(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る結露防止用シートの実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る結露防止用シート1は、住宅などの建築物の窓ガラスなどの室内壁面や空調機の室外機に接続される配管等の表面に発生する結露を防止するために用いられる結露防止用のシート材であり、後述する
図3に示すように、例えば住宅の窓ガラスの室内表面の所定箇所に貼付されて使用されるものである。
【0012】
[結露防止用シート]
図1は、本発明の一実施形態に係る結露防止用シートの構成を示す斜視図であり、
図2は、同様に本発明の一実施形態に係る結露防止用シートの他の構成を示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る結露防止用シート1は、シート本体10と、このシート本体10の一面に重ねて配置される吸湿性シート20とを備えて構成されたシート材である。
【0013】
具体的には、シート本体10は、例えば横長の長方形状や長尺帯状、正方形状等の矩形状に形成・裁断されたシート材により形成され(
図3(a),(b)参照)、このシート本体10の一面側に吸湿性シート20が積層され、接着剤や融着等の手段により固着されるようになっている。
そして、本実施形態の結露防止用シート1では、シート本体10を構成する積層気泡シートに位置合わせされて吸湿性シート20が重ねて配置されるとともに、矩形状のシート本体10の四辺のうち少なくとも一辺の縁部において、吸湿性シート20の縁部が、シート本体の縁部に沿って当該縁部から突出するように配置・積層され、この吸湿性シート20の突出部分がスカート部21として構成されるようになっている。
【0014】
ここで、結露防止用シート1は、例えば住宅の室内壁面用であれば、予め建具や窓枠等の寸法に応じて所定の大きさ良い裁断形成しておくことができる。
例えば、
図3に示すように、住宅の窓ガラス用であれば、窓枠の内側に貼付可能な一枚の横長の長方形状のシート(
図3(a)参照)や、複数枚(二枚)の正方形状のシート(
図3(b)参照)となるように、予め所定の矩形状に形成・裁断しておくことができる。
住宅用の建具や窓枠等は寸法が決まっており、これに対応して結露防止用シート1を予め所定の大きさとしておくことで、貼付・設置の際の作業性や利便性を向上させることができる。
【0015】
また、結露防止用シート1を、例えば長さを決めずに長尺帯状に形成しておくこともでき、長尺帯状の結露防止用シート1をロール状に巻いた状態で搬送,出荷,保管等することができる。そして、ロールから必要な長さだけ結露防止用シート1を引き出して裁断することで、所望の大きさ・長さの結露防止用シート1を使用することができる。
なお、このように結露防止用シート1を長尺帯状に形成する場合には、後述するスカート部21を、長尺帯状の長辺側の少なくとも一辺においてシート本体10から突出するように形成するようにする。このようにすれば、長尺帯状の結露防止用シート1をどの箇所・どの長さで裁断しても、スカート部21が必ず存在することになり好ましい。
また、結露防止用シート1を長尺帯状に形成する場合、帯状に延びるシート材に所定間隔等で易裁断加工(例えばノッチやミシン目加工等)を形成することができる。このようにすると、その易裁断加工部分で結露防止用シート1を容易に裁断することができ、また、裁断の際に寸法を計ることなく所定の大きさ(長さ)の結露防止用シート1を切り出すことができるようになり好ましい。
【0016】
[シート本体]
シート本体10は、中空構造の積層気泡シートによって構成された例えば所定の大きさの矩形状に形成・裁断されてなるシート部材である。
具体的には、シート本体10は、後述する
図8に示すように、中空状に膨出する多数のキャップ11が形成されたキャップフィルム12と、キャップフィルム12のキャップ開口側に積層されるバックフィルム13とを備える二層の積層気泡シート、又は、キャップフィルム12及びバックフィルム13と、キャップフィルム12のキャップ膨出側に積層されるライナーフィルム14とを備える三層の積層気泡シートからなっている。
図1に示すシート本体10は三層の気泡シート、
図2に示すシート本体10は二層の気泡シートからなっている。
【0017】
このような積層気泡シートは、多数の気泡により保温性・断熱性に優れ、例えば室内の壁面に貼付されることで、貼付面の表面温度が低下することを抑制し、室内空間の温度と壁面の表面温度に格差が生じることを防止でき、当該室内壁面に結露が発生することを好適に抑制・防止することができる。
また、積層気泡シートは、軽量かつ柔軟で、一定の剛性や強度を有し、また、ハサミやカッターで裁断・加工も容易で、結露防止用シート1を設置・貼付する室内壁面の形状や大きさ,空間等に合わせた裁断や配置が簡単に行える。
なお、積層気泡シートの各フィルムの厚みや、キャップフィルムに形成される気泡の形状や大きさ,数,ピッチ等は、積層気泡シートの大きさや用途等に応じて、製造装置(
図9,10参照)の設定等により適宜設定・変更が可能であり、本実施形態に係る結露防止用シート1のシート本体10としても、それらの積層気泡シートを適宜選択して使用することができる。
【0018】
そして、本実施形態では、シート本体10は、後述する吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面が、少なくとも表面において室内壁面等の結露発生面に貼着可能な粘着性を有するようになっている。
このようにシート本体10の一面が粘着性を有していることにより、その粘着性を有する面をシートを貼付する所望の室内壁面等に押し付けるだけで、結露防止用シート1をその室内壁面等に貼着・設置することができ、シートの設置作業がきわめて容易に行えるようになる。
【0019】
