるように前記コイルを覆うヨークと、
前記外側ヨークの前記8角形の内周面上であって、前記8角形のコイルの各辺に対応する位置に設けられた8つの平板状のマグネットとを有し、
前記ヨークの前記内側ヨーク片は、前記外側ヨークの前記8角形の内周面であって、前記ケース部の四隅に対応する四面に設けられた前記マグネットの磁極面に対向しており、
前記外側ヨークと前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることを特徴とするアクチュエータ機構。
【請求項8】
前記ヨークは、前記外側ヨークの前記8角形の内周面であって、前記ケース部の前記四隅に対応する前記四面に設けられた前記マグネットの前記磁極面に対応する部分にのみ前記内側ヨーク片を有する請求項7に記載のアクチュエータ機構。
【請求項9】
隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されている請求項7または8に記載のアクチュエータ機構。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ機構を備えることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載のカメラモジュールを備えることを特徴とするカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ機構、カメラモジュール、およびカメラに関し、さらに詳しくは、比較的小型のデジタルカメラやカメラ付携帯電話などのカメラ付き小型電子機器に用いることができるアクチュエータ機構、前記アクチュエータ機構を備えるカメラモジュール、および前記カメラモジュールを備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小型のデジタルカメラなどにおいて、オートフォーカスおよびズームを目的として、コイルに流れる電流により発生する磁界と、マグネットによる磁界との相互作用によって、光軸方向にレンズを移動させることができるカメラモジュール用のアクチュエータ機構が使用されている。また、最近では、携帯電話に搭載されている小型のカメラにおいて、カメラモジュール用のアクチュエータ機構の更なる小型化が要求されている。
【0003】
従来のカメラモジュールのオートフォーカス用のアクチュエータ機構を
図4に示す。このアクチュエータ機構100は、レンズユニット(図示せず)を収容するホルダ103と、ホルダ103に巻回されているコイル101と、矩形状のベース104と、ベース104の四隅に配設されている4つのマグネット102と、ホルダ103を弾性支持するバネ105とを有している。
【0004】
このアクチュエータ機構100では、ホルダ103に設けられているコイル101へ電流を供給することにより、4つのマグネット102に形成された磁界との反撥力を得、また、バネ105の弾発力を利用することにより、ホルダ103が
図4の図面上下方向へ移動しオートフォーカスが実行される。
【0005】
上記のようなアクチュエータ機構100として特許文献1に開示されているようなアクチュエータ機構がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3124292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のアクチュエータ機構100は矩形状のベース104の四隅に配設されている4つのマグネット102を有しているが、カメラモジュール全体の小型化を図ろうとすると各マグネット102の板厚を十分に確保できないという問題点がある。マグネット102の板厚が薄くなるとN極とS極との間の距離が短縮されてしまうために減磁しやすくなるためである。
【0008】
さらに、このアクチュエータ機構100はバネ105を用いることによりマグネット102の小型化による磁界強度の低下を補っているが、アクチュエータ機構全体のさらなる小型化を図った場合、バネ105を設置するスペースを確保できなくなるという問題点がある。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、アクチュエータ機構の小型化を図った場合においても、十分なホルダへの駆動力を確保することができるアクチュエータ機構,カメラモジュール、およびカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るアクチュエータ機構は、レンズユニットを収容(保持)可能であって、前記レンズユニットの光軸方向に沿って移動可能な筒状のホルダと、前記ホルダに設けられ、8角形の水平断面形状を有するコイルと、
