(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779519
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】間仕切り
(51)【国際特許分類】
E04B 2/82 20060101AFI20150827BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
E04B2/82 501D
E04B2/82 511D
E04B2/74 541P
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-32008(P2012-32008)
(22)【出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2013-167117(P2013-167117A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(72)【発明者】
【氏名】須賀 陽一
(72)【発明者】
【氏名】笠原 康貴
(72)【発明者】
【氏名】水名 裕太
(72)【発明者】
【氏名】寶田 理恵
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−52407(JP,A)
【文献】
実開昭48−91712(JP,U)
【文献】
実開昭47−15417(JP,U)
【文献】
実公昭54−4261(JP,Y2)
【文献】
特開2004−150162(JP,A)
【文献】
特開平11−172818(JP,A)
【文献】
特開2007−162391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74−2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上レールと、中子と桟と下金具を備え、上レールは、天井に固定してあり、中子は上レールに固定してあり、下金具は、中子の下の床に固定してあり、桟は両端に上キャップと下キャップを有し、上キャップは、中子を受け入れる凹部が設けてあり、下キャップは、下金具を取り付ける被取付部を有し、桟は、倹飩式に中子と下金具に取り付けてあることを特徴とする間仕切り。
【請求項2】
幕板とパネルと連結材と下レールを備え、上レールは、間仕切りの上部全長に渡って設けてあるとともに、連結材は、上レールのパネルを取り付ける箇所に設けてあり、下レールは、床のパネルを取り付ける箇所に設けてあり、パネルは、連結材と下レールとに取り付けてあり、中子は、上レールの桟が取り付ける箇所に設けてあり、下金具は、床の桟を取り付ける箇所に設けてあり、上レールの全長に渡って前後から幕板が固定してあることを特徴とする請求項1記載の間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内あるいは室外を区画するための間仕切りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
間仕切りは、
図11のように、桟41を複数取り付けてユニット化した格子体40やパネルを現場に搬送し、天井44と床45の間に金具42,43などを用いて取り付けるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「組立・施工手引書 スクリーンパーテーション格子調デザイン」 YKKAP株式会社 2011年 7ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユニット化された格子体やパネルなどの間仕切りは重量が嵩むため、現場までの搬送や取付作業などを複数人で行わなければならず、このことから、現場での施工に大変な手間と労力がかかるものであった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、作業手間や労力がかからずに一人で施工ができる間仕切りを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1記載の発明は、上レールと、中子と桟と下金具を備え、上レールは、天井に固定してあり、中子は上レールに固定してあり、下金具は、中子の下の床に固定してあり、桟は両端に上キャップと下キャップを有し、上キャップは、中子を受け入れる凹部が設けてあり、下キャップは、下金具を取り付ける被取付部を有し、桟は、倹飩式に中子と下金具に取り付けてあることを特徴とする。
【0006】
本発明のうち請求項2記載の発明は、幕板とパネルと連結材と下レールを備え、上レールは、間仕切りの上部全長に渡って設けてあるとともに、連結材は、上レールのパネルを取り付ける箇所に設けてあり、下レールは、床のパネルを取り付ける箇所に設けてあり、パネルは、連結材と下レールとに取り付けてあり、中子は、上レールの桟を取り付ける箇所に設けてあり、下金具は、床の桟を取り付ける箇所に設けてあり、上レールの全長に渡って前後から幕板が固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のうち請求項1記載の発明によれば、桟の上キャップを天井に取り付けた上レールの中子に挿入するとともに、桟の下キャップを床面に取り付けた下金具に取り付けることにより、桟を倹飩式に取り付けて現場で組み立てるものであるから、作業者は軽い力で作業ができるので施工が容易となる。また、上レールに中子を取り付けてあることにより、天井に中子を取り付けることも容易になる。
【0008】
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、格子体とパネルを併用する間仕切りにおいて、上レールの長手方向に連続する幕板が取り付けてあることにより、上レールと桟とパネルの上端が共通する幕板で隠蔽されるので、間仕切りの意匠の統一感が生まれることになる。また、上レールを天井に取り付けるだけで間仕切り全体の位置決め及び格子体とパネルの一直線上の配置ができるので、別々の格子体とパネルを並べて施工するものよりも施工性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、