ここで、シート本体10の表面に所定の粘着性を持たせる構成としては、例えば、シート本体10の表面の全体又は一部に、接着剤等の粘着層を積層あるいは塗布形成することができる。
また、シート本体10を構成するフィルム(バックフィルム13,ライナーフィルム14又はキャップフィルム12)自体を、粘着性(自己粘着性・微着性)を有するフィルムとして形成することもできる。
【0020】
より具体的には、シート本体10に粘着層を設ける場合には、例えば公知の接着剤を吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面に積層あるいは塗布することができる。
接着剤としては、結露防止用シート1を所望の壁面に対して脱落しないように貼付でき、かつ、使用後には容易に剥離・取り外しが可能で、剥離の際にシート材が破損したり剥離面に接着剤が残らない程度の粘着性を有するものが好ましく、例えば、貼付/剥離が繰り返し可能な付箋やシールの裏面,セロハンテープの接着面などに使用されるものと同様のものを使用できる。
例えば、接着剤としては、一般的に使用される天然ゴム系接着剤,合成ゴム系接着剤,アクリル系接着剤などを使用することができ、その場合に、粘着層の粘着力が0.7〜25(N/50mm)等の範囲となるように設定する。この範囲の粘着力であれば、シートを壁面等に脱落不能に貼付でき、かつ、剥離も容易で、剥離の際にシート材が破損することもなく、剥離面に接着剤も残ることがなく好ましい。
【0021】
また、接着剤としては、例えば再活性接着剤を用いることもできる。
再活性接着剤は、水を溶媒とする水系接着剤のうち、水分蒸発と再湿によって硬化と溶融とを可逆的に起こす接着剤であり、例えば切手の裏面などに使用されているものと同様である。
このような再活性接着剤をシート本体10の吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面に塗布しておき、使用時に水を付けて濡らすことにより、液化して接着機能を発揮させることができる。結露防止用シート1は、既に結露(水分)が発生している箇所に貼付・設置することもあり、そのような場合には再活性接着剤を備えたシートは特に好ましい。
【0022】
また、シート本体10を構成するフィルム(バックフィルム13,ライナーフィルム14又はキャップフィルム12)自体に粘着性を持たせることもできる。
接着剤等を塗布等せずにフィルム自体が粘着性を有するものとしては、例えば自己粘着性フィルムや水貼り可能フィルムがある。
自己粘着性(微着性)フィルムは、接着剤,粘着剤を使用することなくフィルム自体が対象物に貼着可能で、一度貼着すると通常の状態では剥離・脱落しない一方、フィルムを端部から捲り剥がすことで容易に剥離することができるフィルムであり、窓ガラス等の平面に貼付・剥離が繰り返される結露防止用シート1に好適に用いることができる。
この種の自己粘着性フィルムは、例えばメタロセン触媒を使用して重合させたポリオレフィンを材料として形成されるフィルム、水添ジエン系ランダム共重合体に対してオレフィン系重合体を配合した樹脂組成物から形成されるフィルム、水素系スチレン・ブタジエン系共重合体から形成されるフィルム等によって構成することができる。
【0023】
さらに、シート本体10を構成するフィルム(バックフィルム13,ライナーフィルム14又はキャップフィルム12)を水貼り可能フィルムによって形成することもできる。
水貼り可能フィルムは、ガラスまでのような平面状の貼付面に水を塗り、その上にフィルムを乗せて貼付面とフィルムとの間に空気が残らないように密着させることによって貼付面にフィルムを貼り付けることができるもので、水が乾いた状態になっても剥離・落下等せず、かつ、少しの力を加えるだけで容易に剥離することができるものである。
【0024】
結露防止用シート1は、結露によって表面が水に濡れた状態の壁面等に貼付するものであり、壁面に貼付されるシート本体10のフィルムを水貼り可能フィルムによって形成することは好適である。
この種の水貼り可能フィルムは、シート本体10を構成する気泡シートの材料となるポリオレフィン樹脂に所定の親水性物質を混練し製膜してなるフィルムで形成できる。所定の親水性物質としては、例えばポリエチレンにアクリル酸及び/又は無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマー、及び、モノまたはジグリセリン脂肪酸エステル、から選んだ一種又は二種の物質等がある。
【0025】
なお、シート本体10は、吸湿性シート20が重ねられる面と反対側の面が、室内壁面等の結露発生面に貼り付けられる面となるので、上記のような粘着性・接着性を有するシート本体10は、少なくとも吸湿性シート20が重ねられるのと反対側のフィルム(バックフィルム13又はライナーフィルム14)について、上述した粘着層(接着剤層)を備えたり自己粘着性フィルムや水貼り可能フィルムによって形成されていれば良い。
但し、二層気泡シートや三層気泡シートを構成する他のフィルムについても粘着層として形成されることは任意である。
【0026】
また、以上のようにシート本体10の壁面貼付側の表面に所定の粘着性を持たせる場合には、当該粘着面に離型シートを貼付しておくことが好ましい。
結露防止用シート1は、非使用の際にはロール状に巻いたり、複数枚のシートが積み重ねられて収納・保管されることがあり、その場合、シート本体10の粘着面が吸湿性シート20の表面に重ね合わされたり、シート本体10の粘着面同士が重ねられることがある。従って、そのような場合にシート本体10の粘着面が不用意に他の面と粘着・接着することを防止するために、シート本体10の粘着面には紙やフィルム等からなる離型シートを貼付しておくことが好ましい。
【0027】
離型シートとしては、例えば、紙やフィルムなどで形成した基材の表面に剥離加工を施した部材(いわゆる剥離紙など)で構成できる。