前記コイルに磁界を提供するヨーク及び
8つの平板状のマグネットと、前記ヨークを支持するベースとを有し、前記ベースの水平断面形状は、四隅に角部を有する略正方形であり、前記ヨークの水平断面形状は、外側辺部ヨーク片と前記ベースの前記角部に対応する外側角部ヨーク片が交互に配設されてなる略8角形であり、前記ヨークは、前記外側角部ヨーク片の内側に設けられた複数の内側ヨーク片を有し、前記
8つの平板状のマグネットは、それぞれ、前記外側角部ヨーク片
および前記外側辺部ヨーク片上
であって、前記8角形の水平断面形状を有する前記コイルの各辺に対応する位置に設けられ、前記コイルは、前記マグネットと前記内側ヨーク片との間に位置していることを特徴とする。
さらに、本発明に係るアクチュエータ機構において、前記外側角部ヨーク片、前記外側辺部ヨーク片及び前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係るアクチュエータ機構において、前記ヨークの隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係るアクチュエータ機構は、レンズユニットを収容可能であって、前記レンズユニットの光軸方向に沿って移動可能なホルダと、前記ホルダに設けられ、8角形の水平断面形状を有するコイルと、
前記コイルに磁界を提供するヨーク及び
8つの平板状のマグネットと、前記ヨークを支持するベースとを有し、前記ベースの水平断面形状は、辺部と四隅に角部を有する略正方形であり、前記ヨークは、内側に前記
8つの平板状のマグネットが
前記8角形の水平断面形状を有する前記コイルの各辺に対応するよう設けられた外側ヨークと、前記外側ヨークの内側であって、前記ベースの前記角部に位置する部分にのみ配設された複数の内側ヨーク片とを有し、前記コイルは、前記マグネットと
前記内側ヨーク
片との間に位置していることを特徴としている。
さらに、本発明にかかるアクチュエータ機構において、前記外側ヨークは、前記ベースの前記角部に対応する外側角部ヨーク片を有し、前記
8つの平板状のマグネット
のうち4つは、前記外側角部ヨーク片に設けられていることが好ましい。
さらに、本発明にかかるアクチュエータ機構において、前記外側ヨークは、前記ベースの前記辺部に対応する外側辺部ヨーク片を有し、前記
8つの平板状のマグネット
のうち4つは、前記外側辺部ヨーク片に設けられていることが好ましい。
さらに、本発明にかかるアクチュエータ機構において、前記外側ヨークと前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることが好ましい。
さらに、本発明にかかるアクチュエータ機構において、隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されていることが好ましい。
【0012】
本発明に係るアクチュエータ機構は、レンズユニットが保持される筒状のホルダと、前記ホルダを前記レンズユニットの光軸方向に移動させるレンズ駆動部と、前記ホルダ及び前記レンズ駆動部を収容し、前記光軸方向に直交する平面において矩形状の外径形状を有するケース部とを備え、
前記レンズ駆動部は、前記ホルダの周囲に配置された8角形のコイルと、8角形の内周面を有する外側ヨークと、前記外側ヨークに間隔を空けて対向する複数の内側ヨーク片とを有し、前記外側ヨークと前記内側ヨーク片との間に前記コイルを位置させるように前記コイルを覆うヨークと、
前記外側ヨークの前記8角形の内周面上であって、前記8角形のコイルの各辺に対応する位置に設けられた
8つの平板状のマグネットとを有し、
前記ヨークの前記内側ヨーク片は、
前記外側ヨークの前記8角形の内周面であって、前記ケース部の四隅に対応する四面に設けられた前記マグネットの磁極面に対向し
ていることを特徴としている。
さらに、本発明に係るアクチュエータ機構において、前記外側ヨークと前記内側ヨーク片は、一体となって形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係るアクチュエータ機構において、前記ヨークは、
前記外側ヨークの前記8角形の内周面であって、前記ケース部の前記四隅に対応する前記四面に設けられた前記マグネットの前記磁極面に対応する部分にのみ前記内側ヨーク片を有することが好ましい。