図2中のA−A線断面図であり、(b)は、
図2中のB−B線断面図であり、(c)は、
図2中のC−C線断面図である。
【
図2】(a)は、本実施による間仕切りの全体正面図であり、(b)は、上キャップの横断面図である。
【
図3】(a)〜(d)は、本実施による間仕切りの施工手順を示す縦断面図である。
【
図4】(a)〜(d)は、
図3(a)〜(d)の上キャップを横断面した図である。
【
図5】本発明の他の実施形態を示す(a)は、
図6中のD−D線断面図であり、(b)は、
図6中のE−E線断面図であり、(c)は、
図6中のF−F線断面図であり、(d)は、
図6中のG−G線断面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態を示す全体正面図である。
【
図7】(a)〜(d)は、
図5に示す実施形態の間仕切りの施工手順を示す縦断面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態を示す(a)は、全体正面図であり、(b)は、(a)中のH−H線横断面図であり、(c)は、(a)中のI−I線断面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態を示す(a)は、全体正面図であり、(b)は、(a)中のJ−J線断面図であり、(c)は、(a)中のK−K線断面図である。
【
図10】(a)(b)は、本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【
図11】従来の間仕切りの施工を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面に基づいて本実施による間仕切りの実施の形態を説明する。
本実施による間仕切りは、
図1(a)〜(c)と
図2(a)のように、天井10の上側に固定してある上レール1と、上レール1の長手方向に間隔をあけて複数取り付けてある中子2と、各中子2の下の床11にそれぞれ固定してある下金具3と、上レール1と下金具3との間に取り付ける桟4とからなっている。上レール1は、一側と他側の外側見付け面に幕板5を取り付ける幕板取付部6が設けてあり、上レール1の見込方向の中央には、中子2をネジ7で固定する被固定部8が設けてある。幕板5は、略垂直な板材の上部内周側に略コ字型をなす上レール取付部5aが設けてあり、上レール1の幕板取付部6に取り付けたときに、上レール1と桟4の隙間と中子2を外から隠蔽することができる。中子2は、断面略矩形状をなしており、上レール1から略垂直に延びている。下金具3は、見込方向に間隔をあけて起立する二枚の取付片3aを有する側面視して略コ字型をなしており、床11の各中子2と上下に対向する位置にネジ7で取り付けてある。桟4は、断面略矩形状をなす長尺な中空形材であり、長手方向の一端側には上キャップ12を取り付けてあり、長手方向の他端側には下キャップ13を取り付けてある。上キャップ12は、
図1(a)と
図2(b)のように、凹部14を有しており、凹部14は、桟4の見込み方向に長い長孔状に形成してあり、中子受け部28と、中子受け部28と連続する中子挿入空間29を有しており、中子受け部29を囲む壁部30は、中子2を受け入れることから一側が開放した略コ字型をなしており、各壁部30の内面30aが中子挿入空間29に受け入れた中子2の外周面にそれぞれ面接触することにより、中子2を回転不能に固定するものである。
また、中子挿入空間29から中子受け部28に向かう両側の壁部30は、それぞれが中子受け部28側に向かうに従ってテーパー状に狭まっており、このテーパー部31により中子挿入空間29に挿入した中子2を中子受け部28に受け入れやすく形成してある。また、中子挿入空間29には、中子2を固定するための固定ピース15が挿入され、固定ピース15は、押さえ部15aとネジ差込部15bと調整ネジ27とからなっており、調整ネジ27は、ネジ差込部15bのネジ孔32に出没自在に螺合してある。また、ネジ差込部15bは、押さえ部15aに対して斜めに設けてあり、調整ネジ27をネジ孔32に差し込んだときに、中子2のコーナー部2aに調整ネジ27の先端を案内することができる。これにより、桟4の建て付け方向を90°変えても固定ピース15を固定したときに、隣りの桟4が邪魔にならずに調整ネジ27をネジ止めすることができる。そして、固定ピース15は、上キャップ12の凹部14の中子受け部28に中子2が挿入された後、中子挿入空間29に押さえ部15aを嵌合し、固定ピース15の調整ネジ27をネジ差込部15bに差し込んで中子2の斜め方向からネジ込むことにより、調整ネジ27が中子2のコーナー部2aに当接して中子2と上キャップ12間で突っ張り、桟4が中子受け部28内でガタつくことなくしっかりと取付できるようにしてある。下キャップ13は、
図1(c)のように、下部に下金具被取付部(被取付部)16が設けてあり、桟4を落とし込んで下金具被取付部16を下金具3に取り付ける。尚、
図1中(a)(b)の符号26は、上レール1及び幕板5の端部カバー材である。
【0011】
本実施による間仕切りの施工手順を
図3(a)〜(d)と
図4(a)〜(d)に基づいて説明する。
第一の手順として
図3(a)のように、天井10の内周側上部に予め中子2を固定してある上レール1をネジ7で固定し、床11に下金具3をネジ7で固定し、
図4(a)のように、桟4の上キャップ12の凹部14の中子挿入空間29を上レール1の中子2に下方から挿し込む。第二の手順として
図3(b)のように、桟4の下キャップ13を予め床11に固定してある下金具3に落とし込むとともに、