このような離型シートを備えることで、シート本体10の粘着面を保護しつつ、当該粘着面が所望の箇所以外の部分に誤って接着されるといった事態を回避でき、かつ、結露防止用シート1を使用する際には、容易に粘着面から剥離してシート本体10の粘着面を露出させることができる。
なお、上記のようなシート本体10の粘着面に貼付・積層される離型シートに代えて、後述する吸湿性シート20の表面に、シート本体10の粘着面用の離型層(離型用の塗装・コーティング)を形成することができる。
以上のようなシート本体10を構成する二層式・三層式の積層気泡シートの詳細については、
図8〜10を参照して更に後述する。
【0028】
[吸湿性シート]
吸湿性シート20は、シート本体10に重ねて配置されるシート部材であり、
図1及び
図2に示すように、シート本体10とほぼ同形,同大の矩形状等に形成・裁断されたシート部材となっている。
吸湿性シート20は、吸湿性・吸水性を有するシート部材によって形成される。
具体的には、本実施形態に係る吸湿性シート20は、不織布、布、又は紙によって構成されている。一般に、不織布や布、紙(例えば和紙)は、吸湿性に優れており、結露用の吸湿性・吸水性のシート部材として好ましい。
また、不織布や紙,布からなる吸湿性シート20は、軽量かつ柔軟で、ハサミやカッターで裁断・加工も容易で、結露防止用シート1を設置・貼付する室内壁面の形状や大きさ,空間等に合わせた裁断や配置が簡単に行えることからも、様々な形状,面積等に使用される結露防止用シートのシート材として好適である。
【0029】
なお、吸湿性シート20は、シート本体10の一部にのみ重ね合わせるようにすることもできる。例えば、窓ガラスの全面に貼付可能な窓サイズに形成されたシート本体10に対して、窓の下側部分のみに吸湿性シート20が配置されるように、シート本体10の例えば1/4等の面積の吸湿性シート20を重ね合わせるようにしても良い。
この場合、窓ガラスのほぼ全面がシート本体10によって覆われて断熱・保温され、かつ、窓ガラスの下側部分のみに吸湿性シート20が配置されて、窓下側に落下・移動した水分を吸収することができる。
【0030】
そして、このような不織布や紙,布からなる吸湿性シート20が、上述したシート本体10を構成する積層気泡シートに位置合わせされて重ねて配置され、接着剤や融着等によりシート本体10に対して面状に固着されるようになっている。
ここで、シート本体10に重ねて配置される吸湿性シート20は、シート本体10が三層の積層気泡シートの場合には、
図1に示すように、バックフィルム13又はライナーフィルム14に重ねられて接着・固着され、また、シート本体10が二層の積層気泡シートの場合には、
図2に示すように、キャップフィルム12又はバックフィルム12に重ねられて接着・固着されることになる。
【0031】
吸湿性シート20をシート本体10に接着するための接着剤(接着層)は、例えば吸湿性シート20のシート本体10との接着側面やシート本体10の接着面の全面又は所定の箇所に部分的に塗布あるいは積層して設けることができる。
接着層・接着剤としては、具体的には、例えばポリエチレンをラミネートしたポリラミ層、又は、公知の接着剤を塗布した接着剤層などで形成することができる。ポリラミ層は、加熱することでポリエチレンが溶融し、これが接着剤となって、吸湿性シート20を構成する不織布等をシート本体10のフィルムの表面に接着するものである。接着剤層を形成する接着剤としては、従来公知の任意好適な接着剤を用いることができる。
【0032】
このような接着層(接着剤)により、吸湿性シート20をシート本体10のフィルムの表面に対して押し当てる(あるいは、加熱しながら圧接する)ことにより、容易かつ確実に接着・固定することができる。
そして、このようにシート本体10に対して吸湿性シート20を接着・固定する際には、あるいは、接着・固定後に、上述した吸湿性シート20の少なくとも一辺の縁部がシート本体10の縁部から突出するスカート部21が形成されるようにする。
スカート部21の詳細については、
図4〜6を参照して更に後述する。
【0033】
以上のような吸湿性シート20としては、不織布を用いることが好ましい。
不織布は、布(織編物)や紙と比較して、構成繊維間の空隙が大きく、吸湿性が良好であり、水蒸気を繊維間空隙に保持しやすいためである。
また、不織布は、同じ目付の布(織編物)や紙と比較したとき、繊維間空隙が大きく保温性が良好であるため、軽量化が図れ、取り扱いに優れるためである。
【0034】
ここで、不織布の目付は、例えば10〜100g/m
2程度が好ましい。
10g/m
2以上とすることにより、適度な強度を付与することができ、また、100g/m
2以下とすることにより軽量化が図れるうえコストを抑えることができるからである。
また、結露防止用シート1を窓ガラスに貼付するような場合に、窓の光透過性・採光性等を損なわないようにするためには、不織布も光透過性が良好なものを使用することができ、例えば目付が10〜30g/m
2程度の不織布を用いるとよい。さらに、吸湿性(結露の防止)がより良好なものを得たい場合は、30〜70g/m
2程度の目付のものを用いるとよい。
【0035】
また、結露防止用シート1は、窓ガラス等に貼付されて日光に晒されることも少なくないため、そのシート材として使用される不織布は、耐候性を有するものが好ましく、不織布を構成する繊維が耐候剤を含んでいるものを好ましく用いることができる。
また、不織布には、親水性油剤が付与されているものを好ましく用いことができる。不織布が吸湿あるいは保持した水蒸気が気温低下に伴って液体化した際に、その水分を繊維間に保持し易いためである。
また、吸湿性シートとして用いる不織布としては、連続繊維によって構成されるスパンボンド不織布を好ましく用いることができ、なかでも熱エンボス加工により多数の熱圧着部を有するスパンボンド不織布を好ましく用いることができる。
【0036】