さらに、本発明に係るアクチュエータ機構において、隣り合う前記内側ヨーク片の間には、曲げ逃げ部が形成されていることが好ましい。
本発明に係るカメラモジュールは、上記アクチュエータ機構のいずれかのアクチュエータ機構を備えることを特徴としている。
本発明に係るカメラは、上記記載のカメラモジュールを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るアクチュエータ機構において、ベースの水平断面形状は、四隅に角部を有する略正方形であり、ヨークの水平断面形状は、外側辺部ヨーク片とベースの角部に対応する外側角部ヨーク片が交互に配設されてなる略8角形である。また、ヨークは、外側角部ヨーク片の内側に配設された
複数の内側ヨーク片を有する。また、マグネットは、外側角部ヨーク片上に設けられ、コイルは、マグネットと内側ヨーク片との間に位置している。このように、コイルをマグネットと
複数の内側ヨーク片との間に形成される強い磁界内に位置させることによって、ホルダへの強い駆動力を得ることができる。さらに、ヨークの水平断面形状を略8角形とするとともに、外側角部ヨーク片をベースの角部に対応させて配置することにより、その外側角部ヨーク片の内側に、
複数の内側ヨーク片を配設するためのスペースを確保することができる。このため、アクチュエータ機構の全体形状をベースの形状に合わせて直方体形状とした場合においても、
複数の内側ヨーク片を設けるためにスペースを用意する必要がなくなる。その結果、アクチュエータ機構の内部空間に無駄なスペースが生じにくく、アクチュエータ機構全体の小型化を図ることができる。
【0014】
本発明に係るアクチュエータ機構において、ベースの水平断面形状は、辺部と四隅に角部を有する略正方形である。また、ヨークは、内側にマグネットが設けられた外側ヨークと、外側ヨークの内側であって、ベースの角部に位置する部分にのみ配設された
複数の内側ヨーク
片とを有している。さらに、コイルは、マグネットと内側ヨーク
片との間に位置している。このように、コイルをマグネットと
複数の内側ヨーク
片との間に形成される強い磁界内に位置させることによって、ホルダへの強い駆動力を得ることができる。さらに、
複数の内側ヨーク
片をベースの角部に位置する部分にのみ配設することにより、その外側ヨークの内側に、
複数の内側ヨーク
片を配設するためのスペースを確保することができる。このため、アクチュエータ機構の全体形状をベースの形状に合わせて直方体形状とした場合においても、
複数の内側ヨーク
片を設けるためにスペースを用意する必要がなくなる。その結果、アクチュエータ機構の内部空間に無駄なスペースが生じにくく、アクチュエータ機構全体の小型化を図ることができる。
【0015】
本発明に係るアクチュエータ機構において、レンズ駆動部は、ホルダの周囲に配置された8角形のコイルと、8角形の内周面を有する外側ヨークと、外側ヨークに間隔を空けて対向する複数の内側ヨーク片とを有し、外側ヨークと複数の内側ヨーク片との間にコイルを位置させるようにコイルを覆うヨークと、ケース部の四隅に対向して、ヨークの外側ヨークの対向する四面に設けられた平板状のマグネットとを有している。また、複数の内側ヨーク片の一部は、マグネットの磁極面に対向し
ている。このように、コイルをマグネットと複数の内側ヨーク片との間に形成される強い磁界内に位置させることによって、ホルダへの強い駆動力を得ることができる。さらに、外側ヨークが8角形の内周面を有し、その外側ヨークに間隔を空けて対向するよう複数の内側ヨーク片を配置することによって、その外側ヨークの内側に、複数の内側ヨーク片を配設するためのスペースを確保することができる。このため、アクチュエータ機構の全体形状をケース部の形状に合わせて直方体形状とした場合においても、複数の内側ヨーク片を設けるためにスペースを用意する必要がなくなる。その結果、アクチュエータ機構の内部空間に無駄なスペースが生じにくく、アクチュエータ機構全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る実施形態のアクチュエータ機構1を構成するヨーク6、マグネット部7、及びコイル8を示す平面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態のアクチュエータ機構1の分解斜視図である。
【
図4】従来のカメラモジュールに用いられるアクチュエータ機構100を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態のアクチュエータ機構について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