図4(b)のように、桟4を起こしながら中子挿入空間29にある中子2を中子受け部28に移動させて倹飩式に取り付ける。第三の手順として
図3(c)と
図4(c)のように、桟4の上キャップ12の凹部14の中子挿入空間29に固定ピース15を入れ、さらに、
図4(d)のように、調整ネジ27で固定ピース15を中子2のコーナー部2aと上キャップ12の間で突っ張らせることにより、上キャップ12と中子2を固定する。第四の手順として
図3(d)ように、上レール1の一側と他側の外側見付け面に設けてある幕板取付部6に幕板5の上レール取付部5aをそれぞれ取り付けることにより、本実施による間仕切りの施工が完了する。
【0012】
本発明の他の実施形態として、
図5(c)(d)と
図6のように、桟4とパネル17を組み合わせた間仕切りがある。天井10に取り付ける上レール1は、パネル17を取り付ける箇所に連結材20が取り付けてあり、連結材20は、連結材20の一側から垂下するパネル当接片20aと、パネル当接片20aと一側に間隔をあけた箇所から垂下するパネル係止片20bを有している。また、床11に取り付ける下レール23は、断面略矩形状をなし、ネジ7で床11に取り付けてある。桟4の取り付けについては、
図5(a)〜(d)と
図6のように、上記実施形態と同様、桟4の上キャップ12の凹部14を上レール1の中子2に挿し込み、桟4の下キャップ13を下金具3に倹飩式に取り付けるものである。パネル17は、
図7のように、ガラス板18の四周を框で囲む構造をなしており、上框17aには、
図5(b)のように、上方に突出するレール係止部19を有しており、下框17bには、下レール23を取り付ける溝状をなす下レール取付部24を有している。また、連結材20と下レール23へのパネル17の取付については、第一の手順として
図7(a)のように、天井10に上レール1と連結材20を取り付けるとともに、上レール1と上下に対向する位置の床11に下レール23を取り付ける。第二の手順として
図7(b)のように、パネル17の下框17bに設けてある下レール取付部24を下レール23に取り付け、下レール23を軸としてパネル17を起こしていき、パネル17の上框17aを連結材20のパネル当接片20aに当接するとともに、パネル17の上端に設けてあるレール係止部19がパネル係止片20bを乗り越えてラチェット式にパネル係止片20b係止する。第三の手順として
図7(c)のように、連結材20のパネル当接片20aの一側または他側の外側見付け面側からネジ7を挿し込んでパネル17の上框17aに固定し、連結材20とパネル17を固定する。第四の手順として、
図7(d)のように、上レール1の幕板取付部6に幕板5を取り付けることで、本実施による間仕切りの施工が完了する。尚、連結材20は、本実施のものではパネル17の見付け寸法と略同じ長さの長尺なものが使用されているが、パネル17を上レール1に固定できればよいことから、短尺なものでもよい。
【0013】
図8(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態として、断面形状が長方形の複数の桟4を交互に向きを変えて配置するように、桟4の上キャップ12の凹部14を中子2に挿入し、桟4の下キャップ13を下金具3に取り付けたものである。このように、本実施形態の間仕切りは、桟4の側周面のいずれの面を一側または他側の見付け面にすることができるので、上記の断面長方形状のように見付け幅と見込み幅が相違する桟4や色の異なる桟4の中から、施主が好みの桟4の色や桟4の配置順、あるいは桟4の向きを自由に選んで施工できる。また、
図9(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態として、桟4の両側にパネル17をそれぞれ配置した間仕切りである。このように、本実施形態の間仕切りは、桟4やパネル17の配置パターンを自由に変更できる。さらに、現場で桟4やパネル17を個々に取り付けることができるため、現場に組み立て済みの間仕切りなどを持ち込まなくてもよく、現場で容易に施工できるため作業負担が少なく施工性が向上する。また、中子2を上キャップ12で固定する手段として、上記実施形態では固定ピース15を入れて調整ネジ27で突っ張らせるものについて記載したが、固定する手段については他の手段であってもよく、例えば、中子挿入空間29に固定ピース15を入れ、桟4の周壁外側から調整ネジ27を挿入して固定ピース15を押して中子2を固定するものであってもよい。また、中子2の横断面形状は、上記実施形態では面取りされた八角形のものを挙げたが、このように、横断面が回転対称形状をなすものであれば、中子2が中子受け部28の壁部30の内面30aに面接触し、中子2をしっかりと固定できるようになる。また、桟4についても、上記実施形態のような長方形のもののように、見付け寸法と見込み寸法が相違するものであれば、桟4の建て付け方向を変えることで間仕切りの意匠を変えることができる。さらに、固定ピース15が桟4の正面から調整ネジ27で取り付けるものを使用したときには、桟4の向きを90°変えて施工した場合に、調整ネジ27を桟4の側面から取り付けなければならず、このことから、固定ピース15を固定する桟4の隣りに別の桟4があるときには邪魔になるため、施工が困難となるが、上記実施形態のように、固定ピース15を斜めからネジ27で止める構造とすることにより、桟4の向きを変えて取り付けても容易にネジ27でネジ止めできる。また、中子2は、中子受け部28の壁部30の内面30aと接触して回転不能になるものであればよく、例えば、
図10(a)(b)のように、凹凸が連続する外周面を有するものでもよく、この場合でも、中子2の外周面の各凸部2bが中子受け部28の壁部30の内面30aにそれぞれ接触することで、中子2を回転不能に固定することが可能である。
【符号の説明】
【0014】
1 上レール
2 中子
3 下金具
4 桟
5 幕板
10 天井
11 床
16 下金具被取付部(被取付部)
17 パネル
20 連結材
23 下レール