不織布を構成する繊維としては、芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維によって構成される不織布を用いることが好ましい。このような構成からなる不織布は、シート本体10と固着させる際に、ヒートシーラ(
図8参照)により容易に固着させることができるためである。
また、固着においては、鞘部のポリエチレンが接着剤として寄与し、芯部のポリエチレンテレフタレートはヒートシール加工による熱の影響を受けず繊維形態を維持しているため、固着された個所の強度を保持することができる。
【0037】
さらに、吸湿性シート20としては、上記のような不織布以外にも、布や紙(例えば和紙)によって形成することができる。
吸湿性シート20は、シート本体10に重ねられて結露により生じた水分に対する吸湿性を発揮するものであり、布や紙も不織布と同様に吸湿性に優れることから吸湿性シート20を構成するシート部材として用いることができる。
なお、吸湿性シート20として布や紙を用いる場合、目付量については上述した不織布の場合に準じて設定することが好ましい。
【0038】
また、以上のような不織布等からなる吸湿性シート20は、表面に上述したシート本体10の粘着面用の所定の離型層(離型用の塗膜・コーティング)を形成することができる。
上述したように、結露防止用シート1の基材となるシート本体10には、壁面貼付側の表面に所定の粘着性を持たせるようにしてあり、結露防止用シート1を保管時等にロール状に巻くと、このシート本体10の粘着面が吸湿性シート20の表面と面接触状態に重ね合わされることになる。
そこで、このような場合に、吸湿性シート20がシート本体10の粘着面に接着しないように、吸湿性シート20の表面に粘着防止のための離型層、例えば離型性材料によるコーティング層,塗膜層を形成しておくことができる。
【0039】
このようにすると、結露防止用シート1がロール状に巻かれてシート本体10の粘着面が吸湿性シート20の表面が面接触状態で重ねられても、吸湿性シート20はシート本体10の粘着面から容易に剥離・離型することができ好ましい。
ここで、このような不織布等の吸湿性シート20の表面に形成する離型性の塗膜・コーティングとしては、公知のコーティング技術を使用することができ、例えば吸湿性シート20の表面をフッ素樹脂などにより塗装,コーティングすることができる。
このようなフッ素加工(テフロン加工(登録商標))等のコーティング加工を施すことで、シート本体10の粘着面との離型性が確保できる他、吸湿性シート20の表面自体がコーティング加工によって保護され、劣化等を抑制・防止でき好ましい。
【0040】
[スカート部]
そして、以上のようなシート本体10及び吸湿性シート20を備えてなる本実施形態の結露防止用シート1は、シート本体10に重ねて配置された吸湿性シート20の縁部にスカート部21が形成されるようになっている。
スカート部21は、
図1,2,4(a)等に示すように、吸湿性シート20の縁部が、重ねて配置されるシート本体10の少なくとも一辺の縁部において、そのシート本体10の縁部に沿ってシート本体10から所定の長さだけ突出することで形成される。
【0041】
このようなスカート部21が備えられることにより、結露防止用シート1は、
図4,5に示すように、シート本体10に重ねられていない吸湿性シート20単体が、スカート部21としてシート辺に沿って突出・延在することになり、スカート部21をシート本体10が貼着されていないシート周辺部に位置させて、シート周辺部に面状に接触・配置することができるようになる。
これによって、シート周囲に面状に配置・接触する吸湿性シート20により、シート本体10が貼着されていないシート周辺部に発生する結露による水分を、不織布等が単体で突出・延在するスカート部21によって吸収することができるようになる。
【0042】
具体的には、スカート部21は、
図4(a)に示すように、シート本体10に対して、例えばシートが窓ガラスに貼付された場合にシート下辺にあたる一辺から、当該辺に沿って所定の長さ(例えば0.5mm〜20mm等)に亘って突出するようになっている。
そして、
図3,4,5に示すように、このスカート部21が突出する辺を下辺として、結露防止用シート1を窓ガラス100の床面近傍に貼付することで、スカート部21がシート本体10と床面との間に介在・延在することになる。
これにより、スカート部21をシート本体10が貼着されていないシート周辺部に位置させて、シート周辺部に面状に接触・配置することができるようになる。
従って、シート周囲に面状に配置・接触する吸湿性シート20により、シート本体10が貼着されていないシート周辺部に発生する結露による水分を、不織布等が単体で突出・延在するスカート部21によって吸収することができるようになる。
【0043】
ここで、スカート部21の形成方法としては、シート本体10よりもスカート部21の面積分だけ大きく形成・裁断された不織布等からなる吸湿性シート20を用意し、この吸湿性シート20をシート本体10に重ね合わせ、スカート部21を形成する位置にスカート部21の大きさだけシート材を突出させた状態で、上述した接着剤等により吸湿性シート20とシート本体10とを接着・固定する。
また、スカート部21は、
図6に示すように、重ねて配置されたシート本体10と吸湿性シート20の縁部端面を斜めに切断・裁断することで形成することもできる。
【0044】
このようにすると、シート本体10と吸湿性シート20とは、同形・同大のシートをピッタリと重ね合わせた状態で接着・固定して形成することができ、その後、シート材の任意の端面を斜めに切断加工することで当該端面にスカート部21を形成できるので(
図6(b)参照)、スカート部21の形成作業が容易となる。