本実施形態のアクチュエータ機構1は、光学系を構成するレンズユニットを有するカメラモジュールに用いられる。アクチュエータ機構1は、前記レンズユニットを収容可能であって、前記レンズユニットの光軸方向に沿って移動可能な(円)筒状のホルダ9と、前記ホルダ9に設けられているコイル8と、前記コイル8に磁界を提供するヨーク6及び計8つの平板状の第1及び第2マグネット7a、7bと、前記ホルダ9を支持する上部板バネ5及び下部板バネ11と、前記ヨーク6及び第1及び第2マグネット7a、7bと前記板バネ5、11とを支持するベース12とを有し、前記コイル8の水平断面形状は8角形であり、前記計8つの第1及び第2マグネット7a、7bは前記コイル8の各辺部分の外側に対向するように配設されていることを特徴とする。コイル8と、ヨーク6と、第1及び第2マグネット7a、7bは、ホルダ9をレンズユニットの光軸方向に移動させるためのレンズ駆動部を構成する。
【0019】
最初に
図3を参照しつつ本実施形態のアクチュエータ機構1について説明する。なお、撮像素子(図示せず)はベース12の下方に配置されている。
【0020】
カバー2とベース12との間の空間には、レンズユニットを保持するバレル(図示せず)を保持しているホルダ9がレンズユニットの光軸方向へ変位可能に収容されている。カバー2とベース12は、
図3から明らかなように、辺部と四隅に角部を有する略正方形の水平断面形状を有する。このカバー2とベース12は、ホルダ9及びレンズ駆動部を収納し、レンズユニットの光軸方向に直交する平面において矩形状の外径形状を有するケース部を構成する。
【0021】
ホルダ9の上下の各円筒縁部には、それぞれ上部板バネ5の内環部5bと下部板バネ11の内環部11bが取付けられており、上部板バネ5の外環部5a(
図3参照)はヨーク6の上面に取付けられ、下部板バネ11の外環部11a(
図3参照)はベース12に取付けられている。そして、上部板バネ5の内環部5bは架橋部5cを介して外環部5aにより弾性支持されており、また、下部板バネ11の内環部11bは架橋部11cを介して外環部11aにより弾性支持されている。
【0022】
上記ヨーク6とマグネット部7によりアクチュエータ機構1の磁気回路が構成されている。そしてこの磁気回路により形成された磁界にコイル8が配置されている。このコイル8はホルダ9の外周に配設されており、コイル8に電流を供給することによりホルダ9をレンズユニットの光軸方向へ変位させることができる。なお、符号3により示す部材は下部板バネ11の外環部5aをベース12に支持するために装着される第2プレートであり、符号4により示す部材はコイル8に電流を供給するためのフレキシブルプリント基板であり、符号10により示す部材は下部板バネ11とヨーク6の底面との間に装着される第1プレートである。
【0023】
次に、
図1及び
図2を参照しつつヨーク6、マグネット部7、及びコイル8について説明する。ヨーク6は、外側ヨークと外側ヨークの内側に間隔を空けて対向する内側ヨークとを有する。外側ヨークは、水平断面形状が略8角形であり(略8角形の内周面を有し)、内側に後述する第1及び第2マグネット7a、7bが設けられている。内側ヨークは、4つ(複数)の内側ヨーク片6aから構成されている。4つの内側ヨーク片6aは、後述する第1マグネット7aに対応する位置(ベース12の角部に位置する部分)であってコイル8の内側に配設されている。また、外側ヨークは、一連に形成されている4つの外側角部ヨーク片6bと4つの外側辺部ヨーク片6cを有している。この外側角部ヨーク片6bは、ベース12の角部に対応するよう設けられており、外側辺部ヨーク片6cは、ベース12の辺部に対応するよう設けられている。ベース12の各外側角部ヨーク片6bは、カバー2またはベース12の各角部(ケース部の四隅)に対応する位置に、また、外側辺部ヨーク片6cは、カバー2またはベース12(ケース部)の各辺部に対応する位置に配設されている。また、隣り合う内側ヨーク片6aの間には、曲げ逃げ部6fが形成されている。
【0024】
マグネット部7は、4つの第1マグネット7aと4つの第2マグネット7bの計8つの平板状のマグネットから構成されている。この各第1マグネット7aは各外側角部ヨーク片6bに接着されており、また、各第2マグネット7bは各外側辺部ヨーク片6cが接着されている。従って、各第1マグネット7aと各第2マグネット7bは交互に配設されることになる。また、各第1マグネット7aは、各内側ヨーク片6aに対応する位置において対向するように配設されている。すなわち、各第1マグネット7aの磁極面は、内側ヨーク片6aに対向