また、当初スカート部21を形成していなかったシート辺に対しても、シート端面を斜めに裁断することでスカート部21を形成することができ、結露防止用シート1としての汎用性や利便性を向上させることができる。特に、結露防止用シート1を上述した長尺帯状に形成して所定の大きさだけシートを切り出して使用するような場合に、シートの端面切断によりスカート部21を任意に形成可能となることは好ましい。
【0045】
ここで、スカート部21の大きさ(突出部分の長さ)としては、任意の大きさとすることができるが、スカート部21の結露吸収用の機能を果たすためには、少なくともシート本体10の縁部から突出する部分が形成されていれば良い。
例えば、上述したシート端面を斜めに切断加工してスカート部21を形成する場合には(
図6参照)、スカート部21の突出部分の長さは数mm程度あれば、毛細管現象により不織布等が水分を吸い上げることができ、さらに、スカート部21を構成する不織布等の吸湿・吸水性能により、結露による水分を確実に吸収することができる。
【0046】
また、スカート部21は、例えば吸湿性シート20を重ね合わせるシート本体10の積層気泡シートの厚み(例えば、キャップ11の高さ(粒高)が2.5mm〜13mmで、フィルムの厚みが1.5mm〜6mm)とほぼ同じ長さだけ、シート本体10の縁部に沿って当該シート本体縁部から突出させることができる。
このようにすると、
図5(a)に示すように、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態としたときにシート本体10の縁部端面をスカート部21によって覆うことができ、これによって、結露防止用シート1と床面300の間にスカート部21を介在させることができ、シート下方に滴下・移動する結露の水分を効果的に吸収することができるようになる。
【0047】
また、この場合に、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態(
図5(a)に示す状態)で、スカート部21をシート本体10の縁部端面に固着することができる。
このようにすると、スカート部21がシート本体10側に折り曲げられた状態で固着されているため、結露防止用シート1を設置・貼付する際に、スカート部21を折り曲げたりシート本体10の端面と床面300との間にスカート部21を挿入・介在させる等の作業が不要となり、結露防止用シート1を設置するだけで、結露防止用シート1と床面300の間にスカート部21が介在するようになり、シート設置の作業性・利便性を向上させることができる。
なお、スカート部21とシート本体10の端面との固着は、上述したような公知の接着剤等により行うことができる。
【0048】
また、スカート部21は、吸湿性シート20を重ね合わせるシート本体10の厚みよりも長く、シート本体10の縁部から突出させることもできる。
このようにすると、スカート部21をシート本体10が貼付されていないシート周辺部分に、より長く(広く)突出・延在させることができ、結露による水分をより広い面積に亘って吸収でき、特に
図4(b)にも示すように、スカート部21をシート本体10の貼付面と反対側に折り曲げて設置・使用する場合に好ましい。
【0049】
また、このようにスカート部21を長く突出させることにより、
図5(b)に示すように、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態としたときにシート本体10の縁部端面をスカート部21によって覆うことができ、さらに、スカート部21をシート本体10の吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面まで折り曲げて配置・介在させることができる。
これによって、結露防止用シート1と床面300の間に、より広い範囲に亘ってスカート部21を介在させることができ、シート下方に滴下・移動する結露の水分を更に効果的に吸収させることができるようになる。
【0050】
また、この場合、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態(
図5(b)に示す状態)で、スカート部21をシート本体10の吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面に固着することができる。
このようにすると、
図5(a)で示した場合と同様に、スカート部21がシート本体10側に折り曲げられた状態で固着されるため、結露防止用シート1を設置・貼付する際に、スカート部21を折り曲げたりシート本体10の端面と床面300との間にスカート部21を挿入・介在させる等の作業が不要となり、結露防止用シート1を設置するだけで、結露防止用シート1と床面300の間にスカート部21が介在するようになり、シート設置の作業性・利便性を向上させることができる。
【0051】
以上のようなスカート部21は、結露防止用シート1の少なくとも一辺において形成されていれば良い。
具体的には、
図7に示すように、結露防止用シート1が横長のほぼ長方形状に形成される場合には、
図7(a)に示すように、スカート部21は、横長長方形状の少なくともシートの1辺(底辺)に形成することができる。このようにすれば、シート貼付面の下方に滴下・移動してくる水分をシート下辺のスカート部21によって吸収することができる。
また、このような横長長方形状の結露防止用シート1の場合、シートの3辺(底辺及び左右両辺)にスカート部を形成することができる。このようにすると、スカート部21がシートの下辺だけでなくシートの左右両側辺にも突出・延材することになり、シート周辺で下方に滴下・移動する水分を、シート側辺のスカート部21によっても吸収することができ、シート周囲で発生する結露により水分をより効果的に吸収・回収することができるようになる。
【0052】
また、結露防止用シート1がほぼ正方形状に形成される場合には、
図7(c)に示すように、スカート部21は、正方形状のシートの隣接する2辺の縁部に沿って設けることができる。
このようにすると、ほぼ正方形状のシートを90度回転させることで、スカート部21をシートの下辺及び左右側辺のいずれにも位置させることができ、
図3(b)で示したほぼ正方形状のシートを使用する場合にも、一種類の結露防止用シート1によって二種類のスカート部21の形態に対応することができ、シートとしての汎用性を向上させることができるようになる。
なお、以上のような
図7(a)〜(c)に示す場合において、シートの上辺など、スカート部21を設けていない辺にもスカート部21を設けることができることは勿論である。
【0053】
[シートの使用方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態の結露防止用シート1の具体的な使用方法について、
図3〜5を参照しつつ説明する。
図3では、本実施形態に係る結露防止用シート1を住宅の窓ガラス100に貼付して使用する場合を例にとって示している。
同図に示すように、結露防止用シート1は、主に結露が発生する乃至発生するおそれのある面(結露発生面)の下側、具体的には窓ガラス100の下方の床面近傍(
図4,5参照)に貼付・配置することが好ましい。
結露により生じた水滴・水分は、壁面を伝って下方に移動・滴下し、最終的に壁面下方のサッシ等の建具や床面を濡らすことになるので、結露防止用シート1はそのような結露発生面の下側に配置しておくことが望ましい。
【0054】
結露防止用シート1を窓ガラス100に貼付する場合には、シート本体10の吸湿性シート20と反対側の面を窓ガラスの壁面に向けて押し付けることで、シート本体10の粘着面が窓ガラス100の表面と接着され、結露防止用シート1は窓ガラス100から脱落・剥離等することなく、所望の位置に貼付・設置することができる。
また、この場合に、結露防止用シート1のスカート部21がシート下辺に位置するようにシートを配置する。これによって、スカート部21が少なくともシート下辺側において突出・延材することになり、最終的に窓ガラス100の表面を伝って下方に滴下・移動して集まってくる水分を、シート下辺のスカート部21によって吸収することができる。
使用後の結露防止用シート1は、シート本体10のフィルム端部から捲り剥がすことで、窓ガラス100の表面から容易に剥離することができ、必要に応じて乾燥・洗浄等を行い、再使用することも可能である。
【0055】
そして、以上にように窓ガラス100の床面300の近傍に貼付・設置される結露防止用シート1のより具体的な設置態様について、
図4,5を参照しつつ説明する。なお、
図4,5においては、図示の便宜上、窓ガラス100の窓枠(サッシ)の図示を省略してある。
まず、結露防止用シート1は、
図4(a)に示すように、シート本体10の端面を床面から離間させるとともに、吸湿性シート20のスカート部21の端面を床面に当接させるように設置することができる。
【0056】
このようにすると、シート本体10が貼付されている面では結露の発生が抑制乃至防止され、また、シート本体10の周囲で発生した結露による水分は、シート周辺を伝ってシート下辺に集まってくる。このとき、シート下辺と床面300とは離間しているため、この空間に落下してきた水分が集まってくるが、床面300にはスカート部21の吸湿性シート20が単体で接触している。このため、落下・移動してきた水分は、
図4(a)に示すように、スカート部21によって堰き止められる形で、床面への拡散・流出がスカート部21によって遮られ、かつ、その水分はスカート部21を経由して吸湿性シート20を構成する不織布等によって吸収・吸水されることになる。
また、吸湿性シート20によって吸収された水分は、シート面全体を経由して室内空間に蒸発・放出され、室内の湿度維持・乾燥防止としての機能も発揮することになる。
【0057】
また、結露防止用シート1は、
図4(b)に示すように、シート本体10の端面を床面300に当接させた状態とし、吸湿性シート20のスカート部21を床面に沿って折り曲げるようにして設置することができる。
このようにすると、スカート部21をシートが貼付される窓ガラス100の前方の床面300にスカート部21を突出・延材させることができ、床面300に流出する可能性のある結露の水分をより確実に、より広い面積に亘って吸収することができるようになる。
【0058】
また、結露防止用シート1は、
図5(a)に示すように、スカート部21をシート本体10の端面側に折り曲げた状態で床面300に当接させるようにして設置することができる。
このようにすると、
図5(a)に示すように、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態としたときにシート本体10の縁部端面をスカート部21によって覆うことができ、これによって、結露防止用シート1と床面300の間にスカート部21を介在させることができ、シート下方に滴下・移動する結露の水分を効果的に吸収することができるようになる。
なお、この場合には、上述したように、予めスカート部21をシート本体10の端面に固着させた結露防止用シート1を使用することもでき、その場合には、シートの設置作業がより容易に行えるようになる。
【0059】
さらに、結露防止用シート1は、
図5(b)に示すように、シート本体10の端面側に折り曲げた吸湿性シートのスカート部21をシート本体10の表面側まで折り曲げた状態で床面300に当接させるように設置することができる。
この場合、スカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態としたときにシート本体10の縁部端面をスカート部21によって覆うことができ、さらに、スカート部21をシート本体10の吸湿性シート20が重ねられる一面と反対側の面まで折り曲げて配置・介在させることができるので、結露防止用シート1と床面300の間に、より広い範囲に亘ってスカート部21を介在させることができ、シート下方に滴下・移動する結露の水分を更に効果的に吸収させることができるようになる。