している。
【0025】
コイル8は水平断面形状が8角形になるように巻回されているムービングコイルである。コイル8は、4つの短辺コイル部分8aと4つの長辺コイル部分8bとを有し、各短辺コイル部分8aはその外側に対向するように配設されている各第1マグネット7aと各内側ヨーク片6aとの間に位置し、各長辺コイル部分8bはその外側に対向するように配設されている各第2マグネット7bに沿うように位置している。この水平断面形状が8角形のコイル8は(円)筒状のホルダ9により支持されている(ホルダ9の周囲に配置されている)ために、コイル8とホルダ9との間の4箇所において4つの間隙8cが形成されている。この各間隙8cにおいて各内側ヨーク片6aが立設されている。
【0026】
以下、本実施形態のアクチュエータ機構1の作用効果を説明する。
本実施形態のアクチュエータ機構1は、コイル8の水平断面形状が8角形であり、計8つの平板状の第1及び第2マグネット7a、7bがコイル8の各辺部分である短辺コイル部分8aと長辺コイル部分8bのそれぞれの外側に対向するように配設されている。このため、コイル8がその全周に渡り8つの平板状の第1及び第2マグネット7a、7bが形成する磁界に近接して配置することが可能となり、アクチュエータ機構1におけるホルダ9への十分な駆動力を確保することができる。また、コイル8の水平断面形状が8角形であるため、アクチュエータ機構1の全体形状を直方体形状とした場合においても、内部空間に無駄なスペースが生じにくく、アクチュエータ機構1の小型化を図ることができる。また、従来のアクチュエータ機構のように円筒状のコイルを用いた場合、平板状のマグネットと組み合わせると、コイルの円周面に応じてコイルとマグネットとの間の距離が離間してしまうが、この第1及び第2マグネット7a、7bは平板状のマグネットであるにもかかわらずコイル8との距離を一定に保つことができる。
【0027】
さらに、本実施形態のアクチュエータ機構1は、4つの第1マグネット7aと4つの内側ヨーク片6aが配設されており、この各内側ヨーク片6aは、各第1マグネット7aに対応する位置であってコイル8の内側に配設されている。このため、コイル8の短辺コイル部分8aは第1マグネット7aと内側ヨーク片6aとの間において形成される強い磁界内に位置するため、ホルダ9へのより強い駆動力を得ることができる。また、(円)筒状のホルダ9と水平断面形状が8角形状であるコイル8との間には、間隙8cが形成されているため、コイル8の内側に4つの内側ヨーク片6aを立設することができ、アクチュエータ機構1の内部空間を有効に使用することができ、アクチュエータ機構1全体の小型化を図ることができる。
【0028】
さらに、本実施形態のアクチュエータ機構1は、ヨーク6の水平断面形状は略8角形であり、4つの第2マグネット7bがヨーク6の水平断面における各辺部に対応する位置に配設されている。従って、アクチュエータ機構1の全体形状を直方体形状とした場合においても、コイル8が全周に渡って第1及び第2マグネット7a、7bによって形成される磁界内に配置することができる。このため、アクチュエータ機構1を小型化した場合においても、アクチュエータ機構1におけるホルダ9への十分な駆動力を確保することができる。
さらに、本発明のカメラモジュールは、上記説明したアクチュエータ機構1を備える。このため、カメラモジュールを小型化した場合においても、アクチュエータ機構1におけるホルダ9への十分な駆動力を確保することができる。
さらに、本発明のカメラは、上記カメラモジュールを備える。このため、カメラを小型化した場合においても、アクチュエータ機構1におけるホルダ9への十分な駆動力を確保することができる。
【符号の説明】
【0029】
1、100 アクチュエータ機構
2 カバー
3 第2プレート
4 フレキシブルプリント基板
5 上部板バネ
5a、11a 外環部
5b、11b 内環部
5c、11c 架橋部
6 ヨーク
6a 内側ヨーク片
6b 外側角部ヨーク片
6c 外側辺部ヨーク片
6f 曲げ逃げ部
7 マグネット部
7a 第1マグネット
7b 第2マグネット
8、101 コイル
8a 短辺コイル部分
8b 長辺コイル部分
8c 間隙
9、103 ホルダ
10 第1プレート
11 下部板バネ
12、104 ベース
102 マグネット
105 バネ