なお、この場合には、スカート部21がシート本体10の吸湿性シート20と反対側の面まで折り曲げ可能な長さを有していることが必要となる。
また、この場合にも、上述したように、予めスカート部21をシート本体10側に折り曲げた状態で固着させた結露防止用シート1を使用することもでき、その場合には、シートの設置作業がより容易に行えるようになる。
【0060】
[積層気泡シート]
次に、以上のような本実施形態の結露防止用シート1を構成する積層気泡シートについて説明する。
本実施形態に係る結露防止用シート1は、シート本体10の全ての部分が、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)を含むポリオレフィン製のフィルムからなる積層気泡シートを用いて形成されるようになっている。
【0061】
ここで、ポリエチレンフィルムを用いて積層気泡シートを形成する場合、積層気泡シートを構成するポリエチレンフィルムの材料となるポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル重合体などが例示できる。また、これらの材料を任意に混合して用いてもよい。
また、ポリエチレンフィルムの材料となる樹脂組成物には、結露防止用シート1の用途に応じて、非ハロゲン系の高級脂肪酸、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グリセリンエステル等の滑剤、等のアンチブロッキング剤、フェノール系、りん系、BHT等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤、タルク、珪藻土、マイカ等の無機・有機充填剤、帯電防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0062】
結露防止用シート1のシート本体10を、このようなポリエチレンフィルムからなる積層気泡シートを用いて形成することで、結露防止用シート1のシート本体10が貼付される室内壁面や空調機の配管等は、積層気泡シートによって覆われることになり、積層気泡シートの断熱性・保温性により温度が保たれ、結露の発生が抑制乃至防止されることになる。
また、積層気泡シートは、軽量で柔軟性,可撓性に優れ、保管,運搬等が容易で、結露防止用シート1の非使用時にはロール状に巻いた状態で保管,運搬等が可能できわめて便利である。
また、全体が積層気泡シートで形成される結露防止用シート1のシート本体10は、ハサミやカッター等で裁断することができ、設置する温室内のスペースや形状、結露防止用シート1で覆う高さや面積等に応じて、シート本体10を適宜裁断・加工することができ、汎用性,拡張性に優れた結露防止用シートを提供することができる。
【0063】
なお、積層気泡シートはミシン目や切れ込み,ノッチ等の加工を施すことも容易であり、積層気泡シートで構成された結露防止用シート1の任意の箇所にミシン目や切れ込み,ノッチ等を形成することができる。これにより、形成したミシン目や切れ込み,ノッチに沿って積層気泡シートを容易かつ正確に切断することができ、結露防止用シート1の裁断性を向上させることができる。
さらに、全体が積層気泡シートからなる結露防止用シート1のシート本体10は、使用後においては、包装用材,緩衝材等に流用できる他、吸湿性シート20と分離したシート本体10はそのままリサイクルすることができ、分別作業や焼却処分等する必要もない。
【0064】
図8は、本実施形態に係る結露防止用シート1のシート本体10を構成するポリエチレンフィルムからなる積層気泡シートの例を模式的に示す説明図であり、(a)は二層気泡シートの、(b)は三層気泡シートの概略要部斜視図である。
本実施形態に係る結露防止用シート1のシート本体10には、
図8(a)に示す二層気泡シート10A、
図8(b)に示す三層気泡シート10Bのいずれを用いることもできる。
【0065】
同図に示すように、二層気泡シート10Aは、中空状に膨出する多数のキャップ11が形成されたキャップフィルム12と、キャップフィルム12のキャップ開口側に積層されるバックフィルム13とを備える二層構造の積層気泡シートである。
また、三層気泡シート10Bは、上記二層気泡シート10Aに対して、さらに、キャップフィルム12のキャップ膨出側にライナーフィルム14を積層した三層構造の積層気泡シートである。
本実施形態の結露防止用シート1のシート本体10は、上記のような二層気泡シート10A、三層気泡シート10Bのいずれを用いても形成することができる。
【0066】
[結露防止用シートの製造方法]
次に、以上のような本実施形態に係る結露防止用シート1の製造方法について、
図9,10を参照して説明する。
図9は、結露防止用シート1の製造装置の一例を示す説明図であり、本実施形態の結露防止用シート1は、例えば、同図に示すような製造装置5aを用いて製造することができる。
【0067】
ここで、製造装置5aにより製造される結露防止用シート1の一例として、シート本体10が
図8(b)に示した三層の積層気泡シート10Bからなる、
図1に示した結露防止用シート1を例にとって説明する。
ここで、
図8(b)で示した三層の積層気泡シート10Bの各層の材料の一例を挙げると、例えば、下記のものを用いることができる(但しこれらに限定されるものではない)。
キャップフィルム12:約30%のHDPE、残りはLDPE及び/又はLLDPE
バックフィルム13:約30%のHDPE、残りはLDPE及び/又はLLDPE
ライナーフィルム14:LDPE及び/又はLLDPE
【0068】
図9に示すように、製造装置5aは、三つのフラットダイ51〜53と、不織布20の原反200と、成形ロール55と、五つの押圧ロール56〜60を備えている。
三つのフラットダイ51〜53は、それぞれ前述した樹脂材料を所定の厚みで押し出すことによって、フラット状のキャップフィルム12,バックフィルム13及びライナーフィルム14が連続的に供給される。
原反54は、紙材3を連続的に供給する。
【0069】
キャップフィルム用のフラットダイ51から供給されたフラット状のキャップフィルム12は、成形ロール55に供給される。
成形ロール55には、外周面に多数のキャビティ孔551が設けられている。
各キャビティ孔551は、図示しない真空ポンプにつながっており、キャビティ孔551を真空吸引することにより、キャップフィルム12に中空状に膨出する多数のキャップ11(
図8参照)が形成される。
【0070】
ここで、キャップフィルム12に形成されるキャップ11(気泡)の形状としては、キャップ平面視で円形,三角形,四角形,楕円形,多角形等、任意の形状とすることができる。
また、キャップ11の外形は、キャップの平面形状に対応した円筒形・角筒形の立体形状となるが、その立体形状はキャップ頂部に向かって細くなるテーパ形状、例えば切頭円錐台や切頭角錐台形状、半球形状、半楕円球形状等とすることができる。
なお、このキャップフィルム12のキャップの形状(平面形状・外形)は、成形ロール55のキャビティ孔551の形状に応じて、上記のような任意の形状に成形することができる。
【0071】
キャップ11が形成されたキャップフィルム12は、成形ロール55と押圧ロール56との間で、バックフィルム用のフラットダイ52から供給されるバックフィルム13と積層され、熱融着により一体化される。
次いで、押圧ロール57と押圧ロール58との間で、ライナーフィルム用のフラットダイ53から供給されるライナーフィルム14が、キャップフィルム12のキャップ膨出側に積層され、熱融着により一体化される。
続いて、押圧ロール59と押圧ロール60との間で、原反200から供給される不織布(吸湿性シート20)が、ライナーフィルム14(又はバックフィルム13)の表面に接着される。
これにより、結露防止用シート1が得られる。
【0072】
なお、
図9に示す製造装置5aは、シート本体10が三層の積層シートからなる
図1に示した結露防止用シート1を製造する装置であるが、シート本体10が二層の積層シート(
図8(a)参照)からなる
図2に示した結露防止用シート1の場合は、例えば
図10に示す製造装置5bにより製造することができる。
製造装置5bにおける動作は、基本的に製造装置5aの動作と同じであるため、
図10中に
図9と同じ符号を付すことで重複する説明は省略する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の結露防止用シート1によれば、まず、シート本体10を構成する積層気泡シートの断熱性能・保温性能により、結露防止用シート1が例えば室内の壁面に貼付されることで、貼付面の表面温度が低下することを抑制し、室内空間の温度と壁面の表面温度に格差が生じることを防止でき、当該室内壁面に結露が発生することを有効に抑制・防止することができる。
そして、本実施形態の結露防止用シート1は、不織布等からなる吸湿性シート20が、重ねて配置されるシート本体10の縁部から突出するスカート部21を備えており、このスカート部21によって結露防止用シート1の周囲に発生する結露による水分を吸収して、床面等が水滴によって濡れたり汚染・腐食等することを効果的に防止することができる。
【0074】
すなわち、本実施形態に係る結露防止用シート1は、シート本体10の縁部から突出してシート本体10に重ねられていない吸湿性シート20単体が、スカート部21としてシート辺に沿って突出・延在することになり、スカート部21をシート本体10が貼着されていないシート周辺部に位置させて、シート周辺部に面状に接触・配置することができるようになる。
これによって、シート周囲に面状に配置・接触する吸湿性シート20により、シート本体10が貼着されていないシート周辺部に発生する結露による水分を、不織布等が単体で突出・延在するスカート部21によって吸収することができるようになる。
【0075】
従って、本実施形態によれば、ガラス窓等に貼り付けた結露防止用シート1の周囲のシートが存在していない部分に結露が生じても、シート縁部から突出する不織布単体のスカート部21によってシート周囲の水分が吸収されるので、シート周囲に発生した水分が滴下せず、また、滴下して壁面等を伝って下方に移動した水分をスカート部21によって吸収・回収することができ、シートを貼り付けた下側の床面や窓枠等に水分が溜まるようなことがなくなる。
これによって、本実施形態の結露防止用シート1によれば、結露により発生した水分が室内の床面等に付着・滴下することがなくなり、室内に濡れや汚れが生じたり、床面等が腐朽・劣化等したりすることを有効に防止することができるようになる。
【0076】
このようにして、本実施形態の結露防止用シート1によれば、シート材の断熱効果により壁面への結露発生を抑制するとともに、シート周囲に発生する水分を確実に吸収して、シート周囲や床面への水分の滴下・滞留を有効に防止することができるようになる。
さらに、本実施形態の結露防止用シート1によれば、吸湿性シート20によって吸収された水分は、シート面全体から外部に蒸発・放出させることができるので、室内の湿度維持や乾燥防止を計ることもできる。
【0077】
以上、本発明の結露防止用シートについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る結露防止用シートは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る結露防止用シートを住宅等の室内の窓ガラスの表面に貼付する場合を例にとって説明したが、本発明に係る結露防止用シートは窓ガラスにのみ使用するものではなく、結露が発生する可能性のある各種壁面に使用できる。
また、本発明に係る結露防止用シートは、壁面等の平面部分だけでなく、例えば室外機の配管の表面に巻装状態で貼付することもでき、非平面部分に貼付・設置することもできる。